(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の自動車用窓ブラインドは、上記のように、ウインドウ(窓ガラス)の形状に適応するように、シェード(ブラインドシート)が幅方向に伸縮されるため、引出状態において、シェードにしわ、弛み等が発生し易い。
【0005】
そこで、本発明は、シェードの引出状態におけるしわ、弛みを抑制してウインドウを遮蔽することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、ウインドウを遮蔽するためのシェード装置であって、前記ウインドウを部分的に遮蔽可能な主シェードと、前記主シェードの基端縁部が取り付けられ、前記主シェードを引出収納方向に沿って引出収納可能に巻き取る巻取装置と、前記主シェードの先端縁部に沿って取り付けられ、両端部に一対のランナーを有する長尺棒状の引出部材と、前記一対のランナーをそれぞれ延在方向に沿って移動するように案内可能な一対のガイドレールと、前記ウインドウのうちの前記主シェードにより遮蔽される部分の側方部分を遮蔽可能な副シェードと、前記主シェードの少なくとも一方の側縁部に設けられた被ガイド部と、前記被ガイド部を延在方向に移動可能に支持可能であると共に、前記副シェードに取り付けられ、前記副シェードが前記ウインドウのうちの前記主シェードにより遮蔽される部分の側方部分を遮蔽する進出位置と、前記副シェードが前記ウインドウの側方に退避した退避位置との間で移動可能に設けられている長尺形状の進退用レールとを備え、前記主シェードの引出動作に伴って前記被ガイド部が前記進退用レールに対して支持された状態で移動することにより、前記進退用レールは、前記退避位置から前記進出位置に移動される。
【0007】
第2の態様は、第1の態様に係るシェード装置であって、前記進退用レールは、前記退避位置で引出状態の前記主シェードにおける前記被ガイド部が設けられた前記側縁部に対して傾斜し、前記進出位置で引出状態の前記主シェードにおける前記被ガイド部が設けられた前記側縁部に沿って延在する。
【0008】
第3の態様は、第1または第2の態様に係るシェード装置であって、前記被ガイド部は、前記主シェードの少なくとも一面側から突出する部分を含む第1の部分が前記側縁部の延在方向において間欠的に複数設けられると共に、前記複数の第1の部分の間に、前記側縁部の延在方向に直交する断面積が前記第1の部分より小さい第2の部分が設けられるか隙間があけられて形成されている。
【0009】
第4の態様は、第3の態様に係るシェード装置であって、前記被ガイド部は、前記主シェードの側方に開口するU字形状に形成され、前記主シェードの前記側縁部の一面側に間隔をあけて設けられた複数の一面側U字部と、前記主シェードの側方に開口するU字形状に形成され、前記主シェードの前記側縁部の他面側に間隔をあけて設けられた複数の他面側U字部とを含み、前記複数の一面側U字部と前記複数の他面側U字部とは、前記主シェードの前記側縁部の延在方向において交互に設けられ、各端部が互い違いに連結され、前記第1の部分は、前記主シェードの前記側縁部の延在方向において、前記被ガイド部のうち、前記一面側U字部及び前記他面側U字部における対向する一対の直線部のうちの連結される各一方の前記直線部が前記主シェードの前記側縁部を挟んで対向する部分であり、前記複数の第1の部分の間に前記第2の部分が設けられ、前記第2の部分は、前記主シェードの前記側縁部の延在方向において、前記被ガイド部のうちの前記第1の部分同士の間の部分である。
【0010】
第5の態様は、第1から第4のいずれか一態様に係るシェード装置であって、前記進退用レールを退避位置に向けて付勢する付勢部材をさらに備えている。
【0011】
第6の態様は、第1から第5のいずれか一態様に係るシェード装置であって、前記進退用レールは、剛性部材により形成されている。
【0012】
第7の態様は、第1から第5のいずれか一態様に係るシェード装置であって、前記進退用レールは、前記進出位置と前記退避位置とを結ぶ方向に撓むことが可能な可撓性部材により形成されている。
【0013】
第8の態様は、第1から第7のいずれか一態様に係るシェード装置であって、前記主シェードは、前記被ガイド部が設けられた前記側縁部が前記主シェードの引出収納方向に対して傾斜する形状に形成されている。
【発明の効果】
【0014】
第1の態様に係るシェード装置によると、副シェードに取り付けられ、副シェードがウインドウのうちの主シェードにより遮蔽される部分の側方部分を遮蔽する進出位置と副シェードがウインドウの側方に退避した退避位置との間で移動可能な進退用レールに対して、主シェードの少なくとも一方の側縁部に設けられた被ガイド部が移動可能に支持される。そして、主シェードの引出動作に伴って被ガイド部が進退用レールに対して支持された状態で移動することにより、進退用レールは退避位置から進出位置に移動されるため、主シェードを伸縮変形させなくとも、主シェードにより遮蔽しきれない部分を副シェードにより遮蔽してウインドウを全体的に遮蔽することができる。これにより、主シェードの引出状態におけるしわ、弛みを抑制してウインドウを遮蔽することができる。
【0015】
第2の態様に係るシェード装置によると、進退用レールが、退避位置で引出状態の主シェードにおける被ガイド部が設けられた側縁部に対して傾斜し、進出位置で引出状態の主シェードにおける被ガイド部が設けられた側縁部に沿って延在する。このため、進退用レールは、主シェードの引出状態における側縁部に対して傾斜した退避位置から、主シェードの引出動作に伴って移動される被ガイド部の移動経路に沿うように移動され、副シェードを引き出すことができる。
