特許第5842016号(P5842016)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5842016フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5842016
(24)【登録日】2015年11月20日
(45)【発行日】2016年1月13日
(54)【発明の名称】フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20151217BHJP
【FI】
   H02M3/28 H
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-9305(P2014-9305)
(22)【出願日】2014年1月22日
(65)【公開番号】特開2015-139278(P2015-139278A)
(43)【公開日】2015年7月30日
【審査請求日】2014年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】510063904
【氏名又は名称】群光電能科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊 祖成
(72)【発明者】
【氏名】黄 昭睿
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−259694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置であって、
電源入力端子と、
電源出力端子と、
電源負極端子と、
前記電源入力端子に電気的に接続されるトランスと、
前記トランスと前記電源負極端子とに電気的に接続される一次側スイッチユニットと、
前記一次側スイッチユニットに電気的に接続される一次側スイッチ制御ユニットと、
前記トランスと前記電源出力端子とに電気的に接続される第1の一方向通電ユニットと、
前記トランスと前記電源出力端子とに電気的に接続される第1の電荷蓄積ユニットと、
前記トランスと、前記第1の電荷蓄積ユニットと、前記電源負極端子とに電気的に接続される第2の電荷蓄積ユニットと、
前記トランスと、前記一次側スイッチユニットとに電気的に接続される第2の一方向通電ユニットと、
前記第2の一方向通電ユニットと、前記トランスと、前記第1の電荷蓄積ユニットと、前記第2の電荷蓄積ユニットとに電気的に接続されるモード切換スイッチユニットと、
前記モード切換スイッチユニットに電気的に接続されるモード切換スイッチ制御ユニットと、を含み、
前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置は、
前記モード切換スイッチ制御ユニットが前記モード切換スイッチユニットをオンにした場合に、再昇圧型電力変換器の機能を有し、前記モード切換スイッチ制御ユニットが前記モード切換スイッチユニットをオフにした場合に、フライバックモードの電力変換器の機能を有し、
前記トランスは、トランス一次側とトランス二次側とを含み、
前記トランス一次側は、
前記電源入力端子に電気的に接続されるトランス第1のピンと、
前記一次側スイッチユニット及び前記第2の一方向通電ユニットに接続されるトランス第2のピンとを含み、
前記トランス二次側は、
前記第1の一方向通電ユニットに接続されるトランス第3のピンと、
前記第1の電荷蓄積ユニットと前記モード切換スイッチユニットと前記第2の電荷蓄積ユニットとに接続されるトランス第4のピンとを含むことを特徴とする、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置。
【請求項2】
前記トランスと、前記第1の電荷蓄積ユニットと、前記第2の電荷蓄積ユニットと、前記モード切換スイッチユニットと、前記電源負極端子とに電気的に接続される第2の電荷蓄積ユニットのバイパス回路をさらに含み、
前記モード切換スイッチ制御ユニットが前記モード切換スイッチユニットをオフにした場合に、前記第2の電荷蓄積ユニットは、前記第2の電荷蓄積ユニットのバイパス回路に基づいて前記電源負極端子に対して正確に放電することを特徴とする請求項1に記載の、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置。
【請求項3】
前記第2の電荷蓄積ユニットのバイパス回路は、
前記トランスと、前記第1の電荷蓄積ユニットと、前記第2の電荷蓄積ユニットと、前記モード切換スイッチユニットと、前記電源負極端子とに電気的に接続されるバイパススイッチユニットと、
前記バイパススイッチユニットと、前記モード切換スイッチ制御ユニットとに電気的に接続されるバイパススイッチ制御ユニットと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置。
【請求項4】
前記一次側スイッチユニットは、
前記トランス第2のピンに電気的に接続される一次側スイッチユニット第1のピンと、
前記一次側スイッチ制御ユニットに電気的に接続される一次側スイッチユニット第2のピンと、
前記電源負極端子に電気的に接続される一次側スイッチユニット第3のピンと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置。
【請求項5】
前記第1の一方向通電ユニットは、
前記トランス第3のピンに電気的に接続される第1の一方向通電ユニット第1のピンと、
前記電源出力端子に電気的に接続される第1の一方向通電ユニット第2のピンと、を含み、
前記第1の電荷蓄積ユニットは、
