(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部から後方に延在するソール部と、前記クラウン部と前記ソール部の間で前記フェース部のトウ側縁とヒール側縁との間をフェースバックを通って延在するサイド部とを含むヘッド本体を備え、それらフェース部とクラウン部とソール部とサイド部とで囲まれた内部が中空部であり、前記中空部に面した前記ソール部の箇所にウェイト部が設けられたゴルフクラブヘッドであって、
ロフト角が13°以上25°以下であり、
前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、前記フェース部の外側に露出する表面であるフェース面の中心点Pcと前記ヘッド本体の重心点G0を通り前記水平面に対して直交する平面を基準垂直面とし、前記水平面および前記基準垂直面に対して平行する方向を前後方向としたとき、
前記基準状態において前記ゴルフクラブヘッドを平面視した場合に前記フェース面と前記フェースバックとを結ぶ前後方向に沿った線のうち寸法が最大となる線の寸法をヘッド長さAとしたとき、前記ヘッド長さAが55mm以上100mm以下であり、
前記基準垂直面で破断した前記ヘッド本体の断面において、リーディングエッジから後方に5mm離間した箇所と10mm離間した箇所との間を第1の範囲L1としたとき、前記第1の範囲L1における前記ソール部の肉厚T1が0.5mm以上2.0mm以下であり、
前記第1の範囲L1の全域にわたって前記ウェイト部が存在し、
前記基準垂直面で破断した前記ヘッド本体の断面において、前記ウェイト部のクラウンソール方向における肉厚T2は3.0mm以上15mm以下であり、
前記基準垂直面で破断した前記ヘッド本体の断面において、前記ウェイト部と、前記フェース面の反対側に位置するフェース裏面との間に1mm以上5mm以下の第1の隙間S1が形成され、
前記第1の範囲L1において前記ウェイト部と前記ソール部との間には、0.5mm以上3.0mm以下の第2の隙間S2が形成され、
前記フェース面上において前記フェース中心点Pcを通り前記水平面と平行する中心線が前記フェース面の輪郭線と交差する2つの交差点を結ぶ直線を前記水平面に投影させたときの寸法をフェースセンター長さBとし、
前記基準状態において前記ヘッド本体を平面視した状態で、トウヒール方向において、前記基準垂直面で破断した前記ヘッド本体の断面からトウ側に前記フェースセンター長さBの25%以上離間した箇所と前記断面からヒール側にフェースセンター長さBの25%以上離間した箇所との間の範囲を第2の範囲L2としたとき、
前記第2の範囲L2の全域にわたって前記ウェイト部が存在し、
前記基準状態において前記ヘッド本体を平面視した状態で、前記第2の範囲L2内において、前記基準垂直面と前記リーディングエッジとの交点から後方に5mm離間した点を通り前記基準垂直面と垂直をなす第1の仮想線と前記第1の仮想線と平行し前記交点から後方に10mm離間した点を通る第2の仮想線とで挟まれた前記ソール部の範囲を第3の範囲L3としたとき、前記第3の範囲L3の少なくとも一部に前記ウェイト部が存在すると共に、前記第3の範囲L3の全域または、少なくとも基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面からトウ側およびヒール側にそれぞれフェースセンター長さBの25%以内の部分において、前記ウェイト部と前記ソール部との固着が無く、かつ、前記第2の隙間S2が形成され、
前記基準状態において前記ヘッド本体を平面視した状態で、前記リーディングエッジと、前記第1の仮想線と平行し前記交点から後方に35mm離間した点を通る第3の仮想線とで挟まれた範囲を第4の範囲L4としたとき、前記第4の範囲L4に存在する前記ウェイト部の質量は、前記ウェイト部の質量と前記ヘッド本体の質量とを合計したヘッド質量の10%以上40%以下である、
ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態)
次に本発明の実施の形態について説明する。
なお、本発明に係るゴルフクラブヘッドは、ロフト角が13°以上25°以下のいわゆるフェアウェイウッドあるいはユーテリティと呼ばれるものであり、ボールをティーアップすることなく地面の上のボールを直接打球する用途で使用される。
図1〜
図6に示すように、ゴルフクラブヘッド10は、ヘッド本体12と、ウェイト部14とを含んで構成されている。
ヘッド本体12は、フェース部16と、クラウン部18と、ソール部20と、サイド部22とを備えている。
フェース部16は、上下の高さを有して左右に延在している。
クラウン部18は、フェース部16の上部から後方に延在している。
ソール部20は、フェース部16の下部から後方に延在している。
図2に示すように、サイド部22は、クラウン部18とソール部20の間でフェース部16のトウ24側縁とヒール26側縁との間をフェースバック28を通って延在している。
ヘッド本体12は、それらフェース部16とクラウン部18とソール部20とサイド部22とで囲まれた内部が中空部とされた中空構造を呈している。
フェース部16の外側に露出する表面がボールを打撃するフェース面16Aとなっている。
クラウン部18には、フェース面16A側でかつヒール26寄りの位置にシャフトSに接続するホーゼル30が設けられている。
【0009】
図4、
図5、
図6に示すように、ウェイト部14は、中空部に面したソール部20の箇所でフェース部16寄りの箇所にトウヒール方向に延在して設けられている。
ウェイト部14は、ウェイト本体1402と、ソール部20に固着される固着部1404とを含んで構成されている。
ウェイト本体1402は、フェース部16に面した前面1402Aと、フェースバック28に面した後面1402Bと、クラウン部18に面した上面1402Cと、ソール部20に面した下面1402Dと、延在方向の両端に位置する左右の端面1402E、1402Fとを備えている。
したがって、ウェイト本体1402の前後方向に沿った幅は前面1402Aと後面1402Bとの間の寸法であり、ウェイト本体1402のクラウンヒール方向に沿った厚さは、上面1402Cと下面1402Dとの間の寸法である。
固着部1404とソール部20とが固着される範囲については後述する。
なお、ウェイト部14は、ヘッド本体16と別体に構成され、固着部1404が溶接、ろう付け、接着、ネジ止めなどの従来公知の様々な方法によってソール部14に固着されていてもよい。あるいは、ヘッド本体16を鋳造する際に、ウェイト部14をソール部14と一体的に形成してもよい。
ウェイト部材14をヘッド本体12と別体に構成する場合は、ウェイト部材14をヘッド本体12を構成する材料よりも大きい比重の材料で構成してもよい。
その場合、ウェイト部14を形成する材料としては、Fe、Mo、Cu、Ag、Pb、Ta、W、Au、Pt、Ir等の重金属、さらにはこれらの1種以上を含む合金等を好適に用い得る。
【0010】
図1、
図2に示すように、ゴルフクラブヘッド10を水平面PHに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した状態を基準状態とする。
この基準状態において、
図3に示すように、フェース面16Aの中心点Pcとヘッド本体16の重心点G0を通り水平面PHに対して直交する平面を基準垂直面PVとする。
ここで、水平面PHおよび基準垂直面PVに対して平行する方向を前後方向とする。
【0011】
