(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記解除情報は、解除パターンビット列であり、前記解除パターンビット列は、1フレームに含まれる複数のサブフレームにそれぞれ対応する複数のビットから構成され、各ビットは、対応サブフレームにおける、参照信号の送信候補サブフレームとしての状態を解除するか否かを示す、
請求項1に記載の受信装置。
前記2つのリソースパターンの識別情報の内の第1の識別情報は、前記第2の所望リソース候補グループを特定するリソースパターンの識別情報であり、第2の識別情報は、前記第1の所望リソース候補グループと前記第2の所望リソース候補グループとの差分を特定するリソースパターンの識別情報である、
請求項4に記載の受信装置。
前記第1の所望リソース候補グループを特定するための第1のリソースパターン群と、前記前記第1の所望リソース候補グループと前記第2の所望リソース候補グループとの差分を特定するための第2のリソースパターン群とは、少なくとも一部が異なる、
請求項5に記載の受信装置。
前記解除情報は、解除パターンビット列であり、前記解除パターンビット列は、1フレームに含まれる複数のサブフレームにそれぞれ対応する複数のビットから構成され、各ビットは、対応サブフレームにおける、参照信号の送信候補サブフレームとしての状態を解除するか否かを示す、
請求項8に記載の送信装置。
前記2つのリソースパターンの識別情報の内の第1の識別情報は、前記第2の所望リソース候補グループを特定するリソースパターンの識別情報であり、第2の識別情報は、前記第1の所望リソース候補グループと前記第2の所望リソース候補グループとの差分を特定するリソースパターンの識別情報である、
請求項8に記載の送信装置。
前記第1の所望リソース候補グループを特定するための第1のリソースパターン群と、前記前記第1の所望リソース候補グループと前記第2の所望リソース候補グループとの差分を特定するための第2のリソースパターン群とは、少なくとも一部が異なる、
請求項8に記載の送信装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
【0022】
[実施の形態1]
[通信システムの概要]
本発明の実施の形態1に係る通信システムは、複数の送信装置と、複数の受信装置とから構成される。各受信装置は、自装置がカバーするエリアを有する。各送信装置は、自装置が存在するエリアをカバーする受信装置に対して、参照信号を送信する。ここでは、参照信号の送信によって干渉を与える与干渉エリア(つまり、与干渉セル)をカバーする受信装置を基地局100とし、基地局100がカバーする与干渉セル内に存在する送信装置を端末200として説明する。また、与干渉セルをマクロセルとし、被干渉セルをピコセルとして説明する。例えば、通信システムは、LTE-Aシステムであり、基地局100は、LTE-A基地局であり、端末200は、LTE-A端末である。
【0023】
図6は、本発明の実施の形態1に係る基地局100の要部構成を示すブロック図である。
図6に示す基地局100は、第1のエリア(つまり、与干渉エリア)内に存在する端末200から、第1の所望リソース候補グループに属するリソース候補で送信された参照信号(例えば、P-SRS)を受信する。ここでいう「第1の所望リソース候補グループ」は、後述するマクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに対応する。そして、設定部101は、第1の所望リソース候補グループ及びデータ信号(または参照信号)によって第1のエリアからの干渉を受ける第2のエリア(つまり、被干渉エリア)における第2の所望リソース候補グループを含む参照信号リソース候補グループを設定する。ここでいう「第2の所望リソース候補グループ」は、後述するピコセルにおける所望SRSリソース候補グループである。また、ここでいう「参照信号リソース候補グループ」は、後述する第1のSRSリソース候補グループに対応する。そして、設定部101は、参照信号リソース候補グループに含まれ且つ第1の所望リソース候補グループに含まれない過剰リソース(ここでは、後述する過剰SRSリソースに対応)を参照信号リソース候補グループから解除するための解除情報を生成する。そして、送信部105は、参照信号リソース候補グループを特定するリソースパターンの識別情報及び解除情報を端末200へ送信する。
【0024】
図7は、本発明の実施の形態1に係る端末200の要部構成を示すブロック図である。
図7に示す端末200は、参照信号(例えば、P-SRS)を、第1の所望リソース候補グループに属するリソース候補を用いて、第1のエリア(つまり、与干渉エリア)をカバーする基地局100へ送信する。ここでいう第1の所望リソース候補グループは、後述するマクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに対応する。そして、受信処理部202は、基地局100から送信された信号から、リソースパターンの識別情報、及び、解除情報を抽出する。ここでいう「リソースパターンの識別情報」は、第2のエリア(つまり、被干渉エリア)における第2の所望リソース候補グループを含む参照信号リソース候補グループを特定する情報である。また、ここでいう「第2のエリア」は、第1の所望リソース候補グループ及び参照信号によって第1のエリアからの干渉を受けるエリアである。また、ここでいう「第2の所望リソース候補グループ」は、後述するピコセルにおける所望SRSリソース候補グループである。また、ここでいう「参照信号リソース候補グループ」は、後述する第1のSRSリソース候補グループに対応する。また、ここでいう「解除情報」は、参照信号リソース候補グループに含まれ且つ第1の所望リソース候補グループに含まれない過剰リソースを参照信号リソース候補グループから解除するための情報である。また、ここでいう「過剰リソース」は、後述する過剰SRSリソースに対応する。送信制御部203は、参照信号リソース候補グループを特定するリソースパターンの識別情報及び解除情報に基づいて、第1の所望リソース候補グループを特定する。
【0025】
[基地局100の構成]
図8は、本発明の実施の形態1に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図8において、基地局100は、設定部101と、符号化・変調部102,103と、送信処理部104と、送信部105と、受信部106と、受信処理部107と、データ受信部108と、SRS受信部109とを有する。
【0026】
設定部101は、自装置がカバーするマクロセルに存在する複数の端末200のそれぞれに必要なSRSリソースの量、及び、ピコセル干渉を考慮して、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループを決定する。そして、設定部101は、決定された、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループと、ピコセルにおける所望SRSリソース候補グループとに基づいて、第1のSRSリソース候補グループを設定する。ここで設定される第1のSRSリソース候補グループは、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループ及びピコセルにおける所望SRSリソース候補グループの両方を含む。そして、設定部101は、設定された第1のSRSリソース候補グループに対応するSRSリソースパターンの識別情報を、「SRSリソースパターンテーブル」から選択する。「SRSリソースパターンテーブル」は、例えば、
