(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも一つのモールド封止体を被覆する少なくとも一つのシールド導体層を更に含み、前記回路基板は、前記載置面に設けられる少なくとも一つの接地パッドを更に備え、
前記少なくとも一つのシールド導体層は、前記少なくとも一つの接地パッドに接続されることを特徴とする請求項1に記載の電子パッケージモジュール。
前記少なくとも一つのモールド封止体は頂面及び前記頂面に接続される側面を有し、前記側面は前記頂面と前記載置面との間に位置し、前記少なくとも一つのシールド導体層は前記頂面及び前記側面を被覆することを特徴とする請求項2に記載の電子パッケージモジュール。
前記少なくとも一つのモールド封止体は頂面及び前記頂面に接続される側面を有し、前記側面は前記頂面と前記載置面との間に位置し、前記少なくとも一つのモールド封止体は前記頂面から前記載置面に向かって漸次狭くなっていることを特徴とする請求項1に記載の電子パッケージモジュール。
載置面を有する回路基板、前記載置面の上に実装された少なくとも一つの第1の電子素子及び前記載置面の上に実装された少なくとも一つの第2の電子素子を含む回路基板アセンブリの上に、前記載置面を部分的に被覆すると共に前記少なくとも一つの第2の電子素子を完全に被覆するように、前記少なくとも一つの第1の電子素子を位置させる少なくとも一つの前記載置面に対して傾斜角が90°より小さい傾斜側面を有する空きスペースを含むマスクパターン層を形成する工程と、
傾斜側面を有する前記空きスペースの中に、前記少なくとも一つの第1の電子素子を封入する少なくとも一つのモールド封止体を形成する工程と、
前記少なくとも一つのモールド封止体を形成した後、前記マスクパターン層を除去することによって前記少なくとも一つの第2の電子素子を露出させる工程と、
を含み、
前記マスクパターン層を除去する前に、前記少なくとも一つのモールド封止体をダイシングすることによって、前記載置面の一部及び前記回路基板の少なくとも一つの接地パッドを露出させる溝部であって、前記傾斜側面に付着した残留モールド封止体を前記モールド封止体から分離する溝部、を形成する工程と、
シールド導体層が前記少なくとも一つの溝部の中に延伸すると共に前記少なくとも一つの接地パッドに接触するように、前記少なくとも一つのモールド封止体を被覆する前記シールド導体層を形成する工程と、
前記シールド導体層を形成した後、前記マスクパターン層を除去する工程と、を更に含む
ことを特徴とする電子パッケージモジュールの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本明細書と図面に開示された本発明の実施形態は、本発明の技術内容をより分かりやすく説明し、本発明の理解を助けるために実施例を挙げたものに過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。ここに開示された実施形態以外にも、本発明の技術的思想に基づく他の変形例も実施可能であることは、本発明の属する技術分野における当業者に自明なことである。
【0011】
図1Aは、本発明に係る電子パッケージモジュールの上面模式図である。
図1Bは、本発明に係る電子パッケージモジュールの
図1AにおけるI−I断線の断面模式図である。
図1A及び
図1Bに示すように、電子パッケージモジュール100は、電子回路基板110、少なくとも一つの第1の電子素子、少なくとも一つの第2の電子素子及び少なくとも一つのモールド封止体を含む。
図1Aを例として説明すると、電子パッケージモジュール100は、複数の第1の電子素子121a、121b、複数の第2の電子素子122a、122b及び複数のモールド封止体130a、130bを含む。
【0012】
また、他の実施例において、電子パッケージモジュールは、単一の第1の電子素子、単一の第2の電子素子及び単一のモールド封止体を含むようにしてもよい。即ち、第1の電子素子、第2の電子素子及びモールド封止体のそれぞれの数量は、
図1Aに示す数量に限定されておらず、一つであってもよく、二つ以上であってもよい。
【0013】
回路基板110は、載置面110aを有する。複数の第1の電子素子121a、121b及び複数の第2の電子素子122a、122bの何れも載置面110aの上に実装される。複数の第1の電子素子121a、121b及び複数の第2の電子素子122a、122bの何れも回路基板110に電気的に接続されるため、電気信号が回路基板110を介して複数の第1の電子素子121a、121bと複数の第2の電子素子122a、122bとの間に伝送されることによって、複数の第1の電子素子121a、121b及び複数の第2の電子素子122a、122bを動作させることができる。
【0014】
