(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プレート面は、前記第2の表面領域(12)に隣接するとともに前記第2の表面領域(12)から下流にある第3の表面領域(13)を有し、前記第3の表面領域は、前記第1の運動無限表面(40)にほぼ平行であり、かつ前記第1の表面領域(11)よりも前記第1の運動無限表面(40)に近接し、前記第3表面領域(13)は、少なくとも2mmの長さを有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
粒子状材料
本明細書における粒子状材料(100)は、粒子、薄片、繊維、スフェア、凝集粒子及び当該技術分野で周知の他の形態を含む、乾燥状態で流動性を有する粒子状形態の任意の材料でよい。
【0020】
本明細書におけるいくつかの実施形態では、粒子状材料(100)は粒子状吸収性(又は超吸収性)材料である。この材料は一般的にポリマーであり、本明細書においてはAGMと呼ぶ粒子状吸収性ゲル化材料としても知られる。AGMとは、その重量の少なくとも10倍の0.9%生理食塩水を吸収することが可能な粒子状形態のポリマー材料、すなわち、EDANA(欧州不織布工業会)の遠心保持容量試験、試験方法番号441.2−02、「遠心保持容量」を用いて測定したCRC値が少なくとも10g/gであるような粒子状形態のポリマー材料のことを指す。本明細書における粒子状AGMは、高い収着容量を有し、例えば少なくとも20g/g、又は30g/gのCRCを有する。上限値は、例えば最大で150g/g、又は最大で100g/gでありうる。
【0021】
粒子状AGMは、液体に対して高い透過性を有してよく、例えば、少なくとも10×10
−7cm
3s/g、又は好ましくは少なくとも30×10
−7cm
3s/g、又は少なくとも50×10
−7cm
3s/g、10×10
−7cm
3s/gのSFC値、又は場合により少なくとも100×10
−7cm
3s/gの透過性SFC値、又は少なくとも120×10
−7cm
3s/gのSFCを有する。このSFCは透過性の尺度であり、1996年10月8日発行の米国特許第5,562,646号(ゴールドマン(Goldman)ら)に述べられるようにゲル床の塩水流伝導度によって多孔度の指標を与えるものである(ただしここでは、ジェイコ(Jayco)溶液の代わりに0.9% NaCl溶液を用いる)。
上限値は、例えば、最大で350又は最大で250(×10
−7cm
3s/g)でありうる。
【0022】
本明細書におけるいくつかの実施形態では、前記AGMのポリマーは、内部架橋及び/又は表面架橋されたポリマーである。
【0023】
本明細書におけるいくつかの実施形態では、本明細書における粒子状材料は、例えば60%〜90%、又は約75%の中和度を有し、例えば当該技術分野では周知のナトリウム対イオンを有する、例えば表面架橋及び/又は内部架橋及び/又は後架橋されたポリアクリル酸/ポリアクリレートポリマーなどのポリアクリル酸/ポリアクリレートポリマーを含む、あるいはこうしたポリアクリル酸/ポリアクリレートポリマーからなる吸収性材料である。
【0024】
本明細書におけるいくつかの実施形態では、粒子状材料(100)は、例えば欧州特許出願公開第A−0691133号に記載される方法によって測定することが可能な質量メジアン粒径が、最大で2mm、又は50マイクロメートル〜2mm若しくは1mmまで、又は好ましくは100若しくは200若しくは300若しくは400若しくは500μm、又は1000まで、若しくは800まで、若しくは700μmまでである粒子の形態である。本発明のいくつかの実施形態では、粒子状材料(100)は、粒径が50μm〜1200μm、質量メジアン粒径が上記の範囲の組み合わせのいずれかの間にある粒子の形態である。本発明の更なる、又は別の実施形態では、前記粒子は本質的に球形である。本発明の更に別の又は更なる実施形態では、粒子状材料(100)は比較的狭い粒径の範囲を有し、例えば粒子の大半(例えば少なくとも80重量%、又は好ましくは少なくとも90重量%、又は更には少なくとも95重量%)が、50μm〜1000μm、好ましくは100μm〜800μm、より好ましくは200μm〜600μmの粒径を有する粒子である。
【0025】
本明細書における粒子状材料(100)は、15重量%未満、又は10重量%未満、又は8重量%未満、又は5重量%未満の水を含むことが有利である。含水量は、粒子状材料(100)を105℃で3時間乾燥し、乾燥後の粒子状材料(100)の重量減少によって含水量を決定するEdana試験番号ERT 430.1−99(1999年2月)によって決定することができる。
【0026】
本明細書における粒子状AGMは、表面コーティング又は表面処理されたAGMの粒子であってよい(更なる表面処理となりうる表面架橋はこれに含まれない)。このようなコーティング及び表面処理工程は当該技術分野では周知のものであり、ケイ酸塩、リン酸塩などの1以上の無機粉末による表面処理、及び、エラストマーポリマー材料、又はフィルム形成ポリマー材料などのポリマー材料のコーティングによる表面処理が含まれる。
【0027】
基材
本発明の装置(1)及び方法によって製造可能な(例えば吸収性)構造は、粒子状材料(100)を受容するための基材を含む。この基材は、任意のシート又はウェブ材料、特に紙、フィルム、織布又は不織布であってよい。
【0028】
本明細書におけるいくつかの実施形態では、基材は、例えば不織布ウェブなどの不織布である。本明細書で使用するところの不織布とは、特定の方向又はランダムな方向に配向された繊維を、摩擦及び/又は粘着及び/又は接着により結合させて製造されたシート又はウェブのことを指し、紙、及び、更に針で縫われるか否かによらず、織る、編む、タフティングする、結合糸若しくはフィラメントを組み込んでスティッチボンディングする、又は、湿式ミリングによってフェルト加工された製品は含まれない。繊維は天然のものでも人工のものでもよく、ステープル又は連続フィラメントであってもよく、あるいはその場で形成することもできる。市販の繊維は、約0.001mm未満〜約0.2mmを上回る範囲の直径を有し、幾つかの異なる形態、すなわち、短繊維(ステープル又は細断繊維として知られる)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、撚り合わせていない連続フィラメントの束(タウ糸)、及び連続フィラメントの撚り束(編み糸)として提供されている。繊維は、例えば異なるポリマーがシートとコアとを形成する、例えばシート/コアの構成を有する複合繊維であってもよい。不織布は、メルトブローイング、スパンボンディング、溶剤紡糸、電界紡糸、及びカーディングなどの多くのプロセスによって形成することができる。不織布の坪量は、通常、1平方メートル当たりのグラム数(gsm)で表される。
【0029】
本明細書における不織布は、親水性繊維で形成することができる。「親水性」とは、繊維の表面に付着する水性の液体(例えば、水性の体液)によって濡らされうる繊維又は繊維の表面のことを述べて言うものである。親水性及び濡れ性は、一般的に、流体の接触角、及び例えば不織布を通過する流体の裏抜け時間によって定義される。これについては、表題が「Contact angle,wettability and adhesion」である、Robert F.Gould(Copyright 1964)編のAmerican Chemical Societyの出版物に詳細に述べられている。
繊維又は繊維の表面は、流体と繊維若しくはその表面との間の接触角が90°未満である場合、又は流体が繊維の表面全体に自然に広がる傾向を有する場合には、流体によって濡れている(すなわち、親水性)と言われ、通常は両方の条件が共存する。逆に、接触角が90°よりも大きい場合、及び流体が繊維の表面全体に自然に広がらない場合には、繊維又は繊維の表面は疎水性であるとみなされる。
【0030】
本明細書における基材は、空気透過性であってもよい。したがって、本明細書において有用なフィルムは微小孔を含みうる。本明細書における不織布は、例えば空気透過性であってもよい。基材は、EDANAによる方法140−1−99(125Pa、38.3cm
2)によって決定される空気透過性が、40又は50〜300又は200m
3/(m
2×分)までのものであってよい。基材はまた、空気透過性が低いものであってもよく、例えば、真空を含む運動表面上に効果的に保持されるように空気不透過性であってよい。
【0031】
好ましい実行形態では、基材は、例えばSMS又はSMMS型の不織布材料、不織布ウェブであり、CD方向の延伸率又はMD方向の延伸率が、例えば20%よりも大きい、又は例えば100%よりも大きいが、例えば200%以下のものであってよい。CD方向の延伸率に対するMD方向の延伸率の比は、所定の荷重下において1:2以下である。
【0032】
更なる例示的な吸収性構造及びコアについて、ここにおいて以下に述べる。
【0033】
装置
本発明の装置(1)は少なくとも以下の要素、すなわち、粒子状材料(100)を受け取り、これを基材に転移するための、リザーバ(50)を有する運動無限表面に粒子状材料(100)を供給するためのフィーダー(30)と、前記表面に隣接するとともに前記フィーダー(30)に隣接する3次元プレート(10)と、リザーバ(50)を有する前記第1の運動無限表面(40)から前記粒子状材料(100)を受け取るための基材を運搬又は輸送するための支持体、通常は第2の運動無限表面(110、200)と、を含む。
【0034】
例示的な装置(1)を
図1に示すが、フィーダー(30)、リザーバ(50)を有する第1の運動無限表面(40)、及び第2の運動無限表面(200)、例えば基材(110)、又は第2の運動無限表面(200)上に支持されうる基材が示されており、前記第1の運動無限表面(40)が回転することにより、粒子状材料(100)が、フィーダー(30)に隣接する合流点から、粒子状材料(100)が前記基材に転移される転移点の方向に移動する。
【0035】
装置(1)は、フィーダー(30)及び第1の運動無限表面(40)から上流及び/又は下流に更なる要素又はモジュールを含んでもよい。これらの要素、及び場合により用いられる更なる要素のそれぞれについて、ここで以下に詳しく述べる。
【0036】
フィーダー(30)
本明細書におけるフィーダー(30)は、通常、まとまった量の粒子状材料(100)を入れて、これを前記第1の運動無限表面(40)へと流すことができるものである。粒子状材料(100)がフィーダー(30)を離れる点又は領域を、本明細書において合流点又は領域と呼ぶものとする。
【0037】
フィーダー(30)は、任意の形態又は形状を有するものでよい。フィーダー(30)は、例えば少なくとも1000cm
3の体積を有する、粒子状材料(100)を入れるための容器部分と、容器部分から運動無限表面へと粒子状材料(100)を案内する1以上の壁(31)を有する、例えばパイプ状部分のような案内部分とを有している。いくつかの実施形態では、フィーダー(30)は、例えば
