特許第5838082号(P5838082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5838082
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】内視鏡用中間モジュール
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20151203BHJP
   A61B 1/04 20060101ALI20151203BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20151203BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   A61B1/00 300B
   A61B1/04 370
   A61B1/00 300A
   A61B1/04 362J
   G02B23/24 B
   H04N7/18 M
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-269374(P2011-269374)
(22)【出願日】2011年12月8日
(65)【公開番号】特開2013-119011(P2013-119011A)
(43)【公開日】2013年6月17日
【審査請求日】2014年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100129746
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 滋郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】魁生 諭
【審査官】 安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−229831(JP,A)
【文献】 特開2008−149027(JP,A)
【文献】 特開平07−000360(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3164333(JP,U)
【文献】 特開2009−039249(JP,A)
【文献】 特開2000−249933(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0114986(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0228553(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0141557(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00− 1/32
A61B 8/00− 8/15
G02B 23/24−23/26
H04N 7/18
F16L 9/00−11/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像し画像信号を生成する内視鏡、及び画像信号に対して画像処理を施す内視鏡用プロセッサとは別体に設けられるとともに、少なくとも前記内視鏡及び内視鏡用プロセッサのいずれかに対して、データを送信又は受信可能であり、
前記内視鏡又は前記内視鏡用プロセッサと送受信する前記データは、画像信号、ファームウエアデータ、画像処理パラメータ、及び、前記内視鏡又は前記内視鏡用プロセッサを識別するための識別情報を含み、
前記画像処理パラメータ、または前記ファームウエアデータが予め保存され、前記内視鏡又は前記内視鏡用プロセッサに接続されたとき、予め保存されたデータが前記識別情報と一致するとき、前記内視鏡および前記内視鏡用プロセッサのいずれかに対して、対応する前記データを送受信することを特徴とする内視鏡用中間モジュール。
【請求項2】
前記内視鏡及び内視鏡用プロセッサのいずれとも、前記データを送信又は受信可能であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用中間モジュール。
【請求項3】
画像処理回路を備え、かつ前記内視鏡で生成された画像信号を前記データとして受信し、前記画像処理回路で前記画像信号に対して画像処理を施し、その画像処理を施した画像信号を前記内視鏡用プロセッサに送信することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用中間モジュール。
【請求項4】
メモリをさらに備え、前記画像処理回路は、前記メモリに格納された画像処理パラメータに基づき前記画像処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の内視鏡用中間モジュール。