図3に示すように、基準状態においてゴルフクラブヘッド10を平面視した場合にフェース面16Aとフェースバック28とを結ぶ前後方向に沿った線のうち寸法が最大となる線の寸法をヘッド長さAとする。
本実施の形態では、ヘッド長さAを55mm以上100mm以下とする。
ヘッド長さAが55mm以上100mm以下であると、ゴルファーが構えたときにゴルフクラブヘッド10の形状に違和感を与えにくい点で有利となる。
ヘッド長さAが55mmを下回ると、ゴルフクラブヘッド10が小さすぎて、ゴルファーが構えたときにゴルフクラブヘッド10の形状に違和感を与える傾向が強く、飛距離を増大する上で不利となる。
ヘッド長さAが100mmを上回ると、ゴルファーが構えたときにゴルフクラブヘッド10の形状に違和感を与える傾向が強く、飛距離を増大する上で不利となる。
【0012】
図3、
図5に示すように、基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面において、フェース部16とソール部20との境界線であるリーディングエッジ32から後方に5mm離間した箇所と10mm離間した箇所との間を第1の範囲L1とする。
本実施の形態では、第1の範囲L1におけるソール部20の肉厚T1が0.5mm以上2.0mm以下である。
第1の範囲L1におけるソール部20の肉厚T1が0.5mm以上2.0mm以下であると、ソール部20のたわみ量を確保できゴルフクラブヘッド10の反発性を高め、飛距離を増大する上で有利となる。
第1の範囲L1におけるソール部20の肉厚T1が0.5mmを下回ると、ソール部20の耐久性を確保する上で不利となる。
第1の範囲L1におけるソール部20の肉厚T1が2.0mmを上回ると、ソール部20の剛性が高くなりすぎてたわみ量が低下するため、ゴルフクラブヘッド10の反発性を高め、飛距離を増大する上で不利となる。
【0013】
第1の範囲L1の全域にわたってウェイト部14が存在している。
第1の範囲L1の全域にわたってウェイト部14が存在していると、ゴルフクラブヘッド10の低重心化を図り、飛距離を増大する上で有利となる。
第1の範囲L1の全域にわたってウェイト部14が存在していないと、ゴルフクラブヘッド10の低重心化を図り、飛距離を増大する上で不利となる。
【0014】
基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面において、ウェイト部14のクラウンソール方向における肉厚T2は3.0mm以上15mm以下である。
ウェイト部14の肉厚T2が3.0mm以上15mm以下であると、ゴルフクラブヘッド10の低重心化を図れ、フェース面16A上の重心点とボールの打点とを近づけることができるため、飛距離を増大する上で有利となる。
ウェイト部14の肉厚T2が3.0mmを下回ると、ウェイト部14の質量が軽すぎるため、ゴルフクラブヘッド10の低重心化が図れないため、フェース面16A上の重心点とボールの打点とを近づけることができず、飛距離を増大する上で不利となる。
ウェイト部14の肉厚T2が15mmを上回ると、ウェイト部14の質量が大きくかつウェイト部14の重心が高くなるため、ゴルフクラブヘッド10の重心が高くなり、フェース面16A上の重心点とボールの打点とを近づけることができず、飛距離を増大する上で不利となる。
なお、フェース面16A上の重心点とは、ゴルフクラブヘッド10の重心点G0を通るフェース面16Aの法線がフェース面16Aと交差する点である。
【0015】
図5に示すように、第1の範囲L1においてウェイト部14とフェース裏面16Bとの間には、1mm以上5mm以下の第1の隙間S1(フェース裏面とウエイトの最短離間距離)が形成されている。
第1の隙間S1が1mm以上5mm以下であると、ボール打撃時のフェース部16のたわみ量を確保でき、ゴルフクラブヘッド10の反発性を確保でき、飛距離を増大する上で有利となる。
また、第1の隙間S1が1mm以上5mm以下であると、この第1の隙間S1が打球音に与える影響が小さいため、打球音を良好に保つ上で有利となる。
第1の隙間S1が1mmを下回ると、ウェイト部14とフェース裏面16Bとの第1の隙間S1が狭すぎるため、打球音に与える影響が大きく、打球音を良好に保つ上で不利となる。また、打球によって生じるフェース部16のたわみ量によっては、ウェイト部14がフェース裏面16Bに当接してしまい、フェース部16のたわみ量を低下させるため、ゴルフクラブヘッド10の反発性を確保できず、飛距離を増大する上で不利となる。
第1の隙間S1が5mmを上回ると、ウェイト部14の位置が後方(フェースから離れる方向)すぎるため、ゴルフクラブヘッド10のフェース面上の低重心化が図れないため、フェース面16A上の重心点とボールの打点とを近づけることができず、飛距離を増大する上で不利となる。
【0016】
図5に示すように、基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面において、ウェイト部14は、ソール部20と接することなく配置されている。
より詳細には、基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面において、ウェイト部14とソール部20との間に0.5mm以上3mm以下の第2の隙間S2が形成されている。
第2の隙間S2が0.5mm以上3mm以下であると、ウェイト部14がソール部20のたわみに影響を与えることがなく、反発性を確保でき、かつ低重心化を図る上で有利となる。
また、第2の隙間S2が0.5mm以上3mm以下であると、この第2の隙間S2が打球音に与える影響が小さいため、打球音を良好に保つ上で有利となる。
第2の隙間S2が0.5mmを下回ると、ウェイト部14とソール部20との第2の隙間S2が狭すぎるため、打球音に与える影響が大きく、打球音を良好に保つ上で不利となる。
また、第2の隙間S2が3mmを上回ると、ウェイト部14の重心が高くなるため、ゴルフクラブヘッド10の重心が高くなり、フェース面16A上の重心点とボールの打点とを近づけることができず、飛距離を増大する上で不利となる。また、打球によって生じるフェース部16のたわみ量によっては、ウェイト部14がフェース裏面16Bに当接してしまい、フェース部16のたわみ量を低下させるため、ゴルフクラブヘッド10の反発性を確保できず、飛距離を増大する上で不利となる。
もちろん、ウェイト部14がソール部20と接して配置されていると、ウェイト部14がソール部20のたわみ量を低下させるため、ゴルフクラブヘッド10の反発性を確保できず、飛距離を増大する上で不利となる。
【0017】
図1に示すように、フェース面16A上においてフェース中心点Pcを通り水平面PHと平行する中心線K0がフェース面16Aの輪郭線Iと交差する2つの交差点k1、k2を結ぶ直線を水平面PHに投影させたときの寸法をフェースセンター長さBとする。
なお、フェース面16Aの輪郭線I、中心点Pcについては以下のように規定される。
【0018】
フェース面16Aの中心点Pcは、フェース面16Aの幾何学的中心であり、中心点Pcの規定方法としては以下に例示する第1の規定方法、第2の規定方法を含め従来公知のさまざまな方法が採用可能である。
【0019】
[A]フェース面16Aの中心点Pcの第1の規定方法:
フェース面16Aと他のゴルフクラブヘッド10の部分との境目が明確である場合、言い換えると、フェース面16Aの周縁すなわち輪郭線Iが稜線によって特定される場合における中心点Pcの規定方法である。この場合はフェース面16Aが明瞭に定義されることになる。
