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特許5842004ピリダジノン、その製造方法及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5842004
(24)【登録日】2015年11月20日
(45)【発行日】2016年1月13日
(54)【発明の名称】ピリダジノン、その製造方法及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20151217BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20151217BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20151217BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20151217BHJP
   C07D 513/04 20060101ALI20151217BHJP
   C07D 495/04 20060101ALI20151217BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20151217BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20151217BHJP
   A61K 31/542 20060101ALI20151217BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20151217BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20151217BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20151217BHJP
【FI】
   C07D401/14CSP
   C07D519/00 301
   C07D403/14
   C07D487/04 141
   C07D513/04 325
   C07D495/04 103
   A61K31/501
   A61K31/506
   A61K31/542
   A61K31/55
   A61K45/00
   A61P43/00 111
   A61P37/02
   A61P35/00
   A61P9/00
   A61P31/12
   A61P19/02
   A61P29/00
   A61P3/00
   A61P25/00
   A61P37/08
   A61P1/04
   A61P17/00
   A61P11/06
   A61P7/00
   A61P11/00
   A61P17/06
   A61P35/02
【請求項の数】26
【全頁数】103
(21)【出願番号】特願2013-527275(P2013-527275)
(86)(22)【出願日】2011年8月31日
(65)【公表番号】特表2013-536862(P2013-536862A)
(43)【公表日】2013年9月26日
(86)【国際出願番号】US2011050013
(87)【国際公開番号】WO2012030990
(87)【国際公開日】20120308
【審査請求日】2014年8月15日
(31)【優先権主張番号】61/378,964
(32)【優先日】2010年9月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512287609
【氏名又は名称】ジーアイリード コネチカット インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Gilead Connecticut,Inc.
(73)【特許権者】
【識別番号】507147345
【氏名又は名称】ジェネンテック,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087631
【弁理士】
【氏名又は名称】滝田 清暉
(74)【代理人】
【識別番号】100136342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 成美
(74)【代理人】
【識別番号】100144543
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 有穂
(72)【発明者】
【氏名】キューリ,ケビン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シヤオジン
(72)【発明者】
【氏名】ヤング,ウェンディー ビー.
【審査官】 早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/053269(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/156284(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/100070(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/122038(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/140488(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/056875(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 401/14
A61K 31/501〜55
A61K 45/00
A61P 1/04
A61P 3/00
A61P 7/00
A61P 9/00
A61P 11/00
A61P 11/06
A61P 17/00
A61P 17/06
A61P 19/02
A61P 25/00
A61P 29/00
A61P 31/12
A61P 35/00
A61P 35/02
A61P 37/02
A61P 37/08
A61P 43/00
C07D 403/14
C07D 487/04
C07D 495/04
C07D 513/04
C07D 519/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式Iの構造式で表されることを特徴とする化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容できる塩;
但し、式I中のRは、
から選択され、上式中の波線は結合部位を示し;
は、OH、CN、NR、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルで適宜選択的に置換されるC〜Cシクロアルキル、およびOHまたはOC〜Cアルキルで適宜選択的に置換されるC〜Cアルキルから選択され;
は、H、CHまたはCFであり;
環Bは、フェニル、少なくとも1個の窒素環原子を有する5〜6員ヘテロアリール、および少なくとも1個の窒素環原子を有する8〜11員ヘテロシクリルから選択され;
は、独立して、H、−R、−OR、−SR、−NR、ハロ、シアノ、ニトロ、−COR、−CO、−CONR、−OCOR、−OCO、−OCONR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−CO、−CONR、−NRCOR、−SOR、−SO、−SONR、および−NRSOから選択されるか;または2個の隣接するR基が、適宜選択的に一緒になって、O、SまたはNから選択される0〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員環を形成し、該5〜6員環は環Bに融合し;
は、C〜Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、Rの各メンバーは、1〜3個のR11基で適宜選択的に置換され;
は、H、C〜Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、Hを除くRの各メンバーは、1〜3個のR11基で適宜選択的に置換され;
は、H、または、1個若しくは3個のR11基で適宜選択的に置換されるC〜Cアルキルであり;またはRおよびR、およびそれらが結合する窒素が、適宜選択的に置換されたヘテロシクロアルキル基を形成し;
各R11は、独立して、C〜Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C〜Cアルキル−、ヘテロアリール−C〜Cアルキル−、シクロアルキル−C〜Cアルキル−、ヘテロシクロアルキル−C〜Cアルキル−、C〜Cハロアルキル−、−OC〜Cアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル、−OC〜Cアルキルフェニル、−C〜Cアルキル−OH、−OC〜Cハロアルキル、ハロ、−OH、−NH、−C〜Cアルキル−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキルフェニル)、−NH(C〜Cアルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ、−COH、−C(O)OC〜Cアルキル、−CON(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−CONH(C〜Cアルキル)、−CONH、−NHC(O)(C〜Cアルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C〜Cアルキル)C(O)(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C〜Cアルキル、−C(O)C〜Cフェニル、−C(O)C〜Cハロアルキル、−OC(O)C〜Cアルキル、−SO(C〜Cアルキル)、−SO(フェニル)、−SO(C〜Cハロアルキル)、−SONH、−SONH(C〜Cアルキル)、−SONH(フェニル)、−NHSO(C〜Cアルキル)、−NHSO(フェニル)、および−NHSO(C〜Cハロアルキル)から選択され
は、H、CH、F、Cl、CN、OCH、OH、またはOH、OCHもしくは1個以上のハロ基で置換されるメチルであり;
は、H、CH、F、Cl、CNまたはOCHであり;
は、H、CH、CF、F、Cl、CNまたはOCHある
【請求項2】
前記Rが、HまたはCHである、請求項1に記載された化合物。
【請求項3】
前記Rが下記の群の中から選択される何れかである、請求項1に記載された化合物;
ただし、上式中の波線は結合部位を表す。
【請求項4】
前記Rが、F、CHまたはCOCHで適宜選択的に置換される、シクロプロピル、アゼチジニル、アゼチジニルメチル、ピペリジニル、オキソピペリジニル、ピペラジニル、およびオキソピペラジニルからなる群の中から選択された、請求項1に記載された化合物。
【請求項5】
前記Rが、H、t−ブチル、N−ピロリジニル、N−ピペリジニル、N−アゼパニル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、プロパ−1−エン−2−イル、−N(CH)Et、i−プロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、3−メチルブタン−2−イル、−N(CH)(i−Pr)、または−NH(シクロプロピル)である、請求項1に記載された化合物。
【請求項6】
前記Rが、H、CH、F、またはCHOHである、請求項1に記載された化合物。
【請求項7】
前記Rが、HまたはFである、請求項1に記載された化合物。
【請求項8】
前記環Bが、ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル、ピラゾール−3−イル、ピリミジン−4−イル、またはピリジン−2−イルである、請求項1に記載された化合物。
【請求項9】
前記式Iにおける環Bを含む下記の構造(波線は式Iの残部を表す。)
が、下記の群の中から選択される何れかの構造を有する、請求項1に記載された化合物。
但し、式中の波線は式Iの残部を表す。
【請求項10】
前記式Iが下記式Iaで表される、請求項1に記載された化合物。
【請求項11】
前記式Iが下記式Ibで表される、請求項1に記載された化合物。
【請求項12】
前記式Iが下記式Icで表される、請求項1に記載された化合物。
【請求項13】
前記式Iで表される化合物が、以下の化合物から選択される何れかの化合物である、請求項1に記載された化合物;
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−メチルフェニル)−4−({5−メチル−4H,5H,6H,7H−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
5−tert−ブチル−2−(3−(5−(1−エチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)イソインドリン−1−オン、
5−tert−ブチル−2−(2−(ヒドロキシメチル)−3−(1−メチル−6−オキソ−5−(ピリミジン−4−イルアミノ)−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)イソインドリン−1−オン、
5−tert−ブチル−2−(2−(ヒドロキシメチル)−3−(1−メチル−6−オキソ−5−(ピリジン−2−イルアミノ)−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)イソインドリン−1−オン
2−(3−(5−(1−(アゼチジン−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−5−tert−ブチルイソインドリン−1−オン
5−(エチル(メチル)アミノ)−2−(2−(ヒドロキシメチル)−3−(1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)イソインドリン−1−オン、
6−tert−ブチル−2−(2−メチル−3−(5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)イソインドリン−1−オン、
ナトリウム(3−(3−(2−tert−ブチル−6−オキソ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−5(6H)−イル)−2−メチルフェニル)−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソピリダジン−1(6H)−イル)メチルホスフェート、
2−tert−ブチル−5−(3−(5−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン、
2−tert−ブチル−5−(3−(5−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン、
2−tert−ブチル−5−(3−(5−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン。
【請求項14】
前記式Iで表される化合物が、以下の化合物から選択される何れかの化合物である、請求項1に記載された化合物;
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−メチルフェニル)−4−[(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−メチルフェニル)−4−[(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−4−フルオロフェニル)−4−[(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−メチルフェニル)−4−[(5−メチル−1,2−オキサゾール−3−イル)アミノ]−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(6−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−5−フルオロピリジン−2−イル)−4−[(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(6−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−5−フルオロピリジン−2−イル)−4−[(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−メチルフェニル)−4−{4H,5H,6H,7H−ビリド[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イルアミノ}−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−メチルフェニル)−4−({5−[(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)メチル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}アミノ)−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−2−メチル−4−({5−メチル−4H,5H,6H,7H−ピラゾロ[l,5−a]ピラジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−4−({5−メチル−4H,5H,6H,7H−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−({5−メチル−4H,5H,6H,7H−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−メチルフェニル)−4−({5−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−4H,5H,6H,7H−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−メチル−4−({5−メチル−4H,5H,6H,7H−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
2−{[6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−メチルフェニル)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロピリダジン−4−イル]アミノ}−4H,6H,7H−ピラゾロ[3−2−c][1,4]チアジン−5,5−ジオン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェニル)−2−メチル−4−({5−メチル−4H,5H,6H,7H−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−4−[(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−メチル−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)−4−({5−アセチル−4H,5H,6H,7H−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル}アミノ)−2−メチル−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−2−メチル−4−({5−メチル−4H,5H,6H,7H−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェニル)−4−[(1,5−ジメチル−lH−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−メチル−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−4−[(1,5−ジメチル−lH−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−メチル−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−4−({5−アセチル−4H,5H,6H,7H−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル}アミノ)−2−メチル−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−4−({5−シクロプロピル−4H,5H,6H,7H−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル}アミノ)−2−メチル−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−2−メチル−4−{4H,6H,7H,8H−ピラゾロ[3,2−c][1,4]オキサゼピン−2−イルアミノ}−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−2−メチル−4−{[5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ビリジン−2−イル]アミノ}−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−2−メチル−4−(ピリミジン−4−イルアミノ)−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−2−メチル−4−{[5−(プロパン−2−イル)−4H,5H,6H,7H−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]アミノ}−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−4−{[5−(4−アセチルピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}−2−メチル−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−2−メチル−4−(ピリジン−2−イルアミノ)−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−4−[(1−エチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−メチル−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−4−[(1−エチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−メチル−2.3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−4−[(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−メチル−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−4−{[5−(1,4−ジメチル−3−オキソピペラジン−2−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}−2−メチル―2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3―c]ピロール−5−イル}−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−2−メチル−4−{[5−(2−オキソピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン、
5−tert−ブチル−2−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[1−メチル−5−({5−メチル−4H,5H,6H,7H−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル}アミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル]フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−1−オン。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載された化合物と、薬学的に許容できる担体、滑剤、希釈剤、または賦形剤とを含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項16】
前記医薬組成物が第2の治療剤をさらに含む、請求項15に記載された医薬組成物。
【請求項17】
請求項1〜14のいずれか一項に記載された化合物を、薬学的に許容できる担体と組み合わせる工程を含む、医薬組成物の製造方法
【請求項18】
免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、関節炎、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害、及びブルトン型チロシンキナーゼによって媒介される疾患または障害の中から選択される何れかの疾患又は障害に罹患したヒトを除く患者に、治療的に有効な量の請求項1〜14のいずれか一項に記載された化合物を投与することを含む、疾患または障害を治療する方法。
【請求項19】
前記疾患または障害が免疫障害である、請求項18に記載された方法。
【請求項20】
前記疾患または障害が、全身性炎症、局所炎症、関節炎、免疫抑制に関連する炎症、臓器移植拒絶反応、アレルギー、潰瘍性大腸炎、クローン病、皮膚炎、喘息、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性硬化症、強皮症/全身性硬化症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)脈管炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、又は乾癬である、請求項18に記載された方法。
【請求項21】
前記疾患または障害が関節リウマチである、請求項20に記載された方法。
【請求項22】
前記疾患または障害が、乳癌、卵巣癌、頸癌、前立腺癌、精巣癌、泌尿生殖器癌、食道癌、喉頭癌、膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、胃癌、皮膚癌、角化棘細胞腫、肺癌、類表皮癌、大細胞癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞癌、肺腺癌、骨癌、結腸癌、腺腫、膵臓癌、腺癌、甲状腺癌、濾胞腺癌、未分化癌、乳頭癌、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱癌、肝臓癌および胆道癌、腎臓癌、膵癌、骨髄疾患、リンパ腫、毛様細胞腫、口腔癌、上咽頭癌、咽頭癌、口唇癌、舌癌、小腸癌、結腸直腸癌、大腸癌、直腸癌、脳および中枢神経系の癌、ホジキン病、白血病、気管支癌、肝臓および肝内胆管の癌、肝細胞癌、神経膠腫、子宮内膜癌、腎臓および腎盂の癌、子宮体癌、子宮頸癌、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ性白血病、骨髄性白血病、口腔および咽頭の癌、非ホジキンリンパ腫、および絨毛結腸腺腫から選択されるがんである、請求項18に記載された方法。
【請求項23】
更に、抗炎症剤、抗関節炎剤、免疫調節剤、化学療法剤、神経栄養因子、心血管疾患を治療するための薬剤、肝疾患を治療するための薬剤、抗ウイルス剤、血液疾患を治療するための薬剤、糖尿病を治療するための薬剤、および免疫不全疾患を治療するための薬剤から選択される治療剤を投与することを含む、請求項18に記載された方法。
【請求項24】
ブルトン型チロシンキナーゼによって媒介される病態を治療するためのキットであって:
a)請求項1〜14のいずれか一項に記載された化合物を含む第1の医薬組成物と、
b)使用説明書と
を含むキット。
【請求項25】
免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害で、且つブルトン型チロシンキナーゼによって媒介される疾患または障害の中から選択される、疾患または障害を治療するための薬剤として使用する、請求項1〜14のいずれか一項に記載された化合物。
【請求項26】
免疫障害、がん、心血管疾患、関節炎、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害を治療するための、ブルトン型チロシンキナーゼを調節する薬剤の製造における、請求項1〜14のいずれか一項に記載された化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
米国特許施行規則(37CFR)第1.53条(b)の下で出願された本出願は、2010年9月1日に出願された米国仮特許出願第61/378,964号の利益を米国特許法(35USC)第119条(e)の下で主張するものであり、全体が参照により援用される。
【0002】
本発明は、一般に、炎症、免疫障害、及びがんを含む、ブルトン型チロシンキナーゼ(Btk)によって媒介される障害を治療するための化合物に関し、詳しくは、本発明は、Btk活性を阻害する化合物に関すると共に、哺乳動物細胞、または関連する病態のインビトロ、インサイチュ、およびインビボ診断または治療のための、上記化合物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒト酵素の最大のファミリーであるプロテインキナーゼは、500種類をはるかに超えるタンパク質を包含する。ブルトン型チロシンキナーゼ(Btk)は、チロシンキナーゼのTecファミリーのメンバーであり、初期B細胞の発生ならびに成熟B細胞の活性化、シグナル伝達および生存の、調節因子である。
【0004】
B細胞受容体(BCR)を介したB細胞シグナル伝達は、B細胞の発達段階に応じた様々な生物学的アウトプットをもたらし得る。BCRシグナルの規模および持続時間は、正確に調節されなければならない。異常なBCR媒介性シグナル伝達は、B細胞活性化の調節不全および/または病原性の自己抗体の形成を引き起こし、複数の自己免疫疾患および/または炎症性疾患につながり得る。ヒトにおけるBtkの突然変異は、X連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)をもたらす。この疾患は、B細胞の成熟障害、免疫グロブリン産生の減少、T細胞非依存性免疫応答不全およびBCRの刺激による持続的なカルシウムサイン(calcium sign)の著しい減衰を伴う。
【0005】
アレルギー性疾患および/または自己免疫疾患および/または炎症性疾患におけるBtkの役割に関する証拠は、Btk欠損マウスモデルで実証されている。例えば、全身性エリテマトーデス(SLE)の標準的なマウス前臨床モデルでは、Btkの欠損は、疾患進行を著しく改善することが示されている。さらに、Btk欠損マウスはまた、コラーゲン誘発性関節炎の発症に耐性があり、ブドウ球菌(Staphylococcus)誘発性関節炎にかかりにくい。
【0006】