回路基板110は、複数のパッド112a、112bを備える。
図1Bに示すように、第2の電子素子122aはフリップチップ(flip chip)方式でパッド112aに電気的に接続され、第1の電子素子121aはワイヤボンディング(wire−bonding)方式でパッド112bに電気的に接続されるようにしてもよい。もちろん、第2の電子素子122aはワイヤボンディング方式でパッド112aに電気的に接続され、第1の電子素子121aはフリップチップ方式でパッド112bに電気的に接続されるようにしてもよい。即ち、回路基板110への第1の電子素子121a及び第2の電子素子122aの実装方式は
図1Bに限定されるものではない。
【0015】
回路基板110は、二層の配線層のみを含む両面回路基板(double side circuit board)であってもよく、二層以上の配線層を含む多層回路基板(multilayer circuit board)であってもよい。また、回路基板110は、載置面110aに対向する回路基板底面110bと、回路基板底面110bに設けられる複数のパッド112cと、を更に有する。複数のパッド112cは、例えばマザーボードなどの他の回路基板に電気的に接続するのに用いられる。また、パッド112cは、導電ブラインドバイアホール(conductive blind via hole)、導電スルーホール(conductive through hole)若しくは導電ベリードホール(conductive buried hole)を介してパッド112a、112bにそれぞれ電気的に接続されるようにしてもよい。
【0016】
モールド封止体130a、130bの何れも載置面110aの上に配置される。各モールド封止体130a又は各モールド封止体130bは、少なくとも一つの第1の電子素子を封入すると共に載置面110aを部分的に被覆する。例えば、モールド封止体130aは一つの第1の電子素子121aを封入し、モールド封止体130bは八つの第1の電子素子121bを封入するようにしてもよい。また、モールド封止体130a、130bの何れも、全ての第2の電子素子122a、122bを封入しないだけではなく、全ての第2の電子素子122a、122bに接触されない。
【0017】
また、モールド封止体130a、130bに封入されていない複数の第2の電子素子122a、122bは、画像センサー素子又は発光素子などの光電素子であってもよい。画像センサー素子は例えばCMOS画像センサー又は電荷結合素子(CCD)などであってよく、発光素子は例えば発光ダイオード(LED)などであってもよい。また、本発明において、第2の電子素子122a、122bは、光電素子に限定されるものではなく、即ち他の能動素子又は受動素子であってもよい。
【0018】
図1A及び
図1Bを例として説明すると、モールド封止体130aは開口138aを有し、二つの第2の電子素子122bは開口138aの中に設置される。言い換えれば、モールド封止体130aは、複数の第2の電子素子122bに接触しないように複数の第2の電子素子122bを取り囲む。また、
図1Aに示す実施例において、開口138aの中に設置される第2の電子素子122bの数量は二つであるが、他の実施例において開口138aの中に設置される第2の電子素子122bの数量は一つであってもよく、三つ以上であってもよい。言い換えれば、
図1Aにおいて、開口138aの中に設置される第2の電子素子122bの数量は限定されていない。また、他の実施例において、モールド封止体130aが開口138aを有しない場合、モールド封止体130aの中に第2の電子素子122bが存在しない。
【0019】
また、第2の電子素子122aは、モールド封止体130aとモールド封止体130bとの間に設置されるようにしてもよい。詳しい説明すると、モールド封止体130aとモールド封止体130aとの間には空間スペース(empty space)S1が存在する。第2の電子素子122aは、モールド封止体130a、130bに封入されない且つ接触されないように空間スペースS1における載置面110aの上に実装される。
【0020】
また、
図1Aに示す実施例において、空間スペースS1の中に設置される第2の電子素子122aの数量は一つしかないが、他の実施例において、空間スペースS1の中に設置される第2の電子素子122aの数量は二つ以上であってもよい。言い換えれば、
図1Aにおいて、空間スペースS1の中に設置される第2の電子素子122aの数量は限定されていない。
【0021】
電子パッケージモジュール100は、少なくとも一層のシールド導体層(shielding conductive layer)を更に含む。本実施例において、電子パッケージモジュール100は二層のシールド導体層140を含む。一層のシールド導体層140はモールド封止体130aを被覆し、他層のシールド導体層140はモールド封止体130bを被覆する。また、複数のシールド導体層140はモールド封止体130a、130bを全面的に被覆する。
