【実施例1】
【0044】
本発明に係る介護職員キャリアパス形成装置の一例である介護職員キャリアパス形成システム100について説明する。
【0045】
第1 機能
介護職員キャリアパス形成システム100の機能について
図1を用いて説明する。介護職員キャリアパス形成システム100は、介護職員のキャリアパスを形成するためのシステムである。介護職員キャリアパス形成システム100は、要研修評価項目存在判断部m1、研修決定部m3、シフト条件生成部m5、勤務シフト生成部m7、研修勤務シフト調整部m9、評価調整部m11、キャリアパス段階判断部m13、及び、研修通知部m15を有している。
【0046】
要研修評価項目存在判断部m1は、介護職員と所定の評価項目に対する前記介護職員の評価とが関連付けられた介護職員評価情報から、前記介護職員に研修を実施する必要がある前記評価項目である要研修評価項目が存在するか否かを判断する。
【0047】
研修決定部m3は、前記要研修評価項目に対して、研修内容及び研修実施日を決定し、決定した前記研修内容、前記研修実施日及び前記介護職員を関連付けた研修情報を生成する。また、研修決定部m3は、前記研修内容として、OJTを設定する場合には、少なくとも前記介護職員の前記総合評価より高い前記総合評価を有する介護職員を講師介護職員として、前記研修内容、前記研修実施日及び前記介護職員と関連付けた前記研修情報を生成する。さらに、研修決定部m3は、前記研修内容として、集合研修を設定する場合には、前記研修内容、前記研修実施日及び前記介護職員を関連付けた研修情報を生成する。さらに、研修決定部m3は、決定した前記研修内容について、前記研修実施日から所定時間経過後を再研修実施日として、前記研修内容と関連付けた前記研修情報を生成する。
【0048】
シフト条件生成部m5は、前記研修実施日を勤務不可能日とするシフト条件をシフト条件情報として生成する。フト条件生成部m5は、前記介護職員と前記講師介護職員の両方が、前記研修実施日に勤務するような前記シフト条件を前記シフト条件情報として生成する。
【0049】
勤務シフト生成部m7は、前記シフト条件情報に基づき、前記介護職員の勤務シフトを勤務シフト情報として生成する。勤務シフト生成部m7は、遺伝的アルゴリズムを用いて、前記勤務シフトを生成し、所定の勤務シフト生成時間内において最適な前記勤務シフトが生成できなかった場合、前記勤務シフト生成時間経過時における最良な前記勤務シフトを前記最適な勤務シフトとする。
【0050】
研修勤務シフト調整部m9は、生成した前記勤務シフトにおいて、前記研修情報にかかる研修を設定できなかった場合、生成した前記研修情報を取り消す。研修勤務シフト調整部m9は、生成した前記勤務シフトにおいて、前記介護職員に対して決定した前記研修実施日が、前記介護職員の勤務日となった場合、生成した前記研修情報を取り消す。
【0051】
評価調整部m11は、前記評価情報は、さらに、前記研修情報に係る研修に対応する前記評価項目について、前記介護職員と前記研修に対する評価とが関連付けられており、前記評価情報において、前記研修に対する評価が所定以上の評価である場合、前記研修に対応する前記評価項目の評価を上昇させる。
【0052】
キャリアパス段階判断部m13は、キャリアパスの段階と関連付けられた前記評価項目に対する前記評価から、前記介護職員が、前記キャリアパスのどの前記段階に位置するのかを判断する。
【0053】
研修通知部m15は、前記研修情報の前記研修実施日の前に、前記介護職員に、前記研修内容及び前記研修実施日を通知する。研修通知部m15は、さらに、前記研修情報の前記再研修実施日の前に、前記介護職員に、前記研修内容及び前記研修実施日を通知する。
【0054】
これにより、介護職員に対して、研修が必要な評価項目について研修を設定できるとともに、研修実施日には勤務シフトにおいて勤務不可能日とすることができる。つまり、研修実施日を考慮したシフトを生成することができるため、日々の業務をこなしながら、介護職員にキャリアパスを形成させることができる。
【0055】
第2 構成
介護職員キャリアパス形成システム100の構成について
図2を用いて説明する。介護職員キャリアパス形成システム100は、研修計画生成装置110、シフト生成装置130、及び、データ保持装置150を有している。研修計画生成装置110、シフト生成装置130、及び、データ保持装置150は、互いにネットワークで接続されており、データの送受信を行うことができる。
【0056】
以下において、研修計画生成装置110、シフト生成装置130、データ保持装置150の構成について説明する。
【0057】
1.研修計画生成装置110の構成
研修計画生成装置110は、介護事業所に属するスタッフに対する研修計画を生成する装置である。なお、研修計画生成装置110では、座学を中心とした、いわゆる集合研修、及び、OJT(On the Job Training)を実施するOJT研修に対する研修計画を生成する。研修計画生成装置110のハードウェア構成について
図3を用いて説明する。
【0058】
研修計画生成装置110は、CPU111、メモリ112、ハードディスクドライブ(HDD)113、キーボード、マウス等の入力装置114、通信回路115、LCD等の表示装置116、及び、光学式ドライブ117を有している。
【0059】
CPU111は、HDD113に記録されている研修計画生成プログラムに基づいた処理を行う。メモリ112は、CPU111に対して作業領域を一時的に提供する。HDD113は、OS、研修計画生成プログラム等その他のアプリケーション及び各種データを記録保持する
【0060】
入力装置114は、外部からの命令を受け付ける。通信回路115は、シフト生成装置130、データ保持装置150等の外部の通信機器とデータの送受信を行う。表示装置116は、ユーザーインターフェイス等の画像情報を表示する。光学式ドライブ117は、研修計画生成プログラムが記録されている光学式メディア119から研修計画生成プログラムを、また、他の光学式メディアからその他のアプリケーションのプログラムを読み取る等、光学式メディアからデータを読み取る。
【0061】
2.シフト生成装置130の構成
シフト生成装置130は、介護事業所に属するスタッフの所定期間における勤務、いわゆる勤務シフトを生成する装置である。シフト生成装置130のハードウェア構成について
図4を用いて説明する。
【0062】
シフト生成装置130は、CPU131、メモリ132、ハードディスクドライブ(HDD)133、キーボード、マウス等の入力装置134、通信回路135、LCD等の表示装置136、及び、光学式ドライブ137が接続されている。
【0063】
CPU131は、ハードディスク133に記録されているオペレーティングシステム(OS)、シフト生成プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。メモリ132は、CPU131に対して作業領域を提供する。ハードディスク133は、OS、シフト生成プログラム等その他のアプリケーション及び各種データを記録保持する。
【0064】
入力装置134は、外部からの命令を受け付ける。通信回路135は、研修計画生成装置110、データ保持装置150等の外部の通信機器とデータの送受信を行う。表示装置136は、ユーザーインターフェイス等の画像情報を表示する。光学式ドライブ137は、シフト生成プログラムが記録されている光学式メディア139からシフト生成プログラムを、また、他の光学式メディアからその他のアプリケーションのプログラムを読み取る等、光学式メディアからデータを読み取る。
【0065】
3.データ保持装置150の構成
データ保持装置150は、研修計画生成装置110及びシフト生成装置130が用いる各種データ、及び、両装置が生成するデータを保持する装置である。データ保持装置150のハードウェア構成について
図5を用いて説明する。
【0066】
データ保持装置150は、CPU151、メモリ152、ハードディスクドライブ(HDD)153、キーボード、マウス等の入力装置154、通信回路155、LCD等の表示装置156、及び、光学式ドライブ157が接続されている。
【0067】
CPU151は、ハードディスク153に記録されているオペレーティングシステム(OS)、データ保持プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。メモリ152は、CPU151に対して作業領域を提供する。ハードディスク153は、OS、データ保持プログラム等その他のアプリケーション及び各種データを記録保持する。データ保持装置150がHDD153に保持するデータについては後述する。