図1に示したテーブルである。
【0027】
設定部101によって決定されたマクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに関する情報は、受信処理部107へ出力される。また、選択されたSRSリソースパターンの識別情報は、符号化・変調部102、送信処理部104、及び送信部105を介して、マクロセルに存在する全ての端末(つまり、LTE-A端末である端末200及びLTE端末)へ通知される。すなわち、SRSリソースパターンの識別情報は、上記した第1のセル単位通知によって通知される。
【0028】
また、設定部101は、選択されたSRSリソースパターンによって特定されるSRSリソース候補であり且つマクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに含まれないSRSリソース候補(つまり、過剰SRSリソース)が存在する場合、その過剰SRSリソースをSRSリソース候補から解除するための「解除情報」を生成する。
【0029】
具体的には、設定部101は、「解除パターンテーブル」を保持している。「解除パターンテーブル」では、複数の識別情報と、各識別情報に対応する「解除リソースパターン候補」とが対応付けられている。そして、各解除リソースパターン候補は、「解除パターンビット列」によって表される。「解除パターンビット列」は、1フレームに含まれるサブフレーム数と同数のビット群から構成され、各構成ビットは、対応するサブフレームにおけるSRS送信候補サブフレームとしての状態を解除するか否かを示している。そして、設定部101は、過剰SRSリソースのみを過不足無くSRS送信候補サブフレームとしての状態から解除できる解除リソースパターン候補を選択し、選択された解除リソースパターン候補と対応付けられた識別情報を、「解除情報」とする。すなわち、実施の形態1における「解除情報」は、1フレームにおける過剰SRSリソースの位置を示す情報である。この「解除情報」は、符号化・変調部102、送信処理部104、及び送信部105を介して、マクロセルに存在する一部の端末(つまり、LTE-A端末である端末200)へ通知される。以下では、マクロセルに存在する一部の端末への通知を、「第2のセル単位通知」と呼ぶ。
【0030】
また、設定部101は、第1のSRSリソース候補グループまたはマクロセルにおける所望SRSリソース候補グループを構成する複数のSRSリソース候補をSRSリソース割当対象の端末のそれぞれに割り振る。そして、設定部101によって各端末に割り振られたSRSリソース(端末単位のSRSリソース)に関する情報は、受信処理部107へ出力される。また、端末単位のSRSリソースに関する通知情報は、符号化・変調部102、送信処理部104、及び送信部105を介して、マクロセルに存在する端末(つまり、LTE-A端末である端末200及びLTE端末)へ通知される。すなわち、端末単位のSRSリソースに関する通知情報は、各端末へ上位レイヤ通知によって通知される。
【0031】
さらに、設定部101は、リソース(RB)割当情報、1つ又は複数のトランスポートブロック(TB)に対するMCS情報を含む割当制御情報を生成する。割当制御情報は、上り回線データを割り当てる上りリソース(例えば、PUSCH)に関する割当制御情報、下り回線データを割り当てる下りリソース(例えば、PDSCH)に関する割当制御情報で構成される。そして、上りリソースに関する割当制御情報を符号化・変調部102及び受信処理部107へ出力し、下りリソースに関する割当制御情報を符号化・変調部102及び送信処理部104へ出力する。
【0032】
符号化・変調部102は、設定部101から受け取るSRSリソースパターンの識別情報、解除情報、及び、割当制御情報を符号化及び変調し、得られた変調信号を送信処理部104へ出力する。ここで、SRSリソースパターンの識別情報及び解除情報は、通知間隔が長い上位レイヤ情報(RRCシグナリング)として符号化及び変調され、割当制御情報は、通知間隔が短いPDCCH(Physical Downlink Control Channel)情報として符号化及び変調される。
【0033】
符号化・変調部103は、入力されるデータ信号を符号化及び変調し、得られた変調信号を送信処理部104へ出力する。
【0034】
送信処理部104は、符号化・変調部102及び符号化・変調部103から受け取る変調信号を、設定部101から受け取る下り回線リソース割当情報の示すリソースにマッピングすることにより、送信信号を形成する。ここで、送信信号がOFDM信号である場合には、変調信号を、設定部101から受け取る下り回線リソース割当情報の示すリソースにマッピングし、逆高速フーリエ変換(IFFT)処理を施して時間波形に変換し、CP(Cyclic Prefix)を付加することにより、OFDM信号が形成される。
【0035】
送信部105は、送信処理部104から受け取る送信信号に対して送信無線処理(アップコンバート、ディジタルアナログ(D/A)変換など)を施し、アンテナを介して送信する。
【0036】
受信部106は、アンテナを介して受信した無線信号に対して受信無線処理(ダウンコンバート、アナログディジタル(A/D)変換など)を施し、得られた受信信号を受信処理部107へ出力する。
【0037】
受信処理部107は、設定部101から受け取るマクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに関する情報、上り回線リソース割当情報に基づいて上りデータ信号及びACK/NACK情報がマッピングされているリソースを特定し、受信信号から、特定されたリソースにマッピングされている信号成分を抽出する。具体的には、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループにおいては最終シンボルがSRSリソース、そうでない場合は最終シンボルがデータ信号のリソースであることを考慮して信号成分を抽出する。
【0038】
受信処理部107は、設定部101から受け取る、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに関する情報、端末単位のSRSリソースに関する情報に基づいて、P-SRSがマッピングされているリソースを特定し、受信信号から、特定されたリソースにマッピングされている信号成分を抽出する。
【0039】
ここで、受信信号がOFDM信号である場合には、受信処理部107は、抽出された信号成分に対してIDFT(Inverse Discrete Fourier Transform)処理を施すことにより、時間領域信号に変換する。
【0040】
