【文献】
Ericsson, ST-Ericsson,UE Positioning Measurement Requirement Applicability with Carrier Aggregation[online], 3GPP TSG-RAN WG4♯57AH R4-110080,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_57AH/Docs/R4-110080.zip>,2000年 1月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
マルチキャリア無線通信ネットワーク(10)におけるユーザ機器(UE)(12)のサービングノード(32)によって実行される当該UE(12)についての測位適応型のキャリアスイッチングの方法(100)であって、当該UEは少なくとも2つのキャリアによってサービスされ、
前記UE(12)についてのプライマリキャリアとして第1のキャリアを割り当てること(102)と、
前記UE(12)についての前記プライマリキャリアとなるべき第2のキャリアを選択すること(104)と、
前記UE(12)についての前記プライマリキャリアを前記第1のキャリアから前記第2のキャリアにスイッチングすること(106)と、
を含み、
前記選択するステップ(104)及び前記スイッチングするステップ(106)のうちの少なくとも1つは、1つ以上の測位用測定が実行されることを可能にするように制約され、
前記UE(12)についての前記プライマリキャリアを前記第1のキャリアから前記第2のキャリアにスイッチングすること(106)は、当該キャリアスイッチング(106)を進行中のロケーションサービスセッションについてのハンドオーバ手続きとして扱うこと、を含む、
方法。
マルチキャリア無線通信ネットワーク(10)において動作可能であり、及び少なくとも2つのキャリアによってサービスされるユーザ機器(UE)(12)によって実行される測位適応型のキャリアスイッチングの方法(200)であって、
プライマリキャリアとしての前記少なくとも2つのキャリアのうちの第1のキャリア上で通信信号を受信すること(202)と、
前記プライマリキャリア上の進行中の測位用測定セッションの1つ以上の測位用測定を実行すること(204)と、
前記プライマリキャリアは前記少なくとも2つのキャリアのうちの前記第1のキャリアから前記少なくとも2つのキャリアのうちの第2のキャリアにスイッチングされるべきであるという標識をサービングノード(32)から受信すること(206)と、
前記進行中の測位用測定セッションを継続しながら、前記プライマリキャリアとしての前記少なくとも2つのキャリアのうちの前記第2のキャリアにスイッチングすること(208)と、
を含む、方法。
前記進行中の測位用測定セッションの前記測位用測定を用いて前記UE(12)についての測位手続きを実行するロケーションサービスネットワークノード(40)に、前記プライマリキャリアのスイッチングの標識を送ること、
をさらに含む、請求項3に記載の方法(200)。
前記進行中の測位用測定セッションの前記測位用測定を用いて前記UE(12)についての測位手続きを実行するロケーションサービスネットワークノード(40)に、前記第2のキャリアの無線アクセス技術(30)の標識を送ること、
をさらに含む、請求項3に記載の方法(200)。
前記コントローラ(18)は、ロケーションサービスネットワークノード(40)に、前記プライマリキャリアのスイッチング(208)の標識を送るようにさらに動作可能である、請求項15に記載のUE(12)。
前記コントローラ(18)は、測位リファレンス信号が前記第2のキャリア上で送信される場合には所定のルールを適用して測定ギャップを用いないようにさらに動作可能である、請求項15に記載のUE(12)。
前記コントローラ(18)は、測位リファレンス信号が前記第2のキャリア上で送信される場合のみ、前記プライマリキャリアとして前記第2のキャリアにスイッチングする(208)際に進行中の前記測位用測定(204)を維持するように動作可能である、請求項15に記載のUE(12)。
前記コントローラ(18)は、進行中の前記測位用測定(204)が完了するまで前記第2のキャリアへの前記スイッチング(208)を遅延させるように動作可能である、請求項15に記載のUE(12)。
前記コントローラ(18)は、前記第2のキャリアへの前記スイッチング(208)が遅延されるという標識を前記サービングノード(32)へ送信するようにさらに動作可能である、請求項21に記載のUE(12)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
A−GPS(Assisted-GPS)測位
多くの環境において、無線通信ネットワークにおけるユーザの位置は、GNSS(Global
Navigation Satellite System)に基づく測位方法を用いることによって正確に推定されることができる。その例は、GPS(Global Positioning System)、ガリレオなどを含む。GPSは、現在、完全に機能するGNSSシステムである。多くの現代のユーザ機器(UE)は、GNSS、又はより具体的にはGPS受信機回路を含む。また、現代のネットワークは、端末受信機の感度及びGPS始動性能を改善するために、UEを支援してもよく、A−GPS(Assisted-GPS)測位として知られる。
図1は、代表的なA−GPSマルチキャリア無線通信ネットワーク30を示す。測位されるべきUE12及び固定されたネットワークGPS受信機46の双方が、複数のGPS衛星20から測距信号を受信する。GPSインタフェース42を含むロケーションサービスネットワークノード40は、衛星20の一時的な(ephemeral)データなどの支援データを、コアネットワーク44及びUEのサービングノード32(例えば、eNode−B)を介してUE12に提供する。ただし、GPS受信機又はA−GPS受信機は、必ずしも全ての無線端末において利用可能ではないことがある。さらに、GPSは室内環境及び都市の谷間においてしばしば障害を起こすことが知られている。それ故に、OTDOAと呼ばれる補完的な地上の測位方法が3GPPによって標準化されてきた。エンハンストセルID(E−CID:Enhanced cell identity)ベースの測位方法も、3GPPによって標準化されてきた地上の測位方法の別の例である。
【0013】
OTDOA(Observed Time Difference of Arrival Positioning)
図2は、マルチキャリア無線通信ネットワークにおいて複数の別個のロケーションから受信されるダウンリンクリファレンス信号(破線で示される)のタイミング差のUE12による測定を示す。(測定される)各近隣セルについて、UE12は、各近隣セルと参照セルとの間の相対的時間差であるリファレンス信号時間差(RSTD:Reference Signal Time Difference)を測定する。UE12の位置推定値は、測定されるRSTDに対応する双曲線の交点として発見される。端末の2つの座標及び受信機のクロックバイアスを求めるために、良好なジオメトリを有する、地理的に分散された基地局からの少なくとも3つの測定値が必要とされる。位置を求めるためには、送信機のロケーション及び送信タイミングオフセットの正確な知識が必要とされる。位置算出はUE12によって(UEベースの測位モード)、又は代わりに、LTE(Long Term Evolution)3GPP標準におけるE−SMLC(Enhanced Serving Mobile Location Center)若しくはSUPL(Secure User Plane Location)ロケーションプラットフォーム(SLP)といったロケーションサービスネットワークノードによって(UE支援型測位モード)実行されることができる。
【0014】
LTEにおける測位を可能にし、及び充分な数の別個のロケーションについての適当な品質の測位用測定を容易にするために、測位リファレンス信号(PRS)と呼ばれる測位専用の新たな物理的信号が導入され、低干渉の測位サブフレームが3GPPにおいて仕様化されてきた。技術仕様書、3GPP TS 36.211 “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical Channels and Modulation”を参照されたい。
【0015】
測位リファレンス信号
本明細書においてより詳細に説明されるように、LTEシステムにおいて、PRSは、予め定義されるパターンに従って1つのアンテナポート(R6)から送信される。物理セルID(PCI:Physical Cell Identity)の関数である周波数シフトは、仕様化されたPRSパターンに適用されて直交パターンを生成し、6つの周波数の効果的な再利用をモデリングすることができ、これは測定されるPRSへの近隣セルの干渉を著しく低減し、従って、測位用測定値を改善することを可能にする。PRSは測位用測定のために特に設計されており、概して他のリファレンス信号よりも良好な信号品質によって特徴付けられるが、標準はPRSを用いることを義務付けていない。他のリファレンス信号、例えばセル固有のリファレンス信号(CRS:cell-specific reference signals)も、原理上は測位用測定のために用いられ得る。
【0016】
PRSは、幾つかの連続するサブフレーム(N
PRS)によってグループ化される予め定義される測位サブフレームにおいて送信され、1つの測位機会として知られる。
図3に示されるように、測位機会は、N個のサブフレームのある周期性によって、即ち、2つの測位機会の間の時間間隔で、周期的に発生する。LTEにおいて、標準化された期間Nは、160ms、320ms、640ms、及び1280msであり、連続するサブフレームの数は、1個、2個、4個、及び6個である。