【請求項5】
メモリをさらに備え、前記メモリに格納されたデータを、前記内視鏡又は内視鏡用プロセッサに送信可能であり、又は前記内視鏡又は内視鏡用プロセッサから受信したデータを前記メモリに格納可能であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用中間モジュール。
【請求項6】
前記内視鏡用プロセッサから電力が供給されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用中間モジュール。
【請求項7】
電源モジュールを備えることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用中間モジュール。
【請求項8】
前記電源モジュールは、前記内視鏡用プロセッサから供給された電力を充電することを特徴とする請求項に記載の内視鏡システム。
【請求項9】
被写体を撮像し、画像信号を生成する内視鏡と、
入力された画像信号に対して画像処理を行うプロセッサと、
前記内視鏡及びプロセッサとは別体に設けられるとともに、少なくとも前記内視鏡及びプロセッサのいずれかに対して、データを送信又は受信可能であり、
前記内視鏡又は前記プロセッサと送受信する前記データは、画像信号、ファームウエアデータ、画像処理パラメータ、及び、前記内視鏡又は前記プロセッサを識別するための識別情報を含み、
前記画像処理パラメータ、または前記ファームウエアデータがメモリに予め保存され、前記内視鏡又は前記プロセッサに接続されたとき、予め保存されたデータが前記識別情報と一致するとき、前記内視鏡および前記プロセッサのいずれかに対して、対応する前記データを送受信する中間モジュールと
を備えることを特徴とする内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間モジュールを備える内視鏡システム、及び内視鏡システムで使用される内視鏡用中間モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、体内等を撮影し画像信号を生成する内視鏡と、入力された画像信号に対して画像処理を行うプロセッサとが接続されて構成される内視鏡システムが広く使用されている。内視鏡システムでは、特性の異なる光源やCCD等を有する種々のプロセッサ及び内視鏡が適宜組み合わされて使用されるのが一般的である。したがって、内視鏡で撮影された画像信号に対しては、各内視鏡やプロセッサの特性に応じて異なる画像処理を施す必要があるため、内視鏡システムは、内視鏡、プロセッサ毎に画像処理を行うためのパラメータやファームウエアを保持する必要がある。
【0003】
また、内視鏡やプロセッサは、CCDの種類が変更され、また、新たな機能が追加されると、その度に内視鏡やプロセッサに保存されるファームウエア等を更新する必要がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−185691号公報
【特許文献2】特開2008−149027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、内視鏡は、通常、プロセッサに接続することにより動作するため、内視鏡のファームウエアやパラメータを更新等する場合には、プロセッサに接続させる必要がある。しかし、このような構成によれば、プロセッサが、他の内視鏡と接続されて使用されるときには、内視鏡のファームウエアが更新できない等の不具合があり、効率的なシステム構成とは言えない。
【0006】
さらに、内視鏡は、軽量かつ小型にする必要があるため、画像処理の多くは、プロセッサ側で行われることが望ましい。しかし、そのような構成にすると、プロセッサに、複数の内視鏡各々に応じたパラメータ等を保持させる必要があり、内視鏡システムの構成が複雑となってしまうおそれがある。また、内視鏡やプロセッサを改変するのは大掛かりでコストがかかるため、内視鏡やプロセッサには新たな機能が付加しにくいという問題もある。
【0007】
そこで、本発明は、効率的な内視鏡システムを構築し、例えば、内視鏡やプロセッサのファームウエアやパラメータを容易に更新等することができ、また、新たな機能を付加しやすい内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被写体を撮像し画像信号を生成する内視鏡、及び画像信号に対して画像処理を施す内視鏡用プロセッサとは別体に設けられるとともに、少なくとも内視鏡及び内視鏡用プロセッサのいずれかに対して、データを送信又は受信可能である内視鏡用中間モジュールを提供することを1つの特徴とする。
