特許第5841706号(P5841706)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5841706
(24)【登録日】2015年11月20日
(45)【発行日】2016年1月13日
(54)【発明の名称】電源アダプタ
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20151217BHJP
【FI】
   H02J7/00 303C
   H02J7/00 303A
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2008-553397(P2008-553397)
(86)(22)【出願日】2007年2月2日
(65)【公表番号】特表2009-525723(P2009-525723A)
(43)【公表日】2009年7月9日
(86)【国際出願番号】US2007003027
(87)【国際公開番号】WO2007092376
(87)【国際公開日】20070816
【審査請求日】2010年1月27日
【審判番号】不服2013-22879(P2013-22879/J1)
【審判請求日】2013年11月22日
(31)【優先権主張番号】60/764,865
(32)【優先日】2006年2月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】11/701,577
(32)【優先日】2007年2月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506380075
【氏名又は名称】フレクストロニクス エーピー,リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100096677
【弁理士】
【氏名又は名称】伊賀 誠司
(72)【発明者】
【氏名】チャン、シャオヤン
【合議体】
【審判長】 堀川 一郎
【審判官】 矢島 伸一
【審判官】 藤井 昇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−128389(JP,A)
【文献】 特開平11−18312(JP,A)
【文献】 特開2004−304941(JP,A)
【文献】 特開2004−328835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電力、内部電池及び外部の携帯電力モジュールのうちの1つを用いて選択的に動作するように構成された電子機器に接続され、上記携帯電力モジュールが着脱自在に装着されて接続され、上記電子機器に入力電源を供給する蓄電機能付の電源アダプタであって、
a.上記電子機器で使用しない形式で外部電源から電源が供給され、該外部電源からの電源を上記入力電源に変換する第1の電力変換回路と、
b.上記第1の電力変換回路からの入力電源を、上記電子機器に供給するパススルー回路と、
c.上記第1の電力変換回路からの入力電源を、上記携帯電力モジュールに充電する充電回路と、
d.上記電子機器に対して上記携帯電力モジュールからの入力電源を、供給する放電回路と、
e.上記第1の電力変換回路、上記パススルー回路、上記充電回路、上記放電回路及び上記携帯電力モジュールに接続されるマイクロコントローラとを備え、
上記マイクロコントローラは、上記第1の電力変換回路が上記外部電源に接続され、かつ、上記放電回路の出力が開回路になっていることを検出したときには、上記パススルー回路をシャットダウンし、上記放電回路をシャットダウンし、かつ、上記充電回路を充電動作状態にすることを特徴とする電源アダプタ。
【請求項2】
上記外部電源は、AC電源であることを特徴とする請求項1記載の電源アダプタ。
【請求項3】
上記外部電源は、所定の電圧のDC電源であり、上記入力電源は、該所定の電圧とは異なる電圧のDC電源であることを特徴とする請求項1記載の電源アダプタ。
【請求項4】
上記電子機器で使用しない形式で、上記外部電源からの電源とは異なる種類の電源が供給され、該異なる種類の電源を上記入力電源に変換する第2の電力変換回路を更に備える請求項1記載の電源アダプタ。
【請求項5】
上記第1及び第2の電力変換回路は、上記パススルー回路に接続されていることを特徴とする請求項4記載の電源アダプタ。
【請求項6】
当該電源アダプタは、上記外部電源及び上記電子機器の接続状態に対応した単純充電モード、充電/電力供給モード、単純電力供給モード及び放電モードを含む上記マイクロコントローラによる制御の下に動作する複数の動作モードを有することを特徴とする請求項1記載の電源アダプタ。
【請求項7】
上記単純充電モードの期間では、当該電源アダプタは、上記外部電源に接続され、上記入力電源は、上記携帯電源モジュール内の2次電池に供給されることによって、該2次電池を充電することを特徴とする請求項6記載の電源アダプタ。
【請求項8】
上記充電/電力供給換モードの期間では、当該電源アダプタは、上記外部電源及び上記電子機器の両方に接続され、上記入力電源が、当該電源アダプタから該電子機器に供給されているときに、上記携帯電源モジュール内の2次電池に供給されることによって、該2次電池を充電することを特徴とする請求項6記載の電源アダプタ。
【請求項9】
上記単純電力供給モードの期間では、当該電源アダプタは、上記外部電源及び上記電子機器に両方に接続され、上記入力電源を、上記外部電源から当該電源アダプタを介して該電子機器に直接供給することを特徴とする請求項6記載の電源アダプタ。
【請求項10】
上記放電モードの期間では、当該電源アダプタは、上記電子機器に接続され、該電子機器は、上記放電回路から入力電源を供給されることを特徴とする請求項6記載の電源アダプタ。
【請求項11】
当該電源アダプタは、上記電子機器に、着脱可能に電気的に接続されることを特徴とする請求項1記載の電源アダプタ。