多くの証拠が、自己免疫疾患および/または炎症性疾患の発症におけるB細胞および体液性免疫系の役割を裏付けている。B細胞を減少させるために開発されたタンパク質ベースの治療法(リツキサンなど)は、いくつかの自己免疫疾患および/または炎症性疾患の治療の手法である。B細胞活性化におけるBtkの役割により、Btkの阻害剤は、B細胞媒介性の病原性活性(自己抗体産生など)の阻害剤として有用である。
【0007】
Btkは、破骨細胞、肥満細胞および単球においても発現し、これらの細胞の機能にとって重要であることが示されている。例えば、マウスにおけるBtk欠損は、IgE媒介性肥満細胞活性化の障害(TNF−αおよび他の炎症性サイトカイン放出の著しい減少)を伴い、ヒトにおけるBtk欠損は、活性化された単球によるTNF−α産生の大幅な減少を伴う。
【0008】
したがって、Btk活性の阻害は、SLE、関節リウマチ、多発性血管炎、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、重症筋無力症、アレルギー性鼻炎、および喘息などの、アレルギー性疾患および/または自己免疫疾患および/または炎症性疾患の治療に有用である。さらに、Btkは、アポトーシスにおいて役割を果たすことが報告されている;したがって、Btk活性の阻害は、がん、ならびにB細胞リンパ腫および白血病の治療に有用である。さらに、破骨細胞機能におけるBtkの役割を考えると、Btk活性の阻害は、骨粗鬆症などの骨疾患の治療に有用である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、一般に、ブルトン型チロシンキナーゼ(Btk)調節活性を有する式Iの化合物に関する。
【0010】
式Iの化合物は、構造:
【化1】
を有し、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容できる塩を含む。様々な置換基が本明細書において以下に定義される。
【0011】
本発明の一態様は、式Iの化合物および薬学的に許容できる担体、滑剤、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物である。この医薬組成物は、第2の治療剤をさらに含み得る。
【0012】
本発明の別の態様は、式Iの化合物を薬学的に許容できる担体と組み合わせることを含む、医薬組成物を製造するための方法である。
【0013】
本発明は、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害から選択される疾患または障害で、且つ、ブルトン型チロシンキナーゼによって媒介される疾患または障害に罹患しているヒトを除く患者に、治療的に有効な量の式Iの化合物を投与することを含む、疾患または障害を治療する方法を含む。
【0014】
本発明は、a)式Iの化合物を含む第1の医薬組成物と;b)使用説明書とを含む、ブルトン型チロシンキナーゼによって媒介される病態を治療するためのキットを含む。
【0015】
本発明は、薬剤として使用するため、および免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害から選択される疾患または障害で、且つブルトン型チロシンキナーゼによって媒介される疾患または障害を治療するのに使用するための式Iの化合物を含む。
【0016】
本発明は、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害の治療のための薬剤の製造における式Iの化合物の使用を含み、ここで、薬剤は、ブルトン型チロシンキナーゼを調節する。
【0017】
本発明は、式Iの化合物を作製する方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、式Iの化合物8を製造するための例示的な合成経路を示し、この合成経路は、二環式ピロロン4をメチルまたはヒドロキシメチルベンゼン5とカップリングさせて、中間体6を得るブッフバルト反応と、それに続く、ボロネート7を調製し、それをブロモ−ピリドンまたは−ピラジノン2とカップリングさせる連続鈴木反応、または6をピリドン−またはピラジノン−ボロネート3とカップリングさせる単一の鈴木反応のいずれかを含む。ブロモ−ピリドンまたは−ピラジノン2は、ジブロモ−ピリドンまたは−ピラジノンと、複素環アミンまたはアニリン化合物とのブッフバルト反応によって調製することができる。ピリドン−またはピラジノン−ボロネート3は、2とジボロネートとの鈴木反応によって調製することができる。
図2図2は、ブロモアニリン誘導体に二環式ピロロンを組み合わせて、図Iに概説される役割に使用することのできる臭化物を得ることを含む、式Iの化合物8を製造するための例示的な合成経路を示す。
図3】分子12における残りの部分のアミノ誘導体に二環式ピロロンを組み合わせることを含む、式Iの化合物8を製造するための例示的な合成経路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の特定の実施態様について詳細に言及すると共に、その例を、添付した構造および式に示す。本発明は、挙げられる実施態様と共に説明されるが、それらは、本発明をそれらの実施態様に限定することを意図しないことが理解されよう。むしろ本発明は、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内に含まれ得る全ての代替例、変更、および均等物を包含することを意図する。当業者は、本発明を実施する際に使用し得る、本明細書に記載される方法および材料と同様または等価の多くの方法および材料を認識するであろう。本発明は、記載される方法および材料に限定されるものではない。援用される文献、特許、および同様の資料中の1つ以上が本出願と異なるかまたは矛盾する場合、以下に限定されるものではないが、定義される用語、用語の使用法、記載される技術などを含め、本出願が優先される。
【0020】
定義
本明細書において使用される「アルキル」という用語は、1〜12個の炭素原子(C〜C12)を有する飽和した直鎖状または分枝鎖状の一価炭化水素基を意味し、ここで、アルキル基は、後述される1つ以上の置換基で適宜選択的に置換されてもよい。別の実施態様におけるアルキル基は、1〜8個の炭素原子(C〜C)、または1〜6個の炭素原子(C〜C)を有する。アルキル基の例としては、以下に限定されるものではないが、メチル(Me、−CH)、エチル(Et、−CHCH)、1−プロピル(n−Pr、n−プロピル、−CHCHCH)、2−プロピル(i−Pr、i−プロピル、−CH(CH)、1−ブチル(n−Bu、n−ブチル、−CHCHCHCH)、2−メチル−1−プロピル(i−Bu、i−ブチル、−CHCH(CH)、2−ブチル(s−Bu、s−ブチル、−CH(CH)CHCH)、2−メチル−2−プロピル(t−Bu、t−ブチル、−C(CH)、1−ペンチル(n−ペンチル、−CHCHCHCHCH)、2−ペンチル(−CH(CH)CHCHCH)、3−ペンチル(−CH(CHCH)、2−メチル−2−ブチル(−C(CHCHCH)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH)CH(CH)、3−メチル−1−ブチル(−CHCHCH(CH)、2−メチル−1−ブチル(−CHCH(CH)CHCH)、1−ヘキシル(−CHCHCHCHCHCH)、2−ヘキシル(−CH(CH)CHCHCHCH)、3−ヘキシル(−CH(CHCH)(CHCHCH))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CHCHCHCH)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH)CH(CH)CHCH)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH)CHCH(CH)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH)(CHCH)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CHCH)CH(CH)、2,3−ジメチル−2−ブチル(−C(CHCH(CH)、3,3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH)C(CH、1−ヘプチル、1−オクチルなどが挙げられる。
【0021】
本明細書において使用される「アルキレン」という用語は、後述する1つ以上の置換基で適宜選択的に置換されてもよい、1〜12個の炭素原子(C〜C12)を有する、飽和した直鎖状または分枝鎖状の二価の炭化水素基を意味する。別の実施態様におけるアルキレン基は、1〜8個の炭素原子(C〜C)、または1〜6個の炭素原子(C〜C)を有する。アルキレン基の例は以下に限定されるものではないが、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン(−CHCHCH−)などが挙げられる。
【0022】
「炭素環」、「カルボシクリル」、「炭素環式環」および「シクロアルキル」という用語は、単環式環として3〜12個の炭素原子(C〜C12)を有するか、または、二環式環として7〜12個の炭素原子を有する、一価で非芳香族の、飽和または部分的に不飽和な環を指す。7〜12個の原子を有する二環式炭素環は、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]または[6,6]系として構成されても良く、9または10個の環原子を有する二環式炭素環は、ビシクロ[5,6]または[6,6]系、またはビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタンおよびビシクロ[3.2.2]ノナンなどの架橋系として構成されても良い。単環式炭素環の例としては、以下に限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンタ−1−エニル、1−シクロペンタ−2−エニル、1−シクロペンタ−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ−2−エニル、1−シクロヘキサ−3−エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシルなどが挙げられる。
【0023】
「アリール」は、親の芳香環系における1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される、6〜20個の炭素原子(C〜C20)を有する一価の芳香族炭化水素基を意味する。いくつかのアリール基は、「Ar」として、例示的な構造で表される。アリールは、飽和、部分的不飽和環、または芳香族炭素環式環と融合する芳香環を含む二環式基を含む。定型的なアリール基としては、以下に限定されるものではないが、ベンゼン(フェニル)、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、インデニル、インダニル、1,2−ジヒドロナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフチルなどから誘導される基が挙げられる。アリール基は、本明細書に記載される1つ以上の置換基によって、独立に適宜選択的に置換される。
【0024】
「アリーレン」は、親の芳香環系における2個の炭素原子から2個の水素原子を除去することによって誘導される6〜20個の炭素原子(C〜C20)を有する二価の芳香族炭化水素基を意味する。いくつかのアリーレン基は、「Ar」として、例示的な構造で表される。アリーレンは、飽和、部分的不飽和環、または芳香族炭素環式環と融合する芳香環を含む二環式基を含む。典型的なアリーレン基としては、以下に限定はされないが、ベンゼン(フェニレン)、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニレン、インデニレン(indenylene)、インダニレン(indanylene)、1,2−ジヒドロナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフチルなどから誘導される基が挙げられる。アリーレン基は適宜選択的に置換される。
【0025】
「複素環」「ヘテロシクリル」および「複素環式環」という用語は、本明細書においては同義的に使用され、3〜約20個の環原子を有する飽和または部分不飽和(すなわち、環中に1つ以上の二重結合および/または三重結合を有する)炭素環式基を指し、少なくとも1個の環原子が、窒素、酸素、リン、硫黄、およびケイ素から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子がCであり、ここで、1個以上の環原子は、後述される1つ以上の置換基で独立して適宜選択的に置換される。複素環は、3〜7環員(2〜6個の炭素原子ならびにN、O、P、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子)を有する単環式環または7〜10環員(4〜9個の炭素原子ならびにN、O、P、およびSから選択される1〜6個のヘテロ原子)を有する二環式環、例えば:ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]、または[6,6]系であってもよい。複素環は、Paquette,Leo A.;“Principles of Modern Heterocyclic Chemistry”(W.A.Benjamin,New York,1968)、特にChapters 1,3,4,6,7,及び 9;“The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A series of Monographs”(John Wiley & Sons,New York,1950 to present)、特にVolumes 13,14,16,19,及び 28;及びJ.Am.Chem.Soc.(1960)82:5566に記載されている。「ヘテロシクリル」は、複素環基が、飽和、部分的不飽和環、または芳香族炭素環式環または複素環式環と融合する基も含む。複素環式環の例としては、以下に限定はされるものではないが、モルホリン−4−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリドニル(piperidonyl)、オキソピペラジニル、ピペラジニル、ピペラジン−4−イル−2−オン、ピペラジン−4−イル−3−オン、ピロリジン−1−イル、チオモルホリン−4−イル、S−ジオキソチオモルホリン−4−イル、アゾカン−1−イル、アゼチジン−1−イル、オクタヒドロピリド[1,2−a]ピラジン−2−イル、[1,4]ジアゼパン−1−イル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.2]ヘキサニル、3H−インドリルキノリジニル及びN−ピリジル尿素が挙げられる。スピロ部分もこの定義の範囲内に含まれる。2個の環原子がオキソ(=O)部分で置換される複素環式基の例は、ピリミジノニル(pyrimidinonyl)及び1,1−ジオキソ−チオモルホリニルである。本明細書における複素環基は、本明細書に記載される1つ以上の置換基で、独立して適宜選択的に置換される。
【0026】
「ヘテロアリール」という用語は、5員、6員、または7員環の一価芳香族基を意味し、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する、5〜20個の原子を有する縮合環系(そのうちの少なくとも1つが芳香族である)を含む。ヘテロアリール基の例は、ピリジニル(例えば、2−ヒドロキシピリジニルを含む)、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、ピリミジニル(例えば、4−ヒドロキシピリミジニルを含む)、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、およびフロピリジニル(furopyridinyl)である。ヘテロアリール基は、本明細書に記載される1つ以上の置換基で独立して適宜選択的に置換される。
【0027】
複素環またはヘテロアリール基には、可能な場合、炭素が結合(炭素結合)、または窒素が結合(窒素結合)されていてもよい。例として、限定されるものではないが、炭素結合された複素環またはヘテロアリールは、ピリジンの2、3、4、5、または6位、ピリダジンの3、4、5、または6位、ピリミジンの2、4、5、または6位、ピラジンの2、3、5、または6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロールまたはテトラヒドロピロールの2、3、4、または5位、オキサゾール、イミダゾールまたはチアゾールの2、4、または5位、イソオキサゾール、ピラゾール、またはイソチアゾールの3、4、または5位、アジリジンの2または3位、アゼチジンの2、3、または4位、キノリンの2、3、4、5、6、7、または8位、あるいはイソキノリンの1、3、4、5、6、7、または8位で結合される。
【0028】
例として、限定されるものではないが、窒素結合された複素環またはヘテロアリールは、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドール、またはイソインドリンの2位、モルホリンの4位、およびカルバゾール、またはβ−カルボリンの9位で結合される。
【0029】
「治療する」および「治療」という用語は、関節炎またはがんの発症または転移などの、望ましくない生理学的変化または障害を遅らせる(軽減する)ことを目的とする治療処置を指す。本発明の趣旨では、有益なまたは所望の臨床結果として、以下に限定されるものではないが、検出可能かまたは検出不能かを問わず、症状の緩和、疾患の範囲の縮小、疾患の安定化した(すなわち、悪化していない)状態、疾患進行の遅延または減速、病状の改善または緩和、および寛解(部分的かまたは全体的かを問わず)が挙げられる。「治療」は、治療を受けない場合の予想生存と比較した際の生存の延長も意味し得る。治療を必要とする者は、病態または障害を有する者を含む。
【0030】
「治療的に有効な量」という語句は、(i)特定の疾患、病態、または障害を治療するか、(ii)特定の疾患、病態、または障害の1つ以上の症状を軽減、改善するか、または消失させるか、または(iii)本明細書に記載される特定の疾患、病態、または障害の、1つ以上の症状の発現を予防するかまたは遅延させる本発明の化合物の量を意味する。がんの場合、治療的に有効な量の薬剤は、がん細胞の数を減少させ;腫瘍サイズを縮小し;末梢器官へのがん細胞浸潤を抑制し(すなわち、ある程度減速し、好ましくは停止させ);腫瘍転移を抑制し(すなわち、ある程度減速し、好ましくは停止させ);腫瘍増殖をある程度抑制し;及び/またはがんに伴う症状の1つ以上をある程度軽減し得る。薬剤は、増殖を防止するか及び/または存在するがん細胞を死滅させ得る程度まで、細胞増殖抑制性及び/または細胞毒性であり得る。がん治療では、例えば、疾患進行までの期間(TTP)を評価し、及び/または反応速度(RR)を測定することによって、効力を測定することができる。
【0031】
本明細書において使用される際の「炎症性疾患」は、過剰な又は無秩序な炎症反応が、過剰な炎症症状、宿主組織の損傷、または組織機能の低下をもたらす、あらゆる疾患、障害、または症状を指す。「炎症性疾患」は、白血球の流入および/または好中球走化性によって媒介される、病理的状態も指す。
【0032】
本明細書において使用される際の「炎症」は、組織の傷害または破壊によって引き起こされる局所的な防御反応を指し、傷害因子および傷害組織の両方を破壊し、弱め、または隔てる(隔離する)働きをする。炎症は、特に、白血球の流入および/または好中球走化性に関連している。炎症は、病原体およびウイルスによる感染および外傷または心筋梗塞もしくは脳卒中後の再かん流などの非感染性手段、外来抗原に対する免疫応答、および自己免疫応答から生じ得る。したがって、式Iの化合物による治療に適した炎症性疾患は、特異的防御系の反応ならびに非特異的防御系の反応に関連する障害を包含する。
【0033】
「特異的防御系」は、特異的抗原の存在に対して反応する免疫系の構成要素を指す。特異的防御系の応答から生じる炎症の例としては、外来抗原に対する標準的な応答、自己免疫疾患、およびT細胞によって媒介される遅延型過敏性反応が挙げられる。慢性炎症性疾患、固体移植組織および臓器、例えば、腎臓および骨髄移植の拒絶反応、および移植片対宿主病(GVHD)が、特異的防御系の炎症反応のさらなる例である。
【0034】
本明細書において使用される際の「非特異的防御系」という用語は、免疫記憶ができない白血球(例えば、顆粒球、およびマクロファージ)によって媒介される炎症性疾患を指す。非特異的防御系の反応から少なくともある程度生じる炎症の例としては、成人(急性)呼吸窮迫症候群(ARDS)または多臓器障害症候群などの病態に関連する炎症;再かん流傷害;急性糸球体腎炎;反応性関節炎;急性炎症性成分を伴う皮膚病;急性化膿性髄膜炎または脳卒中などの、他の中枢神経系炎症性疾患;熱傷;炎症性腸疾患;顆粒球輸血関連症候群;及びサイトカイン誘発性毒性が挙げられる。
【0035】
本明細書において使用される際の「自己免疫疾患」は、組織障害が身体自体の構成要素に対する体液性または細胞媒介性応答に関連する任意の群の障害を指す。
【0036】
本明細書において使用される際の「アレルギー性疾患」は、アレルギーから生じる任意の症状、組織損傷、または組織機能の低下を指す。本明細書において使用される際の「関節炎疾患」は、様々な病因に起因する関節の炎症性病変を特徴とする任意の疾患を指す。本明細書において使用される際の「皮膚炎」は、様々な病因に起因する皮膚の炎症を特徴とする皮膚の疾患の大きいファミリーのいずれかを指す。本明細書において使用される際の「移植拒絶反応」は、移植組織および周囲組織の機能の低下、疼痛、腫張、白血球増加症、および血小板減少症を特徴とする、臓器または細胞(例えば、骨髄)などの移植組織に対して向けられた任意の免疫反応を指す。本発明の治療法には、炎症細胞活性化に関連する障害を治療するための方法が含まれる。
【0037】
「炎症細胞活性化」は、炎症細胞(以下に限定はされないが、単球、マクロファージ、Tリンパ球、Bリンパ球、顆粒球(すなわち、好中球、好塩基球、および好酸球などの多形核白血球)、肥満細胞、樹枝状細胞、ランゲルハンス細胞、および内皮細胞を含む)における、増殖性細胞応答の刺激(以下に限定はされないが、サイトカイン、抗原または自己抗体を含む)、可溶性メディエータ(以下に限定はされないが、サイトカイン、酸素ラジカル、酵素、プロスタノイド、または血管作用性アミンを含む)の産生、または新たなまたは増加した数のメディエータ(以下に限定はされないが、主要組織適合抗原または細胞接着分子を含む)の細胞表面発現による誘発を指す。これらの細胞におけるこれらの表現型の1つまたは組合せの活性化が、炎症性疾患の開始、永続化、または増悪の原因になり得ることが当業者によって理解されよう。
【0038】
「NSAID」という用語は、「非ステロイド性抗炎症薬」の頭字語であり、鎮痛作用、解熱作用(意識障害を伴わずに、上昇した体温を下げ、疼痛を緩和する)および、より高い用量では、抗炎症性作用(炎症を軽減する)を有する治療剤である。「非ステロイド性」という用語は、これらの薬剤を、(広範囲にわたる他の作用の中でも)同様のエイコサノイド抑制作用、抗炎性作用を有するステロイドと区別するために使用される。鎮痛薬として、NSAIDは、非麻薬性である点で独特である。NSAIDとしては、アスピリン、イブプロフェン、およびナプロキセンが挙げられる。NSAIDは、通常、疼痛および炎症が存在する急性または慢性の病態の治療に適応される。NSAIDは、一般に、以下の病態:関節リウマチ、変形性関節症、炎症性関節症(例えば強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、ライター症候群、急性痛風、月経困難症、転移性骨痛、頭痛および片頭痛、術後疼痛、炎症および組織傷害による軽度から中等度の疼痛、発熱、腸閉塞、および腎疝痛の症状緩和に適応される。大抵のNSAIDは、シクロオキシゲナーゼ−1(COX−1)およびシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)アイソザイムの両方を阻害する、酵素シクロオキシゲナーゼの非選択的阻害剤として働く。シクロオキシゲナーゼは、アラキドン酸(それ自体はホスホリパーゼAによって細胞リン脂質二層から誘導される)からのプロスタグランジンおよびトロンボキサンの形成を触媒する。プロスタグランジンは、(中でも特に)炎症の過程におけるメッセンジャー分子として働く。COX−2阻害剤としては、セレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、パレコキシブ、ロフェコキシブ、ロフェコキシブ、およびバルデコキシブが挙げられる。
【0039】
「がん」という用語は、典型的に無秩序な細胞増殖を特徴とする哺乳動物の生理的状態を指す、または表す。「腫瘍」は、1つ以上のがん性細胞を含む。がんの例としては、以下に限定されるものではないが、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病またはリンパ性悪性疾患が挙げられる。このようながんのより具体的な例としては、扁平細胞癌(例えば、扁平上皮細胞癌)、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、肺の腺癌および肺の扁平上皮癌を含む肺癌、腹膜の癌、肝細胞癌、消化管癌を含む胃癌(gastric or stomach cancer)、膵臓癌、膠芽細胞腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝細胞腫(hepatoma)、乳癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌または子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌(kidney or renal cancer)、前立腺癌、外陰部癌、甲状腺癌、肝癌(hepatic carcinoma)、肛門癌、陰茎癌、ならびに頭頸部癌が挙げられる。
【0040】
「化学療法剤」は、作用機序にかかわらず、がんの治療に有用な化学化合物である。化学療法剤の種類としては、以下に限定されるものではないが:アルキル化剤、代謝拮抗剤、紡錘体毒植物アルカロイド、細胞傷害性/抗腫瘍抗生物質、トポイソメラーゼ阻害剤、抗体、光増感剤、およびキナーゼ阻害剤が挙げられる。化学療法剤は、「標的療法」および従来の化学療法に使用される化合物を含む。化学療法剤の例としては:エルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、Genentech/OSI Pharm.)、ドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Sanofi−Aventis)、5−FU(フルオロウラシル、5−フルオロウラシル、CAS No.51−21−8)、ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標)、Lilly)、PD−0325901(CAS No.391210−10−9、Pfizer)、シスプラチン(シス−ジアミン、ジクロロ白金(II)、CAS No.15663−27−1)、カルボプラチン(CAS No.41575−94−4)、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol−Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標)、Genentech)、テモゾロミド(4−メチル−5−オキソ−2,3,4,6,8−ペンタアザビシクロ[4.3.0]ノナ−2,7,9−トリエン−9−カルボキサミド、CAS No.85622−93−1、TEMODAR(登録商標)、TEMODAL(登録商標)、Schering Plough)、タモキシフェン((Z)−2−[4−(1,2−ジフェニルブタ−1−エニル)フェノキシ]−N,N−ジメチルエタンアミン、NOLVADEX(登録商標)、ISTUBAL(登録商標)、VALODEX(登録商標))、およびドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標))、Akti−1/2、HPPD、およびラパマイシンが挙げられる。
【0041】