【0068】
入力装置154は、外部からの命令を受け付ける。通信回路155は、研修計画生成装置110、シフト生成装置130等の外部の通信機器とデータの送受信を行う。表示装置156は、ユーザーインターフェイス等の画像情報を表示する。光学式ドライブ157は、データ保持プログラムが記録されている光学式メディア159からデータ保持プログラムを、また、他の光学式メディアからその他のアプリケーションのプログラムを読み取る等、光学式メディアからデータを読み取る。
【0069】
第3 データ
データ保持装置150が保持する各種データについて説明する。
【0070】
1.評価項目DB
評価項目DBとは、スタッフを評価する際の項目を記述したデータベースである。評価項目DBのデータ構造について、
図6を用いて説明する。
【0071】
評価項目DBは、評価項目ID列、評価項目分類列、評価項目列、及びレベル列を有している。評価項目ID列には、評価項目を一意に特定する識別番号が記述される。評価項目分類列には、評価項目ID列に記述される評価項目IDで特定される評価項目の名前が記述される。評価項目列には、評価項目の詳細が記述される。
【0072】
レベル列には、評価項目が対象とするスタッフのレベルが記述される。スタッフのレベルとは、評価項目に対する習熟度や理解度によって、各スタッフに付与するキャリアパス上のランクである。レベルについては後述する。
【0073】
図6においては、例えば、評価項目「出勤時間、約束時間などの5分前には到着しているか。」は、評価項目ID「A0001」であり、評価項目分類「社会性」に属し、レベル「A」のスタッフを対象としていることを示している。
【0074】
2.スタッフDB
スタッフDBとは、事業所に所属するスタッフを登録したデータベースである。スタッフDBのデータ構造について、
図7を用いて説明する。
【0075】
スタッフDBは、スタッフID列、名前列、レベル列、総合評価点列、及び、勤務可能勤務形態列を有している。スタッフID列には、スタッフを一意に特定する識別番号が記述される。名前列には、スタッフID列に記述されるスタッフIDで特定されるスタッフ(以下、対象スタッフ)の名前が記述される。
【0076】
レベル列には、対象スタッフが属するレベルが記述される。レベルは、キャリアパスを所定数の段階に分割したランクをいう。スタッフは、レベルによって、キャリアパスのどの段階にいるのかを知ることができる。レベルは、後述する評価点に連動して決定される。なお、本実施例における介護職員キャリアパス形成システム100では、キャリアパスの導入段階である「A」〜キャリアパスの最終段階である「E」の5段階のレベルを設定している。
【0077】
総合評価点列には、対象スタッフが取得している総合評価点が記述される。総合評価点は、
図6に示す評価項目毎に、スタッフの理解度、習熟度に基づいて与えられる評価点(
図9参照)の合計点数から算出するキャリアパス上の点数である。本実施例においては、評価項目毎に、評価項目の習熟度、理解度が高い順に「2」点、「1」点、「0」点の評価点が与えられる。総合評価点は、各評価項目の評価点を合計し、合計した評価点を、スタッフが位置するレベルによって所定の比率で換算することによって算出する。本実施例においては、
図8に示すように、レベルに関係なく、キャリアパスを通した総合評価点を設定している。キャリアパスにおける総合評価点「0点」〜「50点」までがレベル「A」に、総合評価点「50点」〜「70点」までがレベル「B」に、総合評価点「70点」〜「80点」までがレベル「C」に、総合評価点「80点」〜「90点」までがレベル「D」に、総合評価点「90点」〜「100点」までがレベル「E」に、それぞれ対応する。
【0078】
キャリアパスにおいて一連の総合評価点とするために、各レベルにおいて、評価項目の評価の結果として得られた評価点を加算した評価点の合計を、対象スタッフが、レベル「A」に属していれば、満点「50点」に換算して、総合評価点を算出する。
【0079】
このようにキャリアパスを横断する総合評価点を採用することによって、キャリアパスのどの段階にいるのかをスタッフが容易に把握できる。また、介護業界においては、キャリアパスの導入段階である「A」レベルのスタッフが多いため、「A」レベルにおけるキャリアパスの進捗が早くなるようにスタッフに見せることによって、「A」レベルのスタッフのモチベーションを維持することができる。
【0080】
図7に戻って、勤務可能勤務形態列には、スタッフが勤務可能な勤務形態が記述される。例えば、勤務形態として「夜勤(午後4:00〜午前12:00)」、「明け(午前12:00〜午前8:00)」、「早出(午前6:00〜午後2:00)」、「遅出(午後12:00〜午後8:00)」、「日勤(午前9:00〜午後5:00)」が設定されている場合、「早出」、「遅出」、「日勤」の勤務形態でのみ勤務可能かスタッフについては、勤務可能勤務形態列に、「早出」、「遅出」、「日勤」と記述される。
【0081】
図7においては、例えば、スタッフID「0001」のスタッフは、名前「甲1」であり、「A」レベルに属し、「35点」の総合評価点を得ており、勤務可能な勤務形態は「夜勤」、「明け」、「早出」、「遅出」、「日勤」であることを示している。
【0082】
3.スタッフ評価DB
スタッフ評価DBとは、事業所に所属するスタッフを、評価項目に基づき評価したデータを登録したデータベースである。スタッフ評価DBのデータ構造について、
図9を用いて説明する。
【0083】
スタッフ評価DBは、スタッフID列、レベル列、評価項目ID列、評価列、及び、OJT評価列を有している。スタッフID列には、評価対象のスタッフ(対象スタッフ)のスタッフIDが記述される。レベル列には、対象スタッフのレベルが記述される。なお、レベル列に記述されるレベルの値は、スタッフDBにおける対象スタッフのレベルと同一となる。
【0084】
評価項目ID列には、評価項目DBにおける評価項目IDが記述される。なお、評価項目IDとしては、対象スタッフが属するレベル以下に対応する評価項目の評価項目IDが記述される。例えば、レベル「B」のスタッフについては、レベル「A」、「B」に対応する評価項目の評価項目IDが記述される。
【0085】
評価列には、評価項目IDの評価項目に対する評価が記述される。評価列は、さらに、自己列、1次列、2次列、及び評価点列を有している。自己列には、評価項目IDの評価項目に対する自己評価が記述される。1次列には、評価項目IDの評価項目に対する1次評価者の評価が記述される。2次列には、評価項目IDの評価項目に対する2次評価者の評価が記述される。ここで、1次評価者、2次評価者とは、評価対象であるスタッフを評価するスタッフをいい、それぞれ別のスタッフが割り当てられる。複数の評価者による評価を採用することによって、客観的な評価を担保するものである。評価点列には、評価項目IDの評価項目に対する評価点が記述される。
【0086】
各評価者による評価点に対して、各評価者の評価をどの程度、評価点の算出に反映させるかを示す比率を勘案して、評価項目に対する評価点を算出する。なお、各評価者の評価を反映させる比率については、後述する評価者評価比率テーブルを用いる。
【0087】
図9においては、例えば、評価項目ID「A002」の評価項目に対して、自己評価「2点」、1次評価者による評価「2点」、2次評価者による評価「0点」が与えられるため、2点×0.2+2点×0.5+0点×0.3=1.4点を評価点として算出する。
【0088】
OJT評価列には、OJTを実施した際に、OJTで行った評価項目に対するOJT実施者による評価が記述される。OJT評価列は、さらに、1次列、2次列を有している。1次列には、評価項目IDの評価項目に対する1次OJT評価者の評価が記述される。2次列には、評価項目IDの評価項目に対する2次OJT評価者の評価が記述される。1次OJT評価者、2次OJT評価者の評価については、後述する。
【0089】
4.評価者評価比率テーブル
評価項目分類比率テーブルとは、評価項目の評価点を算出する際に、評価者の評価をどの程度の比率で反映させるかを記述したテーブルである。評価者評価比率テーブルのデータ構造について、
図10を用いて説明する。
【0090】
評価者評価比率テーブルは、評価者列及び比率列を有している。評価者列には、評価項目に対するスタッフの評価を実施する者が記述される。ここでは、「自己」、「1次」、「2次」が設定されている。「自己」とは、自己評価を意味する。「1次」、「2次」とは、それぞれ1次的に、2次的に評価する者を意味する。比率列には、評価者列で特定される評価者の評価をどの程度、評価点の算出に反映させるのかを示す比率が記述される。