図7〜
図10はフェース面16Aの中心点Pcの規定方法を示す説明図である。
【0020】
(1)まず、
図7に示すように、ライ角およびフェース角が規定値となるように水平面上にゴルフクラブヘッド10を載置しゴルフクラブヘッド10を基準状態とする。なお、ライ角およびフェース角の設定値は、例えば製品カタログに記載された値である。
【0021】
(2)次にクラウン部18及びソール部20を結ぶ方向における仮中心点c0を求める。
すなわち、
図7に示すように、トウ24およびヒール26を結ぶ水平面と平行な線(以下水平線という)の概略中心点と交差する垂線f0を引く。
この垂線f0とフェース面16Aの上縁とが交差するa0点と、垂線f0とフェース面16Aの下縁とが交差するb0点の中点を仮中心点c0とする。
【0022】
(3)次に
図8に示すように仮中心点c0を通る水平線g0を引く。
(4)次に
図9に示すように水平線g0とフェース面16Aのトウ24側の縁とが交差するd0点と、水平線g0とフェース面16Aのヒール26側の縁とが交差するe0点の中点を仮中心点c1とする。
【0023】
(5)次に
図10に示すように仮中心点c1を通る垂線f1を引き、この垂線f1とフェース面16Aの上縁とが交差するa1点と、垂線f1とフェース面16Aの下縁とが交差するb1点の中点を仮中心点c2とする。
ここで、仮中心点c1とc2とが合致したならばその点をフェース面16Aの中心点Pcとして規定する。
仮中心点c1とc2が合致しなければ、(2)乃至(5)の手順を繰り返す。
なお、フェース面16Aは曲面を呈しているため、水平線g0の中点、垂線f0、f1の中点を求める場合の水平線g0の長さ、垂線f0、f1の長さはフェース面16Aの曲面に沿った長さを用いるものとする。
そして、フェースセンターラインCLは、中心点Pcを通りかつトウ24−ヒール26方向と直交する方向に延在する直線で定義される。
【0024】
[B]フェース面16Aの中心点Pcの第2の規定方法:
次に、フェース面16Aの周縁と他のゴルフクラブヘッド10の部分との間が曲面で接続されておりフェース面16Aが明瞭に定義できない場合の中心点Pcの定義を説明する。
【0025】
図11に示すように、ゴルフクラブヘッド10は中空であり、符号G0はゴルフクラブヘッド10の重心点を示し、符号Lpは重心点G0とフェース面上重心点FGとを結ぶ直線であり、言い換えると、直線Lpは重心点G0を通るフェース面16Aの垂線である。
すなわち、ゴルフクラブヘッド10の重心点G0をフェース面16Aに投影した点がフェース面上重心点FGである。
ここで、
図12に示すように、重心点G0とフェース面上重心点FGとを結ぶ直線Lpを含む多数の平面H1、H2、H3、…、Hnを考える。
【0026】
ゴルフクラブヘッド10を各平面H1、H2、H3、…、Hnに沿って破断したときの断面において、
図13に示されるように、ゴルフクラブヘッド10の外面の曲率半径r0を測定する。
曲率半径r0の測定に際して、フェース面16A上のフェースライン、パンチマーク等が無いものとして扱う。
曲率半径r0は、フェース面16Aの中心点Pcから外方向(
図13における上方向、下方向)に向かって連続的に測定される。
そして、測定において曲率半径r0が最初に所定の値以下となる部分をフェース面16Aの周縁を表わす輪郭線IIとして定義する。
所定の値は例えば200mmである。
多数の平面H1、H2、H3、…、Hnに基づいて決定された輪郭線IIによって囲まれた領域が、
図12、
図13に示すように、フェース面16Aとして定義される。
【0027】
次に、
図14に示すように、ライ角およびフェース角が規定値となるように水平面上にゴルフクラブヘッド10を載置する。
直線LTは、フェース面16Aのトウ24側点PTを通過して鉛直方向に延在する。
直線LHは、フェース面16Aのヒール26側点PHを通過して鉛直方向に延在する。
直線LCは、直線LTおよび直線LHと平行である。直線LCと直線LTとの距離は、直線LCと直線LHとの距離と等しい。
符号Puは、フェース面16Aの上側点を示し、符号Pdはフェース面16Aの下側点である。上側点Puおよび下側点Pdは、いずれも直線LCと輪郭線IIとの交点である。
中心点Pcは、上側点Puと下側点Pdとを結ぶ線分の中点で定義される。
したがって、前述したフェース面16Aの高さJは、上側点Puと下側点Pdとを結ぶ線分の寸法に等しくなる。
【0028】
図4に示すように、基準状態においてヘッド本体16を平面視した状態で、トウヒール方向において、基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面からトウ側にフェースセンター長さBの25%以上離間した箇所と上記断面からヒール側にフェースセンター長さBの25%以上離間した箇所との間の範囲を第2の範囲L2とする。
第2の範囲L2の全域にわたってウェイト部14が存在している。
そして、基準状態においてヘッド本体16を平面視した状態で、基準垂直面PVとリーディングエッジ32との交点Prから後方に5mm離間した点を通り基準垂直面PVと垂直をなす第1の仮想線K1と第1の仮想線K1と平行し交点Prから後方に10mm離間した点を通る第2の仮想線K2とで挟まれたソール部20の範囲を第3の範囲L3としたとき、第3の範囲L3の少なくとも一部にウェイト部14が存在している。
第3の範囲L3の少なくとも一部にウェイト部14が存在していると、ゴルフクラブヘッド10の低重心化を図れ、フェース面16A上の重心点とボールの打点とを近づけることができるため、飛距離を増大する上で有利となる。
第3の範囲L3の少なくとも一部にウェイト部14が存在していないと、フェース部16寄りにおけるウェイト部14の質量の分布が不足するため、ゴルフクラブヘッド10の低重心化を図れず、フェース面16A上の重心点とボールの打点とを近づけることができず、飛距離を増大する上で不利となる。
すなわち、ウェイト部材14が存在する範囲が、トウヒール方向において、基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面からトウ側およびヒール側にそれぞれフェースセンター長さBの25%未満であると、フェース部16寄りにおけるウェイト部14の質量の分布が不足するため、ゴルフクラブヘッド10の低重心化を図れず、フェース面16A上の重心点とボールの打点とを近づけることができず、飛距離を増大する上で不利となる。
なお、トウヒール方向において、ウェイト部14が存在する範囲は、基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面からトウ側およびヒール側にそれぞれフェースセンター長さBの25%以上であればよく、ウェイト部14の延在方向の両端がサイド部22やホーゼル部30に当接するまでウェイト部14がトウヒール方向に存在してもよい。
【0029】
そして、第3の範囲L3の全域または、少なくとも基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面からトウ側およびヒール側にそれぞれフェースセンター長さBの25%以内の部分において、ウェイト部14とソール部20との固着が無く、かつ、第2の隙間S2が形成されており、第3の範囲L3外でかつ第1の仮想線K1とフェース部16との間の範囲を除く範囲でウェイト部14とソール部20との固着がなされている。
言い換えると、固着部1404は、第3の範囲L3外で、かつ、第1の仮想線K1とフェース部16との間の範囲を除く範囲でソール部20に固着されている。
