特許第5843438号(P5843438)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星電子株式会社の特許一覧

特許5843438センシングアレイを用いたマルチタッチおよび近接するオブジェクトセンシング装置
<>
  • 特許5843438-センシングアレイを用いたマルチタッチおよび近接するオブジェクトセンシング装置 図000002
  • 特許5843438-センシングアレイを用いたマルチタッチおよび近接するオブジェクトセンシング装置 図000003
  • 特許5843438-センシングアレイを用いたマルチタッチおよび近接するオブジェクトセンシング装置 図000004
  • 特許5843438-センシングアレイを用いたマルチタッチおよび近接するオブジェクトセンシング装置 図000005
  • 特許5843438-センシングアレイを用いたマルチタッチおよび近接するオブジェクトセンシング装置 図000006
  • 特許5843438-センシングアレイを用いたマルチタッチおよび近接するオブジェクトセンシング装置 図000007
  • 特許5843438-センシングアレイを用いたマルチタッチおよび近接するオブジェクトセンシング装置 図000008
  • 特許5843438-センシングアレイを用いたマルチタッチおよび近接するオブジェクトセンシング装置 図000009
  • 特許5843438-センシングアレイを用いたマルチタッチおよび近接するオブジェクトセンシング装置 図000010
  • 特許5843438-センシングアレイを用いたマルチタッチおよび近接するオブジェクトセンシング装置 図000011
  • 特許5843438-センシングアレイを用いたマルチタッチおよび近接するオブジェクトセンシング装置 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5843438
(24)【登録日】2015年11月27日
(45)【発行日】2016年1月13日
(54)【発明の名称】センシングアレイを用いたマルチタッチおよび近接するオブジェクトセンシング装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/042 20060101AFI20151217BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20151217BHJP
【FI】
   G06F3/042 L
   G06F3/042 471
   G06F3/041 580
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-253937(P2010-253937)
(22)【出願日】2010年11月12日
(65)【公開番号】特開2011-108236(P2011-108236A)
(43)【公開日】2011年6月2日
【審査請求日】2013年7月17日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0109734
(32)【優先日】2009年11月13日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2010-0074599
(32)【優先日】2010年8月2日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(72)【発明者】
【氏名】李 權 柱
(72)【発明者】
【氏名】崔 昌 圭
(72)【発明者】
【氏名】韓 在 濬
(72)【発明者】
【氏名】朴 斗 植
【審査官】 上嶋 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/017077(WO,A2)
【文献】 国際公開第2007/013272(WO,A1)
【文献】 特開2009−140253(JP,A)
【文献】 特開2008−241807(JP,A)
【文献】 特開2008−269574(JP,A)
【文献】 特開2004−070195(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/110951(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/133−1/1334
1/1339−1/1341
1/1347
G06F 3/01
3/03−3/0482
3/0485
3/0487−3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ可能な表面上に映像を表示するディスプレイと、
前記ディスプレイの下部に位置し、非可視光が投射される拡散板と、
前記拡散板の上部に位置し、非可視光を放射する非可視光源と、
前記拡散板の下部に位置し、前記拡散板に可視光を放射する可視光源と、
前記拡散板の下部に位置し、前記拡散板に投射される非可視光をセンシングして映像データを取得するセンシングアレイと、
前記拡散板に投射された可視光の量を選択的に調節する制御部と、
を含み、
前記拡散板及び前記可視光源により前記ディスプレイのバックライトユニットが構成され、