図10においては、自己評価による評価は20%の比率で、1次評価者による評価は50%の比率で、2次評価者による評価は30%の比率で、それぞれ評価点の算出に反映される
【0091】
5.集合研修DB
集合研修DBとは、介護人材の育成に利用する集合研修のデータを登録したデータベースである。集合研修DBのデータ構造について、
図11を用いて説明する。
【0092】
集合研修DBは、集合研修ID列、集合研修名列、対象レベル列、及び、実施日列を有している。集合研修ID列には、集合研修を一意に特定する識別番号が記述される。集合研修名列には、集合研修の名前が記述される。対象レベル列には、集合研修が対象とするスタッフのレベルが記述される。実施日列には、集合研修を実施する日付が記述される。
【0093】
図11においては、集合研修名「社会性」、対象とするスタッフのレベル「A」、実施日「7月10日〜7月12日」の集合研修が、集合研修ID「0001」に登録されている。
【0094】
6.重要度算出比率テーブル
ここで、重要度算出比率テーブルについて、
図12を用いて説明する。重要度算出比率テーブルとは、スタッフが優先的に受講する集合研修を算出するために用いるテーブルである。重要度算出比率テーブルにおいて、各評価項目分類に属する評価項目を、事業所としてどの程度重視するのか、その比率を記述したテーブルである。重要度算出比率テーブルは、評価項目分類列、及び、比率列を有している。評価項目分類列には、評価項目分類の名称が記述される。比率列には、評価項目分類列に記述された評価項目分類に属する評価項目を、事業所として重視する比率が記述される。
【0095】
図12では、評価項目分類「社会性」に属する評価項目は、全ての評価項目に対して、20%の比率で重視することを示している。
【0096】
7.スタッフ配置テーブル
スタッフ配置テーブルとは、所定期間における勤務形態において、各勤務形態に対して割り当てるスタッフの人数を記述したテーブルである。
図13に、所定期間を1週間とした場合のスタッフ配置テーブルを示す。
図13に示すスタッフ配置テーブルでは、勤務形態「夜勤」、「明け」、「早出」、「遅出」、「日勤」が存在し、例えば、日曜日には「夜勤」に1人、「明け」に1人、「早出」に1人、「遅出」に1人、「日勤」に3人が割り当てられることを示している。
【0097】
8.基本シフト条件テーブル
基本シフト条件テーブルとは、シフトを作成する際の基本的な条件を記述したテーブルである。基本シフト条件テーブルのデータ構造について、
図14を用いて説明する。基本シフト条件テーブルは、基本シフト条件ID列、シフト条件内容列、及び、重要度列を有している。基本シフト条件ID列には、基本シフト条件を一意に特定する識別子が記述される。シフト条件内容列には、基本シフト条件の内容が記述される。
【0098】
重要度列には、基本シフト条件ID列で特定される基本シフト条件を、どの程度勤務シフトに反映させるのかを示す重要度が記述される。本実施例においては、重要度として、「重要度1」、「重要度2」、「重要度3」が設定されている。重要度1から重要度3になるに従って、勤務シフトへの反映の度合いが低くなる。なお、重要度は、勤務シフトを生成する際の達成率の算出において利用される。達成率については後述する。
【0099】
図14では、基本シフト条件ID「0001」の基本シフト条件は、「(各スタッフの)連続勤務は5日までとする」ことをシフト条件内容とし、重要度は「重要度1」であることを示している。
【0100】
9.集合研修シフト条件テーブル
集合研修シフト条件テーブルとは、スタッフの集合研修計画を記述したテーブルであり、シフトを作成する際に用いられるものである。集合研修シフト条件テーブルは、研修計画生成装置110が生成し、データ保持装置150に提供した後、データ保持装置150が保持する。
【0101】
集合研修シフト条件テーブルのデータ構造について、
図15を用いて説明する。集合研修シフト条件テーブルは、実施日列、集合研修ID列、対象レベル列、対象スタッフID列、及び、重要度列を有している。実施日列には、集合研修を実施する日付が記述される。集合研修ID列には、集合研修を一意に特定する識別子が記述される。対象レベル列には、集合研修が対象とするスタッフのレベルが記述される。対象スタッフID列には、実施日列、集合研修ID列、レベル列のそれぞれの値で特定される集合研修を受講するスタッフのスタッフIDが記述される。なお、集合研修シフト条件テーブルの一のレコードにおける実施日列、集合研修ID列、対象レベル列のそれぞれの値は、集合研修DBにおける実施日列、集合研修ID列、対象レベル列、それぞれの対応する値と同じものが記述される。
【0102】
重要度列には、集合研修ID列で特定される集合研修シフト条件を、どの程度勤務シフトに反映させるのかを示す重要度が記述される。重要度については、基本シフト条件テーブルにおける重要度と同様である。なお、本実施例においては、集合研修シフト条件テーブルで設定するシフト条件については、重要度として「重要度1」が設定される。これにより、集合研修シフト条件テーブルに設定した集合研修については、できるだけ勤務シフトに反映させることができる。
【0103】
図15においては、例えば、実施日「9月22日」、集合研修ID「0004」、対象レベル「A」、重要度「重要度1」の集合研修を、スタッフID「0001」のスタッフが受講することが記述されている。
【0104】
10.OJTシフト条件テーブル
OJTシフト条件テーブルとは、スタッフのOJT計画を記述したテーブルであり、シフトを作成する際に用いられるものである。OJTシフト条件テーブルは、研修計画生成装置110が生成し、データ保持装置150に提供した後、データ保持装置150が保持する。
【0105】
OJTシフト条件テーブルのデータ構造について、
図16を用いて説明する。OJTシフト条件テーブルは、OJTの実施日をシフトに反映させる際の条件を記述したテーブルである。OJTシフト条件テーブルは、実施日列、OJTID列、対象スタッフID列、対象講師スタッフID列、対象レベル列、及び、重要度列を有している。
【0106】
実施日列には、OJTを実施する日付が記述される。OJTID列には、OJTを一意に特定する識別子が記述される。対象スタッフID列には、OJTを受講するスタッフのスタッフIDが記述される。対象講師スタッフID列には、OJTを実施するスタッフ、つまり講師スタッフのスタッフIDが記述される。対象レベル列には、OJTの実施レベルが記述される。対象レベル列に記述されるレベルは、OJTを受講するスタッフ、つまり対象スタッフID列に記述されるスタッフIDで特定されるスタッフのレベルが記述される。
【0107】
重要度列には、OJTID列で特定されるOJTシフト条件を、どの程度勤務シフトに反映させるのかを示す重要度が記述される。重要度については、基本シフト条件テーブルにおける重要度と同様である。なお、本実施例においては、OJTシフト条件テーブルで設定するシフト条件については、重要度として「重要度1」が設定される。これにより、OJTシフト条件テーブルに設定したOJTについては、できるだけ勤務シフトに反映させることができる。
【0108】
図15においては、例えば、実施日「7月3日」に、スタッフID「0001」のスタッフを対象に、スタッフID「0003」のスタッフを行使として、レベル「A」のOJTが実施されることが記述されている。
【0109】
第4 研修計画生成処理
研修計画生成装置110のCPU111が、研修計画生成プログラムに基づき実行する研修計画生成処理について、
図17〜
図20を用いて説明する。研修計画生成プログラムは、介護職員キャリアパス形成システム100の使用者が、各スタッフの弱点を分析し、弱点を克服できるように支援するOJT及び集合研修に関する研修計画を作成し、勤務シフトに研修計画を反映させるためのプログラムである。
【0110】
図17に示すように、研修計画生成装置110のCPU111は、使用者から研修計画の作成指示を取得すると(S1301)、データ保持装置150が保持するスタッフDBから、あるスタッフを対象スタッフとして、対象スタッフに関するスタッフIDを対象スタッフIDとして取得する(S1303)。CPU111は、データ保持装置150が保持するスタッフ評価DBから、対象スタッフIDに対応するレコードを対象スタッフ評価レコードとして取得する(S1305)。
【0111】
