(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態のスロットマシン10は、メダルを遊技媒体としているが、メダルに限らず、遊技球等であってもよいのはもちろんである。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態によるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10の遊技制御手段60は、スロットマシン10の全体を制御する手段であり、役の抽選、リール31の駆動制御、入賞時の払出し、及び演出の出力等を制御するものである。遊技制御手段60は、制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等や演出の出力に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
【0018】
なお、本実施形態では、遊技制御手段60を1つとして図示しているが、これに限らず、遊技の進行を制御する遊技制御手段60を有するメイン制御基板と、演出の出力を制御する演出制御手段70を有するサブ制御基板とを別体で備え、メイン制御基板からサブ制御基板に対し、演出の出力に必要な情報を送信するように構成してもよい。
【0019】
図1に示すように、遊技制御手段60の入力側(
図1中、左側)には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及び(左、中、右)ストップスイッチ42が電気的に接続されている。
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを当該遊技のために投入するときに操作するスイッチである。特に本実施形態のベットスイッチ40は、3枚投入専用のものである。すなわち、いずれも遊技中も3枚のメダルを投入して遊技を行うようになっている。
また、メダル投入口43は、実際のメダルを遊技者が投入する部分であり、メダル投入口43からメダルを投入することは、ベットスイッチ40を操作することと同様の役割を果たす。
【0020】
また、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらにまた、(左、中、右)ストップスイッチ42は、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
【0021】
遊技制御手段60の出力側(
図1中、右側)には、モータ32が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段64によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
【0022】
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。
図2は、第1実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。
図2では、図柄番号を併せて図示している。
図2に示すように、本実施形態では、各リール31ごとに、21個の図柄が等間隔で配置されている。
【0023】
また、
図3は、スロットマシン10のフロントマスク部(前面扉。図示せず。)に設けられた表示窓(透明窓)11と、各リール31との位置関係を示す図である。各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3個(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓11から、合計3×3=9個の図柄が見えるように配置されている。
なお、本明細書では、
図3中、例えば左リール31の「RP」の図柄が停止している位置を「上段」、「赤7」の図柄が停止している位置を「中段」、「BAR」の図柄が停止している位置を「下段」と称する。
【0024】
さらにまた、
図3に示すように、スロットマシン10の表示窓11を含む部分には、図柄組合せラインL1〜L5が設けられている。
ここで、「図柄組合せライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させるラインである。本実施形態では、水平方向の上段、中段、及び下段の3本の図柄組合せラインL1〜L3と、斜め右下がり方向及び斜め右上がり方向の2本の図柄組合せラインL4及びL5の合計5本の図柄組合せラインを有する。
【0025】
また、図柄組合せラインは、有効ラインと無効ラインとを有する。
ここで、「有効ライン」とは、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。
一方、「無効ライン」とは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
【0026】
有効ライン及び無効ラインは、メダルの投入枚数に応じて設定されるが、本実施形態では、上述したように、いずれの遊技中(通常遊技中及び特別遊技中)においても、3枚のメダルを投入して遊技を行うように設定されている。そして、すべての遊技において、5本すべての図柄組合せラインL1〜L5が有効ラインとなり、無効ラインは存在しないように設定されている。
なお、これに限らず、メダルの投入枚数は、1枚又は2枚でもよい。さらに、メダル投入枚数や遊技状態等に応じて、5本の図柄組合せラインL1〜L5のうち、一部のみを有効ライン(残りを無効ライン)に設定してもよい。
【0027】
さらに、
図1において、演出制御手段70の出力側には、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出出力機器が電気的に接続されている。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
【0028】
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイやドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像等を表示するものである。
【0029】
図4は、本実施形態における役(後述する役抽選手段61で抽選される役)の種類、払出し枚数等、及び役に対応する図柄の組合せを示す図である。
図4に示すように、役としては、大別して、特別役、小役、及びリプレイが設けられている。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。これにより、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する(役が入賞する)と、その役に対応する枚数のメダルが払い出される。ただし、特別役及び小役3の入賞時の払出し枚数は0枚に設定されている。また、リプレイの入賞時は、メダルが自動投入される。
【0030】
役において、まず、特別役とは、通常遊技から特別遊技に移行させる役である。本実施形態では、
図4に示すように、特別役として、1BB(第1種ビッグボーナス)及び2BB(第2種ビッグボーナス。MB(ミドルボーナス)又はCTBBともいう。)が設けられている。
1BB又は2BBがそれぞれ入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、それぞれ特別遊技である1BB遊技又は2BB遊技に移行する。1BB遊技及び2BB遊技は、出玉率が1を超えるように設定されていることで、通常遊技以上にメダル獲得が期待できる、遊技者にとって有利な遊技である。
【0031】
なお、他の特別役としては、RB(レギュラーボーナス)や、SB(シングルボーナス)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
【0032】
また、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役であり、本実施形態では、小役1、小役2及び小役3の3種類が設けられている。
ここで、小役1及び小役2における「any」とは、任意の図柄を意味する。すなわち、左リール31の有効ラインに「チェリー」の図柄が停止した時点で、中リール31及び右リール31の停止図柄にかかわらず、小役1の入賞となる。
同様に、中リール31の有効ラインに「ベル」の図柄が停止した時点で、左リール31及び右リール31の停止図柄にかかわらず、小役2の入賞となる。
【0033】
図5は、小役1及び小役2の入賞時の停止態様を示す図である。まず、
図5(A)に示すように、左リール31の「チェリー」の図柄が中段に停止したときは、小役1に対応する図柄の組合せが1本の有効ラインL2に停止したこととなり、2枚×1ライン=2枚のメダルが払い出される。これに対し、
図5(B)に示すように、左リール31の「チェリー」の図柄が上段に停止したときは、小役1に対応する図柄の組合せが2本の有効ラインL1及びL4に停止したこととなり、2枚×2ライン=4枚のメダルが払い出される。左リール31の「チェリー」の図柄が下段に停止したときも同様に4枚の払出しとなる。
【0034】
また、
図5(C)に示すように、中リール31の「ベル」の図柄が上段に停止したときは、小役2に対応する図柄の組合せが1本の有効ラインL1に停止したこととなり、4枚×1ライン=4枚のメダルが払い出される。中リール31の「ベル」の図柄が下段に停止したときも同様である。これに対し、
図5(D)に示すように、中リール31の「ベル」の図柄が中段に停止したときは、小役2に対応する図柄の組合せが3本の有効ラインL2、L4、及びL5に停止したこととなり、4枚×3ライン=12枚のメダルが払い出される。
なお、小役3は、入賞時にメダルの払出しが0枚に設定されている。詳細は後述するが、小役3は、入賞すると遊技状態が移行する役(遊技状態移行役)に設定されている。
【0035】
さらにまた、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した再遊技が行えるようにした役である。本実施形態では、3種類のリプレイ1〜リプレイ3を備えている。なお、詳細は後述するが、リプレイ2又はリプレイ3は、上述の小役3と同様に、RT1遊技(後述)で入賞すると遊技状態が移行する役(遊技状態移行役)に設定されている。
【0036】
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役としては、特別役のうち、1BBが挙げられる。1BBに当選したときは、リール31の停止時に、1BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、1BBの当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
【0037】