図1に示されるような容器部分とパイプ状部分とを有する漏斗形の形状を有している。
【0038】
案内部分の壁(31)は容器部分と一体に形成されてもよく、又は容器部分と連結された別の部分であってもよい。
【0039】
同様に図に例示されるいくつかの実施形態では、ここに後述する3次元プレート(10)が、粒子状材料(100)の案内壁を形成する、第4の表面領域を有する第2のプレート面(14)を有しており、第2のプレート面(14)はフィーダー(30)からの壁(31)と対向している。
【0040】
フィーダー(30)は、運動無限表面へと前記材料を排出するための開口部(32)を有し、前記開口部(32)は、第1の運動無限表面(40)に隣接し、通常はこれと近接して配置される開口縁部を有している。
図1及び2にやはり例示されるいくつかの実施形態では、フィーダー(30)の開口部(32)は、第1の運動無限表面(40)に隣接して(例えばその上方に)配置されたフィーダー(30)のパイプ状部分の開口部(32)とみなすことができる。
【0041】
前記開口縁部と前記第1の運動無限表面(40)との間の平均距離は、例えば10cm未満、又は5cm未満であってよく、例えば2cm未満又は1cm未満で、かつ例えば少なくとも0.1mm又は少なくとも1mmでよい。
【0042】
開口部(32)は、円形又は楕円形などの任意の形状を有してよく、いくつかの実施形態では、開口部(32)は長方形である。
【0043】
フィーダーの案内部分及び/又は開口部(32)は、
図2にYfとして示される運動方向(MD)における平均寸法が、例えば最大で140mm、又は例えば最大で80mm、又は最大で60mmであってよく、上記で特定した特定の好ましい粒径の粒子状材料(100)に関連した本発明のいくつかの実施形態では通常、少なくとも10mmでよい。
【0044】
運動方向に垂直な方向では、開口部(32)は、第1の運動無限表面(40)の幅のおよそ少なくとも60%、又は前記幅とほぼ等しい平均寸法を有する。
【0045】
いくつかの実施形態では、フィーダー(30)は、前記第1の運動無限表面(40)への前記粒子状材料(100)の「供給」が重力によって助けられるように、前記第1の運動無限表面(40)の上方に配置される。この点に関し、フィーダー(30)の開口縁部は、第1の運動無限表面(40)の真上(0°)に配置してもよく、あるいは第1の運動無限表面(40)が湾曲している、又は更には例えば図に示されるように円形である場合、前記表面の上方、すなわち90°〜−90°(例えば、9時の位置と3時の位置との間)、又はいくつかの実施形態では60°〜−60°、又は30°〜−30°(開口部(32)の末端縁部と重力の力線との間の角度として測定したもの)の間の任意の位置に配置してもよい。
図5が、例えば第1の運動無限表面(40)の真上に配置されたフィーダー(30)を示しているのに対して、
図1は、30°の位置(11時の位置)に配置されたフィーダー(30)を示している。
【0046】
いくつかの実施形態では、側壁又は壁(31)は重力の力線に(ほぼ)平行であるため、前記粒子状材料(100)は前記第1の運動無限表面(40)に自由に流れることができる。これは例えば
図5に示される。
【0047】
図3を除くすべての図に示されるようないくつかの実施形態では、フィーダーの容器部分はプレート(10)と接触又は近接しており、前記プレート(10)(例えば、ここに後述するような第4の表面積(14)を有するプレートの第2のプレート面)は、フィーダー(30)(の案内部分の)壁(31)とともに粒子状材料(100)の案内壁(31)を形成する。このため、前記粒子状材料(100)もやはり、ここに後述する前記プレート(10)の表面(例えば、第2のプレート面又は第4の表面領域(14))に沿って、通常はその表面と接触しつつ落下しうる。この場合、開口部(及びY f)は、案内手段の壁(31)の縁部と、プレートの第2のプレート面の縁部とによって規定される。
【0048】
別の実施形態では、前記フィーダー(例えば案内部分)がプレート(10)の表面、例えば、ここに後述する前記第4の表面領域(14)を有する前記第2のプレート面と接触する壁(31)を有してもよく、いくつかの実施形態では、フィーダー(30)は更にプレートの第4の表面領域(14)と接触し、かつこれと平行な側壁(31)を有する。このようなフィーダー(30)とプレート(10)の構成は、例えば
図3に示される。前記側壁は、前記表面の運動方向(MD)に対し(前記第1の運動無限表面(40)の、前記壁に隣接する点において)(ほぼ)垂直であってよい。
【0049】
第1の運動無限表面(40)
本明細書における第1の運動無限表面(40)は、回転することで運動無限表面を与えることができる任意の運動表面であってよく、例えば、回転することで無限表面を与えることができる、当該技術分野では周知である輸送ベルト又はシリンダー若しくはドラム若しくは印刷ロールであってよい。
【0050】
第1の運動無限表面(40)は、本明細書においてMD方向と呼ぶ前記表面の運動方向を有している。本明細書における前記第1の運動無限表面(40)の「運動方向(MD)」とは、ここにおいて特定されるような、前記表面の特定の点における運動方向、又は前記表面の特定の領域における平均の運動方向とみなされる。したがって、例えば円形などの湾曲した第1の運動無限表面(40)では、その表面の特定の点における運動方向、又は前記表面の特定の領域の平均の運動方向は、本明細書では、前記点における接線、又は領域の平均接線(これにより、前記接線は前記領域の平均の運動方向となる)を求めることによって求められる。これは例えば
図7及び8に示される。図に示されるように、前記接線はそれぞれ、前記点における曲率半径に対して垂直であるか、あるいは前記表面領域の平均半径に対して垂直である。
【0051】
第1の運動無限表面(40)は一般的に、例えば図に示されるようなシリンダー又はドラムのような特定の半径を有する回転装置である。第1の運動無限表面(40)の半径は、どのような構造を製造するか、及びどの程度の大きさの構造を製造するか、更に、例えば第1の運動無限表面(40)(例えばドラム)の1サイクル毎に何個の構造を製造するかに応じて決めることができる。例えば、ドラムは少なくとも40mm、又は少なくとも50mmの半径(65)を有してよく、例えば最大で300mm、又は最大で200mmでよい。
【0052】
第1の運動無限表面(40)は任意の適当な幅を有しうるが、例えば、製造される構造の幅と(ほぼ)一致した(MD方向に対して垂直な)幅を有してよく、これは例えば少なくとも40mm、若しくは少なくとも60mm、又は例えば最大で400mm、若しくは最大で200mmでよい。
【0053】
第1の運動無限表面(40)は、対向する側面領域と、これらの間の、MD方向の全表面に沿った中央領域とを有し、前記リザーバ(50)が前記中央領域のみに存在することが有用である場合がある。これにより表面の幅の寸法が、代わりに中央領域の幅に適用されうる。
【0054】
第1の運動無限表面(40)のMD、半径、幅などの第1の運動無限表面(40)の諸特性を決定する目的で、リザーバ(50)が存在していない表面領域(各リザーバ(50)間の領域)がこのような決定に用いられることは理解されるはずである。この各リザーバ(50)間の表面領域を、本明細書においては前記第1の運動無限表面(40)の「外側表面領域」と呼ぶ。したがって、いくつかの実施形態では、第1の運動無限表面(40)がリザーバ(50)を有する表面を有するドラムであり、前記リザーバ(50)が前記ドラム内に突出し、前記外側表面領域によって囲まれているものとなる。
【0055】
リザーバ(50)は、立方体、直方体、円筒状、半球状、円錐状、又は他の任意の形状を含む任意の寸法及び形状を有してよい。第1の運動無限表面(40)は、粒子状材料(100)で充填することが可能な空隙体積を有するリザーバ(50)を含む。これは任意の適当な数のリザーバであってよいが、例えば少なくとも20個、又は少なくとも50個である。
【0056】
リザーバ(50)は同じリザーバ(50)として存在してもよく、あるいは寸法又は形状が異なってもよい。リザーバ(50)は前記第1の運動無限表面(40)の表面全体に所定のパターンで存在してもよく、あるいは前記表面全体に均一に存在してもよい。リザーバ(50)の正確なパターン、寸法などは、形成される必要な構造によって決まるが、例えば粒子状材料(100)の粒径、処理速度などによっても決まる。いくつかの実施形態では、上記に述べた第1の運動無限表面(40)又はその前記中央領域の表面積の少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、又は少なくとも50%は、前記リザーバ(50)からなる。
【0057】
リザーバ(50)は、MD方向のリザーバ(50)の縦列とCD方向(MD方向に垂直な方向)の横列として存在してもよい。また、リザーバ(50)は、例えばいわゆる交互の横列及び/又は縦列として存在してもよい(これにより、交互のリザーバ(50)は横列及び/又は縦列を形成する)。
【0058】
あるリザーバ(50)の中心点(前記中心点は第1の運動無限表面(40)の外側表面の平面内にある)と、(リザーバ(50)の縦列において)隣り合うリザーバ(50)の中心点との間のMD方向の距離は、例えば少なくとも3mm、若しくは少なくとも4mm、若しくは少なくとも6mm、又は例えば最大で40mm、若しくは最大で30mm、若しくは最大で20mmでよい。これは、MD方向の隣り合うリザーバ(50)間のすべてのこうした距離について当てはまってもよく、あるいはすべてのこうした距離についての平均であってもよい。
【0059】
あるリザーバ(50)の中心点(前記中心点は第1の運動無限表面(40)の外側表面の平面内にある)と、(リザーバ(50)の横列において)隣り合うリザーバ(50)の中心点との間のCD方向の距離も、例えば上記のようなものでよい。
【0060】
前記縦列は互いに対してほぼ平行かつ互いから等間隔で延びてよく、かつ/又は前記縦列は互いに対してほぼ平行かつ互いから等間隔で延びてよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、リザーバ(50)のMD方向の寸法(第1の運動無限表面(40)の外側表面にわたって測定したすべてのリザーバ(50)についての平均及び/又は各リザーバの寸法)は、少なくとも1mm、又は少なくとも2mm、又は少なくとも4mm、及び例えば最大で20mm、又は最大で15mmでよい。CD方向の寸法は上記と同じ範囲内であってもよく、又は1以上若しくは各リザーバについてMD方向の寸法と同じであってもよい。
【0062】
