(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記規定遊技回数以内であり且つ前記規定遊技時間を越えた時に前記移行抽選に当選した時には、前記フリーズ演出と異なる態様で前記移行抽選の結果を報知するようにしたことを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施の形態)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向も、遊技者から見た場合の左方向や、右方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した状態における遊技者から見た方向を意味する。
【0019】
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0020】
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個の駆動モータ(図示せず)と、この各駆動モータによってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記駆動モータ及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させる報知手段70が形成されている。この報知手段70は、前扉14に配置されているものであって、スピーカー72と、表示装置84と、演出用ランプ78とを備えている。なお、回転リール62は、通常、遊技進行のために用いられるが、遊技の進行を停止している状態において、通常の回転動作とは異なる挙動による演出(いわゆるリール演出)を示すことにより報知手段70の一種として使用してもよい。
【0021】
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための表示デバイスであり、動画を含んだ映像の表示を行うための液晶表示装置を有する演出ユニットを構成するものである。
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0022】
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として後述するメダル投入口38からあらかじめメダルを投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
【0023】
前記メダル投入口38の下には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。この精算スイッチ36の左側には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0024】
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するマックスベットスイッチ34の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。このスタートスイッチ40の上には、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34が設けられている。なお、後述するCBB中には上記3枚投入が2枚投入に設定されている。
【0025】
なお、マックスベットスイッチ34に加えて、又はマックスベットスイッチ34に代えて、クレジットしたメダル数を1枚減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチを設けてもよい。
なお、マックスベットスイッチ34とメダル投入口28との間に、操作手段31として遊技の進行に関与しないスイッチとしてのチャンススイッチのようなものを設けてもよい。そして、この操作手段31としてのチャンススイッチを所定の契機で遊技者に1回又は所定回数以上、操作させることで所定の特典を付与するようにしてもよい。
【0026】
上述したスタートスイッチ40、ストップスイッチ50、精算スイッチ36及びマックスベットスイッチ34により、遊技者が操作可能な操作手段31を構成している。
前記前扉14の下部の後方向(奥方向)には、いわゆるホッパーユニットであって、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができる貯留払出手段24(
図3参照)と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチを有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置(図示せず)とが配置されている。
前記前扉14の下部には、所定の場合に貯留払出手段24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0027】
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、後述するメイン制御装置110の各遊技状態に対応した抽選テーブルを用いて役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組合せによって、当選した役を構成する図柄61の組合せが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組合せが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0028】
なお「有効ライン86」は後述の停止図柄判定手段150の判定対象となるラインを意味し、後述する小役の「入賞」等は有効ライン86上に役に対応した図柄61の組合せが揃うことを意味する。本実施の形態の有効ライン86は、左回転リール64、中回転リール66の中段と、右回転リール68の下段とを結んだ折れ線状の1本のみからなるものである。
図2に示すように、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の表面には、「白7」、「ベル(BEL)」、「リプレイ(REP)」、「チェリー1(CH1)」、「チェリー2(CH2)」、「スイカ1(WM1)」、「スイカ2(WM2)」、「赤バー(赤BAR)」、「青バー(青BAR)」、「ブランク(BR)」の複数の種々の図柄61が形成されている。
【0029】
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープを回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図2の図柄61の番号(コマ番号)は、回転リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御装置110と、このメイン制御装置110からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うために演出状態を制御するサブ制御装置300とを備えている。
【0030】
ここで、メイン制御装置110の制御に基づくスロットマシンの作動状態を遊技状態といい、サブ制御装置300の制御に基づくスロットマシンの作動状態を演出状態というものとする。なお、メイン制御装置110とサブ制御装置300との間は、メイン制御装置110への不正操作を防止するために、メイン制御装置110からサブ制御装置300への一方向の通信により行われ、サブ制御装置300からメイン制御装置110への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御装置110は、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及び貯留払出手段24の作動を制御する。サブ制御装置300は、メイン制御装置110から信号を入力し、表示装置84等の報知手段70の作動を制御する。サブ制御装置300の出力側には、報知手段70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0031】