【0017】
UTRAN(UMTS(Universal Mobile Telecommunications System) Terrestrial Radio Access Network)FDD(Frequency Division Duplex)ネットワークにおいて、UE12によって実行されるSFN(System Frame Number:システムフレーム番号)−SFNタイプ2測定がOTDOA測位方法について用いられる。技術仕様書、3GPP TS 25.215,“Physical Layer Measurements(FDD)”を参照されたい。この測定値は、セルj及びセルiからのプライマリ共通パイロットチャネル(CPICH:Common Pilot Channel)に基づくセルjとセルiとの間の相対的時間差である。UTRANにおいて、UEによって報告されるSFN−SFNタイプ2測定値は、UE12の位置を推定するためにネットワーク30によって用いられる。
【0018】
OTDOA及びE−CIDなどの他の測位方法は、緊急通話にも用いられることとなる。それ故に、これらの測定値の応答時間は、緊急通話の要件を満たすためにできる限り小さくなるべきである。
【0019】
上記のように、LTEにおいて、PRSは、予め定義されるパターンに従って1つのアンテナポート(R6)から送信される。現在仕様化されているPRSパターンは、
図4に示される。
図4において、R
6と表される正方形は、14個のOFDMシンボルにわたる12個のサブキャリアのブロック(通常の巡回プレフィックスを有する1msのサブフレーム)内のPRSリソースエレメント(RE)を示す。PRSへの干渉を低減し、従って測位用測定値を改善するために、周波数シフトのセットは、予め定義されるPRSパターンに適用されて、近隣セルにおいて用いられることができる直交パターンのセットが取得されることができる。6つの周波数の効果的な再利用は、このようにモデリングされることができる。周波数シフトは、以下のように物理セルID(PCI)の関数として定義される。
【0021】
サブフレーム単位で、PRSは、電力ゼロで送信されることも、又は弱められることもできる。
【0022】
複数のサイトから妥当な品質でPRSを検出することを可能にするために、測位サブフレームは、低干渉のサブフレーム(LIS:low-interference sub-frames)として設計されてきた。概して、データ送信は、測位サブフレームにおいて抑制される。これは、PRSサブフレームの期間中に物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)がUE12に送信されるべきではないことを意味する。従って、同期しているネットワーク30においては、PRSは、理想的には、同じPRSパターンインデックス(即ち、同じ垂直シフトV
shift)を有する他のセルからのPRSによってのみ干渉され、データ送信によっては干渉されない。
【0023】
LISの使用に加えて、PRSは、MBSFN(Mobile Broadcast Single Frequency Network)のために設定可能なサブフレームの期間中に送信されることもできる。これらのサブフレームは、ユーザデータを含まず、各MBSFNサブフレーム中の最初の2つのOFDMシンボルのみが共通の制御チャネル(例えば、PDCCH)又は物理的信号(例えば、CRS)を含み得る。LTEにおいては、1つのフレーム中の最大で6つのダウンリンクサブフレームがMBSFNのために設定されることができる。MBSFNサブフレームにおいて、PRSパターンは、2GPP TS 36.211において仕様化される。データ送信が無いことに起因して、干渉もこれらのMBSFNサブフレームにおいては低減される。
【0024】
OTDOA測位の場合、複数の別個のロケーションからのPRS信号が測定される必要があるため、UE12受信機は、サービングセルから受信されるPRSよりもかなり弱いPRSに対処しなければならないことがある。さらに、測定される信号が時間的にいつ到来することが期待されるのかについてのおおよその知識、又は正確なPRSパターン無しには、UE12は、大きなウィンドウ内での信号探索を行う必要があるであろう。これは、UE12の複雑度のみならず、測定の時間及び精度にも影響を与えるであろう。UE12の測定を容易にするために、ネットワーク30は、UE12に支援データを送信する。当該支援データは、特に、参照セル情報、近隣セルのPCIを含む近隣セルリスト、連続するダウンリンクサブフレームの数、PRS送信帯域幅、周波数などを含む。
【0025】
LTE OTDOAにおいて、UE12は、標準即ち3GPP TS 36.214において定義されているリファレンス信号時間差(RSTD)を測定する。測定は、イントラ周波数及びインター周波数の双方について仕様化され、RRC_CONNECTED状態において行われる。
【0026】
エンハンストセルIDベースの測位
E−CIDベースの方法は、典型的には、1つより多くのUE及び/又は基地局の測定に依存してUEのロケーションを判定する。LTEにおけるUE測定の例は、例えば、セルID報告;UEによって測定されるサービングセルからのUEの受信−送信時間差測定;RSRP;RSRQ等である。セルID報告、RSRP、及びRSRQ測定は、サービングセル及び近隣セルのUEによって実行される。UEによって送信される信号について基地局によって実行される基地局(例えば、eNodeB)測定の例は、例えば、基地局受信−送信時間差測定;到来角(AoA:angle of arrival);タイミングアドバンス(TA)等である。測位ノード(例えば、LTEにおけるE−SMLC)は、これらの測定の任意の組み合わせを用いてUE12のロケーションを判定する。
【0027】
測定ギャップ
UE12は、測定ギャップにおいてインター周波数測定及びインターRAT測定を実行する。測定は種々の目的のために為される:モビリティ、測位、SON(self organizing network)、ドライブテストの最小化など。さらに、同じギャップパターンは、全てのタイプのインター周波数測定及びインターRAT測定について用いられる。そのため、E−UTRANは、全ての周波数レイヤ及びRATの同時モニタリング(即ち、セル検出及び測定)のために一定のギャップ期間を有する単一の測定ギャップパターンを提供しなければならない。E−UTRANのUE12は、双方が6msの測定ギャップ長を有する40ms及び80msの最大ギャップ繰り返し期間(MGRP:maximum gap repetition period)から成る2つの設定をサポートする。実際には、周波数スイッチング時間に起因して、6つのサブフレームよりも少なく、ただし少なくとも5つの完全なサブフレームが、そのような各測定ギャップ内での測定のために利用可能である。
【0028】
LTEにおいて、測定ギャップは、他のLTE周波数及び/又は他のRAT(例えば、UTRAN、GSM、CDMA2000等)についての測定を可能にするためにネットワーク30によって設定される(及び、必要に応じて再設定される)。ギャップ設定は、測定設定の一部として無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)プロトコル上でUE12にシグナリングされる。1つのギャップパターンのみが一度に設定されることができ、ネットワークはUE12を再設定してギャップパターンを変更しなければならない。同じパターンは、全てのタイプの設定された測定、例えば、インター周波数近隣セル測定、インター周波数測位用測定、インターRAT近隣セル測定、及びインターRAT測位用測定について用いられる。
【0029】
マルチキャリアLTEネットワーク30において、測定ギャップは、他のRAT(例えば、GSM、UTRAN)又は非設定LTEキャリア周波数(即ち、RRCによって設定されないキャリア)について測定を実行するために依然として用いられ得る。LTEにおけるモビリティ測定は、UE12が、同期信号即ちプライマリ同期信号(PSS:primary synchronization signals)及びセカンダリ同期信号(SSS:secondary synchronization signals)、並びにセル固有のリファレンス信号(CRS:cell-specific reference signals)上で測定を実行して、インター周波数ハンドオーバを可能にし、システム性能を強化することを要求する。LTEモビリティ測定値の例は、リファレンス信号受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)及びリファレンス信号受信品質(RSRQ:Reference Signal Received Quality)である。
【0030】
UTRAN FDDにおいて、他のUTRAN FDDキャリア及び他のRAT(例えば、LTE、GSM等)についての測定は、周期的に発生する圧縮モード(CM:compressed mode)ギャップにおいて実行される。例えば、CMギャップパターンは、1つおきのフレーム(1フレーム=10ms)ごとに発生する10個のUTRAN FDDスロット(1スロット=0.67ms)のギャップから成り得る。UTRAN FDDとLTEとの間の1つの主な相違点は、前者においてはキャリアごとに1つのCMパターン、例えば、2つの異なるUTRAN FDDキャリアについての測定には2つのCMパターンが用いられる点である。
【0031】
マルチキャリア高速パケットアクセス(HSPA:High Speed Packet Access)システムにおいては、UE12のケイパビリティに依存して、CPギャップは、他のRAT及び他のUTRAN FDDキャリアについての測定のために依然として要求され得る。
【0032】