リザーバ(50)は任意の適当な深さ方向の寸法を有しうるが、深さ方向の寸法は、例えば第1の運動無限表面(40)の高さ(例えば半径)、製造される所望の構造の厚さ/キャリパー、材料の粒径などによって決めることができる。リザーバ(50)及び/又はすべてのリザーバ(50)の最大の深さ、及び/又は平均の最大深さ(すべてのリザーバ(50)のすべての最大の深さについての平均)は、例えば少なくとも1mm、若しくは少なくとも1.5mm、又は例えば2mm以上、かつ例えば最大で20mm、若しくは最大で15mm、又は本明細書におけるいくつかの実施形態では、最大で10mm、若しくは最大で5mm、若しくは最大で4m
mでよい。
【0063】
本明細書におけるいくつかの実施形態によれば、リザーバ(50)のMD方向の寸法(平均及び/又はすべてのリザーバ(50))は2〜8mm又は3mm〜7mmであってよく、更にリザーバ(50)の最大深さ及び/又は平均の最大深さは、例えば1.5mm〜4mm、又は3mmまでであってよい。
【0064】
第1の運動無限表面(40)はフィーダー(30)に隣接するとともにプレート(10)に隣接し、ここにおいて述べるような前記基材に隣接することが好ましい。第1の運動無限表面(40)は、フィーダー(30)を通過して合流点又は合流領域において粒子状材料(100)をリザーバ(50)内に受け取り、次いで前記粒子状材料(100)を転移位置又は転移領域へと(「下流に」)搬送し、ここで粒子状材料(100)が、いくつかの実施形態では前記第2の運動無限表面(110、200)へと直接、又はその方向に、前記第1の運動無限表面(40)を離れるように回転する。前記第2の運動無限表面(200)は、運動基板(110)又は運動支持体上の基材(110)であってよい。
【0065】
粒子状材料(100)をリザーバ(50)内に保持する1つの可能性として、例えばドラムである第1の運動無限表面(40)の内側に、リザーバ(50)の(底)の吸引孔と組み合わせて真空(60)を作用させることによって、粒子状材料に真空吸引を作用させることができる。真空吸引は、例えば、図において矢印(60)及び(61)によって例示されている。真空(60、61)は例えば転移点の直前又は転移点、例えば第1の運動無限表面(40)が前記第2の運動無限表面(110、200)と隣接かつ対向する点において解放される(矢印62により示される)。真空(60)は、例えば少なくとも10kPa、又は少なくとも20kPaなどの任意の真空圧であってよい。
【0066】
真空(60)は、前記第1の運動無限表面(40)に(例えば、その内部に)複数の真空チャンバを設けることによって与えることができ、プロセスにおけるその位置に応じて作用又は解除(例えば、矢印(62)により示される)(接続又は切断)することができる。例えば、真空チャンバが転移点に達すると真空が切断され(62)、粒子が表面から基材へと流れることが可能となり、粒子状材料(100)がフィーダー(30)からリザーバ(50)に流れる合流点に前記チャンバが達すると真空(60)が作用する(接続される)。
【0067】
更なる空気圧を転移点の近く又は転移点において前記粒子状材料(100)に作用させることにより、リザーバ(50)から第2の運動無限表面(110、200)へと材料が確実に流れるようにすることができる。
【0068】
下記に更に述べるいくつかの実施形態では、第1の運動無限表面に隣接するプレート(10)の面は、前記リザーバ(50)の「カバー」として機能することにより、前記リザーバ(50)内における粒子状材料(100)の保持を補助する、前記第1の運動無限表面(40)と近接し、かつこれとほぼ平行な第3の表面領域(13)を有する。これに関し、前記第3の表面領域(13)は、後述するように、前記転移点又はその付近まで前記リザーバ(50)内に前記粒子状材料を保持するために大きくてよい。これは例えば
図7及び8に例示される。
【0069】
3次元プレート
本発明は、特定の圧力手段の使用によって充填される改良されたリザーバ(50)を提供する。したがって、本発明のいくつかの実施形態では3次元プレート(10)が用いられる。前記プレート(10)は、合流点/領域から下流に配置され、前記フィーダー(30)に隣接するとともに前記第1の運動無限表面(40)に隣接して設けられる。すなわち、フィーダー(30)は、プロセスの方向、例えば第1の運動無限表面(40)の運動方向(MD)におけるプレート(10)の手前に配置される。したがって、粒子状材料(100)の少なくとも一部は、一般的にプレート(10)の第1の表面領域(11)と接触する前に、第1の運動無限表面(40)と接触することは理解されるはずである。
【0070】
プレート(10)は、前記第1の運動無限表面(40)に隣接し、かつこれに(ほぼ)面する(対向する)前記プレート(10)の表面である、「プレート面」を有している。
【0071】
プレート(10)面は、例えば
図1及び
図2に示されるような「丸味を帯びた角度」、又は実角で互いに接続された少なくとも第1の表面領域(11)及び第2の表面領域(12)を含んでいる。
【0072】
例えば
図1及び
図2に示されるようないくつかの実施形態では、前記プレート面はプレート(10)の湾曲した側であり、ここに後述するような平均の「角度」を有する、本明細書において「丸味を帯びた」角度と呼ぶ所定の曲率で互いに接続された第1の表面領域(11)及び第2の表面領域(12)を含む。存在する場合、後述するように第3の表面領域(13)が、平均を有する丸味を帯びた角度である所定の曲率で第2の表面領域に更に接続されてもよい。
【0073】
これに加えるか又はこれに代えて、プレート面は、例えば
図7に示されるような所定の角度を有する縁部を介し、所定の角度で互いに接続された第1及び第2の表面領域、更に、
図7に示されるように、例えば所定の角度を有する縁部により前記第2の表面領域(12)に接続された、例えば第3の表面領域を有してもよい。
【0074】
しかしながら、いくつかの実施形態では、第1の表面領域と第2の表面領域、及び/又は、存在する場合には前記第2の表面領域と第3の表面領域、及び/又は、存在する場合には前記第1の表面領域と第4の表面領域とが、(例えばいずれも)所定の曲率、すなわち、例えば
図7に示されるような丸味を帯びた縁部により(丸味を帯びた角度で)接続されることが好ましい。
【0075】
プレート面は、前記第1の運動無限表面(40)に対向かつ隣接し、前記第1の運動無限表面(40)にほぼ平行な第1の表面領域(11)を含む。
【0076】
本明細書において、「第1の表面領域(11)が第1の運動無限表面(40)とほぼ平行である」と言う場合、これは、1)例えば
図1、2、及び3に示されるように、前記第1の表面領域(11)が前記第1の運動無限表面(40)の対向する表面領域(前記第1の表面領域(11)が前記第1の運動無限表面(40)と重なる領域)と平行であるか、あるいは、2)例えば
図7に示されるように、前記第1の表面領域(11)と前記第1の運動無限表面(40)の前記対向する表面領域とが、最大で30°、又は本明細書のいくつかの実施形態では一般的に最大で20°の角度及び平均角度をなして配置されていることを意味する。後者の場合では、第1の表面領域(11)は、そのフィーダー(30)に最も近い縁部(上流側縁部)が、第2の表面領域に接続された縁部(下流側縁部)よりも第1の運動無限表面(40)から離れているように配置されなければならない。
【0077】
第1の表面領域(11)が対向する第1の運動無限表面(40)と平行又はほぼ平行であるか否かに関わらず、いくつかの実施形態では、第1の表面領域(11)は平坦な表面かつ/又は滑らかな表面であることが好ましい場合がある。
【0078】
いくつかの実施形態では、第1の表面領域(11)と第1の運動無限表面(40)の対向する領域との間の距離は、粒子状材料(100)の最大又は平均粒径の平均で15倍未満又は10倍未満であるが、前記平均粒径に少なくとも等しいか、少なくともその2倍、若しくは少なくともその4倍であり、かつ/又は最大粒径の少なくとも1倍若しくは少なくとも2倍である。いくつかの実施形態では、この平均距離は、ここにおいて下記により詳しく述べるように、前記プレート面の第1の表面領域(11)の下に存在する粒子状材料(100)の量に応じて変わりうる。したがって、上記の平均距離は特定の圧力下で適用されるか、あるいは平均の動作圧、例えば2.5barにおける平均距離でありうる。
いくつかの実施形態では、平均距離はリザーバ(50)の(例えば平均の)最大深さに等しいか又はこれよりも大きく、例えば少なくとも1.2倍、又は1.4倍若しくは1.5倍である。
【0079】
プレート面の前記第1の表面領域(11)は第1の運動無限表面(40)と近接し、前記第1の表面領域(11)と前記第1の運動無限表面(40)との間に、プロセスの間に粒子状材料(100)が存在する所定の体積を規定する。これにより、前記第1の表面領域(11)は、前記粒子状材料(100)又はその一部に圧力を作用させてこれを前記リザーバ(50)内に案内する(又は場合により、押しやるあるいは押し込む)。前記圧力及び第1の表面領域(11)に垂直な圧力の方向は、例えば
図7及び
図8に矢印によって示されている。本明細書におけるいくつかの実施形態では、前記第1の表面領域(11)によって加えられる前記圧力は、前記第1の運動無限表面(40)の運動方向(MD)に対してほぼ垂直(例えば
図7に示される)か、又は垂直(例えば
図8に示される)である。
【0080】
本明細書において、前記プレート(面)の前記第1の表面領域(11)によって前記粒子状材料(100)に加えられる圧力が、前記第1の運動無限表面(40)の「運動方向にほぼ垂直である」と言う場合、これは本明細書では、前記第1の表面領域(11)の圧力の平均の方向(第1の表面領域(11)の平均の方向に対して垂直な方向とみなされる)が、前記第1の運動無限表面(40)の対向する表面領域の平均の運動方向に対して垂直であるか、あるいは、前記第1の表面領域(11)の圧力の平均の方向が、前記対向する表面領域の前記平均の運動方向に対して少なくとも60°、又は一般的に少なくとも70°の角度をなすことを意味する。
【0081】
本明細書におけるいくつかの実施形態では、前記第1の表面領域(11)は、前記第1の運動無限表面(40)と平行であるために対向している(重なっている)。前記第1の運動無限表面(40)が、例えば所定の半径を有するドラムのように所定の半径で湾曲している場合、前記第1の表面の曲率半径は概ね同じ、例えば互いの20%以内又は10%以内であってよい。本明細書におけるいくつかの実施形態では、第1の表面領域(11)は前記第1の運動無限表面(40)の曲率半径(例えばドラムの半径)と同じ曲率半径で湾曲している。
【0082】
プレート面は、第1の運動無限表面(40)又はその中央領域の幅と概ね等しい幅を有してよい。
【0083】
プレート面の第1の表面領域(11)のMD方向の長さ又は平均の長さは、例えば少なくとも2mm、又は少なくとも4mm、又は少なくとも6mm、又は少なくとも10mmであってよい。
【0084】
これに代えるか又はこれに加えて、第1の表面領域(11)のMD方向の長さは、ここにおいて定義されるMD方向の隣り合うリザーバ(50)の中心点間の平均距離の寸法に少なくとも等しく、好ましくは前記距離の前記寸法の少なくとも1.5倍、又は前記距離の前記寸法の少なくとも2倍、又は前記距離の前記寸法の少なくとも2.5倍であってよい。