なお、特に図示していないが、メイン制御装置110を有するメイン基板と、サブ制御装置300を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御装置110は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御装置300は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
メイン制御装置110及びサブ制御装置300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0032】
本実施の形態に係る遊技機10では、通常に行われる通常遊技が設けられている。この通常遊技よりも再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム(RT)状態と、ストップスイッチ50の停止操作順番や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組合せを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態とが設けられている。なお、RT状態は、メイン制御装置110により制御され、AT状態は、主にサブ制御装置300により制御される。もちろん、各状態を制御する装置(メイン制御装置110、サブ制御装置300)は、上述したものに限定されるものではなく、各状態を他方の制御装置で制御するようにしてもよく、また、部分的に一部の手段を他の制御装置で制御し、両方の制御装置に跨がって制御するようにしてもよいものである。なお、その際、サブ制御装置300からメイン制御装置110への直接的な送信は行われていないが、所定の停止操作順序をサブ制御装置300から報知して遊技者の停止操作等によりメイン制御装置110へ間接的に情報を送信することができる。上記アシストタイム(AT)状態は、通常状態よりも遊技者に利益となる特典を付与する可能性が高い特別遊技となるように形成されている。
【0033】
本実施の形態に係る通常遊技では、通常遊技中に特別遊技へ移行可能な特殊状態としてのチャンスゾーンが設けられている。この特殊状態としてのチャンスゾーンでは、毎回の遊技で特別遊技(AT)へ移行するための移行抽選が行われている。このチャンスゾーン中では、移行抽選の頻度及び移行抽選における抽選確率が、チャンスゾーン以外のときよりも特別遊技への移行可能性が高くなるように設定され、遊技者にとって有利な状態になるように設定されている。
すなわち、本実施の形態に係る遊技機10では、遊技として、通常の遊技である通常遊技と、この通常遊技中において移行するか否かの抽選(移行抽選)に当選することで移行可能であり通常遊技よりも多くの特典を付与可能な特別遊技としてのアシストタイム状態(AT状態)の遊技(AT遊技)とを備えている。
【0034】
特別遊技としてのAT遊技は、所定の開始条件を達成したときに開始可能であり、所定の終了条件を達成したときに終了可能に形成されている。具体的には、特別遊技としてのAT遊技は、役抽選の抽選結果、所定の移行役に当選した場合や、後述する移行抽選手段330により所定の移行抽選に当選した場合(なお、後述する特殊状態としてのチャンスゾーンにおいて所定の移行抽選に当選した場合も含まれる)や、最終的に成功するか又は失敗するかのいずれかとなる連続演出で成功した場合等に開始可能である。また、AT遊技は、AT中に遊技者が獲得した(遊技者に払い出された)メダルの枚数が所定の遊技枚数(いわゆる獲得規定枚数、具体的には、120枚に設定されている。もちろん当該枚数に限定されるものではない。)に到達することで終了可能なものである。
【0035】
特別遊技としてのAT遊技は、所定の移行抽選の結果に応じて実施した際に遊技者が獲得したメダルの獲得枚数(払出枚数)が獲得規定枚数に到達するまで実行可能であるが、この実行可能な獲得規定枚数は、所定の抽選により上乗せ可能に設定されている。この上乗せを決定する際には、特別遊技の獲得規定枚数に上乗せするときの演出、いわゆる上乗せ演出が実行可能であり、この上乗せ演出としては、回転リール62を用いたリール演出と、表示装置84を用いた表示演出との両方が実行可能に形成されている。
なお、これらの開始条件や終了条件に限定されるものではなく、上述したメダルの獲得枚数として払出枚数の代わりに、払い出されたメダル枚数から投入したメダルの数を引いて計算した実質的なメダルの獲得枚数である純増枚数で設定してもよい。また、AT中に実行した遊技回数が所定の遊技回数(いわゆる初期遊技可能回数や最大遊技可能回数等と称されるもの)に達する等の他の内容の条件に設定してもよいものである。すなわち、AT中の遊技回数が所定の遊技回数(いわゆる初期遊技可能回数や最大遊技可能回数)を実行することで終了可能にしてもよいものである。また、それらの条件を、遊技回数とメダルの獲得枚数とを組み合わせたものにしてもよい。
【0036】
その際には、上記上乗せでは、獲得規定枚数に上乗せされるメダルの枚数が設定される。もちろん、この上乗せに関しても、上述したようにメダルの獲得枚数ではなく、実行可能な遊技回数を上乗せするようにしてもよく、また、遊技回数とメダルの獲得枚数とを組み合わせたものにしてもよいものである。
リール演出は、回転リール62を用いた演出であって、3個の回転リール62の回転や停止、回転方向の変更、回転速度の変更、回転加速度の変更、所定図柄61を揃えた状態で回転させる等の種々の手段により行われるものである。表示演出は、液晶表示装置84である表示装置84に表示される動画像や静止画像等により行われる演出である。なお、表示演出に伴ってスピーカー72からの音声や音楽や効果音等は適宜行われる。
【0037】
特別遊技としてのAT遊技には、AT遊技の開始条件の達成により開始され繰り返し実施可能なAT中通常状態と、このAT中通常状態中により移行し、所定回数だけ繰り返し実施可能なAT中上乗せ演出状態とが設けられている(
図5参照)。
AT遊技の開始に伴ってAT中通常状態が開始されるものであり、AT中上乗せ演出状態において上乗せ演出(上乗せ遊技)が実行可能となっている。
メイン制御装置110は、役抽選手段120、リール制御手段130、停止図柄判定手段150、通常遊技制御手段160、RT制御手段170、ボーナス遊技制御手段180、特殊状態管理手段190、規定遊技回数抽選手段220、フリーズ演出制御手段230、上乗せ演出決定実行手段390、特別遊技決定手段200、獲得規定枚数カウント手段210、リール演出実行手段245、払出制御手段250、移行抽選手段330及び送信手段260の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
【0038】
なお、これらの手段、特に、特殊状態管理手段190、規定遊技回数抽選手段220、特別遊技決定手段200、獲得規定枚数カウント手段210、移行抽選手段330等は、メイン制御装置110ではなく、サブ制御装置300が有しても良い。その際、サブ制御装置300からメイン制御装置110へのデータの直接的な送信は行われていないので、そのような送信が必要な場合は、サブ制御装置300によりストップスイッチ50による停止操作の順番を報知手段70により遊技者に報知して、遊技者がその停止操作順番で停止操作すること等の間接的な伝達手段を介して、サブ制御装置300からの情報がメイン制御装置110へ伝達される。
【0039】
以上の構成をもって、メイン制御装置110は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御装置110は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段120により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。なお、本実施の形態では、後述するボーナス遊技(CBB)中のみ上記規定数が2に設定されている。
【0040】
