(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5842291
(24)【登録日】2015年11月27日
(45)【発行日】2016年1月13日
(54)【発明の名称】ホイールバランスウエイト
(51)【国際特許分類】
F16F 15/32 20060101AFI20151217BHJP
【FI】
B60B13/00 C
B60B13/00 Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2009-250125(P2009-250125)
(22)【出願日】2009年10月30日
(65)【公開番号】特開2011-94735(P2011-94735A)
(43)【公開日】2011年5月12日
【審査請求日】2012年10月29日
【審判番号】不服2014-14007(P2014-14007/J1)
【審判請求日】2014年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】592207245
【氏名又は名称】株式会社マルエム
(74)【代理人】
【識別番号】100112416
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 定信
(72)【発明者】
【氏名】増田 光次
(72)【発明者】
【氏名】巖谷 祐一
【合議体】
【審判長】
和田 雄二
【審判官】
島田 信一
【審判官】
平田 信勝
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−257198(JP,A)
【文献】
特開2007−531845(JP,A)
【文献】
特開平11−294541(JP,A)
【文献】
実開昭61−72402(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3077678(JP,U)
【文献】
特開平9−164866(JP,A)
【文献】
特開2006−181115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B,F16F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のホイールバランスを取るためにホイールのリムフランジに取り付けられるホイールバランスウエイトであって、
バランスウエイト本体と、このバランスウエイト本体をホイールの前記リムフランジに取り付けるためのクリップとを有し、
前記バランスウエイト本体の略中央部であって、前記リムフランジに対する取付面側の円弧面には、前記クリップの取付片を取り付けるための凹所が、そのバランスウエイト本体の上下方向に切り欠かれ、クリップは、その取付片がバランスウエイト本体の該凹所に取り付けられており、
前記バランスウエイト本体の両端部には、前記ホイールとの直接接触を回避するための筒状の樹脂キャップが嵌合して装着されてなることを特徴とするホイールバランスウエイト。
【請求項2】
前記樹脂キャップは、内径がバランスウエイト本体の外径と略同じか少し小径の筒状であることを特徴とする請求項1記載のホイールバランスウエイト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等のホイールのリムフランジに装着されてホイールのバランスをとるためのホイールバランスウエイトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等のホイールは、走行中にアクスルシャフトを中心として回転するが、ホイールの円周方向における質量バランスが取れていないと、走行速度の高まりとともに振動が発生し、走行の安定性を害する。このため、前記ホイールのうち質量の小さい円周方向領域内のリムフランジに対し、ホイールバランスウエイトを打ち込んで装着し、ホイールバランスをとっている。
【0003】
従来において、前記ホイールバランスウエイトは、体積のわりには重量のある(比重の大きい)鉛部材にて形成されている。すなわち、