【0009】
内視鏡用中間モジュールは、内視鏡及び内視鏡用プロセッサのいずれとも、データを送信又は受信可能であることが好ましい。
【0010】
内視鏡用中間モジュールは、例えば画像処理回路を備える。この場合、中間モジュールは、内視鏡で生成された画像信号をデータとして受信し、画像処理回路で画像信号に対して画像処理を施し、その画像処理を施した画像信号を内視鏡用プロセッサに送信する。内視鏡用中間モジュールは、さらにメモリを備えていても良く、この場合、画像処理回路は、メモリに格納された画像処理パラメータに基づき画像処理を行うことが好ましい。
【0011】
内視鏡又は内視鏡用プロセッサと送受信するデータは、例えば、画像信号、ファームウエアデータ、画像処理パラメータ、または、内視鏡若しくは内視鏡用プロセッサを識別するための識別情報等である。
【0012】
内視鏡用中間モジュールは、メモリを備える場合、そのメモリに格納されたデータを、内視鏡又は内視鏡用プロセッサに送信可能であり、又は内視鏡又は内視鏡用プロセッサから受信したデータをメモリに格納可能であることが好ましい。
【0013】
内視鏡用中間モジュールは、電源モジュールを備えることが好ましく、また、内視鏡用プロセッサから電力が供給されることが好ましい。電源モジュールは、例えば、内視鏡用プロセッサから供給された電力を充電する。
【0014】
本発明に係る内視鏡システムは、被写体を撮像し、画像信号を生成する内視鏡と、入力された画像信号に対して画像処理を行うプロセッサと、内視鏡及びプロセッサとは別体に設けられるとともに、少なくとも内視鏡及びプロセッサのいずれかに対して、データを送信又は受信可能である中間モジュールとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、中間モジュールを使用することにより、内視鏡システムを効率的にし、例えば、内視鏡やプロセッサのファームウエアやパラメータを容易に追加・更新でき、或いは、内視鏡システムに新たな機能を容易に付加できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施形態において、通常の画像観察時の内視鏡システムを示す模式図である。
図2】本発明の第1の実施形態において、中間モジュールが使用されるときの内視鏡システムを示す模式図である。
図3】第1の実施形態におけるフローチャートを示す。
図4】第2の実施形態における内視鏡システムを示す模式図である。
図5】第2の実施形態におけるフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照にしつつ説明する。
図1、2は、本発明の第1の実施形態に係る内視鏡システムを示す模式図である。
【0018】
第1の実施形態に係る内視鏡システムは、体内等を撮像し画像信号を生成する内視鏡10と、画像信号に対して画像処理を施すプロセッサ11と、これら内視鏡10、プロセッサ11とは別体で設けられる中間モジュール12と、モニタ13とを備える。内視鏡10は、可撓管からなり体内等に挿入される挿入部14を備えるとともに、コネクタ部15を介して、プロセッサ11や中間モジュール12に接続される。内視鏡10には、ライトガイド16が挿通されており、その先端部は、挿入部14の先端部に配置されるとともに、基端部はコネクタ部15から突出するように配置される。
【0019】
内視鏡10は、挿入部14の先端部にCCD等から成る撮像素子17を備える。また、内視鏡10は、コネクタ部15内部に、アナログ画像信号を画像処理するためのアナログ信号処理回路20と、撮像素子17を駆動・制御する駆動回路21と、内視鏡10内の撮像素子17やその他の回路の駆動タイミングを制御するタイミングコントローラ22と、内視鏡10の全体を制御するCPU23と、メモリ24とを備える。メモリ24には、画像処理パラメータやファームウエアが格納されている。また、CPU23は、メモリ24に格納されたファームウエアに基づいて内視鏡10を制御する。
【0020】
プロセッサ11は、プロセッサ11全体を制御するCPU33と、内視鏡から送られてきた画像信号を施すための前段信号処理回路41、画像メモリ42、及び後段信号処理回路43と、回路41、43や画像メモリ42の駆動タイミングを制御するタイミングコントローラ32とを備える。また、プロセッサ11はさらにメモリ34を備え、CPU33はメモリ34に格納されたファームウエアに基づいてプロセッサ11を制御する。さらに、前段信号処理回路41及び後段信号処理回路43は、メモリ34に格納された画像処理パラメータ等に基づき画像処理を実施する。
【0021】