前記制御部は、前記非可視光がセンシングされた前記映像データに基づいて前記可視光源をオン/オフするか、あるいは前記可視光源の光量を制御する、
ことを特徴とするセンシング装置。
【請求項2】
前記センシングアレイは、前記タッチ可能な表面の上部から一定の距離離隔して位置するオブジェクト、または前記タッチ可能な表面をタッチしたオブジェクトをセンシングし、前記表示された映像は前記オブジェクトのセンシングによって変更されることを特徴とする請求項に記載のセンシング装置。
【請求項3】
前記タッチ可能な表面の上部から一定の距離離隔して位置するオブジェクトがセンシングされた場合、前記表示された映像の一部は、前記タッチ可能な表面上に前記オブジェクトが接近した前記タッチ可能な表面の一部に対応して変更されることを特徴とする請求項に記載のセンシング装置。
【請求項4】
前記表示された映像の一部は、前記表示された映像の一部の明るさ制御に基づいて変更され、前記明るさ制御は、前記拡散板に投射された可視光量を調節することによって変更されることを特徴とする請求項に記載のセンシング装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記タッチの強度に基づいて前記タッチされた領域に対応する可視光の量を制御することを特徴とする請求項に記載のセンシング装置。
【請求項6】
前記拡散板の上部に位置して、前記非可視光源から放射された非可視光を全反射させる光ガイドをさらに含み、
前記非可視光源は、
前記光ガイドの内部または前記オブジェクトに非可視光を放射する請求項に記載のセンシング装置。
【請求項7】
前記オブジェクトは、
前記拡散板の上部または前記拡散板の上部から一定の距離を離して位置し、
前記センシングアレイは、
前記オブジェクトによって反射された非可視光をセンシングする請求項に記載のセンシング装置。
【請求項8】
前記センシングアレイは、
前記非可視光源から放射された非可視光が前記光ガイドの内部で全反射される時、前記オブジェクトによって全反射が妨げられた位置をセンシングする請求項に記載のセンシング装置。
【請求項9】
前記非可視光源は、
前記拡散板から一定の距離だけ離隔しながら、タッチ映像をセンシングするための非可視光を前記拡散板に放射する請求項に記載のセンシング装置。
【請求項10】
前記非可視光源は、
前記拡散板に垂直に非可視光を放射するか、または前記拡散板と一定の角度をなして放射する請求項に記載のセンシング装置。
【請求項11】
前記可視光源は、
前記拡散板に対して垂直に下部に位置して、前記拡散板に直接可視光を放射する請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項12】
前記可視光源は、
前記拡散板に対して下部の端に位置して、ウェーブガイドを介して可視光を反射させて前記拡散板に可視光を放射する請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項13】
前記センシングアレイは、
前記拡散板に投射される非可視光をセンシングしてポインティングされる前記非可視光源の座標を検出する請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項14】
前記センシングアレイは、
前記オブジェクトによって非可視光が遮られて前記拡散板の内部に発生する影の位置を検出する請求項に記載のセンシング装置。
【請求項15】
前記センシングアレイは、前記のタッチ可能な表面の1または2次元以上の座標による非可視光の強度を測定するために、センサが2次元マトリックス形態に配置されることを特徴とする請求項1に記載のセンシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
センシングアレイを用いてタッチ映像または目標映像をセンシングすることのできるマルチタッチセンシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近ディスプレイ技術が発展するに伴ない、ディスプレイをタッチするオブジェクトの位置を識別する技術に関心が高まっている。タッチやスケッチに反応するディスプレイを実現するにあたり、平面の白色光(White Light)を提供するバックライトユニットに取付けられた既存のLCDディスプレイにタッチセンサを結合すると、平面光の不均一性が生ずる可能性がある。
【0003】
従来では、LCDディスプレイの上段に位置するオブジェクトをセンシングするために拡散板を除去してIRセンサを備える構造が提案された。このような構造の場合、IP光源の経路は確保されるが、LCDディスプレイから出力される映像の品質が低下し、LCDディスプレイの下段に存在するタッチセンサまで露出するという問題点があった。
【0004】
