特許第5843675号(P5843675)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5843675
(24)【登録日】2015年11月27日
(45)【発行日】2016年1月13日
(54)【発明の名称】シリコン粉末
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/02 20060101AFI20151217BHJP
【FI】
   C01B33/02 E
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-64250(P2012-64250)
(22)【出願日】2012年3月21日
(65)【公開番号】特開2013-193936(P2013-193936A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2014年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100089347
【弁理士】
【氏名又は名称】木川 幸治
(74)【代理人】
【識別番号】100154379
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】半澤 茂
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 一郎
【審査官】 西山 義之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−079717(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/111767(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/00−33/193
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の胴部と、前記胴部の両端部に形成され前記胴部の両端部間を結ぶ方向に垂直な断面における前記胴部の直径よりも大きな直径の塊状の大径部と、を有するシリコン結晶粒子を含むシリコン粉末。
【請求項2】
前記シリコン結晶粒子の前記大径部の直径が、前記胴部の両端部間を結ぶ方向に垂直な断面における前記胴部の直径の1.5〜3.0倍である請求項1に記載のシリコン粉末。
【請求項3】
前記シリコン結晶粒子のアスペクト比が、0.1〜0.2である請求項1または2に記載のシリコン粉末。
【請求項4】
前記シリコン結晶粒子の、前記胴部の両端部間を結ぶ方向における長さが、0.3〜1.0μmである請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリコン粉末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン粉末に関する。更に詳しくは、樹脂組成物等の充填材として用いることにより、機械的強度及び断熱性を向上させることができるシリコン粉末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂組成物等の充填材(フィラー)として無機粒子が使用されている。この無機粒子からなる充填材(無機充填材)としては、例えば、シリコン、アルミナ、ホウ酸アルミニウム、シリカ(二酸化珪素)、炭化珪素などが知られている。
【0003】
例えば、所定の粒子径の無機充填材が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。また、BET/CTAB比表面積比などが所定の値を満たす二酸化珪素粉末が開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−250482号公報
【特許文献2】特開2000−086227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無機充填材は、樹脂組成物等の機械的強度等を向上させるものであるが、更なる機械的強度等の向上が望まれていた。
【0006】
本発明は、従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。その課題は、樹脂組成物等の充填材として用いることにより、機械的強度及び断熱性を向上させることができるシリコン粉末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、以下に示す、シリコン粉末が提供される。
【0008】
[1] 柱状の胴部と、前記胴部の両端部に形成され前記胴部の両端部間を結ぶ方向に垂直な断面における前記胴部の直径よりも大きな直径の塊状の大径部と、を有するシリコン結晶粒子を含むシリコン粉末。