プロセッサ11は光源35を備え、光源装置としての機能も有する。また、プロセッサ11は、光源35の光量を調整する絞り36を備え、この絞り36は、モータドライバ37によって制御されるモータ38によってその開度が調整される。なお、光源装置は、プロセッサ11と別体に設けられるものであっても良い。
【0022】
プロセッサ11には、インターフェース40が設けられる。インターフェース40には、内視鏡10等のファームウエアを更新・追加等するためのファームウエアデータを保持するメモリカード等の記憶媒体が接続される。ただし、インターフェース40は省略されても良く、ファームウエアデータは、例えばサービスマン等によってメモリ34に書き込まれることもある。また、プロセッサ11では、フロントパネル45が操作されると、指示信号がフロントパネル45からプロセッサ11のCPU33に入力され、CPU33はその指示信号に従ってプロセッサ11を制御し、或いは、内視鏡10のCPU23に、内視鏡10を制御するための制御信号を出力する。
【0023】
プロセッサ11では、不図示の商用電源からの電圧が、システム電源46と、光源電源47に供給される。プロセッサ11や内視鏡10の各種回路や中間モジュール12には、システム電源46から電力が供給される。また、光源35には、光源電源47から電力が供給される。
【0024】
以下、本実施形態の内視鏡システムにおける、通常の画像観察時における動作を図1を用いて説明する。通常の画像観察時、内視鏡10は、図1に示すように、コネクタ部15を介して、プロセッサ11に直接接続される。すなわち、ライトガイド16の基端部が、プロセッサ11内部に挿入されるとともに、コネクタ部15に設けられたアダブタ(不図示)がプロセッサ11の差込口(不図示)に差し込まれ、内視鏡10のアナログ信号処理回路20、タイミングコントローラ22、及びCPU23が、それぞれプロセッサ11の前段信号処理回路41、タイミングコントローラ32、及びCPU33に電気的に接続される。
【0025】
光源35は、フロントパネル45の指示信号等により、電源がオンにされて照明光を出射する。照明光は、集光レンズ44で集光され、かつ絞り36で光量が調整されたうえで、ライトガイド16の基端部に入射される。基端部に入射された照明光は、ライトガイド16により伝送され、内視鏡10の先端部から配光レンズ18を介して被写体に照射される。
【0026】
撮像素子17は、照明光が照射された被写体を撮影する。すなわち、撮像素子17には、撮像レンズ19によって被写体像が結像され、光電変換により画像信号が生成される。画像信号は、出力アンプ29で増幅された後、アナログ信号処理回路20に入力される。アナログ信号処理回路20では、メモリ24から読み出された画像処理パラメータに基づき、画像信号にガンマ補正、ホワイトバランス調整、ノイズリダクション、エンハンス処理等の所定の画像処理が施される。その後、画像信号は、アナログ信号処理回路20においてA/D変換され、デジタル信号としてプロセッサ11の前段信号処理回路41に送信される。
【0027】
前段信号処理回路41は、入力された画像信号を増幅し、また、所定の画像処理パラメータに応じて各種画像処理を施したうえで画像信号を画像メモリ42に出力する。画像信号は、画像メモリ42においてフレーム単位で格納された後、そのフレーム単位毎に後段映像信号処理回路43に出力される。
【0028】
後段映像信号処理回路43では、フロントパネル45からの指示信号等に応じて、画像信号に対して、例えばRGB調整等の画像処理がさらに行われるとともに、モニタ13の規格に応じたビデオ信号(例えば、NTSC方式)に変換され、モニタ13に出力される。これにより、モニタ13では、撮像素子17で撮像された撮像画像が被写体の映像として表示される。
【0029】
次に、本実施形態における中間モジュール12の構成について図2を用いて詳細に説明する。図2に示すように、中間モジュール12は、中間モジュール12全体の動作を制御するためのCPU53と、インターフェース51、電源モジュール52及びメモリ54を備える。
【0030】
中間モジュール12は、2本のケーブル55、56を有し、一方が内視鏡10のアダプタ(不図示)が差し込まれ、中間モジュール12を内視鏡10に電気的に接続し、他方がプロセッサ11の差込口に差し込まれ、中間モジュール12をプロセッサ11に電気的に接続する。なお、図2においては、中間モジュール12は、ケーブル55、56を介して、内視鏡10及びプロセッサ11の両方に接続する構成が示されるが、本実施形態における中間モジュール12は、通常、内視鏡10及びプロセッサ11のいずれか一方に接続されて使用される。また、中間モジュール12が、内視鏡10及びプロセッサ11の両方に接続する場合でも、内視鏡10とプロセッサ11の間で直接データが送受信されず、例えば、アナログ信号処理回路20と前段信号処理回路41間のデータ送受信は、中間モジュール12で遮断される。