本実施の形態では、役として、大別すると、小役(メダルの払い出しを伴う役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
【0041】
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0042】
本実施の形態に係る遊技機10では、遊技状態として、通常に行われる(一般的な遊技である)通常状態と、この通常状態において役抽選手段120の役抽選によりボーナス(CBB)に当選したにもかかわらず当該ボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止しなかった場合に、通常状態から移行する内部当選状態(具体的にはCBB当選中状態であって、RT1状態)と、この内部当選状態(CBB当選中状態、RT1状態)においてボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止した場合に移行し、通常状態よりも遊技者へ付与される利益がより大きくなり得るボーナス状態(CBB状態)とが設けられている(
図4参照)。
【0043】
ボーナス状態は、移行役としてのボーナス移行役に当選し、さらにボーナス移行役に対応した図柄61の組合せ(例えば、「青バー、赤バー、チェリー2」)が有効ライン86上に揃うと、揃った遊技の次回の遊技から開始される遊技である。
なお、ボーナス移行役は、当選時の遊技で有効ライン86上にボーナス移行役に対応する図柄61の組合せが揃わなくても、次回の遊技以降、有効ライン86上にボーナス移行役に対応する図柄61の組合せが揃うまでボーナス移行役に当選した状態が有効である。その他の役は、当選時の遊技で有効ライン86上に役に対応する図柄61の組合せが揃わなければ、次回の遊技以降は無効となる。ボーナス状態は、ボーナス状態中に遊技者へ払い出したメダルの総枚数が予め設定された枚数(具体的には26枚)を越えたときに終了する。
【0044】
本実施の形態では、ボーナス状態として、主にメイン制御装置110により制御されるチャレンジボーナス状態(CBB状態)が設けられている。チャレンジボーナス状態は、全ての小役を当選状態にすることで小役の入賞を容易にしているものである。なお、チャレンジボーナス状態中は所定の場合にストップスイッチ50の操作時から75ms以内に停止させることになっており、通常状態よりもいわゆる滑りコマ数が少なくなっている。具体的には、本実施の形態に係るチャレンジボーナス状態では、右回転リール68は、右ストップスイッチRを停止操作したときのタイミングで表示位置にある図柄61と、その図柄61の1コマ上の図柄61との2コマの範囲内の中から停止可能な、いわゆる「1コマすべり」の状態となっている。本実施の形態に係るチャレンジボーナス状態は26枚を越える払出枚数で終了する。もちろん、この終了条件は26枚に限定されるものではなく、他の枚数でもよいものである。
【0045】
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
役抽選手段120は、メイン制御装置110が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段120は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、主な分類として通常状態用、ボーナス状態(CBB状態)用、内部当選状態(CBB当選中状態)用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御装置110のROM上に記憶されている。役抽選手段120は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段120による処理は、後述するステップ113(
図9参照)において行われる。
【0046】
なお、役抽選手段120の役抽選に用いる抽選確率は、予めプログラムされた範囲内で遊技ホールの管理者により変更可能に形成されている。具体的には、その抽選確率を規定するための値である設定値を変更するための筐体12内部の設定変更スイッチ(図示せず)を操作することにより、複数の設定値(具体的には、1〜6の6個)のうちいずれか1つを選択することで前記抽選確率の変更が可能となる。本実施の形態では、1〜6の6個の設定値が設けられ、設定値の数値が大きくなるほど、抽選確率が遊技者に原則として有利となるように規定されている。
【0047】
リール制御手段130は、メイン制御装置110が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段130は、役抽選手段120の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段130は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(停止操作順番)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。リール制御手段130による処理は、後述するステップ114(
図9参照)において行われる。
【0048】
また、リール制御手段130は、遊技の進行が停止している、いわゆるフリーズ状態において、所定のリール演出を実行可能なものである。
停止図柄判定手段150は、メイン制御装置110が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。なお、停止図柄判定手段150による処理は、後述するステップ115(
図9参照)において行われる。
通常遊技制御手段160は、通常遊技の進行を制御するものである。ここで、通常遊技とは、後述するRT制御手段170によるリプレイタイム(RT)や、ボーナス遊技制御手段180によるCBB以外の遊技状態をいう。なお、通常遊技中における再遊技役の当選確率は、内部当選状態(CBB当選中状態、RT1状態)におけるリプレイタイム(RT)よりも低く設定されている。
【0049】
なお、通常遊技中であっても、特別遊技へ移行可能な特殊状態における所定内容に関しては、後述する特殊状態管理手段190が管理するように形成されている。
RT制御手段170は、本実施の形態では、リプレイタイム(RT)状態を制御するものである。
ボーナス遊技制御手段180は、ボーナス遊技、具体的には、CBB状態を制御するものである。
特殊状態管理手段190は、特殊状態としてのチャンスゾーンを管理するためのものである。この特殊状態としてのチャンスゾーンは、通常遊技中に特別遊技(AT)へ移行可能な状態であり、移行抽選の抽選確率により、特殊状態でない通常遊技中よりも特別遊技(AT)への移行可能性が高くなるように設定されている。
【0050】
ここで、後述する連続演出制御手段380により最終結果が「成功」又は「失敗」となる連続演出が実施される。連続演出制御手段380により、連続演出における最終結果が「成功」となるか否(「失敗」となる)かの抽選が行われている。当該抽選の結果、最終結果が「成功」となった場合には、特別遊技(AT)へ移行するように設定されている。連続演出制御手段380の当該抽選において「失敗」となった際、連続演出の失敗回数がカウントされる。この失敗回数が所定値(具体的には3回)に達した場合にチャンスゾーンへ移行させるための前兆遊技が行われる。この前兆遊技が終了すると、チャンスゾーンの準備状態へ移行し、この準備状態中にメイン制御装置110の遊技状態を切り換えるための押し順ナビ(ストップスイッチ50の停止操作順序(押し順)の報知)が行われる。そして、チャンスゾーン開始の直前の遊技の第3番目の停止操作(第3停止操作)後に規定遊技回数及び規定遊技時間を決定するための抽選が行われる。そして、次の遊技(チャンスゾーンの開始遊技)のスタートスイッチ40の操作により後述するタイマー手段のカウントダウンが開始されるように形成されている。
【0051】
もちろん、特殊状態へ突入させるための突入条件は、上述したものに限定されるものではなく、役抽選の所定の結果や、役抽選とは異なる他の抽選手段による抽選の結果や、所定の遊技回数の経過等の他の条件に設定してもよい