【0016】
第3の態様に係るシェード装置によると、被ガイド部が、主シェードの少なくとも一面側から突出する部分を含む第1の部分が側縁部の延在方向において間欠的に複数設けられると共に、複数の第1の部分の間に、側縁部の延在方向に直交する断面積が第1の部分より小さい第2の部分が設けられるか隙間があけられて形成されている。このため、主シェードのうち被ガイド部の複数の第1の部分の間の部分で曲げやすく、巻取装置による主シェードの引出収納動作をよりしなやかにすることができる。
【0017】
第4の態様に係るシェード装置によると、被ガイド部が、主シェードの側方に開口するU字形状に形成されて主シェードの側縁部の一面側に間隔をあけて設けられた複数の一面側U字部と、主シェードの側方に開口するU字形状に形成されて主シェードの側縁部の他面側に間隔をあけて設けられた複数の他面側U字部とを含んでいる。また、複数の一面側U字部と複数の他面側U字部とが、主シェードの側縁部の延在方向において交互に設けられ、各端部が互い違いに連結されている。このため、所定形状に形成した一連の線状部材を主シェードの側縁部に固定することにより第1の部分及び第2の部分を形成することができるため、被ガイド部の進退用レールに対する引っ掛かりを抑制して、主シェードをよりスムーズに引出収納することができる。
【0018】
第5の態様に係るシェード装置によると、進退用レールを退避位置に向けて付勢する付勢部材を備えているため、主シェードの収納動作に伴って付勢部材の付勢力により進退用レールを退避位置に移動させ、副シェードを収納することができる。
【0019】
第6の態様に係るシェード装置によると、進退用レールが剛性部材により形成されているため、被ガイド部が進退用レールに支持された状態から移動されると、進退用レールを一気に進出位置に移動させることができる。
【0020】
第7の態様に係るシェード装置によると、進退用レールが進出位置と退避位置とを結ぶ方向に撓むことが可能な可撓性部材により形成されているため、進退用レールに支持された被ガイド部の移動に伴って、進退用レールを徐々に進出位置に移動させることができる。
【0021】
第8の態様に係るシェード装置によると、主シェードは、被ガイド部が設けられた側縁部が主シェードの引出収納方向に対して傾斜する形状に形成されているため、主シェードが巻取装置に巻き取られた際に被ガイド部同士が重なることを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、実施形態に係るシェード装置10について説明する(
図1、
図2参照)。本シェード装置10は、主シェード20及び副シェード60によりウインドウ1を遮蔽する装置である。すなわち、シェード装置10は、ウインドウ1のうち、主シェード20により遮蔽しきれない部分を、副シェード60により遮蔽するように構成されている。
【0024】
<ウインドウ>
説明の便宜上、シェード装置10を適用するウインドウ1について説明しておく。ウインドウ1は、台形等の異形窓であり、長方形に対して側方に異形部分を有する形状である。ここでは、シェード装置10が、自動車のリアウインドウとしてのウインドウ1に適用される例で説明する。より具体的には、このウインドウ1は、車体の床側から天井側に向けて幅狭になり、天井側の短辺と床側の長辺を有する略台形(ここでは略等脚台形)状に形成されている。すなわち、中央の長方形部分の両側方に直角三角形状の部分が設けられている。また、このウインドウ1を囲う窓枠は、天井側横枠1A、床側横枠1B、側方縦枠1Cを備える。
【0025】
もっとも、シェード装置10は、矩形状のウインドウに対しても適用可能である。
【0026】
<シェード装置>
ウインドウ1によっては、周辺スペースの都合上、長辺方向全体に亘って遮蔽可能なシェードを用いること、又は、長辺側にシェード装置を配設することが困難なこともある。そこで、本シェード装置10は、主シェード20により遮蔽することができない部分を副シェード60を用いて遮蔽するように構成されている。
【0027】
ここでは、本シェード装置10は、主シェード20が天井側横枠1A側から床側横枠1B側に向けて引き出されるようにウインドウ1の周辺に配設される。そして、天井側横枠1Aと床側横枠1Bとを結ぶ方向を引出収納方向と称する。
【0028】
シェード装置10は、主シェード20と、巻取装置30と、引出部材40と、一対のガイドレール50と、副シェード60と、進退用レール70と、付勢部材78と、被ガイド部80と、駆動機構部90とを備えている。
【0029】
<主シェード>
主シェード20は、主としてウインドウ1を遮蔽する部材である(
図1参照)。この主シェード20は、メッシュ状の布材、樹脂シート等を裁断、縫製等して、ウインドウ1を部分的に遮蔽可能な大きさ及び形状に形成されている。ここでは、主シェード20は、ウインドウ1の幅方向中心部分すなわち天井側横枠1A側の短辺を一辺に有する矩形部分を遮蔽可能な大きさ及び矩形状に形成されている。そして、主シェード20は、後述する副シェード60と共にウインドウ1を全体的に遮蔽可能である。以下、ウインドウ1のうちの主シェード20により遮蔽される部分を主遮蔽部分といい、その側方部分を副遮蔽部分ということがある。副遮蔽部分は、ウインドウ1の側方縦枠1Cを斜辺とする略直角三角形の部分である。
【0030】
もっとも、主シェード20は、上記のようにウインドウ1の一部を遮蔽可能に形成されていればよく、矩形状の他にも台形等に形成されていてもよい。