【0022】
図1A及び
図1Bを例として説明すると、モールド封止体130aは、頂面132aと、頂面132aに接続される側面134a、136aと、を有する。側面134a、136aの何れも、頂面132aと載置面110aとの間に位置する。
図1A及び
図1Bに示すように、側面136aは開口138aの側壁(side wall)であり、側面134aはモールド封止体130aの外側表面である。
【0023】
一層のシールド導体層140は、モールド封止体130aを全面的に被覆するように頂面132aと側面136aを全面的に被覆する。同様に、他層のシールド導体層140は、モールド封止体130bを全面的に被覆するようにモールド封止体130bの頂面と側面を全面的に被覆する。即ち、複数のシールド導体層140は、モールド封止体130aの頂面132aと側面134a、136a及びモールド封止体130bの頂面と側面に接触するようにモールド封止体130a、130bを全面的に被覆する。
【0024】
シールド導体層140は、堆積(deposition)方式で形成された導体薄膜(conductive film)であってもよいため、モールド封止体130a、130bを同時に被覆することができる。上述の堆積方式は、例えばスプレー(spray)、電気めっき(electroplating)、無電解メッキ(electroless plating)、物理的気相成長(physical vapor deposition、PVD)、化学的気相成長(chemical vapor deposition、CVD)などの方式であってもよい。また、物理的気相成長は、例えば蒸着(evaporation)又はスパッタリング(sputtering)などであってもよい。
【0025】
シールド導体層140はモールド封止体130a、130bを全面的に被覆するため、シールド導体層140はモールド封止体130a、130bにおける第1の電子素子121a、121bを取り囲むようになっている。これにより、シールド導体層140は、電磁妨害(electromagnetic interference、EMI)による第1の電子素子121a、121bへの影響を低減するように第1の電子素子121a、121bを保護することができる。
【0026】
また、回路基板110は、載置面110aに設けられる複数の接地パッド(grounding pad)112gを更に備えるようにしていもよい。複数のシールド導体層140は複数の接地パッド112gに接続され、複数の接地パッド112gの何れも接地されている。例えば、接地パッド112gは、回路基板110の接地面(ground plane)(図示せず)に電気的に接続される。これにより、複数のシールド導体層140は複数の接地パッド112gを介して接地されるため、電磁妨害を遮断(block)する能力を向上することができる。
【0027】
また、
図1A及び
図1Bにおいて、回路基板110は複数の接地パッド112gを備えるようにしているが、他の実施例において、回路基板110は、一つの接地パッド112gのみを備えるようにしてもよい。即ち、接地パッド112gの数量は、
図1A及び
図1Bに限定されるものではない。
【0028】
上述したように、本発明に係る電子パッケージモジュール100によれば、モールド封止体130a、130bは何れの第2の電子素子122a、122bを封入せずに第1の電子素子121a、121bのみを封入するため、光電素子(例えば画像センサー素子又は発光素子など)と他の電子素子を含む従来の電子パッケージモジュールであっても本発明に係る電子パッケージモジュール100の設計を使用することができる。この場合、モールド封止体は、光電素子などの封入すべきでない電子素子を封入せずに、封入すべき電子素子のみを封入するようにしている。これにより、モールド封止体は、光電素子の動作に影響を与えないだけではなく、電子パッケージモジュールにおける他の電子素子を依然として保護することができる。また、電子パッケージモジュール100において、一つのモールド封止体130a若しくは一つのモールド封止体130bのみが形成されるようにしてもよく、二つ以上のモールド封止体(例えばモールド封止体130a、130b)が形成されるようにしてもよい。即ち、本発明において、モールド封止体の数量については特に制限されていない。
【0029】
以上、電子パッケージモジュール100の構造について詳しく説明した。続いて、
図2A乃至
図2Gを参照しながら電子パッケージモジュール100の製造方法について詳しく説明する。
【0030】