特殊状態管理手段190は、特殊状態の終了条件を、内部的には所定の遊技回数(規定遊技回数)で管理するものの、遊技者に対して報知する演出的には所定の遊技時間(規定遊技時間)で管理して報知手段70を介して表示させている。
特殊状態管理手段190は、規定遊技時間を管理するために規定遊技時間により設定された時間を0までカウントダウンするタイマー手段(もちろん、カウントダウンに限定されるものではなく、カウントアップにより0から規定遊技時間に到達するようにしてもよい)、複数の規定遊技時間を記憶するための時間記憶手段、規定遊技回数をカウントするための遊技回数カウント手段、複数の規定遊技回数を記憶するための規定遊技回数記憶手段、チャンスゾーン中に移行抽選に当選した時、現在の遊技回数が規定遊技回数以内であるか否かの判定及び現在のタイマー手段によるタイマー時間が規定遊技時間以内であるか否かの判定を行う規定内判定手段、規定遊技回数と規定遊技時間とを対応させる対応判定手段等を有する。
【0052】
本実施の形態では、特殊状態管理手段190により、規定遊技回数以内であり且つ規定遊技時間内である時に移行抽選に当選した時には、移行抽選の結果が報知され、その後、特別遊技への移行が実施される。
具体的には、規定内判定手段が、チャンスゾーン中、現在の遊技回数が規定遊技回数以内であり且つ現在のタイマー手段によるタイマー時間が規定遊技時間内である時に、移行抽選手段330による移行抽選に当選したと判定した時には、フリーズ演出制御手段230により遊技の進行を一時的に停止させるフリーズ状態を発生させて、移行抽選の結果(AT当選)をフリーズ状態の発生を介して報知する。その後、特殊状態管理手段190は、AT当選情報を送信手段260によりサブ制御装置300へ送信し、AT制御手段320が特別遊技を実施する。
【0053】
また、特殊状態管理手段190により、規定遊技回数以内であり且つ規定遊技時間を越えた時に移行抽選に当選した時には、特殊状態以外の遊技状態を介して移行抽選の結果が報知され、その後、特別遊技への移行が実施される。なお、規定遊技時間経過後は、表示装置84の演出画面も通常遊技の状態に戻っているものである。
具体的には、規定内判定手段が、規定遊技回数以内であり且つ規定遊技時間を越えた時に、移行抽選手段330による移行抽選に当選したと判定した時には、フリーズ状態を発生させず、特殊状態以外の遊技状態を介して移行抽選の結果を報知する。当該報知の態様は、具体的には、フリーズ演出とは異なる演出態様であって、チャンスゾーン以外の通常遊技で移行抽選に当選したときと同様の演出態様を表示装置84等により発生させることで移行抽選の結果(AT当選)を報知する。
【0054】
本実施の形態では、複数の規定遊技回数と、複数の規定遊技時間とが設けられ、各規定遊技回数にそれぞれ対応する規定遊技時間が設定されている。具体的には、規定遊技回数記憶手段は、複数の規定遊技回数(具体的には、8回、12回、16回)を記憶している。時間記憶手段は、複数の規定遊技時間(具体的には、30秒、40秒、60秒)を記憶している。各規定遊技回数にそれぞれ対応する規定遊技時間が設定されているものであって、規定遊技回数8回に対応して規定遊技時間30秒が設定され、規定遊技回数12回に対応して規定遊技時間40秒が設定され、規定遊技回数16回に対応して規定遊技時間60秒が設定されている。これらの規定遊技時間は、規定遊技回数を熟練者が遊技を最速で進行させても、到達できないような時間に設定されている。規定遊技回数が終了した際に規定遊技時間が残るような状態が発生しないように設定されているものである。
【0055】
特殊状態管理手段220は、後述する規定遊技回数抽選手段220により決定された規定遊技回数と、この規定遊技回数に対応する規定遊技時間とを用いるものである。具体的には、後述する規定遊技回数抽選手段220が所定の規定遊技回数を抽選により決定すると、対応判定手段が、その規定遊技回数に対応する規定遊技時間を設定する。
遊技回数カウント手段が、特殊状態としてのチャンスゾーン中に規定遊技回数から遊技を1回実行するごとに1を減算する。もちろん、遊技を1回実行するごとに、0から規定遊技回数まで、1を加算してもよい。規定遊技回数記憶手段が、カウントした現在の遊技回数を記憶する。なお、この現在の遊技回数は、報知手段70により遊技者に表示されない。
【0056】
タイマー手段が、特殊状態としてのチャンスゾーン中に規定遊技時間から時間が経過するごとにカウントダウンする。もちろん、時間が経過するごとに、0秒から規定遊技時間まで、カウントアップしてもよい。時間記憶手段が、カウントした現在の遊技時間を記憶する。この現在の遊技時間は、報知手段70により、遊技者に表示される。
規定遊技回数抽選手段220は、特殊状態としてのチャンスゾーンへの移行が決定したときに所定の契機により、複数個の規定遊技回数から1つの規定遊技回数を抽選により決定するものである。ここでの所定の契機とは、遊技者による第3番目のストップスイッチ50の停止操作のタイミングに基づくように設定されている。もちろん、この所定の契機は、これに限定されるものではなく、第2番目、第3番目の停止操作タイミングや、スタートスイッチ40の操作タイミング等の他の契機に基づいて抽選に用いる乱数を抽出するようにしてもよい。
【0057】
フリーズ演出制御手段230は、遊技の進行を一時的に停止させるフリーズ演出を実行するためのものである。
具体的には、特殊状態としてのチャンスゾーンにおいて、特殊状態管理手段190の規定内判定手段により、規定遊技回数以内であり且つ規定遊技時間内である時に移行抽選手段330の移行抽選に当選したと判定された時には、フリーズ演出制御手段230は、フリーズ演出を実行する。
また、特殊状態としてのチャンスゾーンにおいて、規定内判定手段により、規定遊技回数以内であり且つ規定遊技時間を越えた時に移行抽選手段330の移行抽選に当選したと判定された時には、フリーズ演出制御手段230はフリーズ演出を実行しない。その際、特殊状態管理手段190は、その旨の信号をサブ制御装置300に送信することで、特殊状態(チャンスゾーン)中でない通常遊技中に移行抽選に当選したときに発生する演出(フリーズ演出では無く表示装置84等を用いた一般的な演出)と同様の演出を発生させる。
【0058】
なお、このフリーズ演出中に、リール演出実行手段245により、回転リール62の回転、停止、逆回転等を組み合わせた回胴演出を実行してもよいものである。
上乗せ演出決定実行手段390は、特別遊技(AT)中のAT中通常状態において、所定の契機(具体的には、AT中通常状態の毎回の遊技におけるスタートスイッチ40の操作タイミングの契機)により、AT中上乗せ演出状態(いわゆる上乗せ遊技)へ移行するか否かの抽選による決定を行う。
上乗せ演出決定実行手段390は、AT中の上乗せ演出が実行される上乗せ遊技において、所定の契機(具体的には、上乗せ遊技中の毎回の遊技におけるスタートスイッチ40の操作タイミングの契機、なお、上乗せ遊技中の役抽選の結果、予め定めた所定役の当選を契機としてもよい)により、特別遊技(AT)の上乗せの有無及びその上乗せされる特別遊技のメダルの獲得規定枚数を抽選(上乗せ遊技獲得抽選)により決定するものである。
【0059】
特別遊技決定手段200は、特別遊技の遊技区間の終了判定を行うためのものである。
具体的には、特別遊技決定手段200は、後述する獲得規定枚数カウント手段210がカウントした獲得規定枚数が所定のメダル枚数(具体的には0枚)に到達したことを条件として特別遊技の遊技区間を終了させる。
獲得規定枚数カウント手段210は、特別遊技の遊技区間中に獲得規定枚数を減算(又は加算)によりカウントするためのものである。
本実施の形態では、特に図示していないが、獲得規定枚数カウント手段210は、特別遊技として獲得可能なメダルの枚数として当初に設定されている初期獲得規定枚数(120枚)をカウントし記憶するカウント手段と、上乗せ遊技により獲得された上乗せによる特別遊技の獲得枚数(上乗せ獲得規定枚数)をカウントし記憶するカウント手段との両方を有している。
【0060】
各獲得規定枚数カウント手段210は、特に図示していないが、メダルの払い出しが行われるごとに、獲得規定枚数から払出枚数を減算する演算手段と、この演算手段により算出された数値を記憶する記憶手段とを備えているものである。
