(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5841351
(24)【登録日】2015年11月20日
(45)【発行日】2016年1月13日
(54)【発明の名称】電気機械における応力減少
(51)【国際特許分類】
H02K 1/24 20060101AFI20151217BHJP
H02K 19/10 20060101ALI20151217BHJP
H02K 1/18 20060101ALI20151217BHJP
【FI】
H02K1/24 Z
H02K19/10 A
H02K1/18 B
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-114219(P2011-114219)
(22)【出願日】2011年5月20日
(65)【公開番号】特開2011-244685(P2011-244685A)
(43)【公開日】2011年12月1日
【審査請求日】2014年4月15日
(31)【優先権主張番号】GB1008458.0
(32)【優先日】2010年5月20日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】511124080
【氏名又は名称】ニデック エスアール ドライブズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nidec SR Drives Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】ディキンソン,フィリップ ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】サイクス,ポール アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】フルトン,ノーマン ネイルソン
(72)【発明者】
【氏名】デュライラジュ,シラック ラジュ
【審査官】
宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−210721(JP,A)
【文献】
特開2007−104888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/00−1/16
H02K 1/18−1/26
H02K 1/28−1/34
H02K 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電気機械の回転子であって、該回転子は、
回転子のための回転軸線を規定するコア部と、
該コア部から外方に突出する複数の突極とを有し、
各突極は、
滑らかな閉じた輪郭によって規定される孔と、
該突極を該コア部に滑らかに接続する該突極の対向する両側部にあるフィレット半径部とを有し、
該滑らかな閉じた輪郭は該フィレット半径部間の中央に設けられ、該孔は、回転子が該回転軸線まわりに回転しているときに、回転子のピーク応力を減少させるように構成されることを特徴とする回転子。
【請求項2】
前記滑らかな閉じた輪郭は、各突極を横切る底辺と、相互に向かって該底辺から外方に延びる2つの辺とを有することを特徴とする請求項1に記載の回転子。
【請求項3】
前記底辺と前記2つの辺とは、輪郭の丸い部分によって相互に接続されることを特徴とする請求項2に記載の回転子。
【請求項4】
前記滑らかな閉じた輪郭は、実質的に円形であることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
【請求項5】
各突極および各孔は、前記回転軸線を通る半径上に設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転子。
【請求項6】
回転子を形成する積層体のスタックを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転子。
【請求項7】
各突極は、単一の孔を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転子。
【請求項8】
各突極は、1または複数のさらなる孔を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転子。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の回転子を形成するために積層する回転子積層体。
【請求項10】
固定子と、該固定子内で回転するように構成された請求項1〜8のいずれか1項に記載の回転子とを含むことを特徴とする電気機械。
【請求項11】
前記孔は、前記閉じた輪郭内に磁化可能な材料がないことによる前記電気機械のトルク出力量の減少が10%を超えないように構成されることを特徴とする請求項10に記載の電気機械。
【請求項12】
前記電気機械は、切換式リラクタンス機械であることを特徴とする請求項10または11に記載の電気機械。
【請求項13】
回転子または回転子に積層する積層体を製造する方法であって、該回転子が回転軸線を規定するコア部から外方に突出する複数の突極を規定する外部輪郭を有する、方法において、
