特許第5839042号(P5839042)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5839042
(24)【登録日】2015年11月20日
(45)【発行日】2016年1月6日
(54)【発明の名称】装着用ガイドルーメン
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/10 20060101AFI20151210BHJP
   A61M 1/12 20060101ALI20151210BHJP
【FI】
   A61M1/10 500
   A61M1/12
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-542174(P2013-542174)
(86)(22)【出願日】2011年12月1日
(65)【公表番号】特表2014-500094(P2014-500094A)
(43)【公表日】2014年1月9日
(86)【国際出願番号】US2011062851
(87)【国際公開番号】WO2012075262
(87)【国際公開日】20120607
【審査請求日】2013年12月18日
(31)【優先権主張番号】61/418,735
(32)【優先日】2010年12月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100114889
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ヘイスティー ケイトリン
(72)【発明者】
【氏名】キルチョフ フランク
(72)【発明者】
【氏名】シース トーステン
【審査官】 石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−503495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/10−1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓内ポンプデバイスの中を第一の開口部から第二の開口部まで延在しているガイドワイヤ通路を有する該ポンプデバイスと、
該ポンプデバイスの外部に位置する第一の末端を起点に、該ポンプデバイスの第一の開口部を通って該ポンプデバイスの中に入り、前記ガイドワイヤ通路に沿って延び、第二の開口部を通って該ポンプデバイスから出て、該ポンプデバイスの外部に位置する第二の末端まで延在しているルーメンと
を含み、
該ルーメンの中をガイドワイヤが第一の末端から第二の末端まで通るときに該ガイドワイヤが前記通路に沿って配置されるように、ガイドワイヤを収容すべく該ルーメンが構成され
該ガイドワイヤが該ルーメンによって収容されて該ガイドワイヤ通路に沿って配置された後に、該ガイドワイヤを乱すことなく該通路から該ルーメンを取り除くことができるように、該ルーメンが構成されている、
装置。
【請求項2】
ルーメンの第二の末端に付着されたラベルであって、該ルーメンを用いて通路に沿ってガイドワイヤを設置するための説明書を含む該ラベル
をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項3】
ルーメンの少なくとも一部分が、ポンプデバイスの色とは異なる色を有する、請求項1記載の装置。
【請求項4】
ガイドワイヤを実質的に曲げることなく、通路に沿って該ガイドワイヤをデバイスの中に配置させるように、ルーメンが構成されている、請求項1記載の装置。
【請求項5】
ポンプデバイスが、
モーターを含む近位の駆動部分;
該駆動部分の遠位の末端に接続された遠位のポンプ部分;
該駆動部分と該ポンプ部分とのあいだに配置された1つまたは複数の吐出口;
流入開口部を含む遠位の末端を有し、該ポンプ部分の遠位の末端に接続された、流入カニューレ;および
該流入カニューレの遠位の末端に接続された、柔軟な管状のピグテール延長部
を含み、かつ
ガイドワイヤ通路が、前記管状のピグテール延長部の中を通って該ピグテール延長部から前記流入カニューレの中に入り、該流入カニューレの中を通って前記ポンプ部分の中に入り、1つまたは複数の前記吐出口のうちの選択された1つを通って外へと延びており、かつ
ルーメンが、前記ポンプデバイスの外部に位置する第一の末端を起点に、前記ピグテール延長部の第一の開口部を通って該ポンプデバイスの中に入り、前記ガイドワイヤ通路に沿って延び、1つまたは複数の前記吐出口のうちの前記選択された1つを含む第二の開口部を通って該ポンプデバイスから出て、該ポンプデバイスの外部に位置する第二の末端まで延在している、
請求項1記載の装置。
【請求項6】
ルーメンの第二の末端が、1つまたは複数の吐出口のうちの選択された1つよりも少なくと1 cm外側に延在している、請求項5記載の装置。
【請求項7】
ルーメンの第一の末端が、ピグテール延長部の第一の開口部よりも少なくと4 mm外側に延在している、請求項6記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる、2010年12月1日に提出された米国特許仮出願第61/418,735号の恩典を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