こうして受信処理部107によって抽出された上りデータ信号及びACK/NACK情報は、データ受信部108へ出力され、SRSは、SRS受信部109へ出力される。
【0041】
データ受信部108は、受信処理部107から受け取る信号を復号する。これにより、上り回線データ及びACK/NACK情報が得られる。
【0042】
SRS受信部109は、受信処理部107から受け取るSRSに基づいて、各周波数リソースユニットの受信品質を測定し、受信品質情報を出力する。
【0043】
なお、第1のセル単位通知及び第2のセル単位通知は、基地局100のセルにおいてトラヒック状況が変化しない場合又は平均的な受信品質を測定したい場合には、通知間隔が長い上位レイヤ情報で通知されることが、シグナリングの観点から好ましい。また、第1のセル単位通知及び第2のセル単位通知の一部または全てを報知情報として通知することにより、通知量をより軽減することができる。しかしながら、第1のセル単位通知及び第2のセル単位通知をトラヒック状況などに応じてより動的に変更する必要がある場合には、第1のセル単位通知及び第2のセル単位通知の一部または全てを通知間隔が短いPDCCHで通知してもよい。
【0044】
[端末200の構成]
図9は、本発明の実施の形態1に係る端末200の構成を示すブロック図である。
図9において、端末200は、受信部201と、受信処理部202と、送信制御部203と、リファレンス信号生成部204と、データ信号生成部205と、送信信号形成部206と、送信部207とを有する。
【0045】
受信部201は、アンテナを介して受信した無線信号に対して受信無線処理(ダウンコンバート、アナログディジタル(A/D)変換など)を施し、得られた受信信号を受信処理部202へ出力する。
【0046】
受信処理部202は、受信信号に含まれる、第1のセル単位通知、第2のセル単位通知、端末単位のSRSリソースに関する情報、割当制御情報、及びデータ信号を抽出する。すなわち、受信処理部202は、受信信号に含まれる、SRSリソースパターンの識別情報、解除情報、端末単位のSRSリソースに関する情報、割当制御情報、及びデータ信号を抽出する。
【0047】
そして、受信処理部202は、SRSリソースパターンの識別情報、解除情報、端末単位のSRSリソースに関する情報、及び割当制御情報を送信制御部203へ出力する。また、受信処理部202は、抽出されたデータ信号に対しては誤り検出処理を行い、誤り検出結果に応じたACK/NACK情報をデータ信号生成部205へ出力する。
【0048】
送信制御部203は、受信処理部202から受け取る、SRSリソースパターンの識別情報及び解除情報、並びに、SRSリソースパターンテーブルに基づいて、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループを特定する。送信制御部203のメモリに保持されるSRSリソースパターンテーブルは、基地局100の設定部101のメモリに保持されているものと同様である。
【0049】
具体的には、送信制御部203は、第1に、受信処理部202から受け取るSRSリソースパターンの識別情報と、SRSリソースパターンテーブルとに基づいて、第1のSRSリソース候補グループを特定する。すなわち、SRSリソースパターンテーブルでは、複数のSRSリソースパターン候補の識別情報と、各SRSリソースパターン候補の識別情報に対応するSRSリソースパターンパラメータ(つまり、送信間隔TSFC、オフセット量ΔSFC)とが対応づけられている。そして、送信制御部203は、受信処理部202から受け取るSRSリソースパターンの識別情報と一致するSRSリソースパターン候補を特定し、当該SRSリソースパターン候補と対応付けられたSRSリソースパターンパラメータに基づいて、SRSリソースパターンを特定する。この特定されたSRSリソースパターンによって、第1のSRSリソース候補グループが示される。
【0050】
送信制御部203は、第2に、特定されたSRSリソースパターンと、受信処理部202から受け取る解除情報とに基づいて、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループを特定する。
【0051】
詳細には、送信制御部203は、特定されたSRSリソースパターンに基づいて、「パターンビット列」を生成する。「パターンビット列」は、1フレームに含まれるサブフレームの数と同数のビット群から構成され、各構成ビットは、対応するサブフレームがSRS送信候補サブフレームであるか否かを示す。また、送信制御部203は、解除情報と、解除パターンテーブルとに基づいて、「解除パターンビット列」を生成する。この解除パターンテーブルは、基地局100の設定部101に保持されているものと同様である。そして、送信制御部203は、パターンビット列と解除パターンビット列との論理積を算出すること(または2種類のビット列の対応関係)により、「所望パターンビット列」を生成する。この「所望パターンビット列」は、1フレーム内における、所望SRSリソース候補グループを構成する所望SRSリソース候補の位置を示している。従って、送信制御部203は、所望パターンビット列に基づいて、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループを特定できる。
【0052】
さらに、送信制御部203は、端末単位のSRSリソースに関する情報に基づいて、所望SRSリソース候補グループのうち、自装置が使用するSRSリソース(端末単位のSRSリソース)を特定する。
【0053】
そして、送信制御部203は、SRS生成指示をリファレンス信号生成部204へ出力し、特定された、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに関する情報をデータ信号生成部205及び送信信号形成部206へ、端末単位のSRSリソースに関する情報を送信信号形成部206へ出力する。また、送信制御部203は、割当制御情報に含まれるMCS情報をデータ信号生成部205へ出力する。
【0054】
さらに、送信制御部203は、自装置がデータ信号をマッピングする時間周波数リソースを特定する。具体的には、送信制御部203は、受信処理部202から受け取る割当情報に基づいて時間周波数リソース(以下では、「データマッピングリソース」と呼ばれることがある)を特定する。送信制御部203は、このデータマッピングリソースに関する情報を送信信号形成部206へ出力する。なお、データマッピングリソースは、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに依存する。
【0055】
リファレンス信号生成部204は、送信制御部203からSRS生成指示を受け取ると、P-SRSを生成し、送信信号形成部206へ出力する。
【0056】
データ信号生成部205は、ACK/NACK情報及び送信データを入力とし、送信制御部203から受け取るMCS情報に基づいてACK/NACK情報及び送信データを符号化及び変調することにより、データ信号を生成する。ここで、データ信号生成部205は、送信制御部203から入力されたマクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに関する情報に基づいて、データ信号を最終シンボルで送信するか否かを判断し、送信できるシンボル数を考慮して符号化及び変調処理を行う。具体的には、最終シンボルで送信しない場合は、最終シンボルで送信する場合よりも符号化率及び/または多値変調数を高くする。