第3の範囲L3においてウェイト部14とソール部20との固着が無く、かつ、第2の隙間S2が形成されていると、フェース部16寄りのソール部20の箇所のたわみ量を確保できゴルフクラブヘッド10の反発性を高め、飛距離を増大する上で有利となる。
第3の範囲L3においてウェイト部14とソール部20とが固着されていると、フェース部16寄りのソール部20の箇所の剛性が高くなり、たわみ量を確保できず、ゴルフクラブヘッド10の反発性を高められず、飛距離を増大する上で不利となる。
また、第1の仮想線K1とフェース部16との間の範囲でウェイト部14とソール部20とが固着されていると、フェース部16寄りのソール部20の箇所の剛性が高くなり、たわみ量を確保できず、ゴルフクラブヘッド10の反発性を高められず、飛距離を増大する上で不利となる。
【0030】
図4に示すように、基準状態においてヘッド本体16を平面視した状態で、リーディングエッジ32と、リーディングエッジ32を後方に35mm平行移動した第3の仮想線K3とで挟まれた範囲を第4の範囲L4とする。
第4の範囲L4に存在するウェイト部14の質量は、ウェイト部14の質量とヘッド本体16の質量とを合計したヘッド質量の10%以上40%以下である。
第4の範囲L4に存在するウェイト部14の質量がヘッド質量の10%以上40%以下であると、ゴルフクラブヘッド10の低重心化を図れ、フェース面16A上の重心点とボールの打点とを近づけることができるため、飛距離を増大する上で有利となる。
第4の範囲L4に存在するウェイト部14の質量がヘッド質量の10%を下回ると、ウェイト部14の質量が軽すぎるため、ゴルフクラブヘッド10の低重心化を図れず、フェース面16A上の重心点とボールの打点とを近づけることができないため、飛距離を増大する上で不利となる。
第4の範囲L4に存在するウェイト部14の質量がヘッド質量の40%を上回ると、ウェイト部14の質量が重すぎるため、ソール部20に対して局所的に作用するウェイト部14の荷重が過大となり、耐久性を確保する上で不利となる。また、局所的にウェイト部14の質量が大きくなりすぎて、打球時のウェイト部14の振幅が大きくなり、打球音の周波数が低くなり打球音を良好に保つ上で不利となる。
【0031】
また、ウェイト部14は、ソール部20に設けられた状態において、1次の固有振動数が4000Hz以上20000Hz以下である。
1次の固有振動数が4000Hz以上20000Hz以下であると、ゴルフクラブヘッド10でボールを打球した際に生じる打球音が適切な周波数でかつ残響を感じさせるため、ゴルファーにとって心地良いものとなる。
1次の固有振動数が4000Hzを下回ると、ゴルフクラブヘッド10でボールを打球した際に生じる打球音が低すぎて、ゴルファーにとって心地良いものとなりにくい。
1次の固有振動数が20000Hzを上回ると、ゴルフクラブヘッド10でボールを打球した際に生じる打球音が高すぎるため、また、残響がほとんど感じられないため、打球音がゴルファーにとって心地良いものとなりにくい。
【0032】
ここで、ウェイト部14の1次の固有振動数の求め方について説明する。
ウェイト部14の1次の固有振動数は、ゴルフクラブヘッド10のCADデータからシミュレーションによって求める方法と、ゴルフクラブヘッド10から実測により求める方法との何れの方法によっても求めることができる。
【0033】
まず、シミュレーションによってウェイト部14の1次の固有振動数求める方法について説明する。
1)ゴルフクラブヘッド10からソール部20とウェイト部14のみのデータを取り出す。このデータは、ソール部20とウェイト部14の固着部分(固着部1404)のデータも含む。
具体的には、ソール部20とウェイト部14についてレーザースキャン等を用いて寸法測定を行うことにより、CADデータ(外面データ)を作成する(
図15(A)、(B))。
2)次に、CADデータから有限要素法に基づいてFEMモデルを作成する。この場合、ソール部20とウェイト部14との固着部分のみを完全拘束する。
3)次に、FEMモデルに基づいて固有値解析を行なう。この場合、1次振動のみにより1次の固有振動数を求める。
図15(C)は、ウェイト部14が静止した状態を示し、
図15(D)は、固有値解析を行った結果、ウェイト部14のウェイト本体1402が固着部1404に対して上下方向(クラウンソール方向)に沿って振動している状態を示している。
【0034】
次に、ゴルフクラブヘッド10から実測によってウェイト部14の1次の固有振動数求める方法について説明する。
以下の2種類の方法がある。
1)ソール部20の振動に影響が小さいクラウン部18の中央部にφ15〜20mm程度の孔を空けてウェイト本体1402の上面1402Cに加速度ピックアップを取り付けておく。
ゴルフクラブヘッド10を加振することにより発生するウェイト部14の振動の加速度信号を加速度ピックアップで測定し、加速度信号の周波数分析を行うことで1次共振周波数(1次の固有振動数)を測定する。
2)ウェイト部14と同等の大きさの孔をクラウン部18に設け、レーザ振動計(レーザドップラ振動計)で測定する。加振により発生するウェイト部14の振動の加速度信号をレーザ振動計で測定し、加速度信号の周波数分析を行うことで1次共振周波数(1次の固有振動数)を測定する。
【0035】
ところで、加速度信号を測定する場合、
図16に示すように、周波数分析の結果、加速度Lが同程度の第1、第2の周波数f1、f2によって2つのピークが得られた場合、第1、第2の周波数f1、f2の中間の周波数を真の1次共振周波数として特定することが1次共振周波数をより正確に評価する上で好ましい。
そこで、本実施の形態では、以下に示す手順によって、第1、第2の周波数f1、f2の加重平均を算出することにより真の1次共振周波数f0を求める。
【0036】
図17は、
図16におけるピーク部分の拡大図である。
図17に示すように、例えば、データDnをピーク値として、その前後の複数のデータDn−1、Dn−2、Dn+1、Dn+2は、データDnから離れるにしたがって低下する。
しかしながら、各データは離散的に計測されていることから、
図17に示す例では、真のピーク値は図中記号●で示すように、データDnよりもさらに高い値であることが予測される。
したがって、
図18の式(1)により第1の周波数f1の真のピーク値L1を求め、式(2)により第2の周波数f2の真のピーク値L2を求める。式(1)、式(2)において、Liは複数のデータを示している。なお、データDn−1、Dn−2、Dn+1、Dn+2と5個のデータを用いる場合を例示したが、データの個数は任意である。
【0037】
真のピーク値L1、L2が求められたならば、
図18の式(3)、式(4)により、dB値で示されている加速度のピーク値L1、L2をそれぞれ加速度のリニア値Acc1、Acc2に変換する。
次に、
図18の式(5)〜(8)により、加速度のリニア値Acc1、Acc2を変位Disp1、Disp2に変換する。
変位Disp1、Disp2が求められたならば、
図18の式(9)により変位Disp1、Disp2を用いて第1、第2の周波数f1、f2の加重平均を求め、この加重平均の値を真の1次共振周波数f0として得る。
【0038】
なお、人間の聴覚の特性上、1次共振周波数が4000Hz以上である打球音はゴルファーにとって心地良いものと評価され、1次共振周波数が4000Hzを下回り、特に3000Hz以下の打球音はゴルファーにとって心地良いと評価され難い。