【0031】
中間モジュール12は、内視鏡10及びプロセッサ11のいずれか一方、又はその両方に接続することにより起動する。中間モジュール12がプロセッサ11に接続するとき、電源モジュール52は、システム電源46から電力が供給され、その電力を充電することが可能である。また、電源モジュール52は、充電又はプロセッサ11から供給された電力により、中間モジュール12の各回路を駆動させる。また、電源モジュール52は、中間モジュール12が内視鏡10に接続するときには、プロセッサ11から供給された電力、又は中間モジュール12に充電されている電力を内視鏡10に供給し、内視鏡10の各回路を駆動させる。
【0032】
インターフェース51には、内視鏡10やプロセッサ11のファームウエアを更新・追加等するためのファームウエアデータを保持するメモリカード等の記憶媒体が接続される。ただし、インターフェース51は省略され、ファームウエアデータは予めメモリ54に保存されており、或いは、メンテナンス時等にサービスマン等によりメモリ54に書き込まれても良い。さらには、ファームウエアデータは、後述するようにプロセッサ11から送られてメモリ54に保存される場合もある。
【0033】
次に、中間モジュール12の動作について図3のフローチャートを用いて説明する。なお、図3に示すルーチンは、中間モジュール12が起動されたときに、或いは、プロセッサ11又は中間モジュール12のインターフェース40、51に、メモリカード等の記憶媒体が接続されたとき等に、中間モジュール12で実施される。
【0034】
本ルーチンでは、まずステップS100において、中間モジュール12がプロセッサ11に接続されているか否かが判定され、接続されていると判定された場合、ステップS110に進む。一方、接続されていないと判定された場合、ステップS110をスキップしてステップS120に進む。
【0035】
ステップS110では、プロセッサ11又は中間モジュール12に、中間モジュール12又はプロセッサ11に送信すべきデータが保持されている場合には、プロセッサ11と中間モジュール12の間でデータ送受信が行われる。
【0036】
例えば、プロセッサ11のメモリ34に内視鏡のファームウエアを更新するためのアップデートデータ(ファームウエアデータ)が保持され、或いは、インターフェース40にメモリカードが接続され、そのメモリカードに上記ファームウエアデータが保存されている場合には、そのファームウエアデータが、中間モジュール12に送信され、メモリ54に保存される。一方、中間モジュール12のメモリ54や、インターフェース51に接続されるメモリカードに、プロセッサ11のファームウエアを更新するためのファームウエアデータが保持されている場合には、そのファームウエアデータがプロセッサ11に送信される。そして、ファームウエアデータはプロセッサ11のメモリ34に入力され、プロセッサ11は、ファームウエアデータにより、メモリ34内のファームウエアを更新等する。
【0037】
次いで、ステップS120では、中間モジュール12が内視鏡10に接続されているか否かが判定され、接続されていると判定された場合、ステップS130に進む。一方、接続されていないと判定された場合、本ルーチンは終了する。
【0038】
ステップS130では、内視鏡10又は中間モジュール12に、中間モジュール12又は内視鏡10に、送信すべきデータが保持されている場合には、内視鏡10と中間モジュール12間でデータ送受信が行われ、本ルーチンは終了する。
【0039】
すなわち、ステップS130では、例えば、中間モジュール12のメモリ54やインターフェース51に接続されたメモリカードに、内視鏡10のファームウエアを更新するためのデータが保持されている場合には、そのファームウエアデータが、内視鏡10に送信されメモリ24に入力される。そして、内視鏡10は、送信されたファームウエアデータによりメモリ24内のファームウエアを更新させる。
【0040】
なお、ファームウエアデータは、通常、内視鏡10やプロセッサ11の機種を特定する識別情報を含む。そして、本実施形態では、その識別情報によって特定された機種である内視鏡10又はプロセッサ11が中間モジュール12に接続されたときのみに、ファームウエアデータが中間モジュール12から内視鏡10又はプロセッサ11に送信される。
【0041】
以上のように、本実施形態では、中間モジュール12が設けられたことにより、内視鏡10とプロセッサ11の両方を同時に用いなくても、内視鏡10のファームウエアを随時更新することができる。すなわち、本実施形態では、プロセッサ11から予めデータを中間モジュール12に送り、中間モジュール12に保持させておけば、中間モジュール12を内視鏡10に接続するのみで、内視鏡10のファームウエアを更新することが可能になる。
