(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施形態に係るシェード装置10について説明する(
図1、
図2参照)。本シェード装置10は、主シェード20及び副シェード60によりウインドウ1を遮蔽する装置である。すなわち、シェード装置10は、ウインドウ1のうち、主シェード20により遮蔽しきれない部分を、副シェード60により遮蔽するように構成されている。
【0022】
<ウインドウ>
説明の便宜上、シェード装置10を適用するウインドウ1について説明しておく。ウインドウ1は、台形等の異形窓であり、長方形に対して側方に異形部分を有する形状である。ここでは、シェード装置10が、自動車のリアウインドウとしてのウインドウ1に適用される例で説明する。より具体的には、このウインドウ1は、車体の床側から天井側に向けて幅狭になり、天井側の短辺と床側の長辺を有する略台形(ここでは略等脚台形)状に形成されている。すなわち、中央の長方形部分の両側方に直角三角形状の部分が設けられている。また、このウインドウ1を囲う窓枠は、天井側横枠1A、床側横枠1B、側方縦枠1Cを備える。
【0023】
<シェード装置>
ウインドウ1によっては、周辺スペースの都合上、長辺寸法全体に亘って遮蔽可能なシェードを用いること、又は、長辺側にシェード装置を配設することが困難なこともある。そこで、本シェード装置10は、主シェード20により遮蔽することができない部分を副シェード60を用いて遮蔽するように構成されている。
【0024】
ここでは、本シェード装置10は、主シェード20が天井側横枠1A側から床側横枠1B側に向けて引き出されるようにウインドウ1の周辺に配設される。そして、天井側横枠1Aと床側横枠1Bとを結ぶ方向を引出収納方向Pと称する。
【0025】
シェード装置10は、主シェード20と、巻取装置30と、引出部材40と、一対のガイドレールと、副シェード60と、連動機構部70と、駆動機構部90とを備えている。
【0026】
主シェード20は、主としてウインドウ1を遮蔽する部材である(
図2参照)。この主シェード20は、メッシュ状の布材、樹脂シート等を裁断、縫製等して、ウインドウ1を部分的に遮蔽可能な大きさ及び形状に形成されている。ここでは、主シェード20は、ウインドウ1の幅方向中心部分すなわち天井側横枠1A側の短辺を一辺に有する矩形部分を遮蔽可能な大きさ及び矩形状に形成されている。そして、主シェード20は、後述する副シェード60と共にウインドウ1を全体的に遮蔽可能である。以下、ウインドウ1のうちの主シェード20により遮蔽される部分を主遮蔽部分といい、その側方部分を副遮蔽部分ということがある。副遮蔽部分は、ウインドウ1の側方縦枠1Cを斜辺とする略直角三角形の部分である。
【0027】
もっとも、主シェード20は、上記のようにウインドウ1の形状に対応して形成されていればよく、矩形状の他にもウインドウ1の一部を遮蔽可能な台形等に形成されていてもよい。
【0028】
上記主シェード20は、巻取装置30に取り付けられている(
図3参照)。巻取装置30は、ベース32と、巻取軸部34と、一対の回転支持部36とを備えている。そして、巻取装置30は、主シェード20を引出収納方向Pに沿って引出、収納可能に巻き取るように構成されている。
【0029】
ベース32は、金属板を切断、屈曲等して形成された部材、或いは、金属を押出成形して形成された部材である。また、ベース32は、合成樹脂により形成されていてもよい。このベース32は、ねじ止め等により、車体パネル等に固定される。また、ベース32上には、一対の回転支持部36が立設されている。
【0030】
巻取軸部34は、長尺円筒状部材であり、一対の回転支持部36により、中心軸周りに回転可能に支持されている。この巻取軸部34の外周面には、その軸方向に沿って主シェード20の基端縁部(収納側端縁部)が取り付けられている。
【0031】
また、巻取軸部34は、回転支持部36に対して図示省略のコイルバネ等の付勢部材により、主シェード20を巻き取る向きに回転付勢されている。すなわち、主シェード20は、付勢部材による巻取力より大きい引出力が作用しない状態で当該巻取力により巻取軸部34に巻き取られ、巻取力より大きい引出力が加えられると巻取軸部34から引出される。
【0032】
ここでは、巻取装置30は、天井側横枠1Aの内側に配設される。より具体的には、巻取軸部34が引出収納方向Pに直交する姿勢で、ベース32が天井側横枠1Aの内側で車体パネル等に固定される。天井側横枠1Aには、ウインドウ1の短辺に沿って主シェード20引出用のスリットが形成されているものとする。
【0033】
主シェード20の先端縁部(引出側端縁部)には、引出部材40が取り付けられている。引出部材40は、ステイ42と、一対のランナー44とを備えている(