CPU111は、取得した対象スタッフ評価レコードを用いて、集合研修シフト条件生成処理(S1307)、及び、OJTシフト条件生成処理(S1309)を実行する。
【0112】
CPU111は、全ての対象スタッフについて、ステップS1301〜ステップS1303の処理を実行する(S1311)。
【0113】
1.集合研修シフト条件生成処理
CPU111が実行する集合研修シフト条件生成処理について、
図18を用いて説明する。
【0114】
また、CPU111は、評価項目DBの一の評価項目分類を対象評価項目分類として、対象評価項目分類に属する一の評価項目の評価項目IDを取得し(S1501)、ステップS1305で取得した対象スタッフ評価レコードから、取得した評価項目IDに対応する評価点を全て取得する(S1503)。CPU111は、取得した評価点に基づき、評価項目分類平均評価点を算出する(S1505)。ここで、評価項目分類平均評価点は、取得した全ての評価点を加算した上で、対象評価項目分類に属する評価項目の数で除算することによって算出する。つまり、評価項目分類平均評価点は、一の評価項目分類に関する評価点の平均点となる。CPU111は、評価項目DBの全ての評価項目分類について、ステップS607〜ステップS611の処理を実行する(S1507)。
【0115】
ステップS1501〜ステップS1507において算出した評価項目分類平均評価点を、「社会性」、「実行力」、「介護技術基礎」、「介護技術応用」、「メンタルヘルス」、及び「生活援助」を軸としたて表示したレーダーチャートを
図19に示す。
図19における実線が、あるスタッフの各評価項目分類の評価項目分類平均評価点に関するレーダーチャートを示している。実線により形成された多角形から、このスタッフについては、介護技術応用、介護技術基礎といった評価項目分類に属する評価項目について評価が相対的に低いことがわかる。
【0116】
図18に戻って、CPU111は、算出した各評価項目分類の評価項目分類平均評価点を比較し、点数の高いものから順に「1」から始まるランキングを集合研修の評価項目分類ランキングとして、各評価項目分類に付与する(S1509)。
【0117】
図19においては、レーダーチャートの評価軸に沿って配置されている四角囲いの番号が集合研修の評価項目分類ランキングを示している。
図19に示すように、評価項目分類平均評価点が最も高い評価項目分類「社会性」が集合研修の評価項目分類ランキング「1」となり、評価項目分類平均評価点が最も低い評価項目分類「介護技術応用」が集合研修の評価項目分類ランキング「6」となる。
【0118】
図18に戻って、CPU111は、重要度算出比率テーブルから、一の評価項目分類に対応する比率を取得する(S1511)。CPU111は、集合研修の評価項目分類ランキングの値と、重要度算出比率テーブルにおける比率とを乗算した値を、評価項目分類の重要度として算出する(S1513)。CPU111は、全ての評価項目分類についてステップS1511、ステップS1513の処理を実行する(S1515)。
【0119】
そして、CPU111は、算出した各評価項目分類の重要度を比較し、点数の高いものから順に「1」から始まるランキングを、重要度ランキングとして各評価項目分類に付与する(S1517)。
【0120】
CPU111は、重要度ランキングの値が小さい評価項目分類から順に対象評価項目分類として、集合研修DBから、対象評価項目分類に属するレコードを対象集合研修レコードとして取得する(S1519)。CPU111は、取得した対象集合研修レコードと対象スタッフとを関連付けて、集合研修シフト条件テーブル(
図15参照)に記録する(S1521)。
【0121】
CPU111は、全ての対象評価項目分類についてステップS1519、ステップS1521の処理を実行する(S1523)。
【0122】
2.OJTシフト条件生成処理
CPU111が実行するOJTシフト条件生成処理について、
図20を用いて説明する。CPU111は、集合研修シフト条件生成処理におけるステップS1501〜ステップ151507において算出した評価項目分類平均評価点を比較し、点数の低いものから順に「1」から始まるランキングをOJTの評価項目分類ランキングとして、各評価項目分類に付与する(S1601)。
【0123】
図19においては、レーダーチャートの評価軸に沿って配置されている星囲いの番号がOJTの評価項目分類ランキングを示している。
図19に示すように、評価項目分類平均評価点が最も低い評価項目分類「介護技術応用」がOJTの評価項目分類ランキング「1」となり、評価項目分類平均評価点が最も高い評価項目分類「社会性」がOJTの評価項目分類ランキング「6」となる。
【0124】
図20に戻って、CPU111は、OJTの評価項目分類ランキングの値が小さいものから順に、OJT対象評価項目分類に設定する(S1603)。CPU111は、スタッフDBから、対象スタッフより上位のレベル、かつ、OJT講師レベル以上のレベルを有するスタッフを、OJT講師スタッフとして任意に抽出する(S1605)。なお、OJT講師レベルについては、予め設定しておく。例えば、レベル「C」以上のスタッフをOJT講師スタッフとする。
【0125】
CPU111は、集合研修シフト条件テーブルから対象スタッフに関するレコードを対象集合研修シフト条件レコードとして取得する(S1607)。CPU111は、取得した対象集合研修シフト条件レコードから、実施日を取得し(S1609)、実施日以外の任意の日付をOJT実施日とする(S1611)。CPU111は、抽出したOJT講師スタッフ、OJT対象評価項目分類、対象スタッフ、及びOJT実施日を関連付けて、OJTシフト条件テーブルに記録する(S1613)。
【0126】
CPU111は、対象スタッフについて、OJTシフト条件テーブルに、最大OJT実施回数より少ないシフト条件が記録されていれば、ステップS1603〜ステップS1613の処理を実行する(S1615)。一方、CPU111は、対象スタッフについて、最大OJT実施回数より少ないシフト条件が記録されていない場合、つまり、最大OJT実施回数以上のシフト条件が記録されている場合には、これ以上のシフト条件の記録を行わない。なお、最大OJT実施回数は、シフト生成期間において実施されるOJTの回数の最大値であり、予め設定しておく。
【0127】
なお、集合研修シフト条件テーブル、及び、OJTシフト条件テーブルから、所定のスタッフに関するレコードを抽出することによって、対象とするスタッフの研修計画を作成することができる。例えば、
図21に示すように、スタッフID「0001」のスタッフについて、
図15に示す集合研修シフト条件テーブル、及び、
図16に示すOJTシフト条件テーブルから関連するデータを抽出し、時系列で表示することによって、研修計画を容易に理解できる。
【0128】
第5 シフト生成プログラムの処理
1.シフト生成の概要
シフト生成装置130のCPU131が実行するシフト生成処理の概要について、
図22を用いて説明する。シフト生成装置130のシフト生成処理では、いわゆる遺伝的アルゴリズムの考え方を応用している。ここで、遺伝的アルゴリズムとは、解の候補を遺伝子で表現した「個体」を複数用意し、適応度の高い個体を優先的に選択して、交叉(組み換え・突然変異などの操作を繰り返しながら、解を探索するものである。
【0129】
シフト生成処理では、
図22に示すように、2つの親シフトPF1、PF2を利用する。親シフトPF1、PF2のそれぞれに対して、基本シフト条件テーブルに登録されている基本シフト条件の数だけ、子予定シフトCF11〜CF1x、CF21〜CF2xが生成される。子予定シフトCF11〜CF1xは、親シフトPF1に対して、1つの基本シフト条件を満たす方向に、いずれか1つのシフト枠のスタッフを入れ替える。子予定シフトCF21〜CF2xについても同様である。
【0130】
例えば、
図14に示す基本シフト条件テーブル、及び、
図13に示すスタッフ配置テーブルが存在するとして、
図23に示す勤務シフトが親シフトである場合、シフト条件ID「0004」、条件内容「遅出の後の勤務を早出としない。」の基本シフト条件に注目すると、スタッフID「0007」のスタッフの勤務シフトにおいて、6月25日「遅出」、6月26日「早出」となっているため、親シフトは、シフト条件ID「0004」のシフト条件を満足していない。
【0131】
そこで、シフト条件ID「0004」のシフト条件に関する子予定シフトを生成するにあたり、6月26日のスタッフID「0007」の勤務形態「早出」とスタッフID「0005」の勤務形態「明け」とを交叉させて、子予定シフトとして、
