(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5839762
(24)【登録日】2015年11月20日
(45)【発行日】2016年1月6日
(54)【発明の名称】再放送システム
(51)【国際特許分類】
H04H 20/02 20080101AFI20151210BHJP
H04H 20/74 20080101ALI20151210BHJP
【FI】
H04H20/02
H04H20/74
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-511149(P2015-511149)
(86)(22)【出願日】2014年2月27日
(86)【国際出願番号】JP2014054888
(87)【国際公開番号】WO2014167909
(87)【国際公開日】20141016
【審査請求日】2015年8月25日
(31)【優先権主張番号】特願2013-82165(P2013-82165)
(32)【優先日】2013年4月10日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】坂田 誠志
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 伸郎
(72)【発明者】
【氏名】阿部 淳
【審査官】
川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】
実開平06−066199(JP,U)
【文献】
特開平09−107600(JP,A)
【文献】
慶田 昭,西アフリカ マリ共和国の放送事情,放送技術,1999年12月 1日,第52巻,第12号,p.1427−1438
【文献】
平田 正幸,ブータン王国の社会と放送(その2),放送技術,2005年 3月 1日,第58巻,第3号
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04H 20/00 − 20/95
H04H 40/00 − 40/90
H04H 60/00 − 60/98
H04B 7/14 − 7/22
H04N 21/222
H04N 21/231
H04N 21/2385
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星から受信したテレビ放送をワンセグや3セグメント放送等のセグメント放送で再送信する再放送システムにおいて、
昼に太陽電池を充電し、再送信休止時間に放送を録画し、
太陽電池の出力の低い任意の時間は充電した電力で、衛星から受信したテレビ放送をリアルタイムに中央の1または3セグメントを用いて再送信を行い、
録画した放送を再生し、
再生した録画番組を前記中央のセグメントに隣接のセグメント等の残りの任意のセグメントを用いて再送信することを特徴とする再放送システム。
【請求項2】
衛星から受信したテレビ放送をワンセグや3セグメント放送等のセグメント放送で再送信する再放送システムにおいて、
昼に太陽電池を充電し、複数の時間帯に放送を録画し、
太陽電池の出力の低い任意の時間は充電した電力で、衛星から受信したテレビ放送をリアルタイムに中央の1または3セグメントを用いて再送信を行い、
複数の時間帯に録画した番組を同時再生し、
複数の同時再生した録画番組を前記中央のセグメントに隣接のセグメント等の残りの任意の複数のセグメントを用いて再送信することを特徴とする再放送システム。
【請求項3】
衛星から受信したテレビ放送をワンセグや3セグメント放送等のセグメント放送で再送信する再放送システムにおいて、
昼に太陽電池を充電し、再送信休止時間に放送を録画し、
太陽電池の出力の低い任意の時間は充電した電力で、録画した放送を再生し、再生した録画番組を任意のセグメントを用いて再送信することを特徴とする再放送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規定されたセグメント(周波数)に放送データを載せた放送波を再送信するする、商用電源の確保されていないエリア(例えば、インドネシアの島)をカバーする再放送システムに用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで、地上デジタル放送ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)の伝送チャンネル内の特定の周波数のセグメントの概念について説明する。