マルチキャリアネットワーク
キャリアアアグリゲーション(CA)、又は例えばデュアルセル(DC)としても知られるマルチキャリア無線通信ネットワークは、UE12が1つよりも多いキャリア周波数上でデータを同時に受信し及び/又は送信することを可能にする。各キャリア周波数は、しばしばコンポーネントキャリア(CC)、又は単にサービングセクタにおけるサービングセル、より具体的にはプライマリサービングセル若しくはセカンダリサービングセルとも呼ばれる。マルチキャリアの概念は、HSPA及びLTEの双方において用いられる。
【0033】
(単一RATマルチキャリアシステムとしても知られる)イントラRATマルチキャリアシステムにおいて、全てのコンポーネントキャリアは、同じRAT、例えば、LTE FDDマルチキャリアシステム、LTE TDDマルチキャリアシステム、UTRAN FDDマルチキャリアシステム、又はUTRAN TDDマルチキャリアシステムに属する。LTEマルチキャリアシステムにおいては、
図5に示されるように、アップリンク(UL)及びダウンリンク(DL)において、様々な帯域幅の、及び場合により、様々な周波数帯域における様々な数のコンポーネントキャリアをアグリゲートすることが可能である。
図5Aは、4つの20MHzのキャリアと1つの10MHzのキャリアとを含む90MHzのアグリゲートされた帯域幅を表す。
図5Aにおいて、全てのキャリアは周波数的に隣接する。
図5Bは、各々5MHzの
4つの非隣接キャリアを含む20MHzのアグリゲートされた帯域幅を表す。
【0034】
マルチキャリアシステムにおいて、コンポーネントキャリアのうちの1つは、プライマリキャリア又はアンカーキャリアと呼ばれ、残りのコンポーネントキャリアは、コンポーネントキャリア又はセカンダリ/補足キャリアと呼ばれる。プライマリキャリア及びセカンダリキャリアは、それぞれプライマリサービングセル及びセカンダリサービングセルと当技術分野において呼ばれることもある。プライマリキャリアは、全ての共通制御チャネル及びUE固有の制御チャネルを搬送する。セカンダリキャリアは、必要なシグナリング情報及び信号のみを含み得る。例えば、プライマリアップリンクキャリア及びプライマリダウンリンクキャリアの双方は典型的にUE固有であるため、UE固有であるシグナリング情報及び信号は、セカンダリキャリア中には存在しないことがある。これは、1つのセル中の異なるUE12が異なるダウンリンクプライマリキャリアを有し得ることを意味する。同じことは、アップリンクプライマリキャリアについても当てはまる。例えば、2つのDLキャリア(F1_DL、F2_DL)及び2つのULキャリア(F1_UL、F2_UL)から成るマルチキャリアシステムにおいて、UE12のうちの幾つかにはプライマリキャリアとしてF1_DLが割り当てられ、残りのUE12はそれらのプライマリキャリアとしてF2_DLを有し得る。ネットワークは、任意のUE12のプライマリキャリアをいつでも変更することが可能である。これは、例えば、異なるキャリア上の負荷を分散させるために為される。
【0035】
複数のキャリアの同時送信及び/又は受信は、UE12がそのデータ送信レート及び/又はデータ受信レートを著しく増加させることを可能にする。例えば、LTEマルチキャリアシステムにおける2×20MHzのアグリゲートされたキャリアは、理論上は、単一の20MHzのキャリアによって達成されるデータレートと比較して、データレートの倍増をもたらすであろう。
【0036】
LTEアドバンストにおいては、幾つかの隣接キャリアアグリゲーションシナリオ及び非隣接キャリアアグリゲーションシナリオが検討されている。例えば、1つのシナリオにおいて、各々20MHzの5つの隣接コンポーネントキャリア(即ち、5×20MHz)がLTE TDDについて検討されている。同様に、LTE FDDについて、ダウンリンクにおける各々20MHzの4つの隣接コンポーネントキャリア(即ち、4×20MHz)と、アップリンクにおける2つの隣接コンポーネントキャリアと、から成るシナリオが研究されている。
【0037】
(マルチRATマルチキャリアシステムとしても知られる)インターRATマルチキャリアシステムにおいて、コンポーネントキャリアは、アップリンク及びダウンリンクの双方において異なるRATに属し得る。例えば、そのようなシステムにおいて、1つのコンポーネントキャリアはLTE FDDに属し、別のコンポーネントキャリアはLTE TDDに属し得る。別の例として、コンポーネントキャリアは、UTRAN FDD及びE−UTRAN FDDに属し得る。そのようなシステムにおいて、RATのうちの1つはメインRAT又はプライマリRATとして見なされ得る一方、残りのRATは補助的なRATである。アンカーキャリア又はプライマリキャリアは、典型的に、プライマリRATに属し得る。
【0038】
図6は、マルチRATのマルチキャリア無線通信ネットワーク10の機能ブロック図を表す。UE12は、第1のRAT30に従って2つ以上のキャリア周波数上に変調される通信及び制御信号を、LTEにおけるeNodeBなどの当該第1のRAT30におけるサービングノード32から受信し及びサービングノード32に送信する。サービングノード32は、マルチキャリア送受信器34と、UE12についてプライマリキャリア及び1つ以上のセカンダリキャリアを選択するように動作し、並びに最適なマルチキャリアネットワーク動作のために当該プライマリキャリアを必要又は要望に応じてスイッチングするようにさらに動作するコントローラ38と、を備える。本発明の実施形態によれば、コントローラ38は、本明細書においてさらに説明されるように、そのプライマリキャリアの選択及びスイッチングの決定において測位適応型の手法で制約され、それにより、例えば進行中の測位用測定が完了される。サービングノード32は、ネットワークインタフェース36を介して、LTEにおけE−SMLC又はSLPといったロケーションサービスノード40に接続される。ロケーションサービスノード40は、GPS信号の受信又はPRSのOTDOA測定といったUE12によって実行される測位用測定に基づいて、当該UE12についての測位手続きを実行し得る。
【0039】
UE12は、さらに、第2のRAT50に従って2つ以上のキャリア周波数上に変調される通信及び制御信号を、当該第2のRAT50におけるサービングノード52から受信し及びサービングノード52に送信する。サービングノード52は、さらに、ロケーションサービスノード54に接続される。
【0040】
UE12は、コントローラ18の制御下で、2つ以上の異なるキャリア周波数上に変調される通信及び制御信号を同時に受信し及び/又は送信するように動作するマルチキャリア送受信器14を備える。UE12は、さらに、測位用測定を実行するように動作する位置測定機能16を備える。測位用測定は、例えば、衛星20(例えば、GPS)からの航法信号の受信及び処理を含み、又は複数の基地局32、52から送受信器14によって受信されるPRSのタイミングの計測(timing)を含み得る。測位用測定機能16は、さらに、UE12の位置の推定値を算出し、又は位置算出のために送受信器14を介してロケーションサービスノード40、54に測位用測定値を送信し得る。本発明の実施形態によれば、コントローラ18は、本明細書においてさらに説明されるように、測位適応型の手法で動作し、それにより、進行中の測位用測定が完了される。
【0041】
当業者は、コントローラ18、38が適当にプログラムされたプロセッサ又はデジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processors)を含み得ることを認識するであろう。さらに、位置測定機能16などの機能ブロックは、種々の実施形態において、(ASICなどの)ハードウェア回路、適当なファームウェアを有するプログラマブル論理回路(例えば、FPGA)、コントローラ18などのプロセッサ上で実行されるソフトウェアモジュール、又は上記の任意の組み合わせとして実装され得る。
【0042】
上記のように、従来技術のマルチキャリア無線通信ネットワーク10は、イントラRATであってもインターRATであっても、UE12についてのプライマリキャリアを変更する際に測位用測定への影響を考慮しない。結果として、測位用測定は、中断され又は遅延され得る。
【0043】
プライマリキャリアをスイッチングする際に測位手続きを考慮しないことの別の結果は、例えば、新たなプライマリキャリア上で利用可能なPRSが存在しない場合に、UE12がギャップ又は圧縮モードパターンにおいて測位用測定を実行しなければならなくなり得ることである。セカンダリキャリア上で為されなければならない、ギャップにおける測位用測定は、プライマリキャリアについて実行される測位用測定と比較して、より長い遅延及びより低下した精度をもたらす。さらに、ネットワークは、新たなギャップパターンのためにUE12を再設定する必要があることがあり、シグナリングオーバーヘッドを増加させる。
【0044】
さらに、(測定ギャップ中であろうとなかろうと)セカンダリコンポーネントキャリア上で実行されるUE測定の測定要件は、プライマリキャリア上で為されるものと比較して厳密さが低い。例えば、コンポーネントキャリアが非アクティブ化される場合、測定量の測定期間は、より長くなる。これは、性能を低下させる。また、測定をセカンダリキャリア上で実行する場合、特にコンポーネントキャリアが頻繁にアクティブ化され及び非アクティブ化される場合、測定結果は、一貫性が無くなり得る。
【0045】