図24に示す勤務シフトを生成したとする。この場合、スタッフID「0004」に関するシフト条件「0004」は満足できることになる。なお、
図24の子予定シフトにおいては、スタッフID「0005」のスタッフについては、シフト条件ID「0002」、条件内容「夜勤の後の勤務を明けとする」の基本シフト条件を満足しない。
【0132】
また、シフト条件ID「0004」のシフト条件に関する子予定シフトを生成するにあたり、6月26日のスタッフID「0007」の勤務形態「早出」とスタッフID「0011」の勤務形態「休み」とを交叉させて、子予定シフトとして、
図25に示す勤務シフトを生成したとする。この場合、スタッフID「0004」に関するシフト条件「0004」は満足できることになる。なお、
図25の子予定シフトにおいては、スタッフID「0011」のスタッフについては、シフト条件ID「0001」、条件内容「連続勤務は、5日までとする」の基本シフト条件を満足しない。
【0133】
さらに、シフト条件ID「0004」のシフト条件に関する子予定シフトを生成するにあたり、6月26日のスタッフID「0007」の勤務形態「早出」とスタッフID「0010」の勤務形態「休み」とを交叉させて、子予定シフトとして、
図26に示す勤務シフトを生成したとする。この場合、スタッフID「0004」に関するシフト条件「0004」は満足できることになる。なお、
図26の子予定シフトにおいては、その他の全ての基本シフト条件を満足している
【0134】
1つのシフト条件に着目して親シフトから子予定シフトを生成する際には、前述のように複数の子予定シフトを想定できる。子予定シフトを生成する時点では、生成後の子予定シフトについて他のシフト条件を満たしているか否を判断しないため、任意のいずれか1つを子予定シフトとすることになる。
【0135】
また、親シフトPF1、PF2に対して、シフトにおけるスタッフの勤務回数を均等に近づける勤務回数均等化処理を実行した子予定シフトCF1n、CF2nを生成し、それぞれ、子予定シフトCF11〜CF1x、及び、子予定シフトCF21〜CF2xに追加する。勤務回数均等化処理については、後述する。
【0136】
さらに、親予定シフトPF1、PF2に対して、各勤務日において勤務するスタッフのレベルを、ある程度、統一する勤務スタッフレベル調整処理を実行した子予定シフトCF1l、CF2lを生成し、それぞれ、子予定シフトCF11〜CF1x、CF1n及び、子予定シフトCF21〜CF2x、CF2n、CF2rに追加する。勤務スタッフレベル調整処理については、後述する。
【0137】
さらに、親予定シフトPF1、PF2に対して、任意の数のシフト枠を抽出し、抽出したシフト枠に設定されているスタッフを任意の他のスタッフに入れ替えた子予定シフトCF1r、CF2rを生成し、それぞれ、子予定シフトCF11〜CF1x、CF1n、及び、子予定シフトCF21〜CF2x、CF2nに追加する。このように、任意のシフト枠のスタッフを任意の他のスタッフで入れ替えるシフトを生成することによって、最適シフトが局所的最適解に陥ることを防止することができる。
【0138】
このように、1つの親シフトPF1から、基本シフト条件テーブルに登録されている基本シフト条件の数+3の子予定シフトCF11〜CF1x、CF1n、CF1r、CF1lが生成される。親予定シフトPF2についても同様である。生成した子予定シフトCF11〜CF1x、CF1n、CF1r、CF1l、CF21〜CF2x、CF2n、 CF2r、CF2lのそれぞれに対して、達成度を算出する。達成度については、後述する。
【0139】
算出した達成度が最も高い値の子予定シフトを最適シフト候補とする。ここで、最適シフト候補を生成する際に算出した達成度が基準達成度以上である場合、その最適シフト候補を最適シフトとする。最適シフト候補を生成する際に算出した達成度が基準達成度に満たない場合、最適シフト候補を新たに親シフトPF1に設定する。また、最適シフト候補とした子予定シフト以外の子予定シフトから任意の1つを、新たに親シフトPF2に設定する。新たに設定した親シフトPF1、PF2を用いて、最適シフトを生成する。また、最適シフト候補を生成した際に、予め定められている最大シフト生成時間に到達している場合には、その時点の最適シフト候補を最適シフトとする。
【0140】
最適シフト候補を生成する際に算出した達成度が予め設定された基準達成度に到達しておらず、かつ、最適シフト候補を生成した際に、最大シフト生成時間に到達していない場合には、最適シフト候補を新たに親シフトPF1に設定し、また、子予定シフトCF1nを、新たに親シフトPF2に新たに設定する。そして、新たに設定した親シフトPF1、PF2を用いて、最適シフトを生成していく。
【0141】
なお、シフト生成処理の最初においては、任意にスタッフをシフト枠に配置したシフトを親シフトPF1として、最適シフトを生成していく。この場合、親シフトPF2は設定しない。つまり、通常、14の子予定シフトから1つの最適シフト候補を生成するが、シフト生成処理の最初においては、7つの子予定シフトから1つの最適シフト候補を生成する。
【0142】
(1)勤務回数均等化処理
勤務回数均等化処理とは、スタッフ間の勤務回数を平均化する処理をいう。勤務均等化処理においては、例えば、週毎に必要な「日勤」のスタッフののべ数を算出し、各スタッフに割り当てる。なお、割り当てるに当たり、勤務可能形態において「日勤」の割合が高いスタッフについては、高い割合で「日勤」を割り当てる。また、「日勤」としてしか勤務しないスタッフについては、勤務日数が少なくならないように、別途、勤務日数を設定しておく。各スタッフに「日勤」を割り当てた後、「日勤」と同様にして、「夜勤」、「明け」、「遅出」、「早出」について、勤務を割り当てていく。
【0143】
例えば、
図7に示すスタッフDB、及び、
図13に示すスタッフ配置テーブルが存在し、スタッフID「0006」の「日勤」のみのスタッフについて、別途、勤務日数「9日〜10日」が設定されている場合、
図27Aに示すように、まず、各スタッフの勤務形態から「日勤」の割合を日勤比率として算出する。その後、
図27Bに示すように、「日勤」ののべ日数「21日」(図参照)から「日勤」のみのスタッフの勤務日数「9日〜10日」を減算した「日勤」の残日数「11日〜12日」を、スタッフ間の日勤比率の割合「20:20:20:20:33.33」で、割り当てる。これにより、スタッフID「0006」のスタッフの「日勤」の日数が「9日」であった場合、スタッフID「0001」〜スタッフID「0005」のスタッフの「日勤」の日数は、「2日、2日、2日、2日、4日」となり、スタッフID「0006」のスタッフの「日勤」の日数が「10日」であった場合、スタッフID「0001」〜スタッフID「0005」のスタッフの「日勤」の日数は、「2日、2日、2日、2日、3日」となる。
【0144】
その他の勤務形態も同様にして算出すると、スタッフID「0001」〜スタッフID「0006」のスタッフの各勤務形態における勤務日数は、
図27Cに示す勤務数となる。
【0145】
(2)勤務スタッフレベル調整処理
勤務スタッフ調整処理について、
図28を用いて説明する。勤務スタッフ調整処理とは、一日の勤務シフトに低い評価点のスタッフが集中しないように、勤務シフトを調整する処理をいう。
【0146】
勤務スタッフ調整処理では、一日に勤務するスタッフの評価点合計の下限を設定することによって、低い評価点のスタッフが集中的に配置されることを防止する。例えば、
図28に示すように、月曜日〜金曜日のそれぞれについては、配置されるスタッフの評価点合計350点以上とし、土曜日、日曜日のそれぞれは、評価点合計300点とすることが記述される。なお、一日に配置されるスタッフの評価点合計は、基本シフト条件として、予め基本シフト条件DBに記述しておく。
【0147】
(3)達成率
生成した勤務シフトの達成率の算出は、基本シフト条件テーブル、集合研修シフト条件テーブル、及び、OJTシフト条件テーブルのそれぞれに設定したシフト条件が、生成した勤務シフトにおいてどの程度達成されているかの度合いを示す指標である。達成率の算出には、予め設定したシフト条件毎の達成度という重みを利用する。例えば、シフト条件を勤務シフトに反映させる際の重要度として重要度1、重要度2、重要度3が存在し、重要度1のシフト条件は重要度2のシフト条件より勤務シフトに反映させるべきものであり、重要度2のシフト条件は重要度3のシフト条件より勤務シフトに反映させるべきものである場合、重要度1、重要度2、重要度3のそれぞれのシフト条件に、「3」、「2」、「1」という達成度を設定する。