図8に示すように、バランスウエイト本体10をリムフランジFの内周面F1に添えるとともに、係合用のクリップ11をリムフランジFの外周面F2 に添え、バランスウエイト本体10をクリップ11にてリムフランジFの端部を挟み込むように位置させた状態にて、ハンマー等にて打ち込んで装着している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この場合、バランスウエイト本体10の鉛部材は柔らかい部材であることから、前記打ち込みによりホイールWの形態に沿って変形する。この変形により、ホイールWとの「なじみ」がでて、装着後において外れにくく、また、打ち込みにあたってもホイールWを傷つけることがない。さらに、ホイールWの径が異なっても、この異なる径の円弧面に沿ってバランスウエイト本体10が曲折するために、ホイールWの径が異なる毎にバランスウエイト本体10を用意する必要がない。
【0005】
しかるに、鉛部材のバランスウエイト本体10は、鉛害による公害発生等の問題があるし、鉛は高価であるため製造コストも高いものとなってしまう。そこで、ホイールバランスウエイトのバランスウエイト本体10として鉛以外の金属部材(以下、鉄部材等と称す。)を使用したものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3066654号公報
【特許文献2】特開平09−49549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このウエイト本体として使用される鉄部材等は、鉛部材ほどの柔らかさがないために、リムフランジFに対して打ち込みを行った場合に、ホイールWの形態に沿って変形せず、なじむということがない。したがって、装着後において外れる虞がある。また、無理に前記打ち込みを行うとホイールWを傷付けてしまい、アルミホイールの場合は特に問題である。
また、鉄部材等のバランスウエイトは硬いために、装着後においてもホイールWとの接触部分において振動によりホイールWを傷付けてしまう課題もある。
【0008】
本発明はこのような従来の課題に鑑みて創案されたものであり、鉛部材ほどの柔軟性のない、例えば鉄部材等の金属部材にてバランスウエイト本体を形成しても、このバランスウエイト本体への樹脂キャップの装着のみで、簡単にホイールとのなじみが得られ、打ち込みを行ってもホイールを傷付けることがなく、また、ホイールへの装着後に振動によりホイールとの接触面を傷付けることもなく、かつ外れにくいホイールバランスウエイトの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明に係るホイールバランスウエイトは、車両のホイールバランスを取るためにホイールのリムフランジに取り付けられるホイールバランスウエイトであって、バランスウエイト本体と、このバランスウエイト本体をホイールの前記リムフランジに取り付けるためのクリップとを有し、
前記バランスウエイト本体の略中央部であって、前記リムフランジに対する取付面側の円弧面には、前記クリップの取付片を取り付けるための凹所が、そのバランスウエイト本体の上下方向に切り欠かれ、クリップは、その取付片がバランスウエイト本体の該凹所に取り付けられており、
前記バランスウエイト本体の両端部には、前記ホイールとの直接接触を回避するための筒状の樹脂キャップが嵌合して装着されてなることを特徴とする。
【0010】
この構成により、バランスウエイト本体には樹脂キャップが装着されているので、ホイールへの装着時および装着後に、ホイールにバランスウエイト本体が直接接触することがなく、必ず樹脂キャップが接触することとなる。従って、この樹脂キャップの弾性でホイールとのなじみが得られ、打ち込みを行ってもホイールを傷付けることがなく、また、ホイールへの装着後に振動によりホイールとの接触面を傷付けることもなく、さらに、ホイールとなじみ装着されるのでホイールより外れるおそれもない。
【0011】
また、本発明に係るホイールバランスウエイトの前記樹脂キャップは、内径がバランスウエイト本体の外径と略同じか少し小径の筒状であることを特徴とする。
【0012】
この構成により、樹脂キャップは、バランスウエイト本体に嵌合して装着することができる。樹脂キャップを、内径がバランスウエイト本体の外径と略同じか少し小径の筒状としたのは、バランスウエイト本体に嵌合可能とするためであり、内径がバランスウエイト本体の外径より大きいと、バランスウエイト本体に装着したとき緩みが生じ脱落する可能性が大きくなり、内径がバランスウエイト本体の外径より小さすぎると、バランスウエイト本体への装着が難しくなる。内径がバランスウエイト本体の外径と略同じか少し小径だと、樹脂キャップは弾性があるので内径を拡大してバランスウエイト本体に装着可能となるし、装着後は弾性力でバランスウエイト本体に密着するようになるので、脱落することなく好ましい。