したがって、高品質の映像を出力しながらも、オブジェクトのタッチおよびオブジェクトの形態を検出するための光源の位置をさまざまに変化することのできるタッチおよび近接するオブジェクトセンシング装置が求められる。また、ユーザがタッチできるディスプレイパネルが携帯用機器に用いられることにより、タッチセンシング装置の厚さを減少させられる構造も求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためのものであり、センシングアレイを用いたマルチタッチセンシング装置および近接オブジェクトを用いたセンシング装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
センシング装置は、非可視光が投射される拡散板と、拡散板下部に位置して拡散板に可視光を放射する可視光源と、拡散板下部に位置して拡散板に投射される非可視光をセンシングするセンシングアレイとを含んでもよい。
【0007】
また、拡散板上部に位置して、オブジェクトによって発生されるタッチ映像または目標映像をセンシングするための前記非可視光を放射する非可視光源をさらに含んでもよい。
【0008】
また、拡散板上部に位置して、非可視光源から放射された非可視光を全反射させる光ガイドをさらに含んでもよい。この時、非可視光源は、光ガイド内部またはオブジェクトに非可視光を放射してもよい。ここで、オブジェクトは、光ガイドの上部または光ガイドの上部から一定の距離を離して位置してもよい。それにより、センシングアレイは、オブジェクトによって反射された非可視光をセンシングしてもよい。
【0009】
また、センシングアレイは、非可視光源から放射された非可視光が光ガイド内部で全反射される時、オブジェクトによって全反射が妨げられた位置をセンシングしてもよい。
【0010】
また、非可視光源は、拡散板から一定の距離だけ離隔しながら、タッチ映像をセンシングするための非可視光を拡散板に放射してもよい。この時、非可視光源は、拡散板に垂直に非可視光を放射するか、または拡散板と一定の角度をなして放射してもよい。
【0011】
また、可視光源は、拡散板に対して垂直に下部に位置して、拡散板に直接可視光を放射してもよい。
【0012】
また、可視光源は、拡散板に対して下部の端に位置して、ウェーブガイドを介して可視光を反射させ、拡散板に可視光を放射してもよい。
【0013】
センシング装置は、非可視光が投射される拡散板、および拡散板下部に位置して拡散板に投射される非可視光をセンシングするセンシングアレイを含んでもよい。
【0014】
また、前記拡散板の上部に位置して、オブジェクトによって発生するタッチ映像または目標映像をセンシングするための前記非可視光を放射する非可視光源をさらに含んでもよい。
【0015】
さらに、前記非可視光源は、前記拡散板に垂直に非可視光を放射するか、または前記拡散板と一定の角度をなして放射してもよい。
【0016】
センシング装置は、可視光を放射するOLED(Organic Light Emitting Diodes)と、前記OLEDが配置されたOLEDパネルと、前記OLEDパネルの上部に位置し、前記OLEパネルに非可視光を放射する非可視光源と、前記OLEDが用意されたOLEDパネルの下部に位置して、前記OLEDパネルに投射される非可視光をセンシングするセンシングアレイとを含んでもよい。また、センシング装置は、タッチ可能な表面上に位置する拡散板と、前記拡散板の上部に位置し、非可視光を放射する非可視光源と、前記拡散板の下部に位置し、前記拡散板に可視光を放射する可視光源と、前記拡散板の下部に位置し、前記非可視光をセンシングするセンシングアレイと、前記拡散板に投射された可視光の量を選択的に調節する制御部とを含んでもよい。
【発明の効果】
【0017】
可視光源およびセンシングアレイを拡散板の下部に配置して映像をディスプレイとタッチ映像をセンシングすることにより、マルチタッチセンシング装置の厚さを減少させることができる。
【0018】
また、センシングアレイが拡散板の下部に配置されて可視光源がセンシングアレイに影響を受けないため映像の品質を向上させることができる。
【0019】
また、拡散板の下部に配置された特定個数のセンシングアレイだけでもタッチ映像をセンシングすることができるため、マルチタッチセンシング装置の価格を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】非可視光源が端に配置されたマルチタッチおよび近接オブジェクトを用いたセンシング装置を示す図である。
図2】非可視光源を離して配置したマルチタッチセンシング装置を示す図である。
図3】非可視光源を離して配置したマルチタッチセンシング装置を示す図である。
図4】ウェーブガイドを用いたマルチタッチおよび近接オブジェクトを用いたセンシング装置の構成を示す図である。
図5】ウェーブガイドを用いたマルチタッチセンシング装置の構成を示す図である。
図6】ウェーブガイドを用いたマルチタッチセンシング装置の構成を示す図である。
図7】複数の非可視光源を用いるマルチタッチおよび近接オブジェクトを用いたセンシング装置の構成を示す図である。
図8】複数の非可視光源を用いるマルチタッチおよび近接オブジェクトを用いたセンシング装置の構成を示す図である。
図9】オブジェクト周囲の非可視光を用いたマルチタッチセンシング装置の構成を示す図である。
図10】ユーザのタッチに基づいて制御部で可視光源を制御するマルチタッチおよび近接オブジェクトセンシング装置を示す図である。