図2参照)。ステイ42は、主シェード20の先端部に沿って取り付けられる長尺棒状の部分である。また、一対のランナー44は、ステイ42の両端部に連結され、後述する一対のガイドレールにより案内される部分である。また、一対のランナー44は、後述する連動機構部70の進退用リンク72を押し動かすための連動用突起部46を有している。
【0034】
そして、この引出部材40を引出収納方向Pに沿って移動操作することにより、主シェード20を引出、収納することができる。主シェード20が巻き取られて天井側横枠1A内に退避した状態を収納状態、主シェード20が引き出されてウインドウ1の主遮蔽部分が遮蔽された状態を引出状態と称する。
【0035】
一対のガイドレールは、引出部材40を引出収納方向Pに沿って案内する部分である。この一対のガイドレールは、一対のランナー44がそれぞれ一方向(長手方向)に沿って移動するように案内可能な長尺部材である(
図4、
図5参照)。ここでは、一対のガイドレール両方が、後述する副シェード60が連結された可動レール50である。
【0036】
可動レール50は、長手方向に直交する方向においてランナー44と相対移動不能(僅かな遊びが設定されていてもよい)に凹凸嵌合可能な形状に形成されている。より具体的には、可動レール50には、長手方向に直交する断面視において、屈曲(直交する2方向に沿って屈曲)した形状の複数の案内突出部52が、板状の本体部分から突出する形態で設けられている。一方、ランナー44は、可動レール50の複数の案内突出部52に対して直交する2方向における両側から接触可能な溝部48を有する。また、可動レール50は、後述する駆動機構部90の可撓性ラック部材92を挿通可能なラック用溝部54を有している。
【0037】
この可動レール50は、金属板を切断、屈曲等して、或いは、溶融させた金属を押出成形して形成されるとよい。また、可動レール50は、合成樹脂を押出成形して形成されてもよい。
【0038】
上記可動レール50は、退避位置と進出位置との間で移動可能に設けられている。退避位置は、副シェード60がウインドウ1の側方(ここでは側方縦枠1C内)に退避した位置である(
図1、
図6参照)。また、進出位置は、ランナー44を引出収納方向に沿って案内可能且つ取り付けられた副シェード60がウインドウ1の副遮蔽部分を遮蔽する位置である(
図2、
図8参照)。なお、側方縦枠1Cには、可動レール50及び副シェード60等が出入可能なスリットが形成されており、可動レール50はこのスリットを通じて進出位置と退避位置とで移動される。
【0039】
ここで、副シェード60について説明しておく。上述したように、巻取装置30がウインドウ1の短辺側の天井側横枠1A内に配設される場合、スペース上、短辺に対してより幅広な巻取装置30を配設することが困難なこともある。本シェード装置10は、ウインドウ1の短辺に対応した(幅寸法が略同じ)主シェード20を採用しているため、主シェード20の側方でウインドウ1を遮蔽できない部分が生じる。そこで、本シェード装置10は、遮蔽対象となる1つのウインドウ1について、主シェード20の側方を副シェード60により遮蔽するように構成されている(
図2参照)。
【0040】
副シェード60は、ウインドウ1のうちの主シェード20により遮蔽される部分の側方部分(副遮蔽部分)を遮蔽可能な大きさ及び形状に形成されている。これにより、副シェード60は、主シェード20と共にウインドウ1を全体的に遮蔽する。副シェード60としては、遮光性を有する(メッシュ状のように僅かに透光性を有するものでもよい)布又は樹脂シート等が裁断、縫製等されたシート状に形成されているものを採用できる。ここでは、副シェード60は、シート状に形成されているものとする。この副シェード20のうち、主シェード20とは反対側の端縁部は、車両の車体パネル等に対して固定されているとよい。
【0041】
また、ここでは、副シェード60は、上記可動レール50の一部と共に副遮蔽部分を遮蔽する。より具体的には、可動レール50は、本体部分の車室内側に長手方向に亘って引き出された主シェード20に沿う面を有するサイドパネル56を有している。副シェード60は、サイドパネル56のうち主シェード20とは反対側の端縁部に取り付けられている。
【0042】
また、副シェード60と共に副遮蔽部分を遮蔽するサイドパネル56のうちの主シェード20側の端縁部は、主シェード20の側辺の形状に沿った形状(ここでは直線状)に形成されているとよい。そして、副シェード60及びサイドパネル56は、サイドパネル56のうちの主シェード20側の端縁部が、主シェード20の側辺に対して厚さ方向に重なる形態又は突き合わされる形態で、ウインドウ1の副遮蔽部分を遮蔽する。すなわち、副シェード60及びサイドパネル56は、主シェード20との間からの光漏れを抑制するように構成されているとよい。
