(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ブローバイガスが流入する流入口、ブローバイガスが流出する流出口、これらの間に位置してブローバイガスを通過させるガス通路、を有する合成樹脂製のケース本体部と、
前記ケース本体部を通過するブローバイガスに触れ得るように少なくとも前記流出口の近傍に配設されるものであり、PTC素子設置部を有し、熱伝導性及び導電性を有し、その内部にガス通路が形成される略筒状の第1の受熱部材と、
大略平板状をなし、一方の面に第1の電極、他方の面に第2の電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれかが前記第1の受熱部材のPTC素子設置部に対面して設置されるPTC素子と、
前記PTC素子設置部に対面しない側の前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれかに対面して前記ケース本体部に固定される熱伝導性及び導電性を有した第2の受熱部材と、
前記第1の受熱部材と前記第2の受熱部材とを介して外部の電力を前記PTC素子に供給するべく、先端が前記第1の受熱部材と電気的に接続される第1の端子板、先端が前記第2の受熱部材と電気的に接続される第2の端子板、を有した電力供給部と、を備えた車両に搭載されたエンジンルームに生じるブローバイガスの還流路に設けられるブローバイガスヒーターであって、
前記ケース本体部は、前記第1の受熱部材と、前記第2の受熱部材と、前記電力供給部と、を一体的に成型するとともに、前記ケース本体部と前記第1の受熱部材との間に、少なくとも前記PTC素子と前記第2の受熱部材の先端部分を収容し得る収容部を形成し、
前記収容部は前記流出口側に前記PTC素子が挿通し得る開口部を有し、
前記電力供給部は、前記第1、2の端子板の先端が、それぞれ前記第1、2の受熱部材と一体化され、前記第1、2の端子板の基端が前記ケース本体部から露出するように、前記ケース本体部に一体的に成型されていることを特徴とするブローバイガスヒーター。
前記PTC素子の第1の電極と前記第1の受熱部材の間、前記PTC素子の第2の電極と前記第2の受熱部材の間、の少なくともいずれか一方には、熱伝導性及び導電性を有する薄板状の補助電極が介挿されていることを特徴とする請求項1、2または3のいずれかに記載のブローバイガスヒーター。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のブローバイガスヒーターに代表される従来のブローバイガスヒーターは、ケースの本体と電源供給部分とが別部品であった。電源供給部分を外した状態で、PTC素子をその内方に配置し、その後に、電源供給部分を嵌め込む必要があったため、この嵌め込み時にシール性を保つためのゴムパッキン等が必要となり、別途組立工程が必要であった。そのため、さらなる構造の簡易化、低コスト化が要求されていた。
【0005】
そこで、本発明に係るブローバイガスヒーターは、係る要求に鑑みてなしたものであり、その目的とするところは、構造の簡易化を図ることにより低コスト化を実現することができるブローバイガスヒーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のブローバイガスヒーターは、ブローバイガスが流入する流入口、ブローバイガスが流出する流出口、これらの間に位置してブローバイガスを通過させるガス通路、を有する合成樹脂製のケース本体部と、
前記ケース本体部を通過するブローバイガスに触れ得るように少なくとも前記流出口の近傍に配設されるものであり、PTC素子設置部を有し、熱伝導性及び導電性を有し
、その内部にガス通路が形成される略筒状の第1の受熱部材と、
大略平板状をなし、一方の面に第1の電極、他方の面に第2の電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれかが前記第1の受熱部材のPTC素子設置部に対面して設置されるPTC素子と、
前記PTC素子設置部に対面しない側の前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれかに対面して前記ケース本体部に固定される熱伝導性及び導電性を有した第2の受熱部材と、
