(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載の電流制御回路において、該検出結果が該ブランチ電流がある設定電流値より大きいことを示すとき、該制御ユニットは該第1スイッチ制御信号の該デューティーサイクルを減らすことを特徴とする、電流制御回路。
請求項1記載の電流制御回路において、該検出結果が該ブランチ電流がある設定電流値より小さいことを示すとき、該制御ユニットは該第1スイッチ制御信号の該デューティーサイクルを増加することを特徴とする、電流制御回路。
請求項4記載の電流制御回路において、該検出結果が該ブランチ電流がある設定電流値より大きいことを示すとき、該制御ユニットは該第1スイッチ制御信号の該デューティーサイクルと該第2スイッチ制御信号の両者の少なくとも一方を減らすことを特徴とする、電流制御回路。
請求項4記載の電流制御回路において、該検出結果が該ブランチ電流がある設定電流値より小さいことを示すとき、該制御ユニットは該第1スイッチ制御信号の該デューティーサイクルと該第2スイッチ制御信号のデューティーサイクルの両者の少なくとも一方を増加することを特徴とする、電流制御回路。
請求項4記載の電流制御回路において、該第1スイッチ制御信号と該第2スイッチ制御信号は該制御ユニットにより設定された同じデューティーサイクルを有することを特徴とする、電流制御回路。
【発明を実施するための形態】
【0009】
明細書及び特許請求の範囲中では特定の語彙が特定の部品を指示するために使用されている。所属の領域中の通常の知識を有する者であれば理解できることであるが、メーカーは異なる名詞を使用して同一の部品を呼称することができる。本明細書及び特許請求の範囲は名称の違いにより部品を区分する方式ではなく、部品の機能上の差異により区分する規則にしたがっている。明細書全般及び特許請求の範囲中に用いられる「包含」は開放式の用語であって、ゆえに「包含するが、それに限定されるわけではない」と解釈されるべきである。このほか、「接続」は直接或いは間接的な電気接続手段を包含する。これにより、もし、文中に第1装置が第2装置に接続されるとの記述があれば、それは該第1装置が該第2装置に直接電気的に接続されるか、該第1装置が該第2装置に間接的に電気的に接続されることを代表する。
【0010】
回路システム中で、複数のブランチ回路(branch circuit)を流れる複数のブランチ電流をバランシングするため、本発明の提出する電流制御メカニズム(current steering mechanism)は、スイッチ制御信号のデューティーサイクル(duty cycle)を調整し(たとえば、パルス幅変調(pulse−width modulation,PWM)技術を運用)することで、ブランチ回路に対応する等価抵抗を調整し、それにより対応するブランチ電流を調整/調節し、回路バランシングの目的を達成する。さらに具体的に説明すると、補助スイッチが、ブランチ回路の導通状態を制御するためのメインスイッチに並列に接続され、並びに該ブランチ回路を流れるブランチ電流に基づき、該補助スイッチのスイッチ制御信号のデューティーサイクルを調整し、こうして、相互に並列に接続されたメインスイッチと補助スイッチの等価抵抗を調整できる。さらに本発明の技術特徴を理解できるようにするため、以下に本発明の概念をバッテリーシステムに応用した実施例について説明するが、このような技術に習熟した者はそれが本発明の制限のために用いられるのではないことを理解できる。
【0011】
図1を参照されたい。それは本発明のバッテリーシステムの中でブランチを流れるブランチ電流を制御するために用いられる電流制御回路(current steering circuit)の実施例の表示図である。この実施例中、バッテリーシステム104は、ブランチ100、メインスイッチS
A、及び電流制御回路102を包含する。そのうち、電流制御回路102はブランチ100を流れるブランチ電流Iを制御するのに用いられる。ブランチ100は、以下に限定されるわけではないが、相互に直列に接続された複数のバッテリーユニット(battery unit)B
1〜B
mを包含し、そのうち、複数のバッテリーユニットB
1〜B