【0148】
シフト条件に設定する達成度については、
図29Aに示す達成率算出テーブルに、予め設定しておく。達成率算出テーブルは、重要度列、及び、達成度列を有している。重要度列には、予め設定する重要度の種類が記述される。達成度列には、重要度列に記述される重要度に設定する達成度が記述される。
【0149】
図29Bに示すように、基本シフト条件テーブル、集合研修シフト条件テーブル、及び、OJTシフト条件テーブルのそれぞれに設定したシフト条件について、重要度1のシフト条件が5個、重要度2のシフト条件が10個、重要度3にシフト条件が15個であった場合、これらのシフト条件の達成度の合計、3×5+2×10+1×15=50を全体達成度とする。一方、生成した勤務シフトにおいて、重要度1のシフト条件が4個、重要度2のシフト条件が7個、重要度3にシフト条件が10個、それぞれ達成されていた場合、生成した勤務シフトの全体達成度は、3×4+2×7+1×10=36となる。よって、達成率は、36/50=72%と算出される。
【0150】
2.シフト生成処理
シフト生成装置130のCPU131が、シフト生成プログラムに基づき実行するシフト生成処理について、
図30を用いて説明する。CPU131は、データ保持装置150から、基本シフト条件テーブル、OJTシフト条件テーブル、集合研修シフト条件テーブルを取得する(S2001)。これにより、研修計画生成装置110によって生成されたOJTシフト条件テーブル、集合研修シフト条件テーブルに設定されたシフト条件を反映させたシフトを生成することができる。
【0151】
CPU131は、シフト生成タイマーを初期化した後(S2003)、シフト生成タイマーによる計測を開始する(S2005)。
【0152】
CPU131は、シフト枠に任意にスタッフを割り当てた親予定シフト(
図22参照)を生成する(S2007)。CPU131は、生成した親予定シフトに基づき、子予定シフトを生成する(S2009)。なお、子予定シフトの生成にあたっては、前述のシフト生成の概要に従う。
【0153】
CPU131は、作成した全ての子予定シフトに対して、達成度を算出する(S2011)。CPU131は、達成度が最も高い子予定シフトを最適シフト候補とする(S2013)。CPU131は、最適シフト候補の達成度が、予め設定された基準達成度より高い場合には、最適シフト候補を最適シフトとする(S2015)。
【0154】
一方、CPU131は、達成度が基準達成度より低い場合には、シフト生成タイマーにより計測する時間が、予め設定された最大シフト生成時間に到達しているか否かを判断する(S2017)。CPU131は、シフト生成タイマーにより計測する時間が最大シフト生成時間に到達している場合には、最適シフト候補を最適シフトとする(S2019)。
【0155】
一方、ステップS2017においてシフト生成タイマーにより計測する時間が最大シフト生成時間に到達していない場合には、CPU131は、最適シフト候補を新たな親予定シフトの1つに設定し、また、ステップS2009で生成した子予定シフトのうち、最適シフト候補にした子予定シフト以外の子予定シフトから任意の1つを選択し、もう一つの親予定シフトに設定し、ステップS2007〜ステップS2017の処理を繰り返し実行する。
【0156】
CPU131は、生成した最適シフトについて、集合研修シフト条件テーブル、及び、OJTシフト条件テーブルに記述されているシフト条件が満たされているか否かをチェックする(S2021)。CPU131は、満たされていないシフト条件が存在すると判断すると、OJTシフト条件テーブル、集合研修シフト条件テーブルを修正する(S2023)。CPU131は、満たされていないシフト条件がOJTシフト条件テーブルに記述されているものである場合には、OJTを設定できなかったと判断し、OJTシフト条件テーブルから対応するシフト条件を削除する。一方、CPU131は、満たされていないシフト条件が集合研修シフト条件テーブルに記述されているものである場合には、集合研修シフト条件テーブルから対応するシフト条件を削除する。
【0157】
第6 評価処理
OJTが終了した段階で、OJT講師スタッフは、1次評価者として、OJT後の評価項目の理解度、習熟度からOJTを受講したスタッフを評価する。なお、OJT講師スタッフは、OJT受講スタッフの評価を、所定の画面にアクセスし、表示された画面から入力する。OJT講師スタッフが入力した評価は、スタッフ評価DBのOJT評価列の1次列(
図9参照)に記述される。
【0158】
また、OJT講師スタッフとは別のスタッフを2次評価者として、OJT受講スタッフを評価する。2次評価者は、1次評価者と同様にして評価をスタッフ評価DBに入力する。2次評価者入力した評価は、スタッフ評価DBのOJT評価列の2次列(
図9参照)に記述される。
【0159】
このように、複数の評価者によってOJT後のOJT受講スタッフを評価することによって、OJT受講スタッフを客観的に評価することができる。
【0160】
1次評価者、2次評価者による評価は、「○」、「△」、「×」で入力され、順に習熟度、理解度が低くなる。1次評価者、2次評価者による評価が、共に「○」である場合には、対応する評価項目に関するスタッフ評価DBの評価列の1次列及び2次列をともに「2」に変更する。1次評価者、2次評価者による評価が、共に「○」でない場合には、スタッフ評価DBの値は変更しない。
【0161】
これにより、OJTの結果をスタッフ評価DBに即座に反映させることができる。
【0162】
第7 キャリアパス表示
介護職員キャリアパス形成システム100では、スタッフのレベルに応じて、キャリアパスを表示させることができる。
【0163】
標準的なスタッフがキャリアパスに沿って成長する際の標準キャリアパスを総合評価点に基づき設定しておく。例えば、
図31に示すように、入所時を基準に、入所後4ヶ月で総合評価点46点、8ヶ月で総合評価点62点、12ヶ月で69点、・・・、と設定しておく。 研修計画生成装置110のCPU111は、各スタッフの過去の総合評価点を記憶し、データ保存装置150に記憶しておく。CPU111は、キャリアパスの表示命令を取得すると、データ保存装置150から、対象スタッフの過去の総合評価点を取得し、標準キャリアパスと比較した上で、
図32に示すように、対象スタッフが属するレベル毎にグラフィックで表示する。
【実施例5】
【0217】
前述の実施例3に係る介護職員キャリアパス形成システム300では、OJT評価者によって、各評価項目に対する評価、OJT評価等に基づき、各スタッフの「レベル」が変更されるものであった。一方、本実施例における介護職員キャリアパス形成システム500では、各スタッフの「レベル」が各評価項目に対する評価、OJT評価等に基づき自動的に変更され、その上で、スタッフに対し最適な研修計画を生成するものである。なお、以下においては、実施例1と同様の構成については、実施例1と同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0218】
第1 機能
介護職員キャリアパス形成システム500の機能について
図50を用いて説明する。介護職員キャリアパス形成システム500は、要研修評価項目存在判断部m1、研修決定部m3、シフト条件生成部m5、勤務シフト生成部m7、研修勤務シフト調整部m9、評価調整部m11、キャリアパス段階判断部m13、研修通知部m15、追加研修情報生成部m21、追加研修設定部m23、介護職員総合評価判断部m51、及び、研修情報修正部m53を有している。
【0219】
介護職員総合評価判断部m51は、前記評価項目に対する前記介護職員の前記評価を用いて、前記総合評価を算出する。研修情報修正部m53は、算出された前記総合評価が既存の前記総合評価と異なる場合、前記総合評価における前記要研修評価項目に対する前記研修内容及び前記研修実施日を決定した修正研修情報を生成し、前記要研修評価項目に対する既存の前記研修情報を削除する。
【0220】
第2 構成
介護職員キャリアパス形成システム500の構成について
図51を用いて説明する。介護職員キャリアパス形成システム500は、研修計画生成装置110、シフト生成装置130、データ保持装置150、スタッフレベル判断装置510、及び、研修計画修正装置530を有している。スタッフレベル判断装置510、研修計画修正装置530、シフト生成装置130、及び、データ保持装置150は、互いにネットワークで接続されており、データの送受信を行うことができる。
【0221】