【請求項12】
携帯機器用の蓄電機能付きの電源アダプタにおいて、
a.上記携帯機器で使用しない形式で外部電源から電源が供給され、該外部電源から、該携帯機器が使用する電源及び蓄電可能な電源を同時に生成する電力変換器ユニットと、
b.上記電力変換器ユニットに接続され、該電力変換器ユニットから上記蓄電可能な電源が供給され、該蓄電可能な電源をエネルギとして蓄積する2次電池と該2次電池を充電する充電回路とを有するエネルギ蓄積ユニットと、
c.上記電力変換器ユニットに接続され、上記携帯機器で使用する電源を該携帯機器に通電する電力パススルーユニットと、
d.上記エネルギ蓄積ユニットに接続され、該エネルギ蓄積ユニット内のエネルギから上記携帯機器で使用する電源を生成して該携帯機器に供給する放電回路と電力変換器を有する電力出力ユニットと、
e.上記電力変換器ユニットから上記エネルギ蓄積ユニットへの上記蓄電可能な電源の供給を制御し、上記電力パススルーユニットを介する上記携帯機器への上記携帯機器で使用する電源の流れを制御し、上記エネルギ蓄積ユニットから上記電力出力ユニットを介する、上記携帯機器への上記エネルギの供給を制御するマイクロコントローラとを備え、
上記マイクロコントローラは、当該電源アダプタが上記外部電源に接続され、かつ、上記携帯機器が当該電源アダプタに接続されていない場合には、上記電力パススルーユニットをシャッドダウンし、上記電力出力ユニットをシャッドダウンし、かつ、上記エネルギ蓄積ユニットを上記外部電源から供給される電源をエネルギとして上記2次電池に蓄積する蓄積動作状態にすることを特徴とする電源アダプタ。
【請求項13】
携帯電子機器用のバックアップ電源付の電源アダプタにおいて、
a.外部電源から電源が、上記電子機器で使用しない形式で供給され、該電子機器で使用する変換電源を生成する電力変換器と、
b.第1のスイッチングモジュールを介して、上記電力変換器に接続された入力と、第2のスイッチングモジュールに接続された出力とを有するエネルギ蓄積ユニットと、
c.上記電力変換器に接続された第3のスイッチングモジュールと、
d.上記第1、第2及び第3のスイッチングモジュールに接続され、該第1、第2及び第3のスイッチングモジュールの動作を制御して、上記電力変換器からの変換電源を、上記エネルギ蓄積ユニット及び上記第3のスイッチングモジュールのうちの1つを介して、当該電源アダプタの出力に供給し、該電力変換器が上記外部電源に接続され、かつ、上記放電回路の出力が開回路になっていることを検出したときには、該第2及び第3のスイッチングモジュールをシャッドダウンし、かつ、該第1のスイッチングモジュールをオンにして上記電力変換器が上記エネルギ蓄積ユニットに接続された状態にするマイクロコントローラとを備える電源アダプタ。
【請求項14】
携帯電子機器用の蓄電機能付の電源アダプタにおいて、
a.外部電源から電源が、上記携帯電子機器では使用しない形式で供給され、該電源が供給されたときに、該電源から、第1の使用電源及び蓄電可能な電源を生成する電力変換器ユニットと、
b.エネルギレベル及び全エネルギ容量を有し、上記電力変換器ユニットから上記蓄電可能な電源が供給され、該エネルギレベルが該全エネルギ容量よりも少ない場合には、該蓄電可能な電源をエネルギとして蓄積する蓄電ユニットと、
c.上記蓄電ユニットからエネルギが供給され、該供給されたエネルギから第2の使用電源を生成する出力ユニットと、
d.上記外部電源から上記電力変換器に電源が供給されたか否かを判定し、上記第2の使用電源を生成して、該第2の使用電源を上記携帯電子機器に供給することを上記出力ユニットに指示し、上記電力変換器ユニットが、上記外部電源から電源を供給され、上記放電回路の出力が開回路になっていることを検出したときには、上記出力ユニットをシャッドダウンするマイクロコントローラとを備える電源アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条第(e)項に基づき、2006年2月2日に出願された、係属中の米国仮特許出願、発明の名称「バックアップユニット付の携帯機器用の電源アダプタ(POWER ADAPTOR/BACKUP UNIT FOR PORTABLE DEVICES)」の優先権を主張する。この特許文献は、引用により本願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、包括的には、携帯可能な、及び電池駆動民生用携帯電子機器用の電源アダプタに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、様々な電池駆動民生用電子機器がある。例えば、携帯電話機、デジタルカメラ、ラップトップコンピュータ及びMP3プレーヤがある。この種の製品では、多くの場合、充電可能な2次電池(rechargeable battery)が使用されている。また、使い捨ての1次電池(disposable battery)を使用できる製品もある。
【0004】
このよう製品の殆どは、DC電源入力を備え、外部電源アダプタは、同梱されている場合と、別売の場合とがある。DC電源入力には、適切なDC電圧が供給され、2次電池がある場合は、2次電池を充電し、及び機器を駆動するように構成されている。
【0005】
このような機器にDC電源を供給するための電源アダプタの構成は周知である。典型的な例としては、一般家庭用のコンセントに接続されて、家庭用のAC電源が供給され、このAC電源を、DC駆動機器(以下、単にDC機器という。)に適したDC電源に変換して、その変換電源をDC機器に供給するAC/DCアダプタがある。他の具体例として、自動車の電源(シガーソケット)から供給される12VのDC電源を、機器に適した電圧のDC電源に変換して、変換電源を機器に供給するDC/DCコンバータも知られている。
【0006】