このように、1BBの当選は持ち越されるのに対し、1BB以外の役は、持ち越されない。役の抽選において、1BB以外の役に当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止(入賞)可能にリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
【0038】
なお、1BBに当選していない遊技中(1BBの当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技以前の遊技において1BBに当選しているが、当選した1BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止していない(入賞していない)遊技中(1BBの当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
【0039】
ここで、特別役として2BBを設けた場合において、2BBの当選時は、2BBが入賞するまで2BBの当選を持ち越すように制御するのが通常である。しかし、本実施形態では、後述するように、2BBの当選時には、その当選時の遊技で必ず2BBが入賞するように制御される。このため、本実施形態では2BBの当選を持ち越さない。ただし、これに限らず、2BBの当選を持ち越してもよいのはもちろんである。
【0040】
遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号が遊技制御手段60に入力される。遊技制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓11内で上下方向に移動表示される。
【0041】
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(例えば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号が遊技制御手段60に入力される。遊技制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。そして、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
【0042】
図1に示すように、遊技制御手段60は、以下の役抽選手段61等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、遊技制御手段60は、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
【0043】
役抽選手段61は、役(上述した特別役、小役、及びリプレイ)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
【0044】
乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、例えば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
【0045】
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する役抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値が2BBの当選領域に属する場合は、2BBの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
【0046】
役抽選テーブル62は、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。
図6〜
図8は、第1実施形態における役抽選テーブル62(62A〜62F)を示す図である。役抽選テーブル62は、遊技状態ごとに設けられている。役抽選テーブル62は、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
【0047】
第1実施形態の「遊技状態」としては、大別して通常遊技と特別遊技とを備える。さらに、通常遊技には、非RT遊技、RT1遊技、RT2遊技、RT3遊技(以上は、すべて非内部中遊技)、及び内部中遊技を備える。また、特別遊技には、1BB遊技及び2BB遊技を備える。これらの遊技状態の特徴及び遊技状態間の移行については、後述する。
【0048】
図6の役抽選テーブル62Aは、非RT遊技で用いられる役抽選テーブル62である。役抽選テーブル62Aで抽選される役は、特別役である1BB及び2BB、小役1〜小役3、並びにリプレイ1である。
【0049】
また、役抽選テーブル62Bは、RT1遊技で用いられる役抽選テーブル62であり、役抽選テーブル62Aと比較すると、小役3が抽選されない点で異なる。さらにまた、リプレイ1の当選確率が1/1.2と高く設定されている。さらに、「リプレイ2+リプレイ3」が抽選される。ここで、「+」とは、当該遊技での同時重複当選を意味する。したがって、「リプレイ2+リプレイ3」とは、リプレイ2とリプレイ3とが当該遊技で同時に重複当選することを意味している。
【0050】
役抽選テーブル62Bでは、「リプレイ2+リプレイ3」全体の当選確率として1/40に設定されているとともに、この当選確率が3等分され、(リプレイ2+リプレイ3)A〜(リプレイ2+リプレイ3)Cに割り当てられている。なお、詳細は、停止位置決定テーブル65で説明するが、「リプレイ2+リプレイ3」A〜C当選時は、最初に操作されたストップスイッチ42が左、中又は右のいずれかによって、入賞するリプレイが異なるように設定されている。
【0051】
図7に示す役抽選テーブル62Cは、RT2遊技及びRT3遊技で用いられる役抽選テーブル62である。役抽選テーブル62Aと比較すると、特別役及び小役の当選確率は同一であるが、リプレイの当選確率が異なる。役抽選テーブル62Cでは、役抽選テーブル62A及び62Bと異なり、リプレイ1が抽選されず、「リプレイ1+リプレイ2」(リプレイ1とリプレイ2の同時重複当選)が抽選される。さらにその当選確率は、1/1.2と高確率(役抽選テーブル62Bにおけるリプレイ1と同じ当選確率)に設定されている。また、「リプレイ2+リプレイ3」は抽選されない。
【0052】
また、役抽選テーブル62Dは、内部中遊技で用いられる役抽選テーブル62である。1BBに当選し、当該遊技で1BBが入賞しなかったときは、次遊技から内部中遊技となり、役抽選テーブル62Dを用いて役の抽選が行われる。内部中遊技では、特別役である1BBの当選が持ち越されているので、役抽選テーブル62A〜62C異なり、特別役である1BB及び2BBは抽選されない。また、小役3も抽選されない。その他の点は、役抽選テーブル62Aと同一である。
【0053】
図8に示す役抽選テーブル62Eは、1BB遊技で用いられる役抽選テーブル62である。本実施形態の役抽選テーブル62Eでは、小役1及び小役2のみが抽選されるとともに、小役2が高確率(1/1.05)で当選するように設定されている。すなわち、1BB遊技では、ほぼ毎遊技、小役2に当選する。
【0054】
また、役抽選テーブル62Fは、2BB遊技で用いられる役抽選テーブル62である。役抽選テーブル62Fでは、特別役及び小役の抽選は行われない。ただし、後述するが、毎遊技、小役の当選フラグがオンにされ、小役が入賞可能な遊技状態となる。さらにリプレイについては、2BBに当選した遊技状態でのリプレイの当選確率が維持される。すなわち、非RT遊技で2BBに当選して2BB遊技に移行したときは、非RT遊技と同様に、リプレイ1の当選確率が1/7.3に設定され、その他のリプレイについては抽選されない。
【0055】
また、RT1遊技で2BBに当選して2BB遊技に移行したときは、RT1遊技と同様に、リプレイ1の当選確率が1/1.2に設定され、その他のリプレイについては抽選されない。さらにまた、RT2遊技又はRT3遊技で2BBに当選して2BB遊技に移行したときは、RT2遊技及びRT3遊技と同様に、リプレイ1+リプレイ2の当選確率が1/1.2に設定され、その他のリプレイについては抽選されない。
以上のいずれかの役抽選テーブル62A〜62Fを用いて、役抽選手段61は、毎遊技、スタートスイッチ41が操作された時に役の抽選を行う。
【0056】
説明を
図1に戻す。
当選フラグ制御手段63は、役抽選手段61による役の抽選結果及び遊技状態に基づいて、各役に対応する当選フラグ63aのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、当選役に対応するように、1BB、2BB、小役1〜小役3、リプレイ1〜リプレイ3の各当選フラグ63aを備える。そして、役抽選手段61による役の抽選において当選したときは、対応する役の当選フラグ63aをオンにする(当選フラグ63aを立てる)。例えば、リプレイ1に単独当選したときは、リプレイ1に係る当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役の当選フラグ63aはオフのままである。また、例えばリプレイ2+リプレイ3(A〜Cのいずれか)に重複当選したときは、リプレイ2及びリプレイ3の2つの当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役に係る当選フラグ63aはオフのままである。
【0057】
さらにまた、上述したように、2BB、小役及びリプレイの当選は持ち越されないので、当該遊技で2BB、小役又はリプレイに当選し、当該遊技でこれらの役の当選フラグ63aがオンにされても、当該遊技の終了時にその当選フラグ63aがオフにされる。
これに対し、1BBの当選は持ち越されるので、当該遊技で1BBに当選し、当選した1BBに係る当選フラグ63aがオンになったときは、その1BBが入賞するまでオンの状態が維持され、その1BBが入賞した時点でオフにされる。
【0058】
例えば、当該遊技で1BBに当選したときは、1BBの当選フラグ63aがオンにされ、当該遊技で1BBが入賞しなかったときは、1BBに係る当選フラグ63aはオンの状態が維持される。そして、次遊技(内部中の遊技)で、小役2に当選したときは、すでにオンである1BBに係る当選フラグ63aのほか、小役2の当選フラグ63aがオンにされる。そして、当該遊技の終了時に1BBが非入賞のときは、1BBに係る当選フラグ63aのオンの状態が維持されるとともに、小役2の当選フラグ63aはオフにされる。
【0059】
また、2BB遊技中は、リプレイのみの抽選(2BB当選時の遊技状態に応じて、リプレイ1の抽選、又はリプレイ1+リプレイ2の抽選)が行われるが、これらのリプレイに当選したときは、当選したリプレイに係る当選フラグ63aがオンとなる。さらに、2BB遊技中は、小役1及び小役2に係る当選フラグ63aが強制的にオンとなる。すなわち、2BB遊技中は、小役の抽選は行われないが、小役1及び小役2に係る当選フラグ63aがオンにされる。
【0060】