【0031】
<巻取装置>
上記主シェード20は、巻取装置30に取り付けられている(
図3参照)。巻取装置30は、ベース32と、巻取軸部34と、一対の回転支持部36とを備えている。そして、巻取装置30は、主シェード20を引出収納方向に沿って引出、収納可能に巻き取るように構成されている。
【0032】
ベース32は、金属板を切断、屈曲等して形成された部材、或いは、金属を押出成形して形成された部材である。また、ベース32は、合成樹脂により形成されていてもよい。このベース32は、ねじ止め等により、車体パネル等に固定される。また、ベース32上には、一対の回転支持部36が立設されている。
【0033】
巻取軸部34は、長尺円筒状部材であり、一対の回転支持部36により、中心軸周りに回転可能に支持されている。この巻取軸部34の外周面には、その軸方向に沿って主シェード20の基端縁部(収納側端縁部)が取り付けられている。
【0034】
また、巻取軸部34は、回転支持部36に対して図示省略のコイルバネ等の付勢部材により、主シェード20を巻き取る向きに回転付勢されている。すなわち、主シェード20は、付勢部材による巻取力より大きい引出力が作用しない状態で当該巻取力により巻取軸部34に巻き取られ、巻取力より大きい引出力が加えられると巻取軸部34から引出される。
【0035】
ここでは、巻取装置30は、天井側横枠1Aの内側に配設される。より具体的には、巻取軸部34が引出収納方向に直交する姿勢で、ベース32が天井側横枠1Aの内側で車体パネル等に固定される。天井側横枠1Aには、ウインドウ1の短辺に沿って主シェード20引出用のスリットが形成されているものとする(図示省略)。
【0036】
<引出部材>
主シェード20の先端縁部(引出側端縁部)には、引出部材40が取り付けられている。引出部材40は、ステイ42と、一対の進退部44と、一対のランナー46とを備えている(
図2参照)。ステイ42は、主シェード20の先端部に沿って取り付けられる長尺棒状の部分である。また、一対のランナー46は、引出部材40の両端部に設けられ、後述する一対のガイドレール50により案内される部分である。一対の進退部44は、ステイ42と一対のランナー46とを連結する部分である。
【0037】
ここでは、後述するように、一対のガイドレール50が天井側から床側に向けてウインドウ1の両側方に広がる(間隔が大きくなる)姿勢で配設されるため、引出部材40は、一対のガイドレール50の間隔に対応して長手方向に伸縮変形可能に形成されている。すなわち、引出部材40は、一対のランナー46が、ステイ42に対してその長手方向に相対移動可能に設けられて形成されている。
図5に示す一例では、ステイ42は、筒状に形成されている。また、進退部44は、一端部がステイ42に対して長手方向に移動可能に挿入される棒状に形成されている。ランナー46は、進退部44の他端部に連続して設けられ、進退部44より肉厚(引出収納方向に沿って引き出される主シェード20に直交する方向において肉厚)に形成されている。
【0038】
そして、この引出部材40を引出収納方向に沿って移動操作することにより、主シェード20を巻取装置30に対して引出、収納することができる。主シェード20が巻き取られて天井側横枠1A内に退避した状態を収納状態、主シェード20が引き出されてウインドウ1の主遮蔽部分を遮蔽した状態を引出状態と称する。
【0039】
また、引出部材40は、主シェード20が収納状態にあるときに、巻取装置30によってそれ以上主シェード20が巻き取られることを防ぐことが可能に配設されている。例えば、このような構成としては、巻取装置30のベース32、引出部材40又は両者に、主シェード20の収納状態で相手に対して係止可能な部分が設けられているとよい。
【0040】
<ガイドレール>
一対のガイドレールは、引出部材40を引出収納方向に沿って移動するように規制する部分である。この一対のガイドレール50は、一対のランナー46をそれぞれ延在方向に沿って移動するように案内可能に形成されている(
図4、
図5参照)。
【0041】
ガイドレール50は、延在方向に直交する方向においてランナー46と相対移動不能(僅かな遊びが設定されていてもよい)に凹凸嵌合可能な長尺棒状に形成されている。ここでは、ガイドレール50は、ランナー46を延在方向に移動可能に収容するガイド溝52を有している。このガイド溝52は、ランナー46を配設可能な大きさの(ここでは、ランナー46より僅かに大きい)内部空間を有すると共に、進退部44を通過可能且つランナー46を通過不能な大きさの開口を有している。より具体的には、ガイド溝52は、ガイドレール50の長手方向に直交する断面視において略C字形状に形成されている。すなわち、ガイド溝52は奥側部分より開口が小さく形成された溝状部分である。
【0042】
また、ガイドレール50は、ガイド溝52に隣接して、後述する駆動機構部90の駆動用ワイヤー92を通すワイヤーガイド56を有している。
【0043】
このガイドレール50は、金属板を切断、屈曲等して、或いは、金属材料を押出成形して形成されるとよい。また、ガイドレール50は、合成樹脂を押出成形して形成されてもよい。
【0044】
上記一対のガイドレール50は、それぞれ、ウインドウ1の両側方縦枠1Cの内側に配設されている。例えば、ガイドレール50は、ネジ止め等により、自動車の金属パネル等に固定されているとよい。ここでは、
図1、
図2に示すように、一対のガイドレール50は、両側方縦枠1Cに沿った姿勢で、すなわち、互いの間隔が天井側から床側に向けて徐々に大きくなる姿勢で配設されている。