実際、2次電池を含む最新の機器の多くは、少なくともAC/DCアダプタが同梱されている。したがって、2次電池の電力が低下すると、コンセントが使用可能な場合、単にAC/DCアダプタのプラグをコンセントに差し込み、AC/DCアダプタを機器に接続するだけで、機器を容易に駆動し、2次電池を充電することができる。
【0007】
しかしながら、家庭用又はその他のコンセント及び他の電源は、何時でも使用できるわけではない。この問題を解決するために、様々な携帯型電源モジュール(portable power modules:PPM)が市販されている。PPMは、基本的には予備の電池であり、例えば、携帯電話機等のDC駆動機器のDC入力に接続され、放電し、適切な電圧を供給するように設計されている。
【0008】
PPM内の電池には、様々な手法で電力が供給される。幾つかのPPMは、1次電池が装着されており、これらの電力を適切な電圧に変換するように構成されている。他のPPMは、典型的なDC駆動機器と同様に、入力を介してDC電力が供給されるよう構成された、2次電池を備える。所定のDC駆動機器の用のPPMは、通常、アフターサービス市場で販売されるので、PPMは、そのDC駆動機器用のAC/DCアダプタから電力が供給されて、2次電池を充電するような構成が一般的である。
【0009】
ここで、このような設計では、所定のDC駆動機器、例えば携帯電話機のユーザは、あらゆる状況で外部電力を確実に使用するためには、専用のAC/DCアダプタと、適切なPPMとの両方を持ち歩かなくてはならない。更に、携帯電話機の2次電池と、PPMの2次電池との両方を充電するためには、ユーザは、AC/DCアダプタの出力を2つの機器間で繋ぎ代えなくてはならない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の好ましい実施の形態では、AC/DCラインから、又はDC電源、例えば自動車のシガーソケットから電力を供給できる電源アダプタと、電池バックアップモジュール(battery backup module)とを1つのユニットに統合する。本発明が提供する電源アダプタは、携帯型電源モジュール(portable power module)と、この電源アダプタに対応する携帯電子機器とを同時に充電することができる。好ましくは、本発明の電源アダプタは、電子機器に入力電源を供給するために設計される。更に、幾つかの実施の形態では、電源アダプタには、電子機器使用しない形式電源が供給される。幾つかの実施の形態では、電源アダプタには、電子機器や蓄電ユニットで使用しない形式電源が供給され、電源アダプタは、この電源を蓄電可能な形式に変換する。何れの場合も、「蓄電」とは、蓄電ユニット又は所定の実施の形態における機器を用いて、充電できることを意味する。同様に「使用」とは、携帯電子機器又は所定の実施の形態が対象とする機器を駆動及び/又は充電できることを意味する。
【0011】
例えば、幾つかの実施の形態では、入力電力、内部電池及び携帯電力モジュールのうちの1つを用いて選択的に動作するよういに構成された電子機器に入力電源を供給する蓄電機能付の電源アダプタは、外部電源からの電源が、電子機器で使用しない形式で供給され、その電源を電子機器用の入力電源に変換する第1の電力変換回路と、電子機器用の入力電源を供給して、電子機器を駆動するパススルー回路と、電子機器用の入力電源を携帯型電源モジュールに充電する充電回路(storage circuit)と、携帯型電源モジュールから入力電源を供給して、電子機器を駆動する放電回路と、第1の電力変換回路、パススルー回路、充電回路、放電回路及び携帯型電源モジュールに接続されており、第1の電力変換回路が外部電源に接続され、かつ、電子機器がこの電源アダプタに接続されていない場合には、パススルー回路をシャットダウンし、放電回路をシャットダウンし、かつ、充電回路を充電動作状態にするマイクロコントローラとを備える。
【0012】
幾つかの実施の形態では、携帯機器用の蓄電機能付の電源アダプタを提供する。蓄電機能付の電源アダプタは、電力変換器ユニットと、エネルギ蓄積ユニットと、電力パススルーユニットと、電力出力ユニットと、マイクロコントローラとを備える。これらの構成要素には、様々な特定の機能及び構成がある。
【0013】
例えば、電力変換器ユニットは、外部電源から電力が、携帯機器で使用しない形式で選択的に供給され、この電源から、携帯機器で使用する電源と充電可能な電源とを同時に生成する。エネルギ蓄積ユニットは、電力変換器ユニットに接続され、電力変換器ユニットから充電可能な電力が供給され、この電力をエネルギとして蓄積する。電力パススルーユニットは、電力変換器ユニットに接続され、携帯機器で使用する電源をその携帯機器に通電する。電力出力ユニットは、エネルギ蓄積ユニットに接続され、エネルギ蓄積ユニット内のエネルギから携帯機器で使用する電源を生成して携帯機器に供給する。マイクロコントローラは、電力変換器ユニットからエネルギ蓄積ユニットへの充電可能な電力の供給を制御し、電力パススルーユニットを介した携帯機器への使用可能な電源の流れを制御し、エネルギ蓄積ユニットから電力出力ユニットを介した携帯機器へのエネルギの供給を制御し、この電源アダプタが外部電源に接続され、かつ、携帯機器がこの電源アダプタに接続されていない場合に、電力パススルーユニットをシャッドダウンし、電力出力ユニットをシャッドダウンし、かつ、エネルギ蓄積ユニットを蓄積動作状態にする。また、幾つかの実施の形態では、マイクロコントローラは、様々なパラメータを監視し、保護機能、例えば温度保護、過電流及び過電圧保護の機能を提供する。
【0014】
幾つかの実施の形態は、電子機器用のバックアップ電源付の電源アダプタを提供する。このバックアップ電源付の電源アダプタは、電力変換器と、エネルギ蓄積ユニットと、第1、第2及び第3のスイッチングモジュールと、マイクロコントローラとを備える。これらの構成要素には、様々な特定の機能及び構成がある。
