特許第5841004号(P5841004)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5841004-ワイパアーム部材、及び車両 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5841004
(24)【登録日】2015年11月20日
(45)【発行日】2016年1月6日
(54)【発明の名称】ワイパアーム部材、及び車両
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/34 20060101AFI20151210BHJP
【FI】
   B60S1/34 A
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-106929(P2012-106929)
(22)【出願日】2012年5月8日
(65)【公開番号】特開2013-233846(P2013-233846A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2014年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101352
【氏名又は名称】アスモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】中野 博之
【審査官】 神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−253652(JP,A)
【文献】 実開昭59−049563(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3086086(JP,U)
【文献】 特開2005−014765(JP,A)
【文献】 実開昭62−145764(JP,U)
【文献】 特開2013−244806(JP,A)
【文献】 特開2012−035731(JP,A)
【文献】 特開平10−278745(JP,A)
【文献】 特開昭63−159162(JP,A)
【文献】 特開昭60−157946(JP,A)
【文献】 特開昭60−106974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00 − 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアウィンドの払拭面を払拭するためのブレードラバーと共にリアワイパの一部を構成し、車両ボディに回動可能に軸支され、前記車両ボディの後方から見て前記車両ボディから前記リアウィンドに亘って延びる長尺状のワイパアーム部材であって、
停止位置にある状態で前記車両ボディの後方から見て前記車両ボディと前記リアウィンドとの境目で外表面が色分けされたことを特徴とするワイパアーム部材。
【請求項2】
請求項1に記載のワイパアーム部材において、
前記車両ボディと前記リアウィンドとの境目よりも前記車両ボディ側の外表面が、前記車両ボディと同系色とされたことを特徴とするワイパアーム部材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のワイパアーム部材において、
前記車両ボディと前記リアウィンドとの境目よりも前記リアウィンド側の外表面が、前記リアウィンドと同系色とされたことを特徴とするワイパアーム部材。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のワイパアーム部材が前記車両ボディに回動可能に軸支されたことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアワイパを構成するワイパアーム部材、及びワイパアーム部材を備えた車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両には、リアウィンドを払拭するリアワイパが設けられたものがある。そして、ブレードラバーと共にリアワイパを構成するワイパアーム部材としては、車両ボディ(バックドア)に回動可能に軸支され、車両ボディの後方から見て車両ボディからリアウィンドに亘って延びるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−14765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなワイパアーム部材は、一般的に全体が(黒色)一色であり、その色が車両ボディ(バックドア)とリアウィンドとの境目を横切ってしまうため、車両のデザイン性を低下させる原因となっていた。具体的には、例えば、図2に示すように、車両ボディの一部である例えば黄色のバックドア21に、該バックドア21からリアウィンド22に亘って延びる長尺状のワイパアーム部材23が回動可能に軸支された構成では、例えば黒色一色のワイパアーム部材23が前記境目を横切ることでバックドア21のデザイン性を大きく低下させることになる。尚、図2では、色の違いを点々の密度に差をつけることで簡易的に表現している。