心臓内血液ポンプは、血液を心臓から動脈へと送達するために少なくとも部分的に心臓に導入される血液ポンプであり、該ポンプは心臓の外科的開口部を通じて突き出たものでありうる。典型的な心臓内血液ポンプは、約10〜15 mmの最大外径を有する。心臓内血液ポンプの特殊な型は、血管内血液ポンプである。それは、患者の血管系を通じて心臓に導入され、切開部は心臓から離れている。典型的には、患者の体に挿入される(例えば、経皮的に)心臓内血液ポンプは、非常に小型であり、最大外径は8 mmまたはそれ未満である。多くの場合において、血管内ポンプデバイスの導入は、デバイスを配置するためにガイドワイヤを用いることを伴う。
【0003】
心臓内および血管内血液ポンプの例は、その各々の全内容が参照により本明細書に組み入れられる、以下の参考文献において見いだされうる:2006年4月20日に公開された国際公開公報WO/2005/016416、2005年2月24日に公開された国際公開公報WO/2005/016416;2002年6月6日に公開された国際公開公報WO/2002/043791;2002年2月28日に公開された国際公開公報WO/2002/015963;2001年6月7日に公開された国際公開公報WO/2001/039817;および1999年11月18日に公開された国際公開公報WO/1999/058170。
【0004】
さらなる例には、Impella 2.5ポンプ、Impella 5.0ポンプ、およびImpella LDを含む、Impellaの商標でDanvers, MAのAbiomed, Inc.から入手可能な血液ポンプ系列が挙げられる。
【発明の概要】
【0005】
概要
心臓内血液ポンプなどの医療装置は、ガイドワイヤを用いて患者に導入されうる(例えば、経皮的に)。いくつかの例において、デバイスは、該デバイスの中にガイドワイヤを通すことによって該ガイドワイヤに装着される。典型的には、ガイドワイヤは、デバイスの損傷を回避するために、およびガイドワイヤの適切な操作を確実にするために、デバイスの中の選択されたガイドワイヤ通路をたどらねばならない。出願人は、本明細書において記述される技術が、ガイドワイヤにデバイスを装着する容易さおよび信頼性を改善するために用いることができるガイドワイヤ装着用ルーメンを提供するために用いられうることを認識している。ルーメンは所望のガイドワイヤ通路に沿ってデバイスの中に延在する。次に、導入手術を行う医師は、ルーメンの中にガイドワイヤを通し、ガイドワイヤがデバイスの中に適切に配置されることを確実にする。次に、デバイスを患者に導入する前にルーメンを取り除くことができる。
【0006】
1つの局面において、心臓内ポンプデバイスの中を第一の開口部から第二の開口部まで延在しているガイドワイヤ通路を有する該ポンプデバイスと;該ポンプデバイスの外部に位置する第一の末端を起点に、該ポンプデバイスの第一の開口部を通って該ポンプデバイスの中に入り、ガイドワイヤ通路に沿って延び、第二の開口部を通って該ポンプデバイスから出て、該ポンプデバイスの外部に位置する第二の末端まで延在しているルーメンとを含む装置が開示される。いくつかの態様において、ルーメンは、該ルーメンの中をガイドワイヤが第一の末端から第二の末端まで通るときに該ガイドワイヤが通路に沿って配置されるように、ガイドワイヤを収容すべく構成されている。
【0007】
いくつかの態様において、ルーメンは、ガイドワイヤが該ルーメンによって収容されてガイドワイヤ通路に沿って配置された後に、該ガイドワイヤを乱すことなく該通路から該ルーメンを取り除くことができるように、構成されている。
【0008】
いくつかの態様は、ルーメンの第二の末端に付着されたラベルを含み、該ラベルは、該ルーメンを用いて通路に沿ってガイドワイヤを設置するための説明書を含む。
【0009】
いくつかの態様において、ルーメンの少なくとも一部分は、ポンプデバイスの色とは異なる色を有する。
【0010】
いくつかの態様において、ルーメンは、ガイドワイヤを実質的に曲げることなく、通路に沿って該ガイドワイヤをデバイスの中に配置させるように、構成されている。
【0011】
いくつかの態様において、ポンプデバイスは、モーターを含む近位の駆動部分と;該駆動部分の遠位の末端に接続された遠位のポンプ部分と;該駆動部分と該ポンプ部分とのあいだに配置された1つまたは複数の吐出口と;流入開口部を含む遠位の末端を有し、該ポンプ部分の遠位の末端に接続された、流入カニューレと;該流入カニューレの遠位の末端に接続された、柔軟な管状のピグテール延長部とを含む。いくつかの態様において、ガイドワイヤ通路は、管状のピグテール延長部の中を通って該ピグテール延長部から流入カニューレの中に入り、流入カニューレを通ってポンプ部分の中に入り、1つまたは複数の吐出口のうちの選択された1つを通って外へと延びている。いくつかの態様において、ルーメンは、ポンプデバイスの外部に位置する第一の末端を起点に、ピグテール延長部の第一の開口部を通って該ポンプデバイスの中に入り、ガイドワイヤ通路に沿って延び、1つまたは複数の吐出口のうちの選択された1つを含む第二の開口部を通って該ポンプデバイスから出て、該ポンプデバイスの外部に位置する第二の末端まで延在している。
【0012】
いくつかの態様において、ルーメンの第二の末端は、1つまたは複数の吐出口のうちの選択された1つよりも少なくとも約0.1 cm、0.5 cm、1.0 cm、2.0 cm、5.0 cm、またはそれより長く(例えば、0.1〜10 cmの範囲またはそのうちの任意の部分的な範囲で)外側に延在している。
【0013】
いくつかの態様において、ルーメンの第一の末端は、ピグテール延長部の第一の開口部よりも少なくとも約1.0 mm、約2.0 mm、約3.0 mm、約4.0 mm、約5.0 mm、またはそれより長く(例えば、1〜10 mmの範囲またはそのうちの任意の部分的な範囲で)外側に延在している。