図2Aに示すように、電子パッケージモジュール100の製造方法において、先ず、回路基板アセンブリ10の上にマスクパターン層150を形成する。ここで、回路基板アセンブリ10とは、複数の電子素子が実装された回路基板を指す。詳しく説明すると、回路基板アセンブリ10は、回路基板110’、少なくとも一つの第1の電子素子及び少なくとも一つの第2の電子素子を含み、少なくとも一つの第1の電子素子及び少なくとも一つの第2の電子素子の何れも回路基板110’の載置面110a’の上に実装された。言い換えれば、マスクパターン層150を形成する前に、少なくとも一つの第1の電子素子及び少なくとも一つの第2の電子素子は既に回路基板110’の上に実装された。
【0031】
また、
図2Aにおいて、一つの第1の電子素子121a及び一つの第2の電子素子122aのみを載置面110a’の上に実装されたように見られるが、実際には、
図1Aに示す第1の電子素子121b及び第2の電子素子122bも既に載置面110a’の上に実装された。また、
図2A乃至
図2Gにおいて、第1の電子素子121b及び第2の電子素子122bを図示しなくても、当業者は、
図1A及び従来の電子パッケージモジュールの製造技術の常識により、載置面110a’に実装された第1の電子素子121a、121b及び第2の電子素子122a、122bの設置位置が
図1Aに示すような設置位置と同じであることを理解できる。
【0032】
また、本実施例において、回路基板110’の構造は、
図1Bにおける回路基板110の構造と類似しており、複数の接地パッド112gをも含む。回路基板110’と回路基板110との相違点としては、回路基板110’の寸法が回路基板110の寸法よりも大きいことにある。
【0033】
具体的に説明すると、回路基板110は、回路基板110’をダイシング(dicing)して形成された(即ち単体化された)回路基板ユニットであってもよい。また、回路基板110’は、回路パネル(panel)又は基板ストライプ(strip)であってもよい。また、他の実施例において、回路基板110’は、回路基板110であってもよく、即ち、回路基板110’はダイシングされた回路基板ユニットであってもよい。
【0034】
マスクパターン層150が形成された後、マスクパターン層150は載置面110a’を部分的に被覆するようになっている。詳しく説明すると、マスクパターン層150は、第1の電子素子121a、121bを被覆しない空きスペース150eを備えており、第2の電子素子122a、122bを完全に被覆する。
図2Aを例として説明すると、第1の電子素子121aが空きスペース150eに位置するため、マスクパターン層150は、第1の電子素子121aに接触しないように第1の電子素子121aを被覆しない。また、マスクパターン層150は、第2の電子素子122aを完全に被覆する。
【0035】
また、空きスペース(例えば空きスペース150e)の数量は基本的に、後続で形成されるモールド封止体130a、130bの総数量に等しい。また、電子パッケージモジュール100のモールド封止体130a、130bの総数量に応じて、マスクパターン層150は、一つの空きスペース(例えば空きスペース150e)のみを備えるようにしてもよく、複数の空きスペースを備えるようにしてもよい。
【0036】
図2Aに示す実施例において、マスクパターン層150は、上表面150t及び上表面150tに対向する下表面150bを有する。下表面150bは、回路基板アセンブリ10に接触する。マスクパターン層150は、下表面150bから上表面150tに向かって漸次狭くなっているため、上表面150tの面積は下表面150bの面積よりも小さい。マスクパターン層150は、上表面150tと下表面150bとの間に接続される傾斜側面150sを更に含む。
図2Aに示すように、傾斜側面150sと下表面150bとの間の夾角A1は90℃よりも小さい。
【0037】
マスクパターン層150を形成する方法については様々な方法がある。本実施例において、マスクパターン層150は、テンプレート(template)を用いて印刷して(即ち、テンプレート印刷(template printing)により)形成されたものである。詳しく説明すると、
図2A乃至
図2Cに示すように、先ず、テンプレート160をマスクとして回路基板アセンブリ10をカバーする。続いて、回路基板110’の上に、例えばインク、ポジ型フォトレジスト(positive photoresist)又はネガ型フォトレジスト(negative photoresist)などの材料を塗装層として印刷する。
図2Bは、テンプレート160の上面模式図である。
図2Cは、
図2BにおけるII−II断線に沿って示す断面模式図である。また、
図2Aに示すテンプレート160も、
図2BにおけるII−II断線に沿って示すものである。