ピーク応力減少最適化プロセスにおいて、該回転子が該回転軸線まわりに回転しているときに該回転子におけるピーク応力を減少させるように、複数の突極のうちの1以上の突極に形成されるべき1または複数の孔の半径方向位置、寸法および/または形状を決定し、
該複数の突極のうちの1以上の突極に、決定された半径方向位置、寸法および/または形状を有する1または複数の孔を形成することを特徴とする方法。
【請求項14】
機械出力量に関する最小要求値においてピーク応力を減少させるように、各孔の半径方向位置が決定されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
機械出力量に関する最小要求値においてピーク応力を減少させるように、各孔の寸法が決定されることを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
機械出力量に関する最小要求値においてピーク応力を減少させるように、各孔の形状が決定されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電気機械のための回転子積層体の設計に関する。リラクタンス機械および幾つかの永久磁石機械で一般に用いられるような、比較的少数の突極を有する積層体に特に有益である。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気機械は、電気鋼板の積層体から構成され、その結果として生じる構造は、電気機械がその動作に対して依存する磁束を保持するために用いられる。該構造は、磁束の時間的変化率によって鋼板に流れる渦電流の影響を低減するために積層されている。通常、変化しない磁束を有する電気機械だけが非積層構造を有する。たとえば、これらの電気機械においてさえ、電気機械が新たな動作条件に従うときに過渡応答を低減するために積層構造がしばしば採用されるけれども、直流機械の場構造は、非積層であってもよい(すなわち、固体金属から成ってもよい)。積層の程度は、通常、電気機械の磁束変化の頻度に基づく。たとえば、50または60Hzの幹線電源から直接通電され、たとえば1500または1800回転/分で動作する電気機械では、0.50または0.65mmの積層厚さがしばしば採用される。400Hzの電源で動作し、12000回転/分で運転する電気機械に対して、0.20mmの積層厚さが選択されてもよい。
【0003】
積層体は、所望の長さの束またはコアを提供するように積層される。固定された積層体は固定子コアを形成し、典型的には、枠体に挿入され、またはいくつかの他の構造が設けられて動作中に受けるトルク反作用に対して固定する。移動する積層体は、回転子コアを形成し、典型的には、軸受システムに収納される軸に設けられる。
【0004】
この構成を用いる電気機械の一例が切換式リラクタンス機械である。切換式リラクタンス機械を組み込む電気駆動装置の一般的な処理は、様々な教科書、たとえば、参照によって本明細書に組み込まれる、非特許文献1に見つけることができる。さらなる詳細は、参照によって本明細書に組み込まれる、非特許文献2に提供される。
【0005】
図1は、切換式リラクタンス機械の典型的な回転子積層体および固定子積層体を示す。両積層体は、複数の突極を有し、固定子極のいくつかまたは全てが、1または複数の相巻線を形成するように相互接続されるコイルを担持している。図示された例において、回転子積層体16は4つの極14を有し、固定子積層体10は、3つの相巻線A,B,Cを形成するように対向する対同士で接続された6つのコイル11を有する。回転子積層体は、軸18に装着される。当該技術において周知のように、固定子極および回転子極の数、コイルの数および相巻線の数は、大幅に変更されてもよく、設計基準に適宜適合するように設計者によって選択される。
【0006】
回転子積層体の突極は、回転子積層体のコア部から半径方向外方に延びる。コア部は、軸18を収容する切欠きを含む。突極の根部は、コア部に隣接する。積層体の外部形状または外部輪郭は、突極をコア部に滑らかに接続する根部のフィレット半径部と、突極の半径方向の外面における極面と、突極の両側の極面およびフィレット半径部間の、典型的には真っ直ぐな側面とを規定する。典型的には、突極の中心線は、回転軸線を通る半径と一致する。
【0007】
典型的に、回転子は巻線を担持しないので、回転子組立体は、一般的に、回転子に巻線または磁石が装着された他の種類の電気機械よりもより堅牢である。この特性は、設計者によって通常予想されたであろうものよりもより高速での回転子の動作を可能にするけれども、これまで以上の高速度をさらに要求する適用、たとえば、フライホイール、タービンおよび材料試験装置のための駆動装置が存在する。
【0008】
切換式リラクタンスモータの回転子の有用な速度は、典型的には、遠心力によって積層体に誘導される応力によって制限される。積層鋼板の弾性応力限界値は、鋼板の質によって多少変化するけれども、典型的な降伏応力は350MPa程度であるので、設計者は、適切な安全マージンを取るように、おそらく約280MPaのピークに対して設計するであろう。
【0009】