【0014】
別の局面において、ルーメンを取得する段階と;心臓内ポンプデバイスの中を第一の開口部から第二の開口部まで延在しているガイドワイヤ通路を有する該ポンプデバイスに、該ルーメンを挿入する段階とを含む方法が開示される。いくつかの態様において、ルーメンを挿入する段階は、該ルーメンが、ポンプデバイスの外部に位置する第一の末端を起点に、該ポンプデバイスの第一の開口部を通って該ポンプデバイスの中に入り、ガイドワイヤ通路に沿って延び、第二の開口部を通って該ポンプデバイスから出て、該ポンプデバイスの外部に位置する第二の末端まで延在するように、該ルーメンを配置することを含む。いくつかの態様において、ルーメンは、該ルーメンの中をガイドワイヤが第一の末端から第二の末端まで通るときに該ガイドワイヤが通路に沿って配置されるように、ガイドワイヤを収容すべく構成されている。
【0015】
いくつかの態様において、ルーメンは、ガイドワイヤが該ルーメンによって収容されてガイドワイヤ通路に沿って配置された後に、該ガイドワイヤを乱すことなく該通路から該ルーメンを取り除くことができるように、構成されている。
【0016】
いくつかの態様は、ルーメンを用いて通路に沿ってガイドワイヤを設置するための説明書を含むラベルを、ルーメンの第二の末端に付着させる段階を含む。
【0017】
いくつかの態様において、ルーメンの少なくとも一部分は、ポンプデバイスの色とは異なる色を有する。
【0018】
いくつかの態様において、ルーメンは、ガイドワイヤを実質的に曲げることなく、通路に沿って該ガイドワイヤをデバイスの中に配置させるように、構成されている。
【0019】
いくつかの態様において、ポンプデバイスは、モーターを含む近位の駆動部分と;該駆動部分の遠位の末端に接続された遠位のポンプ部分と;該駆動部分と該ポンプ部分とのあいだに配置された1つまたは複数の吐出口と;流入開口部を含む遠位の末端を有し、該ポンプ部分の遠位の末端に接続された、流入カニューレと;該流入カニューレの遠位の末端に接続された、柔軟な管状のピグテール延長部とを含む。いくつかの態様において、ガイドワイヤ通路は、管状のピグテール延長部の中を通ってピグテール延長部から流入カニューレの中に入り、流入カニューレの中を通ってポンプ部分の中に入り、1つまたは複数の吐出口のうちの選択された1つを通って外へと延びている。いくつかの態様において、ルーメンを配置することは、該ルーメンが、ポンプデバイスの外部に位置する第一の末端を起点に、ピグテール延長部の第一の開口部を通って該ポンプデバイスの中に入り、ガイドワイヤ通路に沿って延び、1つまたは複数の吐出口のうちの選択された1つを含む第二の開口部を通って該ポンプデバイスから出て、該ポンプデバイスの外部に位置する第二の末端まで延在するように、該ルーメンを配置することを含む。
【0020】
いくつかの態様において、ルーメンを配置することは、該ルーメンの第二の末端が、1つまたは複数の吐出口のうちの選択された1つよりも少なくとも約0.1 cm、0.5 cm、1.0 cm、2.0 cm、5.0 cmまたはそれより長く(例えば、0.1〜10 cmの範囲またはそのうちの任意の部分的な範囲で)外側に延在するように、該ルーメンを配置することを含む。
【0021】
いくつかの態様において、ルーメンを配置することは、該ルーメンの第一の末端が、ピグテール延長部の第一の開口部よりも少なくとも約1 mm、約2 mm、約3 mm、約4 mm、約5 mm、またはそれより長く(例えば、1〜10 mmの範囲またはそのうちの任意の部分的な範囲で)外側に延在するように、該ルーメンを配置することを含む。
【0022】
別の局面において、心臓内ポンプデバイスの中を第一の開口部から第二の開口部まで延在しているガイドワイヤ通路を有する該ポンプデバイスと;該ポンプデバイスの外部に位置する第一の末端を起点に、該ポンプデバイスの第一の開口部を通って該ポンプデバイスの中に入り、該ガイドワイヤ通路に沿って延び、第二の開口部を通って該ポンプデバイスから出て、該ポンプデバイスの外部に位置する第二の末端まで延在しているルーメンとを含む装置を取得する段階を含む、心臓内ポンプデバイスをガイドワイヤに装着する方法が開示される。いくつかの態様において、ルーメンは、該ルーメンの中をガイドワイヤが第一の末端から第二の末端まで通るときに該ガイドワイヤが通路に沿って配置されるように、ガイドワイヤを収容すべく構成されている。
【0023】
いくつかの態様において、方法はさらに、ガイドワイヤを通路に沿って配置するためにルーメンの中に該ガイドワイヤを挿入する段階と、該ガイドワイヤを通路に沿って配置させたまま、該ルーメンを取り除く段階とを含む。
【0024】
いくつかの態様は、ルーメンを取り除いた後に、ガイドワイヤを用いてポンプデバイスを対象に導入する段階を含む。
【0025】
様々な態様は、上記の任意の特徴を単独でまたは任意の適切な組み合わせで含みうる。
【0026】
[本発明1001]
心臓内ポンプデバイスの中を第一の開口部から第二の開口部まで延在しているガイドワイヤ通路を有する該ポンプデバイスと、
該ポンプデバイスの外部に位置する第一の末端を起点に、該ポンプデバイスの第一の開口部を通って該ポンプデバイスの中に入り、前記ガイドワイヤ通路に沿って延び、第二の開口部を通って該ポンプデバイスから出て、該ポンプデバイスの外部に位置する第二の末端まで延在しているルーメンと
を含み、
該ルーメンの中をガイドワイヤが第一の末端から第二の末端まで通るときに該ガイドワイヤが前記通路に沿って配置されるように、ガイドワイヤを収容すべく該ルーメンが構成されている、