前記第1の受熱部材と前記第2の受熱部材とを介して外部の電力を前記PTC素子に供給するべく、先端が前記第1の受熱部材と電気的に接続される第1の端子板、先端が前記第2の受熱部材と電気的に接続される第2の端子板、を有した電力供給部と、
を備えた車両に搭載されたエンジンルームに生じるブローバイガスの還流路に設けられるブローバイガスヒーターであって、
前記ケース本体部は、前記第1の受熱部材と、前記第2の受熱部材と、前記電力供給部と、を一体的に成型するとともに、前記ケース本体部と前記第1の受熱部材との間に、少なくとも前記PTC素子と前記第2の受熱部材の先端部分を収容し得る収容部を形成し、 前記収容部は前記流出口側に前記PTC素子が挿通し得る開口部を有し,
前記電力供給部は、
前記第1、2の端子板の先端が、それぞれ前記第1、2の受熱部材と一体化され、前記第1、2の端子板の基端が前記ケース本体部から露出するように、前記ケース本体部に一体的に成型されていることを特徴とする。
【0007】
また、前記第1の受熱部材及び前記第2の受熱部材は、前記電力供給部の第1の端子板及び第2の端子板とともにそれぞれ単一の金属部材により形成されていることが好ましい。
【0008】
また、前記第2の受熱部材の先端部には、前記PTC素子の第1の電極及び第2の電極を前記第1の受熱部材側に向けて弾性的に押圧する弾性体を設けることが好ましい。
【0009】
また、前記PTC素子の周囲であって前記第1の受熱部材と第2の受熱部材の対向する隙間にOリングを配設していることが好ましい。
【0010】
また、前記PTC素子の第1の電極と前記第1の受熱部材の間、前記PTC素子の第2の電極と前記第2の受熱部材の間、の少なくともいずれか一方には、熱伝導性及び導電性を有する薄板状の補助電極が介挿されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るブローバイガスヒーターによれば、ケース本体部は、第1の受熱部材と、第2の受熱部材と、電力供給部と、を一体的に成型するとともに、ケース本体部と第1の受熱部材との間に、少なくともPTC素子と第2の受熱部材の先端部分を収容し得る収容部を形成し、収容部は流出口側にPTC素子が挿通し得る開口部を有してなる構成であるため、電源供給部分を嵌め込む工程やゴムパッキン等が不要となり、構造の簡易化を図ることにより低コスト化を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図9、
図10に示すように、本発明のブローバイガスヒーター1を取り付ける車両エンジン102におけるブローバイガスの還流路とブローバイガスヒーターが介挿される状態を説明する。
【0014】
エンジンルーム101に搭載されるエンジン102から排出されるブローバイガスは、ブローバイガス出口103からブローバイガス還流管104、一般的なブローバイガスヒーター105、ブローバイガス入口側管106を通り、中間ホース107に至る。なお、ブローバイガス入口側管106は省略されて、ブローバイガスヒーター105のブローバイガスが流出する流出口を直接中間ホース107に接続する場合もある。一方、吸気系における吸気は、エアクリーナー108から吸気ホース109を通り中間ホース107に至る。したがって、中間ホース107においてブローバイガスと吸気系の吸気とが合流してシリンダーヘッド110に供給されることとなる。ブローバイガスヒーター105は、ブローバイガスに含まれる水分が、吸気系の吸気との合流部で氷結するのを防止するため、ブローバイガス通路やブローバイガスの温度を上昇させる必要がある。
【0015】
そこで、ブローバイガス通路やブローバイガスの温度を上昇させるものとして、ブローバイガスを吸気系に戻す還流路の吸気系との接続部近傍にヒーター(ブローバイガスヒーター105)を設けている。
【0016】
次に、本発明の実施形態に係るブローバイガスヒーター1について、図面に沿って説明する。
図1〜3に示すように、ブローバイガスヒーター1は、ケース本体部11と、第1の受熱部材21と、第2の受熱部材31と、PTC素子41と、電力供給部51と、を主要構成部材としている。
【0017】
ケース本体部11は、後述の第1の受熱部材21、第2の受熱部材31、電力供給部51との全てをインサート成型にて、これらが内包するように一体的に形成する。これらを一体的に形成することにより、従来では後から取り付けるときの組立工程やパッキン等の他の部材が不要となるために、低コストでの製造が可能になるものである。
【0018】