図2は、8つの回転子極を有する回転子積層体に対する応力解析の結果を示す。この解析は、積層体のセクタの有限要素モデルを設定し遠心力について解くことによって行われる。この特定の積層体は、145mmの内(軸)径と、積層長さ1メートル当たり376kgの質量とを有する。10,000回転/分での等応力線(MPa)が
図2に示される。解析は、最も高い応力領域が約180MPaの応力で軸の周囲にあることを示している。このことは、材料がその全能力を発揮しておらず、回転子質量を減少させることができないことを示している。
【0010】
この目的を達成するための1つの周知の方法は、軸径を大きくして中空にすることである。
図3は、この方法で修正された
図2の積層体を示し、軸径は145mmから197mmまで増加している。これは積層体の質量を減少させ、中実軸を使用することによってほぼ同じレベルで全質量が容易に維持されるであろうけれども、中空軸の使用は組立体の質量の正味の減少を生じさせる。
図3は、10,000回転/分における回転子積層体のピーク応力がその最大設計レベル、すなわち約270MPaにあるという程度まで軸径が大きくされることを示している。この限界領域は、極の根部における2つの領域である。周知の方法に従えば、これは、使用できる最大軸径を示している。
【0011】
積層体の質量を減少させながら軸径をさらに増加させることは、軸径が210mmまで増加された
図4に示されるように、極の根部におけるピーク応力の許容できない増加をもたらす。
図4では、極本体の等応力線の値は
図3のものと同様であるが、極の根部における応力は10,000回転/分において約300MPaであり、これは安全設計上許容できない。
【0012】
特許文献1は、極面近傍に孔を備える突極を有し、非対称飽和依存磁束パターンを提供する電気機械を開示している。同じ目的のために極面近傍に周方向にスロット状の孔を有するハイブリッド切換式リラクタンス永久磁石モータが非特許文献3に開示されている。極面に近接した位置において、これらの孔が突極の根部またはその近傍におけるピーク応力に影響を及ぼさない。
【0013】
音響ノイズ減少のために回転子突極の根部近傍に矩形窓を有する切換式リラクタンスモータが非特許文献4に開示されている。極の根部またはその近傍のピーク応力領域における矩形孔の鋭い角部は、回転子のピーク応力を、減少させるどころか、増加させるように作用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第3956678号明細書
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】TJE Miller, “Electronic Control of Switched Reluctance Machines”, Newnes, 2001
【非特許文献2】Stephenson, Blake, “The characteristics, design and application of switched reluctance motors and drives”, PCIM’93, Nuernberg, 21-24 June 1993
【非特許文献3】K. Y. Lu et al., “A new Low-Cost Hybrid Switched Reluctance Motor for Adjustable Speed Pump Applications”, Proceedings of 41st Annual Meeting of the Industrial Applications Society, Tampa, Florida, 08-12 Oct 06
【非特許文献4】M. Sanada et al., “Novel Rotor Pole Design of Switched Reluctance Motors to Reduce the Acoustic Noise”, IAS2000, Thirty-fifth Annual Meeting and World Conference on Industrial Applications of Electrical Energy, 08-12 October 2000, Rome, Italy, Vol. 1, pp 107-113
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、電気機械の電磁気的性能を実質的に維持したまま、積層体の設計ピーク応力レベル内で維持する突極回転子積層体に対する設計が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の局面において、回転電気機械のための回転子が提供される。回転子は、コア部から外方に突出する複数の突極を規定する外部輪郭を有する。コア部は、回転子のための回転軸線を規定する。各極は、閉じた輪郭によって規定される孔を有する。孔は、回転子が回転軸線まわりに回転しているときに回転子におけるピーク応力を減少させるように設けられる。
【0018】