装置。
[本発明1002]
ガイドワイヤがルーメンによって収容されてガイドワイヤ通路に沿って配置された後に、該ガイドワイヤを乱すことなく該通路から該ルーメンを取り除くことができるように、該ルーメンが構成されている、本発明1001の装置。
[本発明1003]
ルーメンの第二の末端に付着されたラベルであって、該ルーメンを用いて通路に沿ってガイドワイヤを設置するための説明書を含む該ラベル
をさらに含む、本発明1002の装置。
[本発明1004]
ルーメンの少なくとも一部分が、ポンプデバイスの色とは異なる色を有する、本発明1002の装置。
[本発明1005]
ガイドワイヤを実質的に曲げることなく、通路に沿って該ガイドワイヤをデバイスの中に配置させるように、ルーメンが構成されている、本発明1002の装置。
[本発明1006]
ポンプデバイスが、
モーターを含む近位の駆動部分;
該駆動部分の遠位の末端に接続された遠位のポンプ部分;
該駆動部分と該ポンプ部分とのあいだに配置された1つまたは複数の吐出口;
流入開口部を含む遠位の末端を有し、該ポンプ部分の遠位の末端に接続された、流入カニューレ;および
該流入カニューレの遠位の末端に接続された、柔軟な管状のピグテール延長部
を含み、かつ
ガイドワイヤ通路が、前記管状のピグテール延長部の中を通って該ピグテール延長部から前記流入カニューレの中に入り、該流入カニューレの中を通って前記ポンプ部分の中に入り、1つまたは複数の前記吐出口のうちの選択された1つを通って外へと延びており、かつ
ルーメンが、前記ポンプデバイスの外部に位置する第一の末端を起点に、前記ピグテール延長部の第一の開口部を通って該ポンプデバイスの中に入り、前記ガイドワイヤ通路に沿って延び、1つまたは複数の前記吐出口のうちの前記選択された1つを含む第二の開口部を通って該ポンプデバイスから出て、該ポンプデバイスの外部に位置する第二の末端まで延在している、
本発明1002の装置。
[本発明1007]
ルーメンの第二の末端が、1つまたは複数の吐出口のうちの選択された1つよりも少なくとも約1 cm外側に延在している、本発明1006の装置。
[本発明1008]
ルーメンの第一の末端が、ピグテール延長部の第一の開口部よりも少なくとも約4 mm外側に延在している、本発明1007の装置。
[本発明1009]
ルーメンを取得する段階;および
心臓内ポンプデバイスの中を第一の開口部から第二の開口部まで延在しているガイドワイヤ通路を有する該ポンプデバイスに、該ルーメンを挿入する段階
を含む方法であって、
ルーメンを挿入する段階が、
該ルーメンが、前記ポンプデバイスの外部に位置する第一の末端を起点に、該ポンプデバイスの第一の開口部を通って該ポンプデバイスの中に入り、前記ガイドワイヤ通路に沿って延び、第二の開口部を通って該ポンプデバイスから出て、該ポンプデバイスの外部に位置する第二の末端まで延在するように、該ルーメンを配置すること
を含み、かつ
該ルーメンの中をガイドワイヤが第一の末端から第二の末端まで通るときに該ガイドワイヤが前記通路に沿って配置されるように、ガイドワイヤを収容すべく該ルーメンが構成されている、
前記方法。
[本発明1010]
ガイドワイヤがルーメンによって収容されてガイドワイヤ通路に沿って配置された後に、該ガイドワイヤを乱すことなく該通路から該ルーメンを取り除くことができるように、該ルーメンが構成されている、本発明1009の方法。
[本発明1011]
ルーメンを用いて通路に沿ってガイドワイヤを設置するための説明書を含むラベルを、該ルーメンの第二の末端に付着させる段階をさらに含む、本発明1010の方法。
[本発明1012]
ルーメンの少なくとも一部分が、ポンプデバイスの色とは異なる色を有する、本発明1010の方法。
[本発明1013]
ガイドワイヤを実質的に曲げることなく、通路に沿って該ガイドワイヤをデバイスの中に配置させるように、ルーメンが構成されている、本発明1010の方法。
[本発明1014]
ポンプデバイスが、
モーターを含む近位の駆動部分;
駆動部分の遠位の末端に接続された遠位のポンプ部分;
駆動部分とポンプ部分とのあいだに配置された1つまたは複数の吐出口;
流入開口部を含む遠位の末端を有し、ポンプ部分の遠位の末端に接続された、流入カニューレ;および
流入カニューレの遠位の末端に接続された、柔軟な管状のピグテール延長部
を含み、かつ
ガイドワイヤ通路が、前記管状のピグテール延長部の中を通って該ピグテール延長部から前記流入カニューレの中に入り、該流入カニューレの中を通って前記ポンプ部分の中に入り、1つまたは複数の前記吐出口のうちの選択された1つを通って外へと延びており、かつ
ルーメンを配置することが、
該ルーメンが、前記ポンプデバイスの外部に位置する第一の末端を起点に、ピグテール延長部の第一の開口部を通って該ポンプデバイスの中に入り、ガイドワイヤ通路に沿って延び、1つまたは複数の前記吐出口のうちの前記選択された1つを含む第二の開口部を通って該ポンプデバイスから出て、該ポンプデバイスの外部に位置する第二の末端まで延在するように、該ルーメンを配置すること
を含む、
本発明1010の方法。
[本発明1015]
ルーメンを配置することが、
該ルーメンの第二の末端が、1つまたは複数の吐出口のうちの選択された1つよりも少なくとも約1 cm外側に延在するように、該ルーメンを配置すること
を含む、
本発明1014の方法。
[本発明1016]
ルーメンを配置することが、
該ルーメンの第一の末端が、ピグテール延長部の第一の開口部よりも少なくとも約4 mm外側に延在するように、該ルーメンを配置すること