リール制御手段64は、リール31の回転開始命令を受信したとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41が操作されたとき(スタートスイッチ41が操作された旨の信号を受信したとき)に、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。さらに、リール制御手段64は、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
【0061】
例えば、リール制御手段64は、少なくとも1つの当選フラグ63aがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグ63aがオンになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグ63aがオフになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
【0062】
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでのリール31の回転量(移動図柄数)の範囲内を意味し、本実施形態では、後述する2BB遊技中の左リール31を除き、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からの移動図柄数が4図柄以内(ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄を含めて5図柄以内)、いいかえればストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が停止するまでの時間が190ms以内に設定されている。
【0063】
一方、2BB遊技中の左リール31における「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からの移動図柄数が1図柄以内(ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄を含めて2図柄以内)、いいかえればストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が停止するまでの時間が75ms以内に設定されている。
【0064】
これにより、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間の図柄から数えてリール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が有効ラインに停止するように制御されることとなる。
【0065】
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が有効ラインに停止しないときには、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄ができる限り有効ラインに停止させるように制御するものである。
【0066】
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように制御する。
【0067】
さらに、リール制御手段64は、複数の当選フラグ63aがオンである遊技(複数の役が重複当選している遊技)では、いずれか1つの役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように制御し、複数の役に対応する図柄の組合せが同時に有効ラインに停止しないようにリール31を停止制御する。
【0068】
また、リール制御手段64は、押し順検出手段64aを備える。押し順検出手段64aは、遊技者によりストップスイッチ42が操作されたときに、左、中、及び右ストップスイッチ42のうち、いずれが操作されたかを検出するものである。押し順検出手段64aは、毎遊技、一律にストップスイッチ42の押し順を検出してもよいが、特に本実施形態では、リプレイ2+リプレイ3の当選時に、最初に操作されたストップスイッチ42が、左、中又は右のいずれであるかを検出する。
【0069】
ストップスイッチ42が操作されると、そのストップスイッチ42が操作された旨の信号が押し順検出手段64aに入力されるようになっている。この信号を判別することで、押し順検出手段64aは、どのストップスイッチ42が最初に操作されたかを検出する。
【0070】
停止位置決定テーブル65は、当選フラグ63aのオン/オフの状態ごと、すなわち役抽選手段61による役の抽選結果及び遊技状態ごとに対応して設けられており、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。そして、各停止位置決定テーブル65には、例えば0番の図柄(左リール31であれば「RP」)が上段(中段又は下段でも可)を通過する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、何図柄だけ移動制御して、何番の図柄を上段に停止させる、というように停止位置が定められている。
【0071】
停止位置決定テーブル65は、以下のテーブルを備える。
1BBテーブルは、1BB(のみ)の当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中の遊技で1BBに当選したとき、又は1BBの内部中の遊技で役の非当選時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、1BBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、1BBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0072】
2BBテーブルは、2BBの当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、2BBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、2BBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
小役3テーブルについても、上記2BBテーブルと同様であり、上記2BBテーブル中、「2BB」を「小役3」と読み替えたものに相当する。
【0073】
小役1テーブルは、小役1の当選フラグ63aがオンであるとき(2BB遊技中を除く)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役1に対応する図柄の組合せを有効ラインL1及びL4(すなわち、左リール31の「チェリー」の図柄を上段)に停止させるか、又は小役1に対応する図柄の組合せを有効ラインL3及びL5(すなわち、左リール31の「チェリー」の図柄を下段)に停止させるとともに、小役1に対応する図柄の組合せをこれらの有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
これにより、小役1テーブルが用いられて小役1が入賞したときは、2本の有効ラインに小役1に対応する図柄の組合せが停止することとなるので、メダル払出し枚数は4枚となる。
【0074】
小役2テーブルXは、非RT遊技中、RT1遊技中、RT2遊技中、RT3遊技中、及び内部中遊技で小役2に当選して小役2の当選フラグ63aがオンであるとき(2BB遊技中を除く)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役2に対応する図柄の組合せを有効ラインL1又はL3(すなわち、中リール31の「ベル」の図柄を上段又は下段)に停止させるとともに、小役2に対応する図柄の組合せを有効ラインL1又はL3に停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。これにより、小役2テーブルXが用いられて小役2が入賞したときは、有効ラインL1又はL3(1本)にのみ小役2に対応する図柄の組合せが停止することとなるので、メダル払出し枚数は4枚となる。
【0075】
これに対し、小役2テーブルYは、1BB遊技中で小役2に当選して小役2の当選フラグ63aがオンであるとき(2BB遊技中を除く)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役2に対応する図柄の組合せを有効ラインL2、L4及びL5(すなわち、中リール31の「ベル」の図柄を中段)に停止させるとともに、小役2に対応する図柄の組合せを有効ラインL2、L4及びL5に停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。これにより、小役2テーブルYが用いられて小役2が入賞したときは、有効ラインL2、L4及びL5の3本に小役2に対応する図柄の組合せが停止することとなるので、メダル払出し枚数は12枚となる。
【0076】
また、リプレイ1テーブルは、リプレイ1の当選フラグ63aのみがオンであるとき(リプレイ1の単独当選時であって、2BB遊技中を除く)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、リプレイ1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、リプレイ1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0077】
さらにまた、リプレイ1・リプレイ2テーブルは、リプレイ1及びリプレイ2の当選フラグ63aがオンであるとき(リプレイ1及びリプレイ2の重複当選時であって、2BB遊技中を除く)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、まず、リプレイ2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることを優先するとともに、リプレイ2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、次に、リプレイ1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させ、さらにリプレイ1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0078】
リプレイ2・リプレイ3テーブルAは、「(リプレイ2+リプレイ3)A」の当選時(リプレイ2及びリプレイ3の当選フラグ63aがオンであるとき)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、最初に操作されたストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であるときはリプレイ3に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させ、最初に操作されたストップスイッチ42が中又は右ストップスイッチ42であるときはリプレイ2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0079】