【0045】
<副シェード>
副シェード60は、ウインドウ1のうちの主シェード20により遮蔽される部分の側方部分(副遮蔽部分)を遮蔽する部分である(
図1参照)。ここでは、副シェード60は、ウインドウ1のうちの引出状態における主シェード20の両側方の副遮蔽部分を覆うように一対設けられている。この副シェード60は、ウインドウ1の副遮蔽部分を遮蔽可能な大きさ及び形状に形成されている。そして、一対の副シェード60は、ウインドウ1の両側方(両側方縦枠1Cの内側)の位置から副遮蔽部分を覆う位置に進出して各副遮蔽部分を覆う。これにより、一対の副シェード60は、主シェード20と共にウインドウ1を全体的に遮蔽する。
【0046】
副シェード60としては、遮光性を有する(メッシュ状のように僅かに透光性を有するものでもよい)布又は樹脂シート等が裁断、縫製等されたシート状に形成されているものを採用できる。また、前記シート状の副シェード60は、交互に山折、谷折された蛇腹状に形成されていてもよい。また、副シェード60は、合成樹脂材料を成型する等して形成された板状のものであってもよい。さらに、副シェード60は、複数の板状部材を含み、複数の板状部材が厚さ方向に重なった状態から互いに側方にずれることによって、副遮蔽部分を遮蔽可能な大きさに拡がる構成が採用されていてもよい。
【0047】
図1では、三角形状のシート状の副シェード60を示している。この副シェード60は、引き出された状態で、引出状態の主シェード20の側縁部22に沿う形状に形成されている。また、副シェード60のうちの主シェード20とは反対側の端縁部は、ガイドレール50(車体でもよい)に固定されている。
【0048】
<進退用レール>
上記副シェード60は、進退用レール70に取り付けられ、進退用レール70の移動に伴って側方縦枠1Cの内側の位置と副遮蔽部分を覆う位置とで進退される(
図1、
図2参照)。この進退用レール70は、長尺形状に形成され、副シェード60に対して主シェード20側の端縁部に沿って取り付けられている。ここでは、進退用レール70は、一対設けられ、ウインドウ1のうちの引出状態における主シェード20の両側方の副遮蔽部分を覆う一対の副シェード60がそれぞれ取り付けられている。
【0049】
また、進退用レール70は、進出位置と退避位置との間で移動可能に設けられている。ここで、進出位置とは、副シェード60がウインドウ1のうちの主シェード20により遮蔽される部分の側方部分(副遮蔽部分)を遮蔽する位置である。一方、退避位置とは、副シェード60がウインドウ1の側方(側方縦枠1Cの内側)に退避した位置である。なお、側方縦枠1Cには、副シェード60及び進退用レール70等が進退移動に伴って出入可能なスリットが形成されており、進退用レール70はこのスリットを通じて進出位置と退避位置とで移動される。
【0050】
この進退用レール70は、例えば、一端部がガイドレール50の天井寄りの部分又は巻取装置30のベース32に対して、相対回転可能に軸支されているとよい(図示省略)。そして、進退用レール70は、軸支点を中心に退避位置と進出位置との間で移動(姿勢変更)される。もっとも、進退用レール70は、一端部が車体に対して軸支されていてもよい。
【0051】
また、進退用レール70は、付勢部材78により退避位置側に向けて付勢されている。ここでは、付勢部材78は、リンク79を介して間接的に進退用レール70を付勢している。
【0052】
リンク79は、長尺棒状に形成され、一端部がガイドレール50に対して相対回転可能に軸示されると共に、他端部が進退用レール70に対して延在方向に移動可能に嵌合している。より具体的には、進退用レール70(ここでは床寄りの部分)には、延在方向に沿ったリンク79嵌合用の長孔部77が形成されている。また、リンク79の他端部には、長孔部77に対してその内側を延在方向に移動可能に嵌合する図示省略の軸部が設けられている。そして、リンク79は、進退用レール70が退避位置と進出位置との間で移動されると、一端部を中心に回転して他端部が長孔部77に沿って移動する。これにより、進退用レール70は、より安定して退避位置と進出位置との間で移動される。
【0053】
そして、付勢部材78は、伸張状態で、一端部がガイドレール50のうちのリンク79より天井側の部分に固定され、他端部がリンク79の長手方向中途部に固定されて配設されている。もっとも、付勢部材78は、進退用レール70を直接付勢するように設けられていてもよい。
【0054】
また、進退用レール70は、後述する被ガイド部80を、延在方向に移動可能に支持する部分である(
図6参照)。この進退用レール70は、開口部72と、収容部74とを有する断面視略C字形の溝状部分を含んでいる。開口部72は、進退用レール70の一側部において延在方向に沿って開口するスリット状に形成されている。収容部74は、開口部72の奥側に設けられ、開口部72より幅広な内部空間を有する形状に形成されている。
【0055】
この進退用レール70は、金属材料又は合成樹脂材料等を射出成型等することにより形成することができる。ここでは、進退用レール70は、剛性部材により形成されている。なお、剛性材料とは、後述するように被ガイド部80の移動により進出位置に引き出される力と、付勢部材78により退避位置側に付勢される力とが作用しても撓まない程度の剛性を有する材料を言う。
【0056】
なお、進退用レール70は、副シェード60と共に副遮蔽部分を遮蔽するように形成されていてもよい。ここでは、進退用レール70は、副遮蔽部分上に引き出された副シェード60に沿って連なる扁平形状のパネル部76を有している。