また、打球音の残響時間は、長い方がゴルファーにとって心地良いものと評価され、短くなるほどゴルファーにとって心地良いと評価され難い。
【0039】
以上説明したように本実施の形態のゴルフクラブヘッド10は、フェース部16と、クラウン部18と、ソール部20と、サイド部22とを含むヘッド本体12を備え、それらフェース部16とクラウン部18とソール部20とサイド部22とで囲まれた内部が中空部であり、中空部に面したソール部20の箇所にウェイト部14が設けられたものである。
そして、ロフト角が13°以上25°以下である。
ゴルフクラブヘッド10を水平面PHに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、フェース部16の外側に露出する表面であるフェース面16Aの中心点Pcとヘッド本体12の重心点G0を通り水平面PHに対して直交する平面を基準垂直面PVとし、水平面PHおよび基準垂直面PVに対して平行する方向を前後方向とする。
基準状態においてゴルフクラブヘッド10を平面視した場合にフェース面16Aとフェースバック28とを結ぶ前後方向に沿った線のうち寸法が最大となる線の寸法をヘッド長さAとしたとき、ヘッド長さAが55mm以上100mm以下である。
基準垂直面PVで破断したヘッド本体12の断面において、リーディングエッジ32から後方に5mm離間した箇所と10mm離間した箇所との間を第1の範囲L1としたとき、第1の範囲L1におけるソール部20の肉厚T1が0.5mm以上2.0mm以下である。
第1の範囲L1の全域にわたってウェイト部14が存在する。
基準垂直面PVで破断したヘッド本体12の断面において、ウェイト部14のクラウンソール方向における肉厚T2は3.0mm以上15mm以下である。
基準垂直面PVで破断したヘッド本体12の断面において、ウェイト部14とフェース面16Aの反対側に位置するフェース裏面16Bとの間に1mm以上5mm以下の第1の隙間S1が形成されている。
第1の範囲L1においてウェイト部14とソール部20との間には、0.5mm以上3.0mm以下の第2の隙間S2が形成されている。
フェース面16A上においてフェース中心点Pcを通り水平面PHと平行する仮想線がフェース面16Aの輪郭線と交差する2つの交差点を結ぶ直線を水平面PHに投影させたときの寸法をフェースセンター長さBとし、基準状態においてヘッド本体12を平面視した状態で、トウヒール方向において、基準垂直面PVで破断したヘッド本体12の断面からトウ側にフェースセンター長さの25%以上離間した箇所と断面からヒール側にフェースセンター長さの25%以上離間した箇所との間の範囲を第2の範囲L2としたとき、第2の範囲L2の全域にわたってウェイト部14が存在している。
基準状態においてヘッド本体12を平面視した状態で、第2の範囲L2内において、基準垂直面PVとリーディングエッジ32との交点Prから後方に5mm離間した点を通り基準垂直面PVと垂直をなす第1の仮想線K1と第1の仮想線K1と平行し交点Prから後方に10mm離間した点を通る第2の仮想線K2とで挟まれたソール部20の範囲を第3の範囲L3としたとき、第3の範囲L3の少なくとも一部にウェイト部14が存在すると共に、第3の範囲L3の全域または、少なくとも基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面からトウ側およびヒール側にそれぞれフェースセンター長さBの25%以内の部分において、ウェイト部14とソール部20との固着が無く、かつ、第2の隙間S2が形成され、基準状態においてヘッド本体12を平面視した状態で、リーディングエッジ32と、第1の仮想線K1と平行し交点Prから後方に35mm離間した点を通る第3の仮想線K3とで挟まれた範囲を第4の範囲L4としたとき、第4の範囲L4に存在するウェイト部14の質量は、ウェイト部14の質量とヘッド本体12の質量とを合計したヘッド質量の10%以上40%以下である。
また、ソール部20に設けられた状態におけるウェイト部14の1次の固有振動数が4000Hz以上20000Hz以下である。
【0040】
本実施の形態によれば、ロフト角が13°以上25°以下、ヘッド長さAが55mm以上100mm以下のいわゆるフェアウェイウッドあるいはユーテリティと呼ばれる、ティーアップすることなく地面の上のボールを直接打球する用途で使用されるゴルフクラブヘッドにおいて、ウェイト部14がソール部20のフェース部16寄りの箇所においてトウヒール方向に沿って延在している。
したがって、ゴルフクラブヘッド10の低重心化を図れ、フェース面16A上の重心点とボールの打点とを近づけることができるため、飛距離を増大する上で有利となる。
また、ウェイト部14とソール部20とが固着される範囲を上記のように規定したため、フェース部16寄りのソール部20の箇所のたわみ量を確保できゴルフクラブヘッド10の反発性を高め、飛距離を増大する上でより有利となる。
また、ソール部20に設けられた状態におけるウェイト部14の1次の固有振動数が4000Hz以上20000Hz以下であるため、打球音をゴルファーにとって心地良いものとする上で有利となる。
【0041】
以下、本発明の実験例について説明する。
なお、以下の実験例の説明では、上記の実施の形態と同一の箇所、部材に同一の符号を付しその説明を省略する。
図26〜
図28は、本発明に係るゴルフクラブヘッド10の実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブヘッド10を各実験例毎に作成し、1本のゴルフクラブヘッド10について以下の試験を行った。
【0042】
1)飛距離(フェースセンターライン上のFH19mm点)
ライ角が規定値、フェース角が0°となるように水平面上にゴルフクラブヘッド10を載置しゴルフクラブヘッド10を試打評価用基準状態とする。
図11を流用して説明すると、フェース面16Aの中心点Pcを通り、なおかつ地面と垂直な線をフェース面16A上に描き(フェースセンターライン)、その線上において、FH(フェース面上垂直高さ)19mmの点を記し、その点を打点FPとして設定した。
理由は、地面から直接打球するフェアウェイ、ユーティリティ、アイアンの場合、最も打球確率が高いのは、フェース面16Aの中心点Pcではなく、センターライン上でFHが約19mmのためである。これは、本発明のゴルフクラブヘッドのロフト角が13°以上25°以下であることによる。
なお、このFH=19mmの打点FPは、フェース面上重心点FGの位置(地面からの高さが20〜25mm)よりも低い位置である場合が多い。
専用のスイングロボットを用いてゴルフクラブをスイングし、計測器によってゴルフボールの飛距離を計測した。ヘッドスピードは43m/sとした。
上記のように規定される打点FPで10回測定しそれら10回の測定値を平均した。
飛距離のデータは、実験例32のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
【0043】
2)打球音
実際にゴルフボールをゴルフクラブヘッド10で打撃した場合の球音の高低を指数で評価した。実験例32の指数を100とし指数が大きいほど評価が良いことを示す。
【0044】
3)耐久性
シャフトに固定したゴルフクラブヘッド10のフェース面16Aにエアキャノンにてゴルフボールを繰り返して当て、フェース部16の変形や破損が生じるまでに要した打撃回数を計測し、打撃回数を指数化した。ボールスピードは50m/sとした。