【0057】
送信信号形成部206は、リファレンス信号生成部204から受け取るSRSを、送信制御部203から受け取る、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループを構成する所望SRSリソース候補内の自装置が使用するSRSリソースであるSRSマッピングリソース(つまり、最終シンボル)にマッピングする。また、送信信号形成部206は、データ信号生成部205から受け取るデータ信号を、データマッピングリソースにマッピングする。これにより、送信信号が形成される。
【0058】
送信部207は、送信信号形成部206で形成された送信信号に対して送信無線処理(アップコンバート、ディジタルアナログ(D/A)変換など)を施してアンテナを介して送信する。
【0059】
[基地局100及び端末200の動作]
以上の構成を有する基地局100及び端末200の動作について説明する。
図10は、基地局100及び端末200の動作説明に供する図である。
【0060】
基地局100において、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループと、ピコセルにおける所望SRSリソース候補グループとに基づいて、第1のSRSリソース候補グループを設定する。ここで設定される第1のSRSリソース候補グループは、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループ及びピコセルにおける所望SRSリソース候補グループの両方を含む。そして、設定部101は、設定された第1のSRSリソース候補グループに対応するSRSリソースパターンの識別情報を、「SRSリソースパターンテーブル」から選択する。
【0061】
また、設定部101は、選択されたSRSリソースパターンによって特定されるSRSリソース候補であり且つマクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに含まれないSRSリソース候補(つまり、過剰SRSリソース)が存在する場合、その過剰SRSリソースをSRSリソース候補から解除するための「解除情報」を生成する。
【0062】
設定された第1のSRSリソース候補グループは、第1のセル単位通知によって基地局100から端末200へ通知され、解除情報は、第2のセル単位通知によって基地局100から端末200へ通知される。
【0063】
端末200において、受信処理部202は、受信信号に含まれる、SRSリソースパターンの識別情報、及び、解除情報を抽出する。
【0064】
送信制御部203は、受信処理部202から受け取るSRSリソースパターンの識別情報と、SRSリソースパターンテーブルとに基づいて、第1のSRSリソース候補グループを特定する。そして、送信制御部203は、受信処理部202から受け取るSRSリソースパターンの識別情報と一致するSRSリソースパターン候補を特定し、当該SRSリソースパターン候補と対応付けられたSRSリソースパターンパラメータに基づいて、SRSリソースパターンを特定する。そして、送信制御部203は、特定されたSRSリソースパターンに基づいて、「パターンビット列」(
図10における「第1のセル単位通知」の横に示されたビット列「1,1,1,1,1,1,1,1,1,1」に対応)を生成する。
図10において、「パターンビット列」では、ビット値1は、SRSリソースパターン候補であることを示し、ビット値0は、SRSリソースパターン候補でないことを示す。
【0065】
また、送信制御部203は、解除情報と、解除パターンテーブルとに基づいて、「解除パターンビット列」(
図10における「第2のセル単位通知」の横に示されたビット列に対応)を生成する。
図10において、「解除パターンビット列」では、ビット値0は、解放対象サブフレームであることを示し、ビット値1は、解放対象サブフレームでないことを示す。
【0066】
そして、送信制御部203は、パターンビット列と解除パターンビット列との論理積を算出することにより、「所望パターンビット列」を生成する。この「所望パターンビット列」(
図10におけるビット列「1,1,0,1,0,1,0,1,0,1」に対応)は、1フレーム内における、所望SRSリソース候補グループを構成する所望SRSリソース候補の位置を示している。従って、送信制御部203は、所望パターンビット列に基づいて、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループを特定できる。
【0067】
以上のように本実施の形態によれば、基地局100において、設定部101は、第1の所望リソース候補グループ(ここでは、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに対応)及び参照信号によって第1のエリア(つまり、与干渉エリア)からの干渉を受ける第2のエリア(つまり、被干渉エリア)における第2の所望リソース候補グループ(ここでは、ピコセルにおける所望SRSリソース候補グループ)を含む参照信号リソース候補グループ(ここでは、第1のSRSリソース候補グループに対応)を設定する。そして、設定部101は、参照信号リソース候補グループに含まれ且つ第1の所望リソース候補グループに含まれない過剰リソース(ここでは、後述する過剰SRSリソースに対応)を参照信号リソース候補グループから解除するための解除情報を生成する。そして、参照信号リソース候補グループを特定するリソースパターンの識別情報、及び、解除情報は、端末200へ送信される。
【0068】
また、本実施の形態によれば、端末200において、受信処理部202は、基地局100から送信された信号から、第1の所望リソース候補グループ(ここでは、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに対応)及び参照信号によって第1のエリアからの干渉を受ける第2のエリア(つまり、被干渉エリア)における第2の所望リソース候補グループ(ここでは、ピコセルにおける所望SRSリソース候補グループ)を含む参照信号リソース候補グループ(ここでは、第1のSRSリソース候補グループに対応)を特定するリソースパターンの識別情報、及び、参照信号リソース候補グループに含まれ且つ第1の所望リソース候補グループに含まれない過剰リソース(ここでは、過剰SRSリソースに対応)を参照信号リソース候補グループから解除するための解除情報を抽出する。送信制御部203は、参照信号リソース候補グループを特定するリソースパターンの識別情報及び解除情報に基づいて、第1の所望リソース候補グループを特定する。
【0069】
このようにすることにより、与干渉エリアにおいて過剰リソースを参照信号リソース候補の状態から解除できる。すなわち、参照信号の送信に利用されるリソース候補の設定自由度を向上させることができる。