【0085】
これに代えるか又はこれに加えて、第1の表面領域(11)のMD方向の長さは、ここにおいて定義されるMD方向の平均のリザーバの寸法に少なくとも等しく、好ましくは前記寸法の少なくとも1.5倍、又は前記寸法の少なくとも2倍、又は前記寸法の少なくとも2.5倍、又は前記寸法の少なくとも3倍であってよい。
【0086】
上記に述べたように、前記第1の表面領域(11)が所定の曲率を有する前記第2の表面領域(12)に接続される場合、前記第1の表面領域(11)の前記寸法は、例えば
図3にY
11として示されるように、前記曲率の中心線によって範囲が決まる。同様なことが、ここにおいて以下に述べる第2及び第3及び第4の表面領域(14)のMD方向の寸法についても当てはまる。
【0087】
プレートは更に、第1の表面領域(11)から(MD方向に)下流に配置される、前記第1の表面領域(11)に隣接する第2の表面領域(12)を含む。前記第2の表面領域(12)は、前記第1の運動無限表面(40)に対して非平行であり、前記第1の表面領域(11)から、好ましい1つの例では完全にではないが、前記第1の運動無限表面(40)の方向に向かい、前記第1の表面領域(11)と前記第2の表面領域(12)とは互いに所定の曲率又は角度で接続され、前記第2の表面領域(12)は前記第1の運動無限表面(40)に対して10°〜80°の平均角度を有し(前記角度は、前記第2の表面領域(12)と前記第1の運動無限表面(40)との間の角度であり、プロセスの間に粒子状材料(100)が存在する領域を規定する)、いくつかの実施形態では、この角度は60°未満、若しくは50°未満である。いくつかの実施形態では、角度は少なくとも20°、若しくは少なくとも30°であり、又はいくつかの実施形態では、少なくとも40°であり、このような大きな角度は
図8に見られる。
【0088】
好ましい一実施形態では、第1の表面領域(11)は対向する第1の運動無限表面(40)に対して平行であり、前記第2の表面領域(12)は上記に述べたような所定の角度をなす。
【0089】
第2の表面領域(12)は、第1の運動無限表面(40)の運動方向に対して非垂直な圧力を加えることができる。本明細書において、前記プレート(面)の前記第2の表面領域(12)によって前記粒子状材料(100)に加えられる圧力が、「第1の運動無限表面(40)の運動方向に対して非垂直な圧力」であると言う場合、前記第2の表面領域(12)による圧力の平均の方向(第2の表面領域(12)の平均の方向に垂直な方向とみなされる)が、前記第1の運動無限表面(40)の、前記第2の表面領域に対向する(重なる)領域内で平均のMD方向と60°未満の角度をなすことを意味する。しかしながら一般的に平均の圧力は、MD方向に対して非平行であり、例えば前記角度は少なくとも10°である。
【0090】
第2の表面領域(12)は、真っ直ぐな又は湾曲した表面領域であってよい。第2の表面領域(12)は、滑らかな表面を有することが好ましい場合もある。
【0091】
プレート面の第2の表面領域(12)のMD方向の長さ又は平均の長さは、例えば少なくとも2mm、又は少なくとも4mm、又は少なくとも6mmであってよい。これに代えるか又はこれに加えて、第2の表面領域(12)のMD方向の長さは、上記に定義したMD方向の2個の隣り合うリザーバ(50)の中心点間の平均距離の寸法に少なくとも等しく、好ましくは前記距離の前記寸法の少なくとも1.5倍であってよい。これに代えるか又はこれに加えて、第2の表面領域(12)のMD方向の長さは、ここにおいて定義されるMD方向のリザーバ(50)の平均寸法に少なくとも等しく、好ましくは前記寸法の少なくとも1.5倍であってよい。
【0092】
第1の表面領域(11)と第2の表面領域(12)とは所定の角度で接続、すなわち、所定の角度を有する縁部(例えば、
図7に示される)を介して接続されるか、あるいは例えば他のすべての図面において示されるような平均の「角度」を有する湾曲領域/曲率によって接続される。例えば、第1及び第2の表面領域(12)の間の角度又は平均の「角度」は、100°〜170°、又は少なくとも120°、又は少なくとも130°、かつ好ましくは160°未満、又は150°未満であってよい。
【0093】
プレート面は、第1の表面領域(11)について上記に定義した第1の運動無限表面(40)とほぼ平行な、
すなわち、いくつかの実施形態においては、前記第1の運動無限表面(40)と平行であるか、又は10°未満若しくは5°未満の平均角度をなす第3の表面領域を有してもよい。
【0094】
第3の表面領域(13)は、前記第1の運動無限表面(40)と近接又は場合により部分的に接触する。いずれにしても、プレート面の第3の表面領域(13)は、プレート面の前記第1の表面領域(11)よりも前記第1の運動無限表面(40)により近くなっている。
【0095】
第3の表面と第1の運動無限表面(40)との間の平均距離は、2mm未満、又は1mm未満であってよく、いくつかの実施形態では0.5mm未満であってよい。これに代えるか又はこれに加えて、平均距離は例えば粒子材料の最大粒径に概ね等しいか、又はそれよりも小さくてもよい。例えば、
図8は、一定の粒子状材料(100)が第3の表面領域と前記第1の運動無限表面(40)との間の空間に依然として存在しうるように、第3の表面領域(13)が第1の運動無限表面(40)から間隔を隔てている様子を示しており、前記平均距離は例えば粒子状材料(100)の質量平均粒径よりも(わずかに)大きいか、又はこれに概ね等しくなっている。
【0096】
第3の表面領域(13)の(MD方向の)長さは例えば少なくとも2mm、又は少なくとも4mm、又は少なくとも6mm、又は少なくとも10mm、又は少なくとも20mm、又は少なくとも30mmであってよい。
【0097】
上記に述べたように、第3の表面領域(13)は、前記粒子状材料(100)が前記リザーバ(50)内に確実に留まるように、前記リザーバ(50)の「フタ」として機能しうる。したがって、第3の表面領域(13)は、例えば、MD方向の(平均の)リザーバ(50)の寸法、及び/又は上記に述べたようなMD方向の2個の隣り合うリザーバ(50)の中心点間の距離の寸法の少なくとも4倍、又は少なくとも8倍、又は少なくとも12倍であってよい。
【0098】
プレートはフィーダー(30)に隣接して下流に配置されているために、フィーダー(30)による(第1の運動無限表面(40)への、又はその方向への)放出の直後に、プレートは粒子状材料(100)と接触することができる。したがって、装置(1)におけるプレートの位置は、フィーダー(30)の位置、例えばフィーダー(30)の案内部分及び/又は壁(31)の位置によって大部分決まる。いくつかの実施形態では、装置(1)におけるプレート(10)の位置は、プレート面の第1の表面領域(11)の外側縁部/曲率(15)が第1の運動無限表面(40)のほぼ上、例えばフィーダー(30)の真上、又はここにおいて上記に述べたように、例えば60°〜−90°(3時)若しくは−60°まで、又は30°〜−60°若しくは−30°までの角度をなして配置されるようなものでよい。
【0099】
プレートは、前記フィーダー(30)の近傍、又はこれと隣接、又は近接、又は更には接続されている第4の表面領域(14)を含み、第1の運動無限表面とは対向していない、第2のプレート面を有してもよい(したがって前記第4の表面領域(14)は、前記第1、第2、及び場合により用いられる第3の表面領域を含むプレート面の一部ではなく、例えば本明細書において第2のプレート面と呼ぶ、プレート(10)の別の側面(の一部)である)。
【0100】
第4の表面領域/第2のプレート面は、前記第1の表面領域(11)と、例えば少なくとも70°又は少なくとも80°、かつ最大で110°又は100°、更に例えば約90°の所定の角度又は平均「角度」を有する曲率(15)により一般的に直接、隣接及び接続されている。
【0101】
前記第2のプレート面(14)又は前記第4の表面領域(14)は、場合により、上記に述べたように前記粒子状材料(100)と接触し、前記粒子状材料(100)を前記第1の運動無限表面(40)の方向に案内してもよい。
【0102】
プレート(10)がプロセスの間に、例えば圧力の変化に応じて動くことが可能である場合、第4の表面領域(14)はフィーダー(30)には取りつけられずに、フィーダー(30)と近接するのみでよい。
【0103】
第4の表面領域(14)/第2のプレート面はフィーダー(30)の容器部分の延長部分となるように配置することができ、例えば
図1及び
図5に示されるように、粒子状材料(100)を容器部分から第1の運動無限表面(40)の方向に案内する。また、第4の表面領域(14)/第2のプレート面は、フィーダー(30)の案内部分、例えば壁(31)の延長部分となるように配置することもでき、これにより、例えば
図6に示されるように、粒子状材料(100)がフィーダー壁(31)によって、次いでプレート(10)の第4の表面領域(14)によって容器部分から第1の運動無限表面(40)の方向に案内される。
【0104】
第4の表面領域(14)/第2のプレート面は、その第4の表面領域(14)/第2のプレート面の下の第1の運動無限表面(40)の運動方向(MD)にほぼ垂直であってよい。
【0105】
第4の表面領域(14)又は第2のプレート面の平均の(例えば、第1の運動無限表面(40)の運動方向にほぼ垂直な)高さ寸法は、例えば少なくとも2mm、又は少なくとも4mm、又は少なくとも6mm、又は少なくとも10mm、又は少なくとも20mmであってよい。
【0106】
例えば第1のプレート面を介して、粒子状材料(100)上にプレート(10)によって加えられる(外部の)圧力は、重力によって生ずる圧力であってよく、そのため、プレート(10)は、例えば少なくとも500グラム、又は少なくとも750グラム、好ましくは少なくとも1000グラム、かついくつかの実施形態では最大で5000グラムの重量を有してよい。このような場合、プレート(10)は、上記に述べたように第1の運動無限表面(40)の上に配置される。これに加えて又はこれに代えて、圧力作用手段をプレート(10)に接続してここに述べるような圧力を加えることもできる。
【0107】
いくつかの実施形態では、プレート(10)は前記粒子上に制御可能な特定の圧力を加え、例えば、一定の圧力又は時間的に変化する圧力に設定することができる。これを本明細書では制御された外部圧力と呼ぶ。いくつかの実施形態では、この圧力はほぼ一定に、あるいは設定された範囲内に維持される。例えばこの圧力範囲又は一定の圧力は、例えば1〜4bar、又は1.5〜3.5bar、又は1.5〜3bar若しくは2.5barまでの範囲であってよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、プレート(10)は圧力制御手段に接続され、前記圧力制御手段(20)は、
−前記粒子状材料(100)による前記プレート(10)面上への圧力を感知し、