この場合、実験例32のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
【0045】
4)合計点
飛距離、打球音、耐久性の3種類の指数を合計したものを合計点とした。
この場合、実験例32のゴルフクラブヘッド10の合計点が300となる。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
【0046】
なお、各実験例におけるウェイト部14の1次の固有振動数は、上述したシミュレーションによって算出した。
【0047】
次に、各実験例1〜39の構成について説明する。
なお、実験例1、2、8、9、13、14、17、18、21、22、25、26、29〜34は本発明の範囲内である。なお、実験例31〜35において、ロフト角は20°、ヘッド長さAは80mmである。
実験例3〜7、10〜12、15、16、19、20、23、24、27、28、35〜39は本発明の範囲外である。
また、実験例35は、比較例であり、本発明の範囲外である。
【0048】
実験例1、2、8、9、13、14、17、18、21、22、25、26、29、30、33、34は、請求項1、2の全ての規定を全て満たすものである。
実験例31、32は、請求項1の全ての規定を満たすが、請求項2の規定を満たさないものである。
【0049】
次に、実験例1〜5、31、32におけるウェイト部14の構成について
図19〜
図25を参照して説明する。
実験例1は、
図19に示すように、2つの固着部1404がウェイト本体1402の左右の端面1402E、1402Fと、後面1402Bとが交差する角部に設けられている。
また、下面1402Dとソール部20との間には隙間が形成されている。
なお、実験例6〜27、30〜31、33〜36において、ウェイト部14は、実験例1(
図19)と同様の形状となっている。
【0050】
実験例2は、
図20に示すように、固着部1404がウェイト本体1402の後面1402B下部および下面1402Dの後部にウェイト本体1402の延在方向に沿って設けられると共に、ウェイト本体1402の左右の端面1402E、1402Fの後部寄りの箇所に設けられている。
また、下面1402Dとソール部20との間には隙間が形成されている。
【0051】
実験例3は、
図21に示すように、固着部1404がウェイト本体1402の下面1402D全域に設けられている。
【0052】
実験例4は、
図22に示すように、固着部1404がウェイト本体1402の前面1402A、左右の端面1402E、1402F、後面1402Bの下部、および、下面1402Dの周囲に沿って環状に延在形成されている。
この場合、固着部1404の内側に位置する下面1402の部分とソール部20との間には隙間が形成されている。
【0053】
実験例5は、
図23に示すように、ウェイト本体1402の前面1402Aの上半部がウェイト本体1402の延在方向の全域にわたって前方に突出している。
固着部1404は、ウェイト本体1402の下面1402D全域に設けられている。
【0054】
実験例31は、
図24に示すように、2つの固着部1404がウェイト本体1402の後面1402B下部の延在方向の両端寄りの箇所にそれぞれ設けられている。
また、下面1402Dとソール部20との間には隙間が形成されている。
【0055】
実験例32は、
図25に示すように、固着部1404がウェイト本体1402の下面1402Dの後半部の全域に設けられている。
また、下面1402Dとソール部20との間には隙間が形成されている。
【0056】
実験例8は、第1の範囲L1におけるソール部20の肉厚T1が0.6mmであり、請求項1の規定のうち、0.5mm以上2.0mm以下の範囲のほぼ下限値となっている。
実験例9は、第1の範囲L1におけるソール部20の肉厚T1が1.8mmであり、請求項1の規定のうち、0.5mm以上2.0mm以下の範囲のほぼ上限値となっている。
実験例13は、垂直基準面PVでの断面におけるウェイト部14のクラウンソール方向における肉厚T2が4.0mmであり、請求項1の規定のうち、3.0mm以上15mm以下の範囲のほぼ下限値となっている。
実験例14は、垂直基準面PVでの断面におけるウェイト部14のクラウンソール方向における肉厚T2が14.0mmであり、請求項1の規定のうち、3.0mm以上15mm以下の範囲のほぼ上限値となっている。
【0057】
実験例17は、基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面におけるウェイト部14とフェース裏面16Bとの間の第1の隙間S1が1.2mmであり、請求項1の規定のうち、1mm以上5mm以下の範囲のほぼ下限値となっている。
実験例18は、基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面におけるウェイト部14とフェース裏面16Bとの間の第1の隙間S1が4.5mmであり、請求項1の規定のうち、1mm以上5mm以下の範囲のほぼ上限値となっている。
実験例21は、第1の範囲L1におけるウェイト部14とソール部20との間の第2の隙間S2が0.7mmであり、請求項1の規定のうち、0.5mm以上3.0mm以下の範囲のほぼ下限値となっている。
実験例22は、第1の範囲L1におけるウェイト部14とソール部20との間の第2の隙間S2が2.8mmであり、請求項1の規定のうち、0.5mm以上3.0mm以下の範囲のほぼ上限値となっている。
【0058】
実験例25は、トウヒール方向において、ウェイト部14が存在する範囲が基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面からトウ側およびヒール側にそれぞれフェースセンター長さBの25%であり、したがって、第2の隙間S2が基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面からトウ側およびヒール側にそれぞれフェースセンター長さBの25%の範囲で存在している。
したがって、請求項1の規定のうち、第2の隙間S2が存在する範囲の25%以上の下限値となっている。
実験例26は、トウヒール方向において、ウェイト部14が存在する範囲が基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面からトウ側およびヒール側にそれぞれフェースセンター長さBの100%であり、したがって、第2の隙間S2が基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面からトウ側およびヒール側にそれぞれフェースセンター長さBの100%の範囲で存在している。
したがって、請求項1の規定のうち、第2の隙間S2が存在する範囲の25%以上の最大値となっている。
【0059】
実験例29は、第4の範囲L4に存在するウェイト部14の質量がヘッド質量の12.0%であり、請求項1の規定のうち、10%以上40%以下の範囲のほぼ下限値となっている。
実験例30は、第4の範囲L4に存在するウェイト部14の質量がヘッド質量の38.0%であり、請求項1の規定のうち、10%以上40%以下の範囲のほぼ上限値となっている。
【0060】
実験例33は、ウェイト部14の1次の固有振動数が4100Hzであり、請求項2の規定のうち、4000Hz以上20000Hz以下の範囲のほぼ下限値となっている。
実験例34は、ウェイト部14の1次の固有振動数が19000Hzであり、請求項2の規定のうち、4000Hz以上20000Hz以下の範囲のほぼ上限値となっている。