本発明の実施形態によれば、マルチキャリア無線通信ネットワーク10におけるキャリアスイッチングの決定は、一貫性のある、ロバストな測位用測定性能を確かなものにするために制約される。これらの制約は、UE12にプライマリキャリア又はセカンダリキャリアとして割り当てられるべき選択キャリア周波数に影響を及ぼし、及び/又は、キャリアスイッチングのタイミングにも影響を及ぼし得る。これらの制約は、サービングネットワークノード32、52(例えば、eNodeB)、及び/又はUE12上で動作し得る。例えば、プライマリキャリアのスイッチングが測位用測定セッションの開始に先立って又は進行中の測位用測定セッションが完了した後に発生すること、即ち測位セッション又は測定期間中にプライマリキャリアのスイッチングが発生しないことを確かなものにするために、制約は課され得る。別の例として、コンポーネントキャリアからのプライマリキャリアの選択は、UE12が測位用測定を実行することを可能にするためにPRSを送信するキャリアを選択するように、即ち、測位用測定のために用いられることができるPRSの最も好ましい設定を有するプライマリキャリア(例えば、時間ドメイン及び/又は周波数ドメインにおいて最大密度のPRSを送信するもの)、又は取り得る最も良好な伝搬特性を有するキャリアを選択するように制約され得る。
【0046】
さらなる例として、制約は、次のことをトリガしてもよい。あるコンポーネントキャリアがプライマリキャリアであるユーザの数に応じて当該コンポーネントキャリア上での測位のためのPRSを送信すること;ギャップ又は圧縮モードパターンについての必要性を回避するように、インターRATマルチキャリアネットワーク10における測位方法を選択すること;ギャップ又は圧縮モードパターンについての必要性を回避するように、プライマリキャリア/RATを変更する際にインターRATマルチキャリアネットワーク10において測位方法間でスイッチングすること;又は、UE12に現在割り当てられているプライマリキャリア/RATに関して他のネットワークノード40、54(例えば、E−SMLC又はSLPといったロケーションサービスノード)にシグナリングすること。
【0047】
概して、測位セッションは、如何なる特定の方法にも限定されず、むしろUE12がOTDOA、E−CIDなどといった測位関連の測定を実行することを要求する任意の関連する方法を指す。ただし、幾つかの実施形態は、PRSについての測位用測定を要求するOTDOAに関連する。本発明の実施形態は、プライマリキャリアの選択/スイッチング動作の以下の観点に制約を課す:
プライマリキャリアのスイッチング手続き;
プライマリキャリアのスイッチング機会;
プライマリキャリアのスイッチングによってトリガされる測定ギャップの再設定;
プライマリキャリア選択基準;
コンポーネントキャリア上での測位のためのリファレンス信号の有効化;
測位性能を強化するためのキャリアホッピングの有効化;
インターRATマルチキャリアシステムにおける測位方法の選択;
インターRATマルチキャリアシステムにおける測位方法のスイッチング;及び
測位ノードへのプライマリキャリア情報のシグナリング。
【0048】
プライマリキャリアのスイッチング手続き
一実施形態において、プライマリキャリアのスイッチング動作は、ハンドオーバ手続きの一タイプと見なされる。例えば、ロケーションサービス(LCS)セッションが進行中である場合、プライマリキャリアのスイッチング手続きは、ハンドオーバに適用されるルールに従う。さらなる例において、測位セッションは、ハンドオーバ時に中断され及び再開される。
【0049】
他の実施形態は、プライマリキャリアのスイッチングを測位適応型の手法で制約する。制約は、以下のうちの1つ以上を含み得る:
測位関連の通信のモニタリングをアクティブ化すること;
本明細書においてさらに議論されるように、プライマリキャリアのスイッチング機会を決定すること;
本明細書においてさらに議論されるように、プライマリキャリアを決定すること;
測定ギャップの設定/再設定などの、キャリアスイッチングによってトリガされ得る、測位性能を最適化する設定/再設定手続き;
キャリアの測位設定を変更すること;又は
測位方法をスイッチングすること。
【0050】
測位適応型のキャリアスイッチングを可能にするために、プライマリキャリアスイッチングに関与するネットワークノード32、52(例えば、LTE内マルチキャリアにおけるeNodeB)は、特定のUE12について進行中の測位セッションが存在するか否かを認識しなければならない。あるUE12について進行中の測位セッションが存在するか否かに関する明示的な情報をネットワークノード32、52が有しない場合、当該情報を取得するために、プライマリキャリアをスイッチングしようとする試みは、ネットワークノード32、52における1つ以上のアクションをトリガし得る。そのようなアクションは、シグナリングメッセージを読み取ることによって(例えば、特定のUE12への/からの情報を搬送する他のプロトコルを傍受し、ネットワークノード32、52に透過的に引き渡すことによって)情報を抽出すること;ロケーションサービスネットワークノード(例えば、LTEにおけるE−SMLC若しくはSLP)若しくはモビリティ手続きを制御するネットワークノード(例えば、LTEにおけるMME)といった別のノード40、54からの情報を要求すること;又は、UE12からの情報を要求することを含み得る。
【0051】
一実施形態において、UE12は、ロケーションサービスネットワークノード40、54(例えば、E−SMLC)及び/又は無線ネットワークノード32、52(例えば、eNodeB)に、プライマリキャリアのスイッチングに起因して進行中の測位セッションが時期尚早にアボートされ又は終了されることを示すメッセージを送る。別の実施形態において、UE12は、測位ノード40、54(例えば、E−SMLC)及び/又は無線ネットワークノード32、52(例えば、eNodeB)に、進行中の測位セッションを継続している間に当該UE12がプライマリキャリアをスイッチングしたことを示すメッセージを送る。更新された支援データを測位用測定のためにUE12に送るかを決めるのはネットワーク10(例えば、E−SMLC40、54)である。あるいは、ネットワーク10は、UE12に進行中の測位セッションをアボートすることを要求することができる。この実施形態は、ギャップ無しにセカンダリキャリア上で測位用測定を実行することができるUE12に、又は新たなプライマリキャリア上で送信されるPRSが存在する場合に、特に適用可能であり得る。UE12は、この情報(例えば、新たなプライマリキャリアがPRSを送信するか否か)を支援データから獲得することができ、当該支援データは、過去の支援データ、又はプライマリキャリアがスイッチングされる後に送られる新たなデータである。
【0052】
これらの実施形態におけるUE12の振る舞いは、予め定義されるルールに従うことができる。例えば、1つのルールは、測位セッションの期間中にプライマリキャリアがスイッチングされる場合にはUE12が進行中の測位手続をアボートすべきであることを提示し得る。別のルールは、進行中の測位セッションが存在してもUE12がプライマリキャリアのスイッチングを実行し及び当該セッションを継続すべきであることを提示し得る。また別のルールは、進行中の測位セッションが存在してもUE12がプライマリキャリアのスイッチングを実行し、及び、ある条件が満足される場合、例えばPRSが利用可能であり及び/又はUE12が支援データを更新した場合にのみ当該セッションを継続すべきであることを提示し得る。
【0053】
一実施形態において、UE12は、進行中の測位セッションが完了されるまでプライマリキャリアをスイッチングしない。UE12は、ネットワーク10(例えば、E−SMLC、eNodeB)に、進行中の測位セッションが存在し、プライマリキャリアのスイッチングは実行されることができないことを示すメッセージも送り得る。別の実施形態において、UE12は、ネットワーク10に、測位セッションが完了されるまでプライマリキャリアのスイッチングが遅延されるであろうことを示すメッセージを送る。この場合、UE12は、プライマリキャリアのスイッチングが遅延される時刻も示し得る。これらの実施形態についてのUE12の振る舞いは、予め定義されることができる。例えば、UE12は、進行中の測位セッションが存在する間は、プライマリキャリアのスイッチングを実行すべきではない。又は、UE12は、進行中の測位セッションの完了後に、プライマリキャリアのスイッチングを実行すべきである。一実施形態において、これは、特定のロケーションサービス、例えば緊急測位又は通話にのみ適用され得る。
【0054】
プライマリキャリアのスイッチング機会
LTEにおけるOTDOA RSTD、又はUTRAN FDD SFN−SFNタイプ2といった幾つかのタイプの測位用測定は、典型的に緊急通話に用いられるため、時間においてクリティカルである。一実施形態において、プライマリキャリアのスイッチング又は変更に関与するネットワークノード32、52(例えば、eNodeB、RNC等)は、進行中の測位用測定セッションの期間中にキャリアをスイッチングすることについて制約を課される。
【0055】
一実施形態において、キャリアスイッチングは、測位用測定セッションの開始の前に、例えば測位セッションに先立って実行され、スイッチングに関与するネットワークノード32、52は、ある時間(例えば、測位セッションについて推定される時間、又は何らかの予め設定される時間)内にキャリアスイッチングが必要とされ得るかをチェックする。別の実施形態において、キャリアスイッチングは、測位用測定セッションの終了の後に実行される。即ち、キャリアスイッチングは延期される。これは、測位用測定における中断又は遅延を回避する。
【0056】
プライマリキャリアのスイッチングの決定においては、つまり、いつプライマリキャリアをスイッチングすべきかを決定する際には、追加的な要因も考慮され得る。まず、LCSセッションの継続時間、又はLCS要求以降に経過した時間が、考慮され得る。この実施形態において、測定セッションは、経過した時間がある閾値を超えない場合に中断されることができる。幾つかの特殊ケースは、i)1つの特殊ケースとしての無限、即ち、プライマリキャリアのスイッチングが測位用測定セッションを常に中断することができること、及び、ii)別の特殊ケースとしてのゼロ、即ち、プライマリキャリアのスイッチングが測位用測定セッションを決して中断せずむしろ当該セッションの完了まで常に待たなければならないこと、である。