【0005】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、デザイン性を向上させることができるワイパアーム部材及び車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、リアウィンドの払拭面を払拭するためのブレードラバーと共にリアワイパの一部を構成し、車両ボディに回動可能に軸支され、前記車両ボディの後方から見て前記車両ボディから前記リアウィンドに亘って延びる長尺状のワイパアーム部材であって、停止位置にある状態で前記車両ボディの後方から見て前記車両ボディと前記リアウィンドとの境目で外表面が色分けされたことを要旨とする。
【0007】
同構成によれば、ワイパアーム部材は、停止位置にある状態で車両ボディの後方から見て車両ボディとリアウィンドとの境目で外表面が色分けされるため、例えば、全体が一色とされてその色が前記境目を横切ってしまうものに比べて、装着された車両のデザイン性を向上させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のワイパアーム部材において、前記車両ボディと前記リアウィンドとの境目よりも前記車両ボディ側の外表面が、前記車両ボディと同系色とされたことを要旨とする。
【0009】
同構成によれば、ワイパアーム部材は、車両ボディとリアウィンドとの境目よりも車両ボディ側の外表面が、車両ボディと同系色とされるため、車両ボディ側で目立たなくなり、装着された車両のデザイン性を向上させることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のワイパアーム部材において、前記車両ボディと前記リアウィンドとの境目よりも前記リアウィンド側の外表面が、前記リアウィンドと同系色とされたことを要旨とする。
【0011】
同構成によれば、ワイパアーム部材は、車両ボディとリアウィンドとの境目よりもリアウィンド側の外表面が、リアウィンド(例えば、リアウィンドに貼付された自動車窓ガラス用フィルム)と同系色とされるため、リアウィンド側で目立たなくなり、装着された車両のデザイン性を向上させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のワイパアーム部材が前記車両ボディに回動可能に軸支された車両を要旨とする。
同構成によれば、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明の効果により、車両のデザイン性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、デザイン性を向上させることができるワイパアーム部材及び車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態のバックドアを後方から見た模式図。
図2】従来のバックドアを後方から見た模式図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1に従って説明する。
図1に示すように、車両において車両ボディの一部を構成するバックドア2の上方側には、リアウィンド3が設けられている。本実施形態のバックドア2は、黄色に塗装されている。又、本実施形態のリアウィンド3には、黒色系の自動車窓ガラス用フィルムが貼付されている。尚、図1では、色の違いを点々の密度に差をつけることで簡易的に表現している。
【0016】
又、バックドア2には、ワイパアーム部材4が回動可能に軸支されている。ワイパアーム部材4は、リアウィンド3の外表面である払拭面3aを払拭すべくワイパアーム部材4のリアウィンド3側に保持されたブレードラバー5と共にリアワイパ6を構成している。ワイパアーム部材4は、バックドア2の後方から見て(本実施形態ではワイパアーム部材4の回動軸線方向から見て)バックドア2からリアウィンド3に亘って延びる長尺状に形成されている。そして、リアワイパ6(ワイパアーム部材4及びブレードラバー5)は、図示しないワイパモータの駆動力によって図1に示す停止位置から往復回動駆動され、ブレードラバー5によってリアウィンド3の払拭面3aを払拭する。
【0017】
ここで、ワイパアーム部材4は、前記停止位置にある状態でバックドア2の後方から見て(本実施形態ではワイパアーム部材4の回動軸線方向から見て)バックドア2とリアウィンド3との境目で外表面が色分けされている。詳しくは、ワイパアーム部材4は、バックドア2とリアウィンド3との境目よりもバックドア2側の外表面が、バックドア2と同系色であって、より具体的には、本実施形態ではバックドア2と同じ色(品番が同じ黄色)とされている。
【0018】
又、ワイパアーム部材4は、前記境目よりもリアウィンド3側の外表面が、リアウィンド3と同系色、詳しくは、貼付された前記黒色系の自動車窓ガラス用フィルムと同系色である黒色とされている。
【0019】
次に、上記実施の形態の特徴的な効果を以下に記載する。
(1)ワイパアーム部材4は、停止位置にある状態でバックドア2の後方から見てバックドア2とリアウィンド3との境目で外表面が色分けされるため、例えば、全体が一色とされてその色が前記境目を横切ってしまうものに比べて、車両のデザイン性を向上させることができる。
【0020】