【0061】
実験例3、4は、以下に示す内容が請求項1、2の規定を満たしていない。
1)第1の範囲L1におけるソール部20の肉厚T1が請求項1における0.5mm以上2.0mm以下の範囲を上回っている。
2)第1の範囲L1におけるウェイト部14とソール部20との第2の隙間S2が無く、請求項1における0.5mm以上3.0mm以下の範囲を下回っている。
3)第3の範囲L3においてウェイト部14とソール部20とが固着され請求項1の規定を満たさない。
4)ウェイト部材14が存在する範囲(第2の隙間S2が形成されている範囲)が、トウヒール方向において、基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面からトウ側およびヒール側にそれぞれフェースセンター長さBの0%であり、請求項1の規定のうち、フェースセンター長さBの25%以上の範囲を下回っている。
すなわち、第2の隙間S2が基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面からトウ側およびヒール側にそれぞれフェースセンター長さBの25%の範囲で存在していない。
5)ウェイト部14の1次の固有振動数が50000Hz、53000Hzであり、請求項2の規定を満たさない。
したがって、実験例3、4は、肉厚T1が大きすぎると共に、第2の隙間S2がないため、ソール部20のたわみ量を確保することができず、また、フェース部16寄りにおけるウェイト部14の質量の分布が不足するため、ゴルフクラブヘッド10の低重心化を図る上で不利がある。また、第2の隙間S2がないため打球音が影響を受けている。
そのため、実験例3、4は、耐久性が135、127であるものの、飛距離が85、87、打球音が90、90であり、100を下回っている。
【0062】
実験例5は、垂直基準面PVでの断面におけるウェイト部14のクラウンソール方向における肉厚T2が1.5mmであり、請求項1の規定のうち、3.0mm以上15mm以下の範囲を下回っている。
また、実験例5は、第1の範囲L1におけるウェイト部14とソール部20との第2の隙間S2が4.0mmであり、請求項1における0.5mm以上3.0mm以下の範囲を上回っている。
したがって、実験例5は、ウェイト部14の質量が不足していることから低重心化を図る上で不利があり、また、第2の隙間S2が狭いため打球音が影響を受けている。
そのため、実験例5は、耐久性が118であるものの、飛距離が91、打球音が100に留まっている。
【0063】
実験例6は、第1の範囲L1におけるソール部20の肉厚T1が0.3mmであり、請求項1の規定のうち、0.5mm以上2.0mm以下の範囲を下回っている。
したがって、実験例6は、ソール部20のたわみ量を確保することで反発性を高めることで飛距離が115、打球音が100であるものの、肉厚T1が薄いため耐久性が85に留まっている。
実験例7は、第1の範囲L1におけるソール部20の肉厚T1が2.2mmであり、請求項1の規定のうち、0.5mm以上2.0mm以下の範囲を上回っている。
したがって、実験例7は、ソール部20の剛性、強度を確保することで打球音が105、耐久性が115であるものの、肉厚T1が厚すぎるためソール部20のたわみ量を確保する上で不利があり飛距離が84に留まっている。
【0064】
実験例10は、第1の範囲L1の全域にわたってウェイト部14が存在しない。
したがって、打球音が103、耐久性が120であるものの、低重心化を図る上で不利となり、飛距離が83に留まっている。
実験例11は、垂直基準面PVでの断面におけるウェイト部14のクラウンソール方向における肉厚T2が2.0mmであり、請求項1の規定のうち、3.0mm以上15mm以下の範囲を下回っている。
したがって、打球音93、耐久性118であるものの、低重心化を図る上で不利となり、飛距離が89に留まっている。
実験例12は、垂直基準面PVでの断面におけるウェイト部14のクラウンソール方向における肉厚T2が16.0mmであり、請求項1の規定のうち、3.0mm以上15mm以下の範囲を上回っている。
したがって、打球音102、耐久性105であるものの、過剰に低重心化が図られるため、飛距離が94に留まっている。
【0065】
実験例15は、基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面におけるウェイト部14とフェース裏面16Bとの間の第1の隙間S1が0.8mmであり、請求項1の規定のうち、1mm以上5mm以下の範囲を下回っている。
したがって、実験例15は、飛距離が120、耐久性が99であるものの、第1の隙間S1が狭いため打球音が影響を受けており、打球音が81に留まっている。
実験例16は、基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面におけるウェイト部14とフェース裏面16Bとの間の第1の隙間S1が6.0mmであり、請求項1の規定のうち、1mm以上5mm以下の範囲を上回っている。
したがって、実験例16は、打球音が102、耐久性が102であるものの、ウェイト部14がフェース部16から離れているため、低重心化を図れず、飛距離が90に留まっている。
【0066】
実験例19は、第1の範囲L1におけるウェイト部14とソール部20との間の第2の隙間S2が0.3mmであり、請求項1の規定のうち、0.5mm以上3.0mm以下の範囲を下回っている。
したがって、実験例19は、距離は116、耐久性は104であるものの、第2の隙間S2が狭いため打球音が影響を受けており、飛打球音が90に留まっている。
実験例20は、第1の範囲L1におけるウェイト部14とソール部20との間の第2の隙間S2が3.2mmであり、請求項1の規定のうち、0.5mm以上3.0mm以下の範囲を上回っている。
したがって、実験例20は、打球音が116、耐久性が99であるものの、ウェイト部14の重心が高くなるため、低重心化を図れず、飛距離が95に留まっている。
【0067】
実験例23は、第3の範囲L3においてウェイト部14とソール部20とが固着されている。
また、ウェイト部材14が存在する範囲(第2の隙間S2が形成されている範囲)が、トウヒール方向において、基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面からトウ側およびヒール側にそれぞれフェースセンター長さBの0%であり、請求項1の規定のうち、フェースセンター長さBの25%以上の範囲を下回っている。
すなわち、第2の隙間S2が基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面からトウ側およびヒール側にそれぞれフェースセンター長さBの25%の範囲で存在していない。
したがって、実験例23は、耐久性が125であるものの、ソール部20のたわみ量を確保することができないために飛距離が83に留まり、打球音も95に留まっている。なお、実験例23では、1次の固有振動数も48000Hzであり、請求項2の規定のうち、4000Hz以上20000Hz以下の範囲を上回っている。
【0068】
実験例24は、第3の範囲L3においてウェイト部14とソール部20とが固着されていないものの、ウェイト部材14が存在する範囲(第2の隙間S2が形成されている範囲)が、トウヒール方向において、基準垂直面PVで破断したヘッド本体16の断面からトウ側およびヒール側にそれぞれフェースセンター長さBの23%であり、請求項1の規定のうち、フェースセンター長さBの25%以上の範囲を下回っている。