1.スタッフレベル判断装置510の構成
スタッフレベル判断装置510は、介護事業所に属するスタッフの「レベル」を、OJT評価等に基づき自動的に反案する装置である。スタッフレベル判断装置510のハードウェア構成について
図52を用いて説明する。
【0222】
スタッフレベル判断装置510は、CPU511、メモリ512、ハードディスクドライブ(HDD)513、キーボード、マウス等の入力装置514、通信回路515、LCD等の表示装置516、及び、光学式ドライブ517を有している。
【0223】
CPU511は、HDD513に記録されているスタッフレベル判断プログラムに基づいた処理を行う。メモリ512は、CPU511に対して作業領域を一時的に提供する。HDD513は、OS、スタッフレベル判断プログラム等その他のアプリケーション及び各種データを記録保持する。
【0224】
入力装置514は、外部からの命令を受け付ける。通信回路515は、シフト生成装置130、データ保持装置150等の外部の通信機器とデータの送受信を行う。表示装置516は、ユーザーインターフェイス等の画像情報を表示する。光学式ドライブ517は、スタッフレベル判断プログラムが記録されている光学式メディア519からスタッフレベル判断プログラムを、また、他の光学式メディアからその他のアプリケーションのプログラムを読み取る等、光学式メディアからデータを読み取る。
【0225】
2.研修計画修正装置530の構成
研修計画修正装置530は、「レベル」が変更されたスタッフに対して設定されていた研修計画を修正する装置である。なお、研修計画修正装置530では、集合研修に対する研修計画を修正する。研修計画修正装置530のハードウェア構成について
図53を用いて説明する。
【0226】
研修計画修正装置530は、CPU531、メモリ532、ハードディスクドライブ(HDD)533、キーボード、マウス等の入力装置534、通信回路535、LCD等の表示装置536、及び、光学式ドライブ537を有している。
【0227】
CPU531は、HDD533に記録されている研修計画修正プログラムに基づいた処理を行う。メモリ532は、CPU531に対して作業領域を一時的に提供する。HDD533は、OS、研修計画修正プログラム等その他のアプリケーション及び各種データを記録保持する。
【0228】
入力装置534は、外部からの命令を受け付ける。通信回路535は、シフト生成装置130、データ保持装置150等の外部の通信機器とデータの送受信を行う。表示装置536は、ユーザーインターフェイス等の画像情報を表示する。光学式ドライブ537は、研修計画修正プログラムが記録されている光学式メディア539から研修計画修正プログラムを、また、他の光学式メディアからその他のアプリケーションのプログラムを読み取る等、光学式メディアからデータを読み取る。
【0229】
第3 スタッフレベル判断処理
スタッフレベル判断装置510のCPU511が、スタッフレベル判断プログラムに基づき実行するスタッフレベル判断処理について、
図54、
図55を用いて説明する。スタッフレベル判断プログラムは、各スタッフの「レベル」を自動的に判断し、必要があればスタッフの「レベル」を変更するためのプログラムである。
【0230】
図54に示すように、スタッフレベル判断装置510のCPU511は、スタッフレベル判断時間になると(S5401)、データ保持装置150が保持するスタッフDBから、あるスタッフを対象スタッフとして、対象スタッフに関するスタッフIDを対象スタッフIDとして取得する(S5403)。スタッフレベル判断時間については、例えば、毎日の19:00として、予め、スタッフレベル判断装置510に設定しておく。CPU511は、データ保持装置150が保持するスタッフ評価DBから、対象スタッフIDに対応するレコードを対象スタッフ評価レコードとして取得する(S5405)。
【0231】
CPU511は、取得した対象スタッフ評価レコードを用いて、対象スタッフに対する個別スタッフレベル判断処理(S5409)を実行する。
【0232】
CPU511は、全ての対象スタッフについて、ステップS5403、ステップS5405、ステップS5409の処理を実行する(S5411)。
【0233】
1.個別スタッフレベル判断処理
CPU511が実行する個別スタッフレベル判断処理について、
図55を用いて説明する。
【0234】
CPU511は、取得した対象スタッフ評価レコードから、対象スタッフの現在の「レベル」を示すレベル列の値を取得する(S5501)。
【0235】
CPU511は、スタッフの現在のレベルに対応する評価項目(以下、現在レベル評価項目)を評価項目DBを用いて判断し(S5503)、対象スタッフ評価レコードから、ステップS5503で判断した現在レベル評価項目に対応する評価点を取得する(S5505)。CPU511は、取得した現在レベル評価項目の評価点の合計を算出する(S5507)。CPU511は、現在レベル評価項目における評価点の満点を算出する(S5509)。本実施例では、各評価項目の満点が「2点」としているため、評価項目の数に「2点」を乗算することによって満点を算出する。
【0236】
CPU511は、ステップS5509で算出したスタッフの現在レベル評価項目の評価点の満点に対する、ステップS5507で算出した対象スタッフの現在レベル評価項目の評価点の合計の割合を現在レベル達成率として算出する(S5511)。CPU511は、算出した現在レベル達成率が所定の条件を満たしていれば(S5513)、対象スタッフのレベルを変更する(S5515)。ここでは、所定の条件として、現在レベル達成率が80%以上であれば、対象スタッフの「レベル」を、現在のレベルから一つ上のレベルに変更する。
【0237】
CPU511は、ステップS5513において、現在レベル達成率が所定の値以上出ないと判断すると、対象スタッフのレベルを変更することなく、個別スタッフレベル判断処理を終了する。
【0238】
このように、評価項目の評価点によって、対象スタッフの「レベル」を自動で判断できる。
【0239】
第4 研修計画修正処理
研修計画修正装置530のCPU531が、研修計画修正プログラムに基づき実行する研修計画修正処理について、
図56、
図57を用いて説明する。研修計画修正プログラムは、各スタッフの「レベル」に応じた研修計画を設定するためのプログラムであり、スタッフの現在の「レベル」に対応していない集合研修が設定されている場合には、現在の「レベル」に対応する集合研修に変更するものである。
【0240】
図56に示すように、研修計画修正装置530のCPU531は、研修計画修正時間になると(S5601)、データ保持装置150が保持するスタッフDBから、あるスタッフを対象スタッフとして、対象スタッフに関するスタッフIDを対象スタッフIDとして取得する(S5603)。研修計画修正時間については、例えば、毎日の19:00として、予め、研修計画修正装置530に設定しておく。CPU531は、データ保持装置150が保持するスタッフ評価DBから、対象スタッフIDに対応するレコードを対象スタッフ評価レコードとして取得する(S5605)。
【0241】
CPU531は、取得した対象スタッフ評価レコードを用いて、対象スタッフに対する個別研修計画修正処理(S5609)を実行する。
【0242】
CPU531は、全ての対象スタッフについて、ステップS5603、ステップS5605、ステップS5609の処理を実行する(S5611)。
【0243】
1.個別研修計画修正処理
CPU531が実行する個別研修計画修正処理について、
図57を用いて説明する。
【0244】
CPU531は、取得した対象スタッフ評価レコードから、対象スタッフのレベル列の値を「現在レベル」として取得する(S5701)。
【0245】
CPU531は、対象スタッフの集合研修シフト条件テーブルを取得する(S5703)。CPU531は、集合研修シフト条件テーブルから一の集合研修を対象集合研修として、対象集合研修の集合研修ID、対象レベルを取得し(S5705)、現在レベルが取得した対象レベルより上か否かを判断する(S5707)。CPU531は、現在レベルが取得した対象レベルより上と判断すると、取得した集合研修IDに対応する集合研修名を設定集合研修名として集合研修DBから取得する(S5709)。
【0246】