−これに応じて、例えば、前記粒子状材料(100)上への前記プレート(10)(プレート面)の圧力又は力を調節することが可能なものである。
【0109】
圧力制御手段(20)は、プレート面の第1の表面領域(11)と第1の運動無限表面(40)との間の平均距離を調節するための手段、及び/又は、外部圧力を変化させるための手段を含みうる。
【0110】
圧力制御手段(20)は、ヒンジ、ばね、又は特にアクチュエータ(20)などの、特定の圧力を維持する、又は特定の圧力を調節するための当該技術分野では周知の任意の手段であってよい。
【0111】
アクチュエータ(20)は、i)前記粒子状材料による前記プレート(10)(面)上への圧力を感知し、これに応じて、ii)前記第1の運動無限表面(40)に近づく、又はこれから遠ざかるプレート(10)の運動を生じさせ、かつ制御するようなものでよい。
【0112】
当該技術分野では周知の任意のアクチュエータ(20)を使用することが可能である。
アクチュエータ(20)は、一般的に、入力信号に応じて機械的運動を行う機械的、空圧、液圧、又は電気的装置であってよい。本発明の場合では、粒子状材料(100)によるプレート上への圧力がアクチュエータ(20)への信号であり、前記圧力信号が例えば前記プレート(10)の(機械的)運動に変換されることが好ましい場合がある。
【0113】
いくつかの実施形態では、圧力制御手段(20)は、粒子状材料(100)によって前記プレート(10)上に特定の高すぎる圧力が加えられた場合に、プレート(10)が第1の運動無限表面(40)から遠ざかる方向に動く、例えば、前記第1及び第2、並びに場合により第3の表面領域と、前記第1の運動無限表面(40)との間の距離が増大するようなものである。これにより、プレート(10)の外部圧力は、例えば上記に述べたようにほぼ一定に保たれる。
【0114】
これにより、プレート(10)の下に過剰な粒子状材料(100)が蓄積することが防止され、かつ/又は粒子状材料(100)が押し固められすぎてキャビティー内に案内できなくなったり、あるいは余分な材料として装置(1)から取り除けなったりすることが防止される。
【0115】
圧力手段:
いくつかの実施形態では、装置(1)は、例えば、前記粒子状材料(100)の少なくとも一部、又は一部に圧力を加えるための、前記第1の運動無限表面(40)に隣接するとともに前記フィーダー(30)に隣接又は組み込まれるようにして配置されている装置のような第1の圧力手段を含む。前記圧力は、ここにおいて下記に定義する前記運動無限表面の運動方向(MD)にほぼ垂直な方向であり、いくつかの実施形態では、重力の方向とほぼ平行である。
【0116】
装置(1)は更に、前記粒子状材料(100)の少なくとも一部、又は一部に圧力を加えるための、前記第1の運動無限表面(40)に隣接するとともに前記第1の圧力手段に隣接し、第1の圧力手段から下流に配置された第2の圧力手段を一般的に含む。後述するように、(所定の領域内の)前記圧力は、前記運動無限表面の運動方向(MD)に非垂直な方向である。
【0117】
前記第2の圧力手段は、前記第1の運動無限表面(40)の運動方向(MD)に実質的に非平行な、例えば前記第1の運動無限表面(40)と10°〜80°の平均角度をなす圧力作用表面を有してもよい。
【0118】
前記第1の圧力手段は、前記圧力表面と前記第1の運動無限表面(40)との間に粒子状材料(100)が存在する場合に、前記粒子状材料(100)の少なくとも一部と接触して、これに圧力を加えるための、前記第1の運動無限表面(40)の運動方向(MD)にほぼ平行な圧力作用表面を有してもよい。
【0119】
装置(1)及び圧力制御手段(20)の性質及び詳細は、上記の第1及び第2の圧力手段に関して本発明に同様に当てはまる。更に圧力手段は、プレートについてここにおいて述べた他の性質及び詳細のいずれを有してもよい。
【0120】
更に、本明細書におけるいくつかの実施形態では、プレート(10)の第1の表面領域(11)の性質及び詳細は、上記の第1の圧力手段に同様に当てはまり、プレート(10)の第2の表面領域(12)の性質及び詳細は、前記第2の圧力手段に同様に当てはまる。
【0121】
第2の運動無限表面、及び場合により用いられる更なる装置の要素(ユニット)、その結果得られる構造
粒子状材料(100)は、第1の運動無限表面(40)によって第2の運動無限表面(110、200)に転移される。これは例えばベルト又はドラムであってよく、又は例えば、フィルム(例えばフィルムウェブ)、若しくは本明細書におけるいくつかの実施形態では不織布(例えば不織布ウェブ)のような運動基材(110)であってもよい。第2の運動無限表面(110、200)は、例えば、ベルト又はドラムのような運動無限表面上に担持された基材(110)であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の運動無限表面(200)は、接着剤及び/又は粒子状材料(100)などの別の要素を有する基材(110)のウェブである。
【0122】
第2の運動無限表面(110、200)は第1の運動無限表面(40)と同じ表面速度を有してもよく、又は異なる速度を有してもよい。いくつかの実施形態では、第2の運動無限表面(110、200)は、少なくとも1000部品/分の速度、及び/又は少なくとも4.5m/s、又は少なくとも6m/s、又は少なくとも8m/sの速度を有する。
【0123】
粒子状材料(100)は、転移点又は転移領域において第1の運動無限表面(40)(すなわち、そのキャビティー)から前記第2の運動無限表面(110、200)に転移する。転移点は、粒子状材料(100)がキャビティーから放出されはじめ、第2の運動無限表面(110、200)に転移されはじめる点(例えば、第1の運動無限表面(40)の幅に平行な線)である。転移が起こる領域全体のことを本明細書では転移領域と呼ぶ。
【0124】
本明細書におけるいくつかの実施形態では、第2の運動無限表面(200)は、ロール、ドラム又はベルトなどの運動無限支持体上に担持された基材(110)である。この支持体は、前記支持体上に基材を保持するために、前記基材(110)に真空を作用させることが可能な真空手段及び開口部を含んでもよい。
【0125】
いくつかの実施形態では、第1の運動無限表面(40)が回転し、第2の運動無限表面(110、200)が第1の運動無限表面(40)のほぼ下に例えば配置されることにより、粒子状材料(100)が、重力により転移点又は転移領域において前記第2の運動無限表面(110、200)に転移することができる。したがって転移点は、重力の力線に平行であるか、あるいは重力の力線と60°〜−60°、又は30°〜−30°の角度をなす位置でよい。
【0126】
基材(110)は、粒子状材料(100)を基材(110)に少なくとも部分的に接着するために接着剤を含んでもよい。接着剤を有する基材(110)に真空をより効果的に作用させるため、接着剤を所定のパターンで塗布することによって、基材(110)の部分は接着剤を含まず、基材(110)の部分は接着剤を含むようにしてもよい。このパターンは、第1の運動無限表面(40)のリザーバ(50)のパターンに一致したものでもよい。
【0127】
第2の運動無限表面(110、200)への粒子状材料(100)の転移後、前記表面が粒子状材料(100)を更なるユニット(本発明の装置(1)の一部であってよい)に移行することにより、更なる材料を粒子状材料(100)及び/又は基材(110)に塗布することもできる。更なる材料には、例えば更なる(下流の)接着剤ユニットによって塗布される1以上の更なる接着剤、及び/又は、更なる基材(110)、切断ユニットなどを担持している更なる(下流の)回転支持体によって適用される更なる基材(110)が含まれうる。
【0128】
いくつかの実施形態では、第2の運動無限表面(200)は(例えば支持体上の)基材(110)であり、前記基材(110)への粒子状材料(100)の転移後、基材(210)は、例えば繊維状の接着材料及び/又は熱可塑性材料及び/又は接着性熱可塑性材料を塗布して、粒子状材料(100)又はその一部を被覆するユニットに移動する。別の、又は更なる実施形態では、粒子状材料(210)を有する基材は、粒子状材料(100)上に、又は場合により前記接着材料及び/若しくは熱可塑性材料及び/若しくは熱可塑性接着材料上に更なる基材(110)を塗布するユニットに移動する。
【0129】
前記更なる基材(110)は、前記基材(110)を粒子状材料(100)により効果的に接着するために、粒子状材料(100)(又は場合により前記熱可塑性材料及び/又は接着材料及び/又は熱可塑性接着材料)と接触する面上に接着剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、粒子状材料(210)を(例えば、層として)有する基材は更なるユニットに移行し、ここで、例えばここにおいて述べる要領で本発明の装置(1)によって製造された粒子状材料(100)を(例えば、層として)有する第2の基材がその上に重ねられることによって、例えば基材(110)と更なる基材とによって前記粒子状材料(100)が挟み込まれる(例えば、前記2つの粒子状材料の「層」)。いくつかの実施形態では、本発明の装置(1)及び本発明の方法によって製造された粒子状材料(210)を有する基材は本発明の更なる装置(1)に移行し、更なる装置(1)が、粒子状材料(210)を有する前記基材上に(場合により、前記熱可塑性材料及び/又は接着材料及び/又は熱可塑性接着材料上に)粒子状材料(100)を転移する。
【0130】
したがって、本発明の装置(1)は、前記第1の運動無限表面(40)の上流及び/又は下流に、接着剤塗布ユニット及び/又は基材適用ユニットなどの1以上のユニットを含んでもよい。このような接着剤塗布ユニットは、当該技術分野では周知の任意のタイプ、特にスロットコーティングユニット及びスプレイユニットから選択することができる。
【0131】
したがって結果として得られる、粒子状材料(210)を有する基材は、本明細書における構造のウェブ(場合により、上記に述べられる更なる材料のいずれかと組み合わされる)であってよく、次いでこれは、粒子状材料(210)を有する基材(例えば、構造のウェブ)を個々の構造、例えば、吸収性物品の吸収性コア、又は吸収性物品若しくは部分的な吸収性物品に切断する切断ユニットに移行してもよい。次いでこのような吸収性コア又は部分的な吸収性物品は、ここに後述する更なる吸収性物品要素と組み合わされて最終的な吸収性物品を形成してもよい。
【0132】