また、リプレイ2・リプレイ3テーブルBは、「(リプレイ2+リプレイ3)B」の当選時(リプレイ2及びリプレイ3の当選フラグ63aがオンであるとき)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、最初に操作されたストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であるときはリプレイ3に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させ、最初に操作されたストップスイッチ42が左又は右ストップスイッチ42であるときはリプレイ2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0080】
さらにまた、リプレイ2・リプレイ3テーブルCは、「(リプレイ2+リプレイ3)C」の当選時(リプレイ2及びリプレイ3の当選フラグ63aがオンであるとき)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、最初に操作されたストップスイッチ42が右ストップスイッチ42であるときはリプレイ3に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させ、最初に操作されたストップスイッチ42が左又は中ストップスイッチ42であるときはリプレイ2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0081】
以上より、リプレイ2・リプレイ3テーブルA〜リプレイ2・リプレイ3テーブルCが用いられたときは、1/3の確率でリプレイ3が入賞し、2/3の確率でリプレイ2が入賞する。
図9は、以上のリプレイ2・リプレイ3テーブルA〜リプレイ2・リプレイ3テーブルCと、最初に操作されたストップスイッチ42と、入賞するリプレイとの関係を示す図である。
【0082】
2BB遊技中テーブルAは、2BB遊技においていずれのリプレイにも当選していないとき(小役1及び小役2の当選フラグ63aがオンであるとき)、すなわち2BB遊技中の役の非当選時に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役1又は小役2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。ここで、中ストップスイッチ42が操作される前に左ストップスイッチ42が操作されたときであって、左リール31の停止時に、上段又は下段に「チェリー」の図柄を停止させることができるときは、上段又は下段に「チェリー」の図柄を停止させるように左リール31の停止位置が定められている。そして、この場合には、中リール31の停止時には、いずれの有効ラインにも「ベル」の図柄が停止しないように中リール31の停止位置が定められている。
【0083】
これに対し、左ストップスイッチ42が操作される前に中ストップスイッチ42が操作されたときは、中リール31の停止時に、上段又は下段に「ベル」の図柄を停止させるように中リール31の停止位置が定められている。そして、この場合には、左リール31の停止時には、いずれの有効ラインにも「チェリー」の図柄が停止しないように左リール31の停止位置が定められている。
【0084】
よって、左ストップスイッチ42よりも先に中ストップスイッチ42を操作すれば、中リール31の「ベル」の図柄が上段又は下段に停止して(小役2の入賞となり)、4枚のメダルの払出しとなる。これに対し、中ストップスイッチ42よりも先に左ストップスイッチ42を操作すれば、左リール31の「チェリー」の図柄が上段又は下段に停止して(小役1の入賞となり)、4枚のメダルの払出しとなる。
【0085】
2BB遊技中テーブルBは、2BB遊技においてリプレイ1の当選フラグ63aがオンであるとき(かつ、小役1及び小役2の当選フラグ63aがオンであるとき)、すなわち2BB遊技中にリプレイ1に単独当選したときに用いられる停止位置決定テーブル65であり、各リール31の停止態様は、2BB遊技中テーブルAと同一である。なお、この場合には、小役1、小役2とリプレイ1の当選フラグ63aがオンになっているが、2BB遊技中では、リプレイよりも小役の入賞が優先される。このため、リプレイ1の当選フラグ63aがオンであっても、小役1又は小役2が入賞するように、リール31の停止位置が定められている。
【0086】
さらに、後述するが、本実施形態では、小役1及び小役2の当選フラグ63aがオンであるときは、常に、小役1又は小役2のいずれかが入賞するようにリール31の図柄が配列されている。このため、リプレイ1の当選フラグ63aがオンであっても、リプレイ1に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止することはない。
【0087】
なお、2BB遊技中テーブルAと2BB遊技中テーブルBとで、停止図柄態様の多様化を図るため、停止位置を異なるようにしてもよい。例えば2BB遊技中テーブルAが用いられた場合において小役2を入賞させるときは、中リール31の上段に「ベル」の図柄を停止させ、2BB遊技中テーブルBが用いられた場合において小役2を入賞させるときは、中リール31の下段に「ベル」の図柄を停止させることが挙げられる。
【0088】
2BB遊技中テーブルCは、2BB遊技においてリプレイ1及びリプレイ2の当選フラグ63aがオンであるとき(かつ、小役1及び小役2の当選フラグ63aがオンであるとき)、すなわち2BB遊技中にリプレイ1及びリプレイ2に重複当選したときに用いられる停止位置決定テーブル65であり、リール31の停止制御の範囲内において、小役1又は小役2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。ここで、中ストップスイッチ42が操作される前に左ストップスイッチ42が操作されたときであって、左リール31の停止時に、上段又は下段に「チェリー」の図柄を停止させることができるときは、上段又は下段に「チェリー」の図柄を停止させるように左リール31の停止位置が定められている。そして、この場合には、中リール31の停止時には、いずれの有効ラインにも「ベル」の図柄が停止しないように中リール31の停止位置が定められている。
【0089】
これに対し、左ストップスイッチ42が操作される前に中ストップスイッチ42が操作されたときは、中リール31の停止時に、中段に「ベル」の図柄を停止させるように中リール31の停止位置が定められている。そして、この場合には、左リール31の停止時には、いずれの有効ラインにも「チェリー」の図柄が停止しないように左リール31の停止位置が定められている。よって、左ストップスイッチ42よりも中ストップスイッチ42を先に操作すれば、中リール31の「ベル」の図柄が中段に停止して、12枚のメダルの払出しとなる。これに対し、中ストップスイッチ42よりも左ストップスイッチ42を先に操作してしまうと、小役1が入賞して4枚の払出しとなる。
【0090】
以上より、2BB遊技中テーブルA又はBが用いられたときと、2BB遊技中テーブルCが用いられたときとで、最初に中ストップスイッチ42が操作されたときは、小役2入賞時の停止出目及び払出し枚数が異なるようになる。
【0091】
なお、2BB遊技中に、小役及びリプレイの双方の当選フラグ63aがオンになった場合において、小役又はリプレイのいずれを優先するかは、種々設定できる。ここで、リプレイの入賞時の払出し枚数を3枚と仮定する(実際には当該遊技でのメダルが自動投入される)。また、本実施形態では、小役1の入賞時の払出し枚数を4枚、小役2の入賞時の払出し枚数を4枚又は12枚に設定している。このように、小役の払出し枚数がリプレイの払出し枚数よりも多い場合には、小役の入賞をリプレイよりも優先した方が遊技者にとって有利となる。このため、本実施形態では、リプレイの入賞よりも小役の入賞を優先するように制御している。
【0092】
さらにまた、非当選テーブルは、すべての当選フラグ63aがオフであるとき(すなわち、通常遊技又は1BB遊技における役の非当選時)に用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0093】
次に、リール31の図柄配列と停止制御との関係について説明する。
図2に示すように、各リール31において、「RP」及び「ベル」の図柄は、それぞれ、5図柄以内の間隔で配置されている。これにより、リール31がどの瞬間に位置するときにストップスイッチ42が操作されても、リール制御手段64は、常に、各リール31について、任意の位置に「RP」や「ベル」の図柄を停止させることができる。
【0094】
また、中リール31において、「チェリー」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されている。これにより、中リール31がどの瞬間に位置するときに中ストップスイッチ42が操作されても、リール制御手段64は、常に、中リール31について、任意の位置に「チェリー」の図柄を停止させることができる。
【0095】
以上より、2BBテーブルが用いられたときは、常に、2BBに対応する図柄の組合せ(「ベル」−「チェリー」−「ベル」)を有効ラインに停止させることができる。
また、小役3テーブルが用いられたときは、常に、小役3に対応する図柄の組合せ(「ベル」−「RP」−「ベル」)を有効ラインに停止させることができる。
【0096】
さらにまた、小役2テーブルXが用いられたときは、常に、小役2に対応する図柄の組合せを有効ラインL1又はL3(すなわち、中リール31の「ベル」の図柄を上段又は下段)に停止させることができる。
さらに、小役2テーブルYが用いられたときは、常に、小役2に対応する図柄の組合せを有効ラインL2、L4及びL5(すなわち、中リール31の「ベル」の図柄を中段)に停止させることができる。
【0097】
また、リプレイ1テーブルが用いられたときは、常に、リプレイ1に対応する図柄の組合せ(「RP」−「RP」−「RP」)を有効ラインに停止させることができる。
さらにまた、リプレイ1・リプレイ2テーブルが用いられたときは、常に、優先するリプレイ2に対応する図柄の組合せ(「ベル」−「RP」−「RP」)を有効ラインに停止させることができる。
【0098】
さらに、リプレイ2・リプレイ3テーブルAが用いられた場合において、最初に操作されたストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であるときは、常に、リプレイ3に対応する図柄の組合せ(「RP」−「RP」−「ベル」)を有効ラインに停止させ、最初に操作されたストップスイッチ42が中又は右ストップスイッチ42であるときは、常に、リプレイ2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。
