(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記動作制御手段は、前記演出装置の確認動作中に前記演出用の信号を受信したとき、前記演出動作を実行させずに当該確認動作を完了まで継続させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
前記演出装置の前記演出動作の少なくとも一部は、前記表示部に画像が表示されない、または単一色の画像が表示された状態となりうるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の遊技機のように、確認動作よりも演出動作を優先して実行する構成の場合、確認動作が途中で中断されてしまうことがある。最近の遊技機は、演出装置として動作するいわゆる役物に、メインの表示装置とは別の表示装置(サブ液晶)を搭載しているものがあるが、原位置において当該別の表示装置の表示部が視認できない状態になるように構成された演出装置の場合、その表示部が視認可能な状態となる前に確認動作が中断されると、不具合の発見が遅れる場合がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、表示部を有する演出装置を備えた遊技機において、表示部の不具合を見逃してしまうのを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明にかかる遊技機は、表示部を後方に向けた第一態様および前方に向けた第二態様に変化可能であり、原位置において前記第一態様にある演出装置と、演出用の信号を受信した場合には前記演出装置が所定の演出動作を実行するように制御する一方、動作確認用の信号を受信した場合には前記演出装置が予め定められた確認動作を実行するように制御する動作制御手段と、を備え、前記確認動作は、前記表示部に表示確認用の画像が表示されるよう制御した上で前記演出装置が前記第二態様となる表示確認状態を含むものであり、前記動作制御手段は、前記演出装置の確認動作中に前記演出用の信号を受信したとき、当該確認動作の制御が前記表示確認状態を含む所定の時点まで実行されていない場合には、前記演出動作を実行させずに当該確認動作を少なくとも前記所定の時点まで継続させることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記動作制御手段は、前記演出装置の確認動作中に前記演出用の信号を受信したとき、前記演出動作を実行させずに当該確認動作を完了まで継続させることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の遊技機において、前記演出装置の前記演出動作の少なくとも一部は、前記表示部に画像が表示されない、または単一色の画像が表示された状態となりうるものであることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遊技機において、前記演出装置の表示部とは別の、常に前方を向く表示部を有する表示装置と、受信する信号に応じて前記表示装置の表示を制御する表示装置制御手段と、を備え、前記演出装置の確認動作中は、前記表示装置に表示確認用の画像が表示されるように制御され、前記表示装置制御手段は、前記演出装置の確認動作中に前記表示装置に対する演出用の信号を受信したことに基づいて、表示確認用の画像から演出用の画像に切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の遊技機では、動作制御手段が、演出装置の確認動作中に演出用の信号を受信したときであっても、当該確認動作が表示確認状態を含む所定の時点まで実行されていない場合には、当該確認動作を少なくとも所定の時点まで継続させる。つまり、確認動作が必ず表示確認状態を経たものとなるから、表示部の不具合を見逃してしまうのを抑制することが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の遊技機のように、確認動作を完了まで継続させるようにすれば、表示部の不具合をより確実に発見することが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の遊技機のように、演出装置の演出動作の少なくとも一部が、表示部に画像が表示されない、または単一色の画像が表示された状態となりうるものであるとすると、演出用の信号を優先して制御する構成とした場合、確認動作中に演出用の信号を受信したとき、表示確認用の画像がその演出用の信号に基づく画像に切り替わり、表示部が正常かどうかを確認することができなくなってしまう可能性がある。