図1Aに示すように、テンプレート160は、第2の電子素子122a、122bに対応する複数の空きパターン162を有する。塗装層を印刷する際に、塗装層は、複数の空きパターン162を通して複数の第2の電子素子122a、122bを完全に被覆するものの、第1の電子素子121a、121bを被覆しない。
【0038】
続いて、塗装層を硬化させることによって、塗装層をマスクパターン層150に変化させる。塗装層を硬化させる方法としては、塗装層を加熱するようにしてもよく、塗装層に対して紫外線を照射するようにしてもよい。塗装層を硬化させる期間において、テンプレート160は、回路基板アセンブリ10の上方に置かれたままに回路基板アセンブリ10をカバーし続ける。塗装層が硬化された後、テンプレート160を除去することによって空きスペース150eが形成される。また、本実施例において、マスクパターン層150の成分は、例えば二酸化ケイ素などの酸化ケイ素を含んでもよい。
【0039】
また、テンプレート160は、少なくとも一つのプレート体160a及び少なくとも一つの壁体160bを含むようにしてもよい。少なくとも一つのプレート体160aは、少なくとも一つの壁体160bに接続されており、テンプレート傾斜側面160sを有する。
図2A及び
図2Cに示すように、マスクパターン層150を形成する過程において、テンプレート傾斜側面160sが塗装層に接触されることによって、マスクパターン層150の傾斜側面150sが形成される。
【0040】
また、上述の実施例において、マスクパターン層150はテンプレート160を用いて印刷して形成されたものであるが、他の実施例において、マスクパターン層150は、テンプレート160を用いて印刷して形成されたものでなくてもよい。詳しく説明すると、マスクパターン層150は、テンプレート160をマスクとして利用し、スプレー(spray)方式で形成されたものであってもよい。言い換えれば、マスクパターン層150は、テンプレート160を用いて印刷して形成されたものであるに限定されていない。
【0041】
続いて、
図2Dに示すように、空きスペース150eの中には第1の電子素子を封入するモールド封止体130a’を形成することによって、電子パッケージモジュール100における全ての第1の電子素子121a、121bがモールド封止体130a’の内部に封入されている。モールド封止体は、ディスペンサー(dispenser)により形成されるようにしてもよい。また、モールド封止体の主な材料は、エポキシ樹脂(epoxy resin)であってもよい。また、エポキシ樹脂は、酸化ケイ素及び/又は酸化アルミニウムなどのフィラーを含んでもよい。また、上述のモールド封止体は、空きスペース以外の箇所に形成されておらず、空きスペースの中のみに形成されるため、モールド封止体はマスクパターン層150の上表面150tを被覆しない。
【0042】
図2Dを例として説明すると、空きスペース150eの中にモールド封止体130a’が形成されると、モールド封止体130a’は、マスクパターン層150の上表面150tを被覆せずに、少なくとも一つの第1の電子素子121aを封入すると共に、少なくとも一つの接地パッド112g及び一部の載置面110a’を被覆するようになっている。また、載置面110a’に対するモールド封止体130a’の厚さH1は載置面110a’に対するマスクパターン層150の厚さH2よりも小さいため、モールド封止体130a’が溢れ出して上表面150tを被覆することを防ぐことができる。
【0043】
続いて、
図2D及び
図2Eに示すように、モールド封止体(例えばモールド封止体130a’)をダイシングすることによって、接地パッド112g及び一部の載置面110a’を露出する複数の溝部(例えば
図2Eに示す溝部T1)を形成する。また、モールド封止体をダイシングする方式はレーザーダイシングであってもよい。また、レーザーダイシングに用いられるレーザービームL1はグリーンレーザ(Green Laser)であってもよい。もちろん、レーザーダイシング以外の方式でモールド封止体をダイシングするようにしてもよい。例えば、機械的ダイシングによりモールド封止体をダイシングするようにしてもよい。
【0044】
複数の溝部のトラック(track)は、大体
図1Aにおけるモールド封止体130a、130b両者の輪郭と同様である。例えば、一方の溝部のトラックは大体モールド封止体130aの開口138aの輪郭と同様であり、そして、
図2Eにおいて、モールド封止体130a’をダイシングして形成された溝部T1のトラックは大体
図1Aにおけるモールド封止体130aにおける側面134aの輪郭と同様である。
【0045】
モールド封止体をダイシングした後、複数の溝部が形成されただけではなく、
