特許第5838117号(P5838117)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5838117
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】コークス乾式消火設備
(51)【国際特許分類】
   C10B 39/02 20060101AFI20151203BHJP
【FI】
   C10B39/02
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-94020(P2012-94020)
(22)【出願日】2012年4月17日
(65)【公開番号】特開2013-221099(P2013-221099A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2014年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】新日鉄住金エンジニアリング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390022873
【氏名又は名称】NSプラント設計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100163267
【弁理士】
【氏名又は名称】今中 崇之
(74)【代理人】
【識別番号】100127155
【弁理士】
【氏名又は名称】来田 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】石黒 寛
(72)【発明者】
【氏名】岡本 博文
【審査官】 村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−181432(JP,A)
【文献】 特開昭63−181432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10B 1/00−57/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤熱コークスを冷却するための冷却ガスを内部に導入するための空間を形成する周辺流室が、下側外周に沿って設けられたクーリングチャンバと、
前記クーリングチャンバの周方向に沿って配置され、前記周辺流室よりも上側に位置する前記赤熱コークスの温度を検出するための複数の温度検出器とを有するコークス乾式消火設備において、
前記周辺流室の内部にて、前記クーリングチャンバの周方向に沿って配置され、前記周辺流室から導入される前記冷却ガスの流量を、前記周方向についてそれぞれ調整する複数の流量調整部を備え
前記複数の温度検出器の検出温度に基づいて、前記流量調整部を制御する制御装置を更に備え、かつ前記各流量調整部が、前記周辺流室に形成された前記冷却ガスの吹き出し口を絞る絞り板と、前記絞り板を駆動する駆動装置とを有することを特徴とするコークス乾式消火設備。
【請求項2】
請求項記載のコークス乾式消火設備において、
隣り合う前記絞り板の端部が、該絞り板の厚み方向に重なっていることを特徴とするコークス乾式消火設備。
【請求項3】
請求項記載のコークス乾式消火設備において、
前記各絞り板の形状は、扇状であることを特徴とするコークス乾式消火設備。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のコークス乾式消火設備において、
前記制御装置は、前記各温度検出器の検出温度に基づいて、前記赤熱コークスの周方向の温度分布を判定する温度分布判定部と、
前記温度分布判定部の判定結果に基づいて、前記赤熱コークスの温度分布が均一になるように前記駆動装置を制御する駆動装置制御部とを有することを特徴とするコークス乾式消火設備。
【請求項5】
請求項記載のコークス乾式消火設備において、
前記温度分布判定部は、前記各温度検出器の検出温度について、予め決められた方法により求められた温度よりも高いか低いかを判定し、
前記駆動装置制御部は、前記予め決められた方法により求められた温度よりも高い前記検出温度が低下するように、前記周辺流室の吹き出し口の開口面積を大きくするための指令を、前記駆動装置に出力することを特徴とするコークス乾式消火設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤熱コークスを冷却するコークス乾式消火設備に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コークス乾式消火設備では、チャンバー内の耐火物側面の摩擦係数等のばらつきにより、コークス荷下がり速度が周方向で不均一となって、チャンバー内周辺部のコークス温度分布が不均一となる問題が存在する。つまり、荷下がり速度が速い箇所ではコークス排出温度が高く、荷下がり速度が遅い場所ではコークス排出温度が低くなる。