【0043】
もっとも、副シェード60は、可動レール50の車室内側全体に重複するように取り付けられて、ウインドウ1の副遮蔽部分全体を自身単体で遮蔽可能な大きさ及び形状に形成されていてもよい。また、この場合、副シェード60は、主シェード20側の端縁部が主シェード20の側辺の形状に対応した形状に形成されているとよい。
【0044】
連動機構部70は、引出部材40の引出収納方向Pの移動に連動させて、可動レール50を進出位置と退避位置との間で移動させる部分である(
図6参照)。この連動機構部70は、引出部材40が引出収納方向Pに移動される力を、可動レール50を進出位置と退避位置との間で移動させる力に伝達可能に構成されている。連動機構部70は、進退用リンク72と、規制機構部と、付勢部材82とを備える。
【0045】
進退用リンク72は、可動レール50を直接移動させる部分である。この進退用リンク72は、可動レール50に対して相対回転可能に連結され、可動レール50を進出位置に移動させる進出用姿勢と、可動レール50を退避位置に移動させる退避用姿勢とで姿勢変更される。進退用リンク72は、本体部73と、連動用受部74とを含む。
【0046】
本体部73は、一方向に長尺な板状に形成された部分である。そして、本体部73は、一端部が可動レール50の基端側(巻取装置30側)部分に対して相対回転可能に連結されると共に、他端側部分の2点が後述する規制機構部の一対の規制リンク76、78に対して相対回転可能に連結されている。また、本体部73は、進出用姿勢において、進出位置にある可動レール50(副シェード60)より主シェード20側に出ないように一端側部分が先細りになった形状に形成されている(
図8参照)。ここでは、本体部73は、進出位置にある可動レール50(副シェード60)の主シェード20側端縁部に沿う辺を有する形状に形成されている。
【0047】
また、連動用受部74は、ランナー44の連動用突起部46を配設可能な内部空間を包囲壁で囲うと共に、包囲壁の周方向一部に連動用突起部46が出入可能な開口部75が形成された部分である。この連動用受部74は、本体部73の一主面から突起する形状に形成されている。
【0048】
ここで、連動用突起部46及び連動用受部74について、互いの関係と併せてより詳細な形状について説明する(
図10参照)。
【0049】
連動用突起部46は、ランナー44の一部において、主シェード20の動作平面に略直交する向きに突起する形状に形成されている。この連動用突起部46は、突起方向に直交する断面視において、一方向の寸法が他の一方向の寸法より小さく設定された形状に形成されている。ここでは、連動用突起部46は、突起方向に直交する断面視において、円弧部(ここでは180度より大きい円弧)とその両端部を結ぶ直線部を組み合わせた外周部を有する柱状に形成されている。すなわち、連動用突起部46は、円弧部の中心軸に対する放射方向のうち、直線部に直交する方向の寸法が最も小さくなっている。ここでは、連動用突起部46は、直線部が引出部材40の長手方向中間部側で引出収納方向Pに沿う形状に形成されている。
【0050】
一方、連動用受部74は、略円柱状の内部空間を囲う形態で本体部73の一主面に包囲壁が立設されて構成されている。また、連動用受部74は、開口部75が連動用突起部46の直線部に直交する方向の寸法と同じかそれより僅かに大きい寸法で開口するように設定されている。すなわち、連動用受部74は、連動用突起部46の直線部が開口部75の開口方向に沿った姿勢で、連動用突起部46を出し入れ可能である。換言すると、連動用受部74は、連動用突起部46の直線部が開口部75の開口方向に沿っていない姿勢では、連動用突起部46の外周部に包囲壁が当接して連動用突起部46が開口部75から抜け出ないようになっている(
図9参照)。また、ここでは、連動用受部74は、包囲壁の一端部(進出用姿勢で引出部材40の端部側に位置する端部)が開口部75の開口方向で且つ包囲壁が沿う円の接線方向に延びる形状に形成されている。
【0051】
進退用リンク72は、連動用突起部46が連動用受部74内に配設された状態で引出部材40が移動されると、連動用受部74が引出収納方向Pに沿って移動されるように姿勢変更される(
図9参照)。すなわち、進退用リンク72は、連動用受部74周りに回転しつつ移動するように配設されている。
【0052】
進退用リンク72は、可動レール50が進出位置にある状態で、連動用受部74の開口部75を引出収納方向P引出側に向ける姿勢に維持される(
図10参照)。この姿勢は、ランナー44を、連動用突起部46が連動用受部74内に配設される位置と連動用突起部46が連動用受部から出て可動レール50に案内される位置との間で移動可能にする姿勢である。