本発明では、確認動作中に演出用の信号を受信したときであっても、表示確認状態を含む所定の時点まで実行されていない場合には、そのまま表示確認用の画像が表示され続けるため、確認動作中において画像が表示されない、または単一色の画像が表示された状態となってしまうことにより、表示部の不具合を見逃してしまうのを防止することが可能である。
【0013】
請求項4に記載の遊技機のように、演出用の信号を受信したときには、演出装置が確認動作中であっても、前方を向く表示部を有する表示装置に演出用の画像が表示されるようにすることで、演出が開始されていることを遊技者が認識することが可能となる。つまり、確認動作が継続することによって、演出が開始されないのではないかという疑念を遊技者が抱いてしまうのを防止することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態にかかる遊技機1について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
(遊技機の全体構成)
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する金属製の薄板からなる帯状のガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0017】
遊技領域902には、表示装置91、第一始動入賞口904、第二始動入賞口905、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。表示装置91は、例えば液晶表示装置が用いられ、表示装置91の表示画面において特別図柄や普通図柄等が表示される。かかる表示装置91の表示画面は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能である。表示装置91の表示部は、常に前方を向く。
【0018】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0019】
このような遊技機1では、発射装置を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904、905や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。始動入賞口904、905に遊技球が入賞したときには大当たりの抽選(特別図柄揃いの抽選)も行われる。以下に特に明示した場合を除き、各種抽選方法や演出等は、公知の遊技機と同様のものが適用できるため、説明は省略する。
【0020】
(演出装置)
本実施形態にかかる遊技機1は、所定の演出実行時に表示装置91の表示画面の前方に進出し、遊技盤90の開口901を通じて視認可能となる演出装置2を備える。以下、この演出装置2の構成および動作ついて説明する。
【0021】
演出装置2は、第一演出体3および第二演出体4を有する。本実施形態における第一演出体3は、幅方向に長い略長方形状の部材である。本実施形態では、第一演出体3の一方側の面は、装飾が施された装飾部31である。第一演出体3は、第二演出体4とともに演出効果を高める部材として機能する。第一演出体3の他方側の面には、窪み32が形成されており、当該窪み32内に第二演出体4が設けられる。第二演出体4は、当該窪み32内において第一演出体3に対し回転自在である。窪み32は、回転する第一演出体3に干渉しないような形状に形成されている。
【0022】
第一演出体3は、その前面(外側の面)に表示部41が設けられた部材である。表示部41は、上記表示装置91の表示部とは別の、画像が表示可能な部分であり、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。つまり、表示部41は、表示装置91とは別の、サブ表示装置(いわゆるサブ液晶)である。第一演出体3が第二演出体4に対し回転すると、この表示部41も回転する。第一演出体3に対して第二演出体4を回転させるための機構は、特定の方法に限定されない。本実施形態では、第一演出体3内部に図示されない第二演出体回転用モータが内蔵されており、当該モータの駆動力が第二演出体4に伝達されることにより、第一演出体3に対して第二演出体4が回転する。