【0009】
[2] 前記シリコン結晶粒子の前記大径部の直径が、前記胴部の両端部間を結ぶ方向に垂直な断面における前記胴部の直径の1.5〜3.0倍である[1]に記載のシリコン粉末。
【0010】
[3] 前記シリコン結晶粒子のアスペクト比が、0.1〜0.2である[1]または[2]に記載のシリコン粉末。
【0011】
[4] 前記シリコン結晶粒子の、前記胴部の両端部間を結ぶ方向における長さが、0.3〜1.0μmである[1]〜[3]のいずれかに記載のシリコン粉末。
【発明の効果】
【0015】
本発明のシリコン粉末は、柱状の胴部と、「この胴部の両端部に形成され、胴部の両端部間を結ぶ方向に垂直な断面における胴部の直径よりも、大きな直径の塊状の大径部」と、を有するシリコン結晶粒子を含むものである。別言すれば、本発明のシリコン粉末におけるシリコン結晶粒子は、胴部の直径が大径部の直径よりも小さくなっている。即ち、本発明のシリコン粉末におけるシリコン結晶粒子は、胴部に相当する部分が細くなっている。そのため、本発明のシリコン粉末を樹脂組成物等の充填材として使用した場合、樹脂組成物等の機械的強度を向上させることができる。その理由は、本発明のシリコン粉末を含む樹脂組成物等には、本発明のシリコン粉末によってアンカー効果が発揮されるためである。具体的には、本発明のシリコン粉末のシリコン結晶粒子は、上述したように、胴部に相当する部分が細くなっており、くびれが形成されている。そのため、本発明のシリコン粉末(充填材)と被充填材(樹脂組成物等を構成する、充填材以外の材料)とを混合すると、上記くびれにも被充填材が配置されるようになる。このように、上記くびれに被充填材が配置されると、樹脂組成物等に破断力が掛かった場合、被充填材とシリコン結晶粒子(シリコン結晶粒子の大径部)とが機械的に噛み合い、互いの移動を規制する(このような効果を、シリコン粉末のアンカー効果という。)。その結果、樹脂組成物等は破断され難くなる。このように、本発明のシリコン粉末は、アンカー効果を発揮するため、本発明のシリコン粉末を含む樹脂組成物等の機械的強度を向上させることができる。更に、本発明のシリコン粉末は、胴部と大径部とを備える形状であるため、「球状のシリコン結晶粒子」からなるシリコン粉末に比べて、シリコン結晶粒子の充填率が低くなる。即ち、シリコン結晶粒子間に形成される隙間が大きくなる。そのため、本発明のシリコン粉末を含む樹脂組成物等は、多くの空気を包含することになる。その結果、本発明のシリコン粉末は、本実発明のシリコン粉末を含む樹脂組成物等の断熱性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のシリコン粉末の一実施形態において含まれるシリコン結晶粒子を模式的に示す平面図である。
図2】本発明のシリコン粉末の製造方法の一実施形態に使用する加熱炉を模式的に示す断面図である。
図3図2に示す加熱炉の温度分布を示すグラフである。
図4】実施例1で作製されたシリコン粉末の走査型電子顕微鏡写真である。
図5】実施例1で作製されたシリコン粉末の分析結果を示すグラフである。
図6】比較例1で作製された粉末の析出物の走査型電子顕微鏡写真である。
図7】比較例1で作製された粉末の析出物の分析結果を示すグラフである。
図8】比較例2で作製された粉末の析出物の走査型電子顕微鏡写真である。
図9】比較例2で作製された粉末の析出物の分析結果を示すグラフである。
図10】比較例3で作製された粉末の析出物の走査型電子顕微鏡写真である。
図11】比較例3で作製された粉末の析出物の分析結果を示すグラフである。
図12】比較例4で作製された粉末の析出物の走査型電子顕微鏡写真である。
図13】比較例4で作製された粉末の析出物の分析結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0019】
(1)シリコン粉末:
本発明のシリコン粉末の一実施形態を示すシリコン粉末は、図1に示すシリコン結晶粒子10を含むものである。シリコン結晶粒子10は、柱状の胴部11と、「この胴部11の両端部に形成され、胴部11の両端部間を結ぶ方向Xに垂直な断面における胴部11の直径L1よりも、大きな直径L2の塊状の大径部13」と、を有している。図1は、本発明のシリコン粉末の一実施形態において含まれるシリコン結晶粒子を模式的に示す平面図である。
【0020】