化学療法剤のさらなる例としては:オキサリプラチン(ELOXATIN(登録商標)、Sanofi)、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Millennium Pharm.)、スーテント(スニチニブ(登録商標)、SU11248、Pfizer)、レトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis)、メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標)、Novartis)、XL−518(Mek阻害剤、Exelixis、国際公開第2007/044515号パンフレット)、ARRY−886(Mek阻害剤、AZD6244、Array BioPharma,AstraZeneca)、SF−1126(PI3K阻害剤、Semafore Pharmaceuticals)、BEZ−235(PI3K阻害剤、Novartis)、XL−147(PI3K阻害剤、Exelixis)、PTK787/ZK 222584(Novartis)、フルベストラント(FASLODEX(登録商標)、AstraZeneca)、ロイコボリン(フォリン酸)、ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標)、Wyeth)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、Glaxo Smith Kline)、ロナファルニブ(SARASAR(商標)、SCH 66336、Schering Plough)、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標)、BAY43−9006、Bayer Labs)、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、AstraZeneca)、イリノテカン(CAMPTOSAR(登録商標)、CPT−11、Pfizer)、チピファルニブ(ZARNESTRA(商標)、Johnson & Johnson)、ABRAXANE(商標)(Cremophorを含まない)、パクリタキセルのアルブミン操作された(albumin−engineered)ナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,Il)、バンデタニブ(rINN、ZD6474、ZACTIMA(登録商標)、AstraZeneca)、クロランブシル、AG1478、AG1571(SU 5271;Sugen)、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、Wyeth)、パゾパニブ(GlaxoSmithKline)、カンフォスファミド(canfosfamide)(TELCYTA(登録商標)、Telik)、チオテパおよびシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標)、NEOSAR(登録商標));ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファンなどのスルホン酸アルキル;ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、およびウレドーパ(uredopa)などのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミドおよびトリメチロメラミンを含む、エチレンイミンおよびメチルメラミン(methylamelamine);アセトゲニン(特にブラタシンおよびブラタシノン);カンプトテシン(合成類似体であるトポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシンの合成類似体を含む);クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW−2189およびCB1−TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチン(sarcodictyin);スポンジスタチン;クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシド、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムスチン(ranimnustine)などのニトロソ尿素;エンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、カリケアマイシンγ1I、カリケアマイシンωI1(Angew Chem.Intl.Ed.Engl.(1994)33:183−186)などの抗生物質;ジネマイシン、ジネマイシンA;クロドロネートなどのビスホスホネート;エスペラマイシン;ならびにネオカルチノスタチン発色団および関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オートラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン(cactinomycin)、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルチノフィリン、クロモマイシニス(chromomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル(5−FU)などの代謝拮抗剤;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなどのピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎剤(anti−adrenal);フォリン酸などの葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジクオン;エフロルニチン(elfornithine);酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダイニン;マイタンシンおよびアンサマイトシンなどのマイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products,Eugene,OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2”−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特に、T−2トキシン、ベラクリン(verracurin)A、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金類似体;ビンブラスチン;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;カペシタビン(XELODA(登録商標)、Roche);イバンドロネート;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;ならびに上記のいずれかの薬学的に許容できる塩、酸および誘導体が挙げられる。
【0042】
「化学療法剤」の定義には以下のものも含まれる:(i)例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標);クエン酸タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびFARESTON(登録商標)(クエン酸トレミフェン)を含む、抗エストロゲンおよび選択的エストロゲン受容体調節剤(SERM)などの、腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するように作用する抗ホルモン剤;(ii)例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)(酢酸メゲストロール)、AROMASIN(登録商標)(エキセメスタン;Pfizer)、ホルメスタニー(formestanie)、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)(ボロゾール)、FEMARA(登録商標)(レトロゾール;Novartis)、およびARIMIDEX(登録商標)(アナストロゾール;AstraZeneca)などの、副腎におけるエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤;(iii)フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリン;ならびにトロキサシタビン(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体)などの抗アンドロゲン剤;(iv)MEK阻害剤(国際公開第2007/044515号パンフレット)などのプロテインキナーゼ阻害剤;(v)脂質キナーゼ阻害剤;(vi)アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に異常な細胞増殖に関与するシグナル伝達経路における遺伝子(例えばPKC−α、RafおよびH−Ras)の発現を阻害するもの(オブリメルセン(GENASENSE(登録商標)、Genta Inc.)など);(vii)VEGF発現阻害剤(例えば、ANGIOZYME(登録商標))およびHER2発現阻害剤などのリボザイム;(viii)遺伝子治療ワクチンなどのワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)、LEUVECTIN(登録商標)、およびVAXID(登録商標);PROLEUKIN(登録商標)rIL−2;LURTOTECAN(登録商標)などのトポイソメラーゼ1阻害剤;ABARELIX(登録商標)rmRH;(ix)ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、Genentech)などの抗血管新生剤;ならびに上記のいずれかの薬学的に許容できる塩、酸および誘導体。
【0043】
「化学療法剤」の定義には、アレムツズマブ(Campath)、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、Genentech);セツキシマブ(ERBITUX(登録商標)、Imclone);パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標)、Amgen)、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標)、Genentech/Biogen Idec)、パーツズマブ(OMNITARG(商標)、2C4、Genentech)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標)、Genentech)、トシツモマブ(Bexxar、Corixia)、および抗体薬剤複合体、ゲムツズマブオゾガマイシン(MYLOTARG(登録商標)、Wyeth)などの治療抗体も含まれる。
【0044】
本発明のBtk阻害剤と組み合わせて化学療法剤としての治療可能性を有するヒト化モノクローナル抗体としては:アレムツズマブ、アポリズマブ、アセリズマブ(aselizumab)、アトリズマブ、バピネオズマブ、ベバシズマブ、ビバツズマブメルタンシン、カンツズマブメルタンシン、セデリズマブ(cedelizumab)、セルトリズマブペゴル、シドフシツズマブ(cidfusituzumab)、シドツズマブ(cidtuzumab)、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エピラツズマブ、エルリズマブ、フェルビズマブ(felvizumab)、フォントリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、ラベツズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、モトビズマブ(motovizumab)、ナタリズマブ、ニモツズマブ、ノロビズマブ(nolovizumab)、ヌマビズマブ(numavizumab)、オクレリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パスコリズマブ(pascolizumab)、ペクフシツズマブ(pecfusituzumab)、ペクツズマブ(pectuzumab)、ペルツズマブ、ペキセリズマブ、ラリビズマブ(ralivizumab)、ラニビズマブ、レスリビズマブ(reslivizumab)、レスリズマブ、レシビズマブ(resyvizumab)、ロベリズマブ(rovelizumab)、ルプリズマブ(ruplizumab)、シブロツズマブ(sibrotuzumab)、シプリズマブ、ソンツズマブ(sontuzumab)、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ(tadocizumab)、タリズマブ、テフィバズマブ(tefibazumab)、トシリズマブ、トラリズマブ、トラスツズマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツクシツズマブ(tucusituzumab)、ウマビズマブ(umavizumab)、ウルトキサズマブ(urtoxazumab)、およびビシリズマブ(visilizumab)が挙げられる。
【0045】
「代謝産物」は、特定の化合物またはその塩の、体内での代謝によって産生される産物である。化合物の代謝産物は、当該技術分野において公知の通常の技術、および本明細書に記載される試験などの試験を用いて決定される、その活性を用いて同定することができる。このような産物は、例えば、投与される化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、脱エステル化、酵素的開裂などから生じ得る。したがって、本発明は、本発明の式I化合物を、その代謝産物を得るのに十分な期間、哺乳動物と接触させることを含む方法によって生成される化合物を包含する、本発明の化合物の代謝産物を含む。
【0046】
「添付文書」という用語は、治療製品の商品包装に通例含まれる説明書を指すのに使用され、このような治療製品の使用に関する、指示、使用法、用量、投与、禁忌および/または注意事項についての情報を含む。
【0047】
「キラル」という用語が、鏡像対を重ね合わせられない性質(property of non−superimposability)を有する分子を指す一方、「アキラル」という用語は、その鏡像対を重ねられる分子を指す。
【0048】
「立体異性体」という用語は、同一の化学構造を有するが、原子または基の空間配置が異なる化合物を指す。
【0049】
「ジアステレオマー」は、2つ以上のキラル中心を有する立体異性体を指し、それらの分子は、互いに鏡像ではない。ジアステレオマーは、異なる物理的特性、例えば融点、沸点、スペクトル特性、および反応性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動およびクロマトグラフィーなどの高分解能の分析手順で分離することができる。
【0050】
「鏡像異性体」は、互いに重ね合わせられない鏡像である、化合物の2つの立体異性体を指す。
【0051】
本明細書に使用される立体化学の定義および規則は、一般に、S.P.Parker,Ed.,McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw−Hill Book Company,New York;およびEliel,E.and Wilen,S.,“Stereochemistry of Organic Compounds”,John Wiley & Sons,Inc.,New York,1994にしたがう。本発明の化合物は、不斉中心またはキラル中心を含んでいてもよく、したがって異なる立体異性体として存在してもよい。以下に限定されるものではないが、ジアステレオマー、鏡像異性体およびアトロプ異性体、ならびにラセミ混合物などのそれらの混合物を含む、本発明の化合物に係る全ての立体異性体が、本発明の一部を成すことが意図されている。多くの有機化合物が、光学活性形態で存在し、したがってそれらは、平面偏光面を回転させる能力を有する。光学活性化合物を表す場合、接頭語DおよびL、またはRおよびSは、キラル中心の周りにおける分子の絶対配置を表すために使用される。接頭語dおよびlまたは(+)および(−)は、化合物による平面偏光の回転に係るサインを表すのに用いられ、(−)またはlは、化合物が左旋性であることを意味する。(+)またはdの接頭語が付いた化合物は右旋性である。所与の化学構造では、これらの立体異性体は、互いに鏡像であること以外は同じである。特定の立体異性体は、光学異性体と呼ばれることもあり、このような異性体の混合物は、鏡像異性体混合物と呼ばれることが多い。鏡像異性体の50:50混合物は、ラセミ混合物またはラセミ体と呼ばれ、化学反応または化学プロセスにおいて立体選択性または立体特異性がない場合に生じ得る。「ラセミ混合物」および「ラセミ体」という用語は、光学活性を有さない、2つの鏡像異性体種の等モル混合物を指す。一態様に付いて言えば、本発明の立体異性体は、過剰形態(predominant form)、例えばee(鏡像体過剰率)が50%以上、eeが80%以上、eeが90%以上、eeが95%以上、または99%以上のeeとして存在することができる。
【0052】
「互変異性体」という用語または「互変異性体形態」は、低いエネルギー障壁によって相互に変換可能な、異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピー(prototropic)互変異性体としても知られている)は、ケト−エノールおよびイミン−エナミン異性化などの、プロトンの移動による相互変換を含む。原子価互変異性体は、結合電子の一部が再編成されることによる相互変換を含む。
【0053】
「ジアステレオマー」という用語は、鏡像異性体ではない立体異性体分子を指す。ジアステレオマーは、同じ分子式を有するが、異なる幾何学的構造を有するシス−トランス異性体および配座異性体を含む。
【0054】
本明細書において使用される際の「薬学的に許容できる塩」という語句は、本発明の化合物の、薬学的に許容できる有機または無機塩を指す。例示的な塩としては、以下に限定されるものではないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、過リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸水素塩(acid citrate)、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩「メシル酸塩」、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))塩が挙げられる。薬学的に許容できる塩は、酢酸イオン、コハク酸イオン、または他の対イオンなどの、別の分子を包含しても良い。対イオンは、親化合物の電荷を安定化させる任意の有機および無機部分であっても良い。さらに、薬学的に許容できる塩は、その構造中に2個以上の帯電した原子を有しても良い。複数の帯電した原子が薬学的に許容できる塩の一部である場合には、複数の対イオンを有することができる。したがって、薬学的に許容できる塩は、1個以上の帯電した原子および/または1つ以上の対イオンを有することができる。
【0055】
本発明の化合物が塩基である場合、所望の薬学的に許容できる塩は、当該技術分野において利用可能な任意の好適な方法によって、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、リン酸などの無機酸によるか、あるいは酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(pyranosidylacid)(グルクロン酸またはガラクツロン酸など)、αヒドロキシ酸(クエン酸または酒石酸など)、アミノ酸(アスパラギン酸またはグルタミン酸など)、芳香族酸(安息香酸またはケイ皮酸など)、スルホン酸(p−トルエンスルホン酸またはエタンスルホン酸など)などの有機酸による遊離塩基の処理によって調製され得る。
【0056】
本発明の化合物が酸である場合、所望の薬学的に許容できる塩は、任意の好適な方法によって、例えば、(第1級、第2級または第3級)アミン、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物などの、無機または有機塩基による遊離酸の処理によって調製することができる。好適な塩の実例としては、以下に限定されるものではないが、グリシンおよびアルギニンなどのアミノ酸、アンモニア、第1級、第2級、および第3級アミン、およびピペリジン、モルホリンおよびピペラジンなどの環状アミンから誘導される有機塩、ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムから誘導される無機塩が挙げられる。
【0057】
「薬学的に許容できる」という語句は、物質または組成物が、製剤を構成する他の成分、および/またはそれで治療される哺乳動物と、化学的におよび/または毒物学的に適合性でなければならないことを表す。
【0058】
「溶媒和物」は、1つ以上の溶媒分子および本発明の化合物の結合体または複合体を指す。溶媒和物を形成する溶媒の例としては、以下に限定されるものではないが、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、およびエタノールアミンが挙げられる。
【0059】
「本発明の化合物(compound)」および「本発明の化合物(compounds)」という用語は、式Iの化合物および立体異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝産物、ならびにその薬学的に許容できる塩およびプロドラッグを含む。
【0060】
式Iの化合物を含む、本明細書に示される任意の式または構造は、このような化合物の水和物、溶媒和物、および多形体、およびそれらの混合物を表すことも意図される。
【0061】
式Iの化合物を含む、本明細書に示される任意の式または構造は、化合物の非標識形態ならびに同位体で標識された形態を表すことも意図される。同位体で標識された化合物は、1個以上の原子が所定の原子質量または質量数を有する原子によって置換されることを除いて、本明細書に示される式によって表される構造を有する。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、以下に限定されるものではないが、2H(重水素、D)、3H(三重水素)、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl、および125Iなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体が挙げられる。本発明の様々な同位体で標識された化合物は、例えば3H、13C、および14Cなどの放射性同位体が組み込まれるものである。このような同位体で標識された化合物は、代謝試験、反応速度試験、検出または撮像技術(薬剤または基質の組織分布アッセイを含むポジトロン放出型断層撮影法(PET)または単一光子放出型コンピューター断層撮影法(SPECT)など)、または患者の放射線治療に有用であり得る。重水素で標識されたまたは置換された本発明の治療用化合物は、分布、代謝、および排泄(ADME)に関する、改良されたDMPK(薬剤代謝および薬物動態)特性を有し得る。重水素などのより重い同位体による置換により、より高い代謝的安定性、例えば、生体内半減期の増加または必要用量の減少から得られる特定の治療上の利点が得られる。18Fで標識化された化合物は、PETまたはSPECT試験に有用であり得る。本発明の同位体で標識された化合物およびそのプロドラッグは、一般に、同位体で標識されていない試薬の代わりに容易に入手可能な同位体で標識された試薬を用いることによって、後述されるスキームまたは実施例および調製例に開示される手順を行うことによって調製することができる。さらに、より重い同位体、特に重水素(すなわち、2HまたはD)による置換により、より高い代謝的安定性、例えば、生体内半減期の増加または必要用量の減少または治療指数の向上から得られる特定の治療上の利点が得られる。この文脈における重水素が、式(I)の化合物中の置換基とみなされることが理解される。このようなより重い同位体、特に重水素の濃度は、同位体富化係数によって規定することができる。本発明の化合物において、特定の同位体として特に示されていない任意の原子は、その原子の任意の安定な同位体を表すことを意味する。特に記載しない限り、位置が特に「H」または「水素」として示される場合、その位置は、天然に存在する同位体組成で水素を有することが理解される。したがって、本発明の化合物において、特に重水素(D)として示される任意の原子は、重水素を表すことを意味する。
【0062】
ピリダジノン化合物
本発明は、Btkキナーゼによって調節される疾患、病態および/または障害の治療に潜在的に有用な、式Iのピリダジノン化合物およびその医薬製剤を提供する。
【0063】
式Iの化合物は、構造:
【化2】
を有し、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容できる塩を含む。
式中のRは、
【化3】
から選択され、波線は、結合部位を示す。
は、OH、CN、NR、C〜CのアルキルまたはC〜Cのハロアルキルで適宜選択的に置換されるC〜Cのシクロアルキル、及び、OHまたはC〜Cのアルコキシ(OC〜Cアルキル)で適宜選択的に置換されるC〜Cのアルキル、から選択される。
は、H、CHまたはCFであり;
環Bは、フェニル、少なくとも1個の窒素環原子を有する5〜6員のヘテロアリール、及び、少なくとも1個の窒素環原子を有する8〜11員のヘテロシクリルから選択され;
は、独立して、H、−R、−OR、−SR、−NR、ハロ、シアノ、ニトロ、−COR、−CO、−CONR、−OCOR、−OCO、−OCONR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−CO、−CONR、−NRCOR、−SOR、−SO、−SONR、および−NRSOから選択されるか;または2個の隣接するR基が、適宜選択的に一緒になって、O、SまたはNから選択される0〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員環を形成すると共に環Bと融合する。
上記Rは、C〜Cのアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。ここで、Rの各メンバーは、1〜3個のR11基で適宜選択的に置換されても良い。
は、H、C〜Cのアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。ここで、Hを除くRの各メンバーは、1〜3個のR11基で適宜選択的に置換されても良い。
は、Hまたは1個または3個のR11基で適宜選択的に置換されるC〜Cアルキルであり;またはRおよびR、およびそれらが結合される窒素が、適宜選択的に置換されるヘテロシクロアルキル基を形成し;
各R11は、独立して、C〜Cのアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C〜Cアルキル−、ヘテロアリール−C〜Cアルキル−、シクロアルキル−C〜Cアルキル−、ヘテロシクロアルキル−C〜Cアルキル−、C〜Cハロアルキル−、−OC〜Cアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル、−OC〜Cアルキルフェニル、−C〜Cアルキル−OH、−OC〜Cハロアルキル、ハロ、−OH、−NH、−C〜Cアルキル−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキルフェニル)、−NH(C〜Cアルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ、−COH、−C(O)OC〜Cアルキル、−CON(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−CONH(C〜Cアルキル)、−CONH、−NHC(O)(C〜Cアルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C〜Cアルキル)C(O)(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C〜Cアルキル、−C(O)C〜Cフェニル、−C(O)C〜Cハロアルキル、−OC(O)C〜Cアルキル、−SO(C〜Cアルキル)、−SO(フェニル)、−SO(C〜Cハロアルキル)、−SONH、−SONH(C〜Cアルキル)、−SONH(フェニル)、−NHSO(C〜Cアルキル)、−NHSO(フェニル)、および−NHSO(C〜Cハロアルキル)から選択される
は、H、CH、F、Cl、CN、OCH、OH、またはOH、OCHもしくは1個以上のハロ基で置換されるメチルであり;
は、H、CH、F、Cl、CNまたはOCHであり;
は、H、CH、CF、F、Cl、CNまたはOCHである。
【0064】
式Iの化合物の例示的実施態様は、Rが、HまたはCHである場合を含む。
【0065】
式Iの化合物の例示的実施態様は、Rが化4
【化4】
(式中、波線が、結合部位を示す)である場合を含む。
【0066】
式Iの化合物の例示的実施態様は、Rが、F、CHまたはCOCHで適宜選択的に置換される、シクロプロピル、アゼチジニル、アゼチジニルメチル、ピペリジニル、オキソピペリジニル、ピペラジニル、およびオキソピペラジニルから選択される場合を含む。
【0067】
式Iの化合物の例示的実施態様は、Rが、H、t−ブチル、N−ピロリジニル、N−ピペリジニル、N−アゼパニル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、プロパ−1−エン−2−イル、−N(CH)Et、i−プロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、3−メチルブタン−2−イル、−N(CH)(i−Pr)、または−NH(シクロプロピル)である場合を含む。
【0069】
式Iの化合物の例示的実施態様は、Rが、H、CH、F、またはCHOHである場合を含む。
【0070】
式Iの化合物の例示的実施態様は、Rが、HまたはFである場合を含む。
【0071】
式Iの化合物の例示的実施態様は、Bが、ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル、ピラゾール−3−イル、ピリミジン−4−イル、またはピリジン−2−イルである場合を含む。
【0072】
式Iの化合物の例示的実施態様は、下記化5
【化5】
が、構造:
【化6】
(式中、波線が、結合部位を示す)から選択される場合を含む。
【0073】
式Iの化合物の例示的実施態様は、下記式Ia
【化7】
の構造を有する化合物を含む。
【0074】
式Iの化合物の例示的実施態様は、下記式Ib
【化8】
の構造を有する化合物を含む。
【0075】
式Iの化合物の例示的実施態様は、式Ic:
【化9】
の構造を有する化合物を含む。
【0076】
式Iの化合物の例示的実施態様は、表1および表2の化合物を含む。
【0077】
本発明の式I化合物は、不斉中心またはキラル中心を含んでいてもよく、したがって異なる立体異性体として存在してもよい。以下に限定されることはないが、ジアステレオマー、鏡像異性体およびアトロプ異性体、並びに、ラセミ混合物などのそれらの混合物を含む、本発明の化合物に係る全ての立体異性体は、本発明の一部を成す。
【0078】
さらに、本発明は、シス−トランス(幾何)異性体および配座異性体を含む全てのジアステレオマーを包含する。例えば、式Iの化合物が、二重結合または縮合環を有する場合、シス−およびトランス−形態、ならびにそれらの混合物は、本発明の範囲内に包含される。
【0079】
本明細書に示される構造において、いずれの特定のキラル原子に係る立体化学も特定されていない場合、全ての立体異性体が、本発明の化合物として考えられ、含まれる。特定の配置を表す太いクサビまたは破線によって立体化学が特定される場合、立体異性体がそのように特定され、定義される。
【0080】
本発明の化合物は、非溶媒和の形態、又は、水、エタノールなどの薬学的に許容できる溶媒とともに溶媒和の形態で存在してもよく、本発明は、溶媒和の形態および非溶媒和の形態の両方を包含する。
【0081】
本発明の化合物はまた、異なる互変異性体として存在してもよく、全てのこのような形態が、本発明の範囲内に包含される。「互変異性体」または「互変異性形態」という用語は、低いエネルギー障壁によって相互に変換可能な異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピー互変異性体としても知られている)は、ケト−エノールおよびイミン−エナミン異性化などの、プロトンの移動による相互変換を含む。原子価互変異性体は、結合電子の一部の再編成による相互変換を含む。
【0082】
《生物学的評価》
酵素活性(または他の生物活性)を有する阻害剤としての式I化合物の相対的効力は、各化合物が所定の程度まで活性を阻害する濃度を測定し、次に結果を比較することによって確定することができる。典型的には、好ましい測定値は、生化学的アッセイにおいて活性の50%を阻害する濃度、すなわち、50%の抑制濃度または「IC50」である。当該技術分野における公知の従来技術を用いて、IC50値の測定を行うことができる。一般に、試験する様々な濃度範囲の阻害剤の存在下で、与えられた酵素の活性を測定することによって、IC50を測定することができる。次に、酵素活性の実験により得られた値が、使用される阻害剤の濃度に対してプロットされる。(阻害剤が全く存在しない場合の活性と比較して)50%の酵素活性を示す阻害剤の濃度が、IC50値とみなされる。同様に、他の抑制濃度は、活性の適切な測定によって規定することができる。例えば、ある設定においては、90%の抑制濃度、すなわち、IC90などを確定するのが望ましいことがある。
【0083】
式Iの化合物を、標準的な生化学的Btkキナーゼアッセイ(実施例901)によって試験した。
【0084】
式Iの化合物を試験するのに使用され得る標準的な細胞Btkキナーゼアッセイの一般的な手順は、ラモス細胞Btkアッセイ(実施例902)である。
【0085】
標準的な細胞B細胞増殖アッセイを用い、Balb/cマウスの脾臓から精製されたB細胞を使用して式Iの化合物を試験することができる(実施例903)。
【0086】
標準的なT細胞増殖アッセイを用い、Balb/cマウスの脾臓から精製されたT細胞を使用して式Iの化合物を試験することができる(実施例904)。
【0087】
8〜16週齢のBalb/cマウスの脾臓から精製された全マウスの脾細胞を用いたB細胞活性の阻害について、式Iの化合物を対象にしたCD86阻害アッセイを行うことができる(実施例905)。