【0023】
この第一演出体3および第二演出体4を有する演出装置2全体は、ユニット駆動機構によって動作する。ユニット駆動機構は、駆動源であるスライド用モータ(図示せず)、レール21、支持部材22、およびユニット回転用モータ(図示せず)を有する。スライド用モータおよびレール21は、遊技盤90の後方に設けられたセンターベース92に固定されている。レール21は、センターベース92の上側に、上下方向に沿って二つ設けられている。支持部材22は、演出装置2(第一演出体3)の左側に接続される一方の部分と、右側に接続される他方の部分とを含む。一方の部分は左側のレール21に、他方の部分は右側のレール21に係合されている。つまり、支持部材22は、レール21に誘導されることにより、上下方向に移動可能である。スライド用モータの動力は、図示されない歯車等の動力伝達機構を介してレール21に伝達される。これにより、支持部材22は上下方向に移動する。支持部材22には演出装置2が接続されているため、スライド用モータの駆動によって演出装置2全体が上下方向に移動する。つまり、演出装置2全体は、遊技盤90の上側に覆われる上端位置と、遊技盤90の下側に移動し、遊技盤90の開口901を通じて視認可能となる下端位置との間を移動可能である。
【0024】
演出装置2(第一演出体3)は、支持部材22に挟まれるようにして、当該支持部材22に対し回転自在に支持されている。支持部材22の一方の部分には、ユニット回転用モータが取り付けられている。このユニット回転用モータを駆動させることにより、演出装置2が支持部材22に対して回転する。演出装置2が遊技盤90の上側に覆われる位置に位置するとき、センターベース92によって演出装置2の回転は阻害される。演出装置2が下側に移動したときは、支持部材22に対し演出装置2が回転可能となる。つまり、演出装置2は、第一演出体3に形成された装飾部31を前方に向けた状態、または第二演出体4に設けられた表示部41を前方に向けた状態のいずれかに変位可能である。
【0025】
このように構成される演出装置2の基本的な動作の流れは以下の通りである。後述する確認動作時には、演出装置2は以下の流れに沿って動作する。一方、後述する演出動作時には、演出装置2は各段階の動作の内容(長さ等)を適宜変更したり、各段階の動作の順番を入れ替えたりする(演出に応じて異なる)。
【0026】
演出装置2が
図2に示す原位置に位置するとき、当該演出装置2は、遊技盤90に覆われて遊技者からは視認困難な状態にある。なお、演出装置2は、第一演出体3の装飾部31が前方を向いた状態にある。演出装置2は、待機中は当該原位置に位置し、表示部41が後方を向いた状態にある。
【0027】
ここからスライド用モータを駆動(正転)し、支持部材22とともに演出装置2全体を下方に移動させる。そうすると、遊技盤90の開口901を通じて演出装置2が視認可能な状態となる。つまり、装飾部31を前方に向けた第一演出体3が表示装置91に重なった状態となる(第一段階)(
図3参照)。なお、第二演出体4は、第一演出体3の後方に位置するため、視認することが困難な状態にある。
【0028】
この状態でユニット回転用モータを駆動(正転)させ、支持部材22に対し演出装置2全体を回転させる。これにより、第二演出体4の表示部41が前方に位置した状態となる。つまり、第一演出体3および表示部41を前方に向けた第二演出体4が表示装置91に重なった状態となる(第二段階)(
図4参照)。
【0029】
この後、第二演出体回転用モータを駆動させ、表示部41を前方に向けた第二演出体4を第一演出体3に対し回転させる(
図5参照)。つまり、かかる動作は、第一演出体3に対し、第二演出体4が相対的に変位する動作である。これにより、表示部41に表示された画像が、表示装置91の前方で回転している演出効果が発現される。第一演出体3に対する第二演出体4の回転数は適宜設定することができる。本実施形態では、第一演出体3に対し、第二演出体4が四回転(360度×4)するように設定される。
【0030】
回転が完了し、
図6に示す状態となった(第三段階)後、再びユニット回転用モータを駆動(逆転)させ、支持部材22に対し演出装置2全体を回転させる。これにより、再び演出装置2は、第一演出体3の装飾部31が前方を向いた状態となる。つまり、装飾部31を前方に向けた第一演出体3が表示装置91に重なった状態となる(第四段階)(