直観に反して、本発明者らは、回転電気機械のための回転子におけるピークまたは最大応力が回転子極から材料を除去することによって減少可能であることを実現した。これは回転子の剛性をより低くし、これによって所定の回転速度に対して回転子材料が受けるピーク(または最大)応力を減少させるので、他の同一の回転子をより高い回転速度で回転することができ、または異なるより強度の低い材料を使用することができる。疑いを避けるために、ピーク応力の減少が、概念的な回転速度に対応する力を受けている他の同一の回転子に対する比較によって評価される。たとえば、このことは、概念的な回転速度、たとえば1分当たり10,000回転(回転/分)に対応する力によって回転子(孔あり、孔なし)における応力を計算する、有限要素解析を用いて求めることができる。
【0019】
孔を規定する閉じた輪郭は、略三角形状を有してもよく、閉じた輪郭の3つの辺を接続する丸い角部を有してもよい。閉じた輪郭は、そのそれぞれの極を横切る底辺と、底辺から相互に向かって外方に延びる2つの辺とを有してもよい。底辺および2つの辺は、輪郭の丸い部分によって接続されてもよい。あるいは、閉じた輪郭は実質的に円形であってもよい。
【0020】
閉じた輪郭は、輪郭が鋭い角部を有する場合、たとえば矩形輪郭である場合に発生したであろうピーク応力の新たな領域を導入することを避けるように滑らかであってもよい。換言すれば、輪郭に沿う輪郭の接線方向の変化率が(理想的な場合において)有限であり、実際のところ、回転子積層体に作られる矩形輪郭の変化率よりも小さい。
好ましくは、各極および各孔は、回転子のための回転軸線を通る半径上に設けられる。
【0021】
回転子は、積層体のスタックから形成されてもよい。好ましくは、ピーク応力緩和を提供するために、回転子は各極に1つの孔を有する。あるいはピーク応力緩和を提供するために、各極に1または複数のさらなる孔を有してもよい。
【0022】
本発明の第2の局面において、上述のような回転子を形成するために積層する回転子積層体が提供される。
【0023】
本発明の第3の局面において、固定子と、固定子内で回転するように構成される上述のような回転子とを含む電気機械が提供される。
【0024】
好ましくは、孔は、閉じた輪郭内に磁化可能な材料がないことによる電気機械のトルク出力量の減少が、孔がない場合のトルク出力の10%、好ましくは5%を超えないように構成される。いくつかの場合において、20%の減少が許容されてもよい。
【0025】
再び、トルク減少量は、以下に詳細に述べるように、有限要素解析を用いて求められてもよい。この量は、電気機械の静的トルク出力量、たとえば平均静的トルク、すなわち、たとえば電気極ピッチ角の半分にわたって複数の位置で求められその後平均化された所定の励磁電流に応じた静的トルクであってもよい。トルクは規定された励磁電流、好ましくは、電気機械の磁束レベルをその適用において受ける最大レベルまで駆動する励磁電流で求められる。使用することができる特定の励磁電流は1000Aである。
電気機械は、切換式リラクタンス機械であってもよい。
【0026】
本発明の第3の局面において、回転子または回転子に積層する積層体を製造する方法が提供される。回転子は、回転軸線を規定するコア部から外方に突出する複数の突極を規定する外部輪郭を有する。該方法は、各極に1または複数の孔を形成し、これによって回転子が回転軸線まわりに回転しているときに回転子におけるピーク応力を減少させることを含む。
【0027】
ピーク応力は、たとえば上述のように求められてもよい。該方法は、回転子または積層体のための設計を準備することを含んでもよい。これは、平均静的トルクなどの機械出力量に関する最小要求値に依存するピーク応力を減少させるように、孔の半径方向位置および寸法を変更することを含んでもよい。設計の準備は、孔の形状を変更することをさらに含んでもよい。
【0028】
たとえば、円形孔を用いた設計方法は、ピーク応力の局所的な最小値を見つけるまで回転軸線からの所定の直径の孔の中心の距離を増加させ、孔の直径を増加させ、機械出力量が閾値、たとえば孔なしの機械出力量よりも大きい限り、これらの工程を繰返すことを含んでもよい。
【0029】
他の設計アプローチは、ピーク応力の局所的な最小値を見つけるように回転軸線からの所定の直径の円形孔の中心の距離を増加させ、その後、孔の輪郭の半径方向の最内点が実質的に固定された位置にとどまり、孔なしの機械出力量などのトルク出力量が最小許容値に低下するまで、さらにピーク応力を最小にするように、位置を調整しながら孔の直径を増加させることを含む。
【0030】
他の設計アプローチは、非円形孔(NCH)を設計してピーク応力を減少させることを含んでもよい。このアプローチは、孔の境界上のキーとなる点を決定することを含んでもよい。点Rは、たとえば極幅の50〜75%の直径を有する孔を、ピーク応力の局所的な最小値を見つけるまで回転子の中心から外方に移動させることによって規定される。点Rは、その後NCHの最内点とされる。円形孔は、その後トルク出力が最小要求値を下回り始めるまでさらに外に移動され、点Sを、その位置における円形孔の最外点とする。その後、一連の同心円が極の根部における極の中心線上の点に作成され、許容可能な限界値に対するトルク出力量の減少に対応する直径が決定される。この円と極の根部における線との交点は、NCHから出て行くべき極の外部輪郭から最小幅の軌跡を決定する。極の根部における線は、たとえば極の真っ直ぐな側面が極とコア部とを接続するフィレット半径部に移行する位置に配置されてもよい。