【0003】
ここで、特許文献1には、コークス乾式消火設備のガス循環装置が記載されている。このコークス乾式消火設備のガス循環装置は、赤熱コークスをコークス乾式消火設備本体のプレチャンバーに装入し冷却室に下降させ、冷却室内へ供給した冷却ガスである不活性ガスを赤熱コークスと熱交換させ、赤熱コークスの熱を回収した高温の不活性ガスをボイラに導入して熱交換した後、循環ブロワで再度冷却室へ圧送して循環させている。
このコークス乾式消火設備のガス循環装置において、排出コークスを冷却するために必要な循環ガスの総流量は、循環ブロワの回転数により制御されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−67825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、循環ブロワの回転数により循環ガス流量を一括で増減制御する方法では、チャンバー内周方向におけるコークスの均一冷却ができない。その結果、高温のコークスがチャンバーから排出され、コークスを搬送する搬送コンベヤを損傷する場合がある。
【0006】
なお、チャンバー下部に位置する周辺流室をN分割し(Nは整数)、分割した部屋に各々循環ガスの導入ダクト及び流調弁を配置することも考えられるがダクト径が2〜3m程度の巨大な口径となり、ダクト及び弁の製作費が高くなる。また、ダクトを設置するスペースの確保等の問題がある。特に既設改造においては設置スペースが取れず現実的ではない。
【0007】
本発明は、クーリングチャンバから高温のコークスが排出されることを抑制し、設備を損傷する可能性を低減できるコークス乾式消火設備を提供することを目的とする。また、回収可能な熱量を増大できるコークス乾式消火設備を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的に沿う発明に係るコークス乾式消火設備は、赤熱コークスを冷却するための冷却ガスを内部に導入するための空間を形成する周辺流室が、下側外周に沿って設けられたクーリングチャンバと、
前記クーリングチャンバの周方向に沿って配置され、前記周辺流室よりも上側に位置する前記赤熱コークスの温度を検出するための複数の温度検出器とを有するコークス乾式消火設備において、
前記周辺流室の内部にて、前記クーリングチャンバの周方向に沿って配置され、前記周辺流室から導入される前記冷却ガスの流量を、前記周方向についてそれぞれ調整する複数の流量調整部を備え
前記複数の温度検出器の検出温度に基づいて、前記流量調整部を制御する制御装置を更に備え、かつ前記各流量調整部が、前記周辺流室に形成された前記冷却ガスの吹き出し口を絞る絞り板と、前記絞り板を駆動する駆動装置とを有する。
【0011】
発明に係るコークス乾式消火設備において、隣り合う前記絞り板の端部が、該絞り板の厚み方向に重なっていることが好ましい。
【0012】
発明に係るコークス乾式消火設備において、前記各絞り板の形状は、扇状とすることができる。
【0013】
発明に係るコークス乾式消火設備において、前記制御装置は、前記各温度検出器の検出温度に基づいて、前記赤熱コークスの周方向の温度分布を判定する温度分布判定部と、
前記温度分布判定部の判定結果に基づいて、前記赤熱コークスの温度分布が均一になるように前記駆動装置を制御する駆動装置制御部とを有することが好ましい。
【0014】
発明に係るコークス乾式消火設備において、前記温度分布判定部は、前記各温度検出器の検出温度について、予め決められた方法により求められた温度よりも高いか低いかを判定し、
前記駆動装置制御部は、前記予め決められた方法により求められた温度よりも高い前記検出温度が低下するように、前記周辺流室の吹き出し口の開口面積を大きくするための指令を、前記駆動装置に出力することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
請求項1〜記載のコークス乾式消火設備においては、複数の流量調整部を備えているので、冷却ガスの流量を、周方向についてそれぞれ調整できる。
【0017】
特に流量調整部を制御して、クーリングチャンバから高温のコークスが排出されることを抑制できる。