図3に示すように、地上デジタル放送のチャンネル(図示の例では、日本の各6MHzを14分割し両端の0.5セグメントずつをガードバンドとして使用した13セグメント)内において、ワンセグ放送波はH.264圧縮映像情報などの放送データを1つのセグメント(セグメント番号0)のQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)に載せて方法波を発射し、放送サービスを行っている。携帯端末向け放送等に利用されているワンセグ放送の受信者は、セグメント番号0の放送波を受信し、映像、音声、データを受信している。その両側にある6個ずつのセグメント(合計12個のセグメント)を使用して64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)においてMPEG2圧縮HDTV(High Definition TeleVision:高精細映像)放送を行っている。
【0003】
12個のセグメントを3分割した4セグメントのSDTV(Standard Definition TeleVision)教育テレビ放送や、12個のセグメントを4分割した、3セグ(3セグメント)の所謂デジタルラジオ放送(地上デジタル音声放送)もある。
【0004】
ここで、ワンセグ放送や、4セグメント放送や、3セグメント放送など放送の伝送チャンネル内の全セグメント数の部分セグメントで放送する方式を、以下部分セグメント放送と称する。
【0005】
また、ワンセグ放送等の部分セグメント放送は、SFN(Single Frequency Network)方式による実施や、微小な送信電力で比較的小さなエリアをカバーする放送システム(エリア放送)による実施に適しており、今後の更なる利用拡大が期待されている。
【0006】
また、1チャンネルは日本では6MHzであるが、ブラジルでは7MHzであり、インドネシアでは8MHzである。日本には、より多くのセグメントを集めたマルチメディア放送もある。
【0007】
特許文献1には、ワンセグの放送方式を利用して微小な送信電力で特定のエリアをカバーする放送システム(エリア放送)では、サービスエリア内に不感地が生じ易いという問題を解決するために、使用可能な送信周波数帯域の他の可能な送信周波数帯域部分においても同じ内容の信号を同時に送信することで、所謂周波数ダイバーシチにより、エリア放送における不感地を解消あるいは低減することができる放送システムが提案されている。
【0008】
近年では、エリアワンセグの様に、中央の1セグメントのみ、またはセグメント毎にサービスを割り当て周波数の有効利用が考えられている。また、海外では中央セグメントのみを用いて、テレビ放送を再送信すること実用化していくことも検討されている。特に海外で電気の無い村に、太陽電池とワンセグ送信機を組み合わせて設置して、テレビ放送が十分に普及していない地域に対してサービスすることが考えられている。具体的にシステムの概要を説明すると、昼に太陽電池を充電し、夜は充電した電力でワンセグ送信機を動作させ、衛星から受信したテレビ放送をリアルタイムで再送信して、テレビ放送を楽しんでもらう仕組みである。
【0009】
図4は従来の衛星放送の1セグ再送信システムの構成を示すブロック図である。テレビ局1から番組を送信し、アンテナ2にて衛星3にテレビ放送の電波を送出する。衛星は、受信した信号を各地域に再送信し、共用の受信アンテナ4、セットトップボックス5でテレビ放送として受信する。セットトップボックスで得られた番組の映像・音声はエンコーダ6に入力され、ReMUX7にてISTD-T方式に準拠した信号形態(放送TS)に変換する。放送TSはISDB-T変調器8にて変調され、チャンネルの中央の1セグメントに割り当てられる。このように1セグメントに変調された再送信信号は、電力増幅器9、送信アンテナ10を経由して各家庭もしくは携帯端末などのワンセグ受信端末へ送信される。
【0010】