【0057】
別の要因は、水平精度、垂直精度、報告時間などといった1つ以上のメトリックによって測定され得る、要求される測位性能であり得る。これらのメトリックの各々又はこれらの組み合わせは、要求される測位性能が満足されるかを判定するために、適当な測位性能閾値と比較され得る。この実施形態において、制約は、測位要求又は測定のタイプに依存してプライマリキャリアのスイッチングの決定に適用される。例えば、プライマリスイッチング制約は、時間においてクリティカルな測位要求(例えば、緊急通話)にのみ適用可能であり、時間において非クリティカルな要求(例えば、ロケーション要求)については緩和され得る。制約は、スイッチングがより高い測位精度を提供できる場合、精度においてクリティカルな要求には適用されないことがある。進行中の測位用測定セッションが存在する間にプライマリキャリアの変更が起きる場合において、非クリティカルな要求のケースでは、例えばUE12によってアボートメッセージが送られ得る。
【0058】
プライマリキャリアのスイッチングによってトリガされる測定ギャップの再設定
(測位上の理由又は非測位上の理由のための)プライマリキャリアの変更及びセカンダリキャリア上での測位用測定が測定ギャップ又は圧縮ギャップパターンにおいてのみ実行されることができる場合、ギャップが当該UE12について既に設定されているとすると、新たなセカンダリキャリア上でのPRSの送信に測定ギャップの配置を合わせる(align)必要があり得る。測定ギャップの配置をPRSと合わせることは、充分な数のPRSが測定ギャップ内に収まって測位用測定(即ち、ギャップにおいて典型的に為されるインター周波数測定)を容易にすることを意味する。
【0059】
また、プライマリキャリアの変更がUE12に測定ギャップにおける測位用測定を実行させることを引き起こす場合、例えばUE12がインター周波数測定を実行しなければならなくなる場合、予め定義される測定ギャップパターンは、ネットワークノード32、52によって設定され得る。例えば、UE12は、測定を行うために特定の測定ギャップパターンで設定され得る(例えば、3GPP TS 36.133及び3GPP TS 36.331において定義される、LTEにおける測定ギャップパターン#0は、40msごとに発生する6msのギャップ)。別の例として、異なるギャップパターンが現在(即ち、プライマリキャリアのスイッチングに先立って)用いられている場合には、UE12は、測定を行うための特定の測定ギャップパターン(例えばLTEにおける測定ギャップパターン#0)で再設定され得る。
【0060】
UE12が測定のために測定ギャップを用いなければならないシナリオは、PRSが新たなプライマリキャリア上で送信されないが、キャリアスイッチ後に新たなセカンダリキャリアとなった過去のプライマリキャリア上で代わりに送信される場合に発生し得る。特定の測定ギャップパターンの一例は、3GPP TS 36.133において定義されるギャップパターン#0である。プライマリキャリアがスイッチングされる場合には特定の測定ギャップパターンを用いるためのそのようなルールは、予め定義されることができる。ネットワークノード32、52、例えばeNodeBは、予め定義されるギャップパターンを設定し又は再設定しなければならず、UE12は、この予め定義されるギャップパターンを測定のために用いなければならないであろう。
【0061】
別の実施形態において、予め定義されるルールは、測位用測定を実行するためのPRSがマルチキャリアシステムにおけるプライマリキャリア上で送信されない場合に、マルチキャリア機能付きのUE12が、測位用測定のために測定ギャップ又は特定の測定ギャップパターン(例えば、パターン#0)を用いることであってもよい。あるいは、予め定義されるルールは、PRSがプライマリキャリア上で送信されるならば、マルチキャリア機能付きのUE12がプライマリキャリア上で測定ギャップ無しに測位用測定を実行することであってもよい。
【0062】
別の実施形態において、予め定義されるルールは、ダウンリンクのプライマリキャリアが変更された後、PRSが新たなプライマリキャリア上で送信されるならば、マルチキャリア機能付きのUEが当該新たなプライマリキャリア上で測定ギャップ無しに測位用測定を実行し続けることであってもよい。
【0063】
別の実施形態において、予め定義されるルールは、ダウンリンクのプライマリキャリアの変更後、PRSがプライマリキャリア上及び少なくとも1つのセカンダリキャリア上で送信される場合には、マルチキャリア機能付きのUE12が新たなプライマリキャリア上で測定ギャップ無しに測位用測定を実行し続けることであってもよい。
【0064】
プライマリキャリア選択基準
マルチキャリアネットワーク10において、全てのコンポーネントキャリアが測位用測定、特にOTDOA測定(例えばLTEにおけるOTDOA RSTD)を実行するためのリファレンス信号を送信するわけではないかもしれない。
【0065】
従来技術において、新たなプライマリキャリアは、測位リファレンス信号を用いることが知られているロケーションサービスについても、測位リファレンス信号の存在又は不在とは関係なく選択される。これは、新たなプライマリキャリアが測位リファレンス信号を含まない場合においてプライマリキャリアが変更された後に、UE12がギャップにおいて測位用測定を継続しなければならない、又はUEが他の利用可能な信号上若しくは任意の通常のパイロット信号、例えばLTEにおけるCRS上で測位用測定を実行しなければならないという結果を有する。測位用測定のためのCRSの使用は、可能であるが、品質低下の可能性及び測位精度の悪化をもたらし得る。
【0066】
一実施形態において、ネットワークノード32、52は、PRSを含む新たなプライマリキャリアを選択するためのプライマリキャリアのその選択において制約される。また、新たなプライマリキャリアを選択する際、ネットワークノード32、52は、さらなる制約を有し得る。
【0067】
そのような制約の1つは、時間ドメイン及び/又は周波数ドメインにおいて最も好ましいリファレンス信号設定(例えば、PRSの存在に対してCRSのみ、より大きなPRS帯域幅、より短いPRSの周期性、測位機会におけるより連続した測位サブフレーム等)を有するプライマリキャリアを選択することであり得る。これは、測位用測定品質を改善し、及び/又は、より短い測定時間をもたらすであろう。
【0068】
別のプライマリキャリア選択制約は、より良好な無線条件、例えば、双方が測位リファレンス信号を有する場合には2GHzの代わりに900MHzを有するプライマリキャリアを選択することであり得る。これは、より良好な測位用測定品質を確かなものにするであろう。
【0069】
また別のプライマリキャリ選択制約は、UE12が少なくともある特定のクライアントタイプ又はサービスタイプに関連する測位を用いる場合、PRSを送信する(又は、あるパラメータ内のPRSを送信する)プライマリキャリアを選択することであり得る。
【0070】
LCSクライアントは、1つ以上のUEについてのロケーション情報を取得する目的でLCSサーバとインタラクションするソフトウェアエンティティ及び/又はハードウェアエンティティとして定義される。LCSクライアントは、ロケーション情報を取得するためにLCSに加入する。LCSクライアントは、人間のユーザとインタラクションしてもしなくてもよい。LCSクライアントは、データをフォーマットし及びプレゼンテーションし、並びにユーザインタフェース(ダイアログ)を管理することに関与する。LCSクライアントは、UE12又はSUPLが有効化された端末(SET:SUPL-Enabled Terminal)において存在してもよいが、ネットワーク側(例えば、ネットワークメンテナンスサービス又は基地局測位自体)にも存在し得る。クライアントタイプ情報は、LCS QoS区分の設定を柔軟な手法で可能にするため、実際には非常に重要である。以下のクライアントタイプは、UTRAN及びE−UTRANにおいて存在する:緊急サービス、付加価値サービス、PLMN事業者サービス、合法的傍受サービス、PLMN事業者放送サービス、PLMN事業者運用及びメンテナンスサービス、PLMN事業者匿名統計サービス、及びPLMN事業者対象MSサービスサポート。クライアントタイプに基づく選択的なキャリアスイッチングの一例は、クライアントタイプが緊急サービスに対応する場合、充分に大きい(例えば、5MHz以上)PRS送信帯域幅を有するキャリアのみをプライマリキャリアとして選択し、商用サービスについては1.4MHzの帯域幅を有するキャリアへのスイッチングを可能にすることである。
【0071】
サービスタイプは、LCSクライアントによって提供され得る特定のLCSの属性である。LCSクライアントは、サービスIDも供給し得る。当該サービスIDは、サーバによって、あるサービスタイプにマッピングされることができる。当該サービスタイプは、LCSプロファイル及び加入に対して検証され得る。
【0072】
コンポーネントキャリア上での測位のためのリファレンス信号の有効化
ネットワーク10における全てのコンポーネントキャリアが測位リファレンス信号を送信しているわけではないかも知れない。そのため、測位に興味がある、複数のUE12に、測位リファレンス信号を現在送信していない同じプライマリキャリアが割り当てられる場合には、問題が発生し得る。従来技術において、ネットワークノード又は測位ノードは、測位リファレンス信号を送信するセカンダリキャリア上で測位用測定を実行するために測定ギャップ又は圧縮モードギャップを設定しなければならなかったであろう。