CPU531は、現在レベルに属する設定集合研修名の集合研修(以下、現在レベル集合研修)が集合研修DBに存在すると判断すると、現在レベル集合研修の実施日を集合研修DBから取得する(S5711)。CPU531は、対象スタッフのシフト情報を取得し(S5713)、現在レベル集合研修の実施日にシフトが設定されているか否かを判断する(S5715)。CPU531は、現在レベル集合研修の実施日にシフトが設定されていないと判断すると、その日に現在レベル集合研修を設定すべく、対象スタッフの集合研修シフト条件テーブルに記述する(S5717)。そして、CPU511は、対象スタッフの集合研修シフト条件テーブルから、対象集合研修を削除する(S5719)。CPU531は、全ての対象集合研修について、ステップS5705〜ステップS5719の処理を実行する(S5721)。
【0247】
なお、CPU511は、ステップS5711において、現在レベルが取得した対象レベルより上でない、つまり、現在レベルが取得した対象レベルと変わらないと判断する場合や、ステップS5711において、現在レベル集合研修が集合研修DBに設定されていないと判断する場合には、対象スタッフに対する集合研修の修正を行わない。また、CPU531は、ステップS5715において、現在レベル集合研修の実施日にシフトが設定されていると判断すると、集合研修の修正を行わない。これにより、シフト優先で集合研修の修正を実施することができる。
【0248】
このように、常に現在レベルに対応する集合研修を設定できるので、「レベル」変更によるスタッフのモチベーションを維持するとともに、「レベル」変更があってもスタッフに適切な集合研修を設定することができる。
【0249】
[他の実施例]
(1)介護職員キャリアパス形成システムの構成:前述の実施例1においては、介護職員キャリアパス形成システム100を研修計画生成装置110、勤務シフト生成装置130及びデータ保存装置150によって構成するとしたが、それぞれの処理を実行できる形態であれば、例示のものに限定されない。例えば、データ保存装置150を配置せずに、研修計画生成装置110及び勤務シフト生成装置130が各種データを保持するようにしてもよい。また、研修計画生成装置110、勤務シフト生成装置130及びデータ保存装置150の各機能を有する、いわゆるスタンドアローンとしての1つの介護職員キャリアパス形成装置として構成するようにしてもよい。
【0250】
(2)キャリアパスにおけるレベル:前述の実施例1においては、キャリアパスに対して「A」〜「E」の5つのレベルを設定したが、キャリアパスにおける段階を示すものであれば例示のものに限定されない。例えば、キャリアパスをレベル「1」〜レベル「10」の10段階で表示するようにしてもよい。
【0251】
(3)集合研修、OJT:前述の実施例1においては、集合研修及びOJTの実施日を勤務シフトの生成に反映させることによって、スタッフのキャリアパスの形成を支援するとしたが、スタッフのキャリアパスの形成を支援するものであれば、例示のものに限定されない。例えば、E−learning等のオンライン教育を実施し、勤務シフトに反映させるようにしてもよい。
【0252】
(4)評価項目に対する評価点:前述の実施例1においては、評価項目に対する評価点を算出するにあたり、評価者評価比率テーブルを用いて、各評価者の評価を評価点に反映させる比率を調整するとしたが、評価者間での調整を行わないようにしてもよい。
【0253】
(5)キャリアパスと総合評価点:前述の実施例1においては、キャリアパスに対して一連の総合評価点を設定するとしたが、レベル毎に総合評価点を算出するようにしてもよい。
【0254】
(6)集合研修計画シフト条件、OJTシフト条件のシフト生成への反映:前述の実施例1においては、集合研修計画シフト条件、OJTシフト条件は、そのままシフト生成装置130におけるシフト生成処理に利用されるとしたが、集合研修計画シフト条件、OJTシフト条件を、所定のスタッフによって確認し、集合研修計画シフト条件、OJTシフト条件として採用するか否かを判断できるようにしてもよい。この場合、例えば、
図33に示す画面によって、集合研修計画シフト条件、OJTシフト条件の採用、不採用を選択するようにしてもよい。このように、集合研修計画シフト条件、OJTシフト条件を採用するか否かをスタッフによって判断することによって、介護事業所での勤務状況に柔軟に対応することができる。この場合、集合研修シフト条件テーブル(
図15参照)、OJTシフト条件テーブル(
図16参照)において設定した重要度については、設定しないようにしてもいいし、特定の重要度、例えば「重要度1」に設定するようにしてもよい。
【0255】
(7)評価処理:前述の実施例1においては、評価処理において、OJTの1次評価者、2次評価者の評価が、共に、「○」であった場合には、対応する評価項目の評価点を満点である「2」とするとしたが、所定の点数、例えば「1点」を加算するようにしてもよい。この場合、1次評価者、2次評価者による評価点がすでに満点である場合には、加算しないようにする。
【0256】
(8)親シフト:前述の実施例1においては、親シフトPF1、PF2の2つの親シフトを設定した上で、最適シフトを生成するとしたが、前述の遺伝的アルゴリズムを利用して最適シフトを生成できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、3つ以上の親シフトを設定するようにしてもよい。
【0257】
(9)再OJTの実施:前述の実施例1において、OJTを実施した後、所定期間経過後に、再度、同じ内容のOJTを設定するようにしてもよい。これにより、繰り返し同じ内容のOJTを実施できるので、OJTの受講スタッフの理解をより深めることができる。
【0258】
また、再OJTは、OJTに対する1次評価者、2次評価者の評価が所定以下であった場合にのみ、設定するようにしてもよい。
【0259】
(10)集合研修、OJTの通知:前述の実施例1において、勤務シフトに反映された集合研修、OJTに関して、実施前に集合研修、OJTの受講スタッフに電子メール、SNSアプリ等の通知手段で通知するようにしてもよい。また、OJT講師スタッフにも通知するようにしてもよい。
【0260】
また、OJTの実施後、所定期間経過後に、再度、OJTを設定する際には、再度設定したOJTを実施する前に、OJT受講スタッフ、OJT講師スタッフに通知するようにしてもよい。
【0261】
(11)各種プログラムが実行するフローチャート:前述の実施例1においては、各種プログラムは、
図17、
図18、
図20、
図30に示すフローチャートに基づいて所定の処理を実行するとしたが、各種プログラムの目的を達成することができるフローチャートであれば、例示のものに限定されない。
【0262】
また、前述の実施例2、実施例3においては、各種プログラムは、
図38、
図39、
図43、
図44に示すフローチャートに基づいて所定の処理を実行するとしたが、各種プログラムの目的を達成することができるフローチャートであれば、例示のものに限定されない。
【0263】
(12)第1追加OJT設定処理、第2追加OJT設定処理:前述の実施例2においては、第1追加OJT設定処理のみを追加的に実施し、前述の実施例3においては、第2追加OJT設定処理のみを追加的に実施するとしたが、第1追加OJT設定処理及び第2追加OJT設定処理を、追加的に同時に実施するようにしてもよい。これにより、OJTの受講側、OJTの講師側、それぞれのスタッフについて、前回のシフト作成日から現在の第1、第2追加OJT設定処理の実施日までの間に実施されたOJTの成果を、第1、第2追加OJT設定処理の実施日以降のOJT研修計画に反映させることができる。つまり、スタッフに対するOJTの成果を、即座に、有効に利用することができる。
【0264】
(13)レベルを変更の条件:前述の実施例5においては、対象スタッフの「レベル」を変更する条件として、現在レベル達成率が所定の値以上か否かを用いたが、対象スタッフの評価項目の評価点を用いるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、対象スタッフの現在レベルより一つ下のレベル(以下、下位レベルとする)の評価点を、スタッフ評価DBから、取得し、下位レベルにおける達成率を下位レベル達成率として算出し、現在レベル達成率が所定の値以上か否かに加えて、下位レベル達成率が所定の値以上か否かを、対象スタッフの「レベル」を変更する条件としてもよい。現在レベル達成率が80%以上、かつ、下位レベル達成率が90%以上と、複数レベルでの達成率を「レベル」変更の条件とすることにより、下位レベルでの評価が低いまま、上位レベルへ変更することを防止できる。つまり、上位レベルに変更されたスタッフについては、下位レベルについて一定の評価を得ていることを担保することができる。