【0031】
この設計手順は、非円形孔の内側、外側および側方境界を提供し、該非円形孔はこれらの境界内で様々な形状に形成することができる。しかしながら、新たなピーク応力を導入すること避け、製造を容易にするために、鋭い内側角部は避けられるべきである。上述のような最小幅を有する極の残余部分の半径方向長さは、積層体における磁束を支持するために必要な起磁力(mmf)の増加を最小にするように、相対的に短くされるべきである。したがって、適切な形状は、丸い角部と、極を横切り、上述の境界内に配置される底辺(たとえば極の中心半径に垂直)とを有する略三角形状孔である。
【0032】
本発明は、積層材料に限定されない。なぜなら最終形状に機械加工された固体材料または最終部品を生成するために成形・焼結された軟磁性化合物から構成される非積層回転子に対して、対応する利益を適用することができるからである。
【0033】
さらに詳しくは、本発明は、回転電気機械の回転子であって、該回転子は、回転子のための回転軸線を規定するコア部から外方に突出する複数の突極を規定する外部輪郭を有し、各極は、閉じた輪郭によって規定される孔を有し、該孔は、回転子が該回転軸線まわりに回転しているときに、回転子のピーク応力を減少させるように構成されることを特徴とする回転子である。
【0034】
また本発明において、前記閉じた輪郭は、各極を横切る底辺と、相互に向かって該底辺から外方に延びる2つの辺とを有することを特徴とする。
【0035】
また本発明において、前記底辺と前記2つの辺とは、輪郭の丸い部分によって相互に接続されることを特徴とする。
【0036】
また本発明において、前記閉じた輪郭は、実質的に円形であることを特徴とする。
また本発明において、前記閉じた輪郭は、滑らかであることを特徴とする。
【0037】
また本発明において、各極および各孔は、前記回転軸線を通る半径上に設けられることを特徴とする。
また本発明において、回転子を形成する積層体のスタックを含むことを特徴とする。
【0038】
また本発明において、各極は、単一の孔を有することを特徴とする。
また本発明において、各極は、1または複数のさらなる孔を有することを特徴とする。
【0039】
また本発明は、上述の回転子を形成するために積層する回転子積層体である。
また本発明は、固定子と、該固定子内で回転するように構成された上述の回転子とを含むことを特徴とする電気機械である。
【0040】
また本発明において、前記孔は、前記閉じた輪郭内に磁化可能な材料がないことによる前記電気機械のトルク出力量の減少が10%を超えないように構成されることを特徴とする。
【0041】
また本発明において、前記電気機械は、切換式リラクタンス機械であることを特徴とする。
【0042】
また本発明は、回転子または回転子に積層する積層体を製造する方法であって、該回転子が回転軸線を規定するコア部から外方に突出する複数の突極を規定する外部輪郭を有する、方法において、各極に1または複数の孔を形成し、これによって該回転子が該回転軸線まわりに回転しているときに該回転子におけるピーク応力を減少させることを特徴とする方法である。
【0043】
また本発明において、前記方法は、機械出力量に関する最小要求値に依存するピーク応力を減少させるように、孔の半径方向位置、寸法、および好ましくは形状を変更することによって、前記回転子または積層体のための設計を準備することを含むことを特徴とする。
【0044】
本明細書に開示される装置および方法の他の局面および利点は、添付の図面を参照して、回転子積層体の実施例の以下の詳細説明を読むときに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】切換式リラクタンス機械のための典型的な回転子および固定子を示す。
【
図2】8つの回転子極を有する先行技術の回転子積層体に対する応力解析の結果を示し、数値は10,000回転/分での等応力線(MPa)を示す。
【
図3】軸径が大きくされた修正された回転子積層体に対する応力解析の結果を示し、数値は10,000回転/分での等応力線(MPa)を示す。
【
図4】軸径がさらに大きくされた回転子積層体に対する応力解析の結果を示し、数値は10,000回転/分での等応力線(MPa)を示す。
【
図5】一実施形態に従う突極に孔を有する回転子積層体のセクタを、該回転子積層体に対する応力解析の結果とともに示し、数値は10,000回転/分での等応力線(MPa)を示す。
【
図6】
図5の回転子積層体に対する応力解析の結果を示す、積層体の孔の回転軸線からの半径方向距離の関数としてのピーク応力曲線を示す。
【
図7】孔の寸法および位置の範囲に対するピーク応力曲線を示す。
【
図8】
図7の曲線の包絡線と平均静的トルク値(Nm)とを示す。
【
図10】他の最適化手順において用いられる構造を示す。
【
図12】軌跡を作成して境界上のさらなる点を決定するための方法を示す。
【
図13】突極における例示の非円形孔(NCH)を示す。
【
図14】
図13の回転子積層体に対する応力解析の結果を示し、数値は10,000回転/分での等応力線(MPa)を示す。
【
図15】
図13の孔を近似するための2つの円形孔の組み合わせを示す。