また、獲得規定枚数カウント手段210は、上述した初期獲得規定枚数と、上乗せ獲得規定枚数との両方を合計した合計獲得規定枚数をカウントし記憶するようにしてもよいものである。
また、この初期獲得規定枚数は、予め120枚に設定されてあるが、特にこれに限定されるものではなく、120枚未満、又は、120枚を越える枚数であってもよいものである。また、この初期獲得規定枚数は、乱数を用いた抽選により毎回、決定してもよい。
【0061】
また、獲得規定枚数カウント手段210は、上述したように初期獲得規定枚数から払出枚数を減算するものに限定されるものではなく、遊技者に対するメダルの払出が行われるごとに、当初の0枚から払出枚数を加算するようにして、所定の獲得規定枚数に到達することで特別遊技を終了させるように特別遊技決定手段200により判定されるようにしてもよい。
獲得規定枚数カウント手段210は、特別遊技の遊技区間中に上乗せ遊技に移行した場合、当該上乗せ遊技中に獲得した払出枚数をカウントしているが、特にこれに限定されることなく、上乗せ遊技中の払出はカウントしないようにしてもよい。
【0062】
獲得規定枚数カウント手段210がカウントした獲得規定枚数が所定の枚数(具体的には0枚)に到達したことを条件として特別遊技決定手段200が特別遊技の遊技区間の終了を決定する。
すなわち、獲得規定枚数カウント手段210が特別遊技の遊技区間中にカウントする枚数は、特別遊技としてのATの遊技区間の終了を決定するための直接的なパラメータである。かかる獲得したメダルの枚数が、特別遊技において獲得可能な最大のメダル枚数に到達したか否かによって特別遊技の遊技区間の終了を判断するか否かが特別遊技決定手段200により判断される。
【0063】
なお、特別遊技の遊技区間を決定するパラメータとして、上述したように獲得したメダル枚数(獲得規定枚数)を用いているが、必ずしもこれに限定されるものではない。最終的に特別遊技の遊技区間を決定する(遊技区間の長さに影響を与える(長さを左右し、制限する))パラメータになり得るものであれば、他のパラメータを用いてもよい。具体的には、直接的な遊技回数を前記パラメータとして用いてもよい。特別遊技としてのAT中に実行可能な遊技回数の最大の遊技回数(いわゆる最大遊技回数)が決定され、特別遊技としてのATは、AT中に実行される遊技回数が最大遊技回数に達することで終了するようにしてもよいものである(なお、この場合は、遊技回数を加算する場合であるが、減算する場合には、最大遊技回数から実行した遊技回数を減算して、減算後の数値が0回に達することで終了するようにしてもよい)。また、その他の最終的な遊技区間を決定可能(制限可能)な直接的又は間接的なパラメータ、または、それらのパラメータを組み合わせたものを用いてもよい。
【0064】
リール演出実行手段245は、上乗せ演出としてのリール演出を報知手段70として作動中の回転リール62により実行するためのものである。このリール演出実行手段245は、上乗せ演出のリール演出を実行する。
払出制御手段250は、停止図柄判定手段150の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段250は、停止図柄判定手段150の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。
移行抽選手段330は、予め定められた移行抽選確率を用いて通常遊技中に移行抽選を行うものであって、特別遊技としてのAT状態へ移行するか否かを抽選(移行抽選)で決定するものである。具体的には、移行抽選手段330は、通常遊技中、毎回の遊技において移行抽選を行うように設定されている。もちろん、移行抽選を実施する契機は、これに限定されるものではなく、他の所定の契機(例えば、所定の遊技状態が開始又は終了するタイミングや、所定の契機から所定の遊技回数が経過したタイミング、所定の役当選時等)でもよいものである。
【0065】
移行抽選手段330は、特殊状態としてのチャンスゾーンにおいても毎回の遊技で移行抽選を行っているが、当該移行抽選で行うときの移行抽選確率は、特殊状態以外で移行抽選を行うときの移行抽選確率よりも高確率に設定されている。
なお、この移行抽選手段330の移行抽選に当選した場合、特別遊技決定手段200により、特別遊技(AT)中に獲得可能な最大のメダル枚数(初期獲得規定枚数)が設定される。
送信手段260は、サブ制御装置300へ信号を送信するためのものである。
サブ制御装置300は、受信手段310及びAT制御手段320の各手段を有する。
【0066】
受信手段310は、送信手段260からの信号を受信するものである。
AT制御手段320は、AT状態の演出状態を制御するものである。具体的には、AT制御手段320は、表示演出実行手段370を備えている。
表示演出実行手段370は、表示装置84により行われる表示演出を実行するためのものである。
また、表示演出実行手段370は、特に図示していないが、メイン制御装置110の規定遊技回数抽選手段220により決定された規定遊技回数に基づいて選択されたタイマー値(具体的には、30秒、40秒、60秒のいずれか)の種類及びタイマー手段のカウントを開始したタイミングで、略同時にタイマー値のカウントを開始するサブ制御装置300用のタイマー手段(サブ用)と、このタイマー手段(サブ用)のカウントしたタイマー値を表示装置84に、例えば「30(秒):00」のように表示させるためのタイマー値表示制御手段とを備えている。結果として、メイン用及びサブ用の両方のタイマー手段が同期してカウントすることになるものである。
【0067】
特殊状態としてのチャンスゾーン中、タイマー手段(メイン用)と同期してカウントするタイマー手段(サブ用)によりカウントされるタイマー時間はタイマー値表示制御手段により表示装置84を介して表示される。このタイマー時間の表示は、タイマー時間が0となるまで実施される。このタイマー時間が0となった後は、内部的に処理されている規定遊技回数がまだカウント途中であって、内部的には特殊状態としてのチャンスゾーンが継続されていても、表示装置84には、特殊状態が終わった後の通常状態の通常の演出が表示される。
【0068】
なお、これらの手段はメイン制御装置110に配置してもよいものであり、表示演出実行手段370を、サブ制御装置300ではなくメイン制御装置110に配置してもよい。
以上の構成をもって、サブ制御装置300は、メイン制御装置110からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
図4に示すように、メイン制御装置110における移行状態は、通常状態と、内部当選状態(RT1状態、CBB当選中状態)と、ボーナス状態(CBB状態)とがある。
通常状態は、通常遊技制御手段160により制御される通常遊技が行われる遊技状態である。通常状態において役抽選手段120による役抽選によりボーナス(CBB)に当選した場合に、通常状態から内部当選状態(RT1状態、CBB当選中状態)に移行する。なお、この内部当選状態(RT1状態、CBB当選中状態)では、通常状態よりも再遊技の抽選確率が高い状態となっている。
【0069】
なお、本実施の形態において、通常状態中では数ゲーム以内にボーナス(CBB)に当選するように設定されており、遊技状態は、内部当選状態(RT1状態、CBB当選中状態)で遊技される割合が大きいように設定されている。
この内部当選状態(RT1状態、CBB当選中状態)におけるRT状態は、RT制御手段170により制御される再遊技が高確率で当選する遊技状態である。RT状態において、CBBのボーナス移行役の図柄61の組合せ(青バー、赤バー、チェリー2)が揃った場合に、CBB当選中状態、いわゆるRT1状態からボーナス状態(CBB状態)に移行する。このボーナス状態(CBB状態)は、ボーナス遊技制御手段180により制御される。このボーナス状態(CBB状態)では、再遊技の抽選確率は0に設定されている。
【0070】
ボーナス状態(CBB状態)において所定枚数、例えば、26枚の払出がされた場合に、CBB状態から通常状態に移行する。