ケース本体部11は、ブローバイガスが流入する流入口2と、ブローバイガスが流出する流出口3があり、これら流入口2及び流出口3との間に位置してガス通路4、24が形成される。具体的には、ケース本体部11は、略筒形状の第1の受熱部材21の外側を覆い、第1の受熱部材21のガス通路24を連続させるように、ケース本体部11にもガス通路4を形成する。つまり、ガス通路24は第1の受熱部材21がその外壁となり、ガス通路4はケース本体部11がその外壁となり、両者は連続している。
【0019】
図2に示すように、ブローバイガスは、ケース本体部11内のガス通路4、24において矢印線Zの方向、すなわち流入口2から流出口3に向けて通過する。
なお、
図9、10に示すように、ブローバイガスヒーター11の流入口2側はブローバイガス還流管104が、流出口3側はブローバイガス入口側管106(前述したようにブローバイガス入口側管106が省略されている場合は中間ホース107)が、それぞれ接続されるので、ケース本体部11の流入口2と流出口3の外周端部には抜け止め用の膨出部12、12を設けるのが好ましい。
【0020】
ケース本体部11の材質は、耐熱性、耐油性等が要求されるので、一般的にはナイロン、PBT、PPS等の合成樹脂材を使用することが好ましい。
【0021】
次に、ケース本体部11に内包される第1の受熱部材21について説明する。
図4に示すように、第1の受熱部材21は、上面に形成される平坦部22と、湾曲部23により、その内部にガス通路24が形成される略筒状である。湾曲部23は、平坦部22の両側端から湾曲して延設され、断面形状が略U字状をなす。第1の受熱部材21は、ケース本体部11に一体的に内包されるものであって、少なくとも流出口3側に配設される。
【0022】
この平坦部22は後述するPTC素子41を戴置するための部分があれば良く、湾曲部23により形成される断面形状は略U字状でなくとも、例えば略コの字状であっても良い。 平坦部22は、ガス通路4、24の方向にかけて所定の長さを有した後、斜め上方へ折曲する傾斜部25を有し、その後、また平坦となる延長部26を有する。この傾斜部25、延長部26も、平坦部22と同じく、その両側から湾曲する湾曲部23と接続し、略筒状となる。そのため、
図2に示すように、ケース本体部11に内包されて一体化した場合、延長部26から傾斜部25の部分に至ることにより、ガス通路4、24の開口面積が狭くなり、平坦部22の上方であってケース本体部11の内部にPTC素子41などを収納するスペースを確保することができる。
【0023】
第1の受熱部材21は、熱伝導性及び導電性を有したものであり、具体的には銅が適しているが、その他の黄銅等の材質であってもよい。この第1の受熱部材21の材質は、第2の受熱部材31にも同様に当てはまる。
【0024】
図2、3に示すように、第1の受熱部材21の流出口3側の先端部は、ケース本体部11の流出口3から外方に向けて突出している。しかし、
図7、8に示す第1の受熱部材、第2の受熱部材の他の例のように、この先端部がケース本体部11の流出口3から突出せずに、ケース本体部11に内包されるものであってもよい。
【0025】
次に第2の受熱部材31について説明する。
図4に示すように、第2の受熱部材31は、所定の長さを有する略平坦な平坦部32を有し、その後に斜め上方へ折曲する傾斜部33、その後にまた平坦となる延長部34を有する。
【0026】
図2に示すように、第2の受熱部材31は、第1の受熱部材21と所定の間隔をもって、対向するように配置され、ケース本体部11に内包して一体化される。また、第1の受熱部材21と異なり、その先端部は流出口3から内部に位置し、開口部13をシール部材15で遮断した場合に、完全にケース本体部11の内部に位置するように配置される。
【0027】
電力供給部51は、図外電源回路に接続される第1の端子板であるプラス側端子板52と第2の端子板であるマイナス側端子板53とからなる。これら両端子板52、53は、金属薄板製で長板状をなし、プラス側端子板52が第1の受熱部材21の延長部26と、マイナス側端子板53が第2の受熱部材31の延長部34と、電気的、物理的に接続されている。
【0028】
図4は、プラス側端子板52と第1の受熱部材21との接続がカシメ構造により、マイナス側端子板53と第2の受熱部材31との接続が一体形成により接続されている。プラス側端子板52と第1の受熱部材21と、マイナス側端子板53と第2の受熱部材31と、が電気的、物理的に接続されていればよく、接続形態はどちらでもよく、両者同じ接続形態であってもよい。