【0088】
培養物中の生存B−ALL細胞の数を測定するために、式Iの化合物を対象にしたB−ALL細胞生存アッセイを行うことができる(実施例906)。
【0089】
ヤギF(ab’)2抗ヒトIgMによって表面IgMを架橋させることにより、活性化されたヒト全血中のBリンパ球によって、CD69の産生を阻害する化合物の能力を測定するために、式Iの化合物を対象にしたCD69全血アッセイを行うことができる(実施例907)。
【0090】
表1および2中の典型的な式Iの化合物は、本発明の方法にしたがって、製造され、特性が決定され、Btkの阻害について試験され、以下の構造式および対応する名前を有する(ChemDraw Ultra,Version 9.0.1,and ChemBioDraw,Version 11.0,CambridgeSoft Corp.,Cambridge MA)。2つ以上の名前が式Iの化合物または中間体に関連付けられている場合、化学構造が化合物を定義するものとする。
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
表2中の実施例を、実施例101〜126の手順と同様の手順を用いて調製した。
【0095】
【0096】




【0097】




【0098】




【0099】




【0100】





【0101】
【0102】
《式I化合物の投与》
本発明の化合物は、治療される病態に適した任意の経路によって投与してもよい。好適な経路としては、経口、非経口(皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、皮内、髄腔内および硬膜外を含む)、経皮、直腸、経鼻、局所(口腔および舌下を含む)、膣内、腹腔内、肺内および鼻腔内が挙げられる。局所的な免疫抑制療法では、化合物は、移植の前に、移植片に阻害剤を浸み込ませるか、または別の方法で移植片を阻害剤と接触させることを含む病巣内投与によって投与してもよい。好ましい経路は、例えば受容者の病態によって変わり得ることが理解されよう。化合物が経口投与される場合、薬学的に許容できる担体または賦形剤とともに、丸薬、カプセル剤、錠剤などとして製剤化してもよい。化合物が非経口投与される場合、以下に詳述するように、薬学的に許容できる非経口媒体とともに、および注射剤型の単位剤形で製剤化してもよい。
【0103】
ヒト患者を治療するための式I化合物の用量は、約10mg〜約1000mgの範囲であろう。典型的な用量は、該化合物が約100mg〜約300mgであろう。用量は、特定の化合物の吸収、分布、代謝、および排泄を含む、薬物動態および薬力学的特性に応じて、1日1回(QID)、1日2回(BID)、またはより高い頻度で投与してもよい。さらに、毒性要因は、投与量および投与計画に影響し得る。経口投与される場合、丸薬、カプセル剤、または錠剤は、毎日またはより低い頻度で、所定の期間にわたって摂取されてもよい。投与計画は、いくつかの治療のサイクルにわたって、繰り返されてもよい。
【0104】
《式I化合物による治療方法》
本発明の式I化合物は、免疫障害、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌障害または神経障害などの、Btkキナーゼに関連する異常な細胞増殖、機能または挙動から生じる疾患若しくは障害に罹患したヒト若しくは動物患者を治療するのに有用である。したがって、これらの疾患または障害は、上に定義される本発明の化合物を、ヒトを除く患者に投与することを含む、本発明の疾患または障害を治療する方法によって治療することができる。がんに罹患したヒトまたは動物患者を治療するのにも有用であり、上に定義される本発明の化合物を、ヒトを除く患者に投与することを含む本発明の疾患または障害を治療する方法によって治療され得る。それによって、患者の病態は、好転または改善され得る。
【0105】
式I化合物は、関節リウマチ、免疫抑制、臓器移植拒絶反応、アレルギー、潰瘍性大腸炎、クローン病、皮膚炎、喘息、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性硬化症、強皮症/全身性硬化症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)脈管炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬などの、全身性および局所炎症、免疫炎症性疾患というような、哺乳動物細胞、生物、または関連する病態のインビトロ、インサイチュ、およびインビボ診断または治療、ならびに一般的な関節保護作用のために有用であり得る。
【0106】
本発明の方法は、関節リウマチ、単関節炎、変形性関節症、痛風性関節炎、脊椎炎などの関節炎疾患;ベーチェット病;敗血症、敗血症性ショック、内毒素性ショック、グラム陰性敗血症、グラム陽性敗血症、および毒素ショック症候群;敗血症、外傷、または出血に続発する多臓器傷害症候群;アレルギー性結膜炎、春季結膜炎、ブドウ膜炎、および甲状腺関連眼障害などの眼疾患;好酸球性肉芽腫;喘息、慢性気管支炎、アレルギー性鼻炎、ARDS、慢性肺炎症性疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患)、珪肺症、肺サルコイドーシス、胸膜炎、肺胞炎、脈管炎、気腫、肺炎、気管支拡張症、および肺酸素中毒などの肺または呼吸器疾患;心筋、脳、または四肢の再かん流傷害;嚢胞性線維症などの線維症;ケロイド形成または瘢痕組織形成;アテローム性動脈硬化症;全身性エリテマトーデス(SLE)、自己免疫性甲状腺炎、多発性硬化症、ある種の糖尿病、およびレイノー症候群などの自己免疫疾患;およびGVHDおよび同種移植の拒絶反応などの移植拒絶障害;慢性糸球体腎炎;慢性炎症性腸疾患(CIBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、および壊死性腸炎などの炎症性腸疾患;接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、またはじんましんなどの炎症性皮膚疾患;感染症による発熱および筋肉痛;髄膜炎、脳炎、および軽度の外傷による脳または脊髄損傷などの中枢神経系または末梢神経系炎症性疾患;シェーグレン症候群;白血球血管外遊出を含む疾患;アルコール性肝炎;細菌性肺炎;抗原抗体複合体媒介性疾患;血液量減少性ショック;1型糖尿病;急性および遅延型過敏症;白血球悪液質および転移による病状;熱傷;顆粒球輸血関連症候群;およびサイトカイン誘発性毒性のような疾患の治療も含む。
【0107】
本発明の方法は、乳癌、卵巣癌、頸癌、前立腺癌、精巣癌、泌尿生殖器癌、食道癌、喉頭癌、膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、胃(stomach)癌、皮膚癌、角化棘細胞腫、肺癌、類表皮癌、大細胞癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞癌、肺腺癌、骨癌、結腸癌、腺腫、膵臓(pancreas)癌、腺癌、甲状腺癌、濾胞腺癌、未分化癌、乳頭癌、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱癌(bladder carcinoma)、肝臓癌(liver carcinoma)および胆道癌、腎臓癌(kidney carcinoma)、膵(pancreatic)癌、骨髄疾患、リンパ腫、毛様細胞腫、口腔(buccal cavity)癌、上咽頭癌、咽頭癌、口唇癌、舌癌、口腔癌、小腸癌、結腸直腸癌、大腸癌、直腸癌、脳および中枢神経系の癌、ホジキン病、白血病、気管支癌、甲状腺癌、肝臓および肝内胆管(liver and intrahepatic bile duct)の癌、肝細胞癌、胃(gastric)癌、神経膠腫/膠芽細胞腫、子宮内膜癌、黒色腫、腎臓および腎盂(kidney and renal pelvis)の癌、膀胱(urinary bladder)癌、子宮体癌、子宮頸癌、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ性白血病、骨髄性白血病、口腔および咽頭(oral cavity and pharynx)の癌、非ホジキンリンパ腫、黒色腫、および絨毛結腸腺腫から選択されるがんの治療も含む。
【0108】
本発明の方法は、再かん流傷害、すなわち、組織または器官で虚血とその後の再かん流が一定期間生じた状況から引き起こされる傷害に、罹患しているかまたは罹患する可能性のある被験体の治療において有用性を有し得る。「虚血」という用語は、動脈血の流入障害による局所的な組織貧血を指す。一過性の虚血とその後の再かん流により、特徴的に、病変部における血管の内皮を介した好中球の活性化および遊出が生じる。次に、活性化された好中球の蓄積により、反応性酸素代謝産物が生成され、この反応性酸素代謝産物は、病変組織または器官の構成要素にダメージを与える。「再かん流傷害」のこの現象は、一般的に、血管発作(広範囲の虚血および局所的虚血を含む)、出血性ショック、心筋虚血または心筋梗塞、臓器移植、および脳血管れん縮などの病態に伴う。例を挙げると、再かん流傷害は、心臓バイパス手術の終了時または一度血液の流入を止められた心臓が、再かん流し始める際の心停止中に生じる。Btk活性の阻害により、このような状況において再かん流傷害の量が減少され得ることが期待される。
【0109】
《医薬製剤》
ヒトを含む哺乳動物の治療処置に本発明の化合物を使用するために、本発明の化合物は、通常、医薬組成物としての標準的な薬務にしたがって製剤化される。本発明のこの態様によれば、薬学的に許容できる希釈剤または担体とともに、本発明の化合物を含む医薬組成物が提供される。
【0110】
典型的な製剤は、本発明の化合物および担体、希釈剤または賦形剤を混合することによって調製される。好適な担体、希釈剤および賦形剤は、当業者に周知であり、炭水化物、ワックス、水溶性および/または水膨潤性ポリマー、親水性または疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、水などの材料を含む。使用される具体的な担体、希釈剤または賦形剤は、本発明の化合物が適用される手段および目的に左右されることになる。溶媒は、一般に、哺乳動物に投与されるのに安全であると当業者によって認識される溶媒(GRAS)に基づいて選択される。一般に、安全な溶媒は、水および水に溶解可能または混和性である他の非毒性溶媒などの、非毒性の水性溶媒である。好適な水性溶媒としては、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG 400、PEG 300)など、およびそれらの混合物が挙げられる。製剤は、1種以上の、緩衝剤、安定剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、防腐剤、酸化防止剤、不透明化剤(opaquing agent)、滑剤、加工助剤、着色剤、甘味料、香料、着香剤及びその他の公知の添加剤を、薬剤(すなわち、本発明の化合物またはその医薬組成物)の見た目を良くするため、または医薬品(すなわち、薬剤)の製造を補助するために含んでもよい。
【0111】
製剤は、従来の溶解および混合手順を用いて調製してもよい。例えば、バルク薬剤物質(すなわち、本発明の化合物または安定化した形態の化合物(例えば、シクロデキストリン誘導体または他の公知の錯体化剤との錯体)が、上記の賦形剤の1つ以上の存在下で好適な溶媒に溶解される。典型的には、薬剤の投薬量を容易に制御可能とし、規定の計画に沿った患者に対するコンプライアンスを可能にするように、本発明の化合物を医薬剤形へと製剤化する。
【0112】
適用するための医薬組成物(または製剤)は、薬剤の投与に使用される方法に応じて様々な方法で包装すればよい。一般に、分配用の物品は、適切な形態で医薬製剤を中に入れる容器を含む。好適な容器は、当業者に周知であり、ボトル(プラスチックおよびガラス)、サッシェ、アンプル、プラスチック袋、金属シリンダなどの材料を含む。容器は、包装の内容物に不注意に触れるのを防ぐために、不正開封防止アセンブルを含んでも良い。さらに、容器には、容器の内容物を示すラベルが付着される。ラベルにはまた、適切な注意事項が記載されてもよい。
【0113】
本発明の化合物の医薬製剤は、様々な投与経路および投与タイプに合わせて調製することができる。例えば、所望の純度を有する式Iの化合物を、薬学的に許容できる希釈剤、担体、賦形剤または安定剤と適宜混合して(Remington’s Pharmaceutical Sciences(1980)16th edition,Osol,A.Ed.)、凍結乾燥製剤、破砕粉末、または水溶液の形態にしてもよい。製剤化は、適切なpH、周囲温度、および所望の純度で、生理学的に許容できる担体と、すなわち、用いられる投与量および濃度で受容者に対して非毒性である担体と混合することによって行うことができる。製剤のpHは、主に、化合物の具体的な用途および濃度に左右されるが、約3〜約8の範囲であれば良い。pHが5である酢酸緩衝剤中での製剤化が、好適な実施態様である。
【0114】
化合物は、通常、固体組成物、凍結乾燥製剤または水溶液として保存することができる。
【0115】
本発明の医薬組成物は、良好な医療業務に合致する、投与量、投与濃度、投与スケジュール、投与過程、投与媒体および投与経路等の形式に従って、製剤化、用量化及び投与されるであろう。この文脈における考慮因子としては、治療される具体的な障害、治療される具体的な哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジュール、および医師にとって既知の他の要因が挙げられる。投与される化合物の「治療的に有効な量」は、このような考慮事項によって左右され、過剰増殖性疾患を改善するか、または治療するのに必要な最少量である。
【0116】
一般的な問題として、用量当たりに非経口投与される阻害剤の初期の薬学的に有効な量は、1日につき患者の体重当たり、約0.01〜100mg/kg、すなわち約0.1〜20mg/kgの範囲であり、使用される化合物の典型的な初期範囲は、0.3〜15mg/kg/日である。
【0117】
許容できる希釈剤、担体、賦形剤および安定剤は、用いられる投与量および濃度において受容者に対して非毒性であり、例えば、リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤および他の有機酸緩衝剤などの緩衝剤;アスコルビン酸およびメチオニンを含む酸化防止剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルアルコールまたはベンジルアルコール;メチルパラベンまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類およびグルコース、マンノース、またはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn−タンパク質複合体);および/またはTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。医薬品有効成分はまた、例えば、コアセルベーション技術によってまたは界面重合によって調製されるマイクロカプセル、例えば、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンのマイクロカプセルおよびポリ−(メチルメタクリレート)マイクロカプセル中に、あるいは、コロイド状薬剤送達系(例えば、リポソーム、アルブミン微小球、マイクロエマルション、ナノ粒子およびナノカプセル)またはマクロエマルション中に封入されてもよい。このような技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に開示されている。
【0118】
式I化合物の徐放性製剤を調製してもよい。徐放性製剤の好適な例としては、式Iの化合物を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスが挙げられる。このマトリックスは、成形品、例えば、フィルム、またはマイクロカプセルの形態である。徐放性マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3773919号明細書)、L−グルタミン酸とγ−エチル−L−グルタメートとのコポリマー、非分解性エチレン−酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドから構成される注射用微小球)などの分解性乳酸−グリコール酸コポリマーおよびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が挙げられる。
【0119】
製剤としては、本明細書に詳述される投与経路に適したものが挙げられる。製剤は、通常、単位剤形で提供されてもよく、薬剤学の技術分野において周知の方法のいずれかによって調製されてもよい。技術および製剤は、一般に、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.,Easton,PA)に見られる。このような方法は、活性成分を、1種以上の補助的な成分である担体と合わせるステップを含む。一般に、製剤は、活性成分を、液体担体または微粉化した固体担体または両方と均一かつ緊密に合わせてから、必要に応じて、生成物を成形することによって調製される。
【0120】
経口投与に適した式Iの化合物の製剤は、所定量の式Iの化合物をそれぞれ含有する、丸薬、カプセル剤、サッシェまたは錠剤などの個別単位として調製されてもよい。圧縮錠は、適切な機械で、粉末または顆粒などの易流動性の活性成分を、結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、表面活性剤または分散剤と適宜混合して、圧縮することによって調製すればよい。湿製錠(molded tablet)は、適切な機械で、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末状の活性成分の混合物を成形することによって作製すればよい。これらの錠剤は、適宜被覆されても刻み目を入れられてもよく(scored)、適宜錠剤から活性成分が持続的に放出または制御放出されるように製剤化してもよい。錠剤、トローチ、薬用キャンディー(lozenges)、水性または油懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルション、硬カプセル剤または軟カプセル剤、例えば、ゼラチンカプセル剤、シロップまたはエリキシル剤を、経口使用向けに調製してもよい。経口使用向けの式I化合物の製剤は、医薬組成物の製造のための、当該技術分野において公知の方法にしたがって調製することができる。このような組成物は、口当たりの良い製剤を提供するために、甘味料、着香剤、着色剤および保存剤を含む1種以上の薬剤を含有しても良い。錠剤の製造に適した、非毒性の薬学的に許容できる賦形剤と混合した活性成分を含有する錠剤が許容される。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;トウモロコシでんぷん、またはアルギン酸などの、造粒剤および崩壊剤;でんぷん、ゼラチンまたはアカシアなどの結合剤;およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどの潤滑剤であっても良い。これらの錠剤は被覆されていなくてもよいが、胃腸管内の崩壊および吸着(adsorption)を遅延させ、それによって長期間にわたる持続的作用を与えるために、マイクロカプセル化を含む公知の技術によって被覆されていても良い。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料が、単独でまたはワックスとともに用いられてもよい。
【0121】
眼または他の外部組織、例えば、口および皮膚の治療では、製剤は、例えば、0.075〜20% w/wの量で活性成分を含有する局所軟膏またはクリームとして塗布されることが好ましい。軟膏に製剤化される場合、活性成分は、パラフィンまたは水混和性軟膏基剤のいずれかとともに用いられてもよい。あるいは、活性成分は、水中油型クリーム基剤とともにクリームに製剤化されてもよい。必要に応じて、クリーム基剤の水相は、多価アルコール、すなわち、プロピレングリコール、ブタン1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG 400を含む)などの2以上のヒドロキシル基を有するアルコール及びそれらの混合物を含んでも良い。局所製剤は、皮膚または他の患部への活性成分の吸収または浸透を促進する化合物を含むことが好ましい。このような皮膚浸透促進剤の例としては、ジメチルスルホキシドおよび関連する類似体が挙げられる。本発明のエマルションの油相は、公知の方法で公知の成分から構成されればよい。この油相は、乳化剤のみを含んでいてもよいが、少なくとも1種の乳化剤と、脂肪または油との混合物若しくは脂肪および油の両方との混合物を含むことが好ましい。好ましくは、親水性乳化剤が、安定剤として働く親油性乳化剤とともに含まれる。油および脂肪の両方を含むのも好ましい。まとめると、乳化剤は、安定剤とともにまたはそれを用いずに、いわゆる乳化ワックスを形成し、ワックスは、油および脂肪とともにクリーム製剤の油分散相を形成する、いわゆる乳化軟膏基剤を形成する。本発明の製剤に使用するのに適した乳化剤およびエマルション安定剤としては、Tween(登録商標)60、Span(登録商標)80、セトステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリルおよびラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0122】
式I化合物の水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合した活性材料を含有する。このような賦形剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロース、ポビドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴムなどの懸濁化剤、ならびに天然リン脂質(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと、脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)などの分散剤または湿潤剤が挙げられる。水性懸濁液は、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピルなどの1種以上の防腐剤、1種以上の着色剤、1種以上の着香剤およびスクロースまたはサッカリンなどの1種以上の甘味料も含有することができる。
【0123】
式I化合物の医薬組成物は、滅菌した注射用の水性または油性懸濁液などの滅菌した注射用製剤の形態であっても良い。この懸濁液は、上述した好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、公知の技術にしたがって製剤化されてもよい。滅菌した注射用製剤はまた、1,3−ブタンジオールの溶液のような非毒性の非経口的に許容できる希釈剤または溶媒の滅菌した注射液または注射用懸濁液であってもよく、または凍結乾燥粉末として調製される。用いることのできる許容できる媒体および溶媒の中には、水、リンゲル液および生理食塩水がある。さらに、滅菌した固定油は、通例、溶媒または懸濁媒体として用いることができる。この目的のために、合成モノジグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の(bland)固定油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸を、同様に注射用製剤に使用してもよい。
【0124】
単回投与剤形を生成するように担体材料と組み合わされ得る活性成分の量は、治療されるホストおよび具体的な投与形態に応じて変わることになる。例えば、ヒトへの経口投与向けの徐放性製剤では、全組成物の約5〜約95%(重量:重量)で変動し得る適切かつ好都合な量の担体材料と組み合わされる、約1〜1000mgの活性材料を含有することができる。医薬組成物は、容易に測定可能な投与量を与えるように調製されてもよい。例えば、静脈内注射向けの水溶液では、約30mL/時の速度で好適な体積の注射を行うことができるように、溶液のミリリットル当たり、約3〜500μgの活性成分を含有することができる。
【0125】
非経口投与に適した製剤は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および、製剤を対象とする受容者の血液と等張にする溶質を含有し得る、水性および非水性の滅菌した注射液;ならびに懸濁化剤および増粘剤を含有し得る水性および非水性の滅菌懸濁液を含む。
【0126】
眼への局所投与に適した製剤としては、活性成分が、適切な担体、特に活性成分用の水性溶媒に、溶解または懸濁された点眼剤も挙げられる。活性成分は、好ましくは、約0.5〜20% w/w、例えば約0.5〜10% w/w、例えば約1.5% w/wの濃度で、このような製剤中に存在する。
【0127】
経口局所投与に適した製剤としては、風味付けされた基剤、通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント中に活性成分を含む薬用キャンディー;ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアなどの不活性基剤中に活性成分を含むトローチ;および好適な液体担体中に活性成分を含む洗口剤が挙げられる。
【0128】
直腸投与用の製剤は、例えばカカオ脂またはサリチル酸塩を含む好適な基剤を含む坐薬として提供されてもよい。
【0129】
肺内または経鼻投与に適した製剤は、例えば0.1〜500ミクロンの範囲の粒度(0.5、1、30ミクロン、35ミクロンなどのミクロン増分で0.1〜500ミクロンの範囲の粒度を含む)を有し、これは、肺胞嚢に到達するように、鼻腔を介した急速吸入によってまたは経口吸入によって投与される。好適な製剤は、活性成分の水性または油性溶液を含む。エアロゾルまたは乾燥粉末投与に適した製剤は、従来の方法にしたがって調製することができるが、後述される障害を治療または予防するのに従来使用される化合物などの、他の治療剤とともに送達されてもよい。
【0130】
膣内投与に適した製剤は、活性成分に加えて、適切であると当該技術分野において知られているような担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体または噴霧製剤として提供されてもよい。
【0131】
製剤は、単回投与または複数回投与容器、例えば密閉されたアンプルおよびバイアルに包装されてもよく、使用の直前に注射用の滅菌した液体担体、例えば水を加えるのみで済むフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存されてもよい。即時注射液および注射用懸濁液は、上述した種類の滅菌した粉末、顆粒および錠剤から調製される。好ましい単位剤形の製剤は、本明細書において上に記載されるように、活性成分の1日分の用量または1日分の部分用量(sub−dose)、またはその適切な一部を含有するものである。
【0132】
本発明は、上に定義される少なくとも1種の活性成分を、そのための獣医学用(veterinary)担体とともに含む獣医学用組成物をさらに提供する。獣医学用担体は、組成物を投与するために有用な材料であり、固体、液体または気体材料であってもよく、これらは本来、不活性または獣医学技術分野において許容可能で、かつ活性成分と適合するものである。これらの獣医学用組成物は、非経口で、経口で、または任意の他の所望される経路によって投与されてもよい。
【0133】
《併用療法》
式I化合物は、単独で用いられるかあるいは炎症または過剰増殖性疾患(例えば、がん)などの本明細書に記載された、疾患または障害の治療のための他の治療剤と併用されてもよい。特定の実施態様における式I化合物は、医薬的複合製剤中で、または併用療法としての投与計画中に、抗炎症性または抗過剰増殖性を有するかあるいは炎症、免疫応答障害、または過剰増殖性疾患(例えば、がん)を治療するのに有用な第2の治療用化合物と組み合わされる。第2の治療剤は、NSAID抗炎症剤であっても良い。第2の治療剤は、化学療法剤であっても良い。医薬的複合製剤または投与計画の第2の化合物は、好ましくは、互いに悪影響を与えないように式I化合物を補完する活性を有する。このような化合物は、好適には、意図した目的に有効な量で組み合わされて存在する。一実施態様において、本発明の組成物は、式Iの化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝産物、または薬学的に許容できる塩またはプロドラッグを、NSAIDなどの治療剤と組み合わせて含む。
【0134】
併用療法では、同時または連続した投与計画として投与されてもよい。連続投与される場合、組合せが、2回以上の投与で投与されてもよい。併用投与には、別個の製剤または単一の医薬製剤を用いた同時投与、及びいずれかの順序で行う連続投与が含まれ、その際、両方(または全ての)活性剤がそれらの生物学的活性を同時に発揮する期間があることが好ましい。
【0135】
上記の併用投与される薬剤のいずれかの好適な投与量は、現在使用されているものであり、新たに同定された薬剤および他の治療剤または治療の複合作用(相乗効果)により減少され得る。
【0136】
併用療法は、「相乗効果」を与え、「相乗作用がある(synergistic)」、すなわち、活性成分を併用した場合に得られる作用が、化合物を別々に用いることから得られる作用の合計を超えることが分かっている。活性成分が:(1)同時に製剤化され、投与されるかまたは併用した単位剤形の製剤で同時に送達されるか;(2)別個の製剤として交互に(by alternation)または並行して送達されるか;あるいは(3)何らかの他の投与計画による場合に、相乗効果が得られる。交互療法(alternation therapy)で送達される場合、化合物が例えば、別個の注射器での異なる注射、別個の丸薬またはカプセル剤、または別個の注入によって連続して投与または送達される場合も、相乗効果が得られる。一般に、交互療法の際、有効な投与量の各活性成分が、連続して、すなわち、逐次投与される一方、併用療法では、有効な投与量の2種以上の活性成分が一緒に投与される。
【0137】
治療法の特定の実施態様において、式Iの化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝産物、または薬学的に許容できる塩もしくはプロドラッグが、本明細書に記載されたものなど、他の治療剤、ホルモン剤または抗体薬剤と組み合わされてもよいだけでなく、外科的治療および放射線療法と組み合わされてもよい。したがって、本発明に係る併用療法は、少なくとも1種の式I化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝産物、または薬学的に許容できる塩もしくはプロドラッグの投与、および少なくとも1つの、他のがん治療方法の使用を含む。式Iの化合物および他の薬学的に有効な治療剤の量ならびに投与の相対的なタイミングは、所望の複合治療効果が得られるように選択されることになる。
【0138】
《式I化合物の代謝産物》
本明細書に記載された式Iの生体内代謝産物も本発明の範囲内に含まれる。このような産物は、例えば、投与される化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、脱エステル化、酵素的切断などから得られる。したがって、本発明は、本発明の化合物を、その代謝産物を得るのに十分な期間にわたって哺乳動物と接触させることを含む方法によって生成される化合物を含む、式I化合物の代謝産物を含む。