【0073】
一実施形態において、Kよりも多いユーザが同じプライマリキャリアを有し、当該キャリアが測位のためのリファレンス信号を現在送信していない場合、ネットワークノード32、52(例えば、eNodeB)は、測位のためのリファレンス信号の送信を開始する。一般的なルールとして、K個のユーザは如何なるタイプのユーザであってもよい。ただし、特別な場合として、K個のユーザは、あるクラス(例えば、低い優先度、中間の優先度、又は高い優先度)に属し、及び/又はあるサービスタイプを用い、及び/又はあるクライアントタイプを有し得る。
【0074】
一実施形態において、リファレンス信号のオーバーヘッドを低減するために、ある条件が満足される場合には特定のコンポーネントキャリア上でのリファレンス信号の送信が終了され得る。例えば、Lよりも少ないユーザが同じプライマリキャリアを有し、当該キャリアが測位のためのリファレンス信号を現在送信している場合、ネットワークノード32、52(例えば、eNodeB)は、キャリア上での測位のためのリファレンス信号の送信を停止させ得る。一般的なルールとして、L個のユーザは如何なるタイプのユーザであってもよい。ただし、特別な場合として、L個のユーザは、あるクラス(例えば、低い優先度、中間の優先度、又は高い優先度)に属し、及び/又はあるサービスタイプを用い、及び/又はあるクライアントタイプを有し得る。
【0075】
測位のためのキャリアホッピング
測位リファレンス信号が送信される測位機会は、時間的に低密度で発生する(例えば、3GPP TS 36.211は、PRSの周期性を最小で160ms及び最大で1280msに仕様化する)。ただし、異なるコンポーネントキャリアは異なる設定を有し得る。マルチキャリアネットワーク10が1つよりも多いコンポーネントキャリア上でPRSを送信する一実施形態において、測位機会は異なるキャリア上で時間的にシフトされ、それにより、PRS期間内において幾つかのキャリア上で1つよりも多い測位機会、例えば、160msのPRS周期性において1つよりも多い測位機会が利用可能となる。そのようなマルチキャリアPRS設定について、あるパターン、例えば、各キャリアにおいて160msのPRS周期性を有する4キャリアシステムにおけるキャリア間の40msのステップ又は測位機会間の時間シフトが適用されることができる。測定ギャップにおいて測定する代わりに測位用測定を行っているUE12は、キャリア間をホップして当該ギャップを用いることを回避する。つまり、UE12はコンポーネントキャリア上でPRSを測定し、これはギャップを要求しない。一実施形態において、ホッピングは、ある期間の後にUE12が元のプライマリキャリアに戻るように、(例えば、少なくとも測位用測定のために)一時的にプライマリキャリアをスイッチングすることを暗示する。
【0076】
インターRATマルチキャリアネットワークにおける測位方法の選択
一実施形態において、測位方法は、利用可能な測位方法の動的なセットが関連付けられるメインRAT又はプライマリRAT及びプライマリキャリアに依存して選択される。マルチキャリアネットワーク10において、インターRAT測位用測定は、ギャップにおいて又はCMパターンを用いて実行される。この実施形態においては、少なくとも1つのキャリア上で、測位用測定は、測定ギャップ又はCMパターンの必要性無しに実行される。
【0077】
例えば、マルチキャリアHSPA/LTEネットワーク10を考慮されたい。メインキャリア又はプライマリキャリアがLTEに属し、OTDOAがネットワーク10によってサポートされ及び設定され、且つOTDOAがUE12によってサポートされる場合、OTDOA RSTD測定は、UE12について設定される。他方、プライマリキャリアがUTRA FDDに属する場合、OTDOA SFN−SFNタイプ2測定は、UE12について設定される。
【0078】
別の例として、GSM/LTEマルチキャリアネットワーク10を考慮されたい。GSMにおいて、OTDOAベースの方法に相当するものはエンハンスト観測時間差(E−OTD:enhanced observed time difference)と呼ばれる。E−OTDは、GSM基地送受信局(BTS:Base Transceiver Station)によって送信される信号についてUE12によって実行されるリファレンス時間差(RTD:Reference Time Difference)測定に依存する。プライマリキャリアがGSMに属し、E−OTDがサポートされる場合、E−OTD RTD測定は、UE12について設定される。さもなければ(即ち、プライマリキャリアがLTEである場合)、LTE OTDOA RSTD測定は、UE12について設定される。
【0079】
これらの例は、3つ以上のRAT、例えばGSM/HSPA/LTEを含むインターRATマルチキャリアネットワーク10に一般化され得る。一般的なルールとして、UE12においてOTDOA測位用測定を実行するために、プライマリネットワーク30、50において用いられるRATに関連するOTDOA測定が設定される。
【0080】
インターRATマルチキャリアネットワークにおける測位方法のスイッチング
インターRATマルチキャリアネットワーク10において、異なるRAT(例えば、LTE及びHSPA)に属するプライマリキャリア及びセカンダリキャリアは、いつでも変更され得る。一実施形態において、メインキャリアを変更する場合には、測位方法も変更される。測位方法は、プライマリキャリアのRATに対応する利用可能な測位方法の動的なセットから選択される。例えば、プライマリキャリアがLTEに属し、所望の方法がTDOA的な方法である場合、LTE OTDOAである。
【0081】
ロケーションサービスネットワークノードへのプライマリキャリア情報のシグナリング
ネットワーク10及び/又はロケーションサービスノード40、54によって種々のアクションを実行するために、一実施形態では、イントラRAT又はインターRATマルチキャリアネットワーク10においてプライマリキャリアをスイッチングするネットワークノード32、52は、ロケーションサービスノード40、54(例えば、E−SMLC)又はノード制御モビリティ(例えば、E−SMLCに通知するMME)に、UE12によって用いられるプライマリキャリア/RATに関してシグナリングする。ネットワークノード32、52は、UE12に割り当てられることができるプライマリキャリア/RATの潜在的なリストもシグナリングし得る。
【0082】
一実施形態において、UE12は、ロケーションサービスノード40、54(例えば、E−SMLC)に、当該UE12によって用いられるプライマリキャリア/RATに関してシグナリングし得る。例えば、UE12は、測位セッションの開始時、そのケイパビリティをレポートする際、又は当該セッション期間中に、ロケーションサービスノード40、54(例えば、E−SMLC)に通知することができる。UE12は、任意のネットワークノード32、52、40、54、例えばE−SMLC、eNodeB等からの要求を受信した後に、ロケーションサービスノード40、54にこの情報をシグナリングしてもよい。
【0083】
図7は、マルチキャリア無線通信ネットワーク12におけるUE12のサービングノード32、52による、UE12についての測位適応型のキャリアスイッチングの方法100を示す。サービングノード32、52は、UE12についてのプライマリキャリアとして第1のキャリアを割り当て(ブロック102)、第1のキャリア周波数上に変調される通信及び制御信号をUE12に送信する。サービングノード32、52は、UE12についてのプライマリキャリアとなるべき第2のキャリアを選択し(ブロック104)、UE12についてのプライマリキャリアを第1のキャリアから第2のキャリアにスイッチングする(ブロック106)。種々の実施形態において、新たなプライマリキャリア選択(ブロック104)、又は第1のキャリアから第2のキャリアへのプライマリキャリアのスイッチング(ブロック106)のうちの一方又は双方は、UE12の地理的な位置を判定するための1つ以上の測位手続きを可能にするために制約される。
【0084】
制約は、詳細に上述されている。簡単に言えば、新たなプライマリキャリアの選択(ブロック104)は、PRSを送信するキャリア、又はPRSのより好ましい設定若しくはより好ましい送信特性等を有するキャリアを選択するように制約され得る。同様に、プライマリキャリアのスイッチング(ブロック106)は、進行中の測位手続きが完了するまで遅延されること、測位手続きの開始に先立ってスイッチングを実行すること、要求される測位手続きのタイプ又はQoSなど、によって制約され得る。他の制約は、本明細書においてより詳細に上述されたように、UE12における測定ギャップを再設定してプライマリキャリアのスイッチングに適応すること、1つ以上のキャリア上でのPRS送信を有効化/無効化すること、キャリアホッピングを可能にするようにPRS送信を設定すること、測位方法をRATと合わせること、ネットワークノード40、54にキャリア/RAT情報をシグナリングすること等を含む。
【0085】
図8は、マルチキャリア無線通信ネットワーク10において動作可能なUE12による測位適応型のキャリアスイッチングの方法200を示す。UE12は、プライマリキャリアとしての第1のキャリア上で、ネットワーク10から通信信号を受信する(ブロック202)。UE12は、PRSについてのOTDOA測定、GPS信号の受信及び処理などといった1つ以上の測位用測定を実行する(ブロック204)。UE12は、測位用測定値を用いて測位手続きを実行し、あるいは、測位手続きのためにロケーションサービスネットワークノード40、54に測位用測定値を送信し得る。UE12は、サービングノード32、52から、プライマリキャリアが第1のキャリアから第2のキャリアにスイッチングされるべきであるという標識を受信する(ブロック206)。UE12は、進行中の測位用測定を維持しながら、プライマリキャリアとしての第2のキャリアにスイッチングする(ブロック208)。種々の実施形態において、これは、本明細書においてより詳細に上述したように、測位用測定が完了するまで第2のキャリアへのスイッチングを遅延させること、測位用測定を一時停止し及び新たなプライマリキャリア上で再開すること、プライマリキャリアのスイッチングに関する情報を他のネットワークノード40、52に送信することなどを伴い得る。