【0042】
また、例えば、ファームウエアデータをプロセッサ11から複数の内視鏡10に送るときであっても、そのデータはプロセッサ11から中間モジュール12に1度だけ送っておけば、その後、中間モジュール12を内視鏡10に接続するだけで、内視鏡10のファームウエアを更新できる。これにより、本実施形態では、複数の内視鏡10のファームウエアを更新するために、内視鏡10を何回もプロセッサ11に接続する必要がなくなり、内視鏡システムの構成が効率的なものとなる。
【0043】
また、中間モジュール12にファームウエアデータを保持するメモリカードを接続し、或いは、ファームウエアデータを中間モジュール12のメモリ54に直接書き込むことにより、プロセッサ11を使用することなく、内視鏡10のファームウエアを更新等することができる。同様に、プロセッサ11のファームウエアについても、中間モジュール12を用いて更新等することができる。したがって、プロセッサ11にファームウエアデータを取り込ませる必要がなくなるので、ファームウエアの更新等がより簡単になる。
【0044】
さらに、本実施形態では、中間モジュール12は、内視鏡−プロセッサ間を接続するために使用されるコネクタ(アダプタや差込口)に接続されるので、内視鏡10とプロセッサ11に特別なコネクタ等を設けなくても良く、従来の内視鏡やプロセッサをそのまま使用可能である。また、中間モジュール12は、複数の機種の内視鏡及びプロセッサに接続可能であるため、複数の機種の内視鏡やプロセッサのファームウエアを1つの中間モジュールで更新等することができる。
【0045】
なお、本実施形態では、ファームウエアデータが、内視鏡10−中間モジュール12間及び中間モジュール12−プロセッサ11間で送受信される態様を示したが、ファームウエアデータの代わりに、画像処理パラメータ等の他のデータが送受信されても良い。この場合には、中間モジュール12からプロセッサ11や内視鏡10に送られたパラメータは、メモリ34、24に入力され、例えば画像処理パラメータの更新が行われる。
【0046】
また、内視鏡10に保存される画像処理パラメータが、中間モジュールを介してプロセッサに送信されても良い。具体的には、内視鏡10のメモリ24に保存され、ホワイトバランス調整で使用される色調整パラメータ(RGBゲイン値)が、ステップS130において、中間モジュール12に送られ、メモリ54に保存されても良い。この色調整パラメータは、さらに、ステップS110において、中間モジュール12からプロセッサ11に送られ、プロセッサ11のメモリ34に保存される。
【0047】
そして、メモリ34に保存された色調整パラメータは、例えば、前段信号処理回路41で実施される画像処理において使用される。具体的には、色調整パラメータに、さらにプロセッサ11の特性に応じたオフセットが付されたものにより、画像信号のRGB信号が調整される。これにより、プロセッサ11と内視鏡10両方の特性に応じた画像処理がプロセッサ11で実施可能になる。このとき、内視鏡10におけるホワイトバランス調整は省略されても良い。
【0048】
なお、色調整パラメータは、例えば画像観察が行われる前に、プロセッサ11と内視鏡10で構成される内視鏡システムにおいて、白色チャート等の白色被写体を撮影することにより得られるものである。そして、色調整パラメータは、白色被写体を撮影したときに使用されたプロセッサ11の機種を表す識別情報とともに、内視鏡10のメモリ24に保存されても良い。これにより、色調整パラメータは、その識別情報で表されるプロセッサ11が中間モジュール12に接続されたときのみ、ステップS110においてプロセッサ11に送られることになる。
【0049】
また、色調整パラメータは、通常、内視鏡10を識別するための識別情報と共に、内視鏡10から中間モジュール12に送られる。これにより、色調整パラメータは、識別情報に一致する内視鏡10が、プロセッサ11に接続された場合にのみ、プロセッサ11で使用される。なお、メモリ24に保存されている色調整パラメータは、白色被写体を撮影することより得られるものではなく、内視鏡10の特性に応じて、製品出荷時等に設定されたものでも良い。
【0050】
また、図3で示したルーチンは、中間モジュール12が内視鏡10及びプロセッサ11の両方に接続される場合、ステップS120(場合によってはステップS130)の後、ステップS100(場合によってはS110)が再度実施され終了することが好ましい。この場合、内視鏡10に保持される各種データは、1回のルーチンで中間モジュール12を介してプロセッサ11まで送られることになる。
【0051】