【0053】
また、進退用リンク72は、進出用姿勢において、引出収納方向P収納側に包囲壁が存在している。すなわち、連動用突起部46が連動用受部74内に配設された状態で、引出部材40が引出収納方向P収納側に移動されると、連動用突起部46により包囲壁が押圧されて、進退用リンク72は連動用受部74を中心として回転しつつ引出収納方向P収納側に移動される。そして、進出用姿勢から姿勢変更した進退用リンク72における連動用受部74の包囲壁が引出収納方向P両側に存在している。すなわち、引出部材40が引出収納方向Pに移動されると、連動用突起部46により包囲壁が押圧されて、進退用リンク72は連動用受部74の中心軸周りに回転しつつ引出収納方向P収納側又は引出側に移動される。
【0054】
上記進退用リンク72の姿勢変更は、規制機構部により規制されている。規制機構部は、連動用受部74が引出収納方向Pに沿って移動するように、進退用リンク72の進出用姿勢と退避用姿勢との間の姿勢変更を一定に規制するように構成されている(
図6から
図8参照)。この規制機構部は、一対の規制リンク76、78を含む。
【0055】
一対の規制リンク76、78は、それぞれ、一端部が巻取装置30に対して相対的に一定位置にある軸周りに回転可能に支持されると共に、他端部が進退用リンク72の別の部分に回転可能に連結されている。ここでは、一対の規制リンク76、78の一端部は、それぞれ、巻取装置30のベース32(又は車体)の異なる箇所に対して軸周りに相対回転可能に支持されている。すなわち、進退用リンク72は、一対の規制リンク76、78によりベース32上に支持されている。さらに、進退用リンク72に連結されている可動レール50も、間接的にベース32に支持されている。
【0056】
そして、進退用リンク72は、姿勢変更される一対の規制リンク76、78の各他端部の位置に対応した姿勢で姿勢変更されつつ移動される。より具体的には、進退用リンク72は、一定の間隔に維持される一対の規制リンク76、78の他端部同士を結ぶラインが、一対の規制リンク76、78の姿勢変更により傾くと、その傾きの分だけ連動用受部74の中心軸周りに姿勢変更する。また、進退用リンク72は、一対の規制リンク76、78の姿勢変更によるその各他端部移動により、姿勢変更と共に引出収納方向Pに沿って移動する。
【0057】
付勢部材82は、進退用リンク72を進出用姿勢及び退避用姿勢に維持するための部材である。より具体的には、付勢部材82は、進退用リンク72を、所定の姿勢より進出用姿勢寄りの姿勢で進出用姿勢側に向けて付勢すると共に、前記所定の姿勢より退避用姿勢寄りの姿勢で退避用姿勢側に向けて付勢するように設けられている。
【0058】
この付勢部材82は、一方向に伸長する向きに付勢可能に構成されている。例えば、基部と基部に対して進出位置と退避位置との間で移動可能に設けられた進退部との間にコイルばねが配設され、コイルばねにより進退部を進出位置側に付勢した構成を採用することができる。
【0059】
ここでは、付勢部材82は、一端部が一方の規制リンク76の他端部に連結されると共に、他端部が巻取装置30のベース32(又は車体)に対して相対回転可能に連結されている。すなわち、一方の規制リンク76の他端部と付勢部材82の一端部との連結部が、一方の規制リンク76の一端部と付勢部材82の他端部とを結ぶラインを横切ると、前記ラインに対して連結部がある側に付勢方向が切替わる。
【0060】
また、連動機構部70により移動される可動レール50は、レール姿勢規制部86によって、進出位置と退避位置との間の移動における姿勢変更を一定に規制されている。レール姿勢規制部86は、一端部が巻取装置30に対して相対的に一定位置にある軸周りに回転可能に支持されると共に、他端部が可動レール50に連結されている。ここでは、レール姿勢規制部86の一端部は可動レール50の先端側部分に連結されており、他端部は車両側(車体パネル等)に対して支持されているとよい。すなわち、このレール姿勢規制部86は、一端部が他端部周りの周方向に移動する経路で可動レール50を案内するように構成されている。
【0061】
駆動機構部90は、引出部材40を引出収納方向Pに沿って移動操作して主シェード20を引出、収納する部分である(
図1、
図2参照)。駆動機構部90は、可撓性ラック部材92と、ラック駆動部94とを備えている。
【0062】