【0139】
代謝産物は、典型的には、本発明の化合物の放射性標識(例えば、14CまたはH)同位体を調製し、検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kg超)で、ラット、マウス、モルモット、サル、またはヒトなどの動物にそれを非経口で投与し、十分な時間(典型的に、約30秒間〜30時間)代謝を行わせ、その転化産物を尿、血液または他の生体試料から単離することによって同定される。これらの産物は、標識されるため、容易に単離される(その他は、代謝産物中で生存しているエピトープを結合することが可能な抗体の使用によって単離される)。代謝産物の構造は、従来の方式で、例えば、MS、LC/MSまたはNMR分析によって決定される。一般に、代謝産物の分析は、当業者に周知の従来の薬剤代謝試験と同じ方法で行われる。代謝産物は、生体内で他の形で(otherwise)見られない限り、本発明の化合物を治療的に投与するための診断アッセイに有用である。
【0140】
《製品》
本発明の別の実施態様においては、上述される疾患および障害の治療に有用な材料を含有する、製品、または「キット」が提供される。一実施態様におけるキットは、式Iの化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝産物、または薬学的に許容できる塩もしくはプロドラッグを含む容器を含む。キットは、容器上にまたは容器に付属するラベルまたは添付文書をさらに含むことができる。「添付文書」という用語は、治療製品の商品包装に通例含まれる説明書を指すのに使用され、このような治療製品の使用に関する、指示、使用法、用量、投与、禁忌および/または注意事項についての情報を含む。好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、注射器、ブリスターパックなどが挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料で形成されてもよい。容器は、病態を治療するのに有効な式I化合物またはその製剤を保持することができ、滅菌したアクセスポート(access port)を有し得る(例えば、容器は、皮下注射針によって突き刺し可能な栓を有する静脈注射用の溶液バッグまたはバイアルであっても良い。)。組成物中の少なくとも1種の活性剤が式Iの化合物である。ラベルまたは添付文書には、組成物が、がんなどの選択される病態を治療するのに使用されることが示される。さらに、ラベルまたは添付文書には、治療対象の患者が、過剰増殖性疾患、神経変性、心臓肥大、疼痛、片頭痛または神経外傷性の疾患もしくはイベントなどの障害を有する患者であることが示されてもよい。一実施態様においては、ラベルまたは添付文書に、式Iの化合物を含む組成物が、異常な細胞増殖から生じる障害を治療するのに使用され得ることが示される。ラベルまたは添付文書には、この組成物が、他の障害を治療するのに使用され得ることが示されてもよい。その代わりに、またはそれに加えて、製品は、注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液およびデキストロース溶液などの薬学的に許容できる緩衝剤を含む、第2の容器をさらに含み得る。製品は、他の緩衝剤、希釈剤、フィルタ、針、および注射器を含む、商業上および使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
【0141】
キットは、式I化合物の投与のための説明書および、存在する場合、第2の医薬製剤をさらに含み得る。例えば、キットが式Iの化合物および第2の医薬製剤を含む第1の組成物を含む場合、キットは、第1および第2の医薬組成物を、それを必要とする患者に、同時投与、連続投与または個別投与するための説明書をさらに含み得る。
【0142】
別の実施態様におけるキットは、錠剤またはカプセル剤などの、式I化合物の固体経口形態の送達に適している。このようなキットは、いくつかの単位剤形を含むことが好ましい。このようなキットは、その意図した使用の順序で配置される、複数の投与量を有するカードを含み得る。このようなキットの例は「ブリスターパック」である。ブリスターパックは、包装産業において周知であり、医薬的単位剤形を包装するのに広く使用されている。必要に応じて、記憶を補助するもの(memory aid)が、例えば、数字、文字、または他の印の形態で、あるいは治療スケジュールにおいて、それらの投与量が投与されてもよい日付を表すカレンダー挿入物(calendar insert)と共に提供されてもよい。
【0143】
一実施態様によれば、キットは、(a)式Iの化合物が中に含まれる第1の容器;および適宜(b)第2の医薬製剤が中に含まれる第2の容器を含んでいてもよく、ここで、第2の医薬製剤は、抗過剰増殖活性を有する第2の化合物を含む。その代わりに、またはそれに加えて、キットは、注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液およびデキストロース溶液などの、薬学的に許容できる緩衝剤を含む第3の容器をさらに含み得る。キットは、他の緩衝剤、希釈剤、フィルタ、針、および注射器を含む、商業上および使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
【0144】
キットが式Iの組成物および第2の治療剤を含む、特定の他の実施態様におけるキットは、分けられたボトルまたは分けられたホイルパケットなどの、別個の組成物を含む容器を含み得るが、別個の組成物はまた、分けられていない単一の容器内に含まれていてもよい。典型的には、キットは、別個の成分を投与するための説明書を含む。キットの形態は、別個の成分が異なる剤形(例えば、経口および非経口)で投与されることが好ましい場合、異なる投与間隔で投与される場合、または、組み合わせる個々の成分の滴定が、処方医師によって求められる場合、特に有利である。
【0145】
《式I化合物の調製》
式Iの化合物は、特に、本明細書に含まれる説明を考慮して、化学の技術分野で周知の方法、およびそれぞれ参照することにより明示的に援用される、Comprehensive Heterocyclic Chemistry II,Editors Katritzky and Rees,Elsevier,1997、例えばVolume 3;Liebigs Annalen der Chemie,(9):1910−16,(1985);Helvetica Chimica Acta,41:1052−60,(1958);Arzneimittel−Forschung,40(12):1328−31,(1990)に記載される他の複素環についての方法と同様の方法を含む合成経路によって合成することができる。出発材料は、一般に、Aldrich Chemicals(Milwaukee,WI)などの商業的供給源から入手可能であるか、または当業者に周知の方法を用いて容易に調製される(例えば、Louis F.Fieser and Mary Fieser,Reagents for Organic Synthesis,v.1−23,Wiley,N.Y.(1967−2006 ed.)、またはBeilsteins Handbuch der organischen Chemie,4,Aufl.ed.Springer−Verlag,Berlinに一般に記載される方法によって調製される(補足:Beilsteinのオンラインデータベースによっても入手可能なものを含む。)。
【0146】
式I化合物を合成するのに有用な合成化学の変換および保護基の方法(保護および脱保護)ならびに必要な試薬および中間体は、当該技術分野において公知であり、これらとしては、例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.,John Wiley and Sons(1999);およびL.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)、およびそれ以降の版に記載されるものが挙げられる。
【0147】
式Iの化合物は、単独であるいは少なくとも2種、例えば5〜1,000種の化合物、または10〜100種の化合物を含む化合物ライブラリとして調製することができる。式I化合物のライブラリは、「分割および混合(split and mix)」を組み合わせた手法によって、または、溶液相若しくは固相化学のいずれかを用いた複数の並行した合成によって、当業者に公知の手順によって調製することができる。したがって、本発明のさらなる態様によれば、少なくとも2種の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含む化合物ライブラリが提供される。
【0148】
図および実施例は、式I化合物を調製するための例示的な方法を提供する。当業者は、他の合成経路を用いて式I化合物を合成し得ることを理解するであろう。特定の出発材料および試薬が、図および実施例に示され、説明されているが、様々な誘導体および/または反応条件を得るために他の出発材料および試薬で容易に代用され得る。さらに、記載される方法によって調製される例示的な化合物の多くは、当業者に周知の従来の化学を用いると共に本開示を考慮してさらに変更され得る。
式I化合物を調製する際、中間体の遠隔官能基(remote functionality)(例えば、第1級または第2級アミン)の保護が必要なことがある。このような保護の必要性は、遠隔官能基の性質および調製方法の条件に応じて変わるであろう。好適なアミノ保護基としては、アセチル、トリフルオロアセチル、t−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)および9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル(fluorenylmethyleneoxycarbonyl)(Fmoc)が挙げられる。このような保護の必要性は、当業者には容易に理解される。保護基およびそれらの使用の一般的な説明については、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,New York,1991を参照されたい。
【0149】
一般的な手順A 鈴木カップリング
【化10】
【0150】
鈴木型カップリング反応は、A−3などの式I化合物の環および中間体を結合させる炭素−炭素結合を形成するのに有用である(Suzuki(1991)Pure Appl.Chem.63:419−422;Miyaura and Suzuki(1979)Chem.Reviews 95(7):2457−2483;Suzuki(1999)J.Organometal.Chem.576:147−168)。鈴木カップリングは、B−2またはB−5などのハロゲン化アリールと、A−1またはA−2などのボロン酸とのパラジウム媒介性のクロスカップリング反応である。例えば、B−2を、約1.5当量の4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)と組み合わせて、水中の1モル溶液として約3当量の炭酸ナトリウムおよび等体積のアセトニトリルに溶解させる。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドなどの触媒量以上の低原子価パラジウム試薬を加える。場合によっては、酢酸カリウムを、炭酸ナトリウムの代わりに用いて、水層のpHを調整する。次に、反応物を、Biotage Optimizer(Biotage,Inc.)などのマイクロ波反応器中で10〜30分間、加圧下で約140〜150℃まで加熱する。内容物を、酢酸エチル、または別の有機溶媒で抽出する。有機層を蒸発させた後、ホウ素エステルA−1を、シリカ上でまたは逆相HPLCによって精製する。置換基Y、Y、RおよびRは、定義されるとおりであるか、あるいは保護された形態またはその前駆体である。同様に、臭化物中間体B−5を、ボロニル化して(boronylate)、A−2を得ることができる。置換基Y、Y、R、R、R、R、Z、Z、Z、Z、およびXは、定義されるとおりであるか、あるいは保護された形態またはその前駆体である。
【0151】
B−2とA−2との鈴木カップリング、またはA−1とB−5との鈴木カップリングにより、式Iの化合物または中間体A−3が得られる。ボロン酸エステル(またはボロン酸)(1.5当量)A−1またはA−2、およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(0.05当量)などのパラジウム触媒を、アセトニトリル中のハロ中間体(1当量)B−2またはB−5と、1Mの炭酸ナトリウム水溶液(アセトニトリルと等体積)との混合物に加える。反応混合物を、マイクロ波中で約15分間、約150℃まで加熱する。LC/MSにより、反応が完了するときが示される。水を混合物に加え、沈殿した生成物をろ過し、HPLCによって精製して、生成物A−3が得られる。置換基R1’、R2’、R4’は、定義されるとおりのR、R、R、あるいは保護された形態またはその前駆体であり得る。
【0152】
様々なパラジウム触媒を、鈴木カップリングステップの際に使用することができる。PdCl2(PPh、Pd(t−Bu)、PdCl dppf CHCl、Pd(PPh、Pd(OAc)/PPh、ClPd[(Pet)]、Pd(DIPHOS)、ClPd(Bipy)、[PdCl(PhPCHPPh)]、ClPd[P(o−tol)、Pd(dba)/P(o−tol)、Pd(dba)/P(フリル)、ClPd[P(フリル)、ClPd(PMePh、ClPd[P(4−F−Ph)、ClPd[P(C、ClPd[P(2−COOH−Ph)(Ph)、ClPd[P(4−COOH−Ph)(Ph)、および封入された触媒Pd EnCat(商標)30、Pd EnCat(商標)TPP30、およびPd(II)EnCat(商標)BINAP30を含む様々な低原子価Pd(II)およびPd(0)触媒を、鈴木カップリング反応に使用することができる(米国特許出願公開第2004/0254066号明細書)。
【0153】
一般的な手順B ブッフバルト反応
【化11】
【0154】
ブッフバルト反応は、6−ブロモ中間体B−1をアミノ化するのに有用である(Wolf and Buchwald(2004)Org.Synth Coll.Vol.10:423;Paul et al(1994)Jour.Amer.Chem.Soc.116:5969−5970)。DMF中のハロ中間体B−1の溶液に、適切なアミンR−NH(200モル%)、CsCO(50モル%)、Pd(dba)(5モル%)、およびキサントフォス(10モル%)を加える。反応物を、Biotage optimizerマイクロ波反応器中で約30分間、加圧下で約110℃まで加熱する。得られた溶液を真空中で濃縮したところ、B−2が得られる。他のパラジウム触媒およびホスフィン配位子が有用であり得る。
【化12】
環状アミド中間体B−3および臭化アリールB−4を用いて、ブッフバルト条件下でN−アリールアミド中間体B−5を調製することもできる。
【0155】
図1は、式Iの化合物8を作製するための例示的な合成経路を示し、この合成経路は、二環式ピロロン4をメチルまたはヒドロキシメチルベンゼン5とカップリングさせて、中間体6を得るブッフバルト反応と、それに続く、ボロネート7を調製し、それをブロモ−ピリドンまたは−ピラジノン2とカップリングさせる連続鈴木反応、または6をピリドン−またはピラジノン−ボロネート3とカップリングさせる単一の鈴木反応のいずれかを含む。ブロモ−ピリドンまたは−ピラジノン2は、ジブロモ−ピリドンまたは−ピラジノンと、複素環アミンまたはアニリンとのブッフバルト反応によって調製され得る。ピリドン−またはピラジノン−ボロネート3は、2とジボロネートとの鈴木反応によって調製され得る。
【0156】
図2は、ブロモアニリン誘導体に二環式ピロロンを組み合わせて、図Iに概説される役割に使用し得る臭化物を得ることを含む、式Iの化合物8を製造するための例示的な合成経路を示す。
【0157】
図3は、分子12における残りの部分のアミノ誘導体に二環式ピロロンを組み合わせることを含む、式Iの化合物8を製造するための例示的な合成経路を示す。
【実施例】
【0158】
実施例101
実施例101a メチル3−メチルチオフェン−2−カルボキシレート101a
【化13】
30mLのメタノール中の3−メチルチオフェン−2−カルボニルクロリド(1)(10mL、18ミリモル)を、18時間にわたって還流状態で沸騰するまで加熱してから、真空中で濃縮した。残渣をジエチルエーテルと水とに分液した。有機層を、NaSOを用いて乾燥させ、濃縮したところ、101a(12.12g、100%)が透明の油として得られ、それをさらに精製せずに使用した。
【0159】
実施例101b メチル5−tert−ブチル−3−メチルチオフェン−2−カルボキシレート 101b
【化14】
AlCl(15.60g、117ミリモル)をCHCl2(18mL)に懸濁させ、混合物を−78℃に冷却した。CHCl(9mL)中の12.28g(78ミリモル)の101aの溶液を5分間かけて滴下して加えた。混合物を5分間撹拌した。次に、CHCl(9mL)中の8.9mL(82ミリモル)2−クロロ−2−メチルプロパンの溶液を45分間かけて加え、得られた混合物を−78℃で1時間撹拌した。反応混合物を徐々に室温まで温め、24時間撹拌した。反応混合物を氷上に注ぎ、CHClで抽出した。有機層を、NaSOを用いて乾燥し、油になるまで濃縮し、ヘキサン中のCHClの勾配(0〜10%)によって溶離するシリカ上でそれを精製したところ、9.94g(60%)の101bが得られた。
【0160】
実施例101c メチル3−(ブロモメチル)−5−tert−ブチルチオフェン−2−カルボキシレート 101c
【化15】
40mLの四塩化炭素中の、3.15g(14.8ミリモル)の101bと、3.17g(17.8ミリモル)のN−ブロモ−スクシンイミドと、0.122g(0.742ミリモル)の2,2’−アゾビスイソブチロニトリルとの混合物を、85℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷まし、ろ過した。ろ液を真空中で濃縮し、得られた残渣を、シリカ:ISCO 40gのカラム、ヘキサン中0〜20%のCHClにおいて精製した。3.0g(70%)の101cを単離した。
【0161】
実施例101d メチル3−((3−ブロモ−2−メチルフェニルアミノ)メチル)−5−tert−ブチルチオフェン−2−カルボキシレート 101d
【化16】
磁気撹拌器を備えた250mLの一口丸底フラスコに、窒素をパージし、101c(1.09g、4.68ミリモル)、3−ブロモ−2−メチル−アニリン(2.61g、14.0ミリモル)およびアセトニトリル(25mL)を入れた。炭酸セシウム(1.67g、5.15ミリモル)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。次に、反応混合物を減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーによる得られた残渣の精製により、70%の収率(1.30g)の101dが黄色の油として得られた:H NMR(300MHz、CDCl)δ 6.92(m,2H)、6.85(s,1H)、6.57(dd,1H,J=4.8,2.1Hz)、4.60(s,2H)、3.86(s,3H)、2.29(s,3H)、1.37(s,9H);MS(ESI+)m/z 396.2(M+H)。
【0162】
実施例101e 3−((3−ブロモ−2−メチルフェニルアミノ)メチル)−5−tert−ブチルチオフェン−2−カルボン酸 101e
【化17】
磁気撹拌器を備えた50mLの一口丸底フラスコに、101d(1.30g、3.28ミリモル)、THF(5.0mL)、メタノール(5.0mL)および水(5.0mL)を入れた。水酸化リチウム(1.38g、32.8ミリモル)を加え、混合物を40℃の油浴に入れた。16時間後、反応混合物を室温に冷まし、揮発性物質を減圧下で除去した。得られた水溶液を、2Nの塩酸を用いてpH4まで酸性化した。得られた固体をろ過して取り除き、真空オーブン中40℃で乾燥させたところ、定量的収量(1.25g)の101eが白色の固体として得られた:融点150〜152℃;H NMR(300MHz、DMSO−d)δ 6.85(t,1H,J=7.8Hz)、6.75〜6.67(m,3H)、4.35(s,2H)、2.18(s,3H)、1.26(s,9H);MS(APCI−)m/z 380.2(M−H)。
【0163】
実施例101f 5−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−2−tert−ブチル−4H−チエノ[3,2−c]ピロール−6(5H)−オン 101f
【化18】
磁気撹拌器を備えた250mLの一口丸底フラスコに、窒素をパージし、101e(1.12g、2.93ミリモル)および無水塩化メチレン(50mL)を入れた。塩化チオニル(1.25g、10.5ミリモル)を加え、反応物を室温で撹拌した。16時間後、反応物を減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーによる得られた残渣の精製により、65%の収率(757mg)の101fが白色の固体として得られた:融点185〜186℃;H NMR(300MHz、CDCl)δ 7.56(dd,1H,J=6.6,1.2Hz)、7.20(dd,1H,J=6.3,1.5Hz)、7.11(t,1H,7.8Hz)、6.87(s,1H)、4.56(s,2H)、2.33(s,3H)、1.45(s,9H);MS(ESI+)m/z 364.2(M+H)。
【0164】
実施例101g 2−tert−ブチル−5−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−4H−チエノ[3,2−c]ピロール−6(5H)−オン 101g
【化19】
磁気撹拌器を備えた100mLの一口丸底フラスコに、(7)(757mg、2.08ミリモル)、ビス(ピナコラト)ジボロン(554mg、2.18ミリモル、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(191mg、0.21ミリモル)、ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(X−Phos)(198mg、0.42ミリモル)、酢酸カリウム(306mg、3.12ミリモル)および無水ジオキサン(10mL)を入れた。次に、フラスコを密閉し、フラスコを排気し、それに3回窒素を補充することによって混合物を脱気した。次に、反応物を80℃の油浴に入れた。16時間後、次に、反応物を室温に冷まし、減圧下で残渣になるまで濃縮した。次に、得られた残渣を酢酸エチル(300mL)で希釈し、水(120mL)で洗浄した。次に、有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤を真空ろ過によって除去し;ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、63%の収率(541mg)の(8)が黄色の泡状体として得られた:融点102〜104℃;H NMR(300MHz、CDCl)δ 7.79(dd,1H,J=5.4,1.8Hz)、7.29(m,1H)、7.23(m,1H)、6.86(s,1H)、4.53(s,2H)、2.45(s,3H)、1.41(s,9H)、1.27(s,12H);MS(APCI+)m/z 411.2(M)。
【0165】
実施例101h (3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−イル)メタノール 101h
【化20】
機械的撹拌器、滴下漏斗および窒素導入口を備えた3Lの三つ口丸底フラスコに、窒素をパージし、3−ニトロピラゾール−5−カルボン酸(28.0g、178ミリモル)およびTHF(420mL)を入れ、氷/アセトン浴を用いて−5℃に冷却した。ボラン−THF錯体溶液(1.0M、535mL、535ミリモル)を、内部反応温度を5℃未満に維持する速度で加えた。添加が完了した後、冷却浴を除去し、反応物を室温で18時間撹拌した。この後、反応物を、氷/アセトン浴を用いて−5℃に冷却し、水(70mL)および4Nの塩酸(70mL)を加え、ピラゾールとのボラン錯体を分解するために、反応物を1時間還流状態で撹拌した。反応物を室温に冷まし、約30mLの体積になるまで減圧下で濃縮した。酢酸エチル(175mL)を加え、混合物を15分間撹拌した。水層を分離し、酢酸エチル(4×200mL)で抽出した。一緒にした有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、乾燥剤をろ過によって除去し、ろ液を減圧下で濃縮したところ、94%の収率(24.0g)で(3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−イル)メタノール(101h)が淡黄色の固体として得られた:1H NMR(300MHz、DMSO−d)δ 13.90(br s,1H)、6.87(s,1H)、5.58(t,1H,J=5.4Hz)、4.53(d,2H,J=5.1Hz);MS(ESI+)m/z 144.0(M+H)。
【0166】
実施例101i (1−(2−ブロモエチル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−イル)メタノール 101i
【化21】
機械的撹拌器および温度調節器を備えた1Lの三つ口丸底フラスコに、窒素をパージし、(3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−イル)メタノール101h(25.0g、175ミリモル)、DMF(250mL)、および炭酸セシウム(70.0g、215ミリモル)を入れ、104℃で5分間加熱した。次に、反応混合物を氷/アセトン浴を用いて0℃に冷却し、ジブロモエタン(329g、1.75モル)を何度かに分けて加えた(発熱なし)。反応物を、0℃で1時間、次に室温で4時間撹拌した。この後、水(400mL)中のKHPO4(40g)の溶液をゆっくりと加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した。酢酸エチル(450mL)を加え、水層を分離し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。一緒にした有機層を、水(200mL)、塩水(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮したところ、86%の収率(37.5g)で、粗生成物(1−(2−ブロモエチル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−イル)メタノール(101i)がオレンジ色の油として得られた:1H NMR(300MHz、CDCl)δ 6.85(s,1H)、4.82(d,2H,J=5.4Hz)、4.66(t,2H,J=6.3Hz)、3.83(t,2H,J=6.3Hz);MS(ESI+)m/z 249.9(M+H)。この材料を次の工程にそのまま使用した。
【0167】
実施例101j 1−(2−ブロモエチル)−5−(ブロモメチル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール 101j
【化22】
磁気撹拌器、窒素導入口および還流冷却器を備えた500mLの三つ口丸底フラスコに、窒素をパージし、(1−(2−ブロモエチル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−イル)メタノール 101j(37.0g、148ミリモル)およびクロロホルム(160mL)を入れた。反応物を、氷/アセトン浴を用いて−5℃に冷却し、三臭化リン(40.0g、148ミリモル)を何度かに分けて加えた。冷却浴を除去し、反応物を2時間還流状態で撹拌した。この後、反応物を−5℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(250mL)を、pH8.5に達するまで加えた。混合物を酢酸エチル(3×150mL)で抽出し、一緒にした有機層を、飽和炭酸ナトリウム水溶液(2×50mL)、塩水(75mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮したところ、黄色の残渣が得られ、それを穏やかに加熱しながら塩化メチレン(60mL)に溶解させた。ヘキサン(約20mL)を加えたところ、溶液が曇った。固体沈殿物が形成されるまで混合物を加熱し、塩化メチレン(9mL)を加えたところ、溶液が透明になった。溶液を室温に冷まし、4時間後、得られた結晶を真空ろ過によって収集した。ろ過ケーキを塩化メチレン:ヘキサンの氷冷1:2混合物(2×20mL)で洗浄したところ、1−(2−ブロモエチル)−5−(ブロモメチル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール(101j)(19.7g)が得られた。一緒にしたろ液を蒸発させ、この手順を再度行ったところ、追加の、9.70gの1−(2−ブロモエチル)−5−(ブロモメチル)−3−ニトロ−1H−ピラゾールが得られた。固体と合わせて、高真空下で18時間乾燥させたところ、57%の収率(26.0g)で、1−(2−ブロモエチル)−5−(ブロモメチル)−3−ニトロ−1H−ピラゾールが白色の結晶として得られた:融点95〜97℃;1H NMR(300MHz、CDCl)δ 6.93(s,1H)、4.63(t,2H,J=6.0Hz)、4.54(s,2H)、3.86(t,2H,J=6.0Hz)。
【0168】
実施例101k 5−メチル−2−ニトロ−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン 101k
【化23】
磁気撹拌器および窒素導入口を備えた1Lの一口丸底フラスコに、THF(350mL)、1−(2−ブロモエチル)−5−(ブロモメチル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール 101j(10.0g、32.2ミリモル)、2MのメチルアミンTHF溶液(113mL、225ミリモル)を入れ、室温で72時間撹拌した。この後、反応物を減圧下で濃縮乾固し、得られた固体を、酢酸エチル(75mL)と10%の炭酸カリウム水溶液(75mL)との混合物とともに撹拌した。水層を分離し、酢酸エチル(2×75mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物を、10%の炭酸カリウム水溶液(75mL)、続いて塩水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去し、ろ液を減圧下で濃縮したところ、97%の収率(5.70g)で、5−メチル−2−ニトロ−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン101kが黄色の固体として得られた:1H NMR(300MHz、CDCl3)d 6.62(s,1H)、4.28(t,2H,J=5.4Hz)、3.67(s,2H)、2.95(t,2H,J=5.4Hz)、2.52(s,3H);MS(ESI+)m/z 183.0(M+H)。
【0169】
実施例101l 5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−アミン 101l
【化24】