このようなシリコン粉末は、シリコン結晶粒子10を含むものである。そのため、本実施形態のシリコン粉末を含む樹脂組成物等に破断力が掛かった場合、シリコン結晶粒子10によってアンカー効果が発揮されるため、樹脂組成物等は破断され難くなる。即ち、本実施形態のシリコン粉末を含む樹脂組成物等は、機械的強度が向上する。一方、「線状のシリコン結晶粒子」を含有するシリコン粉末を含む樹脂組成物等に、この樹脂組成物等を左右に引っ張る力が掛かった場合を想定する。「線状のシリコン結晶粒子」は、「大径部13が形成されていないシリコン結晶粒子」である。この場合、シリコン結晶粒子の長手方向と樹脂組成物等を左右に引っ張る力(引張力)の方向とが同じであると、シリコン粉末が、上記引張力に対する抵抗力を発揮することなく樹脂組成物等が破断してしまう。
【0021】
更に、本実施形態のシリコン粉末は、球状のシリコン結晶粒子を含むシリコン粉末に比べて、シリコン結晶粒子10の充填率が低くなる。即ち、シリコン結晶粒子10間に形成される隙間が大きくなる。そのため、本実施形態のシリコン粉末を含む樹脂組成物等は、多くの空気を包含することになる。その結果、本実施形態のシリコン粉末を含む樹脂組成物等は、断熱性が向上する。
【0022】
シリコン結晶粒子10の大径部13の直径を、直径L2とする。そして、胴部11の両端部間を結ぶ方向Xに垂直な断面における胴部11の直径を、直径L1とする。その場合、直径L2は、直径L1の1.5〜3.0倍であることが好ましく、1.5〜2.5倍であることが更に好ましく、2.0〜2.5倍であることが特に好ましい。上記大径部13の直径L2が上記範囲内であると、直径L2が直径L1より十分に大きいことになる。そのため、本実施形態のシリコン粉末を樹脂組成物等の充填材として用いた場合に、アンカー効果を発揮する。上記大径部13の直径L2が上記胴部11の直径L1の1.5倍未満であると、直径L1が直径L2に近接するため、本実施形態のシリコン粉末を樹脂組成物等の充填材として用いた場合に、アンカー効果が消失するという不具合が生じるおそれがある。一方、3.0倍超であると、直径L1が直径L2よりも大きすぎる。そのため、シリコン結晶粒子10に曲げ応力や引張応力などの応力を加えた場合、胴部11と大径部13の境界部分に応力が集中してしまうため、シリコン結晶粒子10が破壊されるおそれがある。その結果、アンカー効果が発揮されないおそれがある。
【0023】
「大径部の直径」とは、大径部が球状である場合には、当該球形状の直径のことである。ここで、上記「球状」とは、完全な球形だけでなく、球形が全体的に変形したような形状や、球形の一部が変形した形状等も含むものとする。また、「大径部の直径」とは、大径部が角柱状である場合には、「胴部の中心軸に垂直な断面における、胴部の対角線」のうち最も長いもののことである。
【0024】
本明細書において「大径部13の直径L2」は、具体的には、以下のようにして測定される値である。まず、走査型電子顕微鏡(SEM)によってシリコン結晶粒子を含むシリコン粉末を撮影する。次に、撮影されたシリコン結晶粒子の中で、胴部の両端部間を結ぶ方向Xの長さが長いものを任意に6個選択する。次に、任意に選択した6個のシリコン結晶粒子の、胴部の両端部間を結ぶ方向に垂直な方向における大径部の長さを測定し平均値を算出する。このようにして算出された平均値を、シリコン結晶粒子の大径部の直径とする。
【0025】
胴部の形状としては、円柱状、角柱状等を挙げることができる。本明細書において、上記「胴部11の直径L1」は、上記「大径部13の直径L2」の測定において「任意に選択した6個のシリコン結晶粒子」における「胴部の両端部間を結ぶ方向に垂直な断面における、胴部の直径」の平均値である。「胴部の両端部間を結ぶ方向に垂直な断面における、胴部の直径」は、胴部が角柱状である場合、「胴部の中心軸に垂直な断面における、胴部の対角線」のうち、最も長いもののことである。
【0026】
シリコン結晶粒子10の、「胴部11の両端部間を結ぶ方向X」における長さDは、0.3〜1.0μmであることが好ましく、0.4〜0.9μmであることが更に好ましく、0.5〜0.8μmであることが特に好ましい。シリコン結晶粒子10の上記長さDが上記範囲内であると、シリコン結晶粒子10が短過ぎないため、シリコン結晶粒子10が被充填材と十分に接触することができる。更に、上記範囲内であると、シリコン結晶粒子10が短過ぎないため樹脂組成物等内で分散され易くなる。即ち、アンカー材(アンカー効果を発揮するもの)としての機能が効果的に発揮されるものになる。また、シリコン結晶粒子10の上記長さDが上記範囲内であると、シリコン結晶粒子10が長過ぎないため、シリコン結晶粒子10が被充填材から突出し難くなる。シリコン結晶粒子10の上記長さDが0.3μm未満であると、シリコン結晶粒子10が樹脂組成物等内で分散せずに凝集することが多く発生するため、アンカー効果が低減するという不具合が生じるおそれがある。一方、1.0μm超であると、シリコン結晶粒子10が長過ぎて被充填材から突出するおそれがある。このような場合、終加工時に被充填材料が破壊されるという不具合が生じるおそれがある。