可撓性ラック部材92は、長尺板状の一面に長手方向に沿って複数の歯が形成された部材である。この可撓性ラック部材92は、一対のランナー44に対応して一対設けられ、ランナー44の引出収納方向P収納側に連結されている。また、可撓性ラック部材92は、図示省略の案内部によって、ラック駆動部94から進出位置の可動レール50の基端側位置に向けて、可動レール50の延在方向に沿う経路に案内されるように配設されている。また、可撓性ラック部材92は、ランナー44の溝部48が可動レール50の案内突出部52に嵌合した状態で、ラック用溝部54に挿入される。
【0063】
そして、一対の可撓性ラック部材92が長手方向に移動されることにより、一対のランナー44がそれぞれ移動されて主シェード20が引出、収納される。
【0064】
ラック駆動部94は、可撓性ラック部材92を長手方向に移動させる部分である。このラック駆動部94としては、一対の可撓性ラック部材92に対して噛合する歯車と、歯車を伝達歯車等を介して回転駆動するモータとを含む構成を採用することができる。ラック駆動部94は、巻取装置30のベース32に対して固定されているとよい。もっとも、ラック駆動部94は、シェード装置10の取り付け対象となる車両の車体パネル等に固定されることにより、巻取装置30に対して相対的に位置固定されていてもよい。
【0065】
<シェード装置の動作>
次に、シェード装置10の動作について説明する。まず、ウインドウ1を遮蔽する動作から説明する。シェード装置10は、初期状態として、主シェード20が収納状態にあると共に、可動レール50(副シェード60)が退避位置にあるものとする(
図1、
図6参照)。
【0066】
まず、ラック駆動部94により、一対の可撓性ラック部材92を、それぞれ引出収納方向P引出側に向けて送り出す(
図7参照)。これにより、引出部材40が引出収納方向P引出側に向けて移動される。これにより、ランナー44の連動用突起部46が連動用受部74を引出収納方向P引出側に直線的に押圧していく。そして、進退用リンク72は、引出収納方向P引出側に移動しつつ、一対の規制リンク76、78により規制されながら退避用姿勢から進出用姿勢に向けて姿勢変更される。これに伴って、可動レール50が退避位置から進出位置に向けて移動される。
【0067】
進退用リンク72の姿勢変更し始めの段階では、進退用リンク72は付勢部材82により退避用姿勢側に向けて付勢されており、この付勢力に逆らって引出部材40が引き出されることにより姿勢変更していく。そして、進退用リンク72が所定の姿勢を越えたところで、進退用リンク72は付勢部材82により進出用姿勢側に向けて付勢される。これにより、進退用リンク72は、進出用姿勢まで姿勢変更された後は進出用姿勢に維持される。また、可動レール50も、進出位置まで移動された後は進出位置に維持される。ここでは、可動レール50は、巻取軸部34と垂直となる。
【0068】
また、可動レール50に取り付けられた副シェード60は、可動レール50が進出位置に向けて移動されるのに伴ってウインドウ1上に引き出される。
【0069】
そして、進退用リンク72が進出用姿勢に姿勢変更されて、可動レール50が進出位置に移動されると、サイドパネル56(副シェード60が重なってもよい)がウインドウ1のうちの副遮蔽部分に対して車室内側から重なって遮蔽する(
図2、
図8参照)。
【0070】
また、可動レール50が進出位置に移動された状態では、ランナー44の溝部48及び可撓性ラック部材92が、可動レール50の長手方向において基端側から案内突出部52及びラック用溝部54に対して対向する位置に配設される(
図4参照)。また、進退用リンク72は、連動用受部74が開口部75を引出収納方向P引出側に向けている(
図10参照)。
【0071】
引出部材40がさらに引出収納方向P引出側に移動されると、ランナー44の連動用突起部46は、進退用リンク72の連動用受部74から開口部75を通じて引出側に抜け出す。これにより、ランナー44の溝部48が可動レール50の案内突出部52に嵌合されると共に、可撓性ラック部材92がラック用溝部54に挿入される(
図5参照)。さらに可撓性ラック部材92が送り出されると、ランナー44が可動レール50を引出収納方向P引出側に向けて移動され、主シェード20が引き出される。そして、主シェード20がウインドウ1の主遮蔽部分を遮蔽した引出状態となるまで引出部材40が移動される。主シェード20の引き出し動作の停止は、駆動機構部90による可撓性ラック部材92の送り出し動作の停止により成されるとよい。
【0072】
以上の動作により、主シェード20及び副シェード60(及び可動レール50のサイドパネル56)によってウインドウ1が全体的に遮蔽される。
【0073】
次に、ウインドウ1を遮蔽しない状態にする動作を説明する。
【0074】