図1Aに示すモールド封止体130a、130bも形成され、且つ、一部のモールド封止体130a’がマスクパターン層150の上に取り残されることによって残留モールド封止体130a”が形成されたようになっている。具体的に言えば、残留モールド封止体130a”は、接地パッド112gに付着せずにマスクパターン層150の傾斜側面150sのみに付着する。
【0046】
続いて、
図2Fに示すように、モールド封止体130a、130bを被覆するシールド導体層140を形成する。シールド導体層140は、全ての溝部(溝部T1も含む)の中に延伸されており、複数の接地パッド112gに接続される。シールド導体層140の形成方法は堆積方式であってもよい。堆積方式は、例えばスプレー、電気めっき、無電解メッキ、物理的気相成長、化学的気相成長などの方式であってもよい。また、物理的気相成長は、例えば蒸着又はスパッタリングなどであってもよい。
【0047】
シールド導体層140は、残留モールド封止体130a”及びマスクパターン層150を被覆すると共に、マスクパターン層150に接触するようにしてもよい。シールド導体層140は、マスクパターン層150の部分の表面を露出させるようにマスクパターン層150の一部の表面を被覆する。
図2Fに示すように、シールド導体層140が残留モールド封止体130a”から傾斜側面150sに沿って上表面150tまでに延伸され、これにより、シールド導体層140は、残留モールド封止体130a”で付着されていない傾斜側面150s及び傾斜側面150sに隣接する上表面150tの一部を被覆するようになっている。これにより、シールド導体層140はマスクパターン層150の上表面150t及び傾斜側面150sに接触する一方、シールド導体層140で被覆されていない他の部分の上表面150tは露出される。
【0048】
図2F及び
図2Gに示すように、シールド導体層140を形成した後、マスクパターン層150を除去することによって第2の電子素子122a、122b(
図2Gに図示しない)及び一部の載置面110a’を露出させる。マスクパターン層150の除去方法としては、溶剤でマスクパターン層150を溶解するようにしてもよい。溶剤は、例えばアセトン(acetone)又はブロモプロパン(bromopropane)などであってもよい。また、シールド導体層140がマスクパターン層150を被覆するものの、マスクパターン層150の上表面150tの一部が露出されるため、溶剤はマスクパターン層150に接触することでマスクパターン層150を溶解することができる。また、残留モールド封止体130a”全体が接地パッド112gに付着されていないため、マスクパターン層150が除去された時、マスクパターン層150の除去に従い残留モールド封止体130a”も一緒に除去された。
【0049】
続いて、
図2G及び
図2Hに示すように、カッターC1により回路基板110’に対してダイシングを行うことによって、電子パッケージモジュール100を形成する。これにより、
図2Hに示すように、電子パッケージモジュール100の製造が完了した。また、本実施例において、カッターC1により回路基板110’に対してダイシングを行うようにしているが、他の実施例において、カッターC1以外の方式で回路基板110’に対してダイシングを行うようにしてもよい。即ち、回路基板110’に対してダイシングを行う方式については特に制限がない。例を挙げて説明すると、レーザービームにより回路基板110’に対してダイシングを行うようにしてもよい。
【0050】
また、回路基板110’は回路基板110であってもよいため、即ち
図2Aに示す回路基板110’はダイシングして形成された回路基板ユニットであってもよいため、他の実施例において、マスクパターン層150を除去した後、回路基板110’に対してダイシングを行うことなく、電子パッケージモジュール100の製造が完了した。
【0051】
図3A乃至
図3Cは、本発明の他の実施例に係る電子パッケージモジュールの製造方法の断面模式図である。
図3Cにおいて、本発明の他の実施例に係る電子パッケージモジュール200を示す。
図3Cに示すように、電子パッケージモジュール200は、上述の実施例における電子パッケージモジュール100と類似する。電子パッケージモジュール200は、少なくとも一つの電子素子121a及び少なくとも一つの第2の電子素子122aを含む。以下、電子パッケージモジュール200と電子パッケージモジュール100との相違点のみを説明し、電子パッケージモジュール200と電子パッケージモジュール100との同様の特徴の説明を省略する。
【0052】
図3Cに示すように、電子パッケージモジュール200は、少なくとも一つのモールド封止体230及び回路基板210を含む。第1の電子素子121a及び第2の電子素子122aの何れも回路基板210の載置面212aの上に実装される。電子パッケージモジュール100との相違点として、回路基板210は接地パッド112gを備えておらず、モールド封止体230の断面形状はモールド封止体130a、130bの断面形状と異なることである。また、電子パッケージモジュール200はシールド導体層140を備えていない。もちろん、本実施例において、回路基板210は接地パッド112gを含むようにしてもよい。