【0018】
また、各流量調整部が、周辺流室に形成された冷却ガスの吹き出し口を絞る絞り板と、絞り板を駆動する駆動装置とを有するので、省スペースとなる。
【0019】
請求項記載のコークス乾式消火設備においては、隣り合う絞り板の端部が、絞り板の厚み方向に重なっているので、隣り合う絞り板の隙間を通る冷却ガスの流速が大きくなることが抑制される。
【0020】
請求項記載のコークス乾式消火設備においては、駆動装置制御部が、温度分布判定部の判定結果に基づいて、赤熱コークスの温度分布が均一になるように駆動装置を制御するので、赤熱コークスの温度分布が不均一になることが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施の形態に係るコークス乾式消火設備を側面視した説明図である。
図2】同コークス乾式消火設備を平面視した説明図である。
図3】各絞り板が後退した状態における、同コークス乾式消火設備のクーリングチャンバ内に吹き出す冷却ガスの流れを示す説明図である。
図4】同コークス乾式消火設備のクーリングチャンバに形成された周辺流室の拡大図である。
図5】同コークス乾式消火設備に装入された赤熱コークスの冷却方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、各図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0024】
本発明の一実施の形態に係るコークス乾式消火設備10は、図1に示すように、クーリングチャンバC1、第1〜第4の温度検出器TS1〜TS4、第1〜第4の流量調整部12a〜12d及び制御装置50を備えている。
【0025】
クーリングチャンバC1は、水平方向の断面が円形状の容器である。クーリングチャンバC1は、例えばコークス炉から排出された赤熱コークスHK(冷却された赤熱コークスについては、以下、単に「コークスHK」という場合がある)が装入され、この赤熱コークスHKを冷却ガスを用いて冷却できる。コークスHKは、クーリングチャンバC1の中央底部に形成された排出口14から排出される。排出されたコークスHKは、排出口14の下方に設けられた排出コンベヤC3によって、搬送される。
【0026】
クーリングチャンバC1の下部には、冷却ガスをクーリングチャンバC1の内部に導入するための空間を形成する中心流室C4及び周辺流室C5が形成されている。なお、冷却ガスは不活性ガスである。
【0027】
中心流室C4は、略円柱状の空間を形成する部屋であり、冷却ガスが吹き出す吹き出し口C2aが、クーリングチャンバC1の底部上方の中央部に形成されている。吹き出し口C2aからは、図3に示すように、平面視して径方向外向きに冷却ガスが吹き出す(図1及び図3に示す冷却ガスの流れF3参照)。
【0028】
周辺流室C5は、中心流室C4の上方であって、クーリングチャンバC1の下側外周に沿って設けられ、円環状の空間を形成する部屋である。周辺流室C5には、冷却ガスが吹き出す吹き出し口C2bが、クーリングチャンバC1の内周に沿って形成されている。吹き出し口C2bは、図4に示すように、周辺流室C5のクーリングチャンバC1の内周側の端部の底面から、クーリングチャンバC1の下側内周面に向かって、斜め下方に延びている。吹き出し口C2bからは、図3に示すように、平面視して径方向内向きに冷却ガスが吹き出す(図1及び図3に示す冷却ガスの流れF2参照)。
【0029】
中心流室C4及び周辺流室C5から吹き出した冷却ガスは、クーリングチャンバC1の内部を上方に移動する。冷却ガスは、赤熱コークスHKを冷却して、ボイラ(不図示)へ向かう排気口(不図示)から排気され、ボイラにて熱量が回収された上で、再び中心流室C4及び周辺流室C5へと導入されて(図1に示す冷却ガスの流れF1参照)循環する。
【0030】
第1〜第4の温度検出器TS1〜TS4は、クーリングチャンバC1の周方向に沿って配置され、周辺流室C5よりも上側に位置する赤熱コークスHKの温度を検出できる。
【0031】
第1〜第4の流量調整部12a〜12dは、周辺流室C5の内部にて、クーリングチャンバC1の周方向に沿って配置される。各流量調整部12a〜12dは、第1〜第4の温度検出器TS1〜TS4に対応して設けられており、周辺流室C5から供給される冷却ガスの流量を、周方向についてそれぞれ調整できる。つまり、第1〜第4の流量調整部12a〜12dによって、冷却ガスの流量(図3に示した冷却ガスの流れF2を周方向に分割して図2に示した冷却ガスの流れF21〜F24)が調整されると、それぞれ対応する第1〜第4の温度検出器TS1〜TS4の検出温度T1〜T4が変動する。