【0099】
同様に、リプレイ2・リプレイ3テーブルBが用いられた場合において、最初に操作されたストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であるときは、常に、リプレイ3に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させ、最初に操作されたストップスイッチ42が左又は右ストップスイッチ42であるときは、常に、リプレイ2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。
【0100】
さらに同様に、リプレイ2・リプレイ3テーブルCが用いられた場合において、最初に操作されたストップスイッチ42が右ストップスイッチ42であるときは、常に、リプレイ3に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させ、最初に操作されたストップスイッチ42が左又は中ストップスイッチ42であるときは、常に、リプレイ2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。
【0101】
また、2BB遊技中テーブルAが用いられたときは、常に、小役1又は小役2に対応する図柄の組合せをそれぞれ所定の有効ラインに停止させることができる。
さらにまた、2BB遊技中テーブルBが用いられたときは、常に、小役1又は小役2に対応する図柄の組合せをそれぞれ所定の有効ラインに停止させることができる。よって、リプレイ1が入賞する場合はない。
さらに、2BB遊技中テーブルCが用いられたときは、常に、小役1又は小役2に対応する図柄の組合せをそれぞれ所定の有効ラインに停止させることができる。よって、リプレイ1やリプレイ2が入賞する場合はない。
【0102】
一方、「赤7」の図柄については、間隔が5図柄を超えて配置されている。これにより、1BBの当選フラグ63aがオンであっても、「赤7」の図柄が有効ラインに停止するタイミングでストップスイッチ42が操作されなければ、1BBに対応する図柄の組合せは有効ラインに停止しない。
同様に、左リール31の「チェリー」の図柄については、間隔が5図柄を超えて配置されている。これにより、小役1の当選フラグ63aがオンであっても、「チェリー」の図柄が有効ラインに停止するタイミングで左ストップスイッチ42が操作されなければ、小役1に対応する図柄の組合せは有効ラインに停止しない。
【0103】
説明を
図1に戻す。
停止図柄判断手段66は、リール31の停止時に、有効ラインに停止したリール31の図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判断するものである。停止図柄判断手段66は、例えばモータ32の停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
ただし、停止図柄判断手段66は、ストップスイッチ42が操作され、停止位置決定テーブル65を用いて停止位置が決定された時に、そのリール31が停止したか否かにかかわらず、停止図柄を判断することが可能である。
【0104】
払出し手段67は、停止図柄判断手段66により、リール31の停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せがいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致すると判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。
【0105】
また、払出し手段67は、複数の有効ラインに、役に対応する図柄の組合せが停止したときは、「その役に対応する払出し枚数×停止した有効ライン数」に相当するメダルの払い出しを行う。
例えば、小役1に対応する図柄の組合せは、「チェリー」−「any」−「any」であるが、左リール31の停止時に中段に「チェリー」の図柄が停止したときは(本実施形態ではそのような場合は設けられていないが)、有効ラインL2にのみ小役1に対応する図柄の組合せが停止したこととなる。したがって、この場合の払出し枚数は、2枚となる。
【0106】
これに対し、左リール31の停止時に上段又は下段に「チェリー」の図柄が停止したときは、有効ラインL1及びL4、又はL3及びL5に小役1に対応する図柄の組合せが停止したこととなる。したがって、この場合の払出し枚数は、2枚×2(有効ライン数)=4枚となる。
【0107】
また、小役2の当選時に、中リール31の停止時に上段又は下段に「ベル」の図柄が停止したときは、それぞれ有効ラインL1又はL3に小役2に対応する図柄の組合せが停止したこととなる。したがって、この場合の払出し枚数は、4枚×1(有効ライン数)=4枚となる。
これに対し、小役2の当選時に、中リール31の停止時に中段に「ベル」の図柄が停止したときは、有効ラインL2、L4及びL5に小役2に対応する図柄の組合せが停止したこととなる。したがって、この場合の払出し枚数は、4枚×3(有効ライン数)=12枚となる。
【0108】
図1において、特別遊技制御手段68は、特別遊技の開始、特別遊技中の遊技の進行、及び特別遊技の終了を制御するものである。
通常遊技中に、1BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、1BBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技から1BB遊技を開始するように制御する。
1BB遊技では、上述した役抽選テーブル62Eを用いて役の抽選が行われる。これにより、1BB遊技中は、ほぼ毎毎遊技、小役2が当選するとともに、12枚のメダルの払出しを受けることができる。
【0109】
また、本実施形態では、1BB遊技の終了条件として、メダルの払出し枚数が365枚以上になったことに設定されている。
このため、特別遊技制御手段68は、1BB遊技中に払い出されたメダル枚数をカウントし、カウント値が「365」以上となったと判断したときは、当該遊技をもって1BB遊技を終了するように制御する。
【0110】
また、通常遊技中に、2BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、2BBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技から2BB遊技を開始するように制御する。
さらにまた、本実施形態では、2BB遊技の終了条件として、メダルの払出し枚数が210枚以上になったことに設定されている。
このため、特別遊技制御手段68は、2BB遊技中に払い出されたメダル枚数をカウントし、カウント値が「210」以上となったと判断したときは、当該遊技をもって2BB遊技を終了するように制御する。
【0111】
遊技状態制御手段69は、本実施形態の遊技状態である通常遊技(非RT遊技、RT1遊技、RT2遊技、RT3遊技(以上は、すべて非内部中遊技)、内部中遊技)、1BB遊技、2BB遊技間の移行を制御するものである。
上述したように、本実施形態の遊技状態としては、通常遊技と特別遊技とを備え、通常遊技には、非RT遊技、RT1遊技、RT2遊技、RT3遊技、及び非内部中遊技を備える。また、特別遊技には、1BB遊技及び2BB遊技を備える。
【0112】
ここで、「RT(Replay Time )遊技」とは、通常遊技時よりも、リプレイの当選確率を高く設定することで、出玉率を通常遊技時よりも高くした遊技をいう。なお、RT遊技とは、広義には非RT遊技とリプレイの当選確率が異なる遊技を指し、狭義には非RT遊技よりもリプレイの当選確率が高い遊技を指すが、本実施形態では後者を指す。また、後者には、遊技の進行に伴ってメダル所有枚数が徐々に増加する遊技状態、メダル所有枚数が遊技の進行によってもほぼ現状維持される遊技状態、又は遊技の進行によってもメダル所有枚数がほとんど減らない遊技状態のいずれも含まれるが、本実施形態のRT遊技(RT1遊技〜RT3遊技)は、遊技の進行に伴ってメダル所有枚数が徐々に(わずかに)増加する遊技状態である。
【0113】
図10は、遊技状態の移行を説明する図である。本実施形態では、非RT遊技及びRT1遊技を、遊技者にとって有利でない遊技状態に設定し、RT2遊技及びRT3遊技を、遊技者にとって有利な遊技状態に設定している。詳細は後述するが、非RT遊技及びRT1遊技中に2BBに当選して2BB遊技に移行したときは、その2BB遊技でのメダル獲得枚数は多くない。これに対し、RT2遊技及びRT3遊技中に2BBに当選して2BB遊技に移行したときは、その2BB遊技でのメダル獲得枚数が多くなる。
【0114】
図10において、まず、スロットマシン10の電源が投入されると、初期状態としての遊技状態として、遊技状態制御手段69は、遊技状態を非RT遊技に設定する。
非RT遊技、RT1遊技、RT2遊技、RT3遊技のいずれにおいても1BBの抽選が行われ(
図6及び
図7参照)、これらのいずれかの遊技において1BBに当選し、当該遊技で当選した1BBが入賞したときは、(内部中遊技を経ずに)1BB遊技に移行する。また、上記いずれかの遊技において1BBに当選したが、当該遊技で当選した1BBが入賞しなかったときは、遊技状態制御手段69は、次遊技から遊技状態を内部中遊技に移行する。この内部中遊技で、当選した1BBが入賞すると、次遊技から1BB遊技に移行する。
1BB遊技の終了後は、遊技状態制御手段69は、遊技状態をRT3遊技に移行するように制御する。
【0115】
RT3遊技では、所定ゲーム数(本実施形態では50ゲーム)を消化するか、小役3が入賞するか、又は1BBに当選するまで継続される。1BBに当選せず、かつ小役3が入賞しない状態で所定ゲーム数を消化したときは、次遊技から、遊技状態制御手段69は、非RT遊技に移行するように制御する。これに対し、RT3遊技において、所定ゲーム数を消化する前であって1BBに当選する前に小役3が入賞したときは、遊技状態制御手段69は、次遊技からRT1遊技に移行するように制御する。
また、RT3遊技において、所定ゲーム数を消化する前、かつ小役3が入賞する前に1BBに当選したときは、上記のように、入賞時は1BB遊技に移行し、当該遊技で当選した1BBが入賞しなかったときは内部中遊技に移行するように制御する。
【0116】
また、RT3遊技では、2BBの抽選が行われる(
図7参照)。そして、2BBに当選したときは、上述したように当選時の遊技で2BBが入賞する。次いで、遊技状態制御手段69は、次遊技から、RT3遊技を維持して2BB遊技を実行するように制御する。なお、2BB遊技中は、メダル払出し枚数が210枚以上となった時点で終了し、再度、RT3遊技に戻る。
RT3遊技から2BB遊技に移行したときは、「リプレイ1+リプレイ2」の当選確率が1/1.2を維持して役の抽選が行われる。なお、上述したように、2BB遊技では小役の抽選は行われないが、「リプレイ1+リプレイ2」の当選の有無にかかわらず、小役1又は小役2が入賞可能となる。