図11】ディスプレイパネルとしてOLEDパネルを用いるマルチタッチセンシング装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付された図面に記載された内容を参照しながら本発明に係る実施形態を詳細に説明する。ただし、本発明が実施形態によって制限されたり限定されることはない。また、各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0022】
図1は、非可視光源が端に配置されたマルチタッチおよび近接オブジェクトを用いたセンシング装置を示す図である。
【0023】
図1を参照すれば、マルチタッチおよび近接オブジェクトを用いたセンシング装置100は、ディスプレイパネル110、拡散板120、可視光源130、非可視光源140、光ガイド150、およびセンシングアレイ160を含む。
【0024】
ディスプレイパネル110は、マルチタッチセンシング装置100の上段に配置されて映像を表示する。この時、ディスプレイパネルはLCDパネルとしてもよい。また、ディスプレイパネル110として、タッチ可能な表面を通して見えるグラフィック映像を表示することのできるタッチ可能な表面(touchable surface)を用いてもよい。
【0025】
拡散板120(Diffuser)は、ディスプレイパネルの下部に配置され、可視光源130から入射される可視光を発散(Diffuse)、拡散(Spread Out)、および散乱(Scatter)させ、平面状の可視光を放射する。この時、拡散板120には可視光源130または非可視光源140で放射された可視光(Visible Light)または非可視光(Invisible Light)が入射される。
【0026】
また、拡散板120は、可視光源130から入射された可視光を平面状に放射することができる。この時、拡散板120には入射される光の均一性を維持しながらホットスポット(Hotspot)が除去されるようにパターンが形成される。ここで、ホットスポットは、点光源または線光源を示す可視光源130により拡散板120の特定の部分に可視光が集中することによって発生する。
【0027】
可視光源130は、拡散板120に対して垂直に下部に配置されて可視光を放射する。すなわち、可視光源130は、拡散板120に対して直下型(Direct Type)に配置してもよい。この時、可視光源130は、ディスプレイパネル110上に映像を表示するための可視光を拡散板120に直接放射する。結局、図1は、ディスプレイパネル110でバックライトユニットが除去された形態で、拡散板120および可視光源130がバックライトユニットの機能を行うことができる。バックライトユニットが除去されることによって、マルチタッチセンシング装置100の厚さを減少させることができる。
【0028】
一例として、可視光源130は線光源(CCFL)、点光源(LED)の形態にすることができる。可視光源130から放射された可視光は、拡散板120を介して平面状の光に変更されることができる。
【0029】
非可視光源140は、拡散板120の上部に配置されてオブジェクトによって発生されるタッチ映像または目標映像をセンシングするための非可視光を放射する。この時、オブジェクトは、光ガイド150の上部または光ガイドの上部から一定の距離を離して位置してもよい。
【0030】
一例として、図1に示すように、非可視光源140は光ガイドの上部に近接して位置したオブジェクト800に非可視光を放射する。また、非可視光は、赤外線(IR)、または紫外線(UV)であってもよい。
【0031】
より詳しくは、オブジェクト200が光ガイド150の上部表面に位置する場合、非可視光源140はディスプレイパネル110の上部表面に位置するオブジェクト200によってディスプレイパネル110の背面に表示されたタッチ映像または目標映像をセンシングするための非可視光を放射する。ここで、目標映像は、ディスプレイパネル110の背面に表示される映像のうち光ガイド150の上部に近接するオブジェクトによって反射され、オブジェクトの形を有する反射光の位置に該当する映像とすることができる。
【0032】
この時、非可視光源140は、ディスプレイパネル110の上面に位置する光ガイド150内部と、光ガイド150の上部から一定の距離が離されたオブジェクト800に光を放射するための位置に配置される。一例として、非可視光源140はディスプレイパネル110の上部の端に配置される。
【0033】
光ガイド150は、非可視光源140から放射された非可視光を全反射(TIR:Total Internal Reflection)させる。一例として、光ガイド150は、アクリル、ポリカーボネートプレートなどの透明材質で構成することができる。この時、ユーザの手やスティックなどのオブジェクトがディスプレイパネル110の上部に位置する場合、オブジェクトによって光ガイド150の内部で発生する全反射は妨げられる(FTIR:Frustrated Total internal reflection)。
【0034】
センシングアレイ160は、拡散板120の下部に配置され、非可視光源140から拡散板120に投射される非可視光をセンシングする。
【0035】