【0015】
幾つかの実施の形態では、電子機器用のバックアップ電源付きの電源アダプタを提供する。電力変換器は、外部電源から、電子機器で使用しない電源が選択的に供給され、電子機器で使用する変換電源を生成する。エネルギ蓄積ユニットは、電力変換器に第1のスイッチングモジュールを介して接続された入力と、第2のスイッチングモジュールに接続された出力とを有する。第3のスイッチングモジュールは、電力変換器に接続されている。マイクロコントローラは、第1、第2及び第3のスイッチングモジュールに接続され、第1、第2及び第3のスイッチングモジュールの動作を制御して、電力変換器からの変換電源を、エネルギ蓄積ユニット及び第3のスイッチングモジュールのうちの1つを介して、このバックアップ電源付きの電源アダプタの出力に選択的に供給し、電力変換器が外部電源に接続され、かつ、電子機器がこの電源アダプタに接続されていない場合には、第2及び第3のスイッチングモジュールをシャッドダウンし、かつ、第1のスイッチングモジュールをオンにして上記電力変換器が上記エネルギ蓄積ユニットに接続された状態にする。幾つかの実施の形態では、第3のスイッチングモジュールは、パススルースイッチであり、第1のスイッチングモジュールは、充電スイッチであり、第2のスイッチングモジュールは、放電スイッチである。
【0016】
幾つかの実施の形態では、携帯電子機器用の蓄電ユニット付きの電源アダプタを提供する。蓄電ユニット付きの電源アダプタは、電力変換器ユニットと、蓄電ユニットと、出力ユニットと、マイクロコントローラとを備える。これらの構成要素には、様々な特定の機能及び構成がある。
【0017】
例えば、幾つかの実施の形態において、電力変換器ユニットは、外部電源からの電源が、携帯電子機器で使用しない形式で選択的に供給され、電源が外部電源から供給されたときに、その供給電源から、第1の使用電源と蓄電可能な電源とを生成する。幾つかの実施の形態において、蓄電ユニットは、電力変換器ユニットから充電可能な出力電力が供給され、エネルギレベル及び全エネルギ容量を有し、そのエネルギレベルが全エネルギ容量よりも少ない場合は、出力電力をエネルギとして蓄積する。幾つかの実施の形態において、出力ユニットは、蓄電ユニットからエネルギが供給され、供給されたエネルギから第2の使用電源を生成する。幾つかの実施の形態において、マイクロコントローラは、外部電源から電力変換器に電源が供給されているか否かを判定し、外部電源から電源が供給されていない場合は、第2の使用電源を生成して、第2の使用電源を携帯電子機器に供給するように、出力ユニットに指示し、電力変換器ユニットが、外部電源から電源を供給され、携帯電子機器がこの電源アダプタに接続されていないときには、出力ユニットをディスエーブルする。
【0018】
例えば、幾つかの実施の形態では、バックアップユニット付きの電源アダプタは、DC駆動機器のDC入力に接続され、外部電源として機能する。バックアップユニット付の電源アダプタは、ある使用状態では、電池電力を供給し、他の使用状態では、例えば、家庭用AC電源又は自動車のシガーソケット等の他の電源からの電源を適切に変換して、DC駆動機器に供給しながら、同時に、DC駆動機器の内蔵2次電池の充電を行う。これらの実施の形態は、それぞれ、2次電池、充電回路、放電回路、パススルー回路と、適切な電源管理を確実に行うためのマイクロコントローラを含む。これらの実施の形態のそれぞれにおいて、バックアップユニット付の電源アダプタは、外部電源に接続されて、内蔵2次電池の充電を行い、及びパススルー回路を介してDC駆動機器に変換電源供給する。このように、これらの実施の形態によって、充電と、DC駆動機器への変換電源の供給とを同時に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の広範な実施の形態を説明する。これらの実施の形態における特定の構成要素の説明は、本明細書に開示する構成の等価物を除外するとは解釈されない。
【0020】
携帯電子機器及び携帯型電源モジュール
図4A及び図4Bは、一般的な携帯電子機器(以下、単に機器ともいう。)400と、その電源アダプタ410と、携帯型電源モジュール(portable power module:PPM)420とを示している。機器、例えば機器400は、多くの場合、2つの電源に対応するように出荷される。すなわち、機器400は、通常、電源入力402と、内蔵電池406とを備える。機器400は、内蔵電池406からの電源又は入力402に供給される電源によって駆動される。携帯機器は、電源入力に電気的に接続された充電可能な2次電池を備えることが多くなっている。
【0021】
このような携帯機器は、通常、電源アダプタと共に使用されるように設計されている。例えば、機器400には、電源アダプタ410が接続される。外部電源が利用可能な場合には、電源アダプタ410は、外部電源を機器400で使用する形式に変換し、変換された電源(以下、変換電源という。)を機器400の電源入力402に供給する。このようにしてユーザは、入力電力で機器400の内部電池406を充電でき、及び/又は機器400を動作させることができる。
【0022】
電源アダプタ410は、外部電源、この場合、ACコンセントに差し込まれるプラグ417を備える。更に、電源アダプタ410は、携帯電子機器400の電源入力402に差し込まれる出力端子415を備える。図4Aでは、出力端子415は、携帯電子機器400の電源入力402に接続されている。
【0023】