したがって、実験例24は、耐久性が126であるものの、ソール部20のたわみ量を確保することができないため、飛距離が86に留まり、打球音も96に留まっている。なお、実験例24では、1次の固有振動数も21000Hzであり、請求項2の規定のうち、4000Hz以上20000Hz以下の範囲を上回っている。
【0069】
実験例27は、第4の範囲L4に存在するウェイト部14の質量がヘッド質量の8.0%であり、請求項1の規定のうち、10%以上40%以下の範囲を下回っている。
したがって、実験例27は、打球音が96、耐久性が119であるものの、ウェイト部14の質量が軽すぎるため、低重心化が図れず、飛距離が91に留まっている。
実験例28は、第4の範囲L4に存在するウェイト部14の質量がヘッド質量の42.0%であり、請求項1の規定のうち、10%以上40%以下の範囲を上回っている。
したがって、実験例28は、飛距離が116、打球音が104であるものの、ウェイト部14の質量が重すぎるため、耐久性が88に留まっている。
【0070】
実験例31は、ウェイト部14の1次の固有振動数が3800Hzであり、請求項2の規定のうち、4000Hz以上20000Hz以下の範囲を下回っている。
したがって、実験例31は、飛距離が140、耐久性が100であるものの、1次の固有振動数が低すぎるため、打球音が90に留まっている。
実験例32は、ウェイト部14の1次の固有振動数が22000Hzであり、請求項2の規定のうち、4000Hz以上20000Hz以下の範囲を上回っている。
したがって、実験例32は、飛距離が129、耐久性が117であるものの、1次の固有振動数が高すぎるため、打球音が84に留まっている。
【0071】
実験例35(比較例)は、従来技術(特許文献3:特許第3663620号)に相当するものである。
実験例35(比較例)は、第1の範囲L1の全域にわたってウェイト部14が存在しておらず、請求項1の規定のうち、第1の範囲L1におけるソール部20の肉厚T1、垂直基準面PVでの断面におけるウェイト部14のクラウンソール方向の肉厚T2の規定は満たしているものの、その他の規定を満たしていない。
【0072】
実験例36は、ロフト角が12°であり、請求項1の規定のうち、13°以上25°以下の範囲を下回っている。
また、実験例36は、ヘッド長さAが104mmであり、請求項1の規定のうち、55mm以上100mm以下の範囲を上回っている。
実験例37は、ロフト角が27°であり、請求項1の規定のうち、13°以上25°以下の範囲を上回っている。
また、実験例37は、ヘッド長さAが47mmであり、請求項1の規定のうち、55mm以上100mm以下の範囲を下回っている。
実験例38は、ロフト角が12°であり、請求項1の規定のうち、13°以上25°以下の範囲を下回っている。
また、実験例38は、ヘッド長さAが47mmであり、請求項1の規定のうち、55mm以上100mm以下の範囲を下回っている。
実験例39は、ロフト角が27°であり、請求項1の規定のうち、13°以上25°以下の範囲を上回っている。
また、実験例39は、ヘッド長さAが104mmであり、請求項1の規定のうち、55mm以上100mm以下の範囲を上回っている。
したがって、実験例35〜39は、フェアウェイウッドあるいはユーテリティでないゴルフクラブヘッドに相当している。
そのため、実験例35〜39は、打球音は109〜115、耐久性は117〜120であるものの、飛距離が85〜91に留まっており、ウェイト部14を設けることによる効果が低下している。
【0073】
図26〜
図28に示すように、本発明の範囲内の実験例1、2、8、9、13、14、17、18、21、22、25、26、29〜34は、指数の合計点が、354〜407であるのに対し、本発明の範囲外の実験例3〜7、10〜12、15、16、19、20、23、24、27、28、35〜39は、指数の合計点が300〜322であり、本発明の規定を満たすことが、飛距離、打球音、耐久性を確保する上で有利となっていることがわかる。
【0074】
以下、各評価項目について検討する。
1)飛距離
本発明の範囲内であり、請求項1、2の規定の全てを満たす実験例1、2、8、9、13、14、17、18、21、22、25、26、29、30、33、34は、飛距離が118〜145であり、飛距離が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1の規定は満たすが、請求項2の規定を満たさない実験例31、32も、飛距離が129〜140であり、飛距離については請求項1、2の規定の全てを満たす実験例とほぼ同等である。
本発明の範囲外であり、請求項1の規定を満たさない実験例3〜7、10〜12、15、16、19、20、23、24、27、28、35〜39は、飛距離が83〜120であり、本発明の範囲内で請求項1、2の規定の全てを満たすものに対して本発明の範囲外のものは飛距離についての効果が低い。
【0075】
2)打球音
本発明の範囲内であり、請求項1、2の規定の全てを満たす実験例1、2、8、9、13、14、17、18、21、22、25、26、29、30、33、34は、打球音が108〜140であり、打球音が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1の規定は満たすが、請求項2の規定を満たさない実験例31、32は、打球音が90、84であり、打球音については請求項1よりも評価が低下している。
本発明の範囲外であり、請求項1の規定を満たさない実験例3〜7、10〜12、15、16、19、20、23、24、27、28、35〜39は、打球音が81〜116であり、本発明の範囲内で請求項1、2の規定の全てを満たすものに対して本発明の範囲外のものは打球音についての効果が低い。
【0076】
3)耐久性
本発明の範囲内であり、請求項1、2の規定の全てを満たす実験例1、2、8、9、13、14、17、18、21、22、25、26、29、30、33、34は、耐久性が104〜132であり、耐久性が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1の規定は満たすが、請求項2の規定を満たさない実験例31、32は、耐久性が100、117であり、耐久性については請求項1に次いで優れている。
本発明の範囲外であり、請求項1の規定を満たさない実験例3〜7、10〜12、15、16、19、20、23、24、27、28、35〜39は、耐久性が85〜135であり、本発明の範囲内で請求項1、2の規定の全てを満たすものに対して本発明の範囲外のものは耐久性についての効果が低い。
【0077】
4)合計点
本発明の範囲内であり、請求項1、2の規定の全てを満たす実験例1、2、8、9、13、14、17、18、21、22、25、26、29、30、33、34は、合計点が354〜407であり、合計点が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1の規定は満たすが、請求項2の規定を満たさない実験例31、32は、合計点が330、330であり、合計点については請求項1に次いで優れている。
本発明の範囲外であり、請求項1の規定を満たさない実験例3〜7、10〜12、15、16、19、20、23、24、27、28、35〜39は、指数の合計点が300〜322であり、本発明の範囲内のものに対して本発明の範囲外のものは合計点の評価も低いものとなっている。