図5に示すように、特別遊技(AT)中における移行状態(演出状態)には、AT中通常状態と、AT中上乗せ演出状態との2つが設けられている。
特別遊技(AT)へ移行すると、AT中通常状態となる。このAT中通常状態において、上乗せ演出決定実行手段190により、AT中上乗せ演出状態へ移行するか否かの抽選において、AT中上乗せ演出状態へ移行することに当選した場合、AT中上乗せ演出状態への移行が決定され、AT中上乗せ演出状態(上乗せ遊技)への移行が実施される。
【0071】
なお、特別遊技(AT)は、所定のメダル枚数(獲得規定枚数)が払い出されたときに、終了条件を達成したものとして、終了するように設定されている。
AT中上乗せ演出状態において、上乗せ遊技が実行される。
ここで、サブ制御装置100における演出状態は、上述したAT状態以外に、(1)通常状態、(2)疑似通常状態、(3)チャンスゾーン状態、(4)AT準備状態がある。
(1)サブ状態が「通常状態」は、メイン制御装置110が通常状態のときに設定されるものである。
【0072】
(2)サブ状態が「疑似通常状態」は、メイン制御装置110の遊技状態(いわゆるメイン状態)がチャンスゾーン状態且つサブ制御装置300のタイマー手段のタイマー値が0のときに設定されるものである。
(3)サブ状態が「チャンスゾーン状態」は、メイン状態がチャンスゾーン状態且つサブ制御装置300のタイマー手段のタイマー値が0でないときに設定されるものである。
(4)サブ状態が「AT準備状態」は、メイン状態がチャンスゾーン状態中にAT当選で移行するものであって、ATの準備状態となるものである。
【0073】
次に、規定遊技回数が8回、規定遊技時間が30秒に設定されたときにおいて、規定遊技回数以内であり且つ規定遊技時間内に移行抽選に当選した場合(
図6)と、規定遊技回数以内であり且つ規定遊技時間後に移行抽選に当選した場合(
図7)と、規定遊技回数内に移行抽選に当選しなかった場合(
図8)とについて以下に説明する。
図6に示すように、規定遊技回数以内であり且つ規定遊技時間内に移行抽選に当選した場合、移行抽選の当選により、チャンスゾーンの演出が終了して、フリーズ状態となり、その後、特別遊技(AT)へ移行する。
【0074】
具体的には、特殊状態としてのチャンスゾーンへの移行条件を満足し、チャンスゾーンへ移行した場合、規定遊技回数抽選手段220により決定されていた規定遊技回数(例えば8回)及びそれに対応する規定遊技時間(例えば30秒)が、特殊状態管理手段190により設定され、タイマー手段のカウントが開始される。同時に、規定遊技時間の情報データがメイン制御装置110からサブ制御装置300の表示演出実行手段370のタイマー手段へも送信されてカウントが開始されるとともにそのカウントダウン表示が表示装置84に表示される。特殊状態としてのチャンスゾーン中には毎回の遊技で特別遊技(AT)の移行抽選が行われ、
図6に示す場合では、遊技回数5回目の最初(スタートスイッチ40の操作契機時)に移行抽選に当選している。このとき、規定遊技回数は当該5回目の遊技も含めて残り4回であり、規定遊技時間は残り5秒となっている。また、サブ制御装置300において、表示演出実行手段370のタイマー手段によりカウントされるカウントダウン表示が表示装置84を介して遊技者に表示されている。
【0075】
この場合では、遊技者が認識する特殊状態としてのチャンスゾーン(CZ)は、5回の遊技とフリーズ状態の時間αとなる。
図7に示すように、規定遊技回数以内であり且つ規定遊技時間後に移行抽選に当選した場合、規定遊技回数は内部的に未だ終了していない状態であるにもかかわらず、移行抽選に当選する前に遊技者に表示されている規定遊技時間のカウントダウン表示が既に0に到達して特殊状態としてのチャンスゾーン(CZ)の演出は表示上(外見上)は終了している。内部的には特殊状態が継続され、実質的には特殊状態において移行抽選に当選したにもかかわらず、フリーズ状態の演出は実施されず、遊技者に表示する内容では通常遊技の演出が開始され、その通常演出において、移行抽選に当選したかのような表示が行われる。遊技者が認識しているチャンスゾーン(CZ)は、カウントダウン表示が実施されている約30秒間である。その後の遊技は、内部的には特殊状態としてのチャンスゾーンが継続されているにもかかわらず、遊技者にしてみれば通常遊技の通常演出が行われていることで、通常遊技だと認識し、この通常遊技中に特別遊技への移行抽選に当選したものと認識することになる。
【0076】
図8に示すように、規定遊技回数内に移行抽選に当選しなかった場合、規定遊技時間内ではカウントダウン表示が行われ、特殊状態としてのチャンスゾーンの表示が継続されるが、規定遊技回数の途中(遊技回数5回目)で規定遊技時間が終了すると、その後(遊技回数6回目以降)は、内部的には規定遊技回数以内の特殊状態が継続しているが、外部に表示される演出上では、通常遊技の通常待機画面表示が行われる。そして、そのまま、規定遊技回数の終了となる。
図9に示すフローチャートに基づいて、メイン制御装置110が1回の遊技毎に実行する一般的な遊技制御処理について説明する。
【0077】
ステップ112において、メイン制御装置110により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御装置110により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップ113に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップ112となる。
なお、このステップ112の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御装置110により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数(2又は3)に達しているか否かの判定が行われる。
【0078】
ステップ113において、役抽選手段120により、役抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御装置110からサブ制御装置300へ送信される。さらに、移行抽選手段330により、移行抽選処理が行われる。なお、この移行抽選処理については後で詳細に説明する。これらの処理が終了すると、次のステップ114に進む。
ステップ114において、リールユニット60における回転リール62の回転変動処理が行われる。回転リール62が所定の回転速度に達した後、メイン制御装置110により、回転中の回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、リール制御手段130により、各回転リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR)の当選役に対応する停止操作順番は、メイン制御装置110に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。
【0079】
また、全ての停止操作終了後、メイン制御装置110の送信手段260からサブ制御装置300の受信手段310へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、全ての回転リール62の回転変動処理が終了すると、次のステップ115に進む。
ステップ115において、停止図柄判定手段150により、有効ライン86上の図柄61の組合せに対して所定の役の図柄61の組合せが揃っているか否かの入賞等の判定処理が行われる。ここで、入賞等の判定処理の判定結果のデータは、メイン制御装置110からサブ制御装置300へ送信される。そして、特殊状態管理手段190により特殊状態処理が行われる。この特殊状態処理については後で詳細に説明する。これらの処理が終わると、次のステップ116に進む。
【0080】
ステップ116において、払出制御手段250により、停止図柄判定手段150の判定結果に対応した払出処理等が行われる。なお、判定結果、払出が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理が終了する。