前記基材(110)の支持体は、例えば、前記第2の運動無限表面(110、200)の運動方向に沿って延び、互いに(ほぼ)平行かつ(等間隔の)間隔を隔てて延びる複数の棒部材と、及び/又は前記第2の運動無限表面(110、200)の運動方向に垂直な方向に沿って延び、互いに(ほぼ)平行かつ(等間隔の)間隔を隔てて延びる複数の横棒部材とを有する格子からなるものでよく、前記横棒部材又は棒部材はそれらの間に「溝」を形成するか、あるいは横棒部材及び棒部材が両方とも存在する場合には、それらの間に「凹み」を形成する。これにより、第1の運動無限表面(40)のリザーバ(50)が溝の島又は部分と(装置内において/転移プロセスの際に)一致し、粒子状材料(100)がリザーバ(50)から前記溝内に、又は前記凹み内に転移されうる。支持格子は、棒部材及び/又は横棒部材の間に、ひいては島又は溝を形成する、格子によって支持された基材(110)の領域に真空を作用させる真空手段を有する通気された支持格子であってよい。
【0133】
本明細書におけるいくつかの実施形態では、転移後にウェブ材料の形態のカバーシート材料が前記第2の運動無限表面(110、200)上の粒子状材料(100)を覆って配されることにより、前記粒子状材料(100)を覆い、通常は粒子状材料(100)を前記カバーシートと前記基材(110)との間に包囲する。
【0134】
いくつかの実施形態では、粒子状材料(100)は基材(110)の長手方向(MD方向)に延びる部分に配置され、長手方向(MD方向)に延びる部分は粒子状材料(100)が配置されない状態で残る。次いで、粒子状材料(100)の転写後に、粒子状材料(100)のない部分を前記粒子状材料(100)の上に折り畳むことによりそのカバーとすることができる。したがってこの実施形態では、基材(110)はカバーシートでもある。上記に述べたように、更なるカバーシートをこれに加えて使用することもできる。
【0135】
上記に述べたように、基材(110)はそれ自体に、又はカバーシート若しくは他の要素に、例えば超音波結合、熱結合、又は接着剤結合、例えばスプレー接着剤結合などの任意の手段によって接合することができる。カバーシートと基材(110)との間の接着領域は、基材(110)の表面積の例えば少なくとも1%、又は少なくとも2%、又は例えば少なくとも5%、ただし例えば50%以下又は30%以下であってよい。接着領域は、粒子状材料(100)を基本的にいっさい含まないことが好ましい。
【0136】
上記に述べたように、接着材料、及び/又は熱可塑性材料又は熱可塑性接着材料は、粒子状材料(100)、例えば繊維状の接着材料及び/又は熱可塑性材料又は熱可塑性接着材料、例えば粒子状材料(100)と少なくとも部分的に接触し、場合により基材(110)と少なくとも部分的に接触する繊維層を少なくとも部分的に被覆し、かつ少なくとも部分的に固定する機能を有する。熱可塑性材料は、ホットメルト接着材料でありうる。特定の実施形態によれば、熱可塑性(接着)材料は、ASTM法D−36−95「環球法」によって測定される軟化点が50℃〜300℃の範囲である単一の熱可塑性ポリマー又は熱可塑性ポリマーのブレンドを含んでもよく、あるいは、熱可塑性接着剤材料は、少なくとも1種類の熱可塑性ポリマーを、粘着付与樹脂、可塑剤、及び酸化防止剤などの添加剤などの他の熱可塑性希釈剤と組み合わせて含むホットメルト接着剤であってもよい。熱可塑性ポリマーの分子量(MW)は10,000よりも大きくてもよく、ガラス転移温度(Tg)は通常、室温未満又は−6℃>Tg<16℃でよい。特定の実施形態では、ホットメルト中のポリマーの一般的な濃度は、約20〜約40重量%の範囲である。特定の実施形態では、熱可塑性ポリマーは水の影響を受けないものでよい。例示的なポリマーは、A−B−A三元ブロック構造、A−B二元ブロック構造、及び(A−B)n放射状ブロックコポリマー構造を含む(スチレン)ブロックコポリマーであり、ただしAブロックは、一般的にポリスチレンからなる非エラストマーポリマーブロックであり、Bブロックは不飽和共役ジエン又はその(部分)水素添加物である。Bブロックは一般的に、イソプレン、ブタジエン、エチレン/ブチレン(水素添加ブタジエン)、エチレン/プロピレン(水素添加イソプレン)、及びこれらの混合物である。使用することが可能な他の好適な熱可塑性ポリマーとして、シングルサイト触媒又はメタロセン触媒を使用して調製されるエチレンポリマーであるメタロセンポリオレフィンがある。その場合、少なくとも1種類のコモノマーをエチレンと重合して、コポリマー、ターポリマー、又はより高次のポリマーを調製することができる。C2〜C8のαオレフィンのホモポリマー、コポリマー、又はターポリマーである、非晶質ポリオレフィン又は非晶質ポリαオレフィン(APAO)も同様に適用可能である。例示的な実施形態では、粘着付与樹脂は一般的に5,000未満の分子量(Mw)、及び通常、室温よりも高いTgを有し、ホットメルト中の樹脂の一般的な濃度は約30〜約60%の範囲であり、可塑剤は一般的には1,000未満の低い分子量(Mw)及び室温よりも低いTgを有し、一般的な濃度は約0〜約15%である。
【0137】
特定の実施形態では、熱可塑性(接着)材料は、平均の厚さが約1〜約50マイクロメートル、又は約1〜約35マイクロメートル、及び平均の長さが約5mm〜約50mm、又は約5mm〜約30mmの繊維の形態であってよい。
【0138】
カバー層は、基材(110)と同一の材料を含んでもよく、又は異なる材料を含んでもよい。特定の実施形態では、カバー層に適した材料は基材(110)に有用な不織布材料である。
【0139】
方法
本発明は、上記に述べ、またここにおいて特許請求する方法にも関する。装置(1)の上記に述べた特徴、並びにその機能及び方法の工程のいずれも本発明の方法に適用される。詳細には前記方法において、圧力作用工程c)は、例えば、最初に、前記プレート(10)の前記第1の表面領域(11)によって第1の運動無限表面の運動方向(MD方向)にほぼ垂直な圧力を加えることにより、前記粒子状材料(100)の少なくとも第1の部分を前記リザーバ(50)内に案内(又は場合により押し込む)し、次に、前記プレート面の第2の表面領域(12)によって第1の運動無限表面の運動方向(MD方向)に非垂直な圧力を加えることにより、前記粒子状材料(100)の少なくとも第2の部分を前記リザーバ(50)内に案内する、又は場合により押し込むことを含む。
【0140】
前記方法において、上記に述べた第3の表面領域(13)は、前記粒子状材料(100)の第3の部分を前記リザーバ(50)内に案内、又は場合により押し込み、かつ/又は第3の表面領域(13)は、前記リザーバ(50)内における前記粒子状材料(100)の保持を補助することができる。
【0141】
本方法では、圧力は、上記に述べたようなアクチュエータ(20)などの圧力制御手段の使用により制御することができる。
【0142】
本明細書における方法及び装置(1)は、例えば少なくとも1000部品/分(ppm)又は少なくとも1100個又は少なくとも1200個を製造するものであり、前記「部品」とは、例えば吸収性構造などのここにおいて述べる個々の構造である。
【0143】
本明細書における方法では、前記第1の運動無限表面(40)は、例えば少なくとも2.0m/s、又は少なくとも3m/s若しくは少なくとも4.5m/s、又は少なくとも6.0m/s、又は少なくとも7.0m/s、又は少なくとも7m/sの表面速度を有しうる。これに代えるか又はこれに加えて、第1の表面領域(11)は、少なくとも500部品/分、又は少なくとも1000部品/分の、部品/分として定義される速度を有しうる。このような一実施形態では、第1の運動無限表面(40)は、本明細書における1種類又は2種類、好ましくは1種類の(例えば、吸収性)構造に対応するキャビティーを含むドラムである。
【0144】
本明細書における方法は、吸収性構造(個々の吸収性構造に分割、例えば切断することが可能なそのウェブを含む)の製造に特に有用であり、その場合、前記粒子状材料(100)は、150〜1000マイクロメートル、又は200若しくは300〜700マイクロメートルの質量メジアン粒径を有するAGMである。
【0145】
本方法では、熱可塑性材料、及び/又は接着材料及び/又は熱可塑性接着材料を、前記粒子状材料(100)の転移の前に前記基材(110)に、及び/又は、前記転移の後に前記粒子状材料(100)及び/又は基材(110)に加える工程、並びに/又は、更なる基材又はカバリングシートを加え、かつ/又は基材(110)を折り畳み、基材(110)を前記粒子状材料(100)上に閉じる工程、並びに/又は、上記に述べたような粒子状材料(100)(210)を有する更なる基材を加える工程を用いることができる。
【0146】
吸収性コア及び吸収性物品
本発明の装置(1)及び方法は、例えば、吸収性物品又は部分吸収性物品の捕捉層及び/又は吸収性コアなどの吸収性構造、例えば、こうした物品のバックシート及びコア並びに場合によりトップシートの製造において、及び/又は吸収性物品の製造において有用である。
【0147】
「吸収性物品」とは、身体の排出物を吸収及び保持する装置のことを指し、より具体的には、着用者の身体に接して、又は近接して配置されることにより身体から排出される様々な排出物を吸収及び保持する装置のことを指す。吸収性物品には、締着式おむつ及び(再締着式)トレーニングパンツなどのおむつ、成人用失禁下着(パッド、おむつ)、女性用衛生製品(衛生ナプキン、パンティーライナ)、胸当て、ケアマット、よだれかけ、傷口ドレッシング製品などがある。「おむつ」とは、幼児及び失禁症状を有する人により、着用者の腰及び脚を包囲するように胴体下部の周囲に一般的に着用される、尿及び糞便を受容及び保持するように特に構成された吸収性物品のことを指す。本明細書で使用するところの「体液」又は「身体排出物」なる用語には、これらに限定されるものではないが、尿、血液、膣排泄物、母乳、汗及び糞便が含まれる。
【0148】
当該技術分野では周知のように、吸収性コアは、吸収された体液を保持する物品の部分である。すなわち、本明細書における吸収性コアは、本明細書における装置(1)及び方法により形成される基材(110)上に配置された(ここにおいて定義される)吸収性粒子状材料(100)である粒子状材料(100)を含む。吸収性コアは、吸収性物品の追加的な要素である吸収性物品の捕捉システム、トップシート、又はバックシートは含まない。吸収性コアは、少なくともバックシートとトップシートとの間に通常は挟み込まれる。すなわち、本明細書における吸収性コアは、通常は更なる層、例えば、上記に述べたような更なる粒子状材料(100)及び基材層(110又は210)、カバーシート、又は前記粒子状材料(100)上に折り畳まれた基材(110)の部分である更なる層を含みうる。本明細書における吸収性コアは、上記に述べたような接着材料及び/又は熱可塑性材料を含みうる。
【0149】
本明細書における好ましい実施形態では、吸収性コア、及び場合により吸収性物品は「実質的にセルロースを含まない」。本明細書において「実質的にセルロースを含まない」とは、10重量%未満のセルロース繊維、又は5%未満のセルロース繊維、又は1%未満のセルロース繊維を含むか、あるいはセルロース繊維をまったく含まない吸収性コア又は物品を述べるのに用いられる。
【0150】
特定の実施形態では、本明細書における吸収性構造又はコアは、例えばAGMのような前記粒子状吸収性(ポリマー)材料を、構造又は吸収性コアの約80重量%よりも多い、又は約85重量%よりも多い、又は吸収性コアの約90重量%よりも多い、又はコアの約95重量%よりも多い量で含みうる。