ワンセグ送信機を用いて放送をリアルタイムで再送信するシステムにおいて、再送信する時間が限られることがある。例えば、ワンセグ送信機を太陽電池で動作させる場合を例に挙げる。昼に太陽電池の充電を行い、夜には昼に蓄えた電力を用いてワンセグ送信機を起動させることでテレビ放送の再送信を行う使い方が考えられる。このような再送信のシステムの場合、太陽電池を充電している昼間はテレビの放送を見ることができず、番組を見逃してしまうことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−118903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、商用電源の確保されていないエリアにおいて夜間でも、放送番組を再放送することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題を解決するため、衛星から受信したテレビ放送をワンセグや3セグメント放送等のセグメント放送で再送信する再放送システムにおいて、昼に太陽電池を充電し、再送信休止時間に放送を録画し、(夜や日没前や日の出後や雨天などの)太陽電池の出力の低い任意の時間は充電した電力で、衛星から受信したテレビ放送をリアルタイムに中央の(1または3)セグメントを用いて再送信を行い、録画した放送を再生し、再生した録画番組を前記中央のセグメントに隣接のセグメント等の残りの任意のセグメントを用いて再送信することを特徴とする再放送システムである。
【0014】
また、衛星から受信したテレビ放送をワンセグや3セグメント放送等のセグメント放送で再送信する再放送システムにおいて、昼に太陽電池を充電し、複数の時間帯に放送を録画し、(夜や日没前や日の出後や雨天などの)太陽電池の出力の低い任意の時間は充電した電力で、衛星から受信したテレビ放送をリアルタイムに中央の(1または3)セグメントを用いて再送信を行い、複数の時間帯に録画した番組を同時再生し、複数の同時再生した録画番組を前記中央のセグメントに隣接のセグメント等の残りの任意の複数のセグメントを用いて再送信することを特徴とする再放送システムである。
【0015】
さらに、衛星から受信したテレビ放送をワンセグや3セグメント放送等のセグメント放送で再送信する再放送システムにおいて、昼に太陽電池を充電し、再送信休止時間に放送を録画し、(夜や日没前や日の出後や雨天などの)太陽電池の出力の低い任意の時間は充電した電力で、録画した放送を再生し、再生した録画番組を任意のセグメントを用いて再送信することを特徴とする再放送システムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、再送信休止時間に放送を録画し、再送信時間する時間帯になるとリアルタイムで再送信する番組と、休止時間に録画した番組をそれぞれ異なるセグメントを用いて再送信する。放送のサービスエリアでは、受信端末のチャンネル、およびセグメントを選択することで、再送信休止時間に放送された番組を視聴することを可能にする再放送システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】本発明の1実施例の構成と時間的制御例の模式図
【
図1B】本発明の他の1実施例の構成と時間的制御例と地上デジタル放送のチャンネルの模式図(6MHzチャンネルの1セグにおいて、QPSKでH.264ならQVGA、64QAMでH.265の次期の映像符号化技術ならSDTV)
【
図1C】本発明の他の1実施例の構成と時間的制御例と地上デジタル放送のチャンネルの模式図(6MHzチャンネルの3セグで64QAMにおいて、MPEG2ならSDTV、H.265ならHDTV、H.265の次の次の映像符号化技術なら4K)
【
図1D】本発明の他の1実施例の構成と時間的制御例と地上デジタル放送のチャンネルの模式図(1セグ 録画のみ再放送)
【
図2】本発明の1実施例の衛星放送の1セグ再送信システムのチャンネルの模式図
【
図3】ISDB−T方式の地上デジタル放送のチャンネルの模式図
【
図4】従来の衛星放送の1セグ再送信システムの構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る1実施例を
図1Aから
図1Dと、
図2を参照して説明する。
【実施例1】
【0019】
図1Aは、本発明の1実施例の構成と時間的制御例の模式図である。
セットトップボックス5の出力までは、従来例の従来の衛星放送の1セグ再送信システムの構成を示すブロック図の
図4と同様である。
【0020】