図10に示すフローチャートに基づいて、ステップ113の移行抽選処理について説明する。なお、この
図10に示すフローチャートは、メイン制御装置110により行われるが、サブ制御装置300からメイン制御装置110への間接的な情報伝達を介してサブ制御装置300により行われるようにしてもよい。
【0081】
先ず、ステップ211において、現在の遊技状態が、特殊状態としてのチャンスゾーン状態であるか否かが判定される。現在の遊技状態が、特殊状態としてのチャンスゾーン状態であると判定された場合、次のステップ212に進み、特殊状態としてのチャンスゾーン状態でないと判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ212において、チャンスゾーンは、開始ゲーム(遊技回数1回目)であるか否かが判定される。開始ゲーム(遊技回数1回目)であると判定された場合、次のステップ213に進み、開始ゲーム(1回目)でないと判定された場合、ステップ214に進む。
【0082】
ステップ213において、特殊状態管理手段190のタイマー手段により、規定遊技時間(タイマー時間)からカウントダウン(減算)が開始される。そして、次のステップ214に進む。
ステップ214において、移行抽選手段330により、移行抽選処理が行われる。そして、次のステップ215に進む。
ステップ215において、移行抽選処理の結果、当選したか否かが判定される。当選したと判定された場合、次のステップ216に進み、当選していない、非当選であると判定された場合、ステップ220に進む。
【0083】
ステップ216において、特殊状態管理手段190により、タイマー手段のタイマー時間が0に到達したか否かが判定される。0に到達したと判定された場合、ステップ217に進み、0に到達していないと判定された場合、ステップ218に進む。
ステップ217において、フリーズ状態の発生無しであって、特別遊技(AT)への移行抽選の当選の旨の信号がサブ制御装置300へ送信される。そして、当該処理が終了する。
ステップ218において、フリーズ状態の発生有りであって、特別遊技(AT)への移行抽選の当選の旨の信号がサブ制御装置300へ送信される。そして、次のステップ219に進む。
【0084】
ステップ219において、フリーズ演出制御手段230により、フリーズ演出が実施される。そして、当該処理が終了する。
一方、前記ステップ215で移行抽選に当選していない場合、ステップ220において、移行抽選の結果が非当選である旨の信号がサブ制御装置300へ送信される。そして、当該処理が終了する。
図11に示すフローチャートに基づいて、ステップ115の特殊状態処理について説明する。
【0085】
先ず、ステップ250において、現在の遊技状態が、特殊状態としてのチャンスゾーン状態であるか否かが判定される。現在の遊技状態が、チャンスゾーン状態であると判定された場合、次のステップ255に進み、チャンスゾーン状態でないと判定された場合、ステップ251に進む。
ステップ255において、特殊状態管理手段190の遊技回数カウント手段により、チャンスゾーンの遊技回数から1回が減算され、減算後の数値が残りのチャンスゾーンの遊技回数として記憶される。そして、次のステップ256に進む。
【0086】
ステップ256において、特殊状態管理手段190の遊技回数カウント手段に記憶されているチャンスゾーンの残りの遊技回数が0回に到達したか否かが判定される。0に到達したと判定された場合、次のステップ257に進み、0に到達していないと判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ257において、メイン制御装置110の遊技状態として通常状態が設定される。そして、当該処理は終了する。
一方、前記ステップ250で現在の遊技状態がチャンスゾーン状態でないと判定された場合は、ステップ251において、今回の遊技において、チャンスゾーンに突入するか否かが判定される。チャンスゾーンに突入すると判定された場合、次のステップ252に進み、チャンスゾーンに突入しないと判定された場合、当該処理は終了する。
【0087】
ステップ252において、規定遊技回数抽選手段220により、チャンスゾーンにおける規定遊技回数を抽選により決定する。具体的には、8回、12回、16回のいずれかが抽選により選択される。そして、次のステップ253に進む。
ステップ253において、抽選により決定された規定遊技回数に応じた規定遊技時間(タイマー時間)が、特殊状態管理手段190の対応判定手段により、決定される。具体的には、規定遊技回数が8回の場合は、規定遊技時間が30秒に設定され、 規定遊技回数が12回の場合は、規定遊技時間が40秒に設定され、規定遊技回数が16回の場合は、規定遊技時間が60秒に設定される。そして、次のステップ254に進む。
【0088】
ステップ254において、特殊状態管理手段190により、メイン制御装置110の遊技状態として、チャンスゾーン状態が設定される。そして、当該処理が終了する。
図12及び
図13に示すフローチャートに基づいて、サブ制御装置300におけるスタートスイッチ40の停止操作後の制御処理について説明する。
先ず、ステップ310において、スタートスイッチ40の作動が行われたか否かが判定される。そして、スタートスイッチ40の作動が行われたと判定された場合、次のステップ311に進み、スタートスイッチ40の作動が行われていないと判定された場合、ステップ310の前に戻る。
【0089】
ステップ311において、サブ制御装置300の演出状態(いわゆるサブ状態)は疑似通常状態であるか又はチャンスゾーン状態であるか否かが判定される。サブ状態は疑似通常状態又はチャンスゾーン状態であると判定された場合、次のステップ312に進み、サブ状態は疑似通常状態でも、チャンスゾーン状態でも無いと判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ312において、チャンスゾーンの遊技回数は1回目であるか否かが判定される。1回目であると判定された場合、次のステップ313に進み、1回目でないと判定された場合、ステップ314に進む。
【0090】
ステップ313において、サブ制御装置300のタイマー手段のタイマー値のカウントダウン(減算処理)が開始される。そして、次のステップ314に進む。
ステップ314において、サブ制御装置300の演出状態(いわゆるサブ状態)が疑似通常状態であるか否かが判定される。サブ状態が疑似通常状態であると判定された場合、
図13に示すステップ350に進み、サブ状態が疑似通常状態でないと判定された場合、ステップ315に進む。
ステップ315において、メイン制御装置110から送信された信号が、フリーズ有りであって移行抽選に当選した旨であるか否かが判定される。メイン制御装置110からフリーズ有りであって移行抽選に当選している信号が送信されていると判定された場合、次のステップ316に進み、当該信号が送信されていないと判定された場合、当該処理は終了する。
【0091】
ステップ316において、フリーズ演出制御手段230によりフリーズ状態の演出が行われることで、AT当選が確定したことが演出表示される。そして、次のステップ317に進む。
ステップ317において、サブ制御装置300の演出状態として、AT準備状態が設定される。そして、当該処理が終了する。
一方、前記ステップ314(
図12)でサブ状態が疑似通常状態である場合、
図13に示すステップ350において、メイン制御装置110から送信された信号が、移行抽選に非当選であるか否かが判定される。移行抽選に非当選である旨の信号が送信されていると判定された場合、当該処理は終了し、移行抽選に非当選である旨の信号が送信されていないと判定された場合、次のステップ351に進む。
【0092】
ステップ351において、メイン制御装置110からの送信された信号が、フリーズ有りであって、移行抽選に当選している旨の信号であるか否かが判定される。当該信号が送信されていると判定された場合、次のステップ352に進み、当該信号が送信されていないと判定された場合、ステップ354に進む。