【0027】
本明細書において「シリコン結晶粒子10の、胴部11の両端部間を結ぶ方向Xにおける長さD」は、以下のように測定される長さのことである。即ち、まず、走査型電子顕微鏡(SEM)によってシリコン結晶粒子を含むシリコン粉末を撮影する。次に、撮影されたシリコン結晶粒子の中で、「胴部の両端部間を結ぶ方向」における長さが長いものを任意に6個選択する。次に、任意に選択した6個のシリコン結晶粒子の、「胴部の両端部間を結ぶ方向」における長さを測定し平均値を算出する。このようにして算出された平均値を、シリコン結晶粒子の、胴部の両端部間を結ぶ方向における長さとする。
【0028】
シリコン結晶粒子10のアスペクト比は、0.10〜0.30であることが好ましく、0.10〜0.25であることが更に好ましく、0.15〜0.25であることが特に好ましい。シリコン結晶粒子10のアスペクト比が上記範囲内であると、繊維強化複合材料と同じ機能、即ち、被充填材の強度を強化する機能が、シリコン結晶粒子10によって発揮されるため、アンカー効果が増大する。シリコン結晶粒子10のアスペクト比が0.1未満であると、シリコン結晶粒子10が細くなり過ぎるため、被充填材がシリコン結晶粒子10に密着しない頻度が増大するおそれがある。即ち、被充填材とシリコン結晶粒子(シリコン結晶粒子の大径部)とが互いに機械的に噛み合い、互いの移動を規制することが困難になるおそれがある。その結果、アンカー効果が消失するという不具合が生じるおそれがある。一方、0.30超であると、胴部11が短くなるため、シリコン結晶粒子の形状が球状に近くなる。そのため、繊維状の粒子が示す挙動ではなく、粒子状の粒子が示す挙動を呈するおそれがある。従って、アンカー効果が消失するという不具合が生じるおそれがある。
【0029】
本明細書において「シリコン結晶粒子10のアスペクト比」は、「シリコン結晶粒子10の、胴部11の両端部間を結ぶ方向Xにおける長さD」に対する上記「胴部11の直径L1」の比の値である。
【0030】
本実施形態のシリコン粉末は、シリコン結晶粒子10が40質量%以上含有されていることが好ましく、60質量%以上含有されていることが更に好ましく、80質量%以上含有されていることが特に好ましく、100質量%含有されていることが最も好ましい。
【0031】
本実施形態のシリコン粉末を含有させる樹脂組成物等は、特に限定されない。例えば、種々の樹脂組成物、エポキシ樹脂等の樹脂、シリコンゴム等のゴム等を挙げることができる。また、本実施形態のシリコン粉末を含有させる樹脂組成物等は、樹脂やゴムにも限定されず、金属等であってもよい。
【0032】
(2)シリコン粉末の製造方法:
本発明のシリコン粉末の製造方法の一実施形態は、図2に示すような加熱炉100を用い、以下に説明するようにしてシリコン結晶粒子を析出させてシリコン粉末を得るものである。図2に示す加熱炉100は、一方の端部2側から順に、導入部21、被加熱物29を配置するための加熱部23、冷却部25を有する筒状のものである。加熱炉100は、冷却部25内に、冷却部25内のガスが冷却されて析出する析出物(シリコン結晶粒子)30が堆積する堆積板27を有している。堆積板27を有することにより、析出物(シリコン結晶粒子)30の回収が容易になる。複数のシリコン結晶粒子が堆積して、シリコン粉末となる。図2は、本発明のシリコン粉末の製造方法の一実施形態に使用する加熱炉を模式的に示す断面図である。
【0033】
本発明のシリコン粉末の製造方法によれば、本発明のシリコン粉末を良好に製造することができる。
【0034】
図3は、図2に示す加熱炉100の温度分布を示すグラフである。本実施形態のシリコン粉末の製造方法においては、加熱炉100は、図3に示すような温度分布を示すように温度が調節されている。具体的には、加熱炉100の導入部21においては、導入部21の入口から出口にかけて温度が上昇するように調節されている。加熱部23においては、1400〜1600℃の範囲の一定の温度で維持されている。冷却部25においては、冷却部25の入口25aから出口25bにかけて温度が低下するように調節されている。このように加熱炉100の温度を調節することによって、加熱炉100内を通過するガスの温度を所望の温度に調節することができる。
【0035】
(2−1)被加熱物の配置:
本実施形態のシリコン粉末の製造方法では、加熱炉100の加熱部23に、炭化珪素を主成分とし、少なくとも二酸化珪素を含有する被加熱物29を配置する。被加熱物29としては、例えば、二酸化珪素、窒化珪素、及び炭化珪素を含む耐火物などを挙げることができる。上記耐火物としては、2〜5質量%の二酸化珪素、3〜50質量%の窒化珪素、45〜95質量%の炭化珪素を含むものなどを挙げることができる。このような耐火物を用いることにより、シリコン結晶粒子10の生成率を安定させることができる。また、シリコン結晶粒子10の生成反応の反応速度を安定させることができる。そのため、シリコン結晶粒子10の生成条件の制御が簡便になる。なお、被加熱物29は、焼成されたものであってもよいし粉末であってもよい。