一例として、オブジェクト200が光ガイド150の上部表面に位置する場合、センシングアレイ160は、オブジェクト200によって反射されて拡散板120に投射された非可視光の位置を識別し、識別した位置に対応するタッチ映像をセンシングすることができる。
【0036】
また、オブジェクト800が光ガイド150から一定の距離を離して位置する場合、センシングアレイ160はオブジェクト800によって反射されて拡散板120に直接投射または透過する非可視光の位置を識別し、識別した位置に対応する目標映像をセンシングすることができる。
【0037】
一例として、目標映像としては、拡散板120に投射または透過するオブジェクトの形の反射光としてもよい。この時、オブジェクトは非可視光源140で非可視光がオブジェクトに放射されるように光ガイド150に近接して位置してもよい。
【0038】
また、センシングアレイ160は、光ガイド150で非可視光の全反射が妨げられた位置を識別して、識別した位置に対応するタッチ映像をセンシングする。ここで、センシングアレイ160は、非可視光をセンシングすることのできる1つ以上の非可視光センサで構成することができる。
【0039】
この時、非可視光センサは、フォトダイオード、フォトトランジスタとしてもよい。非可視光センサは、センシングアレイ160でマトリックス状に配置され、非可視光源140から放射される非可視光の光量によって変化する電圧または電流を読み出すことができる。そして、非可視光センサは、読み出した電圧または電流に基づいて2D座標に係るタッチ映像の非可視光強度(Invisible Light Intensity)を提供することができる。
【0040】
一例として、図10に示すように、可視光源130は制御情報を用いて制御部1000によって制御され、選択的にターンオン/オフ(turn on/off)できる。また、制御部1000は可視光の光量を選択的に制御することができる。例を挙げて詳細に説明すれば、可視光の光量は、タッチ可能な表面の2次元座標に対応する可視光源130のLED位置で変わってもよい。ここで、制御情報は映像データに基づいて予め定義されてもよく、センシングアレイ160によって獲得されてもよい。また、制御情報は、光ガイドへのタッチ、拡散板120に投射される非可視光の影、および非可視光源140の動きを含んでもよい。
【0041】
特に、ユーザが光ガイド150のタッチ可能な表面をタッチしたり、またはオブジェクトを用いてユーザが光ガイド150のタッチ可能な表面をタッチした場合、制御部1000は、タッチ強度に基づいてタッチされた領域に対応する可視光の光量を制御してもよい。また、制御部1000は、タッチ動作に基づいて可視光源130を選択的にターンオン/オフすることができる。
【0042】
この時、制御部1000は、拡散板120に投射された非可視光の影または拡散板120から一定の距離離隔した非可視光源140の動きを用いて可視光源130から放射される可視光量を調節することができる。
【0043】
一例として、拡散板120の上部でユーザの手またはレーザポインタなどのオブジェクトを上、下、左、右、対角線に動かす場合に可視光量が調節される。すなわち、オブジェクトの動きによってディスプレイパネル120に表示される映像の明るさが調節される。
【0044】
これによって、オブジェクトのポインティング位置および動き情報をLCDの情報を制御する装置で送信してユーザ入力装置における機能が実行される。ここで、LCDの情報を制御する装置をPCとしてもよく、ユーザ入力装置をマウス、またはキーボードとしてもよい。
【0045】
この時、映像データは、センシングアレイ160がオブジェクトによって反射する非可視光またはオブジェクトの影または拡散板120に直接照射される非可視光をセンシングして獲得する。
【0046】
図2および図3は、非可視光源を離して配置したマルチタッチセンシング装置を示す図である。
【0047】
図2を参照すれば、マルチタッチセンシング装置100は、ディスプレイパネル110、拡散板120、可視光源130、非可視光源140、およびセンシングアレイ160を含む。
【0048】
ディスプレイパネル110は、マルチタッチセンシング装置の上段に配置されて映像を表示する。
【0049】
拡散板120は、ディスプレイパネルの下部に配置され、可視光源130から放射された可視光を平面状に拡散する。
【0050】
可視光源130は、拡散板120に対して垂直に下部に配置されて可視光を放射する。すなわち、可視光源130は、拡散板120に対して直下型とすることができる。この時、可視光源130は、ディスプレイパネル110上に映像を表示するための可視光を拡散板120に直接放射してもよい。
【0051】
非可視光源140は、拡散板120から一定の距離が離された位置からタッチ映像をセンシングするための非可視光を拡散板120に放射する。この時、非可視光源140は、図2のように拡散板120の上部と垂直に非可視光を放射してもよく、図3のように拡散板120の上部と一定の角度をなして非可視光を放射してもよい。一例として、非可視光源140は、ランプ、レーザポインタとしてもよい。
【0052】
センシングアレイ160は、拡散板120の下部に配置され、非可視光源140から拡散板120に投射される非可視光をセンシングする。