500mLのParr反応器ボトルに、窒素をパージし、10%のパラジウム炭素(50%湿潤、800mgの乾燥重量)およびエタノール(160mL)中の5−メチル−2−ニトロ−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン101k(4.00g、2.20ミリモル)の溶液を入れた。ボトルをParr水素化装置に取り付け、排気し、45psiの圧力になるまで水素ガスを充填し、2時間振とうした。この後、水素を排気し、窒素をボトルに充填した。セライト 521(1.0g)を加え、混合物を、セライト 521のパッドを通してろ過した。ろ過ケーキをエタノール(2×75mL)で洗浄し、組み合わされたろ液を、減圧下で濃縮乾固したところ、99%の収率で、5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−アミン(101l)(3.31g)がオレンジ色の固体として得られた:H NMR(300MHz、CDCl)δ 5.34(s,1H)、3.98(t,2H,J=5.4Hz)、3.52(s,3H)、2.84(t,2H,J=5.7Hz)、2.45(s,3H);MS(ESI+)m/z 153.1(M+H)。
【0170】
実施例101m 6−クロロ−4−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オン 101m
【化25】
磁気撹拌器、還流冷却器および窒素導入口を備えた50mLの一口丸底フラスコに、1,4−ジオキサン(5.0mL)、5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−アミン101l(152mg、1.00ミリモル)、4−ブロモ−6−クロロピリダジン−3(2H)−オン(209mg、1.00ミリモル)およびLiHMDSの1M THF溶液(5.0mL、5.00ミリモル)を入れた。得られた溶液を通して30分間窒素をバブリングした後、キサントホス(49mg、0.05ミリモル)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(59mg、0.085ミリモル)を加え、反応混合物を3時間還流状態で加熱した。この後、反応物を室温に冷まし、水(10mL)を加えた。2Nの塩酸を用いてpHを6.5に調整した。得られた沈殿物を真空ろ過によって収集し、水(2×25mL)で洗浄し、シリカゲルに吸収し、フラッシュクロマトグラフィーによって精製したところ、74%の収率(210mg)で、6−クロロ−4−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オン101mが淡褐色の固体として得られた:H NMR(300MHz、DMSO−d)δ 12.94(s,1H)、9.55(s,1H)、7.68(s,1H)、5.96(s,1H)、4.04(t,1H,J=5.7Hz)、3.53(s,2H)、2.82(t,2H,J=5.7Hz)、2.36(s,3H);MS(ESI+)m/z 281.1(M+H)。
【0171】
実施例101 6−(3−{2−tert−ブチル−6−オキソ−4H,5H,6H−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル}−2−メチルフェニル)−4−({5−メチル−4H,5H,6H,7H−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジヒドロピリダジン−3−オン 101
乾燥した圧力フラスコに、0.968ミリモルの101m、1.065ミリモルの101g、および56mg(5モル%)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を入れ、フラスコを真空下で排気してから、それに窒素を充填した。この手順を2回以上繰り返してから、8mLの無水ジオキサンおよび2.4mL(2.5当量)の1Mの炭酸ナトリウム水溶液を加え、混合物を100℃で18時間加熱した。混合物を室温に冷まし、次に酢酸エチルで希釈し、飽和NaCl水溶液で4回洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、Biotage 25M KP NHカラムにおけるクロマトグラフィーによって精製したところ、101が得られた。H NMR(400MHz、DMSO)δ 12.96(s,1H)、9.19(s,1H)、7.78(s,1H)、7.54〜7.32(m,3H)、7.15(s,1H)、5.97(s,1H)、4.78(s,2H)、3.97(t,J=5.3,2H)、3.52(s,2H)、2.80(t,J=5.4,2H)、2.36(s,3H)、2.11(d,J=12.1,3H)、1.42(s,9H)。ESIMS m/z=530.2(M+1)。
【0172】
実施例102
実施例102a 4−tert−ブチル−N,N−ジエチル−2−ホルミルベンズアミド102a
【化26】
磁気撹拌器および還流冷却器を備えた1Lの三つ口丸底フラスコに、窒素をパージし、TMEDA(11.6g、100ミリモル)およびTHF(160mL)を入れた。反応物を−70℃に冷却し、s−BuLi(1.4Mのヘキサン溶液、69mL、96.7ミリモル)を滴下して加え、反応物を−70℃で25分間撹拌した。磁気撹拌器を備えた別の100mLの三つ口丸底フラスコに、窒素下で、4−tert−ブチル−N,N−ジエチルベンズアミド(18.6g、79.8ミリモル)およびTHF(50mL)を入れた。溶液を−70℃に冷却し、TMEDA/s−BuLiの低温(−75℃)溶液に、−75〜−70℃の温度を維持しながら、8分間かけてカニューレで入れた。添加が完了した後、反応物を−70℃で20分間撹拌した。この後、DMF(17.9g、245ミリモル)を、−70℃未満の温度を維持しながら2分間にわたって滴下して加えた。−70℃で70分間撹拌した後、冷却浴を除去し、反応物を20分間かけて−30℃まで温めた。この時点で、4Mの塩酸(80mL、320ミリモル)を加えた(溶液pH6.5)。30分間撹拌した後、有機層を分離し、減圧下で濃縮乾固した。次に、残渣をヘキサン(200mL)と水(200mL)とに分液した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、88%の収率(18.3g)で、102aが黄色のオイルとして得られた:H NMR(300MHz、CDCl)δ 10.0(s,1H)、7.93(s,1H)、7.71(d,1H,J=6.3Hz)、7.28(d,1H,J=6.4Hz)、3.62(m,2H)、3.18(m,2H)、1.36(s,9H)、1.31(t,3H,J=7.2Hz)、1.07(t,3H,J=7.1Hz)。
【0173】
実施例102b メチル5−tert−ブチル−2−(ジエチルカルバモイル)ベンジルカルバメート 102b
【化27】
磁気撹拌器を備えた25mLのマイクロ波バイアルに、102a(1.00g、3.83ミリモル)、カルバミン酸メチル(575mg、7.66ミリモル)、トリフルオロ酢酸(871mg、7.66ミリモル)、トリエチルシラン(888mg、7.66ミリモル)およびアセトニトリル(10mL)を入れた。バイアルをBiotageマイクロ波に入れ、130℃で1.5時間加熱した。この後、溶液を真空中で濃縮した。得られた残渣を塩化メチレン(100mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)とに分液した。水層を塩化メチレン(3×20mL)で抽出した。一緒にした有機層を、塩水(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ、0%〜60%の酢酸エチル/ヘキサン)によって精製したところ、71%の収率(858mg)で、102bが無色のオイルとして得られた;H NMR(300MHz、CDCl)δ 7.42(s,1H)、7.29(m,1H)、7.12(d,1H,J=7.7Hz)、5.60(br s,1H)、4.27(br s,2H)、3.65(s,3H)、3.57(q,2H,J=6.8Hz)、3.20(q,2H,J=6.7Hz)、1.31(s,9H)、1.26(t,3H,J=6.7Hz)、1.09(t,3H,J=6.8Hz);MS(ESI+)m/z 321.2(M+H)。
【0174】
実施例102c 5−tert−ブチルイソインドリン−1−オン 102c
【化28】
磁気撹拌器を備えた25mLのマイクロ波バイアルに、102b(858mg、2.68ミリモル)、テトラヒドロフラン(5mL)、メタノール(5mL)および2Mの水酸化リチウム水溶液(5mL)を入れた。バイアルをBiotageマイクロ波に入れ、110℃で2.5時間加熱した。この後、溶液を、2Mの塩酸を用いてpH7に中和し、真空中で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル(150mL)と水(30mL)とに分液した。水層を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。一緒にした有機層を、塩水(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ、50%の酢酸エチルから100%の酢酸エチル/ヘキサン)によって精製したところ、56%の収率(285mg)で、102cがオフホワイトの固体として得られた:融点=132〜134℃;H NMR(300MHz、CDCl)δ 7.80(d,1H,J=7.8Hz)、7.52(m,2H)、6.71(br s,1H)、4.44(s,2H)、1.37(s,9H)、MS(ESI+)m/z 190.1(M+H)。
【0175】
実施例102d 2,6−ジブロモベンジルアセテート 102d
【化29】
磁気撹拌器、還流冷却器および窒素導入口を備えた250mLの一口丸底フラスコに、窒素をパージし、2,6−ジブロモトルエン(2.50g、10.0ミリモル)、N−ブロモスクシンイミド(1.78g、10.0ミリモル)および四塩化炭素(40mL)を入れた。溶液を80℃(油浴温度)まで加熱し、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(164mg、1.00ミリモル)を加えた。得られた混合物を14時間還流させた。その後、混合物を室温に冷まし、ろ過した。ろ過ケーキを四塩化炭素(2×20mL)で洗浄した。ろ液を酢酸エチル(200mL)で希釈し、水(40mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)および塩水(40mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮したところ、定量的収量(3.28g)で、1,3−ジブロモ−2−(ブロモメチル)ベンゼンが黄色の固体として得られた:融点77〜78℃;H NMR(300MHz、CDCl)δ 7.55(d,2H,J=8.1Hz)、7.07(t,1H,J=8.1Hz)、4.83(s,2H)。磁気撹拌器および窒素導入口を備えた250mLの一口丸底フラスコに、窒素をパージし、上記の残渣(3.28g、10.0ミリモル)、酢酸カリウム(3.93g、40.0ミリモル)およびDMF(100mL)を入れた。溶液を室温で14時間撹拌した。その後、反応混合物を水(900mL)で希釈し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。一緒にした有機層を、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、88%の収率(2.70g)で、102dがオフホワイトの固体として得られた:融点62〜65℃;H NMR(300MHz、CDCl)δ 7.57(d,2H,J=8.0Hz)、7.07(t,1H,J=7.9Hz)、5.42(s,2H)、2.11(s,3H);MS(ESI+)m/z 306.9(M+H)。
【0176】
実施例102e 2−ブロモ−6−(5−tert−ブチル−1−オキソイソインドリン−2−イル)ベンジルアセテート 102e
【化30】
還流冷却器、磁気撹拌器を備えた100mLの三つ口丸底フラスコに、窒素をパージし、102c(570mg、3.02ミリモル)、102d(1.85g、6.04ミリモル)、炭酸セシウム(1.96g、6.04ミリモル)、N,N’−ジメチル−エチレンジアミン(266mg、3.02ミリモル)、および1,4−ジオキサン(27mL)を入れた。得られた懸濁液に窒素を通して30分間バブリングした後、ヨウ化銅(287mg、1.51ミリモル)を加え、反応混合物を105℃(油浴温度)で14時間加熱した。この後、混合物を室温に冷まし、ろ過した。ろ液を、酢酸エチル(150mL)および水(30mL)で希釈した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。一緒にした有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ、0%〜50%の酢酸エチル/ヘキサン)によって精製したところ、41%の収率(555mg)で、102eがオフホワイトの固体として得られた:融点176〜178℃;H NMR(300MHz、CDCl)δ 7.86(d,1H,J=8.1Hz)、7.66(dd,1H,J=7.9,1.5Hz)、7.59(dd,1H,J=8.1,1.5Hz)、7.52(s,1H)、7.29(m,2H)、5.20(s,2H)、4.77(s,2H)、1.99(s,3H)、1.40(s,9H);MS(ESI+)m/z 416.1(M+H)。
【0177】
実施例102f 2−(5−tert−ブチル−1−オキソイソインドリン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンジルアセテート 102f
【化31】
還流冷却器、磁気撹拌器および窒素導入口を備えた100mLの三つ口丸底フラスコに、102e(555mg、1.34ミリモル)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(1.36g、5.35ミリモル)、酢酸カリウム(527mg、5.35ミリモル)および1,4−ジオキサン(20mL)を入れた。得られた懸濁液に窒素を通して30分間バブリングした後、XPhos(128mg、0.268ミリモル)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(123mg、0.134ミリモル)を加え、反応混合物を105℃(油浴温度)で14時間加熱した。この後、混合物を室温に冷まし、ろ過した。ろ過ケーキを酢酸エチル(3×20mL)で洗浄した。ろ液を、酢酸エチル(150mL)および水(40mL)で希釈した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。一緒にした有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮したところ、74%の収率(444mg)で、粗生成物102fが黄色のオイルとして得られた。この材料をさらに精製せずに次のステップに使用した。
【0178】
実施例102g 6−クロロ−4−(1−エチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン 102g
【化32】
101mの調製についての記載と同様の一般的な手順を用いて、1−エチル−3−アミノ−1H−ピラゾール(500mg、4.50ミリモル)と、4−ブロモ−6−クロロピリダジン−3(2H)−オン(1.00g、4.50ミリモル)との反応により、94%の収率(1.07g)で、102gを非晶質の黄色の固体として得た:融点173〜175℃;H NMR(300MHz、DMSO−d)δ 9.61(s,1H)、7.71(s,1H)、7.64(d,J=2.4Hz,1H)、6.19(d,J=2.4Hz,1H)、4.10(q,J=7.2Hz,2H)、3.65(s,3H)、1.37(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI+)m/z 254.0(M+H)。
【0179】
実施例102 5−tert−ブチル−2−(3−(5−(1−エチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)イソインドリン−1−オン 102
磁気撹拌器および窒素導入口を備えた100mLの一口丸底フラスコに、102g(548mg、1.18ミリモル)、102f(215mg、0.848ミリモル)、炭酸ナトリウム(306mg、2.88ミリモル)、DMF(2mL)、水(2mL)および1,4−ジオキサン(10mL)を入れた。得られた懸濁液に窒素を通して30分間バブリングした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(222mg、0.192ミリモル)を加えた。還流冷却器をフラスコに取り付け、反応混合物を100℃で14時間加熱した。この後、混合物を、90:10の塩化メチレン/メタノール(100mL)および水(75mL)で希釈し、層を分離した。水層を、90:10の塩化メチレン/メタノール(2×30mL)で抽出し、一緒にした有機層を、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、THF(5mL)、水(5mL)およびメタノール(5mL)に溶解させた。水酸化リチウム一水和物(202mg、4.81ミリモル)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。この後、混合物を、90:10の塩化メチレン/メタノール(150mL)および水(100mL)で希釈し、層を分離した。水層を、90:10の塩化メチレン/メタノール(2×100mL)で抽出し、一緒にした有機層を、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、90:10の塩化メチレン/メタノール)によって精製したところ、31%の収率(136mg)で、102が非晶質の白色固体として得られた:融点174〜176℃;H NMR(500MHz、DMSO−d)δ 9.18(s,1H)、7.92(s,1H)、7.73(d,J=8.0Hz,2H)、7.62〜7.60(m,2H)、7.52(t,J=3.0Hz,1H)、7.51(s,1H)、7.46〜7.44(m,1H)、6.19(d,J=2.5Hz,1H)、4.92(s,2H)、4.66(t,J=5.5Hz,1H)、4.43(d,J=5.5Hz,2H)、4.04(q,J=7.0Hz,2H)、3.76(s,3H)、1.36(s,9H)、1.33(t,J=7.0Hz,3H);MS(ESI+)m/z 513.3(M+H)。
【0180】
実施例103
実施例103a 4−ブロモ−6−クロロ−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン 103a
【化33】
磁気撹拌器を備えた250mLの一口丸底フラスコに、窒素をパージし、4−ブロモ−6−クロロピリダジン−3(2H)−オン(1.00g、4.77ミリモル)およびDMF(15mL)を入れた。水素化ナトリウム(油中60重量%、229mg、5.73ミリモル)を1度に加えた。室温で10分間撹拌した後、ヨードメタン(1.02g、7.16ミリモル)を加え、反応物を室温で1.5時間撹拌した。次に、反応物を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)を用いて急冷し、得られた溶液を水(150mL)に注いだ。次に、混合物を酢酸エチル(250mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。次に、乾燥剤をろ過によって除去し、ろ液を減圧下で残渣になるまで濃縮した。カラムクロマトグラフィーによる精製により、68%の収率(722mg)で、103aが白色の固体として得られた:融点107〜108℃;H NMR(300MHz、CDCl)δ 7.62(s,1H)、3.81(s,3H)。
【0181】
実施例103b 6−クロロ−2−メチル−4−(ピリミジン−4−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オン 103b
【化34】
101mの調製についての記載と同様の一般的な手順を用いて、2−アミノピリミジン(450mg、4.74ミリモル)と103a(1.06g、4.74ミリモル)との反応により、69%の収率(745mg)で、103bを非晶質の黄色の固体として得た:融点233〜235℃;H NMR(300MHz、DMSO−d)δ 10.05(s,1H)、8.92(d,J=1.0Hz,1H)、8.54(d,J=5.5Hz,1H)、8.45(s,1H)、7.58(dd,J=6.0,1.0Hz,1H)、3.70(s,3H);MS(ESI+)m/z 238.0(M+H)。
【0182】
実施例103 5−tert−ブチル−2−(2−(ヒドロキシメチル)−3−(1−メチル−6−オキソ−5−(ピリミジン−4−イルアミノ)−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)イソインドリン−1−オン 103
【化35】
102の調製についての記載と同様の一般的な手順を用いて、103b(192mg、0.810ミリモル)と102f(413mg、0.891ミリモル)との反応により、49%の収率(196mg)で、103を非晶質のオフホワイトの固体として得た:融点236〜238℃;H NMR(500MHz、DMSO−d)δ 9.87(s,1H)、8.81(s,1H)、8.68(s,1H)、8.49(d,J=6.0Hz,1H)、7.73(d,J=8.0Hz,2H)、7.62(dd,J=8.0,1.5Hz,1H)、7.55〜7.53(m,3H)、7.52〜7.47(m,1H)、4.93(s,2H)、4.73(t,J=5.0Hz,1H)、4.42(d,J=5.5Hz,2H)、3.80(s,3H)、1.36(s,9H);MS(ESI+)m/z 497.2(M+H)。
【0183】
実施例104
実施例104a 6−クロロ−2−メチル−4−(ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オン 104a
【化36】
還流冷却器、磁気撹拌器および窒素導入口を備えた250mLの三つ口丸底フラスコに、2−アミノピリジン(500mg、5.31ミリモル)、103a(1.19g、5.31ミリモル)、炭酸セシウム(5.19g、15.9ミリモル)、および1,4−ジオキサン(75mL)を入れた。得られた懸濁液に窒素を通して30分間窒素をバブリングした後、キサントホス(261mg、0.451ミリモル)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(243mg、0.266ミリモル)を加え、反応混合物を3時間還流状態で加熱した。この後、混合物を室温に冷まし、酢酸エチル(350mL)および水(40mL)で希釈した。有機層を分離し、水層を、塩化メチレン(3×100mL)中のメタノールの20%(v/v)溶液で抽出した。一緒にした有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、メタノール(30mL)を用いて粉末にしたところ、92%の収率(1.16g)で、104aがオフホワイトの固体として得られた:融点201〜202℃;H NMR(300MHz、DMSO−d)δ 9.64(s,1H)、8.38(m,2H)、7.75(m,1H)、7.54(d,1H,J=8.1Hz)、7.03(m,1H)、3.67(s,3H);MS(ESI+)m/z 237.0(M+H)。
【0184】
実施例104 5−tert−ブチル−2−(2−(ヒドロキシメチル)−3−(1−メチル−6−オキソ−5−(ピリジン−2−イルアミノ)−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)イソインドリン−1−オン 104
還流冷却器、磁気撹拌器および窒素導入口を備えた50mLの三つ口丸底フラスコに、104a(236mg、1.00ミリモル)、102f(536mg、1.20ミリモル)、炭酸ナトリウム(318mg、3.00ミリモル)、DMF(5mL)、水(2.5mL)および1,4−ジオキサン(8mL)を入れた。得られた懸濁液に窒素を通して30分間バブリングした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(116mg、0.100ミリモル)を加え、反応混合物を14時間還流状態で加熱した。この後、混合物を室温に冷まし、酢酸エチル(150mL)および水(30mL)で希釈した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。一緒にした有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、THF(8mL)と、メタノール(4mL)と、水(4mL)との混合物に溶解させた。得られた溶液に、水酸化リチウム一水和物(420mg、10.0ミリモル)を加えた。混合物を室温で4時間撹拌してから、真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチル(150mL)と水(30mL)とに分液した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。一緒にした有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ、0%〜10%のメタノール/塩化メチレン)によって精製したところ、38%の収率(187mg)で、104がオフホワイトの固体として得られた:融点236〜237℃;H NMR(500MHz、DMSO−d)δ 9.40(s,1H)、8.58(s,1H)、8.28(dd,1H,J=5.0,1.6Hz)、7.71(m,3H)、7.61(dd,1H,J=7.9,1.5Hz)、7.50(m,4H)、6.96(m,1H)、4.93(s,2H)、4.68(t,1H,J=4.9Hz)、4.42(d,2H,J=5.0Hz)、3.79(s,3H)、1.36(s,9H);MS(ESI+)m/z 496.2(M+H)。
【0185】
実施例105
実施例105a tert−ブチル3−(3−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート 105a
【化37】
磁気撹拌器および窒素導入口を備えた100mLの一口丸底フラスコに、DMF(20mL)、3−ニトロ−1H−ピラゾール(1.00g、8.84ミリモル)、N−tert−ブトキシカルボニル−3−ヨードアゼチジン(3.00g、10.6ミリモル)および炭酸カリウム(2.45g、17.7ミリモル)を入れ、反応混合物を60℃で16時間撹拌した。この後、反応物を減圧下で濃縮乾固し、得られた残渣を、塩化メチレン(15mL)および水(15mL)と混合した。水層を分離し、塩化メチレン(2×15mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、80%の収率(1.92g)で、105aが黄色のオイルとして得られた:H NMR(300MHz、CDCl)δ 7.64(d,1H,J=2.4Hz)、6.97(d,1H,J=2.4Hz)、5.13(m,1H)、4.44(m,2H)、4.33(m,2H)、1.47(s,9H)。
【0186】
実施例105b tert−ブチル3−(3−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート 105b
【化38】
500mLのParr反応器ボトルに、窒素をパージし、10%のパラジウム炭素(50%湿潤、100mgの乾燥重量)およびエタノール(25mL)中の105a(1.91g、7.23ミリモル)の溶液を入れた。ボトルをParr水素化装置に取り付け、排気し、50psiの圧力になるまで水素ガスを充填し、4時間振とうした。この後、水素を排気し、窒素をボトルに充填した。セライト 521(5g)を加え、混合物を、セライト 521のパッドを通してろ過した。ろ過ケーキをエタノール(2×25mL)で洗浄し、一緒にしたろ液を、減圧下で濃縮乾固したところ、100%の収率で、105b(1.76g)が淡黄色のオイルとして得られた:H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.22(d,1H,J=2.5Hz)、5.61(d,1H,J=2.5Hz)、4.80(quant,1H,J=7.0Hz)、4.25(d,4H、J=7.0Hz)、3.77(br s,2H)、1.41(s,9H)。
【0187】
実施例105c tert−ブチル3−(3−(6−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロピリダジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート 105c
【化39】
磁気撹拌器および窒素導入口を備えた100mLの一口丸底フラスコに、105b(677mg、2.84ミリモル)、103a(635mg、2.84ミリモル)、炭酸セシウム(1.85g、5.68ミリモル)および1,4−ジオキサン(14mL)を入れた。得られた懸濁液に窒素を通して30分間窒素をバブリングした後、キサントホス(246mg、0.426ミリモル)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(260mg、0.284ミリモル)を加えた。還流冷却器をフラスコに取り付け、反応混合物を2.5時間還流状態で加熱した。この後、混合物を室温に冷まし、酢酸エチル(200mL)および水(75mL)で希釈し、層を分離した。水層を酢酸エチル(50mL)で抽出し、一緒にした有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、95:5の塩化メチレン/メタノール)によって精製したところ、73%の収率で、105c(794mg)が非晶質の白色固体として得られた:融点154〜156℃;H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.95(s,1H)、7.60(s,1H)、7.43(d,J=2.5Hz,1H)、6.01(d,J=2.5Hz,1H)、5.00〜4.95(m,1H)、4.39〜4.32(m,4H)、3.79(s,3H)、1.48(s,9H);MS(ESI+)m/z 403.1(M+Na)。
【0188】
実施例105d tert−ブチル3−(3−(6−(3−(5−tert−ブチル−1−オキソイソインドリン−2−イル)−2−(ヒドロキシ−メチル)フェニル)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロピリダジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)−アゼチジン−1−カルボキシレート 105d
【化40】
103の調製についての記載と同様の一般的な手順を用いて、105c(150mg、0.394ミリモル)と102f(201mg、0.433ミリモル)との反応により、粗生成物105dを得て、それを精製せずに次の工程に使用した。
【0189】
実施例105 2−(3−(5−(1−(アゼチジン−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−5−tert−ブチルイソインドリン−1−オン 105