【0036】
(2−2)キャリアガスの流入:
本実施形態のシリコン粉末の製造方法では、加熱炉100の一方の端部2から他方の端部3に向ってキャリアガスG1を流す。このキャリアガスG1を加熱炉100の一方の端部2から他方の端部3に向って流すことにより、加熱部23内の混合蒸発ガスG3が加熱部23から押出されて冷却部25に流入することになる。
【0037】
キャリアガスG1としては、例えば、アルゴンガス、窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガスを挙げることができる。これらの中でも、アルゴンガスが好ましい。アルゴンは、珪素と反応しないためである。即ち、窒素ガスや炭酸ガスは、珪素と反応して、窒化珪素または炭化珪素を生成するおそれがある。アルゴンは、上記のように珪素と反応するおそれがない。従って、効率良くシリコン結晶粒子10を生成できる。
【0038】
キャリアガスG1は、流速0.1〜0.4m/秒で加熱炉100に供給されることが好ましく、0.1〜0.30m/秒で供給されることが更に好ましく、0.1〜0.25m/秒で供給されることが特に好ましい。キャリアガスG1の流速が上記範囲内であると、「加熱炉を構成する炉材から酸素が発生することに起因して加熱炉内の酸素濃度が高くなる」ことを防止できる。即ち、加熱炉内の酸素濃度を十分に低下させることができる。そのため、本実施形態のシリコン粉末の生成率が上昇する。キャリアガスG1の流速が0.1m/秒未満であると、加熱炉の雰囲気中に酸素が残存するため、シリコン結晶粒子10が酸化されるおそれがある。その結果、シリコン結晶粒子10の生成率が低下するという不具合が生じるおそれがある。一方、0.4m/秒超であると、シリコン結晶粒子10は微細で移動し易いため、シリコン結晶粒子10の生成反応の途中で反応温度域から外れてしまうおそれがある。その結果、シリコン結晶粒子10の生成率が低下するという不具合が生じるおそれがある。
【0039】
加熱炉100に供給されるときのキャリアガスG1の温度は、特に制限はないが、常温(20℃)〜500℃であることが好ましく、常温(20℃)〜300℃であることが更に好ましく、100〜200℃であることが特に好ましい。キャリアガスG1の温度が上記範囲内であると、「加熱炉中のガスの温度が、生成反応に必要な温度に到達するまでの時間」が短くなるため、シリコン結晶粒子10の生成反応の反応速度を安定させることができる。キャリアガスG1の温度が常温(20℃)未満であると、上記「加熱炉中のガスの温度が、生成反応に必要な温度に到達するまでの時間」が長くなるため、シリコン結晶粒子10の生成反応の反応速度を安定させることができないおそれがある。一方、500℃超であると、加熱炉に使用する配管などが高温になり過ぎるため、配管などの接続部分で熱膨張が生じ、この接続部分でガス漏れが生じるおそれがある。また、このようなガス漏れを防止するために、高額な接続配管が必要になることがある。
【0040】
(2−3)混合蒸発ガスの生成:
本実施形態のシリコン粉末の製造方法は、加熱部23内で被加熱物29を1400〜1600℃で保持し、被加熱物29から一酸化珪素を含む蒸発ガスG2を発生させる。別言すれば、キャリアガスG1の雰囲気下で被加熱物29を1400〜1600℃で保持すると、被加熱物29から一酸化珪素を含む蒸発ガスG2が発生する。このように被加熱物29から蒸発ガスG2が発生すると、キャリアガスG1と蒸発ガスG2とが加熱部23内で混合し、蒸発ガスG2とキャリアガスG1との混合ガスである混合蒸発ガスG3が生成する。
【0041】
被加熱物29の保持温度は、1400〜1600℃であることが必要であり、1400〜1550℃であることが好ましく、1400〜1500℃であることが更に好ましく、1400〜1450℃であることが特に好ましい。被加熱物29の保持温度が上記範囲内であることにより、被加熱物29から一酸化珪素を含む蒸発ガスG2が発生する。被加熱物29の保持温度が1400℃未満であると、反応速度が低下するため、シリコン結晶粒子10の生成率が低下する。一方、1600℃超であると、加熱炉を構成する炉材に高い耐熱性が求められる。耐久性が不十分な場合には、炉材のクリープや溶損が発生する。炉材のクリープや溶損の発生を回避するには、設備コストが過大になる。
【0042】
(2−4)混合蒸発ガスの冷却:
次に、生成させた混合蒸発ガスを冷却部25に流入させ、冷却部25内の温度を冷却部25の入口25aから出口25bにかけて低下させて混合蒸発ガスを冷却する。「冷却部25内の温度を冷却部25の入口25aから出口25bにかけて低下させて」とは、冷却部25内の温度を入口25aから出口25bにかけて漸次的に低下させることを意味する。例えば、冷却部25内の温度分布のグラフを描いたとき、当該グラフが、入口25aから出口25bにかけて直線的に温度低下するようなグラフになることが好ましい。
【0043】
なお、冷却部25内には、追加ガスG4が供給されるまでは、「蒸発ガスG2とキャリアガスG1との混合ガス」である混合蒸発ガスG3が、流れることになる。
【0044】
冷却部25の温度は、10〜100℃/cmで低下させることが好ましく、25〜100℃/cmで低下させることが更に好ましく、25〜50℃/cmで低下させることが特に好ましい。冷却部25の温度が低下する割合が上記範囲内であると、SiOガスから生じたSiが再び酸化してSiOまたはSiOになる前に、このSiを含む混合蒸発ガスG3が冷却されることになる。そのため、シリコン結晶粒子10の生成率が上昇する。冷却部25の温度が低下する割合が10℃/cm未満であると、シリコン結晶粒子10が生成する温度帯の幅が狭くなるため、シリコン結晶粒子10の生成率が減少するおそれがある。一方、100℃/cm超であると、シリコン結晶粒子10が一箇所に集中して生成するため、加熱炉が閉塞するという不具合が生じるおそれがある。
【0045】
(2−5)シリコン結晶析出用ガスの生成:
次に、冷却部25内における、混合蒸発ガスG3の温度が1000〜1300℃となる領域に、アルゴンと窒素とを含む混合ガスである追加ガスG4を供給する。このようにして、混合蒸発ガスG3と追加ガスG4とを混合させてシリコン結晶析出用ガスG5を生成させる。
【0046】
追加ガスG4は、混合蒸発ガスG3の温度が1000〜1300℃となる領域に供給することが必要である。そして、追加ガスG4は、混合蒸発ガスG3の温度が500〜1200℃となる領域に供給することが好ましく、600〜1100℃となる領域に供給することが更に好ましく、700〜1000℃となる領域に供給することが特に好ましい。混合蒸発ガスG3の温度が1000〜1300℃となる領域に追加ガスG4を供給することにより、図1に示すような胴部11と大径部13とを有するシリコン結晶粒子10を得ることができる。
【0047】
追加ガスG4は、流速0.1〜0.40m/秒で加熱炉100の冷却部25に供給されることが好ましく、0.1〜0.30m/秒で供給されることが更に好ましく、0.1〜0.25m/秒で供給されることが特に好ましい。追加ガスG4の流速が上記範囲内であると、追加ガスG4が混合蒸発ガスG3と混合するための時間を十分に確保できる。そのため、ガスの流れが遷移流を経由して乱流になる。その結果、シリコン結晶粒子10の生成反応が進みやすくなる。追加ガスG4の流速が0.1m/秒未満であると、混合蒸発ガスG3と追加ガスG4とが互いに混合しない層流を形成してしまうおそれがある。そのため、シリコン結晶粒子10の生成反応が進み難くなるおそれがある。一方、0.4m/秒超であると、乱流が発生して追加ガスG4と混合蒸発ガスG3とが混合がされる。しかし、キャリアガスG1の供給速度を超えるおそれがあるため、加熱炉内にシリコン粉末が留まらずに吹き飛んでしまうという不具合が生じるおそれがある。
【0048】
加熱炉100の冷却部25に供給されるときの追加ガスG4の温度は、特に制限はないが、常温(20℃)〜500℃であることが好ましく、常温(20℃)〜300℃であることが更に好ましく、100〜200℃であることが特に好ましい。キャリアガスG1の温度が上記範囲内であると、「加熱炉中のガスの温度が、生成反応に必要な温度に到達するまでの時間」が短くなるため、シリコン結晶粒子10の生成反応の反応速度を安定化することができる。キャリアガスG4の温度が常温(20℃)未満であると、上記「加熱炉中のガスの温度が、生成反応に必要な温度に到達するまでの時間」が長くなるため、シリコン結晶粒子10の生成反応の反応速度を安定させることができないおそれがある。一方、500℃超であると、加熱炉に使用する配管などが高温になり過ぎるため、配管などの接続部分で熱膨張が生じ、この接続部分でガス漏れが生じるおそれがある。また、このようなガス漏れを防止するために、高額な接続配管が必要になることがある。
【0049】
追加ガスG4は、アルゴンと窒素とを含有する混合ガスである。追加ガスG4は、アルゴンを主成分とすることが好ましい。主成分とは、全体に対して90質量%以上含有される成分を意味する。
【0050】