mのうち、各一つのバッテリーユニットは、バッテリーセル(battery cell)、バッテリーブロック(battery block)(相互に並列に接続された複数のバッテリーを包含する)、バッテリーモジュール(battery module)(相互に直列に接続された複数のバッテリーブロックを包含する)、或いはバッテリーパック(battery pack)(直列及び並列に接続された複数のバッテリーを包含する)とされ得る。このほか、複数のバッテリーユニットB
1〜B
mは、端子PAK+(たとえば、高圧側(high side terminal))と端子PAK−(たとえば、低圧側(low side terminal))より外接電子装置(
図1中には表示されていない)の必要とする電源を提供するか、或いは、端子PAK+と端子PAK−により充電電源を受け取る。ある設計変化においては、ブランチ100はただ単一のバッテリーセルを包含し得る。
【0012】
電流制御回路102は、以下に限定されるわけではないが、検出素子R
SEN(この実施例では、それは抵抗により実行される)、補助スイッチS
B及び制御ユニット112を包含する。検出素子R
SENは、バッテリーユニットB
mとメインスイッチS
Aの間に接続されて、ブランチ電流Iを検出して検出結果DRを発生するのに用いられる。補助スイッチS
BはメインスイッチS
Aと、検出素子R
SENと端子PAK−の間に並列に接続される。このほか、制御ユニット112は検出素子R
SENと補助スイッチS
Bに接続され、並びにメインスイッチS
Aと補助スイッチS
Bの導通状態を制御するのに用いられ、たとえば、制御ユニット112はスイッチ制御信号C
Aを発生して、メインスイッチS
Aの導通状態を制御し、そのうち、メインスイッチS
Aが導通するとき、制御ユニット112はまたスイッチ制御信号C
Bを発生して補助スイッチS
Bに送り、及び検出結果DRに基づきスイッチ制御信号C
Bのデューティーサイクルを調整することで、ブランチ電流Iを調整する。
【0013】
図1と共に
図2を参照されたい。
図2は
図1に示される複数のスイッチ制御信号C
AとC
Bの実施例の信号タイミング図である。この実施例中、スイッチ制御信号C
Aは特定レベル(たとえば、ハイレベル)にあり、メインスイッチS
Aを導通状態に維持でき、スイッチ制御信号C
BはデューティーサイクルDを具えて補助スイッチS
Bの導通状態と切断状態の間の交替切り換えを制御する。スイッチ制御信号C
Bの完全信号周期(full period)(すなわち、単一周期)中、補助スイッチS
Bの等価抵抗R
eq Bは、等価抵抗関数f(D)により以下のように表示される:
R
eq B=f(D)=V
B/((V
B/R
BON)×D)=R
BON/D
そのうち、電圧V
Bは補助スイッチS
Bの導通期間の二端間の電圧であり、抵抗R
BONは補助スイッチS
Bの導通抵抗(turn−on resistance)とされ、及び(V
B/R
BON)×Dは、補助スイッチS
Bの完全信号周期(full period)中の等価電流を代表する。
【0014】
上述の等価抵抗関数f(D)より分かるように、補助スイッチS
Bの等価抵抗R
eq Bはスイッチ制御信号C
BのデューティーサイクルDにより変化する。このほか、スイッチ制御信号C
Bの完全信号周期中、メインスイッチS
Aは導通状態に維持され(すなわち、スイッチ制御信号C
Aのデューティーサイクルは100%とされる)、これにより、メインスイッチS
Aの等価抵抗R
eq Aは、すなわち、メインスイッチS
Aの導通抵抗R
AONである。
【0015】
ブランチ100に対応する導通経路の等価抵抗R
eqは、以下の式により表示され得る: R
eq=(R
AON×R
BON)/(D×R
AON+R
BON)
【0016】
以上から分かるように、スイッチ制御信号C
BのデューティーサイクルDを調整することにより、等価抵抗R
eqを調整でき、これにより、ブランチ電流Iの調整又は調節の目的を達成できる。この実施例中、制御ユニット112は検出結果DRを受け取り、並びに検出結果DRに基づきスイッチ制御信号C
BのデューティーサイクルDを調整できる。たとえば、検出結果DRがブランチ電流Iが過高であることを示すとき(たとえば、設定電流値より大きい)、制御ユニット112はデューティーサイクルDを減らすことにより、等価抵抗R
eqの抵抗値を増し、これにより、ブランチ電流Iを減らすことができる。別の例では、検出結果DRがブランチ電流Iが過低であることを示すとき(たとえば、設定電流値より小さい)、制御ユニット112はデューティーサイクルDを増加することで等価抵抗R