【0117】
この2BB遊技において、「リプレイ1+リプレイ2」の非当選時(役の非当選時)には、上述した2BB遊技中テーブルAが用いられる。このため、当該遊技では、4枚のメダルの払出しを受けることができる。
これに対し、「リプレイ1+リプレイ2」の当選時には、上述した2BB遊技中テーブルCが用いられる。したがって、左ストップスイッチ42よりも先に中ストップスイッチ42を操作することを条件として、当該遊技では、12枚のメダルの払出しを受けることができる。
【0118】
RT3遊技では、「リプレイ1+リプレイ2」の当選確率が1/1.2であるので、「リプレイ1+リプレイ2」の非当選確率は、0.2/1.2である。よって、RT3遊技から移行した2BB遊技における1遊技での払出し枚数の期待値は、
12(枚)×1/1.2+4(枚)×0.2/1.2
≒10.67(枚)
となる。
また、1遊技あたりの差枚数(メダルの払出し枚数から投入枚数を引いた枚数)の期待値は、
10.67−3=7.67(枚)
となる。
【0119】
よって、払出し枚数の合計値が210枚に到達するまでは、(210/10.67≒19.68であるので、)20遊技行うことができる。
したがって、RT3遊技から2BB遊技に移行したときに、その2BB遊技でのメダル獲得枚数(差枚数)の期待値は、
7.67×20=153.4(枚)
となる。
【0120】
また、RT3遊技で小役3が入賞すると、RT1遊技に移行する。RT1遊技は、1BBに当選するまで、リプレイ2が入賞するまで、又はリプレイ3が入賞するまで継続される。RT1遊技で1BBに当選すると、内部中遊技又は1BB遊技に移行する。また、RT1遊技では、上述したように、「リプレイ2+リプレイ3」の抽選が行われ、「リプレイ2+リプレイ3」の当選時には、1/3の確率でリプレイ3が入賞し、2/3の確率でリプレイ2が入賞する。そして、リプレイ3の入賞時はRT2遊技に移行し、リプレイ2の入賞時は非RT遊技に移行する。なお、遊技者は、「リプレイ2+リプレイ3」A〜Cのいずれに当選したかはわからないため、最初にどのストップスイッチ42を操作すればRT3遊技(遊技者にとって有利な遊技状態)に移行できるかはわからない。よって、「リプレイ2+リプレイ3」の当選時に、リプレイ3が入賞してRT3遊技に移行できるか否かは運次第となる。
【0121】
また、RT1遊技でも、2BBの抽選が行われるとともに、RT1遊技で2BBに当選し、2BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、次遊技から、2BB遊技が実行される。この2BB遊技では、RT1遊技でのリプレイの当選確率を維持した遊技が行われる。すなわち、リプレイ1の当選確率が1/1.2である。
この2BB遊技では、リプレイ1の非当選時は2BB遊技中テーブルAが用いられ、リプレイ1の当選時は2BB遊技中テーブルBが用いられる。いずれの停止位置決定テーブル65が用いられても、小役1又は小役2が入賞し、かつ払出し枚数は、4枚となる。
【0122】
したがって、RT1遊技から移行した2BB遊技における1遊技での払出し枚数の期待値は、4枚となる。
また、1遊技あたりの差枚数の期待値は、
4−3=1(枚)
となる。
よって、差枚数が「+」、すなわちメダルの払出し枚数が投入枚数を上回っているため、上記2BB遊技においても、遊技の進行に伴ってメダルが徐々に増加していくこととなる。
【0123】
よって、払出し枚数の合計値が210枚に到達するまでは、(210/4≒52.5であるので、)53遊技行うことができる。
したがって、RT1遊技から2BB遊技に移行したときに、その2BB遊技でのメダル獲得枚数(差枚数)の期待値は、
1×53=53(枚)
となる。
【0124】
以上より、RT3遊技から移行した2BB遊技でのメダル獲得枚数の期待値と、RT1遊技から移行した2BB遊技でのメダル獲得枚数の期待値とでは、約3倍の差がつくようになる。
【0125】
一方、非RT遊技は、1BBに当選するまで、又は小役3が入賞するまで継続される。非RT遊技で1BBに当選すると、内部中遊技又は1BB遊技に移行する。また、小役3が入賞したときは、RT1遊技に移行する。
【0126】
さらに、非RT遊技でも、2BBの抽選が行われるとともに、非RT遊技で2BBに当選し、2BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、次遊技から、2BB遊技が実行される。この2BB遊技では、非RT遊技でのリプレイの当選確率を維持した遊技が行われる。すなわち、リプレイ1の当選確率が1/7.3である。
【0127】
この2BB遊技では、リプレイ1の非当選時は2BB遊技中テーブルAが用いられ、リプレイ1の当選時は2BB遊技中テーブルBが用いられる。いずれの停止位置決定テーブル65が用いられても、小役1又は小役2が入賞し、かつ払出し枚数は、4枚となる。
よって、この2BB遊技中におけるメダル獲得枚数の期待値は、RT1遊技から移行した2BB遊技でのメダル獲得枚数の期待値と同一となる。
【0128】
また、非RT遊技中等で1BBに当選し、当該遊技で1BBが入賞しなかったときは、次遊技から内部中遊技に移行する。この内部中遊技では、
図7に示すように2BBの抽選は行われないので、内部中遊技から2BB遊技に移行することはない。1BBが入賞するまで内部中遊技が継続される。
【0129】
さらにまた、RT2遊技は、1BBに当選するまで、又は小役3が入賞するまで継続される。RT2遊技で1BBに当選すると、内部中遊技又は1BB遊技に移行する。また、小役3が入賞したときは、RT1遊技に移行する。
【0130】
また、RT2遊技においても、2BBの抽選が行われる。そして、2BBに当選し、2BBが入賞すると、遊技状態制御手段69は、次遊技から、RT2遊技でのリプレイの当選確率を維持して2BB遊技を実行するように制御する。2BB遊技中は、メダル払出し枚数が210枚以上となった時点で終了し、再度、RT2遊技に戻る。
【0131】
RT2遊技から移行した2BB遊技は、上述したRT3遊技から移行した2BB遊技と同一の役当選確率で遊技が行われる。したがって、この2BB遊技でのメダル獲得枚数の期待値は、RT3遊技から移行した2BB遊技と同一である。
【0132】
以上より、RT2遊技又はRT3遊技から2BB遊技に移行したときは、メダル獲得枚数が多く、非RT遊技又はRT1遊技から2BB遊技に移行したときは、メダル獲得枚数が少ない。これにより、同じ2BB遊技であっても、2BB当選時の遊技状態によって、出玉に差を設けることができ、出玉に適切な波を与えることができる。
また、
図10に示すように、RT3遊技は、1BB遊技の終了後しか滞在する機会はない。さらにまた、RT2遊技に移行するためには、必ずRT1遊技を経由しなければならない。
【0133】
以上のようにして、どの遊技の滞在中に2BBに当選したかで、メダル払出し枚数は同一であるが、メダル獲得枚数(差枚数)が異なるようになる。特に、本実施形態のように2BBの当選確率を比較的高く設定した場合には、それだけ2BB遊技が実行されやすくなるので、遊技者間のメダル獲得枚数に差がつきにくくなる。しかし、本実施形態のように設定することで、同じ2BB遊技でも、メダル獲得枚数に差が付くように設定することができる。
【0134】
なお、2BB遊技は、遊技者にとって利益を付与する(有利な)遊技であるから、一部のリール31(本実施形態では左リール31)の最大移動図柄数を少なくしたとしても、遊技者のストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず、自動的にオンにされる小役の当選フラグ63aのいずれか(しかも、リプレイよりも利益が高い)を入賞させるように制御している。すなわち、2BB遊技では、リプレイ当選時であっても、リプレイよりも有利な(メダル払出し枚数が多い)小役の入賞を優先させるように制御している。
【0135】
ここで、本実施形態では、例えば通常遊技中(非RT遊技、RT1遊技〜RT3遊技等)のような、2BB遊技以外の遊技では、小役及びリプレイの各当選フラグ63aが当該遊技で同時にオンになることはない(小役及びリプレイが同時重複当選しない)ように設定している。仮に、このような遊技で小役及びリプレイが重複当選する(双方の当選フラグ63aがオンになる)ように設定した場合には、常に、リプレイを優先して入賞させるように制御する。
【0136】
図1において、演出制御手段70は、上述したランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力を制御するものである。
演出制御手段70は、遊技ごとに、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、演出パターンを選択する。特に本実施形態では、複数種類の演出パターンが予め設けられている。そして、演出制御手段70は、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選が行われた後、ソフトウェア乱数を用いた抽選によっていずれか1つの演出パターンを選択する。
【0137】
また、演出パターンは、当選役に応じて、それぞれ複数種類が設けられている。例えば、特別役当選時、小役当選時、リプレイ当選時、非当選時等ごとに、それぞれ複数種類の演出パターンが設けられている。
演出パターンは、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
そして、演出制御手段70は、選択した演出パターンに従い、所定のタイミングで演出出力機器から演出を出力するように制御する。
【0138】
<第2実施形態>
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。
図11は、第2実施形態における各リール31の図柄配列を示す図である。第2実施形態では、第1実施形態(
図2)と図柄配列が異なっている。特に、左リール31では、「チェリー」の図柄は0番のみに配置されている。さらに、この「チェリー」の図柄の下2つ(19番及び20番)が2連「赤7」図柄となっている。また、「赤7」の図柄は、19番及び20番のみに配置されている。
さらにまた、中リール31では、「赤7」の図柄は、20番のみに配置されている。
さらに、右リール31では、「赤7」の図柄は、15番及び16番(2連「赤7」)に配置されている。
【0139】
図12は、第2実施形態における役の構成及び図柄の組合せを示す図である。第2実施形態では、小役2の図柄の組合せは、「ベル」−「ベル」−「ベル」に設定されている。さらにまた、リプレイは、第1実施形態と同様に、リプレイ1〜リプレイ3の3種類を備える。
【0140】
図13は、第2実施形態における役抽選テーブル62(62G〜62K)を示す図である。