まず、ラック駆動部94により、一対の可撓性ラック部材92を、それぞれ引出収納方向P収納側に向けて送り戻す。これにより、引出部材40が引出収納方向P収納側に向けて移動され、主シェード20が巻取装置30の巻取付勢力によって巻き取られていく。引出部材40が可動レール50の基端部を越えて移動されると、ランナー44の連動用突起部46が進退用リンク72の連動用受部74内に開口部75を通じて進入する
図10参照。この際、ランナー44の溝部48が可動レール50の案内突出部52から外れると共に、可撓性ラック部材92がラック用溝部54から抜け出る(
図4参照)。
【0075】
さらに可撓性ラック部材92が送り戻されると、連動用受部74内に進入した連動用突起部46が連動用受部74を押圧していく。そして、進退用リンク72は、引出収納方向P収納側に移動しつつ、一対の規制リンク76、78により規制されながら進出用姿勢から退避用姿勢に向けて姿勢変更される。これに伴って、可動レール50が退避位置から進出位置に向けて移動される。
【0076】
進退用リンク72の姿勢変更し始めの段階では、進退用リンク72は付勢部材82により進出用姿勢側に向けて付勢されており、この付勢力に逆らって引出部材40が収納側に移動されることにより姿勢変更していく。そして、進退用リンク72が所定の姿勢を越えたところで、進退用リンク72は付勢部材82により進出用姿勢側に向けて付勢される。これにより、進退用リンク72は、退避用姿勢まで姿勢変更された後は退避用姿勢に維持される。また、可動レール50も、退避位置まで移動された後は退避位置に維持される。ここでは、可動レール50は、ウインドウ1の側方縦枠1C内に配設される。
【0077】
進退用リンク72が退避用姿勢に姿勢変更されて、可動レール50が退避位置に移動されると、副シェード60はウインドウ1の副遮蔽部分上から退避して側方縦枠1C内に収容される(
図1、
図6参照)。また、引出部材40は、進退用リンク72が退避用姿勢に姿勢変更されたところで、連動用突起部46の連動用受部74に対する当接、且つ、駆動機構部90による可撓性ラック部材92の停止により、巻取装置30によって主シェード20がさらに巻き取られないようになっている。なお、この状態で、引出部材40は、天井側横枠1A内に配設されているとよい。
【0078】
以上の動作により、主シェード20及び副シェード60が収納される。
【0079】
上記実施形態に係るシェード装置10によると、一対のランナー44がそれぞれ一方向に沿って移動可能に嵌合可能な一対のガイドレールのうちの少なくとも1つが、ウインドウ1のうちの主シェード20により遮蔽される部分の側方部分を遮蔽可能な副シェード60が連結された可動レール50であり、可動レール50は、副シェード60がウインドウ1の側方に退避した退避位置と、ランナー44を引出収納方向Pに沿って案内可能且つ副シェード60がウインドウ1のうちの主シェード20により遮蔽される部分の側方部分を遮蔽する進出位置との間で移動可能に設けられている。このため、主シェード20を伸縮変形させなくとも、主シェード20により遮蔽しきれない部分を副シェード60により遮蔽してウインドウ1を全体的に遮蔽することができる。これにより、主シェード20の引出状態におけるしわ、弛みを抑制してウインドウ1を遮蔽することができる。
【0080】
また、ここでは、主シェード20を長方形に形成しているため、引出時における両側辺の形態差、たわみ及び皺の発生をより確実に抑制できる。
【0081】
また、副シェード60の出退動作を可動レール50により行うため、副シェード60用の巻取装置が不要であり、小型化できると共に構造を簡単にできる。もっとも、副シェード60は巻取装置により巻き取られるように配設されていても構わない。
【0082】
また、引出部材40の引出収納方向Pの移動に連動させて可動レール50を進出位置と退避位置との間で移動させる連動機構部70を備えるため、主シェード20の引出操作に伴って副シェード60を進出させることができ、操作性が向上する。
【0083】
また、連動機構部70が、引出部材40が引出収納方向Pに移動される力を、可動レール50を進出位置と退避位置との間で移動させる力に伝達するため、主シェード20の引出操作をすることにより、副シェード60の出退用の駆動源を用いずに副シェード60の進退動作を行うことができる。
【0084】
また、連動機構部70が、可動レール50に対して相対回転可能に連結され、内部空間を包囲壁で囲うと共に包囲壁の周方向一部に開口部75が形成された形状の連動用受部74を含む進退用リンク72と、進退用リンク72を、可動レール50を進出位置に移動させると共に連動用受部74の開口部75を引出収納方向P引出側に向ける進出用姿勢と、可動レール50を退避位置に移動させると共に連動用受部74の開口部75を引出収納方向Pに傾斜した向きに向ける退避用姿勢との間で姿勢変更可能に支持する規制機構部とを含んでいる。また、可動レール50に案内されるランナー44は、進出用姿勢における進退用リンク72の連動用受部74内に開口部75を通じて出入可能で、連動用受部74内に配設された状態で進退用リンク72を押動可能な連動用突起部46を含んでいる。このため、連動用受部74内に配設された連動用突起部46の移動により進退用リンク72を姿勢変更させて可動レール50を進退動作させることができ、より簡単な構成で引出部材40の移動力を伝達して副シェード60を進退移動させることができる。