テレビ局1から番組を送信し、アンテナ2にて衛星3にテレビ放送の電波を送出する。衛星は、受信した信号を各地域に再送信し、共用の受信アンテナ4、セットトップボックス5でテレビ放送として受信する。セットトップボックスで得られた番組の映像・音声はエンコーダ6に入力され、ReMUX7にてISTD-T方式に準拠した信号形態(放送TS)に変換する。放送TSはISDB-T変調器8にて変調され、チャンネルの中央の1セグメントに割り当てられる。このように1セグメントに変調された再送信信号は、電力増幅器9、送信アンテナ10を経由して各家庭もしくは携帯端末などのワンセグ受信端末へ送信される。
【0021】
セットトップボックス5から得た信号は、テレビ放送録画/再生器20、およびエンコーダ21を経由する系と、エンコーダ6を経由する系に分かれる。例えば、日中の太陽電池24から充電部25への充電時間はエンコーダ以降の機器を止め、太陽電池24から充電部25へ充電に電力が行くように制御する。このとき、セットトップボックス5、テレビ放送録画/再生器20は動作させておき、日中の番組を録画する。テレビ放送の再送信時間になったら、エンコーダ以降の機器を動作させる。それに合わせて、テレビ放送録画/再生器20の録画動作を止め、録画下番組を再生し始める。テレビ放送録画/再生器20から再生された録画番組は、エンコーダ21に入力されてエンコードされる(番組Aとする)。一方セットトップボックス5の出力は、エンコーダ6に入力され、リアルタイムの番組をエンコードする(番組B)。番組Aと番組Bのエンコード結果をReMUX7に入力し、番組A、Bを多重し放送TSを生成する。番組の多重は、例えば、番組Bをチャンネルの中央の1セグメント、もう一つの番組Aを残り12セグメント中の任意の1セグメントに割り当てて多重する。ReMUX7以降の動作は従来例と同様なので省略する。
【0022】
本発明の1実施例の構成と時間的制御例の模式図の
図1Aにおいて、仮に18:00から7時間、テレビ放送を再送信する場合を考える。18:00(時間A)になったら、充電部25からの機器群A、Bの電源をONにし、リアルタイムと録画のテレビ放送を再送信する。深夜1:00(時間B)になったら、テレビ放送の再送信を止め、機器群A,Bの電源をOFFにして電力の浪費を抑える。午前11:00(時間C)、太陽電池24からの機器群Aの電源をONにして、テレビ放送の録画を開始し、7時間継続する。このとき機器群Bの電源はOFFにしたままとし、電力の消費を抑えて太陽電池の充電に電力が行くように最低限の動作をさせる。18:00(時間D)、充電部25からの機器群A、Bの電源をONにして、テレビの再送信を開始する。このように充電時間の機器の電力消費を抑える。放送時間は地域や供給可能な電力によって変えてもよい。
このように、リアルタイムの放送と録画した放送を、再送信時間に同時に出力することで、再送信休止時間の放送も送信でき、大きなシステムの追加、変更がなくてもサービス、チャンネルを増やすことができる。
【0023】
上記の例では、番組A、Bをそれぞれ異なるセグメントに割り当てて再送信したものを説明した。ISDB-T(ISDB-Tsb)では同じセグメントのサービス(番組)を多重する概念がある。例えば、チャンネル中央の3セグメントを使用して、その3セグメントに番組A,Bを多重して、マルチチャンネルとして送信して実現することも可能である。
【実施例2】
【0024】
実施例2は、衛星から受信したテレビ放送をワンセグや3セグメント放送等のセグメント放送で再送信する再放送システムにおいて、昼に太陽電池を充電し、複数の時間帯に放送を録画し、夜や日没前や日の出後や雨天など太陽電池の出力の低い任意の時間には充電した電力で、衛星から受信したテレビ放送をリアルタイムに中央の(1または3)セグメントを用いて再送信を行い、複数の時間帯に録画した番組を同時再生し、複数の同時再生した録画番組を前記中央のセグメントの上下に隣接のセグメント等の残りの任意の複数のセグメントを用いて再送信することを特徴とする再放送システムである。
【0025】
図1Bには、本発明の他の1実施例の構成と時間的制御例と地上デジタル放送のチャンネルの模式図(6MHzチャンネルの1セグにおいて、QPSKでH.264ならQVGA、64QAMでH.265の次期の映像符号化技術ならSDTV)を示してある。また、
図1Cには、本発明の他の1実施例の構成と時間的制御例と地上デジタル放送のチャンネルの模式図(6MHzチャンネルの3セグで64QAMにおいて、MPEG2ならSDTV、H.265ならHDTV、H.265の次の次の映像符号化技術なら4K)を示してある。