磁気撹拌器および窒素導入口を備えた100mLの一口丸底フラスコに、上記のように調製した粗生成物105d(定量的収量を仮定して、0.394ミリモル)、無水塩化メチレン(5mL)およびトリフルオロ酢酸(5mL)を入れた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。この後、混合物を濃縮乾固し;残渣を水(50mL)で希釈し、溶液のpHを、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて8.0に調整した。混合物を、10%のメタノール/塩化メチレン(100mL)で希釈し、層を分離した。水層を、10%のメタノール/塩化メチレン(2×50mL)で抽出し、一緒にした有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、80:20の塩化メチレン/メタノール)によって精製したところ、9%の収率(18mg)で、105が非晶質のオフホワイトの固体として得られた:融点202〜204℃;H NMR(500MHz、DMSO−d)δ 9.29(s,1H)、8.07(s,1H)、7.72〜7.69(m,3H)、7.63(d,J=8.0Hz,1H)、7.53〜7.48(m,3H)、6.23(d,J=2.0Hz,1H)、5.09〜5.06(m,1H)、4.94(s,2H)、4.79(s,1H)、4.52(s,2H)、3.92(t,J=8.0Hz,2H)、3.78(s,3H)、3.64(t,J=8.0Hz,2H)、1.36(s,9H);MS(ESI+)m/z 540.3(M+H)。
【0190】
実施例106
実施例106a メチル2−シアノ−4−フルオロベンゾエート 106a
【化41】
磁気撹拌器を備えた100mLの一口丸底フラスコに、窒素をパージし、メチル2−クロロ−4−フルオロベンゾエート(10.0g、53.0ミリモル)、シアン化銅(I)(5.22g、58.3ミリモル)および2−メチルピロリジノン(30mL)を入れた。195℃で1.5時間加熱した後、反応混合物を室温に冷まし、水(600mL)に注いだ。得られた懸濁液をろ過し、ろ過ケーキを水(100mL)で洗浄した。次に、得られた固体に、水(110mL)中のシアン化ナトリウム(3.00g、61.2ミリモル)の溶液を加え、反応混合物を室温で50分間撹拌した。この後、酢酸エチル(500mL)を加え、層を分離した。水相を酢酸エチル(2×10mL)で抽出し、有機抽出物を一緒にして、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製したところ、73%の収率(6.99g)で、106aが白色の固体として得られた:融点92〜93℃;H NMR(500MHz、CDCl)δ 8.18(dd,1H,J=9.0,5.5Hz)、7.50(dd,1H,J=8.0,2.5Hz)、7.38(m,1H)、4.01(s,3H)。
【0191】
実施例106b 5−フルオロイソインドリン−1−オン 106b
【化42】
250mLのParr反応器ボトルに、窒素をパージし、ラネーニッケル(4.00g)およびエタノール(20mL)中の106a(2.00g、11.2ミリモル)の溶液を入れた。ボトルをParr水素化装置に取り付け、排気し、50psiの圧力になるまで水素ガスを充填し、16時間振とうした。この後、水素を排気し、窒素をボトルに充填した。セライト 521(5.00g)を加え、混合物を、セライト 521のパッドを通してろ過した。ろ過ケーキをエタノール(2×75mL)で洗浄し、組み合わされたろ液を、減圧下で濃縮乾固したところ、76%の収率で、106b(1.29g)が無色のオイルとして得られた:H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.85(dd,1H,J=8.5,5.5Hz)、7.21〜7.16(m,2H)、7.05(br s,1H)、4.56(s,2H)。
【0192】
実施例106c 5−(エチル(メチル)アミノ)イソインドリン−1−オン 106c
【化43】
500mLの高圧ボンベ(high−pressure bomb)反応器に、106b(539mg、3.57ミリモル)、エタノール(30mL)および過剰のN,N−エチルメチルアミン(50mL)を入れた。混合物を165℃で36時間加熱した。この後、混合物を濃縮し、得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、98:2の酢酸エチル/トリエチル−アミン)によって精製したところ、59%の収率(397mg)で、106cが黄色の固体として得られた:融点127〜129℃;H NMR(500MHz、DMSO−d)δ 7.93(s,1H)、7.42(dd,J=7.0,2.5Hz,1H)、6.77〜6.75(m,2H)、4.23(s,2H)、3.46(q,J=7.0Hz,2H)、2.94(s,3H)、1.06(t,J=7.0Hz,3H);MS(ESI+)m/z 191.1(M+H)。
【0193】
実施例106d 2−ブロモ−6−(5−(エチル(メチル)アミノ)−1−オキソイソインドリン−2−イル)ベンジルアセテート 106d
【化44】
磁気撹拌器および窒素導入口を備えた100mLの一口丸底フラスコに、106c(390mg、2.05ミリモル)、102d(1.26g、4.10ミリモル)、炭酸セシウム(1.34g、4.10ミリモル)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(181mg、2.05ミリモル)および1,4−ジオキサン(12mL)を入れた。得られた懸濁液に窒素を通して30分間バブリングした後、ヨウ化銅(195mg、1.03ミリモル)を加えた。還流冷却器をフラスコに取り付け、反応混合物を105℃で16時間加熱した。この後、混合物を室温に冷まし、ろ過した。ろ液を、酢酸エチル(150mL)および水(75mL)で希釈し、層を分離した。水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、一緒にした有機層を、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、70:30のヘキサン/酢酸エチル)によって精製したところ、50%の収率(427mg)で、106dが白色の固体として得られた:融点97〜99℃;H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.74(d,J=8.5Hz,1H)、7.63(dd,J=8.0,1.5Hz,1H)、7.30〜7.25(m,2H)、6.80(dd,J=8.5,2.0Hz,1H)、6.66(d,J=1.5Hz,1H)、5.21(s,2H)、4.69(s,2H)、3.51(q,J=7.0Hz,2H)、3.21(s,3H)、1.99(s,3H)、1.19(t,J=7.0Hz,3H);MS(ESI+)m/z 417.1(M+H)。
【0194】
実施例106e 2−(5−(エチル(メチル)アミノ)−1−オキソイソインドリン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンジルアセテート 106e
【化45】
磁気撹拌器および窒素導入口を備えた100mLの一口丸底フラスコに、106d(425mg、1.02ミリモル)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(777mg、3.06ミリモル)、酢酸カリウム(400mg、4.08ミリモル)および1,4−ジオキサン(15mL)を入れた。得られた懸濁液に窒素を通して30分間バブリングした後、XPhos(112mg、0.235ミリモル)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)(215mg、0.235ミリモル)を加えた。還流冷却器をフラスコに取り付け、反応混合物を3時間還流状態で加熱した。この後、混合物を、酢酸エチル(100mL)および水(75mL)で希釈し、層を分離した。水層を酢酸エチル(50mL)で抽出し、一緒にした有機層を、塩水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、50:50のヘキサン/酢酸エチル)によって精製したところ、77%の収率(366mg)で、106eが黄色のオイルとして得られた:H NMR(300MHz、CDCl)δ 7.75(d,J=8.7Hz,1H)、7.54〜7.51(m,1H)、7.39〜7.35(m,2H)、6.80(dd,J=8.7,2.1Hz,1H)、6.68(d,J=1.8Hz,1H)、5.13(s,2H)、4.72(s,2H)、3.51(q,J=7.2Hz,2H)、3.02(s,3H)、2.01(s,3H)、1.34(s,12H)、1.19(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI+)m/z 465.2(M+H)。
【0195】
実施例106f 6−クロロ−2−メチル−4−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オン 106f
【化46】
還流冷却器、磁気撹拌器および窒素導入口を備えた250mLの三つ口丸底フラスコに、103a(1.90g、8.53ミリモル)、101l(1.18g、7.75ミリモル)および1,4−ジオキサン(40mL)を入れた。フラスコに、窒素をパージし、0℃に冷却した。リチウムヘキサメチルジシラジドの1M THF溶液(39mL、39.0ミリモル)を加えた。得られた懸濁液に窒素を通して30分間バブリングした後、キサントホス(381mg、0.659ミリモル)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(355mg、0.388ミリモル)を加え、反応混合物を2時間還流状態で加熱した。この後、混合物を室温に冷まし、水(10mL)で希釈した。溶液のpHを、2Nの塩酸を用いて7.6に調整した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(3×40mL)で抽出した。一緒にした有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカにおけるカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、76%の収率(1.74g)で、106fがオフホワイトの固体として得られた:融点184〜186℃;H NMR(300MHz、DMSO−d)δ 9.62(s,1H)、7.72(s,1H)、6.00(s,1H)、4.04(t,2H,J=5.1Hz)、3.65(s,3H)、3.53(s,2H)、2.82(t,2H,J=5.1Hz)、2.37(s,3H);MS(ESI+)m/z 295.1(M+H)。
【0196】
実施例106 5−(エチル(メチル)アミノ)−2−(2−(ヒドロキシメチル)−3−(1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)イソインドリン−1−オン 106
磁気撹拌器および窒素導入口を備えた250mLの一口丸底フラスコに、106e(366mg、0.788ミリモル)、106f(194mg、0.656ミリモル)、炭酸ナトリウム(348mg、3.28ミリモル)、DMF(2mL)、水(2mL)および1,4−ジオキサン(10mL)を入れた。得られた懸濁液に窒素を通して30分間バブリングした後、テトラキス(トリ−フェニルホスフィン)パラジウム(0)(152mg、0.131ミリモル)を加えた。還流冷却器をフラスコに取り付け、反応混合物を16時間還流状態で加熱した。この後、混合物を、酢酸エチル(150mL)および水(100mL)で希釈し、層を分離した。水層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、一緒にした有機層を、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、THF(2mL)、水(2mL)およびメタノール(2mL)に溶解させた。水酸化リチウム一水和物(138mg、3.28ミリモル)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。この後、混合物を、酢酸エチル(150mL)および水(100mL)で希釈し、層を分離した。水層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、一緒にした有機層を、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、90:10の塩化メチレン/メタノール)によって精製したところ、14%の収率(51mg)で、106が非晶質のオフホワイトの固体として得られた:融点145〜147℃;H NMR(500MHz、DMSO−d)δ 9.20(s,1H)、7.89(s,1H)、7.55(d,J=8.5Hz,1H)、7.49〜7.47(m,2H)、7.41(dd,J=7.0,2.0Hz,1H)、6.87〜6.84(m,2H)、5.99(s,1H)、4.82(s,2H)、4.62(t,J=5.5Hz,1H)、4.40(d,J=5.5Hz,2H)、3.96(t,J=5.5Hz,2H)、3.75(s,3H)、3.52〜3.50(m,4H)、2.98(s,3H)、2.79(t,J=5.5Hz,2H)、2.35(s,3H)、1.09(t,J=7.0Hz,3H);MS(ESI+)m/z 555.3(M+H)。
【0197】
実施例107
実施例107a 3−(4−tert−ブチルベンジル)−1,1−ジメチル尿素 107a
【化47】
磁気撹拌器を備えた250mLの丸底フラスコに、窒素をパージし、4−tert−ブチルベンジル(9.77g、59.9ミリモル)およびジクロロメタン(100mL)を入れた。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(11.5g、88.9ミリモル)およびN,N−ジメチルカルバモイルクロリド(6.08g、56.6ミリモル)を加えた後、DMAP(730mg)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応物を水(100mL)およびクエン酸(2×100mL)の10%の水溶液で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を、メチルt−ブチルエーテル(50mL)とヘプタン(200mL)との混合物に溶解させ、次に減圧下で濃縮したところ、97%の収率で、107a(12.8g)が黄色の固体として得られた:H NMR(300MHz、CDCl)δ 7.35(d,2H,J=8.3Hz)、4.60(br s,1H)、4.39(d,2H,J=5.4Hz)、2.91(s,6H)、1.31(s,9H)。
【0198】
実施例107b 5−tert−ブチル−2−((3,3−ジメチルウレイド)メチル)安息香酸 107b
【化48】
磁気撹拌器、滴下漏斗および熱電対を備えた500mLの三つ口丸底フラスコに、窒素をパージし、107a(9.36g、40.0ミリモル)およびTHF(120mL)を入れた。反応物を−70℃に冷却し、t−ブチルリチウム(ペンタン中1.7M、56mL、95.2ミリモル)を滴下して加えた。反応物を、0.5時間にわたって−45〜−35℃まで温め、−78℃まで再び冷却した。次に、反応物を、窒素気流下で約100〜200gのドライアイスを充填した1Lの三つ口丸底フラスコ中にカニューレで入れた。混合物を室温まで温め、次に減圧下で濃縮乾固した。水(250mL)およびヘキサン(250mL)を加え、溶液を振とうした。水層を分離し、メチルt−ブチルエーテル(150mL)で抽出した。水層を分離し、次にそれを浄化するために、セルピュアー(Cellpure) P65を通してろ過した。水性ろ液を、20mLの12.1Mの塩酸を用いて酸性化し、周囲温度で一晩撹拌した。この後、水溶液を傾斜させて取り除き、残った固体を真空下で一晩乾燥させたところ、80%の収率で、107b(8.91g)が黄褐色の固体として得られた:H NMR(300MHz、DMSO−d)δ 12.97(br s,1H)、7.80(d,1H,J=2.1Hz)、7.56(dd,1H,J=6.0,2.1Hz)、7.32(d,1H,J=8.1Hz)、6.78(t,1H,J=5.7Hz)、4.46(d,2H,J=5.7Hz)、2.82(s,6H)、1.28(s,9H)。
【0199】
実施例107c 6−tert−ブチルイソインドリン−1−オン 107c
【化49】
磁気撹拌器および還流冷却器を備えた500mLの丸底フラスコに、107b(3.97g、14.2ミリモル)および12.1Nの塩酸(100mL)を入れ、加熱して還流させた。トリフルオロ酢酸(40mL)を加え、反応物を一晩還流させた。この後、混合物を、炭酸カリウム(約67g)を用いてpH7.5まで慎重に中和し、次に、メチルt−ブチルエーテル((100mL)および酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を一緒にして、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、29%の収率(788mg)の107cが白色の固体として得られた:融点142〜144℃;H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.92(d,J=1.5Hz,1H)、7.64(dd,J=8.5,2.0Hz,1H)、7.42(dd,J=8.0,0.5Hz,1H)、6.58(s,1H)、4.42(s,2H)、1.37(s,9H);MS(ESI+)m/z 190.1(M+H)。
【0200】
実施例107d 2−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−6−tert−ブチルイソインドリン−1−オン 107d
【化50】
磁気撹拌器および窒素導入口を備えた250mLの一口丸底フラスコに、107c(775mg、4.10ミリモル)、2,6−ジブロモトルエン(2.05g、8.19ミリモル)、炭酸セシウム(2.67g、8.19ミリモル)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(361mg、4.10ミリモル)および1,4−ジオキサン(15mL)を入れた。得られた懸濁液に窒素を通して30分間バブリングした後、ヨウ化銅(390mg、2.05ミリモル)を加えた。還流冷却器をフラスコに取り付け、反応混合物を105℃で16時間加熱した。この後、混合物を室温に冷まし、ろ過した。ろ液を、酢酸エチル(100mL)および水(50mL)で希釈し、層を分離した。水層を酢酸エチル(50mL)で抽出し、一緒にした有機層を、塩水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、80:20のヘキサン/酢酸エチル)によって精製したところ、66%の収率(972mg)で、107dが非晶質のオフホワイトの固体として得られた:融点120〜122℃;H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.99(d,J=1.5Hz,1H)、7.68(dd,J=8.0,1.5Hz,1H)、7.60(dd,J=8.0,1.5Hz,1H)、7.46(dd,J=8.0,0.5Hz,1H)、7.22(dd,J=8.0,1.0Hz,1H)、7.14(t,J=8.0Hz,1H)、4.67(s,2H)、2.31(s,3H)、1.40(s,9H);MS(ESI+)m/z 358.1(M+H)。
【0201】
実施例107e 6−tert−ブチル−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)イソインドリン−1−オン 107e
【化51】
磁気撹拌器および窒素導入口を備えた250mLの一口丸底フラスコに、107d(968mg、2.70ミリモル)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(2.06g、8.11ミリモル)、酢酸カリウム(1.06g、10.8ミリモル)および1,4−ジオキサン(20mL)を入れた。得られた懸濁液に窒素を通して30分間バブリングした後、XPhos(296mg、0.621ミリモル)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(569mg、0.621ミリモル)を加えた。還流冷却器をフラスコに取り付け、反応混合物を105℃で3時間加熱した。この後、混合物を、酢酸エチル(100mL)および水(50mL)で希釈し、層を分離した。水層を酢酸エチル(50mL)で抽出し、一緒にした有機層を、塩水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、70:30のヘキサン/酢酸エチル)によって精製したところ、81%の収率(900mg)で、107eが黄色のオイルとして得られた:H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.99(d,J=2.0Hz,1H)、7.81(dd,J=7.0,1.5Hz,1H)、7.67〜7.65(m,2H)、7.45〜7.43(m,2H)、4.64(s,2H)、2.42(s,3H)、1.39(s,12H)、1.35(s,9H);MS(ESI+)m/z 406.2(M+H)。
【0202】
実施例107 6−tert−ブチル−2−(2−メチル−3−(5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)イソインドリン−1−オン 107
磁気撹拌器および窒素導入口を備えた250mLの一口丸底フラスコに、107e(890mg、2.20ミリモル)、101m(441mg、1.57ミリモル)、炭酸ナトリウム(832mg、7.85ミリモル)、DMF(5mL)、水(5mL)および1,4−ジオキサン(15mL)を入れた。得られた懸濁液に窒素を通して30分間バブリングした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(363mg、0.314ミリモル)を加えた。還流冷却器をフラスコに取り付け、反応混合物を16時間還流状態で加熱した。この後、混合物を、酢酸エチル(100mL)および水(50mL)で希釈し、層を分離した。水層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、一緒にした有機層を、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、95:5の塩化メチレン/メタノール)によって精製したところ、27%の収率(222mg)で、107が非晶質の白色固体として得られた:融点208〜210℃;H NMR(500MHz、DMSO−d)δ 12.97(s,1H)、9.21(s,1H)、7.79(s,1H)、7.75(s,1H)、7.75〜7.73(m,1H)、7.60(d,J=9.0Hz,1H)、7.48(dd,J=7.5,2.0Hz,1H)、7.40〜7.38(m,2H)、5.96(s,1H)、4.84(s,2H)、3.97(t,J=5.5Hz,2H)、3.51(s,2H)、2.79(t,J=6.0Hz,2H)、2.35(s,3H)、2.10(s,3H)、1.36(s,9H);MS(ESI+)m/z 524.3(M+H)。
【0203】
実施例108
実施例108a 2−tert−ブチル−5−(3−(1−(ヒドロキシメチル)−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラ−ヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−6(5H)−オン 108a
【化52】
磁気撹拌器および窒素導入口を備えた250mLの一口丸底フラスコに、101(2.50g、4.72ミリモル)、メタノール(30mL)およびホルムアルデヒドの37%メタノール溶液(30mL、100ミリモル)を入れた。還流冷却器をフラスコに取り付け、反応混合物を、窒素雰囲気で60℃で3時間加熱した。この後、混合物を室温で1時間撹拌し、ブフナー漏斗を通してろ過した。ろ過ケーキをメタノール(3×5mL)で洗浄し、40℃で12時間、真空下で乾燥させたところ、93%の収率(2.45g)で、108aが白色の固体として得られた:融点185〜187℃;H NMR(300MHz、DMSO−d)δ 9.33(s,1H)、7.79(s,1H)、7.47(m,1H)、7.39(s,1H)、7.38(s,1H)、7.14(s,1H)、6.77(t,J=7.8Hz,1H)、5.99(s,1H)、5.43(d,J=7.5Hz,2H)、4.78(s,2H)、3.97(t,J=5.0Hz,2H)、3.51(s,2H)、2.79(t,J=5.0Hz,2H)、2.35(s,3H)、2.13(s,3H)、1.41(s,9H);MS(ESI+)m/z 530.2(M+H)。
【0204】
実施例108b (3−(3−(2−tert−ブチル−6−オキソ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−5(6H)−イル)−2−メチルフェニル)−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソピリダジン−1(6H)−イル)メチルビス(2−シアノエチル)ホスフェート 108b
【化53】
磁気撹拌器および窒素導入口を備えた100mLの一口丸底フラスコに、108a(2.45g、4.38ミリモル)、テトラゾール(1.22g、17.5ミリモル)および塩化メチレン(20mL)を入れた。塩化メチレン(2mL)中の5c(2.37g、8.76ミリモル)の溶液を室温で加え、反応混合物を窒素雰囲気下で12時間撹拌した。この後、混合物を0℃に冷却した。tert−ブチルヒドロペルオキシドの5.5Mデカン溶液(4.8mL、26.4ミリモル)を滴下して加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を塩化メチレン(200mL)で希釈した。有機相を、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤を真空ろ過によって除去し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製したところ、36%の収率(1.20g)で、108bが白色の固体として得られた:融点208〜210℃;H NMR(500MHz、DMSO−d)δ 9.55(s,1H)、7.83(s,1H)、7.49(t,J=5.0Hz,1H)、7.40(s,1H)、7.39(s,1H)、7.14(s,1H)、5.9(d,J=2.5Hz,2H)、5.97(s,1H)、4.78(s,2H)、4.22(q,J=6.0Hz,4H)、3.97(t,J=5.5Hz,2H)、3.52(s,2H)、2.92(t,J=6.0Hz,4H)、2.79(t,J=5.5Hz,2H)、2.35(s,3H)、2.14(s,3H)、1.41(s,9H);MS(ESI+)m/z 746.3(M+H)。
【0205】
実施例108 ナトリウム(3−(3−(2−tert−ブチル−6−オキソ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−5(6H)−イル)−2−メチルフェニル)−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソピリダジン−1(6H)−イル)メチルホスフェート 108
磁気撹拌器を備えた25mLの一口丸底フラスコに、108b(400mg、0.356ミリモル)、アセトニトリル(5mL)、トリエチルアミン(2.5mL)、およびN,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(2.5mL)を入れた。得られた混合物を室温で12時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮乾固した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(5mL)を残渣に加え、得られた白色の沈殿物を、ろ過によって収集した。ろ過ケーキを、メタノール(5mL)を用いて粉末にしたところ、35%の収率(130mg)で、108が淡黄色の固体として得られた:融点240〜242℃;H NMR(500MHz、CDOD)δ 7.71(s,1H)、7.40(m,3H)、7.07(s,1H)、5.90(s,1H)、5.84(d,J=7.0Hz,2H)、4.72(d,J=10.0Hz,2H)、4.06(t,J=5.5Hz,2H)、3.62(s,2H)、2.92(t,J=5.5Hz,2H)、2.46(s,3H)、2.19(s,3H)、1.45(s,9H);MS(ESI+)m/z 684.2(M+H)。
【0206】
実施例109
実施例109a メチル3−メチルチオフェン−2−カルボキシレート 109a
【化54】
100mLの一口丸底フラスコに、メタノール(30mL)中の4−メチルチアゾール−5−カルボニルクロリド(13.1g、10.0ミリモル)を入れた。混合物を一晩還流させた。混合物を室温に冷まし、濃縮した。残渣をジエチルエーテル(50mL)と水(50mL)とに分液した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮したところ、メチル3−メチルチオフェン−2−カルボキシレート(101a)(12.8g、95%)が無色のオイルとして得られ、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0207】
実施例109b メチル5−tert−ブチル−3−メチルチオフェン−2−カルボキシレート 109b
【化55】
乾燥CHCl(30mL)中のメチル3−メチルチオフェン−2−カルボキシレート109a(33g、0.211モル)の溶液を、塩化アルミニウム(40g、0.297モル)と乾燥CHCl(200mL)との混合物に、−78℃の窒素下で滴下して加えた。反応混合物を−78℃で10分間撹拌し、乾燥CHCl(30mL)中のtert−ブチルクロリド(23mL、0.211モル)の溶液を−78℃で滴下して加えた。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、徐々に室温まで温め、室温で16時間撹拌した。それを氷上に注ぎ、CHCl(2×200mL)で抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させた。得られた残渣を分別蒸留によって精製したところ、メチル5−tert−ブチル−3−メチルチオフェン−2−カルボキシレート109b(19g、43%)が淡黄色の液体として得られた。
【0208】
実施例109c メチル3−(ブロモメチル)−5−tert−ブチルチオフェン−2−カルボキシレート 109c
【化56】
N−ブロモスクシンイミド(18.5g、0.103モル)を、CCl(200mL)中のメチル5−tert−ブチル−3−メチルチオフェン−2−カルボキシレート(109b)(20g、0.09モル)およびAIBN(0.774g、0.0047モル)の溶液に加えた。混合物を2時間還流させ、室温に冷まし、ろ過した。ろ液を真空下で濃縮し、得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、95:5のヘキサン−/ジクロロメタン)によって精製したところ、メチル3−(ブロモメチル)−5−tert−ブチルチオフェン−2−カルボキシレート(109c)(11g、40%)が薄黄色の液体として得られた。
【0209】
実施例109d メチル2−tert−ブチル−4−((2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2ジオキサボロラン−2−イル)フェニルアミノ)メチル)チアゾール−5−カルボキシレート 109d
【化57】