図7参照)。
【0031】
そして、スライド用モータを駆動(逆転)し、支持部材22とともに演出装置2全体を上方に移動させる。そうすると、遊技盤90に演出装置2が覆われた状態となる。つまり、つまり、演出装置2は原位置に戻る(第五段階)(
図8参照)。
【0032】
このように動作する演出装置2は、表示部41を後方に向けた第一態様、または前方に向けた第二態様に変化可能である。具体的には、第二段階の動作完了から第三段階の動作が完了するまでが第二態様であり、それ以外のときが第一態様ということになる。一連の動作でみると、第一態様から第二態様に変化し、その後再び第一態様に変化するということになる。
【0033】
(演出装置の制御)
以下、上記演出装置2の制御について説明する(以下のように演出装置2の動作を制御する手段が本発明における動作制御手段に相当する)。なお、以下の説明では、本発明に関連する処理のみを図示、説明し、その他の処理については図示、説明を省略する(各種処理を適宜追加してもよい)。
【0034】
図10には、演出装置2を駆動させるためのメインの処理である演出装置駆動処理(S1)を示す。本実施形態では、主制御基板51(
図9参照)から所定のコマンドを受信したサブ制御基板52(
図9参照)が、当該演出駆動処理を実行する。演出装置駆動処理では、まず、主制御基板51から受信したコマンドの内容を確認する(S1−1)。受信したコマンドが動作確認コマンド(本発明における動作確認用の信号に相当する)である場合(S1−2「Yes」)には、動作確認処理を行う(S2)。本実施形態にかかる遊技機1では、遊技機1の電源をONした際に、当該動作確認コマンドがサブ制御基板52に送信される。例えば、演出装置2の動作確認を行いたいときに操作されるスイッチを設けておき、当該スイッチが操作されたときに動作確認コマンドが送信されるようにしてもよい。一方、受信したコマンドが演出コマンド(本発明における演出用の信号に相当する)である場合(S1−3「Yes」)には、演出コマンド処理を行う(S3)。受信したコマンドが動作確認コマンドや演出コマンドでない場合には、当該コマンドに応じたその他の処理を行う(S4)。当該その他の処理は設定されていなくてもよい(動作確認コマンドおよび演出コマンド以外のコマンドで演出装置2が駆動することがないように設定されていてもよい)。また、動作確認コマンドは、主制御基板51から送信される信号でなくてもよい(例えば、遊技機1の電源をONしたときにサブ制御基板51などの演出装置2を制御する基板に電源が供給されたことを動作確認コマンドの受信とみなして動作確認処理を行ってもよいし、演出装置2に電源が供給されたことを動作確認コマンドの受信とみなして動作確認処理を行ってもよい)。
【0035】
動作確認コマンドを受信したときに行われる動作確認処理(S2)は、演出装置2に確認動作を実行させるための処理である。
図11に示す動作確認処理では、まず、演出装置2の駆動を開始する。演出装置2の動作の流れは、上述した通りである(
図11では演出装置2に対する動作命令を省略してある)。駆動開始とともに、表示部41に確認画面(本発明における表示確認用の画像に相当する)を表示する(S2−1)。上述したように、原位置において表示部41を後方に向けた第一態様にある演出装置2は、第二段階の動作完了後、表示部41を前方に向けた第二態様となる。駆動開始後、演出装置2が第二態様となったことが確認されたとき(当該確認手法は特定の方法に限定されない。駆動開始から一定時間経過したことをもって第二態様となったとみなしてもよいし、演出装置2に設けたセンサ等により判別するようにしてもよい)には(S2−2「Yes」)、表示確認フラグをONにする(S2−3)。
【0036】
確認画面が表示された表示部41が前方に向いた状態になっているのであるから、表示フラグがONになったということは、当該表示部41に表示される確認画面を視認することができる状態になったということである。つまり、表示確認フラグは、確認動作が、表示部41の表示が正常であるかどうかを確認できる状態(表示確認状態)まで進行したことを示すものである。確認画面は、表示部41が正常に機能しているかどうかを確認するためのものである。確認画面はどのような態様のものであってもよいが、例えば、