【
図16】
図15の回転子積層体に対する応力解析の結果を示し、数値は10,000回転/分での等応力線(MPa)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図5は、一実施形態に従う回転子積層体のセクタを示す。積層体の主要な寸法は
図3の積層体の寸法を同一であり、極幅は28.6mmである。円形孔50が回転子極52に導入された。孔の中心53は、極の中心線54上に配置され、本実施例では、孔は直径16mmである。円または幾何学的形状の他の寸法は、以下に述べるように、孔を形成するために用いられてもよい。
【0047】
極の根部近傍の材料の断面を減少させることは所定の動作条件に対する積層体の応力を増加させる効果があるであろうことが予測できたけれども、
図5の等応力線はこのことがそうではないことを示している。応力値を調べると、ピーク応力が実際には約17%だけ減少したことが分かる。このことは直観に反しているが、極の減少した剛性に起因し、このことはひいては応力を減少させると考えられる。
【0048】
積層体の中心から孔の中心までの半径方向距離は、積層体の設計者の制御の下で変更可能であり、この位置はピーク応力レベルに影響を及ぼす。
図6は、積層体中心からの孔の中心の距離に対するピーク応力のグラフである。本実施例において、孔の直径は再び16mmである。孔の位置が積層体中心から離れるにつれて、応力がほぼ線形に最小値まで低下し、その後緩やかに上昇することが分かる。このことは、設計者に、積層体の応力レベルを最小にするために孔の位置を選択する可能性を提供する。この場合、約138mmの距離が最低のピーク応力を与えることが理解されるであろう。
【0049】
回転子積層体に孔を導入することによって、ピーク応力を減少させることができ、またはピーク応力が安全限界値に達するまでの動作速度を増加させることができることは明らかである。あるいは、以前のピーク応力を超えることなく、積層体のボア直径を増加させることができ、これによって回転子の質量を減少させることができる。
【0050】
さらなる利益が本実施形態から明らかである。ピーク応力を減少させるのと同様に、積層体からの材料の除去は、回転子の質量を減少させるだけでなく、その除去が回転子の中心から有意な距離にあるので、回転子の慣性を大きく減少させる。この慣性減少は、電気機械の過渡性能を向上させ、回転子のコア部に材料を除去した孔を配置することによっては得られない利益である。
図5に示される例示の積層体の解析によって、回転子の慣性が
図3の積層体の慣性のほぼ10%だけ減少することが判明している。
【0051】
考慮すべきさらなる因子は、孔の直径である。それぞれの孔の直径の範囲について、
図6に示されるものに対応する曲線が
図7に作成されて表示され、半径方向位置と孔の寸法との両方の関数としてピーク応力がどのように変化するのかを示している。各曲線に対する最小応力値を通る包絡線72を引くことができ、この包絡線は任意の所定の孔の位置に対して達成することができる最小応力を示していることが理解されるであろう。包絡線の最下点は、任意の孔の寸法および位置に対して達成可能な最小応力を示し、この種の回転子の設計者にこれまで利用することができなかった重要な新たな設計パラメータを示す。
【0052】
図7の全ての情報は詳細説明のために示されたけれども、実際のところ、これらの曲線の全てを計算する必要はないであろう。これらの曲線および包絡線72の一般的形状が分かると、最適化方法が採用できるので、所定の開始点から、該方法は必要とされるピーク応力の最小値を見つけるであろう。このことは、以下に明らかにされるであろう。
【0053】
積層体のピーク応力が1または複数の孔を設けた結果として回転子極の特定の場所から材料を除去することによって減少可能であることは示されたけれども、設計者は、ピーク応力の他に、積層体設計の他の特性を関心を抱く。回転子極は電気機械の主に働いている磁束を保持しているので、磁束に対する示される断面は、磁束密度を決定し、ひいては必要とされる励磁および磁束に関連する鉄損を決定する。明らかに、ピーク応力が非常に低いレベルまで減少した場合、電気機械に対する正味の利益はほとんどないが、結果として生じる増加した磁束密度の不利益は電気機械の全性能を低下させる。
【0054】
種々の量が全性能の量として使用することができるが、1つの有用な量は、励磁電流がある値に維持される間に回転子極ピッチの半分にわたって発生した平均トルクである。トルク曲線の典型的な形状は、上述の非特許文献1および2に示され検討されている。この曲線上の点は、しばしば電気機械の“静的”トルクと呼ばれる。なぜなら回転子がある位置で係止されて励磁されたときに発生するトルクであるからである。平均値は回転子極ピッチの半分にわたって取られる。なぜならこれは選択された方向に発生するトルクの代表であるからである。選択された励磁電流の値は重要ではないが、最もよいのは、通常の機械動作の間に遭遇する相電流の最も高い値またはその近傍であるように選択される。なぜならこのことは設計の差をより明確にあらわにするであろうからである。
【0055】
固定子積層体および回転子積層体の寸法が分かると、有限要素解析を用いて、たとえば