22のテレビ放送録画・再生器と、23のエンコーダ(録画番組送信用)が追加された以外は、
図1Aの本発明の1実施例の構成を示すブロック図と同様なので説明を省略する。
【0026】
仮に18:00から6時間、テレビ放送を再送信する場合を考える。夕方18:00(時間A)になったら、充電部25からの機器群A、Bの電源をONにし、リアルタイムと朝の録画と昼の録画のテレビ放送を再送信する。深夜0:00(時間B)になったら、テレビ放送の再送信を止め、充電部25からの機器群A,Bの電源をOFFにして電力の浪費を抑える。朝の6:00(時間E)から9:00(時間F)まで機器群Bの電源はOFFにしたまま、太陽電池24からまたは充電部25からの機器群Aの電源をONにしてテレビ放送を3時間録画する。昼の12:00(時間C)から15:00(時間D)まで機器群Bの電源はOFFにしたまま、太陽電池24からの機器群Aの電源をONにして、テレビ放送を3時間録画する。このとき機器群Bの電源はOFFにしたままとし、電力の消費を抑えて太陽電池24から充電部25への充電に電力が行くように最低限の動作をさせる。夕方18:00(時間D)充電部25からの機器群A、Bの電源をONにして、テレビの再送信を開始する。
つまり、3時間録画を2回再生する。
夜だけでなく、日没前や日の出後や雨天など太陽電池の出力の低い任意の時間にテレビの再送信を開始してもよい。
【実施例3】
【0027】
実施例3は、衛星から受信したテレビ放送をワンセグや3セグメント放送等のセグメント放送で再送信する再放送システムにおいて、昼に太陽電池を充電し、再送信休止時間に放送を録画し、 夜は充電した電力で、録画した放送を再生し、再生した録画番組を任意のセグメントを用いて再送信することを特徴とする再放送システムである。
【0028】
図1Dには、本発明の他の1実施例の構成と時間的制御例と地上デジタル放送のチャンネルの模式図(1セグ 録画のみ再放送))を示してある。
22と24のテレビ放送録画・再生器と、23のエンコーダ(録画番組送信用)が追加され、エンコーダ6の入力がセットトップボックス5の出力からテレビ放送録画・再生器24の出力に替わった以外は、
図1Aの本発明の1実施例の構成を示すブロック図と同様なので説明を省略する。
【0029】
仮に夜の19:00から6時間、テレビ放送を再送信する場合を考える。夜の19:00(時間A)になったら、充電部25からの機器群A、Bの電源をONにし、リアルタイムと朝の録画と昼の録画のテレビ放送を再送信する。深夜1:00(時間B)になったら、テレビ放送の再送信を止め、機器群A,Bの電源をOFFにして電力の浪費を抑える。朝の6:00(時間E)から8:00(時間F)まで機器群Bの電源はOFFにしたまま、太陽電池24からまたは充電部25からの機器群Aの電源をONにしてテレビ放送を2時間録画する。昼の12:00(時間C)から14:00(時間D)まで機器群Bの電源はOFFにしたまま、太陽電池24からの機器群Aの電源をONにして、テレビ放送を2時間録画する。このとき機器群Bの電源はOFFにしたままとし、電力の消費を抑えて太陽電池24から充電部25への充電に電力が行くように最低限の動作をさせる。夕方17:00(時間G)から19:00(時間H)まで機器群Bの電源はOFFにしたまま、充電部25からの機器群Aの電源をONにして、テレビ放送を2時間録画する。このとき機器群Bの電源はOFFにしたままとし、電力の消費を抑えて太陽電池24から充電部25への充電に電力が行くように最低限の動作をさせる。
夜の19:00(時間D)充電部25からの機器群A、Bの電源をONにして、朝の録画を中央セグメント、昼の録画を中央の隣接セグメント、夕方の録画を中央の逆の隣接セグメント、としてテレビの再送信を開始する。2時間録画を3回再生する。
夜だけでなく、日没前や日の出後や雨天など太陽電池の出力の低い任意の時間にテレビの再送信を開始してもよい。
【0030】
まず、大型画面の四隅の4ダイバ受信等改良で64QAMの距離延長も可能である。したがって、本発明は、携帯端末向け放送等に利用されているワンセグ放送のQPSKだけではなく、64QAMにも適用できる。さらに、有機ELの受像機が商用化されれば、太陽光発電と充電池での大画面受信も容易となる。したがって、本発明は、ワンセグの中継放送だけではなく、SDTVや、1080/60i,1080/50i,720/60p,720/50pなどのHDTVの中継放送にも適用できる。