図13に示すように「しばらくお待ちください」といった動作確認中であることが容易に理解できる表示であることが好ましい。
【0037】
この後、確認動作が進行し、演出装置2が原位置に戻ったことが確認されたとき(当該確認手法は特定の方法に限定されない。駆動開始から一定時間経過したことをもって原位置に戻ったとみなしてもよいし、演出装置2に設けたセンサ等により判別するようにしてもよい)には(S2−4「Yes」)、演出装置2を停止し、表示部41の確認画面を消去する(S2−5)。これにより、演出装置2の確認動作が完了する。
【0038】
演出コマンドを受信したときに行われる演出コマンド処理(S3)は、遊技中に演出装置2を用いた演出を実行するための処理である。
図12に示す演出コマンド処理では、まず、演出装置2が確認動作中でないかどうかが判断される(S3−1)。確認動作中でない場合には(S3−1「No」)、演出装置2が演出コマンドの内容に応じて動作するよう制御される(S3−2)。上述したように演出装置2の各種演出動作は、適宜設定することができるものであるため、詳細な説明は省略する。ただし、本実施形態で設定される演出動作の少なくとも一部は、表示部41に画像が表示されない、または単一色の画像が表示された状態となりうるものである。つまり、演出動作の少なくとも一部において、その動作中、見た目上表示部41に何も表示されていないかのような状態となることがある。その理由は以下の通りである。
【0039】
演出動作を行う演出装置2が第一態様にあるとき、表示部41は表示装置91(の表示画面)と対向する。したがって、表示装置91側を向く表示部41に画像が表示されてしまうと、当該表示部41の画像が表示装置91に反射して映り込んでしまうおそれがある。表示装置91には演出用の画像が表示されるため、このような映り込みは演出効果の低減を招く。特に、表示装置91で実行される演出として、表示装置91が黒一色となるいわゆるブラックアウト演出等が搭載されている場合には、黒一色となった画面に表示部41の画像が映り込んでしまうことを避ける必要がある。そこで、本実施形態では、演出動作中、演出装置2が少なくとも第一態様にあるときには、表示部41に何も表示されないように(何も表示されていないかのような態様に)制御する。
【0040】
なお、本実施形態では、いずれの場合も表示部41の見た目上の色は「黒」(「黒」には、色彩学上の「黒」だけでなく、一般的に「黒」と認識されるような黒に近い色を含む。以下同じ)にされる。その方が、表示装置91への映り込みが低減できるからである。
【0041】
上記S3−1において確認動作中であると判断された場合には(S3−1「Yes」)、当該確認動作が既に表示確認状態となったものであるかどうかが判断される。すなわち、表示確認フラグがONになっているかどうかが確認される(S3−3)。表示確認フラグがONである場合には(S3−3「Yes」)、当該確認動作において表示部41が正常かどうかを確認することができる状態となったということであるから、演出装置2が演出コマンドの内容に応じた演出動作をするように制御する(S3−2)。つまり、確認動作を終了し、演出動作に移行させる。なお、このように、確認動作終了後すぐに演出動作に移行させる構成としなくてもよい。確認動作を終了し、次の演出コマンドに備えて演出装置2を待機させるようにしてもよい。また、図示していないが、表示確認フラグがONであることが確認された後、所定のタイミングで当該フラグはOFFにされる。
【0042】
一方、S3−3において表示確認フラグがOFFであると判断された場合には(S3−3「No」)、当該確認動作において表示部41が正常かどうかを確認することができる状態になっていないということであるから、演出コマンドに応じた動作をさせずに(演出コマンドを無視し)、そのまま確認動作を継続させる(S3−4)。確認動作をどこまで継続させるかは適宜設定することができるが、本実施形態では少なくとも表示部41が正常かどうかを確認することができる状態となるまで、すなわち表示確認フラグがONとなるまで継続される。
【0043】