また、筒状の樹脂キャップの内径を、バランスウエイト本体の外径より少し大きくして嵌合を容易にし、嵌合した後に熱収縮させてバランスウエイト本体に密着させてもよい。
【0013】
また、このように樹脂キャップがバランスウエイト本体に嵌合して装着することができると、既製品のバランスウエイト本体にも対応可能となるので好ましい。
例えば、ホイールのリムフランジに対するバランスウエイト本体の装着時に、バランスウエイト本体の一部(
バランスウエイト本体の両端部)に樹脂キャップを着けるという簡単な作業により、リムフランジへのホイールバランスウエイトの装着後、バランスウエイトがホイールに直接接触することを確実に回避できる。従って、ホイールのバランスウエイトによる損傷を確実に回避することができる。また、バランスウエイト本体に予め樹脂被覆を一体に設けたホイールバランスウエイトを用いる場合に比べ、樹脂被覆工程や樹脂被覆装置が不要になるため、製品コストを低減することができる。
また、この構成により樹脂キャップをバランスウエイト本体の一部(
バランスウエイト本体の両端部)に対し確実かつ迅速に装着(嵌め込む)ことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ウエイト本体への樹脂キャップの装着(嵌合)のみで、簡単にホイールとのなじみが得られ、リムフランジに対する打ち込みを行ってもホイールを傷付けることがなく、また、ホイールへの装着後に、振動によりホイールとの接触面を傷付けることもなく、かつホイールとなじむので外れ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態によるホイールバランスウエイトの樹脂キャップ装着前の斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態によるホイールバランスウエイトの樹脂キャップ装着後の斜視図である。
【
図3】
図2に示すホイールバランスウエイトの要部の縦断面図である。
【
図4】
図1に示したホイールバランスウエイトをホイールに着けた状態の斜視図である。
【
図5】本発明の参考例であるホイールバランスウエイトの樹脂キャップ装着前の斜視図である。
【
図6】
図5に示したホイールバランスウエイトの樹脂キャップ装着後の斜視図である。
【
図7】
図6に示したホイールバランスウエイトの要部の縦断面図である。
【
図8】従来のリムフランジに対するホイールバランスウエイトの取付構造を示す一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態に係るホイールバランスウエイトを、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態によるホイールバランスウエイトの樹脂キャップ装着前の斜視図、
図2は、本発明の実施形態によるホイールバランスウエイトの樹脂キャップ装着後の斜視図、
図3は、
図2に示すホイールバランスウエイトの要部の断面図である。
【0017】
同図に示すホイールバランスウエイトAは、バランスウエイト本体1と、クリップ3と、樹脂キャップ4と、を備えて構成される。このバランスウエイト本体1の略中央部であって、クリップ取付面側の円弧面1aには、このバランスウエイト本体1の上下方向に切り欠かかれた凹所2が設けられている。
この凹所2には、この凹所2内に収まる幅のクリップ3が取り付けられている。このクリップ3は平坦な略矩形状の取付片3aと、この取付片3aに連続する略半円状の係止片3bとからなる。
【0018】
取付片3aは前記凹所2の平坦な取付面2aに当接されて、スポット溶接により互いに結合されている。このスポット溶接によって、バランスウエイト本体1の片面(クリップ取付面側とは反対側の面)には凹部Pが形成され、これに対応する部位のクリップ取付面側には凸部Qが形成されている。なお、この凸部Qは前記凹所2内にあるため、バランスウエイト本体1のクリップ取付面側に突出することはない。このため、後述するように、リムフランジFに干渉することはない。
【0019】