2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(466.2mg、2.0ミリモル)および炭酸セシウム(782.0mg、2.4ミリモル)を、無水アセトニトリル(20mL)に懸濁させ、混合物を0℃に冷却した。次に、メチル3−(ブロモメチル)−5−tert−ブチルチオフェン−2−カルボキシレート(109c)(584.4mg、2.0ミリモル)を加えた。得られた混合物を徐々に室温まで温め、次に40℃で一晩撹拌した。反応混合物を、Celite登録商標)を通してろ過し、ろ液を濃縮した。残渣を、ヘプタン中の酢酸エチルの勾配を0〜10%とし、シリカを用いて溶離精製したところ、メチル2−tert−ブチル−4−((2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルアミノ)メチル)チアゾール−5−カルボキシレート(109d)(501.6mg、56%)が得られた。
【0210】
実施例109e 2−tert−ブチル−4−((2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルアミノ)メチル)チアゾール−5−カルボン酸 109e
【化58】
イソプロピルアルコール(15mL)および水(15mL、830ミリモル)中の、メチル2−tert−ブチル−4−((2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルアミノ)メチル)チアゾール−5−カルボキシレート109d(1.80g、4.05ミリモル)と水酸化リチウム(970.0mg、40.50ミリモル)との混合物を、40℃で一晩撹拌した。反応混合物を元の体積の約50%まで濃縮し、濃塩酸を用いてpH約2まで酸性化し、9:1の酢酸イソプロピル/イソプロピルアルコールで抽出した。抽出物を、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮したところ、2−tert−ブチル−4−((2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルアミノ)メチル)チアゾール−5−カルボン酸109e(1.74g、92%)が得られ、それをさらに精製せずに使用した。
【0211】
実施例109f 2−tert−ブチル−5−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン 109f
【化59】
塩化メチレン(10mL)中の2−tert−ブチル−4−((2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルアミノ)メチル)チアゾール−5−カルボン酸109e(430.37mg、0.0010000モル)の混合物に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(870.91uL、5.0ミリモル)およびN,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウランヘキサフルオロホスフェート(1.1407g、0.0030000モル)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水で抽出した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を、ヘプタン中の酢酸エチルの勾配を0〜20%とし、シリカを用いて溶離精製したところ、2−tert−ブチル−5−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン109f(163mg、40%)が得られた。
【0212】
実施例109g 6−クロロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オン 109g
【化60】
1,4−ジオキサン(12mL)中の、4−ブロモ−6−クロロピリダジン−3(2H)−オン(838mg、4.0ミリモル)と、1−メチル−1H−ピラゾール−3−アミン(427mg、4.4ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ−パラジウム(0)(91.6mg、0.1ミリモル)と、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、97%(170mg、0.4ミリモル)との混合物に、ナトリウムtert−ブトキシド(845.7mg、8.8ミリモル)を加えた。混合物に、窒素をパージし、それを圧力管中に密閉した。反応混合物を100℃で一晩加熱した。混合物を室温に冷まし、Celite(登録商標)を通してろ過した。ろ液を濃縮した。残渣を1%の水酸化アンモニウムと共に、塩化メチレン中のメタノールの勾配を0〜3.5%とし、シリカを用いて溶離精製したところ、6−クロロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オン(109g)(230mg、25%)が得られた。
【0213】
実施例109 2−tert−ブチル−5−(2−メチル−3−(5−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン109
5mLの圧力管に、6−クロロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オン109g(20.0mg、0.089ミリモル)、2−tert−ブチル−5−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン109f(43.9mg、0.11ミリモル)、1.27Mのリン酸カリウム水(0.15mL、0.20ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.1mg、0.0044ミリモル)、S−Phos(4.4mg、0.011ミリモル)、および1,4−ジオキサン(1.4mL)を入れた。混合物に、窒素をパージし、それを密閉し、110℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷まし、Celite(登録商標)を通してろ過した。ろ過ケーキを塩化メチレン/メタノール(約9:1)で洗浄した。ろ液を濃縮した。残渣を、塩化メチレン中のメタノールの勾配を0〜3.5%とし、シリカを用いて溶離精製した。得られた材料を、0.05%のトリフルオロ酢酸と共に、水中のアセトニトリルの勾配を0〜80%とし、逆相HPLC:C−18カラムによって、20分間かけて更に溶離精製したところ、2−tert−ブチル−5−(2−メチル−3−(5−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン(109)(13mg、31%)が得られた。M+1 476.2。H NMR(400MHz、DMSO)δ 12.92(s,1H)、9.17(s,1H)、7.72(s,1H)、7.48(d,J=2.2,1H)、7.44(dd,J=5.3,3.9,1H)、7.32(dd,J=6.5,2.7,2H)、6.08(d,J=2.3,1H)、4.91(s,2H)、3.67(s,3H)、2.07(s,3H)。
【0214】
実施例110
実施例110a 4−ブロモ−6−クロロ−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピリダジン−3(2H)−オン 110a
【化61】
磁気撹拌器を備えた500mLの一口丸底フラスコに窒素をパージし、無水DMF(150mL)および4−ブロモ−6−クロロ−ピリダジン−3(2H)−オン(10.0g、47.8ミリモル)を入れた。反応混合物を0℃に冷却し、水素化ナトリウムを加えた。反応物を0℃で20分間撹拌した。この後、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(11.9g、71.6ミリモル)を加え、冷却浴を除去し、反応物を室温で3時間撹拌した。次に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を用いて反応を停止させた。混合物を酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製したところ、56%の収率(9.00g)で、110aが黄色のオイルとして得られた:H NMR(300MHz、CDCl)δ 8.02(s,1H)、5.42(s,2H)、3.79(t,2H,J=5.4Hz)、0.96(t,2H,J=5.4Hz)、0.01(s,9H)。
【0215】
実施例110b 6−クロロ−4−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−2−((2−(トリメチル−シリル)エトキシ)メチル)ピリダジン−3(2H)−オン 110b
【化62】
100mLの一口丸底フラスコに入れた、1,4−ジオキサン(20mL)中の、4−ブロモ−6−クロロ−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピリダジン−3(2H)−オン110a(1.19g、3.50ミリモル)と、1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−アミン(409mg、3.68ミリモル)との混合物に、炭酸セシウム(3.42g、10.5ミリモル)を加えた。混合物に30分間窒素をパージした。次に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(321mg、0.350ミリモル)および4,5−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(344mg、0.596ミリモル)を加えた。フラスコを、窒素をパージした凝縮器に連結し、混合物を、窒素下で18時間還流させた。混合物を室温に冷まし、ろ過した。ろ過ケーキを、酢酸エチル(30mL)および水(10mL)に懸濁させ、Celite(登録商標)を通してろ過した。層を分離した。一緒にした有機層を、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を、ヘプタン中の酢酸エチルの勾配を0〜50%とし、シリカを用いて溶離精製したところ、6−クロロ−4−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピリダジン−3(2H)−オン110bが黄色の固体(928mg、72%)として得られた。
【0216】
実施例110c 2−tert−ブチル−5−(3−(5−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−オキソ−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン 110c
【化63】
実施例109にしたがい、247.2mg(0.6ミリモル)の2−tert−ブチル−5−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン109f、185mg(0.5ミリモル)の6−クロロ−4−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピリダジン−3(2H)−オン110b、45.8mg(0.05ミリモル)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、49.3mg(0.12ミリモル)の4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.596ミリモル)、1.27Mのリン酸カリウム水溶液0.67mL(0.85ミリモル)、および10mLの1,4−ジオキサンを反応させたところ、186mg(60%)の2−tert−ブチル−5−(3−(5−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−オキソ−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン110cが得られた。
【0217】
実施例110 2−tert−ブチル−5−(3−(5−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン 110
塩化水素ガスを、メタノール(20mL)中の2−tert−ブチル−5−(3−(5−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−オキソ−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン110c(186mg、0.30ミリモル)およびアニソール(0.163mL、1.50ミリモル)に、0℃で5分間バブリングした。得られた混合物を室温まで温め、16時間撹拌し続けた。反応混合物を濃縮した。残渣を、14分間にわたって1%の水酸化アンモニウムと共に、水中のアセトニトリルを20〜60%とし、逆相HPLC:C−18カラムを用いて溶離精製したところ、2−tert−ブチル−5−(3−(5−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン110(40mg、30%)が得られた。M+1 490.1。
H NMR(400MHz、DMSO)δ 12.95(s,1H)、9.09(s,1H)、7.77(s,1H)、7.50(dd,J=5.6,3.6,1H)、7.41〜7.32(m,2H)、5.97(s,1H)、4.97(s,2H)、3.62(s,3H)、2.17(d,J=19.6,6H)、1.47(s,9H)。
【0218】
実施例111
実施例111a 6−クロロ−4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピリダジン−3(2H)−オン 111a
【化64】
100mLの一口丸底フラスコに入れた、1,4−ジオキサン(40mL)中の、110a(2.38g、7.00ミリモル)と、5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−アミン(905mg、7.35ミリモル)との混合物に、炭酸セシウム(6.84g、21.0ミリモル)を加えた。混合物に30分間窒素をパージした。次に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(641mg、0.700ミリモル)および4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(688mg、1.19ミリモル)を加えた。フラスコを、窒素をパージした凝縮器に連結し、混合物を窒素下で6時間還流させた。混合物を室温に冷まし、ろ過した。ろ過ケーキを、酢酸エチル(30mL)および水(10mL)に懸濁させ、Celite(登録商標)を通してろ過した。層を分離した。一緒にした有機層を、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。乾燥剤をろ過によって除去した。ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を、ヘプタン中の酢酸エチルの勾配を0〜50%とし、シリカを用いて溶離精製したところ、6−クロロ−4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピリダジン−3(2H)−オン(111a)(1.58g、59%)が得られた。
【0219】
実施例111b 2−tert−ブチル−5−(3−(5−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−オキソ−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン 111b
【化65】
実施例109の手順にしたがい、148.4mg(0.36ミリモル)の2−tert−ブチル−5−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン109f、114.6mg(0.3ミリモル)の6−クロロ−4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピリダジン−3(2H)−オン111a、27.5mg(0.03ミリモル)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、29.6mg(0.072ミリモル)の4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.596ミリモル)、1.27Mのリン酸カリウム水0.71mL(0.9ミリモル)、および10mLの1,4−ジオキサンを用いて、129mg(68%)の2−tert−ブチル−5−(3−(5−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−オキソ−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン111bを得た。
【0220】
実施例111 2−tert−ブチル−5−(3−(5−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン 111
ジクロロメタン(5mL)中の、2−tert−ブチル−5−(3−(5−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−オキソ−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン111bおよびトリフルオロ−酢酸(5mL)の混合物に、アニソール(0.11mL、1.0ミリモル)およびトリフルオロメタンスルホン酸(0.054mL、0.61ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を濃縮した。残渣を、1%の水酸化アンモニウムと共に、水中のアセトニトリルを20〜60%とし、逆相HPLC:C−18カラムを用いて溶離精製したところ、2−tert−ブチル−5−(3−(5−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4H−ピロロ[3,4−d]チアゾール−6(5H)−オン111(50mg、50%)が得られた。M+1 502.2。H NMR(400MHz、DMSO)δ 12.94(s,1H)、12.02(s,1H)、9.06(s,1H)、7.82(s,1H)、7.50(dd,J=5.8,3.5,1H)、7.38(dd,J=8.0,5.6,2H)、5.87(d,J=2.0,1H)、4.96(s,2H)、2.13(s,3H)、1.84(td,J=8.4,4.2,1H)、1.47(s,9H)、0.98〜0.82(m,2H)、0.71〜0.59(m,2H)。
【0221】
実施例901 生化学的Btkアッセイ
式Iの化合物を試験するのに使用することのできる、標準的な生化学的Btkキナーゼアッセイのための一般化手順は以下の通りである。1×細胞シグナル伝達キナーゼ緩衝剤(25mMのトリス−HCl、pH7.5、5mMのβ−グリセロリン酸塩、2mMのジチオスレイトール、0.1mMのNaVO、10mMのMgCl)、0.5μMのPromega PTKビオチン化ペプチド基質2、および0.01%のBSAを含有する、マスターミックス(master mix)マイナスBtk酵素を調製する。1×細胞シグナル伝達キナーゼ緩衝剤、0.5μMのPTKビオチン化ペプチド基質2、0.01%のBSA、および100ng/ウェル(0.06mU/ウェル)のBtk酵素を含有する、マスターミックスプラスBtk酵素を調製する。Btk酵素を以下のとおりに調製する:C末端にV5および6x Hisタグを有する完全長ヒト野生型Btk(受託番号NM−000061)を、このエピトープタグの付いたBtkを有するバキュロウイルスを作製するために、pFastBacベクター中にサブクローニングする。バキュロウイルスの作製を、その公表されたプロトコル“Bac−to−Bac Baculovirus Expression Systems”(Cat.Nos.10359−016および10608−016)に詳述されるInvitrogenの説明書に基づいて行う。3代継代ウイルスを用いてSf9細胞を感染させ、組み換えBtkタンパク質を過剰発現させる。次に、Btkタンパク質を、Ni−NTAカラムを用いて、均質になるまで精製する。最終的なタンパク質調製物の純度は、高感度Sypro−Ruby染色に基づいて95%を超える。200μMのATPの溶液を、水中で調製し、1NのNaOHを用いてpH7.4に調整する。化合物が5%のDMSO1.25μLを、96ウェルのハーフエリアCostarポリスチレンプレートに移す。化合物を、単独で、11点用量反応曲線(出発濃度が10μM;1:2の希釈)を用いて試験する。18.75μLの量のマスターミックスマイナス酵素(陰性対照として)およびマスターミックスプラス酵素を、96ウェルのハーフエリアcostarポリスチレンプレート中の適切なウェルに移す。5μLの200μMのATPを、最終的なATP濃度が40μMになるように96ウェルのハーフエリアCostarポリスチレンプレート中のその混合物に加える。反応物を、室温で1時間インキュベートする。30mMのEDTA、20nMのSA−APC、および1nMのPT66 Abを含有するPerkin Elmer 1×検出緩衝剤を用いて、反応を停止させる。励起フィルタ330nm、発光フィルタ665nm、および第2の発光フィルタ615nmを用いたPerkin Elmer Envisionによって、時間分解蛍光法を用いてプレートを読み取る。次に、IC50値を計算する。あるいはLanthascreenアッセイを用いて、そのリン酸化ペプチド産物の定量化によってBtk活性を評価することができる。ペプチド産物におけるフルオレセインと検出抗体におけるテルビウムとの間で起こるFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)は、ペプチドのリン酸化を抑えるBtkの阻害剤の添加により減少する。25μLの最終的な反応体積で、Btk(h)(0.1ng/25μl反応)を、50mMのHepes pH 7.5、10mMのMgCl、2mMのMnCl、2mMのDTT、0.2mMのNaVO4、0.01%のBSA、および0.4μMのフルオレセインポリ−GATを用いてインキュベートする。ATPを25uM(ATPのKm)まで加えることによって反応を開始させる。室温で60分間インキュベーションした後、60mMのEDTA中のTb−PY20検出抗体を、最終濃度を2nMとして、室温で30分間加えることによって反応を停止させる。340nMの励起、及び、495nm並びに520nmにおける発光を用いたPerkin Elmer Envisionで検出を測定する。Btk阻害IC50値の例を表1及び2に示す。
【0222】
実施例902 ラモス細胞Btkアッセイ
式Iの化合物を試験するのに使用することのできる、標準的な細胞Btkキナーゼアッセイのための別の一般化手順は以下の通りである。ラモス細胞を、試験化合物の存在下で0.5×10細胞/mlの密度で、37℃で1時間インキュベートする。次に、37℃で5分間、10μg/mlの抗ヒトIgM F(ab)を用いてインキュベートすることによって細胞を刺激する。細胞をペレット化し、溶解させ、透明化された溶解物においてタンパク質アッセイを行う。各試料の等しい量のタンパク質について、SDS−PAGEを行い、そして、Btk自己リン酸化を評価するために抗ホスホBtk(Tyr223)抗体(Cell Signaling Technology #3531;Epitomics,cat.#2207−1)またはホスホBtk(Tyr551)抗体(BD Transduction Labs #558034)のいずれかを用いるか、あるいは各溶解物中のBtkの総量を制御するために抗Btk抗体(BD Transduction Labs #611116)を用いてウェスタンブロッティングを行う。
【0223】
実施例903 B細胞増殖アッセイ
式Iの化合物を試験するのに使用することのできる、標準的な細胞B細胞増殖アッセイのための一般化手順は以下の通りである。B細胞単離キット(Miltenyi Biotech、Cat # 130−090−862)を用いて、8〜16週齢のBalb/cマウスの脾臓からB細胞を精製する。試験化合物を、0.25%DMSOに希釈し、100μlの最終体積中10μg/mlの抗マウスIgM抗体(Southern Biotechnology Associates Cat # 1022−01)を加える前に、2.5×10個の精製されたマウス脾臓B細胞とともに30分間インキュベートする。24時間のインキュベーションに続き、1μCiのH−チミジンを加え、SPA[H]チミジン取り込みアッセイ系(Amersham Biosciences # RPNQ 0130)の製造業者のプロトコルを用いて採取する前に、プレートをさらに36時間インキュベートする。SPAビーズによる蛍光を、マイクロベータ(microbeta)カウンタ(Wallace Triplex 1450,Perkin Elmer)でカウントする。
【0224】
実施例904 T細胞増殖アッセイ
式Iの化合物を試験するのに使用することのできる標準的なT細胞増殖アッセイのための一般化手順は以下の通りである。Pan T細胞単離キット(Miltenyi Biotech、Cat # 130−090−861)を用いて、8〜16週齢のBalb/cマウスの脾臓からT細胞を精製する。試験化合物を、0.25%DMSOに希釈し、抗CD3(BD # 553057)および抗CD28(BD # 553294)抗体それぞれ10μg/mlが37℃で90分間予め塗布された透明な平底プレート中で、100μlの最終体積中2.5×10個の精製されたマウス脾臓T細胞と共にインキュベートする。24時間のインキュベーションに続き、1μCiのH−チミジンを加え、SPA[H]チミジン取り込みアッセイ系(Amersham Biosciences # RPNQ 0130)の製造業者のプロトコルを用いて採取する前に、プレートをさらに36時間インキュベートする。SPAビーズによる蛍光を、マイクロベータカウンタ(Wallace Triplex 1450,Perkin Elmer)でカウントする。
【0225】
実施例905 CD86阻害アッセイ
式Iの化合物を試験するのに使用することのできるB細胞活性の阻害のための標準的なアッセイのための一般化手順は以下の通りである。赤血球溶解(BD Pharmingen #555899)によって、8〜16週齢のBalb/cマウスの脾臓から全マウス脾細胞を精製する。試験化合物を、0.5%DMSOに希釈し、透明な平底プレート(Falcon 353072)中で、200μlの最終体積中1.25×10個の脾細胞とともに、37℃で60分間インキュベートする。次に、15μg/mlのIgM(Jackson ImmunoResearch 115−006−020)を加えることによって細胞を刺激し、37℃で、5%COの環境で24時間インキュベートする。24時間のインキュベーションの後、細胞を円錐底透明96ウェルプレートに移し、1200×g×5分間での遠心分離によってペレット化する。細胞を、CD16/CD32(BD Pharmingen #553142)によって予めブロック(preblock)した後、CD19−FITC(BD Pharmingen #553785)、CD86−PE(BD Pharmingen #553692)、および7AAD(BD Pharmingen #51−68981E)を用いてそれに三重染色を行う。細胞をBD FACSCaliburで分類し、CD19/7AAD集団においてゲーティングする。ゲーティングされた集団におけるCD86表面発現のレベルを、試験化合物濃度に対して測定する。典型的な結果を表3に示す。
【0226】
【0227】
実施例906 B−ALL細胞生存アッセイ
以下は、生存細胞の数を測定するためにXTT読み取りを用いた標準的なB−ALL(急性リンパ芽球性白血病)細胞生存試験のための手順である。このアッセイを用いて、培養液中におけるB−ALL細胞の生存を阻害する能力について、式Iの化合物を試験することができる。使用することのできる1つのヒトB細胞急性リンパ芽球性白血病細胞株は、SUP−B15、すなわちATCCから入手可能なヒトPre−B細胞ALL細胞株である。
【0228】
複数の96ウェルマイクロタイタープレートの、100μlのIscove培地+20%のFBS中に、5×10個の細胞/mlの濃度で、SUP−B15 pre−B−ALL細胞を播種した。次に、試験化合物を、最終濃度の0.4%のDMSOとともに加えた。細胞を、COが5%、37℃で最大3日間インキュベートした。3日後、細胞を1:3に分割(split)して、試験化合物を含む新しい96ウェルプレートに入れ、さらに最大3日間増殖させた。24時間後毎に、50μlのXTT溶液を、複製96ウェルプレートのうちの1つに加え、製造業者の説明書にしたがって2、4および20時間の時点で吸光度の読み取り値を測定した。次に、アッセイの線形範囲(0.5〜1.5)内のDMSOのみで処理された細胞について、ODで測定された読み取り値を取り、化合物で処理されたウェル中の生存細胞のパーセンテージを、DMSOのみで処理された細胞に対して測定した。
【0229】
実施例907 CD69全血アッセイ
ヒト血液を、以下の条件に合う健常な被験者から得た:1週間の休薬、非喫煙者。血液(8種の化合物を試験するために約20ml)を、ヘパリンナトリウム(sodium heparin)を含むVacutainer(登録商標)(Becton,Dickinson and Co.)管中に静脈穿刺によって採取した。
【0230】
10mMの各式I化合物のDMSO溶液を、100%のDMSO中で1:10に希釈し、次に10点用量反応曲線のために、100%のDMSO中で、3倍段階希釈によって希釈した。化合物をPBS中で1:10にさらに希釈し、次に、各化合物の5.5μlのアリコートを、2mlの96ウェルプレートに二連で加え;5.5μlの、PBS中10%のDMSOを、対照および非刺激ウェルとして加えた。ヒト全血−HWB(100μl)を各ウェルに加えた。混合した後、プレートを、37℃、CO5%、100%の湿度で30分間インキュベートした。ヤギF(ab’)2抗ヒトIgM(10μlの500μg/ml溶液、最終50μg/ml)を、混合しながら各ウェル(非刺激ウェル以外)に加え、プレートをさらに20時間インキュベートした。20時間のインキュベーションの終了時に、試料を、蛍光標識抗体とともに、37℃、CO5%、100%の湿度で30分間インキュベートした。補償調整(compensation adjustment)および初期の電圧設定のために、誘導された対照(induced control)、非染色(unstained)および単染色(single stain)を含む。次に、試料を、製造業者の説明書にしたがって、PharM Lyse(商標)(BD Biosciences Pharmingen)を用いて溶解させた。次に、LSRII機械で、BD Biosciences HTS 96ウェルシステムで実施するのに適した96ウェルプレートに試料を移した。BD Biosciences DIVA Softwareを用いて、取得されたデータおよび平均蛍光強度値を得た。結果を初めにFACS解析ソフトウェア(Flow Jo)によって解析した。試験化合物のIC50を、抗IgMによって刺激されるCD20陽性でもあるCD69細胞の陽性率を50%減少させる濃度として定義した(非刺激バックグラウンド(background)に対する8つのウェルの平均を差し引いた後の、8つの対照ウェルの平均)。IC50値を、Prism version 5によって、非線形回帰曲線当てはめ(nonlinear regression curve fit)を用いて計算した。
【0231】
CD69全血アッセイにおける、表1および2から選択される化合物の典型的なIC50値には以下のものがある:
【0232】
図1
図2
図3