【0057】
また、進退用レール70は、一対のガイドレール50により案内される引出部材40に対して干渉しない位置に配設されている。より具体的には、進退用レール70は、引出部材40の移動経路(移動平面)に対して、引出状態の主シェード20の厚さ方向にずれた位置に配設されている。すなわち、一対の進退用レール70は、一対のガイドレール50に対して異なる平面上に配設されている。ここでは、進退用レール70は、一対のガイドレール50より車内側に配設されている。
【0058】
<被ガイド部>
被ガイド部80は、進退用レール70に対して長手方向に移動可能に支持される部分である(
図6〜
図12参照)。この被ガイド部80は、主シェード20の少なくとも一方の側縁部22に設けられている。ここでは、被ガイド部80は、側縁部22の延在方向における少なくとも1箇所の少なくとも一面側から突出する部分を含む。
【0059】
被ガイド部80は、主シェード20の少なくとも一面側から突出する部分を含む第1の部分81が側縁部22の延在方向において間欠的に複数設けられると共に、複数の第1の部分81の間に、第2の部分82が設けられるか隙間があけられて形成されている。第2の部分82は、側縁部22の延在方向に直交する断面積が第1の部分81より小さく設定された部分である。ここでは、被ガイド部80は、主シェード20の両側縁部22に設けられている。また、ここでは、複数の第1の部分81の間には、第2の部分82が設けられている。そして、被ガイド部80は、第1の部分81と第2の部分82とが、主シェード20の側縁部22に沿った方向に交互に並んで形成されている。
【0060】
この被ガイド部80は、主シェード20に対して側縁部22を挟み込む形態で固定されるガイド用部材により形成されている(
図7参照)。ここでは、さらに、ガイド用部材は、主シェード20の側縁部22に縫い付けられている(
図9、
図10参照)。すなわち、主シェード20の側縁部22は、被ガイド部80の一部を兼ねている。
【0061】
このガイド用部材は、可撓性を有する合成樹脂で成型された1本の線状部材(ここでは断面視円形状又は角が丸められた多角形状)により構成されている。そして、被ガイド部80は、ガイド用部材により形成された、複数の一面側U字部83と、複数の他面側U字部84と、複数の連結部87とを含む。
【0062】
一面側U字部83は、主シェード20の側方に開口する平面視U字形状に形成され、主シェード20の側縁部22の一面側に、側縁部22の延在方向に間隔をあけて複数設けられている(
図9参照)。また、他面側U字部84は、主シェード20の側方に開口する平面視U字形状(一面側U字部83と同形状)に形成され、主シェード20の側縁部22の他面側に、側縁部22の延在方向に間隔をあけて複数設けられている(
図10参照)。すなわち、複数の一面側U字部83と複数の他面側U字部84とは、主シェード20の側縁部22を間に挟んで配設されている。複数の一面側U字部83及び複数の他面側U字部84は、略平行に対向する一対の直線部85と、一対の直線部85の一端部同士を結ぶ弧状の湾曲部86とを有している。この複数の一面側U字部83及び複数の他面側U字部84は、ガイド用部材が湾曲部86で湾曲されて形成されている。
【0063】
また、複数の一面側U字部83と複数の他面側U字部84とは、主シェード20の側縁部22の延在方向において交互に設けられ、各端部が連結部87により互い違いに連結されている(
図8参照)。より具体的には、連結部87は、主シェード20の側縁部22の延在方向に直交する断面視において、ガイド用部材が該側縁部22を挟むV字状又はU字状等に屈曲されて形成されている。この連結部87(及び一面側U字部83及び他面側U字部84の各直線部85の連結側部分も)は、主シェード20の側縁部22からその側方に突出するように設けられている。
【0064】
そして、線状部材を上記形態に曲げて形成したガイド用部材が、側縁部22を挟み込むと共に側縁部22に縫い付けられて主シェード20に対して固定されることにより、被ガイド部80が形成されている。ここで、被ガイド部80において、ガイド用部材を主シェード20に対して縫い付けた縫製部分を、縫製部88という。縫製部88は、合成樹脂製の糸等により形成されている。
【0065】
第1の部分81は、主シェード20の側縁部22の少なくとも一面側から突出する部分を含む。すなわち、第1の部分81は、突出部分を有することにより、進退用レール70の開口部72の開口縁部に対して引掛り可能に形成されている。ここでは、第1の部分81は、主シェード20の両面側から突出する部分を含んでいる。
【0066】
より具体的には、第1の部分81は、主シェード20の側縁部22の延在方向において、被ガイド部80のうち、一面側U字部83及び他面側U字部84における一対の直線部85のうちの連結される各一方が主シェード20の側縁部22を挟んで対向する範囲の部分である。この第1の部分81は、前記範囲における主シェード20の側縁部22、一面側U字部83及び他面側U字部84のうちの各直線部85、湾曲部86の端部側部分及び連結部87を含む。
【0067】
第2の部分82は、主シェード20の厚さ方向において第1の部分81より曲がりやすく形成された部分である。この第2の部分82は、側縁部22の延在方向一部分と、その一面側又は他面側から突出する部分とを含む。
【0068】
より具体的には、第2の部分82は、主シェード20の側縁部22の延在方向において、被ガイド部80のうちの第1の部分81同士の間の部分である。この第2の部分82は、前記範囲における主シェード20の側縁部22及び湾曲部86の中間部分(及び連結部87の端部)を含む。