【0053】
モールド封止体230は、頂面230a、頂面230aに対向するモールド封止体底面230b、及び頂面230aとモールド封止体底面230bとの間に接続される側面230sを有する。モールド封止体底面230bが載置面212aに接触するため、側面230sは頂面230aと載置面212aとの間に位置する。また、上述した実施例におけるモールド封止体130a、130bとの相違点として、モールド封止体230は頂面230aから載置面212aに向かって漸次狭くなっているため、頂面230aの面積はモールド封止体底面230bの面積よりも大きく、側面230sは傾斜面となる。側面230sと載置面212aとの間の夾角A2は90度よりも大きい。
【0054】
電子パッケージモジュール200の製造方法は、上述した実施例における電子パッケージモジュール100の製造方法と類似するため、以下、
図3A乃至
図3Cを参照しながら電子パッケージモジュール100の製造方法との相違点のみを説明し、電子パッケージモジュール100の製造方法との同様の特徴の説明及び図示を省略する。
【0055】
図3Aに示すように、電子パッケージモジュール200の製造方法において、先ず、回路基板アセンブリ20の上にマスクパターン層150を形成する。ここで、回路基板アセンブリ20は、回路基板210’、少なくとも一つの第1の電子素子121a及び少なくとも一つの第2の電子素子122aを含む。
【0056】
第1の電子素子121a及び第2の電子素子122aの何れも回路基板210’の載置面212a’の上に実装される。マスクパターン層150は、第1の電子素子121aを被覆せずに第2の電子素子122aを被覆する。本実施例のマスクパターン層150の形成方法は上述の実施例と同じであるため、
図3Aに示すマスクパターン層150は傾斜側面150sをも含む。
【0057】
続いて、第1の電子素子121aを封入するモールド封止体230を形成する。モールド封止体230の形成方法は、上述した実施例におけるモールド封止体130a、130bの形成方法と同じであるため、その説明を省略する。マスクパターン層150は傾斜側面150sを有し、且つモールド封止体230は傾斜側面150sに接触するため、モールド封止体230には傾斜を呈する側面230sが形成される。
【0058】
続いて、上述した実施例の製造方法と異なり、モールド封止体230を形成した後、モールド封止体230をダイシングする工程を省略し、マスクパターン層150を直接に除去することによって第2の電子素子122aを露出させる。マスクパターン層150を除去する方法は上述した実施例において既に説明したため、ここでその説明を省略する。
【0059】
続いて、
図3B及び
図3Cに示すように、カッターC1若しくはレーザービームにより回路基板210’に対してダイシングを行うことによって、回路基板210を形成する。これにより、
図3Cに示すように、電子パッケージモジュール200の製造が完了した。また、回路基板210’は回路基板210であってもよいため、即ち、回路基板210’はダイシングして形成された回路基板ユニットであってもよいため、他の実施例において、マスクパターン層150を除去した後、回路基板210’に対してダイシングを行うことなく、電子パッケージモジュール200の製造が完了した。即ち、
図3Bに示す回路基板に対してダイシングを行う工程を省略することができる。
【0060】
上述したように、本発明に係る電子パッケージモジュールは全ての電子素子のうちの少なくとも一つの電子素子だけを封入するモールド封止体を含むため、光電素子(例えば画像センサー素子又は発光素子など)と他の電子素子を含む従来の電子パッケージモジュールであっても本発明に係る電子パッケージモジュールの設計を使用することができる。この場合、モールド封止体は、光電素子などの封入すべきでない電子素子を封入せずに、封入すべき電子素子のみを封入するようにしている。これにより、モールド封止体は、光電素子の動作に影響を与えないだけではなく、他の電子素子を保護することができる。また、本発明に係る電子パッケージモジュールによれば、電子素子を封入すべきか封入すべきでないかにかかわらず、電子素子は、能動素子であってもよく、受動素子であってもよく、その種類について特に制限がない。
【0061】
上述した実施例は、本発明の好ましい実施態様に過ぎず、本発明の実施の範囲を限定するものではなく、本発明の明細書及び図面内容に基づいてなされた均等な変更および付加は、いずれも本発明の特許請求の範囲内に含まれるものとする。