【0070】
なお、第2のセル単位通知を読むことができず第1のセル単位通知のみを読むことができる端末(つまり、LTE端末)は、第1のSRSリソース候補グループに含まれないサブフレームの最終シンボルにおいてデータ信号を送信する。この第1のSRSリソース候補グループに含まれないサブフレームを、参照信号リソース候補グループに含めることができる場合、第2のセル単位通知を読むことができる端末200は、そのサブフレームの最終シンボルでSRSを送信する。この結果、第1のセル単位通知のみを読むことができる端末(つまり、LTE端末)から送信されたデータ信号と、端末200から送信されたSRSとの衝突が発生してしまう。このような状況は、基本的には、基地局100のスケジューリングによって回避可能であるが、受信誤り等を原因として起こりうる。しかしながら、実施の形態1のように、第1のSRSリソース候補グループが参照信号リソース候補グループを含むことにより、上記した状況が起こる可能性を低減できる。
【0071】
なお、以上の説明では、「解除パターンビット列」では、ビット値0は、解放対象サブフレームであることを示し、ビット値1は、解放対象サブフレームでないことを示すものとした。そして、パターンビット列と解除パターンビット列との論理積を算出することにより、「所望パターンビット列」が生成された。しかしながら、これに限定されるものではなく、「解除パターンビット列」では、ビット値1は、解放対象サブフレームであることを示し、ビット値0は、解放対象サブフレームでないことを示すものとしてもよい。この場合には、パターンビット列と解除パターンビット列との排他的論理和を算出することにより、「所望パターンビット列」が生成される(
図11参照)。
【0072】
また、以上の説明では、解除情報として、解除パターンテーブルにおいて解除パターンビット列と対応付けられた識別情報を用いたが、これに限定されるものではなく、解除パターンビット列そのものを解除情報として用いてもよい。このように、解除パターンビット列そのものを解除情報として用いることにより、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループを柔軟に設定できる。なお、SRSリソースパターンの識別情報は、LTEと同様の方法(つまり、第1のセル単位通知)によって通知されるとしてもよい。これにより、通知に必要なビット数を削減できる。
【0073】
[実施の形態2]
実施の形態1では、解除パターンテーブルにおいて、選択された解除リソースパターン候補と対応付けられた識別情報が、解除情報とされた。これに対して、実施の形態2では、解除情報として、SRSリソースパターンテーブルにおける、2つのSRSリソースパターンの識別情報を用いる。なお、実施の形態2に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と同様であるので、
図8及び
図9を援用して説明する。
【0074】
実施の形態2の基地局100において、設定部101は、選択されたSRSリソースパターンによって特定されるSRSリソース候補であり且つマクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに含まれないSRSリソース候補(つまり、過剰SRSリソース)が存在する場合、「解除情報」を生成する。ここでいう「解除情報」は、過剰SRSリソースをSRSリソース候補から解除するための情報である。
【0075】
具体的には、設定部101は、第1のSRSリソース候補グループに対して適用すべき解除リソースパターンを構築できる、2つのSRSリソースパターン候補の組みをSRSリソースパターンテーブルから選択する。そして、設定部101は、選択された2つのSRSリソースパターン候補に対応する2つの識別情報を解除情報とする。詳細には、設定部101は、2つの識別情報のそれぞれを表すビット列を連結した連結ビット列を解除情報とする。
図1に示すように、SRSリソースパターン候補に対応する識別情報は、4ビットで表されるので、解除情報は、8ビットで構成される。
【0076】
ここで、選択される2つの識別情報は、ピコセルにおける所望SRSリソース候補グループにマッチするSRSリソースパターン候補、及び、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループにマッチするSRSリソースパターン候補に、それぞれ対応する。
【0077】
実施の形態2の端末200において、送信制御部203は、解除情報を入力とする。この解除情報は、上述の通り、2つの識別情報のそれぞれを表すビット列を連結した連結ビット列である。従って、送信制御部203は、解除情報を解除パターンビット列とし、このパターンビット列と解除パターンビット列との論理積を算出することにより、「所望パターンビット列」を生成する。
【0078】
次に、具体例を用いて、実施の形態2の基地局100及び端末200の動作について説明する。
図12は、実施の形態2の基地局100及び端末200の動作説明に供する図である。
【0079】
マクロセルにおいて10ms間隔のSRS送信が予定され、且つ、ピコセルにおいて2ms間隔のSRS送信が予定されている場合、各セルでは以下の動作が行われる。すなわち、ピコセルではSRSリソースパターンの識別情報(つまり、srs-SubframeConfig)として2(送信間隔TSFC=2ms間隔、オフセット量ΔSFC=1)が選択される。その一方で、マクロセルでは、SRSリソースパターンの識別情報(つまり、srs-SubframeConfig)が0(送信間隔TSFC=1ms間隔、オフセット量ΔSFC=0)が選択される。
【0080】
そして、設定部101は、第1のSRSリソース候補グループに対して適用すべき解除リソースパターンを構築できる、2つのSRSリソースパターン候補の組みをSRSリソースパターンテーブルから選択する。具体的には、
図12Aに示すように、1つ目として、SRSリソースパターンの識別情報(つまり、srs-SubframeConfig)が2のSRSリソースパターン候補(送信間隔TSFC=2ms間隔、オフセット量ΔSFC=1)が選択される。そして、2つ目として、SRSリソースパターンの識別情報(つまり、srs-SubframeConfig)が9のSRSリソースパターン候補(送信間隔TSFC=10ms間隔、オフセット量ΔSFC=0)が選択される。すなわち、選択される2つの識別情報は、ピコセルにおける所望SRSリソース候補グループにマッチするSRSリソースパターン候補、及び、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループにマッチするSRSリソースパターン候補に、それぞれ対応する。
【0081】
そして、設定部101は、選択された2つのSRSリソースパターン候補に対応する2つの識別情報を解除情報とする。詳細には、設定部101は、2つの識別情報のそれぞれを表すビット列を連結した連結ビット列を解除情報とする。すなわち、