携帯電子機器と共に使用される様々なバックアップ電源機器が設計されている。例えば、図4Bに示すPPM420は、携帯電子機器400用に設計されている。PPM420は、一般的な構成として、電源入力422と、電源出力端子425と、2次電池(図示せず)とを備える。電源入力422には、電源アダプタ410の出力端子415が接続され、電源アダプタ410が外部電源に接続されると、電源アダプタ410の出力端子415から電源が供給されるように構成されている。電源出力端子425は、携帯電子機器400の電源入力402に接続されるように構成されている。2次電池が充電された状態で、電源出力端子425が電源入力402に接続されると、PPM420は、携帯電子機器400に電源を供給して、携帯電子機器400を駆動し、又はその内蔵電池406を充電する。
【0024】
構造
図1に示す第1の実施の形態では、バックアップユニット付のAC電源アダプタ100は、入力に接続されたAC/DCコンバータ110を備える。AC/DCコンバータ110は、外部AC電源に取り外し可能に接続することができる。図1では、バックアップユニット付のAC電源アダプタ100の入力は、外部AC電源100’に取り外し可能に接続されている。AC/DCコンバータ110の出力は、パススルー回路150及び充電回路120の両方に接続されている。充電回路120は、2次電池125に接続されており、2次電池125は、放電回路として機能するDC/DCコンバータ140に接続されている。パススルー回路150、充電回路120及びDC/DCコンバータ140は全て、マイクロコントローラ130に接続されており、マイクロコントローラ130は、2次電池125の充電レベルを検出する。パススルー回路150及びDC/DCコンバータ140は、共に、DC出力160に接続されており、DC出力160は、DC機器(図示せず)に接続することができる。
【0025】
図2に示す第2の実施の形態では、バックアップユニット付のDC電源アダプタ200は、入力に接続された第1のDC/DCコンバータ210を備える。第1のDC/DCコンバータ210は、外部DC電源に取り外し可能に接続することができる。図2では、バックアップユニット付のDC電源アダプタ200の入力は、外部DC電源200’に取り外し可能に接続されている。第1のDC/DCコンバータ210の出力は、パススルー回路250及び充電回路220の両方に接続されている。充電回路220は、2次電池225に接続されており、2次電池225は、放電回路として機能する第2のDC/DCコンバータ240に接続されている。パススルー回路250、充電回路220及び第2のDC/DCコンバータ240は全て、マイクロコントローラ230に接続されており、2次電池225の充電レベルを検出する。パススルー回路250及び第2のDC/DCコンバータ240は、共に、DC出力260に接続されており、DC出力260は、DC機器(図示せず)に接続することができる。
【0026】
第2の実施の形態は、様々な非専用の電源に適応化された電源コネクタ及び電力変換器を備えることができる。具体例としては、例えば、ラップトップコンピュータ用の電源等の様々なAC/DCアダプタのDC出力、太陽電池のDC出力、自動車のシガーソケットのDC出力等がある。
【0027】
図3に示す第3の実施の形態では、バックアップユニット付きのAC入力又はDC入力の電源アダプタ300は、第1の入力に接続されたAC/DCコンバータ310Aと、第2の入力に接続された第1のDC/DCコンバータ310Bとを備える。第1のDC/DCコンバータ310Bは、外部DC電源に取り外し可能に接続することができる。更に、AC/DCコンバータ310Aは、外部AC電源に取り外し可能に接続することができる。図3では、バックアップユニット付のAC又はDC電源アダプタ300の第1及び第2の入力は、それぞれ外部AC電源300A、外部DC電源300Bに取り外し可能に接続されている。第1のDC/DCコンバータ310B及びAC/DCコンバータ310Aの出力は、パススルー回路350及び充電回路320の両方に接続されている。図3では、AC/DCコンバータ310A及びDC/DCコンバータ310Bは、互いに接続されているが、好ましくは、この接続は、一方から他方に電流が流れないように行われる。
【0028】
充電回路320は、2次電池325に接続されており、2次電池325は、放電回路として機能する第2のDC/DCコンバータ340に接続されている。パススルー回路350、充電回路320及び第2のDC/DCコンバータ340は全て、マイクロコントローラ330に接続されており、マイクロコントローラ330は、2次電池325の充電レベルを検出する。パススルー回路350及び第2のDC/DCコンバータ340は、共に、DC出力360に接続されており、DC出力360は、DC機器(図示せず)に接続することができる。
【0029】
図5Aは、本発明の他の実施の形態を示している。蓄電ユニット付の電源アダプタ500は、入力に接続された電力コンバータ回路510を備える。電力コンバータ回路510は、外部電源に取り外し可能に接続することができる。図5Aでは、蓄電ユニット付の電源アダプタ500の入力は、外部電源500’に取り外し可能に接続されている。電力コンバータ回路510の出力は、パススルー回路550及び充電インタフェース520の両方に接続されている。
【0030】
充電インタフェース520は、PPM580に接続されており、PPM580を充電するとともに、PPM580から放電する。更に、充電インタフェース520は、蓄電ユニット付の電源アダプタ500の出力を介して携帯機器590に接続されている。
【0031】
PPM580は、蓄電ユニット付の電源アダプタ500から電源が供給され、又は携帯機器590に電源を供給するために、蓄電ユニット付の電源アダプタ500に対して放電するように、充電インタフェース520に選択的に接続することができる。更に、PPM580は、オプションとして、携帯機器590に直接接続して、電源を直接供給することもできる。図5Aは、携帯機器590に電源を供給する蓄電ユニット付の電源アダプタ500に対応するPPM580を示している。
【0032】