【0086】
マルチキャリア無線通信ネットワーク10のサービングノード32、52及び/又はUE12におけるプライマリキャリアのスイッチングに測位適応型の制約を実装することによって、測位用測定値を取得する際の中断及び遅延が回避され得る。これは、より良好な精度を有し且つより短い時間での測位用測定を可能にし、これら双方は、緊急通話などの多くのアプリケーションについてクリティカルとなり得る。本発明の実施形態は、インターRATマルチキャリアネットワーク10における、より高速な測位用測定及びより良好な精度も可能にする。
【0087】
本発明の実施形態は、位置を判定する目的で関連する測位用測定を実行することが可能な如何なるタイプのUE(例えば、携帯電話、USB、無線ブロードバンドモジュール、ターゲットデバイス又は無線中継ノード等)にも適用可能である。
【0088】
本発明は、当然ながら、本発明の本質的な特性から逸脱することなく、本明細書において具体的に述べられた手法以外の手法でも実行され得る。提示された実施形態は、全ての点において例示的であって制限的ではないものとして見なされるべきであり、添付の特許請求の範囲の意味及び均等物の範囲内に収まるあらゆる変更は、当該特許請求の範囲に包含されることが意図される。
【0089】
本発明の観点によれば、マルチキャリア無線通信ネットワークにおけるUEのサービングノードによる、UEについての測位適応型のキャリアスイッチングの方法が提供される。当該方法は、UE(12)についてのプライマリキャリアとして第1のキャリアを割り当てること(102)と、UE(12)についてのプライマリキャリアとなるべき第2のキャリアを選択すること(104)と、UE(12)についてのプライマリキャリアを第1のキャリアから第2のキャリアにスイッチングすること(106)と、を含み、選択するステップ(104)及びスイッチングするステップ(106)のうちの少なくとも1つは、1つ以上の測位用測定が実行されることを可能にするように制約される。
【0090】
さらに、UE(12)についてのプライマリキャリアを第1のキャリアから第2のキャリアにスイッチングすること(106)は、当該キャリアスイッチング(106)を進行中のロケーションサービスセッションについてのハンドオーバ手続きとして扱うこと、を含み得る。UE(12)についてのプライマリキャリアを第1のキャリアから第2のキャリアにスイッチングすること(106)は、UE(12)についての測位用測定(204)が進行中であるかを確認することと、UE(12)についてのプライマリキャリアを第1のキャリアから第2のキャリアにスイッチングすること(106)を測位用測定(204)が完了するまで遅延させることと、を含み得る。UE(12)についての測位用測定(204)が進行中であるかを確認することは、UE(12)とロケーションサービスネットワークノード(40)との間のシグナリングメッセージをモニタリングすること、を含み得る。あるいは、UE(12)についての測位用測定(204)が進行中であるかを確認することは、ロケーションサービスネットワークノード(40)からの測位用測定情報を要求すること、を含み得る。さらに、UE(12)についての測位用測定(204)が進行中であるかを確認することは、UE(12)からの測位用測定情報を要求すること、を含み得る。さらに、UE(12)についての測位用測定(204)が進行中であるかを確認することは、測位用測定が開始された時刻の標識を取得すること、を含み、プライマリキャリアをスイッチングすること(106)を遅延させることは、測位用測定(204)が所定の継続時間よりも短い間進行中であった場合、プライマリキャリアをスイッチングすること(106)と、測位用測定(204)が所定の継続時間よりも長い間進行中であった場合、測位用測定(204)が完了するまでプライマリキャリアをスイッチングすること(106)を遅延させることと、を含み得る。
【0091】
一実施形態において、プライマリキャリアをスイッチングすること(106)を遅延させることは、要求される測位性能が所定の性能閾値を超える場合のみ、プライマリキャリアをスイッチングすること(106)を遅延させること、を含み得る。さらに、プライマリキャリアのスイッチング(106)を遅延させることは、UE(12)が所定のクライアントタイプに一致する場合のみ、プライマリキャリアのスイッチング(106)を遅延させること、を含み得る。さらに、プライマリキャリアをスイッチングすること(106)を遅延させることは、測位用測定(204)が実行されているロケーションサービスクラスが所定のロケーションサービスクラスに一致する場合のみ、プライマリキャリアをスイッチングすること(106)を遅延させること、を含み得る。
【0092】
一実施形態において、上記方法(100)は、UE(12)の測定機会を測位用測定のために用いられる第2のキャリア上での信号の送信に合わせるように第2のキャリア上の測定ギャップを設定すること、をさらに含み得る。測定ギャップの情報は、所定のギャップパターンを含み得る。測定ギャップの情報は、測位リファレンス信号が第2のキャリア上で送信される場合に測定ギャップを用いないようにUE(12)に指示することを含み得る。また、測定ギャップを用いないようにUE(12)を設定することは、所定のルールに応じ得る。
【0093】
一実施形態において、UE(12)についてのプライマリキャリアとなるべき第2のキャリアを選択すること(104)は、測位リファレンス信号(PRS)を送信する第2のキャリアを選択すること(104)、を含み得る。上記方法は、PRSを送信する複数の潜在的なプライマリキャリアから、時間ドメイン又は周波数ドメインにおいて最も好ましいPRS設定を有する第2のキャリアを選択すること、をさらに含み得る。上記方法(100)は、PRSを送信する複数の潜在的なプライマリキャリアから、UE(12)について最も好ましい無線条件を有する第2のキャリアを選択すること、を含み得る。
【0094】
一実施形態において、上記方法は、少なくとも第1の所定の数のUE(12)に第2のキャリアがプライマリキャリアとして割当てられる場合、第2のキャリア上で測位リファレンス信号(PRS)を送信すること、をさらに含み得る。
【0095】
別の実施形態において、上記方法(100)は、第2の所定の数よりも少ないUE(12)に第2のキャリアがプライマリキャリアとして割当てられる場合、第2のキャリア上での測位リファレンス信号(PRS)の送信を止めること、をさらに含み得る。
【0096】
上記方法(100)は、第1及び第2のキャリア上で測位リファレンス信号(PRS)を送信することと、PRSの送信は時間的にずらして配置されることと、あるキャリア上でのPRS送信に先立ってUE(12)についてのプライマリキャリアを当該キャリアにスイッチングすることと、をさらに含み得る。
【0097】
実施形態において、サービングノード(32)は、第1の無線アクセス技術(RAT)に従って第1及び第2のキャリアを送信し、UE(12)は、第2のRAT(50)における異なるサービングノード(52)によって送信される第3のキャリア上で通信信号を受信し、上記方法は、プライマリキャリアに応じて選択される測位方法に従って測位用測定(204)を実行するようにUE(12)を設定すること、をさらに含み得る。上記方法(100)は、UE(12)についてのプライマリキャリアを第2のRAT(50)にスイッチングする(106)場合、第2のRAT(50)に応じて選択される測位方法に従って測位用測定(204)を実行するようにUE(12)を設定すること、をさらに含み得る。あるいは、上記方法(100)は、UE(12)についてのプライマリキャリアのRAT(30)の標識をロケーションサービスネットワークノード(40)に送ること、をさらに含み得る。
【0098】
別の観点によれば、マルチキャリア無線通信ネットワーク(10)において動作可能なユーザ機器(UE)(12)による測位適応型のキャリアスイッチングの方法(200)が提供される。当該方法は、プライマリキャリアとしての第1のキャリア上で通信信号を受信すること(202)と、1つ以上の測位用測定を実行すること(204)と、プライマリキャリアは第1のキャリアから第2のキャリアにスイッチングされるべきであるという標識をサービングノード(32)から受信すること(206)と、進行中の測位用測定を維持しながら、プライマリキャリアとしての第2のキャリアにスイッチングすること(208)と、を含む。
【0099】
上記方法(200)は、測位用測定を用いてUE(12)についての測位手続きを実行するロケーションサービスネットワークノード(40)に、プライマリキャリアのスイッチングの標識を送ること、をさらに含み得る。あるいは、上記方法(200)は、測位用測定を用いてUE(12)についての測位手続きを実行するロケーションサービスネットワークノード(40)に、第2のキャリアの無線アクセス技術(30)の標識を送ること、をさらに含み得る。実施形態において、上記方法(200)は、第2のキャリア上で測位用測定を実行するための支援データを受信すること、をさらに含み得る。
【0100】