以上の説明では、内視鏡10やプロセッサ11に保存される画像処理パラメータ等のデータは、プロセッサ11や内視鏡10で実施される画像処理で使用されるために、中間モジュール12に送られるが、その他の目的で中間モジュール12に送られても良い。例えば、CPU基板の交換によって内視鏡10のメモリ24のデータが初期化される場合、交換前に画像処理パラメータ等のデータを、中間モジュール12に受信させておけば、その受信したデータを基板交換後にメモリ24に戻すことによりデータの更新が容易になる。
【0052】
図4は、第2の実施形態に係る内視鏡システムを示すブロック図である。以下、第2の実施形態について第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、以下の説明では、第1の実施形態と同様の構成を有する部材には同一の符号を付す。
【0053】
第2の実施形態における中間モジュール62は、画像処理回路63を備えるとともに、インターフェースが省略されている。また、中間モジュール62は、差込口とアダプタ(不図示)とを備え、これらが内視鏡10のアダプタ及びプロセッサ11の差込口に取り付けられることにより、内視鏡10は、中間モジュール62を介してプロセッサ11に接続される。さらに、ライトガイド16は、中間モジュール62を挿通してプロセッサ11に差し込まれる。
【0054】
画像処理回路63は、ガンマ補正、ノイズリダクション、エンハンス処理、ホワイトバランス調整等の各種画像処理を入力された画像信号に対して行う。これら各種画像処理は、内視鏡10から送信された画像処理パラメータに基づき実施される。なお、本実施形態では、中間モジュール62において画像処理を行うため、内視鏡10のアナログ信号処理回路20では、第1の実施形態で実施されていたガンマ補正等の画像処理の一部は行われない。
【0055】
以下、第2の実施形態における中間モジュール62の動作を図5のルーチンを用いて詳細に説明する。本ルーチンは、図4に示すように、内視鏡10が、中間モジュール62を介してプロセッサ11に接続されることにより開始される。
【0056】
本ルーチンでは、まずステップS200において、内視鏡10のメモリ24に保存され、かつ画像処理回路63の画像処理に使用される画像処理パラメータが、中間モジュール62に送信され、中間モジュール62のメモリ54に保存される。ここで、画像処理パラメータは、内視鏡10の機種ないし特性に応じて変更され、或いは内視鏡10の特性等を表すものであり、画像処理で使用される各種フィルタのフィルタサイズやフィルタ係数、色調整パラメータ、撮像素子17の画素数やガンマ特性等に関するデータである。
【0057】
次いで、ステップS210では、アナログ信号処理回路20でデジタル信号に変換された画像信号を、内視鏡10から受信する。その後、ステップS220では、画像処理回路63において、受信した画像信号に対して各種画像処理を施す。具体的には、画像信号にガンマ補正、ノイズリダクション、エンハンス処理、ホワイトバランス調整等の各種画像処理を施す。
【0058】
画像処理回路63で行われる各種画像処理は、内視鏡10から受信し、メモリ54に保存された画像処理パラメータに基づいて実施され、中間モジュール62に接続される内視鏡10に応じた処理が実施される。例えば、ガンマ補正で使用されるガンマ曲線(ガンマ特性)は、撮像素子17の特性に基づいて設定されたものであり、画像処理パラメータとして内視鏡10から送信される。また、ノイズリダクション、エンハンス処理で使用されるローパスフィルタ等の各種フィルタのフィルタサイズやフィルタ係数は、内視鏡10から送信される撮像素子17の画素数データ等に基づいてCPU53で設定され、或いは画像処理パラメータとして内視鏡10から直接送信されたものである。さらには、上記したように、白色被写体を内視鏡10、プロセッサ11で撮影することにより得られた色調整パラメータである。色調整パラメータは、上記したようにプロセッサ11を識別するための識別情報とともに、中間モジュール62に送られ、その機種のプロセッサ11が接続された場合のみに使用されても良い。
【0059】
画像処理回路63で画像処理が施された画像信号は、ステップS230でプロセッサ11の前段信号処理回路41に送信される。そして、プロセッサ11では、第1の実施形態と同様に、前段信号処理回路41、画像メモリ42、後段信号処理回路43により各種画像処理が施された後、モニタ13に映像として出力される。
【0060】
ステップS240では、フロントパネル45からの指示信号等により、画像撮影を中止させる指示が出されたか否かが判定される。指示が出された場合には、本ルーチンは終了する。一方、指示が出されない場合には、ステップS210〜S240が繰り返され、モニタ13に映像が出力され続ける。
【0061】