【0151】
特定の実施形態によれば、少なくとも1つの自由に選択された1cm×1cmの第1の正方形内の吸収性ポリマー材料66及び74の重量が、少なくとも1つの自由に選択された1cm×1cmの第2の正方形内の吸収性粒子状ポリマー材料66及び74の重量よりも、少なくとも約10%、又は20%、又は30%、又は40%又は50%高くてもよい。特定の実施形態では、第1の正方形及び第2の正方形は長手方向軸を中心としたものである。
【0152】
おむつなどの多くの吸収性物品において、主としておむつの前半分において液体の排出が生じることが分かっている。したがって、本明細書における吸収性構造の前半分が、コアの吸収容量の大半を含めばよい。したがって、特定の実施形態によれば、本明細書における前記吸収性構造の前半分は、例えばAGMなどの粒子状材料(100)の約60%よりも多くを、又は例えば、例えばAGMなどの粒子状材料(100)の全体量の約65%、70%、75%、80%、85%、又は90%よりも多くを含んでよい。
【0153】
本明細書における吸収性物品は、吸収性コア以外に、トップシート及びバックシート、並びに例えば1以上のサイドフラップ又はカフを含んでもよい。トップシート又はカフ又はサイドフラップは、当該技術分野では周知のスキンケア組成物又はローション若しくはパウダー、米国特許第5,607,760号、同第5,609,587号、同第5,635,191号、同第5,643,588号に述べられるものを含むパネルを含みうる。
【0154】
本明細書における好ましい吸収性物品は、例えば不織布シートのような使用時に着用者に面するトップシート、及び/又は、当該技術分野では周知の孔あき成型フィルムなどの孔あきシート、及びバックシート、使用時に着用者に面するコアカバーシートを場合により有する吸収性コアを含む。
【0155】
当該技術分野では周知であるように、バックシートは液体不透過性であってもよい。好ましい実施形態では、液体不透過性バックシートは、約0.01.mm〜約0.05mmの厚さを有する熱可塑性フィルムなどの薄いプラスチックフィルムを含む。好適なバックシート材料は一般的に、おむつから水蒸気を逃がす一方で、排出物がバックシートを通り抜けることを防止する通気性材料を含む。好適なバックシートフィルムとしては、インディアナ州テレホート所在のトレデガー・インダストリーズ社(Tredegar Industries Inc.)が製造する、X15306、X10962及びX10964の商品名で販売されるものが挙げられる。
【0156】
バックシート又はその任意の部分は、1以上の方向に弾性的に延伸可能なものでよい。
バックシートは、当該技術分野では周知の任意の取り付け手段によって、トップシート、吸収性コア、又はおむつの他の任意の要素に取り付け又は接合することができる。
【0157】
本明細書におけるおむつは、レッグカフ及び/又はバリアカフを含んでよい。すなわち物品は、対向するサイドフラップ及び/又はレッグカフ及び/又はバリアカフのペアを有し、ペアのそれぞれのものは、吸収性コアの長手方向の一辺に隣接して配置され、前記コアに沿って長手方向に延び、通常は物品の(MD方向の)Y軸において互いの鏡像となる。レッグカフ及びバリアカフが存在する場合には、各レッグカフは通常はバリアカフから外側に配置される。カフは、物品の長さの少なくとも70%に沿って長手方向に延びてよい。カフは、物品のX−Y平面(長手方向/横断方向)の外に向かう方向、すなわちz方向に配置されうる自由な長手方向縁部を有してもよい。ペアのサイドフラップ又はカフは、物品のY軸(長手方向軸、MD軸)において互いの鏡像であってよい。カフは弾性材料を含みうる。
【0158】
本明細書におけるおむつは、ウェストバンド、又は例えば、弾性材料を含みうる前部ウェストバンド及び後部ウェストバンドを含みうる。
【0159】
おむつは、サイドパネル、又はいわゆるイヤーパネルを含んでもよい。おむつは、前部及び後部、例えば前部及び後部のウェストバンドを締着するための締着手段を含んでもよい。好ましい締着システムは、締着タブ及びランディング領域を含み、締着タブがおむつの後部領域に取り付け又は接合され、ランディング領域はおむつの前部領域の一部分となっている。
【0160】
吸収性物品は更に、身体排泄物を受容、及び分配、及び/又は固定することが可能な、トップシートと吸収性コアとの間に配置される副層を含んでもよい。好適な副層としては、当該技術分野では周知の、捕捉層、サージ層、及び/又は糞便物貯蔵層がある。
【0161】
吸収性物品の他の好適な要素には捕捉層がある。副層としての使用に適した材料としては、大径気泡開放発泡体、マクロ孔質耐圧縮性不織布嵩高品、大粒子形態の開放及び独立気泡発泡体(マクロ及び/又はミクロ孔質)、嵩高不織布、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタンの発泡体若しくは粒子、多数の垂直配向の、好ましくはループ状繊維ストランドを含む構造体、又は生殖器カバーシートに関して上述したような、好ましくは孔あき成形フィルムを挙げることができる。(本明細書で使用するところの「ミクロ多孔質」なる用語は、毛管作用により液体を輸送することが可能であるが、50マイクロメートルよりも大きい平均孔径を有する材料を指す。「マクロ孔質」なる用語は、流体を毛管輸送するには大きすぎる小孔を有し、一般的には直径が約0.5mm(平均)よりも大きい小孔を有し、より詳細には直径が約1.0mm(平均)よりも大きいが、通常は10mm未満、又は更には6mm未満(平均)の小孔を有する材料のことを指す。
【0162】
本明細書において形成される(吸収性)構造又はコアは、いくつかの実施形態では前記粒子状材料(210)を有する基材を含み、前記基材(110)はC字状に折り畳まれて前記粒子状材料(100)を包囲している。換言すれば、粒子状材料(100)を基材(110)上に配置し、次いで基材(110)を折り畳んで粒子状材料(100)を覆うことができる。これに代えるか、あるいはこれに加えて、別のシート材料又はカバーシートを、粒子状材料(100)が前記基材(110)上に配置された後に粒子状材料(100)を覆って配置することにより、粒子状材料(100)を覆うこともできる。このようなカバーシートは、例えば不織布シート又はウェブなどの基材(110)として、ここにおいて上記に述べた材料のいずれのものであってもよい。
【0163】
これに代えるか、又はこれに加えて、粒子状材料(210)が配置された2以上の基材を製造して、互いの上に置くことで互いを覆うこともできる。その際、最初に更なるカバーシートを前記基材上の粒子状材料(100)上に置き、次いで粒子状材料(210)を有する更なる基材を、通常は前記粒子状材料(100)が前記カバーシートに接触するようにしてその上に被せることができる。
【0164】
本発明のいくつかの実施形態は、本発明の方法の使用及び/又は本発明の装置の使用によって、通常は上記に述べたライン速度で製造される吸収性構造(本明細書において吸収性コアと呼ぶ)をそれぞれが含む、後述するような少なくとも5個の複数の吸収性物品を含むパックに関する。本発明の装置及び方法は、リザーバの極めて正確な充填、及び極めて正確な転移が、高速においても実現されるようなものである。したがって、後で個々のコアに分割される吸収性コアのウェブを含む、得られる吸収性コアはほぼ同じものである。
【0165】
複数の物品の吸収性物品のそれぞれは、本発明の方法又は装置(1)の使用によって得られる吸収性コアを含み、各コアは、ここにおいて上記に述べたような粒子状のポリアクリレート/ポリアクリル酸ポリマー材料、通常は内部及び/又は表面架橋を有する架橋ポリマーを含む。複数とは5個の物品からなるものでよいが、無論のこと、5個よりも多い吸収性物品、例えば少なくとも10個の吸収性物品でもよい。通常、1つのパック内の物品は連続的に製造された物品である。したがって、いくつかの実施形態では、前記複数の吸収性コアは、本発明の方法及び/又は装置によって製造された、連続的に製造された吸収性コアである。
【0166】
パックは、プラスチックバッグ、段ボール箱などの当該技術分野では周知の任意の包装材料で形成された任意の形状の任意のパックであってよい。
【0167】
各吸収性コアは(前記粒子状ポリマー材料以外に)、ここにおいて述べるような不織布基材材料(110)、及び前記粒子状ポリマーを前記基材材料及び/又は互いに接着する接着材料を含む。いくつかの実施形態では、1種類以上の接着材料を使用することができる。吸収性コアは、ここにおいて上記に述べたような、1種類以上の基材材料、及び/又は例えば不織布などの更なるコアカバー材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、吸収性コアは、前記粒子状材料、接着材料及び基材材料、並びに場合により用いられる更なるコアカバー材料から構成されうる。
【0168】
各吸収性コアは、(MD方向の)所定の長さ寸法及び(MD方向に垂直なCD方向の)所定の幅寸法を有し、各吸収性コアは、コアの(CD方向の)幅に沿って延びる少なくとも10本のストリップに分割可能であり、各ストリップは1.0cmのMD方向の寸法を有する。以下の方法は、このようなストリップが吸収性コアからどのようにして得られるかを述べたものである。各吸収性コアは、少なくとも10本のこうしたストリップを有し、各コアは、それぞれが少なくとも100gsm、ただし好ましくは少なくとも150gsm、又は好ましくは少なくとも200gsmの「内部坪量(internal basis weight)」を有する少なくとも10本のこうしたストリップを有する。存在する場合には、粒子状ポリアクリレート/ポリアクリル酸ポリマー材料、又は前記粒子状材料及び接着材料の前記内部坪量であり、ただし前記基材材料及び/又は更なるコアカバー材料は含まない。
【0169】
それぞれがこのような吸収性コアを有するこのような複数の吸収性物品では、粒子状ポリアクリレート/ポリアクリル酸ポリマー材料の量の平均の相対標準偏差は、10%以下、又は7%以下、又は5%以下、又は3%以下である。下記の試験方法によって定義及び決定されるように、これは10個の相対標準偏差(%RSD、平均/標準偏差×100)の平均であり、これら10個のそれぞれは、それぞれが5個の物品の1つから得られた5本の同じストリップ(下記に定義される)の%RSDである。下記に述べるように、AGMの量はmeq(AGM)で表すか、又はグラム(AGM)に変換することができる。
【0170】
これは、下記に述べられるような5個よりも多い、例えば10個以上の複数の吸収性物品についても同様に決定及び適用することができる。5個よりも多い物品が存在する場合、上記の平均の% RSDはパック内の少なくとも5個の連続した物品に適用されるが、5個よりも多い物品、又は5個の連続した物品のより多くのセット、又はパック内のすべての物品についても適用されうる。パックは、いくつかの実施形態では、最大で100個の物品、又は最大で75個の物品、又は最大で50個の物品を含みうる。