前記電源出力端子に電気的に接続される第1の電荷蓄積ユニット第1のピンと、
前記トランス第4のピンに電気的に接続される第1の電荷蓄積ユニット第2のピンと、を含み、
前記第2の電荷蓄積ユニットは、
前記トランス第4のピンに電気的に接続される第2の電荷蓄積ユニット第1のピンと、
前記電源負極端子に電気的に接続される第2の電荷蓄積ユニット第2のピンと、を含み、
前記第2の一方向通電ユニットは、
前記トランス第2のピンに電気的に接続される第2の一方向通電ユニット第1のピンと、
第2の一方向通電ユニット第2のピンと、を含むことを特徴とする請求項4に記載の、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置。
【請求項6】
前記モード切換スイッチユニットは、
前記第2の一方向通電ユニット第2のピンに電気的に接続されるモード切換スイッチユニット第1のピンと、
前記モード切換スイッチ制御ユニットに電気的に接続されるモード切換スイッチユニット第2のピンと、
前記トランス第4のピンに電気的に接続されるモード切換スイッチユニット第3のピンと、を含むことを特徴とする請求項5に記載の、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置。
【請求項7】
DC/DC電力変換、DC/AC電力変換、AC/DC電力変換、または、AC/AC電力変換に用いられることを特徴とする請求項6に記載の、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置。
【請求項8】
少なくとも2つの、前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置は、並列で作動することを特徴とする請求項7に記載の、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置。
【請求項9】
前記第2の電荷蓄積ユニットのバイパス回路は、
前記トランスと、前記第1の電荷蓄積ユニットと、前記第2の電荷蓄積ユニットと、前記モード切換スイッチユニットと、前記電源負極端子とに電気的接続される第3の一方向通電ユニットを含むことを特徴とする請求項2に記載の、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再昇圧型電力変換装置に関し、特にフライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
再昇圧型電力変換装置は、高効率かつ高昇圧比の利点を有するため、幅広く使用されており、優れた電力変換装置である。
【0003】
図1は、通常の再昇圧型電力変換装置の出力電圧の波形図である。図1に示すように、再昇圧型電力変換装置の欠点としては、最低出力電圧が入力電圧によって制限され、すなわち、入力電圧がゼロにはならないので、最低出力電圧をゼロにすることができないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、通常、再昇圧型電力変換装置は、昇圧型コンバータとしてのみ機能し、交流出力電源装置、例えば、マイクロインバータ(micro inverter)に適用することができない。図2は、出力電圧を交流出力電源装置に適用可能な実施例の波形図である。図3は、図2の出力電圧を整流した後の電圧の波形図である。通常、再昇圧型電力変換装置の出力電圧(図1に示す)は、整流された後に完璧なゼロクロス(図3に示す)になることができない。このため、通常の再昇圧型電力変換装置は、交流出力電源装置に適用することができない。
【0005】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明の、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置は、電源入力端子と、電源出力端子と、電源負極端子と、前記電源入力端子に電気的に接続されるトランスと、前記トランスと前記電源負極端子とに電気的に接続される一次側スイッチユニットと、前記一次側スイッチユニットに電気的に接続される一次側スイッチ制御ユニットと、前記トランスと前記電源出力端子とに電気的に接続される第1の一方向通電ユニットと、前記トランスと前記電源出力端子とに電気的に接続される第1の電荷蓄積ユニットと、前記トランスと、前記第1の電荷蓄積ユニットと、前記電源負極端子とに電気的に接続される第2の電荷蓄積ユニットと、前記トランスと、前記一次側スイッチユニットとに電気的に接続される第2の一方向通電ユニットと、前記第2の一方向通電ユニットと、前記トランスと、前記第1の電荷蓄積ユニットと、前記第2の電荷蓄積ユニットとに電気的に接続されるモード切換スイッチユニットと、前記モード切換スイッチユニットに電気的に接続されるモード切換スイッチ制御ユニットと、を含む。前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置は、前記モード切換スイッチ制御ユニットが前記モード切換スイッチユニットをオンにした場合に、再昇圧型電力変換器の機能を有し、前記モード切換スイッチ制御ユニットが前記モード切換スイッチユニットをオフにした場合に、フライバックモードの電力変換器の機能を有する。前記トランスは、トランス一次側とトランス二次側とを含み、前記トランス一次側は、前記電源入力端子に電気的に接続されるトランス第1のピンと、前記一次側スイッチユニット及び前記第2の一方向通電ユニットに接続されるトランス第2のピンとを含み、前記トランス二次側は、前記第1の一方向通電ユニットに接続されるトランス第3のピンと、前記第1の電荷蓄積ユニットと前記モード切換スイッチユニットと前記第2の電荷蓄積ユニットとに接続されるトランス第4のピンとを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、再昇圧型電力変換装置の最低出力電圧をゼロとすることが可能なため、再昇圧型電力変換装置が交流出力電源装置に適用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通常の再昇圧型電力変換装置の出力電圧の波形図である。