このように、本実施形態では、演出装置2の確認動作中に演出コマンドを受信した場合、当該確認動作が、表示部41が正常かどうかを確認することができる表示確認状態となるまで進行したかどうかを閾として、そのまま確認動作を継続させるか否かを決定する。換言すれば、一旦確認動作が実行されれば、その動作は少なくとも表示確認状態となるまで進行することになるから、表示部41が正常であるかどうかを確認することが可能である。なお、確認動作において、表示確認状態となったと判断されるタイミングは、適宜変更可能である。つまり、確認動作を開始した演出装置2が第二態様となってから一定時間経過したタイミングで、表示確認フラグをONにしてもよい。
【0044】
(本実施形態の効果)
本実施形態にかかる遊技機1では、動作制御手段が、演出装置2の確認動作中に演出用の信号を受信したときであっても、当該確認動作が表示確認状態を含む所定の時点まで実行されていない場合には、表示確認状態を含む所定の時点まで当該確認動作を継続させる。つまり、確認動作が必ず表示確認状態を経たものとなるから、表示部41の不具合を見逃してしまうのを抑制することが可能となる。
【0045】
また、表示装置91への画像の映り込みを防ぐため、本実施形態で設定される演出動作の少なくとも一部は、表示部41に画像が表示されない、または単一色の画像が表示された状態となりうるものである。したがって、動作確認コマンドよりも演出コマンドを優先して制御する構成とした場合、確認動作中に演出コマンドを受信したとき、表示確認用の画像がその演出コマンドに基づく画像に切り替わり、表示部41が正常かどうかを確認することができなくなってしまう可能性がある。上記実施形態にかかる遊技機1では、確認動作中に演出コマンドを受信したときであっても、表示確認状態を含む所定の時点まで実行されていない場合には、そのまま表示確認用の画像が表示され続けるため、確認動作中において画像が表示されない、または単一色の画像が表示された状態となってしまうことにより、表示部41の不具合を見逃してしまうのを防止することが可能である。
【0046】
(変形例)
上記実施形態にかかる遊技機1の変形例として以下のような構成が考えられる。上記実施形態では、演出コマンドを受信したときに確認動作中であった場合、表示確認状態となったか否か(表示確認フラグがONになったか否か)を閾として確認動作を継続するか否かを制御していることを説明したが、確認動作が完了したか否かを閾として設定してもよい。
【0047】
この変形例の演出コマンド処理(S3a)を
図14に示す。
図14に示すように、演出コマンドを受信したときに確認動作中であった場合(S3a−1「Yes」)、確認動作が完了するまで確認動作が継続される(S3a−3〜S3a−4)。確認動作には、演出装置2が第二態様となり、表示部41が視認できる表示確認状態が含まれるから、確認動作が完了したということは、当該表示確認状態を経たということになる。つまり、表示部41が正常かどうかを確認することができる状態を経たということになる。なお、上記S3a−1において確認動作中でないと判断された場合(S3a−1「No」)、演出装置2が演出コマンドの内容に応じた演出動作をするように制御する(S3a−2)のは上記実施形態と同じである。
【0048】
このように、確認動作中に演出用コマンドを受信した場合であっても、当該確認動作が必ず最後まで実行されるようにすれば、より確実に表示部41が正常かどうかを確認することが可能になる。
【0049】
(演出装置の確認動作と表示装置の制御の関係)
表示装置91は、その表示部に演出効果を発現する種々の画像が表示されるものであるが、演出装置2の確認動作との関係で、例えば次のように制御されるとよい(この表示装置91を制御する手段が本発明における表示装置制御手段に相当する)。本実施形態では、サブ制御基板52が表示装置91の制御を行うが、別の手段(基板)が表示装置91の制御を行うようにしてもよい。
【0050】
図15に示す表示装置制御処理(S5)では、まず、主制御基板51から受信したコマンドの内容を確認する(S5−1)。受信したコマンドが動作確認コマンド(動作確認用の信号)である場合(S5−2「Yes」)には、表示確認処理を行う(S6)。一方、受信したコマンドが演出コマンド(演出用の信号)である場合(S5−3「Yes」)には、演出表示処理を行う(S7)。受信したコマンドが動作確認コマンドや演出コマンドでない場合には、当該コマンドに応じたその他の処理を行う(S8)。当該その他の処理は設定されていなくてもよい(動作確認コマンドおよび演出コマンド以外のコマンドで表示装置91が駆動することがないように設定されていてもよい)。また、動作確認コマンドは、主制御基板51から送信される信号でなくてもよい(例えば、遊技機1の電源をONしたときにサブ制御基板51などの表示装置91を制御する基板に電源が供給されたことを動作確認コマンドの受信とみなして表示確認処理を行ってもよいし、表示装置91に電源が供給されたことを動作確認コマンドの受信とみなして表示確認処理を行ってもよい)。