追加ガスG4の酸素濃度は、混合蒸発ガスG3中の酸素濃度にも拠るが、50ppm以下とすることができる。追加ガスG4の酸素濃度を50ppm超とすると、シリコン結晶析出用ガスG5の酸素濃度が高くなり過ぎるおそれがある。シリコン結晶析出用ガスG5の酸素濃度が高くなり過ぎると、シリコン結晶粒子10が得られ難くなるおそれがある。追加ガスG4に窒素及び酸素が含有される場合、追加ガスG4の当該窒素及び酸素以外の成分は、アルゴンであることが好ましい。
【0051】
(2−6)シリコン結晶粒子の析出:
本実施形態のシリコン粉末の製造方法においては、冷却部内における、シリコン結晶析出用ガスG5の温度が800〜1000℃となる領域で、図1に示すような胴部11と大径部13とを有するシリコン結晶粒子10を析出させる。
【0052】
本実施形態のシリコン粉末の製造方法においては、図2に示すように、加熱炉100が、冷却部25内に、「冷却部内のシリコン結晶析出用ガスが冷却されて析出するシリコン結晶粒子」が堆積する堆積板27を、有することが好ましい。これにより、析出物(シリコン結晶粒子)の回収が容易になる。尚、加熱炉100は、堆積板を有さなくてもよい。
【実施例】
【0053】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0054】
(実施例1)
まず、図2に示すような一方の端部側から順に、導入部、被加熱物を配置するための加熱部、冷却部を有する筒状の加熱炉を用意した。この加熱炉には、冷却部内のガスが冷却されて析出する析出物が堆積する堆積板を配置した。加熱炉は、中心軸方向(キャリアガスが流れる方向)における長さが1000mmであり、直径が100mmであった。この加熱炉の導入部の、キャリアガスが流れる方向における長さは、300mmであった。また、導入部には、ガスが流れる流路として直径80mmの孔が形成されていた。加熱部の、キャリアガスが流れる方向における長さは、200mmであった。冷却部の、キャリアガスが流れる方向における長さは、500mmであった。また、冷却部には、ガスが流れる流路として直径80mmの孔が形成されていた。
【0055】
次に、上記加熱炉の加熱部に被加熱物として50gの耐火物を配置した。耐火物としては、5質量%の二酸化珪素、15質量%の窒化珪素、及び80質量%の炭化珪素からなるものを用いた。次に、加熱炉の一方の端部から他方の端部に向ってキャリアガスを流した。キャリアガスとしてはアルゴンガスを用いた。キャリアガスの、加熱炉に流入する際の温度を100℃とした。また、キャリアガスの流速を0.2m/秒とした。次に、加熱炉の導入部、加熱部及び冷却部が、図3に示す温度分布となるように加熱炉の温度調節を行った。導入部の入り口の温度を50℃とし、導入部の出口の温度を1450℃とした。加熱部の温度を1450℃とした。そして、冷却部の入口の温度を1450℃とし、冷却部の出口の温度を400℃とした。このようにして加熱部内で耐火物を1450℃で保持し、耐火物から一酸化珪素を含む蒸発ガスを発生させた。そして、キャリアガスであるアルゴンと蒸発ガスとを加熱部で混合させて蒸発ガスとキャリアガスとの混合ガスである混合蒸発ガスを生成させた。蒸発ガスは、酸素、珪素、一酸化珪素、及び二酸化珪素を含むガスであった。
【0056】
次に、生成させた混合蒸発ガスを冷却部に流入させ、冷却部内の温度を冷却部の入口から出口にかけて低下させて混合蒸発ガスを冷却した。次に、冷却部内における、混合蒸発ガスの温度が1300℃となる領域に、アルゴンと窒素との混合ガスである80℃の追加ガスを流速0.2m/秒で供給した。追加ガスは、アルゴンに200ppmの窒素が含まれたガスを用いた。このようにして、混合蒸発ガスと追加ガスとを混合させてシリコン結晶析出用ガスを生成させた。そして、シリコン結晶析出用ガスの温度が800〜1000℃となる領域で堆積板上に粉体の析出物が得られた。
【0057】
得られた析出物を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した。また、得られた析出物について、粉末X線回折測定を行った。図4には撮影されたSEM写真を示す。また、図5には粉末X線回折測定の結果を示す。図4は、実施例1で作製されたシリコン粉末の走査型電子顕微鏡写真である。図5は、実施例1で作製されたシリコン粉末の分析結果を示すグラフである。
【0058】
SEM写真と粉末X線回折測定の結果から、得られた析出物は、図1に示すシリコン結晶粒子10のようなシリコン結晶粒子であることが確認できた。得られたシリコン結晶粒子の「胴部の両端部間を結ぶ方向」における長さは600nmであった。また、得られたシリコン結晶粒子のアスペクト比は、0.2であった。また、得られたシリコン結晶粒子は、大径部の直径が、胴部の直径(「胴部の両端部間を結ぶ方向」に垂直な断面における、胴部の直径)の2.0倍であった。
【0059】
(比較例1)