さらに、係止片3bの上端(先端)縁はクリップ3をホイールWのリムフランジに取り付ける際に、タイヤTとそのリムフランジFとの間に収まり可能な形状であり、係止片3bはリムフランジFを被うように僅かに湾曲している。このクリップ3はバランスウエイト本体1と同様の材料、ここでは鉄部材を用いて構成され、剛性が高い。このため、かかる構成のホイールバランスウエイトAは、ホイールWの形状、サイズに応じたものが予め用意され、そのクリップ3をリムフランジFに叩き込んで連結している。この時、装着するホイールバランスウエイトAは、ホイールのバランスを取るのに必要とする重量のものである。必要とする重量は、1個でもよいし、複数で充足してもよい。
【0020】
また、前述のバランスウエイト本体1の両端部には、
図1に示すような薄肉で筒状の樹脂キャップ4が、
図2に示すように密に嵌め込まれている。この樹脂キャップ4のバランスウエイト本体1に対する密なはめ込みは、例えば、筒状の樹脂キャップ4の内径を、バランスウエイト本体1の外径より少し小径とし、樹脂キャップ4の弾性で内径を拡大しバランスウエイト本体1に嵌合し、弾性力で復元しバランスウエイト本体1に密着させたり、あるいはバランスウエイト本体1より少し大きな樹脂キャップは、装着後に樹脂キャップ4自体を熱収縮させるなどの方法によって行われる。この樹脂キャップ4を嵌め込んだホイールバランスウエイトAの全体を、
図2に示す。
【0021】
従って、この様な構成のホイールバランスウエイトAは、ホイールWのリムフランジFに前述のように装着された場合に、バランスウエイト本体1は必ず樹脂キャップ4を介して、
図4に示すように、タイヤTを取り付けるリムフランジFになじむように取り付けられる。また、クリップ3をリムフランジFに叩き込みによって装着しても、樹脂キャップ4の弾性により吸収され、リムフランジFにクリップ3が大きな摩擦力で接触することが回避され、リムフランジFに傷が付くことはない。さらに、ホイールバランスウエイトAは、バランスウエイト本体1が直接ホイールWに接触することはなく、必ず樹脂キャップ4を介してホイールWと接触するので、ホイールWのリムフランジFへの装着後に、走行中の振動によりホイールとの接触面を傷付けることもない。
この結果、傷の付着によってホイールWの一部に錆が発生することも、見栄えが低下することも回避できる。また、自動車の走行中に大きな振動を受けることがあっても、ホイールバランスウエイトAがリムフランジFから容易に外れる心配もない。
【0022】
図5乃至
図7は本発明のホイールバランスウエイトの参考例を示し、請求項1の範囲の一部に整合するものである。この参考例に係るホイールバランスウエイトBは前記ホイールバランスウエイトAとはバランスウエイト本体および樹脂キャップの形状を異にするものであり、他は前記ホイールバランスウエイトAと同様であるので、同一構成部分には同一符号を付して説明する。
図5は、ホイールバランスウエイトBの樹脂キャップ装着前の斜視図、
図6は、ホイールバランスウエイトBの樹脂キャップ装着後の斜視図、
図7は、
図6に示したホイールバランスウエイトBの要部の縦断面図である。
同図に示すホイールバランスウエイトBは、バランスウエイト本体1と、クリップ3と、樹脂キャップ8とで構成されている。前記ホイールバランスウエイトAのバランスウエイト本体1は、長尺な棒状であり、樹脂キャップ4は、両端側から嵌合する形態であるが、本例のホイールバランスウエイトBのバランスウエイト本体1は、短尺な直方体であり、樹脂キャップ8もそれに対応した形状であり、バランスウエイト本体1に下端より嵌合するものである。
【0023】
この参考例では、バランスウエイト本体1は、
図5に示すように鉄部材で短尺な直方体に形成され、リムフランジの形態に添った断面形状を持ち、さらにリムフランジの円弧面に添う所定長さの円弧形状をなす。
そして、バランスウエイト本体1の内側の円弧面には、このバランスウエイト本体1と同一幅のクリップ3が前述と同様にスポット溶接されている。つまり、このクリップ3は平坦な略矩形状の取付片3aと、この取付片3aに連続する略半円状の係止片3bとからなり、バランスウエイト本体1の背面に当接されて、スポット溶接によって強固に固着されている。
【0024】