を含む、
本発明1014の方法。
[本発明1017]
心臓内ポンプデバイスの中を第一の開口部から第二の開口部まで延在しているガイドワイヤ通路を有する該ポンプデバイスと、
該ポンプデバイスの外部に位置する第一の末端を起点に、該ポンプデバイスの第一の開口部を通って該ポンプデバイスの中に入り、ガイドワイヤ通路に沿って延び、第二の開口部を通って該ポンプデバイスから出て、該ポンプデバイスの外部に位置する第二の末端まで延在しているルーメンであって、該ルーメンの中をガイドワイヤが第一の末端から第二の末端まで通るときに該ガイドワイヤが該通路に沿って配置されるように、ガイドワイヤを収容すべく構成されている該ルーメンと
を含む装置を取得する段階;
該ルーメンの中にガイドワイヤを挿入して、該ガイドワイヤを該通路に沿って配置する段階;
該ガイドワイヤを該通路に沿って配置させたまま、該ルーメンを取り除く段階
を含む、心臓内ポンプデバイスをガイドワイヤに装着する方法。
[本発明1018]
ルーメンを取り除いた後に、ガイドワイヤを用いてポンプデバイスを対象に導入する段階をさらに含む、本発明1017の方法。

前述の概要は、説明する目的に限られ、いかなるようにも限定するとは意図されない。上記の例証される局面、態様、および特徴に加えて、さらなる局面、態様、および特徴が、添付の図面および以下の詳細な説明を参照することによって明らかとなると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本明細書に組み入れられ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本明細書において記述される1つまたは複数の態様を図示し、本明細書の記述と共に、これらの態様を説明する。同じ参照記号は、異なる図を通して同じ部分を意味する。図面は必ずしも縮尺通りではなく、その代わりに態様の原理を図で説明することに重点が置かれている。
図1】装着用ルーメンを有する心臓内ポンプデバイスの図である。
図2】装着用ルーメンを有するポンプデバイスの写真である。
図3】装着用ルーメンの説明書ラベルを示す図である。
図4A】心臓内ポンプデバイスにおける装着用ルーメンへのガイドワイヤの挿入を示す図である。
図4B】ガイドワイヤを装着用ルーメンに挿入した後の、心臓内ポンプからの装着用ルーメンの除去を示す図である。
図5】ガイドワイヤに装着された心臓内ポンプの写真である。
図6】心臓内血液ポンプシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
詳細な説明
図1を参照すると、ガイドワイヤ4(例えば、以下の図5に示される)に装着することが意図される心臓内ポンプデバイス1が提供されている。ポンプデバイス1は、該ポンプデバイスの中を第一の開口部から第二の開口部まで延在している所望のガイドワイヤ通路を含む。ルーメン2は、ポンプデバイス1の外部に位置する第一の末端を起点に、ポンプデバイス1の第一の開口部を通ってポンプデバイス1の中に入り、ガイドワイヤ4のための通路に沿って延び、第二の開口部を通ってポンプデバイス1から外へと延在し、ポンプデバイス1の外部に位置する第二の末端で終わる。いくつかの態様において、ルーメン2は、該ルーメンの中をガイドワイヤ4が第一の末端から第二の末端まで通るときに該ガイドワイヤが通路に沿って配置されるように、該ガイドワイヤを収容する。
【0029】
以下に詳細に記述するように、いくつかの態様において、ルーメン2は、ガイドワイヤが該ルーメンによって収容されてガイドワイヤ通路に沿って配置された後に、該ガイドワイヤを乱すことなく該通路から該ルーメンを取り除くことができる(例えば、以下の図5に示されるように、ガイドワイヤ4に適切に装着されたデバイス1が得られる)ように、動作する。
【0030】
いくつかの態様において、ルーメン2は、ガイドワイヤ4を実質的に曲げることなく、所望のガイドワイヤ通路に沿ってデバイス1の中にガイドワイヤ4を配置させ、また、ガイドワイヤ4への装着の際の損傷からデバイス1を守る。
【0031】
様々な態様において、デバイス1は、任意の適した心臓内ポンプデバイスを含みうる。示されるように、心臓内ポンプデバイス1は、駆動部分10と、それと同軸のポンプ部分11とを含む。駆動部分10は、モーター(示していない)を含む。駆動部分10の近位の末端は、血液ポンプを操作しかつ制御するための電気線を保持するカテーテル12に接続される。ポンプ部分11は、流入開口部15を有する吸入ヘッド14を遠位の末端に備えた細長い柔軟なホースの形状のカニューレ30に接続される。吸入ヘッド14に続いて、液圧式ではなく機械的にカニューレ30を延長させる柔らかい弾性の延長部16が存在する。この延長部16には、体組織上での非外傷性の支持を可能にするピグテール先端が備わっている(示されるように、ピグテール先端はカールしていない)。延長部16は中空の管状部材である。
【0032】
ポンプ部分11は、長手方向に延在するウェブ21によって駆動部分10に接続されているポンプリング20を有する。ウェブ21同士の間に吐出口22が位置し、血液はその吐出口を通って放射状に出て、駆動部分10の外側に沿って流れる。
【0033】
任意で、いくつかの態様において、スクリーン25がポンプ部分11に提供される。これは、ポンプリング20上に置かれている環状のスリーブ26と、ポンプリングから近位方向に突出し、連続的に外に向かって広がっているガイド部分27とを含む。ガイド部分27の始まりは、吐出口22の上流の末端、すなわち、ポンプリング20に隣接している末端である。