役抽選テーブル62Gは、非RT遊技で用いられる役抽選テーブル62であり、リプレイとしてリプレイ1のみが抽選され、その当選確率は1/7.3である。また、第2実施形態では、RT遊技として、1つのRT遊技のみが設けられており、このRT遊技では、役抽選テーブル62Hを用いて役の抽選が行われる。
【0141】
役抽選テーブル62Hにおいて、抽選されるリプレイは、リプレイ1〜リプレイ3の3つを備え、いずれも、1/1.2×1/3(リプレイの合算した当選確率が1/1.2)に設定されている。
また、役抽選テーブル62Iは、内部中遊技で用いられる役抽選テーブル62であり、役抽選テーブル62Gと比較すると、特別役の抽選が行われない点で異なる。
さらにまた、役抽選テーブル62Jは、1BB遊技で用いられる役抽選テーブル62であり、小役1及び小役2のみが抽選され、特に小役2の当選確率が高く設定されている。
【0142】
さらに、役抽選テーブル62Kは、2BB遊技で用いられる役抽選テーブル62である。第2実施形態では、第1実施形態と同様に、2BB遊技中は、小役の抽選は行われないが、小役1及び小役2の当選フラグ63aがオンとなり、小役1及び小役2が入賞可能な停止位置決定テーブル65が用いられる。
【0143】
また、非RT遊技で2BBに当選し、2BB遊技に移行したときは、非RT遊技におけるリプレイの当選確率が維持される。すなわち、リプレイ1の当選確率が1/7.3に設定される。これに対し、RT遊技で2BBに当選し、2BB遊技に移行したときは、RT遊技におけるリプレイの当選確率が維持される。すなわち、リプレイ1〜リプレイ3の各当選確率が、1/1.2×1/3に設定される。
【0144】
図14は、第2実施形態における有効ラインを示す図である。第2実施形態では、通常遊技(非RT遊技、RT遊技、内部中遊技)及び1BB遊技は、いずれも、第1実施形態と同様に、有効ラインは、5本(有効ラインL1〜L5)である(
図3参照)。
これに対し、2BB遊技では、
図14(A)に示すように、有効ラインは、有効ラインL1の1本に設定される。
【0145】
ここで、第2実施形態では、2BB遊技中に用いられる停止位置決定テーブル65として、2BB遊技中テーブルD、E、F及びGを備える。
まず、2BB遊技中テーブルDは、2BB遊技においていずれのリプレイにも当選していないとき(小役1及び小役2の当選フラグ63aがオンであるとき)、すなわち2BB遊技中の役の非当選時に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役1又は小役2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。特に、左ストップスイッチ42が操作されたときは、左リール31の「チェリー」の図柄を有効ラインL1に停止させるように、左リール31の停止位置が定められている。
【0146】
図14(A)は、2BB遊技中テーブルDが用いられたときの停止態様を示す図である。第2実施形態では、
図12に示すように、小役1の払出し枚数が3枚、小役2の払出し枚数が4枚に設定されている。このため、遊技者は、2BB遊技中は、小役1を入賞させるように(左)ストップスイッチ42を操作する。
また、第2実施形態では、
図11に示すように、左リール31において「チェリー」の図柄は、0番のみに配置されている。したがって、遊技者は、0番の「チェリー」の図柄が有効ラインL1に停止するように左ストップスイッチ42を操作する。
【0147】
リール制御手段64は、第1実施形態と同様に、2BB遊技中は、左リール31については1図柄以内、中及び右リール31については4図柄以内でリール31を停止制御する。
0番の「チェリー」の図柄が有効ラインL1に停止するタイミングで左ストップスイッチ42が操作されると、
図14(A)に示すように、表示窓11内には、上段に「チェリー」の図柄、中段に「赤7」の図柄、下段に「赤7」の図柄が停止する。この結果、有効ラインL1に「チェリー」の図柄が停止して、6枚のメダルが払い出される。
【0148】
また、
図14(A)〜(D)では、中リール31について、20番の「赤7」の図柄が有効ラインL1(上段)を通過する直前に中ストップスイッチ42が操作されたときの停止位置を示している。
図14(A)の場合、すなわち2BB遊技中テーブルDが用いられたときは、上記タイミングで中ストップスイッチ42が操作されると、3図柄だけ移動制御されて停止する。この結果、表示窓11には、上段に2番の「ベル」の図柄、中段に1番の「スイカ」の図柄、下段に0番の「RP」の図柄が停止する。
【0149】
また、
図14(A)〜(D)では、右リール31について、15番の「赤7」の図柄が有効ラインL1を通過する直前に右ストップスイッチ42が操作されたときの停止位置を示している。
図14(A)に示すように、2BB遊技中テーブルDが用いられたときは、上記タイミングで右ストップスイッチ42が操作されると、4図柄だけ移動制御されて停止する。この結果、表示窓11には、上段に19番の「ベル」の図柄、中段に18番の「スイカ」の図柄、下段に17番の「RP」の図柄が停止する。
【0150】
さらにまた、
図14(B)は、2BB遊技中テーブルEが用いられたときの停止態様を示す図である。2BB遊技中テーブルEは、2BB遊技においてリプレイ1に当選したときに用いられ、左リール31については、上記2BB遊技中テーブルDと同様に停止制御される。これに対し、中リール31及び右リール31については、2BB遊技中テーブルDと停止制御が異なる。
【0151】
2BB遊技中テーブルEでは、
図11中、中リール31の20番の「赤7」の図柄が有効ラインL1(上段)を通過する直前に中ストップスイッチ42が操作されると、1図柄だけ移動制御されて停止する。この結果、表示窓11には、上段に0番の「RP」の図柄、中段に20番の「赤7」の図柄、下段に19番の「ベル」の図柄が停止し、
図14(B)に示す停止態様となる。
【0152】
また、2BB遊技中テーブルEでは、右リール31の15番の「赤7」の図柄が有効ラインL1を通過する直前に右ストップスイッチ42が操作されると、3図柄だけ移動制御されて停止する。この結果、表示窓11には、上段に18番の「スイカ」の図柄、中段に17番の「RP」の図柄、下段に16番の「赤7」の図柄が停止し、
図14(B)に示す停止態様となる。
【0153】
さらに、
図14(C)は、2BB遊技中テーブルFが用いられたときの停止態様を示す図である。2BB遊技中テーブルFは、2BB遊技においてリプレイ2に当選したときに用いられ、左リール31については、上記2BB遊技中テーブルDと同様に停止制御される。
さらに2BB遊技中テーブルFでは、
図11中、中リール31の20番の「赤7」の図柄が有効ラインL1を通過する直前に中ストップスイッチ42が操作されると、1図柄だけ移動制御されて停止する。この結果、中リール31の停止態様は、2BB遊技中テーブルE(
図14(B))と同様となる。
【0154】
さらにまた、2BB遊技中テーブルFでは、右リール31の15番の「赤7」の図柄が有効ラインL1を通過する直前に右ストップスイッチ42が操作されると、その瞬間に右リール31が停止する(移動図柄数が0で停止する)この結果、表示窓11には、上段に15番の「赤7」の図柄、中段に14番の「ベル」の図柄、下段に13番の「スイカ」の図柄が停止し、
図14(C)に示す停止態様となる。
この場合、2BB遊技では有効ラインではない図柄組合せラインL11に、「赤7」−「赤7」−「赤7」(1BBと同じ図柄の組合せ)が停止する。
【0155】
さらに、
図14(D)は、2BB遊技中テーブルGが用いられたときの停止態様を示す図である。2BB遊技中テーブルGは、2BB遊技においてリプレイ3に当選したときに用いられ、左リール31については、上記2BB遊技中テーブルDと同様に停止制御される。
また、2BB遊技中テーブルGでは、
図11中、中リール31の20番の「赤7」の図柄が有効ラインL1を通過する直前に中ストップスイッチ42が操作されると、1図柄だけ移動制御されて停止する。この結果、中リール31の停止態様は、2BB遊技中テーブルE及びF(
図14(B)及び(C))と同様となる。
【0156】
さらにまた、2BB遊技中テーブルGでは、右リール31の15番の「赤7」の図柄が有効ラインL1を通過する直前に右ストップスイッチ42が操作されると、1図柄だけ移動制御されて右リール31が停止する。この結果、表示窓11には、上段に16番の「赤7」の図柄、中段に15番の「赤7」の図柄、下段に14番の「ベル」の図柄が停止し、
図14(D)に示す停止態様となる。
この場合、2BB遊技では有効ラインではない図柄組合せラインL11及びL12に、「赤7」−「赤7」−「赤7」(1BBと同じ図柄の組合せ)が停止する。
【0157】
以上のように、第2実施形態では、2BB遊技中は、リプレイの当選の有無及びどのリプレイに当選したかで、表示窓11内に表れる図柄の停止態様が異なるようになる。ただし、いずれも、小役1が入賞する。このようにすることで、2BB遊技中に、毎遊技、小役1が入賞する遊技が継続しても、停止出目の多様化を図ることができる。
【0158】
なお、第2実施形態において、非RT遊技とRT遊技との間の移行は、種々のパターンが挙げられる。例えば、1BB遊技の終了後、所定ゲーム回数(例えば150ゲーム)はRT遊技に滞在し、所定ゲーム回数を消化したときは、非RT遊技に移行することが挙げられる。また、非RT遊技中に特定の小役の抽選を行い、この小役に当選したときはRT遊技に移行し、所定ゲーム回数(例えば100ゲーム)を消化した後、再度、非RT遊技に戻るようにすることが挙げられる。
【0159】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、以下のような種々の変形が可能である。
(1)第1実施形態では、小役2は、1本の有効ライン又は3本の有効ラインに停止するようにした。しかし、これに限らず、小役2に対応する図柄の組合せ及び停止可能な有効ライン数は、種々設定することができる。
【0160】
例えば小役2に対応する図柄の組合せを「any」−「any」−「ベル」とし、有効ラインL21を「上段(左リール31)」−「上段(中リール31)」−「中段(右リール31)」とし、有効ラインL22を「中段」−「中段」−「中段」とし、有効ラインL23を「下段」−「下段」−「下段」とする。そして、右リール31の停止時に中段に「ベル」の図柄を停止させれば2本の有効ラインに停止させることができ、右リール31の停止時に下段に「ベル」の図柄を停止させれば1本の有効ラインに停止させることができる。
【0161】
(2)2BB遊技中のリール31の停止制御として、本実施形態では、左リール31のみを1図柄以内の移動制御としたが、これに限らず、中リール31や右リール31の停止制御を1図柄以内の移動制御としてもよい。
(3)RT遊技中には、何種類のリプレイの抽選を行ってもよい。また、どのリプレイを単独当選させ、どのリプレイを重複当選させるかについても任意である。また、RT遊技中のリプレイの当選確率は、実施形態で示したものに限定されることなく、種々設定することができる。リプレイの当選確率を高くするほど、RT遊技中の出玉率を高く設定することができる。