図2】出力電圧を交流出力電源装置に適用可能な実施例の出力電圧の波形図である。
図3図2の出力電圧を整流した後の電圧の波形図である。
図4】本発明に係る、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置の第1実施例のブロック図である。
図5】本発明に係る、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置の第2実施例のブロック図である。
図6】本発明に係る、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置の第3実施例のブロック図である。
図7】本発明に係る、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置の第4実施例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図4は、本発明に係る、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置の第1実施例のブロック図である。フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10は、電源入力端子102と、電源出力端子104と、電源負極端子106と、トランス108と、一次側スイッチユニット110と、一次側スイッチ制御ユニット112と、第1の一方向通電ユニット114と、第1の電荷蓄積ユニット116と、第2の電荷蓄積ユニット118と、第2の一方向通電ユニット120と、モード切換スイッチユニット122と、モード切換スイッチ制御ユニット124とを含む。
【0010】
前記一次側スイッチユニット110は、例えば、トランジスタスイッチであってもよいがこれに限定されない。前記第1の一方向通電ユニット114は、例えば、ダイオード(ダイオードのカソードが前記電源出力端子104に電気的に接続され、ダイオードのアノードが前記トランス108に電気的に接続される)であってもよいがこれに限定されない。前記第1の電荷蓄積ユニット116は、例えば、コンデンサであってもよいがこれに限定されない。前記第2の電荷蓄積ユニット118は、例えば、コンデンサであってもよいがこれに限定されない。前記第2の一方向通電ユニット120は、例えば、ダイオード(ダイオードのカソードが前記モード切換スイッチユニット122に電気的に接続され、ダイオードのアノードが前記トランス108に電気的に接続される)であってもよいがこれに限定されない。前記モード切換スイッチユニット122は、例えば、トランジスタスイッチであってもよいがこれに限定されない。
【0011】
前記トランス108は、前記電源入力端子102に電気的に接続される。前記一次側スイッチユニット110は、前記トランス108と、前記電源負極端子106とに電気的に接続される。前記一次側スイッチ制御ユニット112は、前記一次側スイッチユニット110に電気的に接続される。前記第1の一方向通電ユニット114は、前記トランス108と、前記電源出力端子104とに電気的に接続される。前記第1の電荷蓄積ユニット116は、前記トランス108と、前記電源出力端子104とに電気的に接続される。前記第2の電荷蓄積ユニット118は、前記トランス108と、前記第1の電荷蓄積ユニット116と、前記電源負極端子106とに電気的に接続される。前記第2の一方向通電ユニット120は、前記トランス108と、前記一次側スイッチユニット110とに電気的に接続される。前記モード切換スイッチユニット122は、前記第2の一方向通電ユニット120と、前記トランス108と、前記第1の電荷蓄積ユニット116と、前記第2の電荷蓄積ユニット118とに電気的に接続される。前記モード切換スイッチ制御ユニット124は、前記モード切換スイッチユニット122に電気的に接続される。
【0012】
前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10は、前記モード切換スイッチ制御ユニット124が前記モード切換スイッチユニット122をオンにした場合に、再昇圧型電力変換器の機能を有し、前記モード切換スイッチ制御ユニット124が前記モード切換スイッチユニット122をオフにした場合に、フライバックモードの電力変換器の機能を有する。
【0013】
図1を参照する。本発明に係る、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10と、通常の再昇圧型電力変換装置とは、通常の再昇圧型電力変換装置の出力電圧が時間の推移に伴って変化した場合に(出力電圧の絶対値が入力電圧の絶対値より高い場合に、図1の出力電圧波形における水平線部分が入力電圧の電圧値を表す)、本発明の前記モード切換スイッチ制御ユニット124が前記モード切換スイッチユニット122をオンにし(前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10が再昇圧型電力変換器となる)、通常の再昇圧型電力変換装置の出力電圧が時間の推移に伴って変化しない場合に(最低出力電圧が入力電圧によって制限された場合に)、本発明の前記モード切換スイッチ制御ユニット124は、前記モード切換スイッチユニット122をオフにする(前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10がフライバックモードの電力変換器となる)という点で異なっている。