図6は、本発明の他の種類の実施の形態を示している。バックアップ電源ユニット付の電源アダプタ600は、入力に接続された電力コンバータ回路610を備える。電力コンバータ回路610は、外部電源に取り外し可能に接続することができる。図6では、バックアップ電源ユニット付の電源アダプタ600の入力は、外部電源600’に取り外し可能に接続されている。電力コンバータ回路610の出力は、パススルースイッチ602及び充電スイッチ601の両方に接続されている。
【0033】
充電スイッチ601は、蓄電ユニット620に接続されており、蓄電ユニット620は、放電スイッチ603に接続されている。蓄電ユニット620は、電力コンバータ回路610が外部電源600’に接続され、充電スイッチ601がオンになると、充電スイッチ601を介して電力が供給される。蓄電ユニット620は、放電スイッチ603がオンになるとともに、負荷が存在している場合には、放電スイッチ603を介して、負荷に放電する。パススルースイッチ602、充電スイッチ601及び放電スイッチ603は全て、マイクロコントローラ630に接続されており、マイクロコントローラ630は、各スイッチを切り換えて、電源の供給及び充電を制御する。
【0034】
パススルースイッチ602及び放電スイッチ603は共に、出力660に接続されており、出力660は、電子機器(図示せず)に接続することができる。
【0035】
幾つかの実施の形態では、マイクロコントローラ630は、電力コンバータ回路610及び/又は蓄電ユニット620に接続されており、動作中の電力コンバータ回路610及び/又は蓄電ユニット620の特性を判定及び/又は制御する。例えば、幾つかの実施の形態では、マイクロコントローラ630は、蓄電ユニット620の充電レベル又はエネルギレベルを判定する。
【0036】
動作
図1図3に示す実施の形態の動作は、高いレベルでは類似しており、同時に説明することができる。したがって、以下では、図1の実施の形態を説明するが、この説明は、適切な構成要素名を読み替えることによって、図2又は図3の実施の形態にも同様に適用することができる。
【0037】
バックアップユニット付の電源アダプタ(以下、単に電源アダプタという。)100は、単純充電モード、充電/電力変換モード単純電力変換モード及び放電モードを含む幾つかの動作モードを有する。これらの動作モードについては、理想的な状態について説明する。実際のユニットは、電子回路に生じる漏洩のために、この理想的な状態に近似した動作を示すこととなる。
【0038】
単純充電モードでは、電源アダプタ100は、外部電源、例えば外部AC電源100’に接続されており、これによって、AC/DCコンバータ110には電源が供給されている。更に、電源アダプタ100のDC出力160は、機器が電気的に接続されておらず、開回路となっている。マイクロコントローラ130は、DC出力160が開回路であることを検出すると、パススルー回路150及びDC/DCコンバータ140をシャットダウンする。
【0039】
AC/DCコンバータ110に供給された電源は、ACからDCに変換され、充電回路120に供給される。充電回路120は、マイクロコントローラ130の制御の下に、DC電源を2次電池125に供給して、2次電池125を充電する。また、AC/DCコンバータ110は、パススルー回路150にも接続されているが、この2つの構成要素間では、電流は殆ど又は全く流れない。更に、DC/DCコンバータ140をシャットダウンすることによって、2次電池125の放電が制限される。マイクロコントローラ130は、好ましくは、2次電池125が完全に充電されると、充電回路120への電源の供給を抑える。
【0040】
充電/電力変換モードでは、電源アダプタ100は、外部電源、例えば外部AC電源100’に接続されており、これによって、AC/DCコンバータ110には電源が供給されている。この動作モードでは、電源アダプタ100のDC出力160は、電源アダプタ100から電源を得るDC駆動機器に電気的に接続されている。マイクロコントローラ130は、DC/DCコンバータ140を介する2次電池125の放電を調整して、DC出力160から出力される電圧を適切な値に維持しながら、充電時間が最短となるようにする。
【0041】
AC/DCコンバータ110に供給された電源は、ACからDCに変換され、充電回路120及びパススルー回路150に供給される。充電回路120は、マイクロコントローラ130の制御の下に、DC電源を2次電池125に供給して、2次電池125を充電する。また、パススルー回路150は、マイクロコントローラ130の制御の下に、変換されたDC電圧を、DC出力160を介してDC駆動機器に供給する。マイクロコントローラ130は、好ましくは、2次電池125が完全に充電されると、充電回路120への電力の供給と、DC/DCコンバータ140を介する放電とを制限する。この時点で、電源アダプタ100は、単純電力変換モードに移行する。
【0042】
単純電力変換モードでは、電源アダプタ100は、外部電源、例えば外部AC電源100’に接続されており、これによって、AC/DCコンバータ110には電源が供給されている。この動作モードでは、電源アダプタ100のDC出力160は、外部AC電源100’から電源アダプタ100を介して電源を得るDC駆動機器に電気的に接続されている。マイクロコントローラ130は、DC/DCコンバータ140を介する2次電池125の放電を制限する。
【0043】
AC/DCコンバータ110に供給された電源は、ACからDCに変換され、パススルー回路150に供給される。充電回路120は、マイクロコントローラ130の制御の下に、充電動作を制限する。また、パススルー回路150は、マイクロコントローラ130の制御の下に、変換されたDC電圧を、DC出力160を介してDC駆動機器に供給する。電源アダプタ100が電源をDC駆動機器に供給している最中に、外部AC電源100’から電源供給が切断されると、電源アダプタ100は、放電モードに移行する。