【0069】
ここで、第1の部分81と第2の部分82との関係について、より具体的に説明する(
図11、
図12参照)。第1の部分81では、主シェード20の側縁部22の延在方向に直交する断面視において、一面側U字部83及び他面側U字部84のうちの各直線部85及び各湾曲部86の端部側部分が主シェード20を挟んだ両側にそれぞれ存在する。これに対して、第2の部分82は、主シェード20の側縁部22の延在方向に直交する断面積が第1の部分81より小さい形状に形成されている。より具体的には、第2の部分82では、主シェード20の側縁部22の延在方向に直交する断面視において、一面側U字部83及び他面側U字部84のいずれか一方のうちの湾曲部86の中間部分が主シェード20の一面側及び他面側のいずれか一方に存在する。
【0070】
この構成により、進退用レール70の収容部74からの抜け出しを防ぐための第1の部分81より、第2の部分82の方が、剛性が低く主シェード20の厚さ方向に曲がり易い。すなわち、主シェード20をよりしなやかに曲げられ、巻き取り及び引き出し動作をスムーズにすることができる。
【0071】
また、第1の部分81では、主シェード20の側縁部22の両面側に一面側U字部83及び他面側U字部84の各直線部85及び各湾曲部86の端部側部分が存在する。これに対して、第2の部分82では、主シェード20の側縁部22のいずれか一方側に一面側U字部83及び他面側U字部84のいずれか一方の湾曲部86の中間部が存在するだけである。このため、第2の部分82は、第1の部分81に比べて厚さ寸法が小さい。このことからも、第1の部分81より第2の部分82の方が、主シェード20の厚さ方向にしなやかに曲げられることがいえる。
【0072】
また、被ガイド部80は、主シェード20の側縁部22における一面側から突出すると共に側縁部22に沿って延在する突状部89を含む。ここでは、突状部89は、縫製部88により形成されている。すなわち、縫製部88は、主シェード20の一面側では間欠的な縫い目に形成され、他面側では主シェード20の側縁部22に沿って延在する縫い目に形成されている。
【0073】
<進退用レールと被ガイド部との嵌合について>
上記進退用レール70と被ガイド部80とが嵌合した状態では、被ガイド部80が収容部74内に進退用レール70の長手方向に移動可能に収容され、開口部72を通じて主シェード20が延出する(
図6参照)。
【0074】
より具体的には、収容部74は、被ガイド部80を進退用レール70の延在方向に移動可能に収容する部分である。この収容部74の内部空間は、進退用レール70の長手方向に直交する断面視において、被ガイド部80の外部形状より大きく(ここでは僅かに大きく)設定されている。
【0075】
開口部72は、収容部74内に配設される被ガイド部80から延出する主シェード20を、進退用レール70の外側方に引き出すための部分である。この開口部72は、主シェード20の厚さ寸法より大きい隙間をあけるように設定されている。また、開口部72の隙間は、被ガイド部80の少なくとも第1の部分81の厚さ寸法より小さく設定されている。すなわち、進退用レール70は、収容部74内に配設された被ガイド部80が開口部72を通じて進退用レール70の外方に抜け出ないような形状に形成されている。なお、開口部72の隙間は、ここでは第2の部分82の厚さ寸法より小さく設定されているが、第1の部分81の厚さ寸法より小さければ、第2の部分82の厚さ寸法よりより大きく設定されていてもよい。
【0076】
また、進退用レール70は、退避位置で引出状態の主シェード20における被ガイド部80が設けられた側縁部22(すなわち被ガイド部80の移動経路)に対して傾斜し、進出位置で該側縁部22に沿って延在する(
図1、
図2参照)。より具体的には、一対の進退用レール70は、退避位置で天井側から床側に向けて徐々にウインドウ1の両側方に広がる(間隔が大きくなる)姿勢で配設されている。
【0077】
<駆動機構部>
駆動機構部90は、主シェード20を引出収納駆動するための部分である。駆動機構部90は、駆動用ワイヤー92と、駆動部94とを備えている(
図1、
図2参照)。駆動用ワイヤー92は、一対のガイドレール50に沿って配線されると共に、駆動部94により一対のガイドレール50に沿って移動可能にされている。この駆動用ワイヤー92には、一対のランナー46がそれぞれ一部に固定されている。より具体的には、駆動用ワイヤー92は、一対のガイドレール50のガイド溝52内を通されてその内側でランナー46が固定されると共に、ガイドレール50の一端側で折り返されてワイヤーガイド56内を通される。駆動部94は、駆動用ワイヤー92を延在方向両側に移動駆動可能に構成されている。駆動部94は、例えば、モーターと駆動用のローラーとで構成されているとよい。
【0078】
ここでは、駆動部94はウインドウ1の床側に配設されている。また、環状の駆動用ワイヤー92が床側から一方のガイドレール50のガイド溝52に通されると共に、天井側で折り返されてワイヤーガイド56を通じて床側に引き出され、同様に他方のガイドレール50に通される。
【0079】
そして、駆動部94により駆動用ワイヤー92が移動されると、該駆動用ワイヤー92に固定された一対のランナー46がガイドレール50に沿って移動する。これにより、引出部材40が移動されて主シェード20が引出収納動作される。
【0080】