【0032】
例えば、第1の流量調整部12aによって、冷却ガスの流量が増加すると、第1の温度検出器TS1によって温度が検出される赤熱コークスHKをより冷却し、第1の温度検出器TS1の検出温度T1が下降する。
また、第3の流量調整部12cによって、冷却ガスの流量が低下すると、第3の温度検出器TS3によって温度が検出される赤熱コークスHKの冷却が抑えられ、第3の温度検出器TS3の検出温度T3が上昇する。
【0033】
詳細には、各流量調整部12a〜12dは、進退する絞り板20及び絞り板20の駆動装置22を有している。
絞り板20は、図2に示すように、扇状の板部材である。絞り板20は、クーリングチャンバC1の径方向(図4の矢印で示す方向)に進退し、周辺流室C5に形成された吹き出し口C2bを絞ることができる。
各絞り板20は、クーリングチャンバC1の周方向に配置されている。各絞り板20は、下側の面が周辺流室C5の底面と平行になるように配置されている。
【0034】
また、各絞り板20は、進退量によっては、隣り合う絞り板20の端部が、上下方向(絞り板20の厚み方向)に重なるように配置されている(図2に示す絞り板20の端部の重なり部L参照)。隣り合う絞り板20の端部が上下方向に重なる構成とすることによって、端部を重ねていない構成とした場合と比較して、隣り合う絞り板20の隙間を通る冷却ガスの流速が大きくなることが抑制される。
駆動装置22は、周辺流室C5の外側に設けられ、絞り板20をクーリングチャンバC1の径方向に進退させることができる。駆動装置22は、例えば、油圧シリンダや電動機である。
【0035】
制御装置50は、各温度検出器TS1〜TS4の検出温度T1〜T4に基づいて、流量調整部12a〜12dを制御できる。
制御装置50は、図1及び図2に示すように、温度分布判定部50a、駆動装置制御部50b及び沈静タイマー50cを有している。
温度分布判定部50aは、各温度検出器TS1〜TS4の検出温度T1〜T4に基づいて、赤熱コークスHKの周方向の温度分布を判定できる。
【0036】
駆動装置制御部50bは、温度分布判定部50aの判定結果に基づいて、赤熱コークスHKの温度分布が均一になるように駆動装置22を制御できる。
沈静タイマー50cは、時間経過を判定できるタイマーである。
【0037】
次に、コークス乾式消火設備10の動作(赤熱コークスHKの冷却方法)について、図5に基づいて説明する。
本実施の形態においては、温度検出器及び流量調整部は、それぞれ4つ設けられているが、図5において、それぞれn個(n:整数)設けられているとして記載されている。ただし、以下の説明においては、前述の通り、温度検出器及び流量調整部が、それぞれ4つ設けられているもの(n=4)として説明する。
【0038】
コークス乾式消火設備10の動作を示すステップS1〜S5(温度分布判定ステップ)は、制御装置50の温度分布判定部50aによって実行され、ステップS6(吹き出し量変更ステップ)は、駆動装置制御部50bによって実行される。
【0039】
(ステップS1)
各温度検出器TS1〜TS4が、赤熱コークスHKの温度T1〜T4を検出する。
【0040】
(ステップS2)
制御装置50の温度分布判定部50aが、次式に基づいて、平均温度Taを演算する。
【0041】
Ta=(T1+T2+T3+T4)/4 式(1)
【0042】
(ステップS3)
温度分布判定部50aが、各温度T1〜T4と平均温度Taとの差分が予め決められた閾値αよりも小さいか否かを判定する。各差分が全て閾値α以下となる場合は、コークスHKの温度が周方向で実質的に均一であり、排出口14から排出されるコークスHKの温度が低く抑えられていると判定され、ステップS7が実行される。各差分のうち、1つでも閾値αよりも大きい場合は、ステップS4が実行される。
【0043】
(ステップS4)
温度分布判定部50aが、各温度T1〜T4の高低を判定する。具体的には、温度T1から平均温度Taを減算した結果が、閾値αよりも大きい場合は、ステップS51aが実行される。一方、温度T1から平均温度Taを減算した結果が、閾値−αよりも小さい場合は、ステップS51bが実行される。温度T1から平均温度Taを減算した結果が、閾値−α以上かつ閾値α以下である場合は、ステップS7が実行される(この分岐は、図5においては省略している)。
残りの温度T2〜T4についても同様に判定される。なお、図5において、温度T2及び温度T3に関する判断ステップは、省略して描かれている。
【0044】