【0053】
一例として、センシングアレイ160は、非可視光がオブジェクト200によって反射されて拡散板120に投射された光の位置を識別し、識別された位置に対応するタッチ映像をセンシングする。ここで、センシングアレイ160は、図1のセンシングアレイ160と同一であるため、重複する説明は省略する。
【0054】
また、センシングアレイ160は、拡散板120に投射された非可視光をセンシングして非可視光源140の座標を取得する。
【0055】
もし、レーザポインタが非可視光源140として用いられる場合、センシングアレイ160は、拡散板120と一定の角度をなして投射された非可視光をセンシングし、レーザポインタからポインティングされる座標を取得する。
【0056】
図4は、ウェーブガイドを用いたマルチタッチおよび近接オブジェクトを用いたセンシング装置の構成を示す図である。図5および図6は、ウェーブガイドを用いたマルチタッチセンシング装置の構成を示す図である。すなわち、図4図6は、図1図3のマルチタッチセンシング装置のそれぞれにウェーブガイドを追加した図である。以下では、図1図3の構成要素と重複する構成要素に対する詳しい説明は省略する。
【0057】
まず、図4を参照すれば、マルチタッチおよび近接オブジェクトを用いたセンシング装置400は、ディスプレイパネル410、拡散板420、可視光源430、ウェーブガイド440、非可視光源450、光ガイド460、およびセンシングアレイ470を含む。
【0058】
ディスプレイパネル410は、マルチタッチセンシング装置の上段に配置されて映像を表示する。
【0059】
拡散板420は、ディスプレイパネルの下部に配置され、可視光源430から放射された可視光を平面状の可視光として放射することができる。
【0060】
可視光源430は、拡散板420に対して下部の端に配置され、可視光を放射する。一例として、可視光源430は、ディスプレイパネル410上に映像を表示するための可視光をウェーブガイド440を介し拡散板420に放射する。この時、可視光源430は拡散板420に対してエッジ型(edge type)に配置される。
【0061】
ウェーブガイド440は、拡散板420下部に配置され、可視光源430から放射された可視光を拡散板420に反射させる。一例として、ウェーブガイド440には、見て厚さの異なるくさび型(Wedge Type)を用いてもよい。また、厚さが同一の平板型(plate type)に反射パターンが彫られたウェーブガイド440を用いてもよい。これにより、拡散板420における放射可視光効率を向上させることができるだけでなく、均一の平面光のために端に位置する光源との距離に応じて反射パターンを異なるように調節することができる。
【0062】
非可視光源450は、拡散板420の上部に配置されてオブジェクトによって発生するタッチ映像または目標映像をセンシングするための非可視光を放射する。
【0063】
光ガイド460は、非可視光源450から放射された非可視光を全反射させることができる。
【0064】
センシングアレイ470は、ウェーブガイド440の下部に配置され、非可視光源450から拡散板420に投射される非可視光をセンシングする。
【0065】
すなわち、オブジェクト200が光ガイド460の上部表面に位置する場合、センシングアレイ470は、非可視光がオブジェクト200によって反射されて拡散板420に投射された光の位置を識別し、識別された位置に対応するタッチ映像をセンシングする。この時、センシングアレイ470は光ガイド460で非可視光の全反射が妨げられた位置を識別し、識別された位置に対応するタッチ映像をセンシングする。
【0066】
また、オブジェクト800が光ガイド460から一定の距離を離して位置する場合、センシングアレイ470はオブジェクトによって反射されて拡散板420に直接投射または透過する非可視光の位置を識別し、識別した位置に対応する目標映像をセンシングする。
【0067】
次に、図5および6を参照すれば、マルチタッチセンシング装置400は、ディスプレイパネル410、拡散板420、可視光源430、ウェーブガイド440、非可視光源450、およびセンシングアレイ470を含む。
【0068】
ディスプレイパネル410は、マルチタッチセンシング装置の上段に配置されて映像を表示する。
【0069】
拡散板420は、ディスプレイパネルの下部に配置され、可視光源430から放射された可視光を内部で発散、散乱して平面状に放射する。
【0070】
可視光源430は、拡散板420に対して下部の端に配置され、可視光放射する。この時、可視光源430は、ウェーブガイド440を介して可視光を拡散板420に放射する。
【0071】
ウェーブガイド440は、拡散板420下部に配置され、可視光源430から放射された可視光を拡散板420に反射させる。それにより、可視光源430から放射された可視光は、ウェーブガイド440を介して反射し、拡散板420に垂直に入射する。すなわち、可視光源430は、拡散板420に対してエッジ型に配置される。
【0072】