図1に示されるような電気機械に対して、任意の回転子位置における静的トルクを求めることができる。積層体、励磁コイルおよび周囲空気を示す三角形要素のメッシュが設定され、その後磁束経路が、電磁気解析における当業者に周知の方法を用いて所定の励磁に対して見出される。磁束パターンを用いてトルクを与える複数の方法があり、マックスウェル応力解析が、切換式リラクタンス機械において典型的に見つけられる積層体形状に対して特に有用であることが見出されてきている。なぜなら、これは、たとえ極面間の空隙が小さくても、よい収束を与えるからである。この解析は、1つの回転子位置におけるトルクを見つけることを可能にする。回転子を少量順次移動させて再び解析を実行することによって、極ピッチの半分にわたる各点のトルクを規定することができる。その後、平均値を計算することは簡単なことであり、これは電気機械の始動性能に密接に関連し、高速度における単一パルス動作の下での性能の良好な測定をも与える。
【0056】
図8は、このような評価の結果を示し、ここで、1000Aの選択された励磁電流に対する電気極ピッチの半分にわたる平均静的トルクが、
図7の各曲線が最小に達する位置に対する
図7の包絡線上に示されている。比較のために、孔がない場合の平均静的トルクは1505Nmである。孔の直径が増加する(すなわち包絡線が左から右に横切る)と、電気機械のトルク出力が低下することが分かる。この関係が分かると、必要な平均トルクのために、積層体の最小応力を与える孔の寸法および孔の位置を見つけることができる。
【0057】
この結果は
図7および
図8の調査によって得ることができるけれども、多くの点での応力およびトルク出力の解を必要とする。これは、労力と時間を費やすおそれがある。最適化スキームを用いてこのタスクを行うことができ、最適化手順の当業者は、多くの異なるアプローチ、たとえばモンテカルロ法、ヒルクライミング法などを用いることができることを認識するであろう。カスタマイズされた方法が
図9に示され、ここで、
図7の一部の拡大図が示される。選択された開始点である小さな孔寸法と積層体中心に比較的近接した位置とを有する点Aから、積層体の中心から離反して移動する(すなわち、点Aから右側に下方に向かって進む)孔の一連の位置に対して応力が計算される。応力が上昇し始めると、最小応力を通過しており、したがって前の位置である点Bにおける平均静的トルクを計算することができる。この平均静的トルクが必要とされるものを超えていると仮定すると、わずかに大きな孔直径に対する点Cにおける応力を計算することができ、手順は、孔を半径方向外方に移動させることによって、点Dにおける最小応力まで曲線を下方に進み、点Dで平均静的トルクを計算することができる。平均静的トルクが許容可能な最小値またはその近傍にある場合、点Dが最適設計を示すであろう。平均静的トルクが必要とされる値を依然として超えている場合、手順を、点Eから点Fまでさらに大きな孔で繰返すことができ、結果として生じる点Fでの平均静的トルクを評価することができる。最適化手順の当業者は、曲線に沿いかつその間のステップ長さが、削減された計算点の数で曲線上の最小点を確実に見つけるために動的に調整できることを認識するであろう。
【0058】
孔の最適寸法および位置を決定するわずかに異なるアプローチが、
図7の包絡線の形状に寄与する孔の外周が極の中心線にほぼ一致することに注目することによって開発できる。これは、
図10に示され、ここで、
図7の各孔の直径は最も低いピーク応力を与える位置に示されている。外周は点Mの間近で極の中心線に交差する。したがって、任意の孔寸法を取り、最小ピーク応力が見つけられるまで積層体中心からの位置を単純に変更することによって点Mの位置を規定することができるということになる。その後、孔の直径を、点M上の外周を維持し平均トルクを計算しながら変更できる。トルクが許容可能な最小値まで低下するとき、孔の位置および寸法が決定される。このアプローチは、上述の第1の最適化方法ほど正確ではないであろうが、削減された数の計算を結果として生じ得、ソフトウェアルーチンにおいてよりプログラムしやすい。
【0059】
以上に記載された実施形態は、極本体に1つの円形孔を用いて積層体の応力、質量および慣性を最小にするという設計目的を達成している。しかしながら、本発明は、1つの孔の使用または円形孔の使用に限定されない。しかしながら、複数の孔および/または非円形孔はその寸法および位置を正確に表すためにかなり多くのパラメータを必要とするので、それを使用することは設計プロセスをより複雑にする。この複雑さを取扱う1つの方法は、実際の形状を考慮する前に孔の境界上のキーとなる点を決定することである。これは、非円形孔(NCH)のパラメータをどのように決定することができるかを表すことによって明らかにされるであろう。
【0060】
中型の孔、たとえば極幅の50%〜70%の直径を有する孔がまず選択される場合、
図11に示されるように、点Rが、上述のように、孔が回転子の中心から外方に移動するにつれて応力を順次計算し、最小ピーク応力を決定することによって規定される。点RはNCHの内側境界とすることができる。なぜなら内方に移動させることはピーク応力を増加させるであろうからである。
【0061】