また、係止片3bの上端(先端)縁はクリップ3をホイールのリムフランジに取付ける際に、タイヤとそのリムフランジとの間に収まり可能に形成され、係止片3bはリムフランジを被うように湾曲している。このクリップ3は鉄部材を素材として用いて形成され、剛性が高い。このため、かかる構成のホイールバランスウエイトBは、ホイール形状およびサイズに応じて対応するものを、予め用意し、そのクリップ3をリムフランジFに叩き込んで装着する。この時、装着するホイールバランスウエイトBは、ホイールのバランスを取るのに必要とする重量のものである。必要とする重量は、1個でもよいし、複数で充足してもよい。
【0025】
また、
図5から
図6に示すように、前述のホイールバランスウエイトBの下半部、つまり前記取付片3aおよびバランスウエイト本体1の略全体には、これらの下方向から薄肉で筒状の樹脂キャップ8が密嵌されている。この樹脂キャップ8は、バランスウエイト本体1に対応する形状の筒状とされ、
図5に示すように上部が開口となっており、バランスウエイト本体1には、下端から嵌合される。従って、この樹脂キャップ8は、バランスウエイト本体1の長さ、高さ、幅(肉厚)に対応する長さ、高さおよび径(幅に対応)の直方体の筒状となっている。この樹脂キャップ8のバランスウエイト本体1に対する密嵌は、前記実施の形態と同様である。例えば、樹脂キャップ8の大きさを、バランスウエイト本体1の大きさと略同じが少し小さい形状とし、樹脂キャップ8の弾性で内径を拡大してバランスウエイト本体1に嵌合し、復元力で密着させたり、バランスウエイト本体1より少し大きな樹脂キャップ8は、装着後に樹脂キャップ8自体を熱収縮させるなどの方法によって行われる。この樹脂キャップ8を嵌め込んだホイールバランスウエイトBの全体を、
図6に示す。
【0026】
従って、この様な構成のホイールバランスウエイトBは、ホイールWのリムフランジFに前述のように装着された場合に、バランスウエイト本体1は必ず樹脂キャップ8を介して、タイヤTを取り付けたリムフランジFになじむように取り付けられる。
このため、クリップ3をリムフランジFに叩き込みによって装着しても、樹脂キャップ8の弾性により吸収され、リムフランジFにクリップ3が大きな摩擦力で接触することが回避され、リムフランジFに傷が付くことはない。さらに、ホイールバランスウエイトBは、バランスウエイト本体1が直接ホイールWに接触することはなく、必ず樹脂キャップ8を介してホイールWと接触するので、ホイールWのリムフランジFへの装着後に、走行中の振動によりホイールとの接触面を傷付けることもない。従って、傷の付着によってホイールW一部に錆が発生することも、見栄えを低下させることも回避できる。また、自動車の走行中に大きな振動を受けることがあっても、ホイールバランスウエイトBがリムフランジFから外れる心配はない。
【0027】
なお、前記では、鉄部材のバランスウエイト本体1に樹脂キャップ4、8を装着する場合について述べたが、鉛部材のバランスウエイト本体1に樹脂キャップ4、8を装着する場合にも、前記同様の効果が得られる。
さらに、前記ではバランスウエイト本体1とクリップ3とが一体となったものについて述べたが、個別のバランスウエイト本体1およびクリップ3を組付けてなるホイールバランスウエイトへの樹脂キャップ4、8の装着も同様に実施可能であり、前記同様の効果が得られる。
【0028】
このようにホイールバランスウエイトA、Bは、車両のホイールバランスを取るためにホイールWのリムフランジFに取り付けられるものであり、バランスウエイト本体1と、このバランスウエイト本体1をホイールWのリムフランジFに取り付けるためのクリップ3とを備えて、バランスウエイト本体1には、ホイールWとの直接接触を回避するための樹脂キャップ4、8を装着した構成としている。
【0029】
従って、ホイールWのリムフランジFに対するバランスウエイト本体1の装着時に、バランスウエイト本体1に樹脂キャップ4、8を着ける(これは予め装着してあってもよい。)という簡単な作業により、リムフランジFへのホイールバランスウエイトA、Bの装着状況においては、バランスウエイト本体1がホイールWに直接接触することを確実に回避できる。従って、ホイールWのバランスウエイト本体1による損傷を確実に回避することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 バランスウエイト本体
1a 円弧面
2 切欠
3 クリップ
3a 取付片
3b 係止片
4 樹脂キャップ
8 樹脂キャップ
F リムフランジ
W ホイール