図12Aに示した例では、解除情報は、1つ目のSRSリソースパターン候補「0,1,0,1,0,1,0,1,0,1」を表す識別情報「0010」、及び、2つ目のSRSリソースパターン候補「1,0,0,0,0,0,0,0,0,0」を表す識別情報「1001」のそれぞれを連結して8ビットの解除情報とする。なお、この解除情報は、1つ目、2つ目のSRSリソースパターン候補の論理和である解除パターンビット列「1,1,0,1,0,1,0,1,0,1」を表す。ここで、ビット値0は、解放対象サブフレームであることを示し、ビット値1は、解放対象サブフレームでないことを示す。一方、「パターンビット列」は、「1,1,1,1,1,1,1,1,1,1」である。
【0082】
従って、送信制御部203は、解除情報を解除パターンビット列とし、このパターンビット列と解除パターンビット列との論理積を算出することにより、「所望パターンビット列」を生成する。この所望パターンビット列によって、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループ(ここでは、サブフレーム#0,#1,#3,#5,#7,#9)が示される。
【0083】
以上のように本実施の形態によれば、基地局100の設定部101において生成される制御情報は、参照信号リソース候補グループを特定するためのリソースパターン群の内の2つのリソースパターンの識別情報である。具体的には、解除情報として、SRSリソースパターンテーブルにおける、2つのSRSリソースパターンの識別情報を用いられる。このようにすることにより、LTEにおけるSRS設定方法を利用できるので、設定される側の端末200の回路規模が大きくなることを防止できる。
【0084】
[実施の形態3]
実施の形態2では、解除情報を生成する場合にも、SRSリソースパターンテーブルの全体を用いることを前提に説明を行った。これに対して、実施の形態3では、解除情報を生成する場合には、SRSリソースパターンテーブルにおける複数のSRSリソースパターン候補の内の一部のみが用いられる。すなわち、言い換えれば、実施の形態3では、解除情報を生成する場合には、SRSリソースパターンテーブルの部分テーブルが用いられる。なお、実施の形態3に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と同様であるので、
図8及び
図9を援用して説明する。
【0085】
実施の形態3の基地局100において、設定部101は、選択されたSRSリソースパターンによって特定されるSRSリソース候補であり且つマクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに含まれないSRSリソース候補(つまり、過剰SRSリソース)が存在する場合、「解除情報」を生成する。ここでいう「解除情報」は、過剰SRSリソースをSRSリソース候補から解除するための情報である。
【0086】
具体的には、設定部101は、第1のSRSリソース候補グループに対して適用すべき解除リソースパターンを構築できる、2つのSRSリソースパターン候補の組みを「SRSリソースパターンテーブルの部分テーブル」から選択する。そして、設定部101は、選択された2つのSRSリソースパターン候補に対応する2つの識別情報を解除情報とする。詳細には、設定部101は、2つの識別情報のそれぞれを表すビット列を連結した連結ビット列を解除情報とする。
【0087】
ここで、SRSリソースパターンテーブルに規定されている複数のSRSリソースパターンには、使用頻度が高いものと、使用頻度が低いものとが混在する。例えば、マクロセルにおいて全サブフレームでSRSが送信されると、ピコセルにおいてはSRSを送信するサブフレームが残っていない。このため、SRSリソースパターンの識別情報(つまり、srs-SubframeConfig)が0のSRSリソースパターン候補(送信間隔TSFC=1ms間隔、オフセット量ΔSFC=0)は、使用される機会が少ない。
【0088】
同様の理由により、SRSが送信されるサブフレームが極端に多いものは、使用される機会が少ない。例えば、SRSリソースパターンの識別情報(つまり、srs-SubframeConfig)が、13のSRSリソースパターン候補(送信間隔TSFC=10ms間隔、オフセット量ΔSFC=0,1,2,3,4,6,8)、14のSRSリソースパターン候補(送信間隔TSFC=10ms間隔、オフセット量ΔSFC=0,1,2,3,4,5,6,8)も、使用される機会が少ない。
【0089】
そこで、「SRSリソースパターンテーブルの部分テーブル」として、例えば、
図13に示すように、SRSリソースパターンの識別情報=0、13及び14がSRSリソースパターンテーブルから除かれたテーブルを用いることができる。
【0090】
また、
図14に示すように、使用頻度の低いSRSリソースパターンの識別情報がSRSリソースパターンテーブルからさらに除去された「SRSリソースパターンテーブルの部分テーブル」を用いることもできる。
図14に示した例では、「SRSリソースパターンテーブルの部分テーブル」におけるSRSリソースパターンの識別情報が8個に限定されているので、SRSリソースパターン候補に対応する識別情報は、3ビットで表される。従って、解除情報を6ビットで構成でき、通知に要するビット数を削減できる。
【0091】
実施の形態3の端末200において、送信制御部203は、解除情報を入力とする。この解除情報は、上述の通り、2つの識別情報のそれぞれを表すビット列を連結した連結ビット列である。従って、送信制御部203は、解除情報から解除パターンビット列を求め、このパターンビット列と解除パターンビット列との論理積を算出することにより、「所望パターンビット列」を生成する。
【0092】
以上のように本実施の形態によれば、基地局100の設定部101において生成される制御情報は、参照信号リソース候補グループ(ここでは、第1のSRSリソース候補グループに対応)を特定するためのリソースパターン群の内の2つのリソースパターンの識別情報である。
【0093】
具体的には、2つのリソースパターンの識別情報は、「SRSリソースパターンテーブルの部分テーブル」から選択される。こうすることにより、通知に必要なビット数を削減できる。
【0094】
また、SRSリソースパターンテーブルと、SRSリソースパターンテーブルの部分テーブルとの差分は、使用頻度の低いリソースパターン候補に対応する。
【0095】
[実施の形態4]
実施の形態4では、実施の形態1におけるマクロセルにおける第1の所望SRSリソース候補グループと、ピコセルにおける所望SRSリソース候補グループとの差分が、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループ(以下では、「マクロセルにおける第2の所望SRSリソース候補グループ」と呼ぶ)として定義される。「マクロセルにおける第2の所望SRSリソース候補グループ」は、マクロセルにおいてSRS送信に実際に用いられるSRSリソース候補から構成される。従って、以下では、「マクロセルにおける第2の所望SRSリソース候補グループ」は、「マクロセルにおけるSRSリソース実候補グループ」と呼ばれることもある。そして、実施の形態4では、「マクロセルにおけるSRSリソース実候補グループ」と、ピコセルにおける所望SRSリソース候補グループとに基づいて、マクロセルにおける第1の所望SRSリソース候補グループが特定される。なお、実施の形態4に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と同様であるので、