【0014】
そのため、本発明に係る、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10の出力電圧(図4には図示しないが、前記出力電圧が前記電源出力端子104により出力される)の波形は、図2に示すようになり、図1に示す通常の再昇圧型電力変換装置の出力電圧の波形と異なる。本発明に係る、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10は、交流出力電源装置に適用することができる。
【0015】
言い換えれば、通常の再昇圧型電力変換装置の出力電圧が時間の推移に伴って変化しない場合に(最低出力電圧がゼロにはできない)、本発明に係る、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10は、フライバックモードの電力変換装置に変更し、最低出力電圧を入力電圧(図4には図示しないが、前記入力電圧が前記電源入力端子102へ入力される)より低くすることができ、最低出力電圧がゼロとすることができる。本発明に係る、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10は、交流出力電源装置に適用することができる。
【0016】
具体的な実施例において、前記モード切換スイッチ制御ユニット124が前記入力電圧の2倍の周波数で前記モード切換スイッチユニット122をオフにすることにより、前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10がフライバックモードの電力変換器となる。その他の時間では、前記モード切換スイッチ制御ユニット124が前記モード切換スイッチユニット122をオンにすることにより、前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10が再昇圧型電力変換器となる。例えば、前記入力電圧の周波数が60Hzの場合、前記モード切換スイッチ制御ユニット124は、120Hzで前記モード切換スイッチユニット122がオフにする。
【0017】
もう一つの具体的な実施例において、前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10は、電源入力端子電圧検出装置(図4には示せず)および電源出力端子電圧検出装置(図4に示せず)をさらに含む。前記電源入力端子電圧検出装置は、前記電源入力端子102と、前記モード切換スイッチ制御ユニット124とに電気的に接続される。前記電源出力端子電圧検出装置は、前記電源出力端子104と、前記モード切換スイッチ制御ユニット124とに電気的に接続される。前記電源入力端子電圧検出装置は、前記電源入力端子102の電圧を検出して前記モード切換スイッチ制御ユニット124に知らせる。前記電源出力端子電圧検出装置は、前記電源出力端子104の電圧を検出して前記モード切換スイッチ制御ユニット124に知らせる。
【0018】
これにより、前記モード切換スイッチ制御ユニット124は、前記入力電圧の電圧値および前記出力電圧の電圧値を知ることができる。前記出力電圧の絶対値が前記入力電圧の絶対値より高い場合に、前記モード切換スイッチ制御ユニット124が前記モード切換スイッチユニット122をオンにし、前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10が、再昇圧型電力変換器となる。前記出力電圧の最低値が前記入力電圧によって制限されるとともに、前記出力電圧の目標値が前記入力電圧以下である場合に(前記出力電圧の絶対値が前記入力電圧の絶対値以下である場合に)、前記モード切換スイッチ制御ユニット124が前記モード切換スイッチユニット122をオフにし、前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10が、フライバックモードの電力変換器となる。
【0019】
また、本発明に係る、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10では、前記電源入力端子102または前記電源出力端子104にACインバータ回路(例えば、フルブリッジ回路)が設けられてもよい。そのため、本発明に係る、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10は、DC/DC電力変換、DC/AC電力変換(例えば、マイクロインバータ)、AC/DC電力変換、または、AC/AC電力変換に用いることができる。前記一次側スイッチ制御ユニット112は、パルス幅変調(例えば、DCM、CCM、BCMまたはQR mode等)方式で前記一次側スイッチユニット110を制御する。
【0020】
図5は、本発明に係る、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置の第2実施例のブロック図である。図5において、図4と同様の構成については、その詳細な説明を省略する。また、前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10は、第2の電荷蓄積ユニットのバイパス回路126をさらに含む。前記第2の電荷蓄積ユニットのバイパス回路126は、前記トランス108と、前記第1の電荷蓄積ユニット116と、前記第2の電荷蓄積ユニット118と、前記モード切換スイッチユニット122と、前記電源負極端子106とに電気的に接続される。