【0162】
(4)第2実施形態では、2BB遊技中における左リール31の停止位置を同一としたが、これに限らず、リプレイの当選状態に応じて異なるようにしてもよい。また、第2実施形態において、いずれかの無効ラインに「赤7」−「赤7」−「赤7」等が停止したときは、遊技者にとって有利となる遊技状態に移行する等、遊技者に特典を与えるようにしてもよい。
【0163】
(5)第1実施形態及び第2実施形態では、RT遊技のみを設けたが、これに限らず、少なくとも1つのRT遊技(例えば第1実施形態ではRT2遊技)に対し、AT(Assist Time )遊技を付加したART遊技を設けてもよい。この場合、特定役が入賞したときにRT遊技を終了するように設定する。そして、ART遊技では、特定役の当選時に、この特定役を入賞させないための情報(当選した図柄の情報等)を報知する。
【0164】
(6)第1実施形態において、RT1遊技、RT2遊技及びRT3遊技は、その遊技状態において遊技状態移行役として位置づけられている小役3及び「リプレイ2+リプレイ3」を除くと、役の当選確率は同一である。したがって、RT1遊技、RT2遊技、及びRT3遊技の2BB遊技を除く出玉率は、同一である。しかし、これに限らず、RT1遊技、RT2遊技、及びRT3遊技のそれぞれにおけるリプレイの当選確率を異ならせることにより、これらのRT遊技での出玉率が異なるように設定してもよい。
【0165】
(7)第2実施形態において、スロットマシン10の出玉率を定める設定値に応じて、リプレイ3の当選確率を変えることも可能である。例えば設定値が高いほど、リプレイ3の当選確率を高く設定する。これにより、
図14(D)の停止出目の出現率が高いほど、遊技者は、高設定であることを期待できるようになる。すなわち、停止出目に設定判別要素を持たせることができる。
【0166】
(8)本実施形態では、2BB当選時の入賞率(2BBに係る図柄の有効ラインへの引込み率)は、100%とした。したがって、2BB当選時の遊技で必ず2BBが入賞するようにした。しかし、これに限らず、2BBに係る図柄の引込み率を100%に設定しないようにすることも可能である。この場合、2BBの内部中遊技が生じるが、2BBの当選の持越しによっても遊技状態は移行しないように制御する。例えばRT1遊技で2BBに当選し、2BBの当選が次遊技以降に持ち越された(内部中遊技となった)場合には、RT1遊技(内部中)となる。
【0167】
(9)第1実施形態では、RT1遊技〜RT3遊技では、リプレイ1の単独当選と、リプレイ1及びリプレイ2の重複当選を設けた。しかし、これに限らず、リプレイ2の単独当選を設けたり、さらにリプレイ3を設け、リプレイ1及びリプレイ3の重複当選や、リプレイ2及びリプレイ3の重複当選を設け、それぞれ、2BB遊技では、小役1や小役2の入賞時の停止態様が異なるようにしてもよい。
また、第2実施形態では、リプレイ1〜リプレイ3の各単独当選のみを設けたが、これに限らず、第1実施形態ように複数種類のリプレイの重複当選を設けてもよいのはもちろんである。
<付記>
本願の出願当初の請求項に係る発明(当初発明)が解決しようとする課題、当初発明に係る課題を解決するための手段及び当初発明の効果は、以下の通りである。
(a)当初発明が解決しようとする課題
従来の技術において、2BB遊技中では、全ての小役の当選フラグがオンとなった状態の停止位置決定テーブル(リールの停止位置を定めたもの)が用いられるので、停止出目が同一となりやすかった。特に、スロットマシンの上級者では、毎遊技、同一のタイミングで(例えば、各リールの特定の図柄が特定の位置を通過する瞬間に)ストップスイッチを操作する。これにより、各リールの停止位置は、毎回、同一位置となってしまう。このため、2BB遊技中は、小役が入賞してメダルが払い出されるものの、遊技が単調になりやすいという問題があった。
当初発明が解決しようとする課題は、2BB遊技中において、停止出目に変化を与えることで、2BB遊技中の停止出目が単調にならないようにすることである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段(なお、かっこ書きで、対応する実施形態を記載する。)
当初発明は、以下の解決手段によって、上述の当初課題を解決する。
第1の解決手段は、複数種類の図柄を表示した複数のリール(31)と、役の抽選を行う役抽選手段(61)と、前記リールの回転開始命令を受けたとき(スタートスイッチ41が操作されたとき)に前記リールを回転させるとともに、遊技者によりストップスイッチ(42)が操作されたときに、そのストップスイッチに対応する前記リールを前記役抽選手段による役の抽選結果に対応する位置で停止制御するリール制御手段(64)と、遊技状態として、第1遊技(非RT遊技)と、この第1遊技よりもリプレイの当選確率が高く設定された第2遊技(RT1遊技、RT2遊技、RT3遊技)とを有し、前記第1遊技と前記第2遊技との間の移行を制御する遊技状態制御手段(69)とを備え、前記役抽選手段は、前記第2遊技では、特定役(2BB)を含む役の抽選を行い、前記遊技状態制御手段は、前記第2遊技において前記役抽選手段で前記特定役に当選し、前記特定役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは特定遊技(2BB遊技)に移行させるとともに、前記特定遊技における遊技媒体の払出し数が所定数に到達するまで前記特定遊技を実行するように制御し、前記役抽選手段は、前記第2遊技から前記特定遊技に移行したときは、前記第2遊技における前記リプレイの当選確率を維持しつつ役の抽選を行い、前記リール制御手段は、前記特定遊技では、少なくとも1つの前記リール(左リール31)について、前記第1遊技時よりも前記ストップスイッチが操作されたときから前記リールが停止するまでの最大移動図柄数が少なくなるように(最大移動図柄数が1図柄で)前記リールを停止制御し、前記リール制御手段は、前記第2遊技中の前記特定遊技では、前記リプレイの非当選時は、前記リールの停止制御の範囲内において小役(小役1又は小役2)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように前記リールを停止制御し、前記リプレイの当選時は、前記リールの停止制御の範囲内において前記小役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることを優先するように前記リールを停止制御し、前記リプレイの非当選時と、いずれかの前記リプレイの当選時とで、各前記ストップスイッチを操作した瞬間の前記リールの位置がいずれも同一位置であるとき、前記小役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときの表示窓に現れる図柄の停止態様が異なる(小役2に対応する図柄の組合せが停止する有効ライン数が異なる)ように前記リールを停止制御することを特徴とする。
第2の解決手段は、第1の解決手段において、前記小役は、いずれか1つの前記リールの特定図柄が有効ラインに停止したときに、前記小役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止することとなるように設定されており、前記役抽選手段は、前記第2遊技では、少なくとも2種類のリプレイ1及びリプレイ2を含めて役の抽選を行い、前記リール制御手段は、前記第2遊技中の前記特定遊技において、前記リプレイの非当選時、前記リプレイ1の当選時(第1実施形態では、リプレイ1の単独当選時)、及び前記リプレイ2の当選時(第1実施形態では、リプレイ1とリプレイ2との重複当選時)に、それぞれ、前記ストップスイッチを操作した瞬間のリールの位置が同一位置であるとき、前記特定図柄に係る前記リールの停止位置が同一であり、他の前記リールの停止位置が異なるように前記リールを停止制御することを特徴とする。
第3の解決手段(第2実施形態)は、第1又は第2の解決手段において、前記役抽選手段は、前記第2遊技中の前記特定遊技では、前記リプレイ1の単独当選と、前記リプレイ2の単独当選とを有するように役の抽選を行い、前記リール制御手段は、前記リプレイの非当選時、前記リプレイ1の単独当選時、及び前記リプレイ2の単独当選時に、それぞれ、各前記ストップスイッチを操作した瞬間の前記リールの位置がいずれも同一位置であるとき、前記小役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときの表示窓に現れる図柄の停止態様が異なるように前記リールを停止制御する
ことを特徴とする。
第4の解決手段(第1実施形態)は、第1又は第2の解決手段において、前記役抽選手段は、前記第2遊技中の前記特定遊技では、前記リプレイ1の単独当選と、前記リプレイ1及び前記リプレイ2の重複当選とを有するように役の抽選を行い、前記リール制御手段は、前記リプレイの非当選時、前記リプレイ1の単独当選時、並びに前記リプレイ1及び前記リプレイ2の重複当選時に、それぞれ、各前記ストップスイッチを操作した瞬間のリールの位置がいずれも同一位置であるとき、前記小役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときの表示窓に現れる図柄の停止態様が異なるように前記リールを停止制御することを特徴とする。
第5の解決手段は、第1〜第4の解決手段において、前記役抽選手段は、前記特定遊技中は、少なくとも一部の前記小役(小役1及び小役2)について、当選フラグをオンにするように制御し、前記特定遊技中において前記当選フラグがオンにされる前記小役は、その図柄の組合せが有効ラインに停止したときの遊技媒体の払出し数(4枚又は12枚)が遊技媒体の投入数(3枚)以上となるように設定されており、前記特定遊技では、前記リール制御手段による前記リールの停止制御の範囲内において、前記当選フラグがオンにされる前記小役に対応する図柄の組合せを常に有効ラインに停止させることができるように、前記小役に係る図柄が前記リール上に配列されていることを特徴とする。
(作用)
当初発明においては、第2遊技では、特定役の抽選が行われ、この特定役に当選したときは、特定遊技が実行される。そして、この特定遊技では、特定役当選時の第2遊技におけるリプレイの当選確率が維持される。また、特定遊技では、リプレイの当選時であっても小役の入賞が優先される。そして、特定遊技において、リプレイの非当選時と、リプレイの当選時とで、各ストップスイッチを操作した瞬間のリールの位置がいずれも同一位置であるとき、いずれも小役2が入賞するが、表示窓に現れる図柄の停止態様が異なるようになる。したがって、特定遊技での停止態様の多様化を図ることができる。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、特定遊技中の停止出目の多様化を図ることができるので、特定遊技が単調になることを抑制することができる。