【0034】
いくつかの態様において、駆動部分10およびポンプ部分11の外径は4.0 mmである。任意のスクリーン25の外径は、5.6から6.0 mmである。スクリーンの肉厚は、0.1から0.2 mmである。スクリーンは、柔軟な材料、例えばポリウレタンで作製される。スクリーンは、カニューレ30と一体に形成されうる。
【0035】
示されるように、ルーメン2は、デバイス1の中に挿入されている。ルーメンは、第一の末端を起点に、延長部16を通り、カニューレ30を通り、ポンプ部分11を通り、吐出口22のうちの1つから外へと延在し、ポンプデバイス1の外部の第二の末端で終わる。示されるように、ポンプデバイス1は湾曲しており、かつルーメン2は、ポンプデバイス1の内周に位置する吐出口22を通って外へと延在している。ルーメン2の通路は、デバイス1の中の所望のガイドワイヤ通路に対応する。
【0036】
様々な態様において、ルーメン2は、任意の適した材料、例えばプラスチックまたはポリマー材料で作製されうる。1つの態様において、ルーメン2は、ポリウレタン(PU)で作製される。ルーメン2は、任意の適したサイズおよび形状でありうる。1つの態様(Danvers, MAのAbiomed, Incから入手可能なImpella 2.5ポンプと共に用いるために適切な)において、ルーメン2は、内径0.55 mmおよび外径0.75 mmを有する管状のポリウレタンルーメンである。このサイズのルーメンは、所望のガイドワイヤ通路に沿ってポンプデバイス1の中に適合して、0.4 mmまでの直径を有するガイドワイヤ(当技術分野において一般的に入手可能な0.018インチガイドワイヤに対応する)を収容することができる。
【0037】
いくつかの態様において、ルーメンの少なくとも一部分は、ポンプデバイスの色および/またはガイドワイヤの色とは異なる色を有する。例えば、ルーメン2は、ルーメンをユーザーにはっきりと見えるようにして、デバイスを患者に導入する前にルーメン2を取り除くための視覚的な合図を提供する鮮やかな赤色の外観を有してもよい。
【0038】
様々な態様において、ルーメン2の末端は、ポンプデバイス1よりも任意の適した距離だけ外側に延在していてもよい。例えば、図2は、Danvers, MAのAbiomed, Incから入手可能なImpella 2.5ポンプであるポンプデバイス1においてルーメン2を特徴とする態様の写真を示す。示されるように、ルーメン2の第一の末端は、ポンプデバイス1のピグテール延長部から4〜5 mmの範囲で延在している。ルーメン2の第二の末端は、ポンプデバイス1の吐出口から約1 cm延在している。
【0039】
いくつかの態様において、ルーメンの第一の末端は、デバイスのピグテール延長部から少なくとも約1 mm、約2 mm、約3 mm、約4 mm、約5 mmまたはそれより長く(例えば、1〜10 mmの範囲またはそのうちの任意の部分的な範囲で)延在している。
【0040】
いくつかの態様において、ルーメンの第二の末端の配置は、吐出口から少なくとも約0.1 cm、0.5 cm、1.0 cm、2.0 cm、5.0 cm、またはそれより長く(例えば、0.1〜10 cmの範囲またはそのうちの任意の部分的な範囲で)延在させる。
【0041】
図1および2に示されるように、いくつかの態様において、ラベル3を、ルーメン2に付着させる。ラベルは、ルーメン2を用いてガイドワイヤ4にポンプデバイス1を装着するための説明書を含む、印刷されたまたは他の視覚的情報を含みうる。いくつかの態様において、ラベルのサイズは、患者に挿入されることがないように選択されうる(例えば、経皮的導入技法において用いられる典型的な切開サイズより大きいサイズが選択されうる)。このことは、ルーメン2を取り除く前にポンプデバイス1が誤って挿入されることがないよう確実にするために役立つ。いくつかの態様において、ラベル3は、流体抵抗性の材料(例えば、プラスチック)で作製することができ、かつ任意の適した様式で(例えば、接着剤を用いて)ルーメン2に付着させることができる。いくつかの態様において、ラベル3は、ルーメン2と一体に形成されうる。
【0042】
図3は、ラベル3の例示的な態様を示す。示されるように、ラベル3は、おもて面(示している)に印刷された説明図を有し、裏面(示していない)に接着剤を有する。ラベル3は、ルーメン3に巻き付けてから自身に接着させて、旗の表裏両面に視覚的情報が現れる旗様の両面要素を提供することができる。
【0043】
図4Aおよび4Bは、ルーメン2を用いたガイドワイヤ4へのポンプデバイス1の装着を図示している。図4Aに示されるように、ポンプデバイス1のピグテール延長部は、カールしていない。ガイドワイヤ4の末端は、ピグテールから延在しているルーメン2の末端に挿入される。ガイドワイヤ4は、該ガイドワイヤの末端が、ポンプの吐出口から延在しているルーメン2の他方の末端より外に出るまで、ルーメン2の中を進む。ガイドワイヤ4の挿入の際に、ルーメン2は、該ガイドワイヤの曲がりを防ぐように働き、かつポンプデバイスの内側部分を守ることに注意されたい。
【0044】
図4Bに示されるように、ガイドワイヤ4の末端がルーメン2の中を通り抜けたら、ルーメン2を取り除き、該ガイドワイヤを所望のガイドワイヤ通路に沿って配置させた状態で残す。ルーメン2がポンプデバイス1から完全に出てガイドワイヤ4からすっかり取れるまで、該ルーメンを、ガイドワイヤの上で、吐出口から延在している末端の方に引っ張る。いくつかの態様において、ルーメン2は廃棄される。
【0045】