円形孔の中心がさらに外方に移動した場合、平均トルクを各位置において計算することができ、点Sを、トルクが任意の有意な程度まで低下し始めるときに孔の最外部が極の中心線を切断する点として決定することができる。点SはNCHの最外境界とすることができる。なぜならさらに外方に移動させることは電気機械の出力を低下させるであろうからである。なお、極面は点Sで破断されない。
【0062】
図12を考慮する。ここで、線120は極の中心線に垂直で、かつ外部輪郭のフィレット半径部が終了し平行な側部の極部が始まる場所であるように選択される。点Tは、この線が極の中心線に交差する場所である。一連の同心円はそれらの中心として点Tを用いて作成することができる。各孔の直径に対して、平均静的トルクを計算することができ、許容可能な最小値と比較することができる。平均静的トルクが許容可能な最小値に達すると、孔の外周と線120との交点、すなわち点Uおよび点Vは、積層体の外部輪郭からの距離がNCHの側方において積層体の一部のために使用されるべき最小幅を示す幅Wを規定する点とされる。極の両側には、幅Wだけ外部輪郭からずれた軌跡122,124を引くことができる。NCHの側方境界はこれらの軌跡上にあるように考慮されてもよい。なお、NCHの境界は、極の外部輪郭内に完全に位置する。
【0063】
図面では、大きな増分を孔の寸法に取って、点R,S,U,Vをどのようにして規定するのかを示している。これは、純粋に、説明の明瞭化のためである。なぜなら、実際にはより小さな増分を用いてこれらの点をより正確に配置するであろうからである。当業者は、対象から離れているときに大きな距離を用い、対象に近づいているときにより小さな距離を順次用いるように動的ステップ長さの使用に精通しているであろう。
【0064】
NCHの形状は、点R、点Sおよび軌跡122,124を考慮して選択可能である。多種多様な形状が推測できるけれども、いくつかの他の考慮を留意しておくべきである。たとえば、点Rにおいて、不必要な応力上昇を避けるために、できる限り平坦な境界を用いることが好ましい。点Sにおいて、鋭い内側角部は製造を容易にしないであろうので、半径部が選択されるであろう。側方境界において、幅Wの部分の長さは比較的短くされて、積層体内の磁束を支持するのに必要とされる起磁力(mmf)の増加を最小にすべきである。鋭い角部での新たなピーク応力領域を形成するのを避けるために、NCHの境界は、好ましくは、滑らか(全ての境界に沿う接線方向の有限の変化率)であるべきである。これらの指針を考慮した形状が
図13に示される。結果として生じる孔の形状(したがって突極の内部輪郭)は、半径を持つまたは丸い角部を有する三角形に近づく。孔を規定する内部輪郭は根部の領域の回転子極を横切って延びる底辺と、半径方向外方でかつ相互に向かって延びる2つの辺とを有する。いくつかの実施形態において、底辺と2つの辺は、上述の理由のために、丸い部分によって接続される。いくつかの実施形態において、結果として生じる形状は滑らかであり、たとえば内部輪郭の接線方向の変化率が内部輪郭に沿って有限である。
【0065】
該形状の辺、特に外方に延びる辺は真っ直ぐである必要はないが、いくつかの実施形態において、湾曲しまたは半径を有してもよく、たとえば2つの外方に延びる辺は、いくつかの実施形態において、凹状アーチによって丸い角部を接続する。
【0066】
この形状の応力解析が
図14に示される。等応力線を調べると、ピーク応力が極の根部、NCHの角部および積層体のボア領域において均衡していることが分かる。これは、積層体が、1つの領域も限界値に関与することなく、応力について十分に均衡していることを示している。ピーク応力は、応力上昇部として作用しない孔の底辺のより平坦な輪郭によって、単一の円形孔で達成されるものよりも低く減少することにも注目されたい。
【0067】
図13のNCHの効果が2以上の円形孔を用いることによって近似できることが予想され、これは、積層体加工の設計および構成の簡略化をもたらす点で好ましいであろう。このような近似は
図15に示される。しかしながら、
図16に示されるこの構成に対する応力解析は、小さな孔の存在は、どのような材料であれ、等応力線を変化させず、したがって応力はより大きな孔の寸法および配置によって制御されることを示している。
図13に示される形状は、ピークトルクに有意な影響を与えることなく、最適なピーク応力減少を提供しそうであると結論付けられる。
【0068】
本発明の全ての実施形態において、回転子の外部輪郭も軸に対する切欠きの(内部)輪郭または形状も、本発明によって導入される孔の存在に影響を与えない。除去される材料は、外部輪郭および内部輪郭間の回転子の内部から完全に取られ、このように形成された孔は閉じた輪郭を有している。
【0069】
特に図示された孔の寸法および位置に関する、開示された構成の変形は、特許請求の範囲から逸脱しない範囲で可能であることを当業者は理解するであろう。したがって、実施形態の上述の説明は一例に過ぎず、限定を目的とするものではない。上述の利益および動作を有意に変更することなく、構成に対して軽微な修正を行うことができることは当業者にとって明らかであろう。請求された保護範囲は特許請求の範囲によってのみ限定されるように意図される。