【0021】
前記モード切換スイッチ制御ユニット124が前記モード切換スイッチユニット122をオフにした場合に、前記第2の電荷蓄積ユニット118は、前記第2の電荷蓄積ユニットのバイパス回路126に基づいて前記電源負極端子106に対して正確に放電する。
【0022】
すなわち、前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10がフライバックモードの電力変換器である場合に、前記第2の電荷蓄積ユニットのバイパス回路126は、前記第2の電荷蓄積ユニット118にバイパスすることで、前記第2の電荷蓄積ユニット118の電圧がゼロになるように確保することができ、負方向充電電流によって前記第2の電荷蓄積ユニット118の電圧が負の値になることを回避する。
【0023】
前記第2の電荷蓄積ユニットのバイパス回路126は、バイパススイッチユニット12602と、バイパススイッチ制御ユニット12604と、電圧検出ユニット12608とを含む。前記バイパススイッチユニット12602は、前記トランス108と、前記第1の電荷蓄積ユニット116と、前記第2の電荷蓄積ユニット118と、前記モード切換スイッチユニット122と、前記電源負極端子106とに電気的に接続される。前記バイパススイッチ制御ユニット12604は、前記バイパススイッチユニット12602と、前記モード切換スイッチ制御ユニット124とに電気的に接続される。前記電圧検出ユニット12608は、前記トランス108と、前記第1の電荷蓄積ユニット116と、前記第2の電荷蓄積ユニット118と、前記モード切換スイッチユニット122と、前記バイパススイッチユニット12602と、前記バイパススイッチ制御ユニット12604とに電気的に接続される。前記バイパススイッチユニット12602は、トランジスタスイッチであってもよいがこれに限定されない。
【0024】
前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10がフライバックモードの電力変換器である場合に、前記モード切換スイッチ制御ユニット124は、再昇圧型電力変換装置10がフライバックモードの電力変換器であることを、前記バイパススイッチ制御ユニット12604に知らせる。前記電圧検出ユニット12608は、前記第2の電荷蓄積ユニット118の電圧を検出して前記バイパススイッチ制御ユニット12604に知らせる。前記バイパススイッチ制御ユニット12604は、前記第2の電荷蓄積ユニット118の電圧に応じて、前記バイパススイッチユニット12602をオンにするタイミングを決定する。
【0025】
前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10が再昇圧型電力変換器である場合に、前記モード切換スイッチ制御ユニット124は、再昇圧型電力変換装置10が再昇圧型電力変換器であることを、前記バイパススイッチ制御ユニット12604に知らせる。前記バイパススイッチ制御ユニット12604は、前記バイパススイッチユニット12602をオフにする。
【0026】
前記トランス108は、前記電源入力端子102に電気的に接続されるトランス一次側10802と、前記トランス一次側10802に対向して設置されるトランス二次側10804とを含む。前記トランス一次側10802は、前記電源入力端子102に電気的に接続されるトランス第1のピン10806と、トランス第2のピン10808とを含む。前記トランス二次側10804は、トランス第3のピン10810と、トランス第4のピン10812とを含む。
【0027】
前記一次側スイッチユニット110は、前記トランス第2のピン10808に電気的に接続される一次側スイッチユニット第1のピン11002と、前記一次側スイッチ制御ユニット112に電気的に接続される一次側スイッチユニット第2のピン11004と、前記電源負極端子106に電気的に接続される一次側スイッチユニット第3のピン11006とを含む。
【0028】
前記第1の一方向通電ユニット114は、前記トランス第3のピン10810に電気的に接続される第1の一方向通電ユニット第1のピン11402と、前記電源出力端子104に電気的に接続される第1の一方向通電ユニット第2のピン11404とを含む。
【0029】
前記第1の電荷蓄積ユニット116は、前記電源出力端子104に電気的に接続される第1の電荷蓄積ユニット第1のピン11602と、前記トランス第4のピン10812に電気的に接続される第1の電荷蓄積ユニット第2のピン11604とを含む。
【0030】
前記第2の電荷蓄積ユニット118は、前記トランス第4のピン10812に電気的に接続される第2の電荷蓄積ユニット第1のピン11802と、前記電源負極端子106に電気的に接続される第2の電荷蓄積ユニット第2のピン11804とを含む。
【0031】
前記第2の一方向通電ユニット120は、前記トランス第2のピン10808に電気的に接続される第2の一方向通電ユニット第1のピン12002と、第2の一方向通電ユニット第2のピン12004とを含む。
【0032】
前記モード切換スイッチユニット122は、前記第2の一方向通電ユニット第2のピン12004に電気的に接続されるモード切換スイッチユニット第1のピン12202と、前記モード切換スイッチ制御ユニット124に電気的に接続されるモード切換スイッチユニット第2のピン12204と、前記トランス第4のピン10812に電気的に接続されるモード切換スイッチユニット第3のピン12206とを含む。