いくつかの態様において、ポンプデバイス1は、ルーメン2が既に取り付けられた状態で最終使用者に発送されうる。したがって、所望のガイドワイヤ通路に沿ったルーメン2の配置は、品質管理を受けることができる。その後、このルーメン2は、ガイドワイヤ4への装着の際の最終使用のためのガイドとして作用し、その結果、ユーザーの誤りが減少する。例えば、このルーメン2を使用することにより、ポンプデバイス1の不適切な吐出口の中にガイドワイヤを通すことに関連する誤りを減少させるかまたはなくすことができる。
【0046】
図5は、ルーメン2を完全に取り除いた後の、ガイドワイヤ4に装着されたポンプデバイス1の写真である。ポンプデバイス1は、例えば図6を参照して以下に記述されるように、この状態でガイドワイヤを用いて患者に導入することができる。
【0047】
図6は、心臓内血液ポンプ1を有するカテーテルシステム700を示す。ポンプは、例えばDanvers, MaのAbiomed, Incから入手可能なImpella 2.5血液ポンプでありうる。血液ポンプ1は、例えば1分間あたり最大で2.5 Lの血液を左心室から全身循環に送ることができる、カテーテルを搭載したマイクロアキシャルフローポンプである。モノレール型挿入プラットフォームを用いて、血液ポンプ1は、大腿動脈シース703(例えば、13 Frシース)を介して設置される。使用中に大動脈弁をまたいで置かれるデバイスのカニューレ部分710は、カテーテルの最大直径部分(例えば、12 Frの)を含むモーター704とつながっており、かつ一体化している。再配置デバイス705により、設置後にシース703を取り除くと、動脈系に細めの(例えば、9Fの)カテーテルを残すことができる。ポンプ1は、制御コンソール(示していない)、例えばDanvers, MaのAbiomed, Incから入手可能なImpellaシリーズの制御パネルによって電力を供給されて制御される。動脈注入ポンプ(示していない)は、腐食性の血漿がポンプ1のモーター区画に入らないように設計されたパージシステムを制御する。
【0048】
ポンプ1は、透視によって直接制御しながら修正モノレール技術を介して挿入される。モーターに隣接する電圧ルーメン708を用いる電圧モニタリングのみならず、モーター電流モニタリングを用いて、操作者に配置の確認を与える。デバイスは、透視による制御を用いて、カテーテルがねじれないようにおよびパージルーメンが損傷しないように設置される。動脈アクセスを得た後、13F peel-awayシースを配置する。冠動脈ガイディングカテーテル(例えば、JR-4カテーテル)および次に0.018"ワイヤを、大動脈弁をまたいで左心室に設置する。0.018"ワイヤが大動脈弁をまたいだら、ガイディングカテーテルを取り除いて、ポンプカテーテルを、0.018"ワイヤに被せて、例えば先に詳述した装着用ルーメン2(示していない)を用いて通す。デバイスを心室に配置した状態で(図8に示されるように)、ワイヤを取り除き、近位大動脈から心室へのカニューレ内の逆流をちょうど相殺するのに十分な最小レベルでポンプ1を作動させて、これによりカニューレが大動脈弁をまたいで設置されたことになる。
【0049】
ポンプ1を、大動脈弁をまたいで配置したら、制御パネルを利用して、デバイスの設置が適切かつ安定であることを確認することができる。この時点で、デバイスの性能レベルは、典型的には、より高い性能レベルに調節される。
【0050】
システム700の使用に関するさらなる詳細は、D.H. Raess and D.M. Weber, J. of Cariovasc. Trans. Res. (2009) 2:168-172において見いだされうる。
【0051】
心臓内血液ポンプと共に用いられるガイドワイヤ装着用ルーメンに関連して、多数の例を上記で示してきたが、本明細書において適用される技術は、ヒトまたは動物対象に対して用いることが意図される他の任意の適したタイプの医療デバイスのガイドワイヤ装着を含む、他の応用のために用いられうると理解されるべきである。
【0052】
本発明の範囲は、本明細書において上記で具体的に示され記述されている範囲に限定されない。当業者は、材料、形状、構造、および寸法に関して描写された例に対する適した代替物が存在することを認識するであろう。特許および様々な刊行物を含む多数の参考文献が、本発明の説明において引用および考察される。そのような参考文献の引用および考察は、単に本発明の説明を明確にするために提供されるのであって、いかなる参考文献も本明細書において記述される本発明に対する先行技術であると認めたわけではない。本明細書において引用および考察された全ての参考文献は、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる。
【0053】