【0085】
また、一対の規制リンク76、78が、連動用受部74が引出収納方向Pに沿って直線状に移動するように進退用リンク72の姿勢変更を規制しているため、引出部材40において長手方向の伸縮機構を省略でき、より安定した形態で主シェード20を引出、収納することができ、主シェード20の幅方向における偏り(左右差)、弛み及び皺等をより確実に抑制できる。
【0086】
また、規制機構部が、それぞれ、一端部が巻取装置30に対して相対的に一定位置にある軸周りに回転可能に支持されると共に、他端部が進退用リンク72の別の部分に回転可能に連結された一対の規制リンク76、78により構成されているため、より簡単な構成で引出部材40の移動力を伝達して副シェード60を進退移動させることができる。
【0087】
また、連動機構部70が、進退用リンク72を、所定の姿勢より進出用姿勢寄りの姿勢で進出用姿勢側に向けて付勢すると共に、所定の姿勢より退避用姿勢寄りの姿勢で退避用姿勢側に向けて付勢するように設けられた付勢部材82を含むため、可動レール50を進出位置及び退避位置のそれぞれにより確実に維持しておくことができる。
【0088】
また、一対のランナー44の引出収納方向P収納側に連結された可撓性ラック部材92と、可撓性ラック部材92を長手方向に移動させるラック駆動部94とを含む駆動機構部90を備えるため、可動レール50により引出部材40を案内する構成においても、より簡易且つコンパクトな形態で主シェード20を自動で引出、収納することができる。
【0089】
また、簡易な構成により、一対の可撓性ラック部材92の曲げ部分をそれぞれ一箇所にすることができるため、可撓性ラック部材92の荷重変動を抑制し、スムーズな動作及び安定性能を発揮できる。
【0090】
また、可動レール50を進出位置と退避位置との間で一定の経路で移動するように規制するレール姿勢規制部86を備えるため、可動レール50の移動を安定化させることができる。
【0091】
これまで、主シェード20の引出、収納を、駆動機構部90により引出部材40を引出収納方向Pに移動させることにより行う例で説明してきたが、引出部材40が手動で移動されてもよい。なお、上記のように引出部材40を手動で動かす場合、引出部材40は、巻取装置30により主シェード20が巻き取られて天井側横枠1A内に退避した状態で、それ以上巻き取られないように巻取装置30或いは車体の一部に対して係止するように構成されているとよい。なお、引出部材40が巻取装置30に対して係止するための構成は、引出部材40側に形成されていても、巻取装置30或いは車体側に形成されていてもよい。また、主シェード20を引出状態に維持するために、引出部材40及び床側横枠1Bのいずれか又は両方に係止構造が設けられているとよい。
【0092】
また、副シェード60は、ウインドウ1のうちの副遮蔽部分を遮蔽可能なに形成されていればよく、上述したようなシート形状に限られるものではない。以下、副シェード60の変形例を3つ挙げる。もっとも、下記の副シェード以外の形状を採用することも可能である。
【0093】
第1の変形例に係る副シェード601は、可動レール50が退避位置に移動された際に側方縦枠1C内にコンパクトに収納できるように、シート状部材が交互に山折、谷折されて蛇腹状に形成されている(
図11〜
図13参照)。すなわち、副シェード601は、可動レール50が退避位置にある状態で山部同士及び谷部同士が近接して縮んだ形態となり、進出移動されると山部同士及び谷部同士が離間して拡がった形態となる。
【0094】
第2の変形例に係る副シェード602は、合成樹脂材料を成型した板状に形成されている(
図14〜
図16参照)。この副シェード602は、可動レール50と別体に形成されても一体に形成されてもよい。
【0095】
第3の変形例に係る副シェード603は、複数の板状部材を含み、複数の板状部材が厚さ方向に重なった状態から互いに側方にずれることによって、副遮蔽部分を遮蔽可能な大きさに拡がることが可能な形状に形成されている(
図17〜