【0033】
図6は、本発明に係る、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置の第3実施例のブロック図である。図6において、図5と同様の構成については、その詳細な説明を省略する。前記第2の電荷蓄積ユニットのバイパス回路126は、第3の一方向通電ユニット12606を含む。前記第3の一方向通電ユニット12606は、前記トランス108と、前記第1の電荷蓄積ユニット116と、前記第2の電荷蓄積ユニット118と、前記モード切換スイッチユニット122と、前記電源負極端子106とに電気的に接続される。前記第3の一方向通電ユニット12606は、例えば、ダイオード(ダイオードのカソードが前記トランス108と、前記第1の電荷蓄積ユニット116と、前記第2の電荷蓄積ユニット118と、前記モード切換スイッチユニット122とに電気的に接続され、ダイオードのアノードが前記電源負極端子106に電気的に接続される)であってもよいがこれに限定されない。
【0034】
図7は、本発明に係る、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置の第4実施例のブロック図である。また、具体的な実施例において、少なくとも2つの、前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置は並列で作動する。
【0035】
本発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(1)出力電圧の絶対値が入力電圧の絶対値より高い場合に、前記モード切換スイッチ制御ユニット124が前記モード切換スイッチユニット122をオンにし、前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10は、再昇圧型電力変換器となる。前記モード切換スイッチ制御ユニット124は、再昇圧型電力変換装置10が再昇圧型電力変換器であることを、前記バイパススイッチ制御ユニット12604に知らせる。前記バイパススイッチ制御ユニット12604は、前記バイパススイッチユニット12602をオフにする。
(2)出力電圧の最低値が入力電圧によって制限された場合に、前記モード切換スイッチ制御ユニット124が前記モード切換スイッチユニット122をオフにし、前記フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10は、フライバックモードの電力変換器となることで、最低出力電圧が入力電圧より低いことが可能で、最低出力電圧がゼロにはできるため、本発明に係る、フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置10は、交流出力電源装置に適用されることができる。前記第2の電荷蓄積ユニット118は、前記第2の電荷蓄積ユニットのバイパス回路126に基づいて前記電源負極端子106に対して正確に放電する。
【0036】
本発明によれば、再昇圧型電力変換装置の最低出力電圧をゼロとすることができるため、再昇圧型電力変換装置が交流出力電源装置に適用されることができる。
【0037】
本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の明細書および図面による各種の変動および修正は、本発明の保護を求める範囲内に属するものである。上記をまとめるに、本発明が産業上の利用可能性、新規性および進歩性を備えており、しかも本発明の構造は同類の製品に見られず、公開使用もされていないことから、発明特許の出願要件を完全に満たすため、ここに特許法に基づき特許を出願するものである。
【符号の説明】
【0038】
10 フライバックモードを有する再昇圧型電力変換装置
102 電源入力端子
104 電源出力端子
106 電源負極端子
108 トランス
110 一次側スイッチユニット
112 一次側スイッチ制御ユニット
114 第1の一方向通電ユニット
116 第1の電荷蓄積ユニット
118 第2の電荷蓄積ユニット
120 第2の一方向通電ユニット
122 モード切換スイッチユニット
124 モード切換スイッチ制御ユニット
126 第2の電荷蓄積ユニットのバイパス回路
10802 トランス一次側
10804 トランス二次側
10806 トランス第1のピン
10808 トランス第2のピン
10810 トランス第3のピン
10812 トランス第4のピン
11002 一次側スイッチユニット第1のピン
11004 一次側スイッチユニット第2のピン
11006 一次側スイッチユニット第3のピン
11402 第1の一方向通電ユニット第1のピン
11404 第1の一方向通電ユニット第2のピン
11602 第1の電荷蓄積ユニット第1のピン
11604 第1の電荷蓄積ユニット第2のピン
11802 第2の電荷蓄積ユニット第1のピン
11804 第2の電荷蓄積ユニット第2のピン
12002 第2の一方向通電ユニット第1のピン
12004 第2の一方向通電ユニット第2のピン
12202 モード切換スイッチユニット第1のピン
12204 モード切換スイッチユニット第2のピン
12206 モード切換スイッチユニット第3のピン
12602 バイパススイッチユニット
12604 バイパススイッチ制御ユニット
12606 第3の一方向通電ユニット
12608 電圧検出ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7