(2)ワイパアーム部材4は、バックドア2とリアウィンド3との境目よりもバックドア2側の外表面が、バックドア2と同系色とされるため、バックドア2側で目立たなくなり、車両のデザイン性を向上させることができる。又、本実施形態では、同系色であるとともに、更に同じ色(品番が同じ黄色)とされるため、バックドア2側で更に目立たなくなり、車両のデザイン性をより向上させることができる。
【0021】
(3)ワイパアーム部材4は、バックドア2とリアウィンド3との境目よりもリアウィンド3側の外表面が、リアウィンド3(詳しくは貼付された黒色系の自動車窓ガラス用フィルム)と同系色(本実施形態では黒色)とされるため、リアウィンド3側で目立たなくなり、車両のデザイン性を向上させることができる。
【0022】
上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、特に言及していないが、ワイパアーム部材4は、例えば、バックドア2に軸支されるアームヘッド、該アームヘッドに連結されるワイパアーム、該ワイパアームに連結されてブレードラバー5を保持するトーナメント状のレバーアッセンブリ等からなるものとしてもよい。即ち、ワイパアーム部材4は、外部に露出して外観を構成しつつバックドア2からリアウィンド3に亘って延びる長尺状のものであれば、その部品構成はどのようなものであってもよい。
【0023】
・上記実施形態では、バックドア2(車両ボディ)の色が黄色であるとしたが、これに限定されず、例えば、白色や赤色等の他の色のものとしてもよい。尚、この場合も、バックドア2とリアウィンド3との境目よりもバックドア2側のワイパアーム部材4の外表面を、バックドア2と同系色(同じ色)とすれば、上記実施形態の効果(2)と同様の効果を得ることができる。
【0024】
・上記実施形態では、ワイパアーム部材4は、バックドア2とリアウィンド3との境目よりもバックドア2側の外表面が、バックドア2と同系色とされるとしたが、これに限定されず、同系色ではなく車両のデザイン性を向上させる他の色であって、例えば、ワンポイントとしてデザイン性を向上させるシルバーやゴールド等の色としてもよい。
【0025】
・上記実施形態では、リアウィンド3の色、詳しくは貼付された自動車窓ガラス用フィルムの色が黒色系であるとしたが、これに限定されず、リアウィンド3自体の色や、自動車窓ガラス用フィルムの色を、他の色のものとしてもよい。
【0026】
例えば、貼付された自動車窓ガラス用フィルムの色が茶色系やシルバー系(所謂ミラータイプのフィルム)であってもよい。尚、この場合も、バックドア2とリアウィンド3との境目よりもリアウィンド3側のワイパアーム部材4の外表面を、リアウィンド3と同系色とすれば、上記実施形態の効果(3)と同様の効果を得ることができる。例えば、自動車窓ガラス用フィルムがシルバー系の所謂ミラータイプのフィルムである場合、前記境目よりもリアウィンド3側のワイパアーム部材4の外表面をシルバーメッキ塗装すれば、ワイパアーム部材4がリアウィンド3側で目立たなくなり、車両のデザイン性を向上させることができる。又、リアウィンド3の色に関わらず、例えば、無色透明のリアウィンド3としても、前記境目よりもリアウィンド3側のワイパアーム部材4の外表面を黒色等の濃色系とすれば、一般的に車内側が暗いことにより目立たなくなり、車両のデザイン性を向上させることができる。
【0027】
・上記実施形態では、ワイパアーム部材4は、前記停止位置にある状態でワイパアーム部材4の回動軸線方向から見てバックドア2とリアウィンド3との境目で外表面が色分けされるとしたが、車両ボディ(バックドア2)の後方から見て前記境目で外表面が色分けされているように見えればよい。例えば、車両ボディ(バックドア2)に軸支されたワイパアーム部材4の回動軸線が水平から傾斜しているような場合では、車両ボディ(バックドア2)の水平方向の後方から見て前記境目で外表面が色分けされているようにしてもよい。
【0028】
・上記実施形態では、ワイパアーム部材4はバックドア2に軸支されるものとしたが、バックドア2以外の他の車両ボディに軸支されるものであってもよく、例えばセダンタイプの車両の場合、トランクドアに軸支されるものとしてもよい。尚、この場合は、勿論、ワイパアーム部材は、トランクドアとリアウィンドとの境目で外表面が色分された構成とする。
【0029】
・上記実施形態では、特に言及していないが、ワイパアーム部材4の色分けは、例えば、塗装や印刷等により実現してもよいし、ワイパアーム部材4の素材自体(例えば溶融樹脂)を着色して実現してもよいし、粘着シールを貼ることで実現してもよい。
【0030】
上記実施の形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)請求項2に記載のワイパアーム部材において、前記車両ボディと前記リアウィンドとの境目よりも前記車両ボディの外表面が、前記車両ボディと同じ色とされたことを特徴とするワイパアーム部材。
【0031】
同構成によれば、ワイパアーム部材は、車両ボディとリアウィンドとの境目よりも車両ボディ側の外表面が、車両ボディと同じ色とされるため、車両ボディ側で更に目立たなくなり、装置された車両のデザイン性をより向上させることができる。
【符号の説明】
【0032】
2…バックドア(車両ボディ)、3…リアウィンド、3a…払拭面、4…ワイパアーム部材、5…ブレードラバー、6…リアワイパ。
図1
図2