図19参照)。より具体的には、複数の板状部材は、それぞれ、細長板状に形成され、長手方向に沿った一方の側縁部の一面側から突出する該一方の側縁部に沿った一方の突条部と、他方の側縁部の他面側から突出する該他方の側縁部に沿った他方の突条部とが設けられている。すなわち、副シェード603は、可動レール50が退避位置にある状態で複数の板状部材は厚さ方向に重なった形態となり、進出移動されると可動レール50側の板状部材が引き出されて他方の突条部が他の板状部材の一方の突条部に引っ掛って該他の板状部材を引き出す。そして、副シェード603は、同様に複数の板状部材が引き出されて拡がった形態となる。
【0096】
また、駆動機構部90は、可撓性ラック部材92とラック駆動部94との組み合わせに限られず、例えば、ランナー44に連結した棒状部材を引出収納方向Pに沿って移動させる構成を採用してもよい。
【0097】
また、一対のガイドレールの両方が可動レール50である例で説明してきたが、一方のみが可動レール50で、他方が副シェード60が連結されていないガイドレールであってもよい。このガイドレールは、側方縦枠1C内に配設され、車体に対して固定されているとよい。
【0098】
また、連動機構部70は、上述した構成に限られるものではない。例えば、連動機構部は、進退用リンク72の姿勢変更を規制する一対の規制リンク76、78の代わりに、進退用リンクに2つの突起部が設けられ、ベース32上に2つの突起部を案内する案内溝が設けられた構成を採用することもできる。また、連動機構部として、エアシリンダ、モータ等の駆動部を有する電動の連動機構部が採用されてもよい。例えば、駆動機構部90から出力される動作開始信号を受けて、駆動部により可動レール50を退避位置から進出位置に移動させる構成を採用することができる。
【0099】
また、連動機構部70が省略され、可動レール50が手動で退避位置から進出位置に移動可能に構成されていてもよい。例えば、可動レール50が退避位置と進出位置との間で移動可能にリンク等により支持されると共に、移動用取手を設けて操作可能な構成を採用できる。
【0100】
また、巻取装置30がウインドウ1の天井側横枠1A内に配設される例で説明してきたが、巻取装置30は床側横枠1B内に配設されてもよい。この場合も、ウインドウ1のうち、床側横枠1B内に配設された巻取装置30から引き出される主シェード20により遮蔽される部分の側方の部分を副シェード60(可動レール50)により遮蔽するように構成されていればよい。
【0101】
また、可動レール50が、進出位置で巻取軸部34に垂直な方向に沿う例で説明してきたが、巻取軸部34に垂直な方向に対して傾斜した姿勢であってもよい。この場合、引出部材40は、一対の可動レール50の間隔に対応して長手方向に伸縮可能に構成されているとよい。例えば、引出部材は、ステイが筒状に形成され、ランナーがステイに対して長手方向に移動可能に挿入された構成を採用することができる。
【0102】
また、引出部材が長手方向に伸縮可能な構成を採用すれば、規制機構部は、進退用リンク72を、連動用受部74が引出収納方向Pに沿って直線状に移動するように姿勢変更されなくとも、ランナー44を案内し且つ可動レール50を移動させることができる。なお、規制機構部は、進出用姿勢において連動用受部74が開口部75を引出収納方向P引出側に向けると共にランナー44が可動レール50に嵌合可能な位置に連動用突起部46を案内するように、進退用リンク72の姿勢変更を規制可能であることが好ましい。
【0103】
また、可動レール50とランナー44との嵌合形態は、案内突出部52と溝部48との組み合わせに限られるものではない。すなわち、可動レール50とランナー44とは、可動レール50の長手方向に直交する方向において相対移動不能、且つ、連動用突起部46が連動用受部74に対して出入可能に露出されていれば、その他の凹凸嵌合等が採用されてもよい。
【0104】
また、連動用突起部46と連動用受部74とは、進退用リンク72が進出用姿勢でランナー44に対して相対移動可能で、且つ、それ以外の姿勢で相対移動不能(相対回転は可能であってよい)な構成であればよく、上記組み合わせに限られるものではない。例えば、連動用突起部と連動用受部とは、形状が逆に設定されていてもよい。すなわち、進退用リンクが進出用姿勢にある状態で、進退用リンクに形成された突起状の連動用受部の直線部が引出収納方向Pに沿い、ランナーに形成された略C字状の連動用突起部内に開口部75を通じて出入可能となり、進退用リンクがそれ以外の姿勢の状態で、連動用受部が連動用突起部から抜け出し不能となる。
【0105】
また、レール姿勢規制部86は、リンクに限らず、可動レール50に突起を設けて該突起を案内する溝状に形成されていてもよい。
【0106】
また、シェード装置10は、リアウインドウ以外のウインドウ、台形以外の形状のウインドウに対しても適用可能である。この場合にも、ウインドウのうちの主シェード20により遮蔽可能な部分を副シェードで覆うように構成されていればよい。