【0029】
また、第2の受熱部材31は、一体形成したマイナス側端子板53を連設する基端近傍に、近接配置されるプラス側端子板52との電気的絶縁を確保するための、切り欠いて形成した凹所35を設けている。
【0030】
プラス側端子板52とマイナス側端子板53は、その一方の端部が第1の受熱部材21、第2の受熱部材31とに接続されているが、それらの他端はコネクタ端子54となり、外部電源に接続される。これにより、外部電源から両端子板52、53を介して、第1の受熱部材21、第2の受熱部材31に電力が供給される。
【0031】
プラス側端子板52とマイナス側端子板53とからなる電力供給部51は、第1の受熱部材21、第2の受熱部材31とともに、ケース本体部11に一体的に内包されるが、両端子板の他端は、コネクタ端子54として露出しているため、外部電源に接続する場合は、このコネクタ端子54に接続するだけでよい。これにより、電力供給部51を取り付ける工程やパッキン等の部材を用いる必要がなく、低コストでブローバイガスヒーター1を提供することができる。
なお、符号52の部材をマイナス側端子板、符号53の部材をプラス側端子板としてもよい。これは自動車のボディが電気的にマイナスとなる場合、第1受熱部材21に電気的、物理的に接続される端子板をマイナス側にした方が良いためである。
【0032】
PTC素子41は、
図5、6に示すように、大略平板状をなして対向する一方の面(以下、「表面」と称する)と他方の面(以下、「裏面」と称する)にそれぞれ電極42、43を有するものであり、第1の受熱部材21、第2の受熱部材31を介して電力供給部51から両電極42、43を通して電力が供給されると発熱する。PTC素子41は、チタン酸バリウムを主成分とした半導体セラミックスであり、円形平板状の形態で、電極42、43は半導体セラミックスの外径よりやや小さい円形状のAg材製であり、半導体セラミックスに固着されているものを用いている。なお、PTC素子41は円形平板状の形態でなく、方形平板状の形態やその他の形態でもよい。
【0033】
図5(a)、(b)に示すように、PTC素子41の表面の電極42と裏面の電極43を覆うように、上下方向に延設される鍔部45、45を有した大略円盤形状の補助電極板44、44を取り付ける。補助電極板44、44は、導電性を有する金属製であり、例えば銅を用いたものが好ましい。これによりPTC素子41の電極42、43の電気的接接触と熱伝導性をより確実に行えることができる。また、PTC素子41を後述のごとく、開口部13から収容部16へ挿入するときに、電極42、43が傷つくことがないようにするための保護板として機能する。
【0034】
図6(a)、(b)に示すように、補助電極板46、46は、鍔部47、47がその周縁全体ではなく、その一部のみが突出するようにしてもよい。
【0035】
ここで、本実施形態の構成を整理すると、ケース本体部11は、第1の受熱部材21と、第2の受熱部材31と、電力供給部51と、を一体的に成型するとともに、ケース本体部11と第1の受熱部材21との間に、少なくともPTC素子41と第2の受熱部材31の先端部分を収容し得る収容部16を形成し、この収容部16は流出口3側にPTC素子41が挿通し得る開口部13を有してなることである。具体的には、
図2、3に示すように、収容部16内の高さは、第1の受熱部材21の平坦部22の上面に、第2の受熱部材31が露出するように、さらに第2の受熱部材31の上方もスプリング14が配置される分の空間を有するように形成する。また、収容部16の長さは、少なくともPTC素子41とシール部材15を配置できる部分を有する。
【0036】
PTC素子41は、この開口部13から収容部16へ滑りこませて挿入する。そして、PTC素子41は、第1の受熱部材21の平坦部22と、第2の受熱部材31の平坦部32との間に配置される。この挿入により、両平坦部22、32との間で、第2の受熱部材31の平坦部32とPTC素子41の電極42が、より詳しくは、補助電極44を介して、第1の受熱部材21の平坦部22とPTC素子41の電極43とが、より詳しくは、補助電極44を介して電気的に接触する。
【0037】