もっとも、駆動機構部90は、上記構成に限られるものではない。例えば、駆動機構部は、ランナー46が固定される長尺のラック部材と、ラック部材と噛合してモーターにより回転駆動される歯車とを有する構成を採用してもよい。
【0081】
<動作>
そして、主シェード20の収納状態から引出部材40が引出操作されると、主シェード20が引き出される。これにより、主シェード20の両側縁部22に設けられた被ガイド部80が引出収納方向に沿って引出側に向けて移動される。そして、被ガイド部80が主シェード20の引出動作に伴って進退用レール70に嵌合した状態で移動することにより、進退用レール70は、被ガイド部80の移動経路(引出状態における主シェード20の側縁部22)上に向けて引き出される。より具体的には、被ガイド部80が進退用レール70の天井側端部に嵌合した状態から床側に向けて移動されると、剛性材料で形成された進退用レール70は、全体的に進出位置に移動する。すなわち、進退用レール70は、被ガイド部80の移動経路に対して傾斜した退避位置から被ガイド部80の移動経路上の進出位置に移動される。この際、被ガイド部80が収容部74内を進退用レール70の延在方向に移動すると共に、主シェード20の被ガイド部80寄りの部分が開口部72を通じて外側方に延出した状態で開口部72の間を通って移動する。
【0082】
そして、引出部材40の引出操作により引き出される主シェード20及び進退用レール70の移動により引き出される副シェード60により、徐々にウインドウ1が遮蔽される。主シェード20が引出状態になるまで引出部材40が引き出されると、主シェード20及び副シェード60によってウインドウ1が全体的に遮蔽される。
【0083】
主シェード20の引出状態から引出部材40が収納操作されると、主シェード20が巻取装置30の巻取付勢力により巻き取られる。これにより、被ガイド部80は、引出収納方向に沿って収納側に移動される。そして、被ガイド部80が進退用レール70の天井側端部まで移動すると、付勢部材78の付勢力により進退用レール70は進出位置から退避位置に移動される。そして、主シェード20が収納状態まで巻き取られると、ウインドウ1は遮蔽されない状態となる。
【0084】
上記実施形態に係るシェード装置10によると、副シェード60に取り付けられ、副シェード60がウインドウ1の副遮蔽部分を遮蔽する進出位置と副シェード60がウインドウ1の側方に退避した退避位置との間で移動可能な進退用レール70に対して、主シェード20の側縁部22の延在方向における少なくとも1箇所の少なくとも一面側から突出する部分を含む被ガイド部80が移動可能に嵌合する。そして、主シェード20の引出動作に伴って被ガイド部80が進退用レール70に対して嵌合した状態で移動することにより、進退用レール70は退避位置から進出位置に移動される。このため、主シェード20を伸縮変形させなくとも、主シェード20により遮蔽しきれない部分を副シェード60により遮蔽してウインドウ1を全体的に遮蔽することができる。これにより、主シェード20の引出状態におけるしわ、弛みを抑制してウインドウ1を遮蔽することができる。
【0085】
また、引出部材40は、進退用レール70とは別の車体に固定されるガイドレール50により案内されるため、主シェード20の引出収納動作をより安定させることができる。
【0086】
また、進退用レール70が、退避位置で引出状態の主シェード20における被ガイド部80が設けられた側縁部22に対して傾斜し、進出位置で該側縁部22に沿って延在する。このため、進退用レール70は、主シェード20の引出状態における側縁部22に対して傾斜した退避位置から、主シェード20の引出動作に伴って移動される被ガイド部80の移動経路に沿うように移動され、副シェード60を引き出すことができる。
【0087】
また、被ガイド部80が、主シェード20の少なくとも一面側から突出する部分を含む第1の部分81が側縁部22の延在方向において間欠的に複数設けられると共に、複数の第1の部分81の間に、側縁部22の延在方向に直交する断面積が第1の部分81より小さい第2の部分82が設けられて形成されている。このため、主シェード20のうち被ガイド部80の複数の第1の部分81の間の部分で曲げやすく、巻取装置30による主シェード20の引出収納動作をよりしなやかにすることができる。
【0088】
また、被ガイド部80が、主シェード20の側方に開口するU字形状に形成されて主シェード20の側縁部22の一面側に間隔をあけて設けられた複数の一面側U字部83と、主シェード20の側方に開口するU字形状に形成されて主シェード20の側縁部22の他面側に間隔をあけて設けられた複数の他面側U字部84とを含んでいる。また、複数の一面側U字部83と複数の他面側U字部84とが、主シェード20の側縁部22の延在方向において交互に設けられ、各端部が互い違いに連結されている。このため、所定形状に形成した一連の線状部材を主シェード20の側縁部22に固定することにより第1の部分81及び第2の部分82を形成することができるため、被ガイド部80の進退用レール70に対する引っ掛かりを抑制して、主シェード20をよりスムーズに引出収納することができる。
【0089】
また、進退用レール70を退避位置に向けて付勢する付勢部材78を備えているため、主シェード20の収納動作に伴って付勢部材78の付勢力により進退用レール70を退避位置に移動させ、副シェード60を収納することができる。
【0090】
また、進退用レール70が剛性部材により形成されているため、被ガイド部80が進退用レール70に嵌合した状態から移動されると、進退用レール70を一気に進出位置に移動させることができる。