追加ガスとして「アルゴンガスに、50ppmの酸素が含まれたガス」を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粉末の析出物を得た。得られた析出物を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した。また、得られた析出物について粉末X線回折測定を行った。図6には撮影されたSEM写真を示す。また、図7には粉末X線回折測定の結果を示す。図6は、比較例1で作製された粉末の析出物の走査型電子顕微鏡写真である。図7は、比較例1で作製された粉末の析出物の分析結果を示すグラフである。
【0060】
SEM写真と粉末X線回折測定の結果から、得られた析出物は、シリコン結晶と二酸化珪素とを含む粒子であることが確認できた。
【0061】
(比較例2)
追加ガスとして「アルゴンガスに、500ppmの酸素が含まれたガス」を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粉末の析出物を得た。得られた析出物を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した。また、得られた析出物について粉末X線回折測定を行った。図8には撮影されたSEM写真を示す。また、図9には粉末X線回折測定の結果を示す。図8は、比較例2で作製された粉末の析出物の走査型電子顕微鏡写真である。図9は、比較例2で作製された粉末の析出物の分析結果を示すグラフである。
【0062】
SEM写真と粉末X線回折測定の結果から、得られた析出物は、シリコン結晶と二酸化珪素とを含む粒子であることが確認できた。また、胴部と大径部とを有するシリコン結晶粒子は形成されていないことが確認できた。
【0063】
(比較例3)
追加ガスとして「アルゴンガスに、3000ppmの酸素が含まれたガス」を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粉末の析出物を得た。得られた析出物を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した。また、得られた析出物について、粉末X線回折測定を行った。図10には撮影されたSEM写真を示す。また、図11には粉末X線回折測定の結果を示す。図10は、比較例3で作製された粉末の析出物の走査型電子顕微鏡写真である。図11は、比較例3で作製された粉末の析出物の分析結果を示すグラフである。
【0064】
SEM写真と粉末X線回折測定の結果から、得られた析出物は、シリコン結晶と二酸化珪素とを含む粒子であることが確認できた。また、胴部と大径部とを有するシリコン結晶粒子は形成されていないことが確認できた。
【0065】
(比較例4)
追加ガスとして「アルゴンガスに、5000ppmの酸素が含まれたガス」を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粉末の析出物を得た。得られた析出物を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した。また、得られた析出物について、粉末X線回折測定を行った。図12には撮影されたSEM写真を示す。また、図13には粉末X線回折測定の結果を示す。図12は、比較例4で作製された粉末の析出物の走査型電子顕微鏡写真である。図13は、比較例4で作製された粉末の析出物の分析結果を示すグラフである。
【0066】
SEM写真と粉末X線回折測定の結果から、得られた析出物は、シリコン結晶と二酸化珪素とを含む粒子であることが確認できた。また、胴部と大径部とを有するシリコン結晶粒子は形成されていないことが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明のシリコン粉末は、樹脂組成物等に添加される充填材(フィラー)等として用いることができる
【符号の説明】
【0068】
2:一方の端部、3:他方の端部、10:シリコン結晶粒子、11:胴部、13:大径部、21:導入部、23:加熱部、25:冷却部、25a:冷却部の入口、25b:冷却部の出口、27:堆積板、29:被加熱物、30:析出物、100:加熱炉、D:シリコン結晶粒子の、胴部の両端部間を結ぶ方向における長さ、G1:キャリアガス、G2:蒸発ガス、G3:混合蒸発ガス、G4:追加ガス、G5:シリコン結晶析出用ガス、L1:胴部の直径、L2:大径部の直径、X:胴部の両端部間を結ぶ方向。
図1
図2
図3
図5
図7
図9
図11
図13
図4
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図8
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図12