(ステップS5[ステップS51a〜S54a、ステップS51b〜S54b])
ステップS51aとして、温度分布判定部50aが、第1の温度検出器TS1が検出するコークスHKの温度T1が高いと判定する。続いて、ステップS61aが実行される。
【0045】
ステップS51bとして、温度分布判定部50aが、第1の温度検出器TS1が検出するコークスHKの温度T1が低いと判定する。続いて、ステップS61bが実行される。
【0046】
残りのステップS52a〜S54a、ステップS52b〜S54bについても、同様である。
【0047】
(ステップS6[ステップS61a〜S64a、ステップS61b〜S64b])
ステップS61aとして、温度分布判定部50aの判定結果(第1の温度検出器TS1が検出するコークスHKの温度T1が高いとする判定結果)に基づいて、駆動装置制御部50bが、そのコークスHKの温度を検出する第1の温度検出器TS1に対応する流量調整部12a〜12dを制御し、絞り板20を後退させる指令(周辺流室C5に形成された吹き出し口C2bの開口面積を増やす指令)を駆動装置22に対して出力する。すなわち、駆動装置制御部50bは、冷却ガスの流量(吹き出し量)を増やして、検出温度T1を低下させる。
【0048】
また、ステップS61bとして、温度分布判定部50aの判定結果(第1の温度検出器TS1が検出するコークスHKの温度T1が低いとする判定結果)に基づいて、駆動装置制御部50bが、そのコークスHKの温度を検出する第1の温度検出器TS1に対応する流量調整部12a〜12dを制御し、絞り板20を進出させる指令(周辺流室C5に形成された吹き出し口C2bの開口面積を減らす指令)を駆動装置22に対して出力する。すなわち、駆動装置制御部50bは、冷却ガスの流量(吹き出し量)を減らして、第1の温度検出器TS1によって検出されるコークスの温度(検出温度T1)を上昇させる。
【0049】
残りのステップS62a〜S64a、ステップS62b〜S64bについても、同様である。
【0050】
なお、各絞り板20の進退量は、|T1−Ta|、|T2−Ta|、|T3−Ta|、|T4−Ta|の各値と閾値αとの差に応じて決定できる。
例えば、ステップS5において、温度T1、T2、T3が高温、温度T4が低温と判断された場合には、第1の温度検出器TS1に対応する絞り板20の後退量は、|T1−Ta|の値と閾値αとの差に応じて決定される。第2の温度検出器TS2に対応する絞り板20の後退量は、|T2−Ta|の値と閾値αとの差に応じて決定される。第3の温度検出器TS3に対応する絞り板20の後退量は、|T3−Ta|の値と閾値αとの差に応じて決定される。第4の温度検出器TS4に対応する絞り板20の進出量は、|T4−Ta|の値と閾値αとの差に応じて決定される。
【0051】
(ステップS7)
沈静タイマー50cが、予め決められた時間が経過したことを判定するまで、流量調整部12a〜12dによる制御状態が保持される。予め決められた時間が経過した後は、再度ステップS1が実行される。
【0052】
このように、ステップS1〜S7が繰り返され、赤熱コークスHKが冷却される。冷却された赤熱コークスHKは、クーリングチャンバC1から排出され、排出コンベヤC3によって搬送される。
【0053】
本発明は、前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能である。例えば、前述の実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて発明を構成する場合も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0054】
温度検出器の個数は、4つに限定されるものではなく、任意でよい。
また、制御装置は、平均温度Taを基準として、各検出温度の高低を判断していたが、この平均温度Taに代えて、任意の予め決められた方法により求められた温度とすることも可能である。
【符号の説明】
【0055】
10:コークス乾式消火設備、12a:第1の流量調整部、12b:第2の流量調整部、12c:第3の流量調整部、12d:第4の流量調整部、14:排出口、20:絞り板、22:駆動装置、50:制御装置、50a:温度分布判定部、50b:駆動装置制御部、50c:沈静タイマー、C1:クーリングチャンバ、C2a:吹き出し口、C2b:吹き出し口、C3:排出コンベヤ、C4:中心流室、C5:周辺流室、TS1:第1の温度検出器、TS2:第2の温度検出器、TS3:第3の温度検出器、TS4:第4の温度検出器
図1
図2
図3
図4
図5