【0044】
放電モードでは、電源アダプタ100は、外部電源に接続されておらず、AC/DCコンバータ110には、電源が供給されていない。この動作モードでは、電源アダプタ100のDC出力160は、電源アダプタ100から電源を得るDC駆動機器に電気的に接続されている。マイクロコントローラ130は、DC/DCコンバータ140を介する2次電池125の放電を調整して、DC出力160から出力される電圧を適切な値に維持する。マイクロコントローラ130の制御の下に、電源は、2次電池125から、DC/DCコンバータ及びDC出力160を介して、DC駆動機器に供給される。
【0045】
また、図5A及び図5Bに示す蓄電ユニット付の電源アダプタ(以下、単に電源アダプタという。)500も、幾つかの動作モードがある。この動作モードには、単純充電モード充電/供給モード単純供給モード及び放電モードが含まれる。これらの動作モードについては、理想的な状態について説明する。実際の電源アダプタは、電子回路に生じる漏洩のために、この理想的な状態に近似した動作を示すこととなる。
【0046】
単純充電モードでは、電源アダプタ500は、外部電源、例えば外部電源500’に接続されており、これによって、電力コンバータ回路510には電源が供給されている。更に、電源アダプタ500と携帯機器590は、電気的に接続されていないので、パススルー回路550及び充電インタフェース520は、開回路となっている。充電インタフェース520の放電素子は、この開回路に起因して、シャットダウンされる。
【0047】
電力コンバータ回路510に供給された電源は、変換されて、充電インタフェース520に供給される。変換電源は、充電インタフェース520からPPM580に供給され、例えばPPM580の2次電池を充電することによって、充電される。また、電力コンバータ回路510は、パススルー回路550にも接続されているが、この2つの構成要素間では、電流は殆ど又は全く流れない。更に、放電素子をシャットダウンすることによって、PPM580から充電インタフェース520を介する放電が制限される。
【0048】
充電/供給モードでは、電源アダプタ500は、外部電源、例えば外部電源500’に接続されており、これによって、電力コンバータ回路510には電源が供給されている。この動作モードでは、電源アダプタ500は、電源アダプタ500から電源を得る携帯機器590に電気的に接続されている。充電時間を最小化するために、充電インタフェース520の放電素子は、PPM580に充電されている電力を殆ど又は全く使用しない。同時に、電力コンバータ回路510は、変換電源を、パススルー回路550を介して携帯機器590に適切な電圧で供給する。
【0049】
電力コンバータ回路510に供給された電源は、変換されて、充電インタフェース520及びパススルー回路550に供給される。充電インタフェース520は、変換電源をPPM580に供給し、ここで、その電力が蓄電される。パススルー回路550は、変換電源を携帯機器590に供給する。充電インタフェース520は、PPM580が一旦完全に充電されると、好ましくは、PPM580への電力の供給を制限する。この時点で、電源アダプタ500は、単純供給モードに移行する。
【0050】
単純供給モードでは、電源アダプタ500は、外部電源、例えば外部電源500’に接続されており、これによって、電力コンバータ回路510には電源が供給されている。この動作モードでは、電源アダプタ500は、電源アダプタ500から電源を得る携帯機器590に電気的に接続されている。充電時間を最小化するために、充電インタフェース520の放電素子は、PPM580に充電されている電力を殆ど又は全く使用しない。同時に、電力コンバータ回路510は、変換電源を、パススルー回路550を介して携帯機器590に適切な電圧で供給する。
【0051】
電力コンバータ回路510に供給された電源は、変換されて、充電インタフェース520及びパススルー回路550に供給される。充電インタフェース520は、完全に充電されたPPM580の充電を制限する。パススルー回路550は、変換電源を携帯機器590に供給する。電源アダプタ500が携帯機器590に電源を供給している最中に、外部電源500’から切断されると、電源アダプタ500は、放電モードに移行する。
【0052】
放電モードでは、電源アダプタ500は、外部電源に接続されておらず、電力コンバータ回路510には、電源が供給されない。この動作モードでは、電源アダプタ500は、電源アダプタ500から電源を得る携帯機器590に電気的に接続されている。充電インタフェース520は、PPM580からの放電を調整して、携帯機器590に対する電圧を適切な値に維持する。
【0053】
図5Bに示すように、電源アダプタ500は、PPM580が携帯機器590に直接接続される放電モードの変化形をサポートする。この動作モードでは、PPM580は、電力コンバータ回路510及び充電インタフェース520によって、既に充電されている。好ましくは、この変化形をサポートするために、PPM580は、充電インタフェース520とのインタフェースから独立した、携帯機器590との直接的なインタフェースとして構成可能な放電素子を備える。幾つかの実施の形態では、PPM580の充電インタフェース520に対するインタフェースを、携帯機器590にも接続できるように構成してもよい。
【0054】
また、図6に示すバックアップ電源ユニット付の電源アダプタ(以下、単に電源アダプタという。)600も、幾つかの動作モードがある。この動作モードには、単純充電モード充電/供給モード単純供給モード及び放電モードが含まれる。これらの動作モードについては、理想的な状態について説明する。実際のユニットは、電子回路に生じる漏洩のために、この理想的な状態に近似した動作を示すこととなる。
【0055】