以上のように、本実施形態では、中間モジュール62に画像処理回路63が設けられることにより、内視鏡10やプロセッサ11を改変することなく、画像信号に新たな画像処理を施すことができる。例えば、内視鏡10が画像処理を詳細に実施できないものであっても、内視鏡10やプロセッサ11を改変することなく、内視鏡10の機種や特性に応じた画像処理を実施することができる。また、従来、内視鏡10で行っていた画像処理を、中間モジュール62で代わりに行うことが可能になり、内視鏡10の構成を簡略化することも可能になる。また、中間モジュール62は、複数の機種の内視鏡やプロセッサに接続可能であるため、多数の内視鏡システムに新たな機能を付加することができる。
【0062】
なお、本実施形態では、ステップS200において、画像処理に使用される各種画像処理パラメータは、内視鏡10のみならず、プロセッサ11(すなわち、メモリ34)から送られるものであっても良い。この場合、例えば、プロセッサ11から送られるパラメータは、プロセッサの特性や機種に応じて設定されたオフセット等のパラメータである。
【0063】
そして、画像処理回路63では、画像処理がプロセッサ11及び内視鏡10の両方の特性や機種に基づいて行われても良い。例えば、画像処理回路63では、色調整パラメータに上記オフセットを付加したものにより、ホワイトバランス調整が行われても良い。勿論、画像処理パラメータは、内視鏡10からは送信されず、プロセッサ11側のみから送信されても良い。
【0064】
また、色調整パラメータは、プロセッサ11と中間モジュール62と内視鏡10で構成される内視鏡システムにおいて、白色チャート等の白色被写体を撮影することにより得られるものであっても良い。この場合、色調整パラメータは、取得された時に、中間モジュール12のメモリ54に保存されることになるので、ステップS200において内視鏡10から送信される必要がなくなる。
【0065】
また、上述した画像処理回路63で行われる各種画像処理は、一例を示すものであって、他の画像処理であっても良い。その画像処理は、プロセッサ11や内視鏡10から送られる画像処理パラメータに基づいて行われても良いし、行われなくても良い。
【0066】
さらに、ステップS200で内視鏡10やプロセッサ11から送られてくるデータは、内視鏡10やプロセッサ11の機種を識別するための識別情報であっても良い。この場合、例えば、中間モジュール12のメモリ54は、内視鏡10やプロセッサ11の機種に対応して、複数の画像処理パラメータを保持している。そして、識別情報に応じた画像処理パラメータが、メモリ54から読み出され、画像処理回路63では、そのパラメータに基づき内視鏡10及び/又はプロセッサ11の機種や特性に応じた画像処理が実施される。
【0067】
なお、本実施形態では、第1の実施形態で実施されたルーチン(図3参照)が実施された後に、ステップS200以降のルーチンが実施されても良い。この場合、中間モジュールは、第1の実施形態と同様に、インターフェースを有していても良い。
【0068】
さらに、中間モジュールは、変換アダプタ機能を有していても良い。すなわち、内視鏡10のアダプタと、プロセッサ11の差込口が異なる形状を有し、接続不可能であっても、中間モジュールの差込口とアダプタの形状それぞれをこれらに一致したものとすることにより、内視鏡10とプロセッサ11を、中間モジュールを介して接続させることが可能になる。
【0069】
なお、上記各実施形態では、中間モジュール12は、アダプタや差込口が省略され、内視鏡10及びプロセッサ11のいずれか一方又は両方との間で、物理的には接続されず、無線でデータの送受信を行わっても良い。また、中間モジュール12には、電源アダプタが設けられ、プロセッサ11を介さずに商用電源から電圧が直接供給されても良い。
【0070】
さらに、第2の実施形態においては、中間モジュール62と内視鏡10又はプロセッサ11を接続するためのケーブルが設けられなかったが、ケーブルが設けられても良い。一方、第1の実施形態でも、第2の実施形態と同様に、中間モジュール12と内視鏡又はプロセッサの接続は、ケーブルを介さなくても良い。
【0071】
なお、各内視鏡や各プロセッサの画像処理等の動作は、上記説明したものと異なっていても良い。例えば、内視鏡10でA/D変換されず、画像信号がアナログ信号としてプロセッサ11や中間モジュール62に送られても良い。そして、中間モジュール62は、A/D変換器等を備え、デジタル画像信号及びアナログ画像信号の両方を処理することができる機能を有していても良い。
【符号の説明】
【0072】
10 内視鏡
11 プロセッサ
12、62 中間モジュール
24、34、54 メモリ
40、51 インターフェース
52 電源モジュール
63 画像処理回路
図1
図2
図3
図4
図5