非可視光源450は、拡散板420から一定の距離が離された位置からタッチ映像または目標映像をセンシングするための非可視光を拡散板420に放射する。この時、非可視光源450は、図5のように、拡散板420の上部と垂直に非可視光を放射してもよく、図6のように、拡散板420の上部と一定の角度をなして非可視光を放射してもよい。
【0073】
センシングアレイ470は、ウェーブガイド440の下部に配置され、非可視光源450から拡散板420に投射される非可視光をセンシングする。
【0074】
また、センシングアレイ470は、拡散板420に投射された非可視光をセンシングして非可視光源450のポインティング座標を取得する。
【0075】
一例として、非可視光源450にレーザポインタが用いられる場合、センシングアレイ470は拡散板420と一定の角度をなして投射された非可視光をセンシングしてレーザポインタでポインティングされる座標を獲得することができる。
【0076】
他の例として、非可視光源450にLEDポインタが用いられる場合、センシングアレイ470はLEDポインタから垂直下方に放射され、拡散板420に投射された非可視光をセンシングすることによってポインティング座標を獲得することができる。
【0077】
以上では、非可視光源が1つの場合に対して説明したが、図7および8のように、センシングアレイ470は複数の非可視光源451,453を用いてタッチ映像または目標映像、拡散板420に投射される非可視光をセンシングしてもよい。すなわち、センシングアレイ470は、光ガイド150の上部表面または光ガイド460の上部と近接して位置したオブジェクトによって反射された光を用いてタッチ映像または目標映像をセンシングしてもよい。このとき、レーザポインタが非可視光源450である場合、センシングアレイ470はポインティングされる座標を獲得することができる。
【0078】
また、センシングアレイ470は、オブジェクト200によって反射した非可視光以外にオブジェクト200周囲の非可視光が遮られて発生する影を用いてタッチ映像をセンシングしてもよい。すなわち、図9のように、センシングアレイ470は拡散板420でオブジェクト200周囲の非可視光が遮られて発生する影910をセンシングしてタッチ映像をセンシングしてもよい。このとき、非可視光源450は、ランプおよび太陽光を含んでもよい。
【0079】
以上、拡散板に投射されたタッチ映像または目標映像をセンシングする装置に対して説明したが、本センシング装置は図11に示すように、LCDパネルの代わりにOLEDパネルをディスプレイパネルに用いてもよい。このとき、可視光源としてOLEDが用いられてもよい。
【0080】
図11に示すように、センシング装置1100は、OLEDパネル1110、可視光源1140、光ガイド1150、およびセンシングアレイ1160を含んでもよい。一例として、可視光源でOLEDを用いる場合、マルチタッチおよび近接オブジェクトを用いたセンシング装置1100から拡散板を除去してもよい。それにより、センシングアレイをOLEDパネルの下部に位置して、OLEDパネルに投射される非可視光をセンシングしてもよい。
【0081】
図11に示すように、センシング装置1100は、OLEDパネル1110、可視光源1140、光ガイド1150、およびセンシングアレイ1160を含んでもよい。一例として、OLEDを可視光源として用いる場合、拡散板はセンシング装置1100から除去してもよい。すると、センシングアレイ1160は、OLEDパネル1110の下部に位置し、非可視光源1140によってOLEDパネルに投射される非可視光またはオブジェクト1200、1800によってOLEDパネルに反射された非可視光をセンシングすることができる。
【0082】
これによって、可視光源およびセンシングアレイはタッチ映像をセンシングし、映像を表示するために拡散板の下部に位置してもよい。このように可視光源およびセンシングアレイが拡散板の下部に位置することによって、センシング装置の全体の厚さが減少し得る。
【0083】
また、センシングアレイは、拡散板の下部に位置することによって、可視光源はセンシングアレイによって影響を受けられないことがある。これによって、映像の画質が向上される。
【0084】
また、拡散板下部に位置する予め設定された数のセンシングアレイを用いてタッチ映像をセンシングすることによって、センシング装置の価格をダウンさせることができる。
【0085】
上述したように、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、該当の技術分野において熟練した当業者にとっては、特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正および変更させることができることを理解することができるであろう。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲に基づいて定められ、発明を実施するための最良の形態により制限されるものではない。
【符号の説明】
【0086】
110、410 ディスプレイパネル
120、420 拡散板
130、430 可視光源
140、450 非可視光源
150、460 光ガイド
160、470 センシングアレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11