様々な本発明の態様を本明細書において記述および説明してきたが、当業者は、機能を行うため、ならびに/または結果および/または本明細書において記述される利点の1つまたは複数を得るために、多様な他の手段および/または構造を容易に想像するが、そのような変更および/または改変の各々は、本明細書において記述される本発明の態様の範囲内であると考えられる。より一般的には、当業者は、本明細書において記述される全てのパラメータ、寸法、材料、および形状が例示的であることを意味しており、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または形状は、本発明の教示が用いられる特異的応用または複数の応用に依存することを容易に認識するであろう。当業者は、単なるルーチンの実験を用いて、本明細書において記述される特異的な本発明の態様に対する多くの同等物を認識する、または確認することができるであろう。それゆえ、前述の態様は例として表されるに過ぎず、本発明の態様は、具体的に説明および請求される以外で実践されてもよく、それらも添付の特許請求の範囲およびその同等物の範囲内であると理解すべきである。本開示の本発明の態様は、本明細書において記述される各々の個々の特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法に向けられる。さらに、そのような特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法の2つまたはそれより多くの任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法が相互に相反しない限り、本開示の本発明の範囲に含まれる。
【0054】
上記の態様は、多数の任意の様式で実行することができる。例えば、態様は、ハードウェア、ソフトウェア、またはその組み合わせを用いて実行されうる。ソフトウェアにおいて実行される場合、1つのコンピューターに提供されるかまたは多数のコンピューターに分配されるかによらず、ソフトウェアコードを、任意の適したプロセッサまたはプロセッサの集合体において実行することができる。
【0055】
同様に、様々な本発明の概念は、その一例が提供されている1つまたは複数の方法として具体化されうる。方法の一部として行われる行為を、任意の適した様式で順序をつけてもよい。したがって、たとえ例証される態様において連続的な行為として示されている場合であっても、いくつかの行為を同時に行う段階を含みうる、例証される順序とは異なる順序で行為が行われる態様が構成されうる。
【0056】
本明細書において明細書および特許請求の範囲において用いられる不定冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、反対であることを明らかに示している場合を除き、「少なくとも1つ」という意味であると理解されるべきである。
【0057】
本明細書において明細書および特許請求の範囲において用いられる「または」という句は、そのように結びつけられた要素の「いずれかまたは両方」、すなわちある例では結びつけて存在するが、他の例では離れて存在する要素を意味すると理解されるべきである。「または」と共に記載される多数の要素は、同じように解釈されるべきであり、すなわち、そのように結びつけられた要素の「1つまたは複数」として解釈すべきである。具体的に同定されたそれらの要素に関係するまたは無関係であるかによらず、「または」という句によって具体的に同定された要素以外の他の要素が任意で存在してもよい。このように、非限定的な例として、「含む」などの限定のない言葉と共に用いる場合の「AまたはB」という言及は、1つの態様において、Aのみ(任意でB以外の要素を含む);別の態様においてBのみ(任意でA以外の要素を含む);なお別の態様において、AとBの両方(任意で他の要素を含む)等を意味することができる。
【0058】
本明細書において明細書および特許請求の範囲において用いられるように、「または」とは、先に定義した「または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リストにおける項目を分離する場合、「または」もしくは「または」は、含むと解釈され、すなわち少なくとも1つを含むが、要素の1つより多く、多数、またはリストを含み、および任意で記載されていないさらなる項目を含むと解釈される。「1つのみ」または「まさに1つのみ」または特許請求の範囲において用いられる「からなる」などの、反対であることが明らかに示されている用語のみが、多数のまたはリストの要素のまさに1つの要素を含むことを意味する。一般的に、本明細書において用いられる「または」という用語は、「いずれか」、「その1つ」、「その1つのみ」、または「そのまさに1つ」などの排他的な用語がその前にある場合に限って、排他的代替物(すなわち、「1つまたは他方であるが、両方ではない」)を示すと解釈される。特許請求の範囲において用いる場合の「本質的にからなる」とは、特許法の分野において用いられるその通常の意味を有する。
【0059】
上記の明細書と同様に特許請求の範囲において、「含む」、「含む」、「持つ」、「有する」、「含有する」、「伴う」、「保持する」、「で構成される」およびその他などの全ての接続的な句は、限定がない、すなわち含むがそれらに限定されないと理解すべきである。「からなる」および「本質的にからなる」という接続的な句のみが、米国特許庁の特許審査手順マニュアル2111.03章に記載されるようにそれぞれ、閉鎖的または半閉鎖的接続句である。
【0060】
本明細書において定義され用いられる全ての定義は、辞書の定義、参照により組み入れられる文書での定義、および/または定義された用語の通常の意味より優先すると理解すべきである。
【0061】
本明細書において記述される内容の変更、改変、およびその他の実行が、当業者に想起されるが、それらも本発明の趣旨および範囲に含まれる。本発明のある態様を示して記述してきたが、変更および改変を行ってもよく、それらも本発明の趣旨および範囲に含まれることは当業者に明らかであろう。前述の説明および添付の図面に記載された事象は例証として提供されるのであって、限定するとは解釈されない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6