【0051】
動作確認コマンドを受信したときに行われる表示確認処理(S6)は、表示装置91に確認画面(表示確認用の画像)を表示させ、表示装置91が正常であるかどうかを確認することができる状態とするための処理である。
図16に示す表示確認処理では、まず、表示装置91に確認画面を表示する(S6−1)。確認画面は、表示装置91が正常に機能しているかどうかを確認することができるものであればどのような態様のものであってもよい。
図11に示した動作確認処理(S2)において、演出装置2の表示部41に表示される画像と同じような画像であってもよいし、異なっていてもよい。
【0052】
この後、演出装置2の確認動作の完了が確認されたとき(当該確認手法は特定の方法に限定されない。S6−1から一定時間経過したことをもって確認動作が完了したとみなしてもよい)には(S6−2「Yes」)、表示装置91に表示されていた確認画面を消去する(S6−3)。これにより、表示装置91の表示確認が終了する。つまり、通常は、演出装置2の確認動作とともに表示装置91の確認動作が終了することになる。
【0053】
演出コマンドを受信したときに行われる演出表示処理(S7)は、遊技中に表示装置91を用いた演出を実行するための処理である。
図17に示す演出表示処理では、まず、演出装置2が確認動作中でないかどうかが判断される(S7−1)。確認動作中でない場合には(S7−1「No」)、演出コマンドの内容に応じた画像が表示されるよう表示装置91が制御される(S7−2)。表示装置91に表示される各種演出用の画像は、適宜設定することができるものであるため、詳細な説明は省略する。
【0054】
上記S7−1において演出装置2が確認動作中であると判断された場合には(S7−1「Yes」)、表示装置91には確認画面が表示されているはずであるから、当該確認画面を消去した(S7−3)後、演出コマンドの内容に応じた演出用の画像が表示されるよう表示装置91が制御される(S7−2)。つまり、表示装置91は、確認画面が表示された状態(確認動作中)であっても、演出コマンドを受信したときにはそのコマンドに応じた演出用の画像が表示されるよう制御される。
【0055】
このように、表示装置91は、確認画面が表示された状態(確認動作中)であるか否かに拘わらず、演出コマンドを受信したときには、即座に当該コマンドに応じた演出用の画像が表示されるよう制御される。表示装置91の表示部は、常に前方を向いているものであるから、確認画面から演出用の画像に切り替わったことはすぐに判別することができる。かかる点は、確認動作中に演出用の信号を受信したとき、当該確認動作が表示確認状態を含む所定の時点まで実行されていない場合には、少なくとも表示確認状態を含む所定の時点まで当該確認動作を継続させるよう制御される演出装置2と大きく異なるものである。
【0056】
表示装置91をこのように制御すれば、演出装置2が確認動作中であっても、演出用の信号を受信したときには、前方を向く表示部を有する表示装置91に演出用の画像が表示されるから、演出が開始されていることを遊技者が認識することが可能となる。つまり、本実施形態では、演出コマンドを受信したにも拘わらず演出装置2がそのまま確認動作を継続させる場合があるため、それを見た遊技者が、演出が開始されないのではないかという疑念を抱いてしまうおそれがあるところ、表示装置91には演出用の画像が表示されるのであるから、演出装置2が確認動作を継続していても、演出が開始したことを認識することができる。すなわち、遊技者が遊技機の故障等を疑ってしまうような事態の発生を防止することが可能である。
【0057】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0058】
例えば、上記実施形態における演出装置2の構成や駆動させるための機構は適宜変更可能である。演出装置2は、画像を表示することができる表示部41を備え、当該表示部41を後方に向けた第一態様および前方に向けた第二態様に変化可能であり、原位置において第一態様にあるものであればよい。