【0171】
本明細書におけるポリアクリル酸/ポリアクリレートポリマー材料(AGM)は、コーティング剤などの他の成分を含んでもよい。いずれにしても、また本明細書におけるいくつかの実施形態では、このような更なる添加剤(例えば、コーティング剤)が酸/塩基基を含む場合には、これらの添加剤は、AGMの1重量%未満の濃度で通常は存在するために、平均の%RSDを求めるうえで無視することができる。本明細書における別の実施形態では、吸収性コアは、ポリアクリル酸/ポリアクリレートポリマー粒子以外に酸又は塩基基を有する他の化合物をいっさい含まない。
【0172】
本発明の方法及び本発明の装置は、基材材料への極めて正確な粒子材料の転移によってこのようなコアを製造することから、接着材料の塊はいっさい得られない。したがって、わずかな量の接着材料のみを必要とするために、例えば、(前記コア内の)前記接着材料に対する前記粒子状ポリアクリレート/ポリアクリル酸ポリマーの重量比は、15:1から、又は20:1から、又は25:1から、100:1まで、又は40:1まで、又は40:1までである。本発明の吸収性物品の目的においては、接着材料は一般的に、有意な量の酸又は塩基基含有成分は含まない点に注意されたい。これとは別に、又はこれに加えて、粒子状材料の転移が極めて正確であることから、基材材料の坪量を、例えば坪量が15gsm以下、又は好ましくは12gsm以下、又は10gsm以下となるように低減させることができる。
【0173】
本明細書におけるプロセスは好ましくは、ここにおいて述べるような高速プロセスであり、したがって、前記吸収性物品は通常、例えば、前記基材材料上、及び/又は、前記吸収性物品のトップシート、バックシートかつ/又は他の任意の要素に含まれる、機械によって読み取り可能な登録記号を含んでいる。当該技術分野では周知のこのような登録記号は、製造プロセスの間に、物品の要素の、前記登録マークに対する、かつ/又は互いに対する正確な位置決めを可能とするものである。
【0174】
ストリップ当たり、及び/又は表面積当たりの粒子状ポリマー材料(AGM)の量、例えばその坪量は、MD方向に沿って変化しうる。したがって、吸収性コアは、特定のストリップが別のストリップよりも高い(内部又はAGM)坪量を有する、いわゆるプロファイル化されたコアとなりうる。吸収性コアは厚さ方向にプロファイル化されてもよく、かつ/又はコアはCD方向にプロファイル化されてもよく、例えば、コアの中心において製品の前四半部及び/又は後四半部の平均の幅よりも小さな幅を有する、といったように変化する幅寸法を有する成形コアとなる。
【0175】
平均相対標準偏差を求めるための方法
この方法では、ポリアクリレート/ポリアクリル酸ベースのポリマー材料(本明細書においてAGMと呼ぶ)を含む試料を、既知量のHClと最初に反応させる。この溶液の一定少量を、ブロモフェノールブルー指示薬にNaOH溶液を用いて滴定する。滴定の結果は、AGMの中和された酸基のミリ当量(meq)として表すことができる。
【0176】
複数の吸収性物品(例えば、5個以上又は10個以上)の内の5個の吸収性物品について、本発明の方法/装置によって製造された吸収性コアを取り出す。
【0177】
第1の吸収性コアを所定の向きとし、物品において(使用者の、例えばおむつのウェスト前部)前方を向く横断方向(CD方向)の縁部に上と表示し、反対の横断方向端部に下と表示する。横断方向及び長手方向軸を決定する(かつ必要に応じてコア上にマークする)。次に吸収性コアを、MD方向に1.0cm±0.01cmの等しい寸法を有する、横断方向に延びる(すなわち、全体の幅に沿って)ストリップに切断する。一番下の最後のストリップは1cmに満たない場合があるが、その場合、この試験の対象から外す。
【0178】
カッティングダイを油圧プレスとともに用いて、コアをこのようなストリップに切断する。ダイは、コアの長さ(MD)及び幅(CD)及び厚さの全体にわたってストリップを切断できるように製造されたものである。ダイは、カッティングブレードが上になるようにして平らな表面(ワークベンチ)上に置き、コアをその横断方向及び長手方向軸を中心としてダイの上に広げる。ダイよりも大きなMD方向及びCD方向の寸法を有する6.35mm(0.25インチ)のLexanプレートをコアの上に置き、次いでこのアセンブリを油圧プレス内において切断する。ストリップは、AGM粒子が失われないように分析を行うまでの間、ダイの内部に保持されたままとする。各ストリップを、(一番上を1、2、3、4のように)連続した数字で標識する。
【0179】
したがって、各ストリップは1.0cmのMD方向の寸法を有するが、ストリップは異なる(平均)幅(ストリップ当たりの平均)を有してもよい。本発明の目的では、コア1個当たりにつき少なくとも10本のストリップが得られる。
【0180】
この第1の吸収性コアについて、第1のコアの各ストリップについて前記ストリップの表面積(1.0×CD方向の寸法)を求め、次いで、ここにおいて述べるように基材物質(及び存在する場合には他のコアカバー材料)を除去して吸収性コアの内側の材料のみ、すなわち、本発明のプロセス/装置によって転移された粒子状ポリアクリル酸/ポリアクリレートポリマー材料、及び存在する場合、場合により用いられる接着材料を得ることによって、ストリップ1本当たりの上記に定義した「内部坪量」を求める。ストリップ1本当たりのこの材料の重さを求めることで、ストリップ1本当たりの「内部」坪量を計算することができる(ストリップの表面積当たりの前記ポリマー材料及び場合により用いられる接着材料の重さ)。
【0181】
次に、前記第1の吸収性コアについて、最も大きな「内部坪量」を有する10本のストリップを決定する。この試験及び本発明の目的では、少なくとも100gsm(又はここにおいて上記に述べたように好ましくは少なくとも150gsm、又は少なくとも200gsm)の内部坪量を有する少なくとも10本のストリップがなければならない。(ある場合)他のストリップは、以下の滴定試験の対象から外す。
【0182】
次に、前記10本のストリップを下記に述べる滴定に供する。(例えば、ストリップ4、5、6、7、8、9、10、12、14、及び15)
残りの(例えば選択された)4個の(複数の)吸収性物品の残りの4個の吸収性コアは、第1の吸収性コアについて上記に述べたのとまったく同様にしてダイによりそれぞれ別々に切断する。次に、吸収性コア1個当たりにつき、最も大きな内部坪量を有する前記10本のストリップと同じストリップをダイから別々に取り出して、下記の滴定法に別々に供する。(例えば、コア1個につきストリップ4、5、6、7、8、9、10、12、14、及び15)したがって、全体で50本のストリップを得て、これを別々に滴定に供する。
【0183】
滴定法:
50mLの認定デジタルビュレット(例えば、Digitrate、ジェンコンズ・サイエンティフィック社(Jencons Scientific)、ペンシルベニア州ブリッジビル、又はこれに準ずるもの)を滴定に使用する。0.1NのHCl及び0.1NのNaOH溶液を使用する(Baker Analyzed認定滴定液、ジェイ・ティー・ベーカー社(J.T. Baker)、ニュージャージー州フィリップスバーグ)。
【0184】
個々のストリップをダイから取り出し、400mLビーカーに入れ、基材材料及び場合により用いられる他のコアカバー材料を除去する。この移行及び基材の除去が行われる間にAGMが失われないようにする。残った試料を、本明細書において「AGM」と呼ぶものとする。
【0185】
A級のメスピペットを使用して250mLの0.1NのHClを加え、AGMを入れて30分間攪拌しながら浸漬する。この後、これをWhatman4号濾紙に通して別の350mLビーカー内に濾過する。A級のメスピペットを使用し、濾液の25mLの一定分量を50mLビーカーに入れる。1%ブロモフェノールブルー指示薬(重量/重量、脱イオン水中)を4滴加え、溶液を0.1NのNaOHで青色となる終点まで滴定する。滴定剤の体積を±0.01mLまで記録する。
【0186】
上記のストリップ(全部で50本)のそれぞれを同様に測定する。
【0187】
ストリップ1本当たりにつき、中和されたAGMの酸基のミリ当量は以下のようにして計算することができる。すなわち、
meq(AGM)=2.5meq(HCl)−[mL 0.1N NaOH×0.1meq/1mL]
meq(AGM)で表されたこの値は、必要に応じて当該技術分野では周知のグラム(AGM)に変換することができる。
【0188】
これにより、同じ番号の5本のストリップ(例えば、5個のコアのストリップ番号4)について標準偏差を求め、5個の物品の前記同じストリップ(例えば、ストリップ番号4)間の相対標準偏差(%RSD、平均/標準偏差×100)を求めることができる。
【0189】
これを、同じ番号の5本のストリップの各組について求め、全部で10個の標準偏差、及び10個の相対標準偏差を得る(例えば、ストリップ4、5、6、7、8、9、10、12、14、15について)。
【0190】
次に、前記10個の相対標準偏差(%RSD)の平均を計算し、ここにおいて特許請求する「平均相対標準偏差」(平均%RSD)として報告する。本発明の目的では、これは10%以下でなければならないが、好ましくは7%以下、又は5%以下である。
【0191】
上記の試験は、特定のパックの5個の連続した物品及びそのコアを用いることにより、本発明の任意の複数の吸収性物品について行うことが可能である。この試験は、5個よりも多い物品についても上記に述べたのと同様にして行うことが可能である。
【0192】
本明細書で開示した寸法及び値は、記載される正確な数値に厳密に限定されるものとして解釈されるべきではない
。
【0193】
本発明の目的においては、図面の縮尺は正確ではなく、更に、図面に示される、例示された装置及びその要素の寸法、粒子状材料の寸法、並びに互いに対する前記寸法は、特に断らないかぎりは、前記要素若しくは粒子状材料の真の寸法、又はそれらの相対的寸法を反映したものではない点は理解されるべきである。
【0194】
本発明の「発明を実施するための形態」において引用したすべての文献を、関連部分において本明細書に援用するが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、援用文献における同じ用語のいずれかの意味又は定義と相反する場合、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が優先されるものとする。
【0195】
以上、本発明の特定の実施形態を図示、説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行いうる点は当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲に含まれるそのようなすべての変更及び改変は付属の「特許請求の範囲」において網羅されるものとする。