一実施形態において、進行中の測位用測定(204)を維持しながら、プライマリキャリアとしての第2のキャリアにスイッチングすること(208)は、測位リファレンス信号が第2のキャリア上で送信される場合のみ、進行中の測位用測定(204)を維持すること、を含み得る。進行中の測位用測定(204)を維持しながら、プライマリキャリアとしての第2のキャリアにスイッチングすること(208)は、進行中の測位用測定(204)が完了するまで、第2のキャリアへのスイッチング(208)を遅延させること、を含み得る。上記方法(200)は、第2のキャリアへのスイッチング(208)が遅延されるという標識をサービングノード(32)に送信すること、をさらに含み得る。上記方法(200)は、測位用測定(204)のセッションの継続時間の推定値をサービングノード(32)に送信すること、をさらに含み得る。
【0101】
一実施形態において、上記方法(200)は、測位用測定を用いて測位手続きを実行すること、をさらに含み得る。あるいは、上記方法は、UE(12)を測位するための測位手続きを実行するためにロケーションサービスネットワークノード(40)に測位用測定を送信すること、をさらに含み得る。
【0102】
別の実施形態において、測位用測定(204)は、LTEにおける観測到来時間差測位方法におけるリファレンス信号時間差を含み得る。測位用測定(204)は、LTEにおけるエンハンストセルID測位方法におけるUE(12)の受信送信時間差測定を含み得る。
【0103】
また別の観点によれば、マルチキャリア無線通信ネットワーク(10)のサービングノード(32)が提供される。当該サービングノードは、2つ以上のキャリア上に変調される通信信号をユーザ機器(UE)(12)に同時に送信するように動作可能な送受信器(34)と、第1のキャリアは特定のUE(12)についてのプライマリキャリアとして指定されること(102)と、送受信器(34)を制御するように動作可能であり、並びにUE(12)についてのプライマリキャリアとなるべき第2のキャリアを選択し(104)、及びUE(12)についてのプライマリキャリアを第1のキャリアから第2のキャリアにスイッチングする(106)ように送受信器(34)を制御するようにさらに動作可能であるコントローラ(38)と、を備える。コントローラ(38)は、選択する動作(104)及びスイッチングする動作(106)のうちの少なくとも1つを制約して、1つ以上の測位用測定(204)が実行されることを可能にするようにさらに動作可能である。
【0104】
上記コントローラ(38)は、キャリアスイッチング(106)を進行中のロケーションサービスセッションについてのハンドオーバ手続きとして扱うように動作可能であり得る。あるいは、コントローラ(38)は、UE(12)についての測位用測定(204)が進行中であるかを確認すること、及び、測位用測定(204)が完了するまで、UE(12)についてのプライマリキャリアを第1のキャリアから第2のキャリアにスイッチングすること(106)を遅延させること、によって、UE(12)についてのプライマリキャリアを第1のキャリアから第2のキャリアにスイッチングする(106)ように動作可能であり得る。UE(12)についての測位用測定(204)が進行中であるかを確認することは、UE(12)とロケーションサービスネットワークノード(40)との間のシグナリングメッセージをモニタリングすること、を含み得る。UE(12)についての測位用測定(204)が進行中であるかを確認することは、ロケーションサービスネットワークノード(40)からの測位手続き情報を要求すること、を含み得る。UE(12)についての測位用測定(204)が進行中であるかを確認することは、UE(12)からの測位手続き情報を要求すること、を含み得る。UE(12)についての測位用測定(204)が進行中であるかを確認することは、測位用測定が開始された時刻の標識を取得すること、を含み、プライマリキャリアをスイッチングすること(106)を遅延させることは、測位用測定(204)が所定の継続時間よりも短い間進行中であった場合、プライマリキャリアをスイッチングすること(106)と、測位用測定(204)が所定の継続時間よりも長い間進行中であった場合、測位用測定(204)が完了するまでプライマリキャリアをスイッチングすること(106)を遅延させることと、を含み得る。プライマリキャリアをスイッチングすること(106)を遅延させることは、要求される測位サービス品質(QoS)が所定のQoS閾値を超える場合のみ、プライマリキャリアをスイッチングすること(106)を遅延させること、を含み得る。
【0105】
上記コントローラ(38)は、第2のキャリア上での測位データ送信に合うようにUE(12)についての測定ギャップの情報を設定するように動作可能であり得る。測定ギャップの情報は、所定のギャップパターンを含み得る。測定ギャップの情報は、第2のキャリア上で測位リファレンス信号が送信される場合に測定ギャップを用いないようにUE(12)に指示することを含み得る。
【0106】
上記コントローラ(38)は、測位リファレンス信号(PRS)を送信する第2のキャリアを選択すること(104)によって、UEについてのプライマリキャリアとなるべき第2のキャリアを選択する(104)ように動作可能であり得る。上記コントローラ(38)は、PRSを送信する複数の潜在的なプライマリキャリアから、時間ドメイン又は周波数ドメインにおいて最も好ましいPRS設定を有する第2のキャリアを選択する(104)ように動作可能であり得る。上記コントローラ(38)は、PRSを送信する複数の潜在的なプライマリキャリアから、UE(12)について最も好ましい無線条件を有する第2のキャリアを選択する(104)ように動作可能であり得る。
【0107】
上記コントローラ(38)は、少なくとも第1の所定の数のUE(12)にプライマリキャリアとして第2のキャリアが割当てられる場合、第2のキャリア上で測位リファレンス信号(PRS)を送信するようにさらに動作可能であり得る。上記コントローラ(38)は、第2の所定の数よりも少ない数のUE(12)にプライマリキャリアとして第2のキャリアが割り当てられる場合、第2のキャリア上での測位リファレンス信号(PRS)の送信を止めるようにさらに動作可能であり得る。上記コントローラ(38)は、第1及び第2のキャリア上で測位リファレンス信号(PRS)を送信し、及び、あるキャリア上でのPRS送信に先立ってUE(12)についてのプライマリキャリアを当該キャリアにスイッチングする、ようにさらに動作可能であり、PRSの送信は時間的にずらして配置される。
【0108】
上記コントローラ(38)は、第1の無線アクセス技術(RAT)(30)に従って第1及び第2のキャリアを送信するように動作可能であり、UE(12)は、第2のRAT(50)における異なるサービングノード(52)によって送信される第3のキャリア上で通信信号を受信し、コントローラ(38)は、プライマリキャリアに応じて選択される測位ノード(54)に従って測位用測定(204)を実行するようにUE(12)を設定する、ようにさらに動作可能であり得る。上記コントローラ(38)は、UE(12)についてのプライマリキャリアを第2のRAT(50)にスイッチングする場合、当該第2のRAT(50)に応じて選択される測位方法に従って測位用測定(204)を実行するようにUE(12)を設定する、ようにさらに動作可能であり得る。上記コントローラ(38)は、UE(12)についてのプライマリキャリアのRAT(50)の標識をロケーションサービスネットワークノード(54)に送る、ようにさらに動作可能であり得る。
【0109】
別の観点によれば、マルチキャリア無線通信ネットワーク(10)において動作可能なユーザ機器(UE)(12)が提供される。当該UEは、2つ以上のキャリア上に変調される通信信号をサービングノード(32)から同時に受信するように動作可能な送受信器(14)と、第1のキャリアはUEについてのプライマリキャリアとして指定されることと、送受信器(14)とデータ通信関係にあり、UE(12)の地理的なロケーションを確認する際に用いられる測位用測定(204)を実行するように動作可能な位置測定機能(16)と、送受信器(14)及び位置測定機能(16)を制御するように動作可能であり、進行中の測位用測定(204)を維持しながら、サービングノード(32)から受信される信号に応じてプライマリキャリアを第1のキャリアから第2のキャリアにスイッチングする(208)ようにさらに動作可能であるコントローラ(18)と、を備える。
【0110】
一実施形態において、上記コントローラ(18)は、ロケーションサービスネットワークノード(40)に、プライマリキャリアのスイッチング(208)の標識を送るようにさらに動作可能であり得る。上記コントローラ(18)は、第2のキャリア上で測位用測定(204)を実行するための支援データを受信するようにさらに動作可能であり得る。当該支援データは、測定ギャップ再設定データを含み得る。
【0111】
実施形態において、上記コントローラ(18)は、予め定義される測定ギャップパターンを用いて測位用測定(204)を実行するようにさらに動作可能である。あるいは、上記コントローラ(18)は、測位リファレンス信号が第2のキャリア上で送信される場合には所定のルールを適用して測定ギャップを用いないようにさらに動作可能であり得る。上記コントローラ(18)は、測位リファレンス信号が第2のキャリア上で送信される場合のみ、プライマリキャリアとして第2のキャリアにスイッチングする(208)際に進行中の測位用測定(204)を維持するように動作可能であり得る。上記コントローラ(18)は、進行中の測位用測定(204)が完了するまで第2のキャリアへのスイッチング(208)を遅延させるように動作可能であり得る。上記コントローラ(18)は、第2のキャリアへのスイッチング(208)が遅延されるという標識をサービングノード(32)へ送信するようにさらに動作可能であり得る。上記コントローラ(18)は、測位用測定(204)の継続時間の推定値をサービングノード(32)へ送信するようにさらに動作可能であり得る。