図8及び
図9を援用して説明する。
【0096】
実施の形態4の基地局100において、設定部101は、自装置がカバーするマクロセルに存在する複数の端末200のそれぞれに必要なSRSリソースの量、及び、ピコセル干渉を考慮して、マクロセルにおける第1の所望SRSリソース候補グループを決定する。そして、設定部101は、決定された、マクロセルにおける第1の所望SRSリソース候補グループと、ピコセルにおける所望SRSリソース候補グループとに基づいて、マクロセルにおけるSRSリソース実候補グループを設定する。そして、設定部101は、マクロセルにおけるSRSリソース実候補グループに対応するSRSリソースパターンの識別情報を、「SRSリソースパターンテーブル」から選択する。さらに、設定部101は、ピコセルにおける所望SRSリソース候補グループに対応するSRSリソースパターンの識別情報を、「SRSリソースパターンテーブル」から選択する。
【0097】
そして、設定部101は、選択された2つのSRSリソースパターン候補に対応する2つの識別情報を「SRS実リソース情報」とする。具体的には、設定部101は、2つの識別情報のそれぞれを表すビット列を連結した連結ビット列を「SRS実リソース情報」とする。例えば、連結ビット列において、SRSリソース実候補グループに対応するSRSリソースパターンの識別情報を表すビット列が前とされ、ピコセルにおけるSRSリソース実候補グループに対応するSRSリソースパターンの識別情報を表すビット列が後とされる。こうして生成されたSRS実リソース情報は、符号化・変調部102、送信処理部104、及び送信部105を介して、マクロセルに存在する一部の端末(つまり、LTE-A端末である端末200)へ通知される。
【0098】
ここで、実施の形態1と異なり、実施の形態4では、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに関する情報(つまり、実施の形態1における第1のセル単位通知)は、基地局100から端末200へ送信されない、もしくは、基地局100から端末200へ送信されるが端末200で使用されない。
【0099】
受信処理部107は、設定部101から受け取る、SRSリソース実候補グループに関する情報に基づいて、P-SRSがマッピングされているリソースを特定し、受信信号から、特定されたリソースにマッピングされている信号成分を抽出する。
【0100】
実施の形態4の端末200において、受信処理部202は、受信信号に含まれる、第2のセル単位通知、割当制御情報、及びデータ信号を抽出する。すなわち、受信処理部202は、受信信号に含まれる、SRS実リソース情報、割当制御情報、及びデータ信号を抽出する。
【0101】
そして、受信処理部202は、SRS実リソース情報及び割当制御情報を送信制御部203へ出力する。
【0102】
送信制御部203は、受信処理部202から受け取る、SRS実リソース情報、及び、SRSリソースパターンテーブルに基づいて、マクロセルにおける第1の所望SRSリソース候補グループを特定する。
【0103】
具体的には、送信制御部203は、第1に、SRS実リソース情報として基地局100から送信された連結ビット列を、「第1の部分ビット列」と、「第2の部分ビット列」とに分割する。ここでいう「第1の部分ビット列」は、SRSリソース実候補グループに対応するSRSリソースパターンの識別情報を表す。また、ここでいう「第2の部分ビット列」は、ピコセルにおけるSRSリソース実候補グループに対応するSRSリソースパターンの識別情報を表す。そして、送信制御部203は、「第1の部分ビット列」と一致するSRSリソースパターン候補を特定し、当該SRSリソースパターン候補と対応付けられたSRSリソースパターンパラメータに基づいて、第1のSRSリソースパターンを特定する。また、送信制御部203は、「第2の部分ビット列」と一致するSRSリソースパターン候補を特定し、当該SRSリソースパターン候補と対応付けられたSRSリソースパターンパラメータに基づいて、第2のSRSリソースパターンを特定する。こうして特定された第1のSRSリソースパターン及び第2のSRSリソースパターンによって、マクロセルにおける第1の所望SRSリソース候補グループが示される。すなわち、マクロセルにおける第1の所望SRSリソース候補グループは、第1のSRSリソースパターン及び第2のSRSリソースパターンの少なくとも一方に属するSRSリソース候補群から構成される。
【0104】
例えば、マクロセルにおいて10ms間隔のSRS送信が予定され、且つ、ピコセルにおいて2ms間隔のSRS送信が予定されている場合、ピコセルではSRSリソースパターンの識別情報(つまり、srs-SubframeConfig)として2(送信間隔TSFC=2ms間隔、オフセット量ΔSFC=1)が選択される。そして、マクロセルにおけるSRSリソース実候補グループに対応するSRSリソースパターンの識別情報(つまり、srs-SubframeConfig)として9のSRSリソースパターン候補(送信間隔TSFC=10ms間隔、オフセット量ΔSFC=0)が選択される。従って、マクロセルにおける第1の所望SRSリソース候補グループは、1,2,4,6,8,10番目のサブフレームから構成される。
【0105】
以上のように本実施の形態によれば、基地局100において、設定部101は、第1の所望リソース候補グループ(ここでは、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに対応)及び参照信号によって第1のエリアからの干渉を受ける第2のエリアにおける第2の所望リソース候補グループ(ここでは、ピコセルにおける所望SRSリソース候補グループ)に基づいて、第1の所望リソース候補グループに含まれる複数のリソース候補の内、参照信号の送信に実際に用いられるリソース候補から構成される実リソース候補グループ(ここでは、マクロセルにおけるSRSリソース実候補グループに対応)を設定する。そして、設定部101は、実リソース候補グループを特定する第1のリソースパターンの識別情報、及び、第2の所望リソース候補グループを特定する第2のリソースパターンの識別情報を出力する。そして、第1のリソースパターンの識別情報及び第2のリソースパターンの識別情報は、端末200へ送信される。
【0106】
また、本実施の形態によれば、端末200において、受信処理部202は、基地局100から送信された信号から、第1の所望リソース候補グループ(ここでは、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに対応)に含まれる複数のリソース候補の内、参照信号の送信に実際に用いられるリソース候補から構成される実リソース候補グループ(ここでは、マクロセルにおけるSRSリソース実候補グループに対応)を特定する第1のリソースパターンの識別情報、及び、第2の所望リソース候補グループを特定する第2のリソースパターンの識別情報を抽出する。そして、送信制御部203は、第1のリソースパターンの識別情報及び第2のリソースパターンの識別情報に基づいて、第1の所望リソース候補グループ(ここでは、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループに対応)を特定する。