【0091】
これまで、1枚のシート状部材である主シェード20の側縁部22に被ガイド部80が設けられる例で説明してきたが、これに限られるものではない。例えば、長手方向に沿った端縁部に被ガイド部80が設けられた帯状のシート状部材を、ウインドウ1の主遮蔽部分を主として遮蔽する矩形状のシート状部材の側縁部に固定(縫い付け等)することにより、被ガイド部80が設けられた主シェード20が形成されてもよい。
【0092】
また、被ガイド部80は、上記構成に限られるものではない。例えば、被ガイド部は、第1の部分81の間に隙間があけられていてもよい。また、被ガイド部は、側縁部22の延在方向において、一面側又は両面側から突出する部分が1箇所だけに設けられていてもよい。なお、この場合でも、主シェード20の収納状態で被ガイド部の突出する部分が進退用レール70に嵌合していることが好ましい。また、被ガイド部は、側縁部22の延在方向全体において一面側又は両面側から突出する形状に形成されていてもよい。この場合、被ガイド部80は巻取装置30により巻き取り可能な程度の可撓性を有する材料で形成されているとよい。
【0093】
さらに、被ガイド部80は、進退用レール70との関係で、進退用レール70が延在方向に移動可能に支持可能に形成されていればよい。より具体的には、進退用レール70と被ガイド部80とは、被ガイド部80の移動により進退用レール70を退避位置から進出位置に移動させることができれば、種々の支持(嵌合等)形態を採用することができる。
【0094】
また、被ガイド部80は、線状部材であるガイド用部材を用いて形成される場合に限らず、主シェード20の側縁部22に対して挟み込む形態で固定される部材が複数取り付けられて形成されてもよい。
【0095】
また、付勢部材78が省略され、進退用レール70を手動で退避位置に戻すように構成されていてもよい。この場合、進退用レール70を退避位置に維持可能な係止部等をガイドレール、車体等に設けるとよい。
【0096】
ウインドウ1の副遮蔽部分を副シェード60とパネル部76を含む進退用レール70とで遮蔽可能に形成される例で説明したが、進退用レール70にも副シェード60が被せられ、副シェード60が副遮蔽部分を全体的に遮蔽可能に形成されていてもよい。
【0097】
これまで、進退用レール70が剛性材料で形成されている例で説明してきたが、進退用レール70は、可撓性部材により形成されていてもよい。
図13には、進出位置と退避位置とを結ぶ方向に撓むことが可能な可撓性部材により形成されている進退用レール70を示している。進出位置と退避位置とを結ぶ方向に撓むことを可能にする方法としては、材料、形状(進出位置と退避位置とを結ぶ方向の寸法をより小さくする等)等を変えることが考えられる。ここで、進退用レール70は、少なくとも、被ガイド部80の移動により進出位置に引き出される力と、付勢部材78により退避位置側に付勢される力とが作用した状態で撓む程度の可撓性を有する材料により形成されていることが好ましい。
【0098】
この進退用レール70を用いたシェード装置10によると、主シェード20の引出動作に伴って被ガイド部80が移動されると、進退用レール70のうちの被ガイド部80が嵌合した部分は進出位置に移動する。また、引出動作の初期の段階では、進退用レール70のうちの被ガイド部80が嵌合した部分より床側の部分(被ガイド部80が嵌合していない部分)は、退避位置から進出位置側に移動するものの、付勢部材78により退避位置側に付勢されることにより撓んで進出位置まで移動されない。すなわち、進退用レール70は、被ガイド部80が嵌合した部分から徐々に進出位置に移動され、主シェード20の引出状態(或いはそれに近い状態)で全体的に進出位置に移動される。
【0099】
また、矩形状の主シェード20を採用する場合、主シェード20の収納状態において巻取軸部34の外周部上で、その長手方向において被ガイド部80が重なる部分がかさばってしまう。そこで、主シェード20を、被ガイド部80が設けられた側縁部22が主シェード20の引出収納方向に対して傾斜する形状に形成することにより、主シェード20の巻き取り時に巻取軸部34の外周部上で被ガイド部80同士が重なることを抑制することができる。
【0100】
図14、
図15には、収納側端部より引出側端部が短い等脚台形状の主シェード201を用いた例を示している。この主シェード201によると、被ガイド部80が巻き始めから徐々に内側に寄って巻取軸部34に巻き付けられる。なお、主シェード201の側縁部の傾きは、主シェード201が巻取軸部34に巻き付けられる際に被ガイド部80同士が重ならないように、巻取軸部34の直径、被ガイド部80の幅寸法等を考慮して設定されているとよい。
【0101】
図16、
図17には、収納側端部より引出側端部が長い等脚台形状の主シェード202を用いた例を示している。この主シェード202によると、被ガイド部80が巻き始めから徐々に外側に寄って巻取軸部34に巻き付けられる。なお、主シェード202の側縁部の傾きは、主シェード202が巻取軸部34に巻き付けられる際に被ガイド部80同士が重ならないように、巻取軸部34の直径、被ガイド部80の幅寸法等を考慮して設定されているとよい。
【0102】
これまで、シェード装置10が駆動機構部90を備える例で説明してきたが、駆動機構部90が省略され、引出部材40を手動で操作するように構成されていてもよい。
【0103】
以上のように、シェード装置10は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。