スプリング14は、PTC素子41の第1の電極42及び第2の電極43を前記第1の受熱部材21側に弾性的に押圧する弾性体であり、コイル状に巻かれ、円錐台状をなし、第2の受熱部材31の平坦部32の上側と収容部16の上面との間で圧縮懸架される。スプリング14は、コイル状に巻かれ、円錐台状をなすものに限られるものではなく、円筒状であっても、さらには板状のものであってもよい。これにより、常時、第2の受熱部材31の平坦部32をPTC素子41側へ押しつける力を加えることができるため、PTC素子41と両平坦部22、32との電気的な圧接状態を継続させることができる。
【0038】
このPTC素子41の挿入による取付けにより、前述したように、低コストでの製造が可能になるのである。
【0039】
Oリング48は、PTC素子41の周囲であって第1の受熱部材21と第2の受熱部材31の対向する隙間に配設される。(前述したようにPTC素子41を開口部13から収容部16へ滑りこませて挿入するときに同時に行う)。これは、PTC素子41やその電極42、43、補助電極、およびそれらに接触している第1の受熱部材21、第2の受熱部材31などが、外部からの水、油、ガス等に触れないように、それらの浸入を防止するためである。
【0040】
収容部16にPTC素子41、補助電極44、Oリング、を開口部13から滑り込ませて所定の位置に挿入した後は、開口部13をシール部材15により封止する。これにより収納部16の空間に外部からの水、油、ガス等が浸入することを防止する。なお、
図2、8で、シール部材15は、開口部13の一部のみを封止した形を示しているが、収納部16の空間の一部または全部をシール部材15で充填してもよい。この場合、Oリング48、スプリング14の取付け後の、耐振動・耐衝撃性も向上する。
このシール部材15は、前記スプリング14の作用を妨げないために、硬化後も弾力性を有するもの、例えば、ゴム系接着剤、変成シリコーン系接着剤等が好ましい。
【0041】
このブローバイガスヒーター1は、電力供給部51のプラス側端子板52とマイナス側端子板53から電力の供給を受けると、PTC素子41が所定の抵抗−温度特性に基づいて発熱し、それにより第1の受熱部材21、第2の受熱部材31が所望の温度になる。第1の受熱部材21はガス通路24を形成するものであり、流出口3近傍の樹脂も加熱され結果的にブローバイガスを好ましい温度に上昇させることができる。
【0042】
図7に示すように、第1の受熱部材21と第2の受熱部材31は、以下のように変形させてもよい。すなわち、第2の受熱部材31は、その延長部34から折り返した折り返し部36を設けてもよい。この折り返し部36は、平板部32と略平行となる平板状の部材であり、
図8に示すように平板部32と折り返し部36との間にスプリング14を配置できるように間隔を空けて配置される。この折り返し部36を形成することにより、第2の受熱部材31からもその温度を流出口3近傍のケース本体部11に直接的に伝えることができ、ブローバイガスの温度の上昇をより効率的に行うことができる。
【0043】
また、この第1の受熱部材21と第2の受熱部材31は、
図2に示した第1の受熱部材21と第2の受熱部材31とを比較して明らかなように、両延長部26、34は水平方向の長さが短く、ケース本体部11の電力供給部51の下部分までとなる。これは、
図2に示す両延長部26、34は長く形成され、ケース本体部11の全体を加熱する形態であるのに対し、
図8に示すものは、流出口3の周辺を重点に加熱する形態である。この延長部26、34の長さも適宜変更することができる。
特に、ケース本体11の流出口3を直接中間ホース107に取付けるものにあっては、吸気系の空気により流出口3近傍が冷却されるので、この部分を他に比べより多く加熱することが求められる。折り返し部36、によりそれが達成される。また流出口3付近に水分が付着し氷結するのを防止するために第1の受熱部材21の先端部の(流出口3からの)突出長さを適宜変更することができる。
【0044】
また、プラス側端子板52とマイナス側端子板53との電気的絶縁を確保するため、第1の受熱部材21の延長部26を、第2の受熱部材31の延長部34の一方端から一部分を更に延長したうえで、プラス側端子板52を一体的に形成している。なお、外部から収納部16の空間への水、油、ガス等の浸入がシール部材15により十分に防止できるような場合には、Oリング48を省略してもよい。
【0045】
以上、説明したように、本発明のブローバイガスヒーターは、構造の簡易化により低コスト化が図れたブローバイヒーターを提供することができる。