eq の抵抗値を減らし、これによりブランチ電流Iを増加する。
【0017】
注意されたいことは、以上は説明のためのものであって、本発明を制限するためのものではないということである。たとえば、
図1に示される検出素子R
SENはメインスイッチS
Aと端子PAK−の間に接続されて、メインスイッチS
Aと補助スイッチS
Bはすなわち、直接ブランチ100(すなわち、バッテリーB
mと検出素子R
SENの間)に接続されてもよい。言い換えると、ただ検出素子R
SENがブランチ100に接続されて、ブランチ電流Iを検出でき、及び又はメインスイッチS
Aがブランチ100に接続されて選択的に電流導通経路にブランチ電流Iを提供できれば、その他の適当な設計変化はいずれも実行可能である。このほか、ブランチ電流Iは、端子PAK+より流入する(すなわち、バッテリーシステム104が充電モードにあり、メインスイッチS
Aと補助スイッチS
Bは充電操作を制御するための充電スイッチと見なされ得る)ほか、ブランチ電流Iはまた、端子PAK+より流出できる(すなわち、バッテリーシステム104が放電モードにあり、メインスイッチS
Aと補助スイッチS
Bは放電操作を制御するための放電スイッチと見なされ得る)。さらに、メインスイッチS
Aに並列に接続された補助スイッチS
Bの個数は一つとは限らず、且つ
図2に示されるスイッチ制御信号C
Aのデューティーサイクルも100%とは限らない。ただ、デューティーサイクルを調整することでブランチ電流を調節する目的を達成できれば、これらの設計上の変化はいずれも本発明の範疇に属する。
【0018】
本発明の概念はまた、複数のメインスイッチに接続された一つのブランチを具えた回路システムに応用可能である。
図3を参照されたい。それは本発明のバッテリーシステムの中、ブランチを流れるブランチ電流を制御するための電流制御回路の別の実施例の表示図である。この実施例では、バッテリーシステム304は、複数のブランチ300_1〜300_n、複数のメインスイッチS
CA1〜S
CAn、複数のメインスイッチS
DA1〜S
DAn、及び電流制御回路302を包含する。そのうち、各メインスイッチはいずれもMOSFETで実施され、及び、電流制御回路302は複数のブランチ300_1〜300_nを流れる複数のブランチ電流I
1〜I
nを制御するのに用いられる。複数のブランチ300_1〜300_nは、それぞれ相互に直列に接続された複数のバッテリーユニットB
11〜B
1m,B
21〜B
2m,...,B
n1〜B
nmを包含し、そのうち、各一つのブランチの複数のバッテリーユニットはいずれも端子PAK+と端子PAK−より外接電子装置(
図3中には表示せず)が必要とする電源を提供するか、或いは、端子PAK+と端子PAK−により充電電源を受け取る。
【0019】
図3より分かるように、各一つのメインスイッチは、いずれも制御端、第1連接端及び第2連接端を具えている。さらに具体的には、複数のメインスイッチS
CA1〜S
CAnは複数の制御端G
CA1〜G
CAn、第1連接端N
p11〜N
Pn1、及び複数の第2連接端N
p12〜N
Pn2を具えている。複数のメインスイッチS
DA1〜S
DAnは、複数の制御端G
DA1〜G
DAn、第1連接端N
Q11〜N
Qn1、及び複数の第2連接端N
Q12〜N
Qn2を具えている。そのうち、複数の第1連接端N
Q11〜N
Qn1はいずれも端子PAK−に接続され、及び複数の第2連接端N
Q12〜N
Qn2は、それぞれ複数の第2連接端N
p12〜N
Pn2に接続される。このほか、複数のメインスイッチS
CA1〜S
CAnはまた、複数のボデーダイオード(body diode)D
CA1〜D
CAnを具え、及び複数のメインスイッチS
DA1〜S
DAnはまた、複数のボデーダイオードD
DA1〜D
DAnを具え、そのうち、複数のボデーダイオードD
CA1〜D
CAnはそれぞれ反対方向を以て複数のボデーダイオードD
DA1〜D
DAnに接続されている。
【0020】
電流制御回路302は、以下に限定されるわけではないが、複数の検出素子R
SEN1〜R
SENn、複数の補助スイッチS
CB1〜S
CBn、複数の補助スイッチS
DB1〜S
DBn、及び一つの制御ユニット312を包含する。複数の検出素子R
SEN1〜R
SENnは、それぞれ複数のバッテリーユニットB
1m〜B
nmに(すなわち、それぞれ複数のブランチ300_1〜300_nに)接続され、並びに複数の第1連接端N