【0031】
ここで、
図2の本発明の一実施例の地上放送チャンネルでのセグメントの中継放送の模式図において、日本や旧NTSC(National Television System Committee)地域等では6MHzを14分割し428kHzで13セグメントであり、EUや旧PAL(Phase Alternation by Line)地域の大半や旧SECAM(Sequential Couleur a Memoire)地域の大半等では7MHzを14分割し500kHzで13セグメントであり、インドネシアや旧PAL地域の一部や旧SECAM地域の一部等ではでは8MHzを14分割し、571kHzで13セグメントである。つまり、チャンネル帯域にセグメント帯域が比例し、セグメント数は13である。
そして、地上デジタル放送の64QAMで3:1:0サンプリングでの必要伝送帯域は、映像符号化技術の進歩で、MPEG−2に対し、H.264で半分、H.265となったHEVC(High Efficiency Video Codec)で1/4となる。H.265の次期映像符号化技術ならMPEG−2に対し1/8となるH.266となることが予想され、H.265の次の次となる映像符号化技術ならMPEG−2に対し1/8となるH.267となることが予想される。
そのため、1080/60iの必要伝送帯域はMPEG−2では5.14MHz(12セグメント)がHEVCで1.29MHzとなる。日本や旧NTSC地域等の6MHzチャンネルの428kHzセグメントでは3セグメント1.29MHzで伝送できる。
【0032】
また、1080/50iの必要伝送帯域はMPEG−2では4.285MHzがHEVCで1.071MHzとなり、インドネシアや旧PAL地域の一部や旧SECAM地域の一部等では8MHzチャンネルの571kHzセグメントなら2セグメントで伝送できる。EUや旧PAL地域の大半や旧SECAM地域の大半等の7MHzチャンネルの500kHzセグメントでは3セグメント1.5MHzで伝送できる。MPEG−2に対し1/8となる次期映像符号化技術なら1080/50iの必要伝送帯域は536kHzとなり、インドネシアや旧PAL地域の一部や旧SECAM地域の一部等では8MHzチャンネルの571kHzセグメントなら1セグメントで伝送できる。
ところで、地上デジタル放送の64QAMでSDTVの必要伝送帯域はMPEG−2では1.71MHz(4セグメント)がHEVCで428kHzとなる。日本の6MHzチャンネルでもEUの7MHzチャンネルでもインドネシアの8MHzチャンネルでも64QAMなら1セグメントで伝送できる。
【0033】
また、1080/50iにLPDC(Low Density Parity Check/低密度パリティチェック)符号で7MHzチャンネルの500kHzセグメントの2セグメント1MHz以下でHEVCで伝送可能となる。MPEG−2に対し1/8となる次期映像符号化技術なら7MHzチャンネルの500kHzセグメントの1セグメントで伝送可能となる。
さらに、1080/60iでも偏波MIMO(Multi In Multi Out)なら6MHzチャンネルの428kHzセグメントの2セグメント856kHz以下で伝送可能となる。
【0034】
また、高速通信光ケーブルの損失が下がれば、無給電海底光ケーブルを島々に設置するのも容易になる。したがって、本発明は、衛星放送受信の中継放送だけではなく、光ケーブル受信の中継放送にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明によれば、衛星放送をリアルタイムで再送信するシステムにおいて、夜や日没前や日の出後や雨天など太陽電池の出力の低い任意の時間に再送信する時間が限られている場合には再送信休止時間が生じても、放送を見逃さず、再送信休止時間に放送された番組を視聴することを可能にすることができる。
【符号の説明】
【0036】
1:テレビ局、2:送信アンテナ(テレビ局―衛星間)、3:衛星、4:受信アンテナ(衛星―再送信地域間)、5:セットトップボックス、6:エンコーダ(リアルタイム再送信用)、7:ReMUX(再多重装置)8:ISDB-T変調器、9:電力増幅器、10:送信アンテナ(テレビ放送装置―サービスエリア間)、20,22:テレビ放送録画・再生器、21,23:エンコーダ(録画番組送信用)、24:太陽電池、25:充電部、