単純充電モードでは、電源アダプタ600は、外部電源、例えば外部電源600’に接続されており、これによって、電力コンバータ回路610には電力が供給されている。更に、電源アダプタ600は、機器に電気的に接続されていないので、パススルースイッチ602及び放電スイッチ603は、開回路となっている。この開回路は、好ましくはマイクロコントローラ630によって検出され、放電スイッチ603は、マイクロコントローラ630によって、シャットダウンされている。マイクロコントローラ630は、好ましくは、電力コンバータ回路610から供給される電源を検出して、充電スイッチ601をオンにする。
【0056】
電力コンバータ回路610は、供給された電源を変換し、充電スイッチ601を介して蓄電ユニット620に供給する。蓄電ユニット620内において、変換電源は、例えば2次電池を充電することによって、充電される。また、電力コンバータ回路610は、パススルースイッチ602にも接続されているが、この2つの構成要素間では、電流は殆ど又は全く流れない。更に、放電スイッチ603をシャットダウンすることによって、蓄電ユニット620からの放電が制限される。
【0057】
充電/供給モードでは、電源アダプタ600は、外部電源、例えば外部電源600’に接続されており、これによって、電力コンバータ回路610には電源が供給されている。この動作モードでは、電源アダプタ600は、電源アダプタ600から電源を得る携帯機器(図示せず)に電気的に接続されている。充電時間を最小化するために、放電スイッチ603はオフにされ、蓄電ユニット620に蓄電されている電力は、殆ど又は全く使用されない。同時に、電力コンバータ回路610は、変換電源を、パススルースイッチ602を介して携帯機器に適切な電圧で供給する。
【0058】
電力コンバータ回路610に供給された電源は、変換されて、蓄電ユニット620及びパススルースイッチ602に供給される。電力コンバータ回路610は、変換電源を蓄電ユニット620に供給し、ここで、変換電力が蓄電される。パススルースイッチ602は、変換電源を出力660に供給する。一旦蓄電ユニット620が完全に充電されると、好ましくは、マイクロコントローラ630は、充電スイッチ601をオフにすることによって、蓄電ユニット620への電源の供給を制限する。この時点で、電源アダプタ600は、単純供給モードに移行する。
【0059】
単純供給モードでは、電源アダプタ600は、外部電源、例えば外部電源600’に接続されており、これによって、電力コンバータ回路610には電源が供給されている。この動作モードでは、電源アダプタ600は、電源アダプタ600から電源を得る携帯機器(図示せず)に電気的に接続されている。充電時間を最小化するために、放電スイッチ603はオフにされ、蓄電ユニット620に充電されている電力は、殆ど又は全く使用されない。同時に、電力コンバータ回路610は、変換電源を、パススルースイッチ602を介して出力660に、機器に適した電圧で供給する。
【0060】
電力コンバータ回路610に供給された電源は、変換されて、パススルースイッチ602に供給される。マイクロコントローラ630は、放電スイッチ603をオフに切り換えることによって、蓄電ユニット620の充電を制限する。パススルースイッチ602は、変換電力を、出力660及びその先の機器に供給する。電源アダプタ600が機器に電源を供給している最中に、外部電源600’から切断されると、電源アダプタ600は、放電モードに移行する。
【0061】
放電モードでは、電源アダプタ600は、外部電源に接続されておらず、電力コンバータ回路610には、電源が供給されない。この動作モードでは、電源アダプタ600は、出力660を介して機器に電気的に接続されており、機器は、電源アダプタ600から電源を得る。マイクロコントローラ630及び蓄電ユニット620は、蓄電ユニット620からの放電を調整して、機器に対する電圧を適切な値に維持する。
【0062】
使用
通常の使用時には、バックアップユニット付の電源アダプタは、非常に頻繁に、上述した様々な動作モード間を移行する。好ましい実施の形態では、バックアップユニット付の電源アダプタに含まれるマイクロコントローラは、全ての可能な変換を最適に実行し、迅速な2次電池の充電と、有効で一貫性がある電力供給とのバランスをとりながら、電力を管理する。
【0063】
本発明の構成及び動作の原理を明瞭に説明するために、様々な詳細を含む特定の実施の形態を用いて本発明を説明した。このような特定の実施の形態の説明及びその詳細は、特許請求の範囲を制限するものではない。本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、例示的に選択された実施の形態を変形できることは、当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1バックアップ電池出力とともにAC/DCコンバータ出力を提供する本発明の好ましい実施の形態を示す図である。
図2バックアップ電池出力とともにDC/DCコンバータ出力を提供する本発明の変形例を示す図である。
図3バックアップ電池出力とともに、DC/DCコンバータ出力及びAC/DCコンバータ出力を提供する本発明の変形例を示す図である。
図4】Aは、典型的な携帯電子機器及び例示的な電源アダプタを示す図であり、B図は、例示的な携帯型電源モジュールを示す図である。
図5】A図は、本発明の幾つかの実施の形態に基づく電源アダプタと、携帯型電源モジュール及び携帯機器との可能な相互動作を説明する図であり、B図は、携帯型電源モジュールと、電子機器との可能な相互動作を説明する図である。
図6】本発明の幾つかの実施の形態に基づくバックアップ電源ユニット付の電源アダプタを示す図である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6