p11〜N
Pn1に接続される。各一つの補助スイッチは、いずれもMOSFETで実行され、並びに一つの制御端、一つの第1連接端、及び一つの第2連接端を具えている。さらに具体的に説明すると、複数の補助スイッチS
CB1〜S
CBnは、複数の制御端G
CB1〜G
CBn、複数の第1連接端N
R11〜N
Rn1及び複数の第2連接端N
R12〜N
Rn2を具え、そのうち、複数の第1連接端N
R11〜N
Rn1は、それぞれ複数の第1連接端N
p11〜N
Pn1に接続され、及び複数の第2連接端N
R12〜N
Rn2は、それぞれ複数の第2連接端N
p12〜N
Pn2に接続される。すなわち、複数の補助スイッチS
CB1〜S
CBnはそれぞれ複数のメインスイッチS
CA1〜S
CAnに接続される。複数の補助スイッチS
DB1〜S
DBnは複数の制御端G
DB1〜G
DBn、複数の第1連接端N
S11〜N
Sn1、複数の第2連接端N
S12〜N
Sn2を具え、そのうち、複数の第1連接端N
S11〜N
Sn1は、それぞれ複数の第1連接端N
Q11〜N
Qn1に接続され、及び、複数の第2連接端N
S12〜N
Sn2は、それぞれ複数の第2連接端N
Q12〜N
Qn2に接続される。すなわち、複数の補助スイッチS
DB1〜S
DBnは、それぞれ複数のメインスイッチS
DA1〜S
DAnに並列に接続される。このほか、複数の第2連接端N
S12〜N
Sn2はそれぞれ複数の第1連接端N
R12〜N
Rn2に接続される。複数の補助スイッチS
CB1〜S
CBnはまた、複数のボデーダイオードD
CB1〜D
CBnを具え、且つ複数の補助スイッチS
DB1〜S
DBnはまた、複数のボデーダイオードD
DB1〜D
DBnを具え、そのうち、複数のボデーダイオードD
CB1〜D
CBnはそれぞれ反対方向を以て複数のボデーダイオードD
DB1〜D
DBnに接続される。
【0021】
複数の検出素子R
SEN1〜R
SENnは、それぞれ複数のブランチ電流I
1〜I
nを検出するのに用いられ、これにより対応する複数の検出結果DR
1〜DR
nを発生して制御ユニット312に提供する。制御ユニット312は複数の検出素子R
SEN1〜R
SENn、複数のメインスイッチS
CA1〜S
CAn、複数のメインスイッチS
DA1〜S
DAn、複数の補助スイッチS
CB1〜S
CBn、及び複数の補助スイッチS
DB1〜S
DBnに接続される。制御ユニット312は、複数のスイッチ制御信号C
CA1〜C
CAn、C
DA1〜C
DAn、C
CB1〜C
CBn、C
DB1〜C
DBnを発生して、複数のメインスイッチS
CA1〜S
CAn、複数のメインスイッチS
DA1〜S
DAn、複数の補助スイッチS
CB1〜S
CBn、及び複数の補助スイッチS
DB1〜S
DBnの導通状態を制御する。
【0022】
注意されたいことは以下のとおりである。
図3に示されるバッテリーシステム304中において、各ブランチに対応する検出素子は、いずれも
図1に示される検出素子R
SENを実施するために用いられ得て、及び、各ブランチに対応するメインスイッチと対応する補助スイッチはいずれも、
図1に示されるメインスイッチS
Aと補助スイッチS
Bを実施するために用いられ得る。さらに具体的に説明すると、複数のメインスイッチS
CA1〜S
CAnとそれに対応する複数の補助スイッチS
CB1〜S
CBnは複数の充電スイッチと見なされ得て、それはバッテリーシステム304の充電操作を制御するために用いられ得て、このほか、複数のメインスイッチS
DA1〜S
DAnとそれに対応する複数の補助スイッチS
DB1〜S
DBnは複数の放電スイッチと見なされ得て、それはバッテリーシステム304の放電操作を制御するのに用いられ得る。さらなる説明は以下のとおりである。
【0023】
図3と共に
図4及び
図5を参照されたい。
図4は
図3に示される複数のスイッチ制御信号の実施例の信号タイミング図である。及び
図5は
図3に示されるバッテリーシステム304の等価回路の表示図である。説明を簡潔にするため、
図4には僅かに複数のブランチ300_1、300_2及び300_nに関係するスイッチ制御信号の信号タイミングのみ表示され、
図5には僅かに複数のブランチ300_1、300_2及び300_nに関係する等価回路のみが表示されている。この実施例中の、バッテリーシステム304は充電モードで操作され得て、これにより、制御ユニット312は複数の充電スイッチと放電スイッチを導通でき、さらに具体的に説明すると、複数のスイッチ制御信号C