【0107】
[他の実施の形態]
[1]上記各実施の形態では、第1のセル単位通知は全端末に通知する制御情報であり、第2のセル単位通知は一部の端末に通知する制御情報であるものとして定義した。しかしながらこれに限定されるものではなく、第1のセル単位通知は、LTE端末及びLTE-A端末が読める通知であり、第2のセル単位通知はLTE-A端末のみが読める通知として定義してもよい。又は、第1のセル単位通知はLTEで定義された通知、第2のセル単位通知はLTE-Aで定義される通知と定義してもよい。
【0108】
[2]実施の形態2及び実施の形態3では、2つのSRSリソースパターン候補を選択する際に用いるSRSリソースパターンテーブルが同一であることを前提に説明を行った。しかしながらこれに限定されるものではなく、第1のSRSリソースパターンテーブルと、第2のSRSリソースパターンテーブルとを異ならせてもよい。第1のSRSリソースパターンテーブルは、ピコセルにおける所望SRSリソース候補グループにマッチするSRSリソースパターン候補を選択する際に用いるテーブルである。第2のSRSリソースパターンテーブルは、マクロセルにおける所望SRSリソース候補グループとピコセルにおける所望SRSリソース候補グループにマッチするSRSリソースパターン候補との差分に対応するSRSリソースパターン候補を選択する際に用いるテーブルである。例えば、ピコセルよりもマクロセルで複雑なSRSリソースパターンが必要である場合には、第1のSRSリソースパターンテーブルにおけるSRSリソース候補の数よりも、第2のSRSリソースパターンテーブルにおけるSRSリソース候補の数を多くする。
【0109】
[3]LTEでは、SRS及びPUCCH(Physical Uplink Control Channel)が同一シンボルに存在しない場合、PUCCHを7シンボルで送信し、SRS及びPUCCHが同一シンボルに存在する場合には、PUCCHを6シンボルで直交符号化して送信する、Shortened PUCCH Formatが定義されている。
【0110】
上記各実施の形態では、第1のセル単位通知は全端末が読める一方、第2のセル単位通知は一部の端末だけしか読むことができない。このとき、一部の端末のみがShorten PUCCH Formatを使用することになると、各端末のPUCCHを直交化できなくなる場合が発生する。
【0111】
そこで、Shortened PUCCH Formatの設定は、マクロセルにおける第1の所望SRSリソース候補グループを基準に適用するのではなく、第1のSRSリソース候補グループのみを基準にして適用する。具体的には、マクロセルにおける第1の所望SRSリソース候補グループか否かに関わらず、第1のSRSリソース候補グループであるサブフレームではShorten PUCCH Formatを使用する。これにより、PUCCHの直交性を崩すことなく、マクロセルにおける第1の所望SRSリソース候補グループを導入することができる。
【0112】
[4]上記各実施の形態では、ヘテロジーニアスネットワーク(HetNet)を前提に説明を行った。しかしながらこれに限定されるものではなく、干渉が大きいセル間に適用できる。例えば、基地局間協調(CoMP)などのP-SRSに適用してもよい。
【0113】
[5]実施の形態2及び実施の形態3では、SRSリソースパターンテーブルとして、LTEにおいて定義されているテーブルを再利用するものとして説明を行った。しかしながらこれに限定されるものではなく、LTEにおいて定義されているテーブルと異なるテーブルをSRSリソースパターンテーブルとして用いてもよい。
【0114】
[6]マクロセル及びピコセルで同一のSRSリソースを使用するとセル間干渉が発生するため、マクロセル及びピコセルで同一のSRSリソースを使用する可能性は低い。
【0115】
従って、実施の形態3では、マクロセル用にsrs-SubframeConfig=1を選択した場合には、ピコセル用のテーブルからsrs-SubframeConfig=1を削除してもよい。これにより、マクロセルにおける第1の所望SRSリソース候補グループを柔軟的に割り当てることができると共に、通知量を削減できる。
【0116】
[7]上記各実施の形態では、P-SRSを用いて説明した。しかしながらこれに限定されるものではなく、Dynamic Aperiodic SRS等のパイロット信号に適用してもよいし、それ以外の送信信号に適用してもよい。
【0117】
[8]上記各実施の形態における第2のセル単位通知は、常に通知されるものでなくてもよく、例えば、ヘテロジーニアスネットワーク(HetNet)等の環境でのみ通知されてもよい。
【0118】
[9]上記各実施の形態では、第1のセル単位通知と第2のセル単位通知との間で、設定できるSRSリソースパターン候補が異なることを前提に説明を行った。しかしながらこれに限定されるものではなく、第1のセル単位通知と第2のセル単位通知との間で、設定できるSRSリソースパターン候補を同一にしてもよい。すなわち、第2のセル単位通知は第1のセル単位通知と同様に4ビットを使用する。この方法を実施の形態1に適用した場合を例にとり説明する。第1のセル単位通知で2ms間隔(オフセット量ΔSFC=0)、第2のセル単位通知で5ms間隔(オフセット量ΔSFC=0)と設定することで、第1のSRSリソース候補グループが1,3,5,7,9番目のサブフレームとなる。さらに、第1のSRSリソース候補グループから1,6番目のサブフレームを取り除くことにより、第2のSRSリソースが3,5,7,9番目のサブフレームとなる。このように、第2のセル単位通知により、第1セル単位通知のみでは設定できないSRSリソースを設定でき、第1セル単位通知のみの場合よりもSRSリソースとして設定できる組合せ(パターン)が増加する。すなわち、SRSリソースを柔軟に設定することができる。
【0119】
[10]実施の形態1乃至3では、論理積又は排他的論理和を用いるものとして説明を行ったが、これに限定されるものではなく、類似の処理が実現できる算出方法であればよい。
【0120】
[11]上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0121】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0122】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0123】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0124】
2011年7月1日出願の特願2011−147557の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。