CA1〜C
CA2と複数のスイッチ制御信号C
DA1〜C
DAnは特定レベル(たとえば、ハイレベル)にあることで対応する複数のメインスイッチS
CA1〜S
CAn(すなわち、充電スイッチ)と複数のメインスイッチS
DA1〜S
DAn(すなわち、放電スイッチ)の導通を維持できる(
図4に示されるとおり)。そのうち、複数のメインスイッチS
CA1〜S
CAnは、それぞれ複数の導通抵抗R
SCA1〜R
SCAnを以て表示され、複数のメインスイッチS
DA1〜S
DAnは、それぞれ複数の導通抵抗R
SDA1〜R
SDAnを以て表示される(
図5に示されるとおり)。
【0024】
このほか、制御ユニット312はまた複数のスイッチ制御信号C
CB1〜C
CBnとC
DB1〜C
DBnを発生して、複数の補助スイッチS
CB1〜S
CBn(すなわち、充電スイッチ)と複数の補助スイッチS
DB1〜S
DBn(すなわち、放電スイッチ)を導通させられ、そのうち、各ブランチのメインスイッチ(たとえば、ブランチ300_1のメインスイッチS
CA1/S
DA1)が導通するとき、制御ユニット312はそれに対応する検出結果(たとえば、検出結果DR1)に基づいて、対応する補助スイッチのスイッチ制御信号(たとえば、補助スイッチS
CB1/S
DB1のスイッチ制御信号C
CB1/C
DB1)のデューティーサイクルを調整し、これにより、複数の補助スイッチS
CB1〜S
CBnはそれぞれ可変抵抗R
SCB1〜R
SCBnで表示され得て、複数の補助スイッチS
DB1〜S
DBnは、それぞれ複数の可変抵抗R
SDB1〜R
SDBnで表示され得る(
図5に示されるとおり)。このほか、説明を簡潔にするために、各一つのブランチに対応する複数の補助スイッチの複数のスイッチ制御信号は、同じデューティーサイクルを有し得る(
図4に示されるとおり)。
【0025】
この実施例中、ブランチ電流I
1と平均ブランチ電流値(たとえば、複数のブランチ電流I
1〜I
nの総和を複数のブランチ300_1〜300_n の個数で割ったもの)の間の差が設定値より小さければ、これにより、検出結果DR
1はブランチ電流I
1が該平均ブランチ電流値にほぼ等しいことを指示し、制御ユニット312はスイッチ制御信号C
CB1/C
DB1の設定デューティーサイクル(すなわち、
図4に示されるデューティーサイクルD
1)に対して調整を行なわない。このほか、ブランチ電流I
2が第1設定電流値(たとえば、該平均ブランチ電流値に該設定値を加えたもの)より大きければ、これにより、検出結果DR2はブランチ電流I
2が高すぎることを指示し、制御ユニット312はスイッチ制御信号C
CB2/C
DB2のデューティーサイクル(すなわち、
図4に示されるデューティーサイクルD
2)を減らし、これによりブランチ電流I
2を減らす。さらに、ブランチ電流I
nが第2設定電流値(たとえば、該平均ブランチ電流値より該設定値を減じたもの)より小さければ、検出結果DR
nはブランチ電流I
nが低すぎることを指し、制御ユニット312はスイッチ制御信号C
CBn/C
DBnのデューティーサイクル(すなわち、
図4に示されるデューティーサイクルD
n)を増加し、これによりブランチ電流I
nを増加する。
【0026】
同様に、補助スイッチS
CB1/S
DB1の等価抵抗R
eq1、補助スイッチS
CB2/S
DB2の等価抵抗R
eq2、及び、補助スイッチS
CB1n/S
DBnの等価抵抗R
eqnは、それぞれ等価抵抗関数f(D
1),f(D
2),f(D
n)により、以下のように表示される。
R
eq1=f(D
1)=R
ON/D
1=R
SCB1=R
SDB1
R
eq2=f(D
2)=R
ON/D
2=R
SCB2=R
SDB2
R
eqn=f(D
n)=R
ON/D
n=R
SCBn=R
SDBn
【0027】
注意されたいことは、簡潔さを求めるため、ここでは、各補助スイッチの導通抵抗は、いずれも抵抗R
ONで表示されていることである。これにより、各ブランチが提供する充電経路の等価抵抗、たとえば、ブランチ300_1に対応する等価抵抗は、以下のように表示される。
【0028】
(R
SCA1×R
ON)/(D×R
SCA1+R
ON)+(R
SDA1×R
ON)/(D×R
SDA1+R
ON)
【0029】
以上から分かるように、デューティーサイクルを増加する(等価抵抗値は減少)ことにより、ブランチ電流を増加し、及びデューティーサイクルを減らす(等価抵抗値は増加)ことによりブランチ電流を減らすことができる。
【0030】
以上述べたことは説明のための例示であって、本発明を制限するためのものではない。たとえば、スイッチ制御信号C
CB1とスイッチ制御信号C
DB1のうち一つを調整することにより、ブランチ300_1に対応する等価抵抗を調整できる。また別の例においては、各ブランチが対応する複数の補助スイッチの複数のスイッチ制御信号は、異なるデューティーサイクルを有し得る。簡単に述べると、スイッチ制御信号のデューティーサイクルを調整するだけで、ブランチ電流を調整又は調節できれば、いずれも本発明の発明精神を遵守する。
【0031】
このほか、バッテリーシステム304が充電飽和となるとき(或いは、ブランチ電流が特定電流値に達するとき)、制御ユニット312は各ブランチの充電スイッチを切断し並びに放電スイッチを導通させる(たとえば、放電操作を準備する)。この技術に習熟した者であれば、本発明の提供する電流制御メカニズムの、放電モードでの応用の動作細部は、充電モードでの応用の動作細部に類似することが分かるので、放電モードの電流制御メカニズムの動作細部についてはここでは詳しい説明は行なわない。
【0032】
注意に値すべきことは、補助スイッチが切り換えを行なうとき、該補助スイッチが並列に接続されたメインスイッチは導通状態にあり、これにより、該補助スイッチの切り換えは零電圧切り換え(zero−voltage switching,ZVS)と見なされ得て、ゆえにほぼスイッチングロスを発生しないということである。このほか、デューティーサイクルの調整は連続性の調整とされ得て、これにより、相互に並列に接続されたメインスイッチと補助スイッチの等価回路は、高精度を有する可変抵抗とされ得る。こうして、各ブランチ電流に対して微調整を行なえ、これにより回路システムの中のブランチ電流を正確にバランシングできる。さらに、回路システムの中のあるブランチに異常が出現するとき(たとえば、過電流(overcurrent)状況が発生するとき)、本発明の提供する電流制御メカニズムは、異常の出現した該ブランチをディスエーブル或いは使用停止し(或いはそれを交換する)、回路システムの中のその他のブランチの監視制御/バランシングを続ける。言い換えると、全体のバッテリーシステムの使用を停止する必要がない。
【0033】
図6を参照されたい。それは本発明の、ブランチを流れるブランチ電流を制御するための電流制御方法のある実施例のフローチャートである。そのうち、該ブランチはメインスイッチに接続される。該方法は、
図1に示される電流制御回路102及び又は
図3に示される電流制御回路302に応用可能で、並びに以下のように簡単にまとめられる。
ステップ602:開始。
ステップ604:補助スイッチをメインスイッチに並列に接続する。
ステップ606:ブランチを流れるブランチ電流を検出して検出結果を発生する。
ステップ608:該検出結果に基づいて、該ブランチ電流を調整する必要があるかを判断し、該ブランチ電流を減らす必要があると判断すれば、ステップ610を実行し、該ブランチ電流を増加する必要があると判断すれば、ステップ612を実行し、該ブランチ電流を調整する必要がないと判断すれば、ステップ614を実行する。
ステップ610:該補助スイッチのスイッチ制御信号のデューティーサイクルを減らすことで、該ブランチ電流を減らす。
ステップ612:該補助スイッチのスイッチ制御信号のデューティーサイクルを増加することで、該ブランチ電流を増加する。
ステップ614:終了。
【0034】
本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者は、
図1から
図5の関係説明を閲読した後に、簡単に
図6に示される各ステップの操作細部を理解でき、ゆえに重複した説明はここでは行なわない。
【0035】
総合すると、本発明の提供する電流制御メカニズムは、スイッチングロスが少なくモジュール化回路の特性を有し、並びに正確に回路システムの中のブランチ電流を調節でき、これにより該回路システムの電流の平衡を維持する。
【0036】
以上は本発明の好ましい実施例の説明に過ぎず、並びに本発明を限定するものではなく、本発明に提示の精神より逸脱せずに完成されるその他の同等の効果の修飾或いは置換は、いずれも本発明の権利請求範囲内に属する。