ステップ354において、表示演出実行手段320により、フリーズ演出では無い通常の演出により、AT当選が確定したことが、表示装置84等を介して報知される。そして、次のステップ353に進む。
【0093】
ステップ352において、フリーズ演出制御手段230によりフリーズ演出が行われることで、AT当選が確定したことが演出報知される。そして、次のステップ353に進む。
ステップ353において、サブ制御装置300の演出状態として、AT準備状態が設定される。そして、当該処理が終了する。
図14に示すフローチャートに基づいて、全回転リール62の回転停止後のサブ制御装置の制御処理について説明する。
先ず、ステップ410において、全回転リール62が停止したか否かが判定される。全回転リール62が停止していると判定された場合、次のステップ411に進み、全回転リール62が停止していないと判定された場合、ステップ410の前に戻る。
【0094】
ステップ411において、サブ制御装置300の演出状態が、通常状態であるか否かが判定される。サブ状態が通常状態であると判定された場合、次のステップ412に進み、サブ状態が通常状態でないと判定された場合、ステップ415に進む。
ステップ412において、メイン制御装置110の遊技状態(メイン状態)が、チャンスゾーン状態であるか否かが判定される。メイン状態がチャンスゾーン状態であると判定された場合、次のステップ413に進み、メイン状態がチャンスゾーン状態でないと判定された場合、当該処理は終了する。
【0095】
ステップ413において、メイン制御装置110から送信された規定遊技回数に応じたサブ制御装置300のタイマー手段のタイマー値が設定される。そして、次のステップ414に進む。
ステップ414において、サブ制御装置300の演出状態として、チャンスゾーン状態が設定される。そして、当該処理が終了する。
一方、前記ステップ411でサブ制御装置300の演出状態が通常状態でない場合、ステップ415において、サブ状態は疑似通常状態であるか否かが判定される。サブ状態が疑似通常状態であると判定された場合、次のステップ416に進み、サブ状態が疑似通常状態でないと判定された場合、ステップ418に進む。
【0096】
ステップ416において、メイン制御装置110の遊技状態(メイン状態)が通常状態であるか否かが判定される。メイン状態が通常状態であると判定された場合、次のステップ417に進み、メイン状態が通常状態でないと判定された場合、当該処理が終了する。
ステップ417において、サブ制御装置300の演出状態(サブ状態)として、通常状態が設定される。そして、当該処理が終了する。
ステップ418において、サブ制御装置300の演出状態(サブ状態)がチャンスゾーン状態であるか否かが判定される。サブ状態がチャンスゾーン状態であると判定された場合、次のステップ419に進み、サブ状態がチャンスゾーン状態でないと判定された場合、当該処理は終了する。
【0097】
ステップ419において、サブ制御装置300のタイマー手段のタイマー値が0であるか否かが判定される。当該タイマー値が0であると判定された場合、次のステップ420に進み、当該タイマー値が0でないと判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ420において、サブ制御装置300の演出状態(サブ状態)として、疑似通常状態が設定される。
本実施の形態では、特殊状態管理手段190が、特殊状態を内部的には規定遊技回数で管理するものの、演出的には規定遊技時間で管理して報知手段70を介して遊技者に向かって表示させている。具体的には、表示装置84に例えば特殊状態としてのチャンスゾーンが可能な時間は「30(秒):00」と表示されて刻々とカウントダウンしているのを見た遊技者は、特殊状態が規定遊技回数で管理されていると思わずに規定遊技時間で管理されていると考える。そして、遊技者は、時間内に早く遊技を進めようとしえ、あせる気持ちで興奮した状態で一心不乱に遊技を進めることになる。すなわち、通常、遊技回数で管理されている特殊状態の遊技が時間という今までにない新鮮みのある概念で管理されていると考え、規定遊技時間内に多くの遊技を進行させようと時間の経過を気にしながら新鮮さや面白みのある遊技を行うことになる。
【0098】
その一方で、内部的には、遊技回数で管理されているため、遊技進行の操作に不慣れな初心者や高齢者の遊技進行速度が、遊技操作に慣れている熟練者の遊技進行速度よりも、著しく遅くなっても、両者間に遊技進行速度の差に基づいて実施可能な遊技回数(内部的に管理される実質的な遊技回数)に差は発生しない。これにより、遊技進行速度が相違する初心者等と熟練者との間の公平性を担保することができる。
図7に示すように、規定遊技回数以内であり、且つ規定遊技時間を越えた時に移行抽選に当選した時には、特殊状態以外の遊技状態を介してフリーズ演出とは異なる態様で移行抽選の結果が報知されている。遊技者から見ると、この移行抽選の当選は、特殊状態における抽選ではなく、特殊状態が終了して、他の状態へ移行してからの移行抽選に当選したものと考えることになる。内部的には規定遊技回数の範囲内における移行抽選の当選であっても、遊技者に対して規定遊技時間を越えて特殊状態以外の遊技状態において移行抽選に当選したと思わせることができる。これにより、規定遊技回数で管理されていることを遊技者に気づかせないようにすることができる。
【0099】
本実施の形態では、
図6に示すように規定遊技時間内であるときには遊技者に対してインパクトの強い演出であるフリーズ演出が実行され、
図7に示すように規定遊技時間を越えたときにはフリーズ演出が実行されない。フリーズ演出の発生の有無により、規定遊技時間で管理されていると思わせることを遊技者に対してより強調させることができる。
規定遊技回数は、複数の規定遊技回数の中から規定遊技回数抽選手段220により抽選で決定されている。これにより、意外性を付与することができる。また、抽選で決定された規定遊技回数に対応する規定遊技時間が設定されていることで、内部的に管理される規定遊技回数と、演出的に表示される規定遊技時間との間の乖離が生じないようにすることができ、遊技者に対して規定遊技時間で管理されていることを信じさせることができる。
【0100】
上述した実施の形態において、メイン制御装置110とサブ制御装置300とに含まれる各手段は、上述したようなメイン制御装置110とサブ制御装置300との振り分け(構成)に限定されるものではなく、メイン制御装置110と、サブ制御装置300とのいずれに配置されてもよいものである。その際、サブ制御装置300からメイン制御装置110への送信が必要な場合は、サブ制御装置300によりストップスイッチ50による停止操作の順番を報知手段70により遊技者に報知して、遊技者がその停止操作順番で停止操作すること等の間接的な伝達手段を介して、サブ制御装置300からの情報がメイン制御装置110へ伝達される。
【0101】
なお、上述した実施の形態では、内部的(実質的)には、規定遊技回数により管理されるものの、遊技者に対する演出的には、規定遊技時間で管理されているかのように表示するものである。この関係を逆にすることもできる。すなわち、内部的(実質的)には、規定遊技時間で管理するものの、遊技者に対する演出的には、規定遊技回数で管理されているかのように表示するようにすることも可能である。具体的には、特殊状態管理手段190は、特殊状態を、内部的には所定の遊技時間(規定遊技時間)で管理するものの、演出的には所定の遊技回数(規定遊技回数)で管理して報知手段70を介して表示させる。規定遊技時間以内であり且つ規定遊技回数内である時に移行抽選に当選した時には、移行抽選の結果がフリーズ演出等により報知され、その後、特別遊技(AT)への移行が実施され、規定遊技時間以内であり且つ規定遊技回数を越えた時に移行抽選に当選した時には、特殊状態以外の遊技状態(例えば通常状態)を介してフリーズ演出以外の通常の演出により移行抽選の結果が報知され、その後、特別遊技(AT)への移行が実施されるようなものである。なお、このような場合には、遊技進行を早めれば規定遊技時間内に規定遊技回数を実施できるような設定になっている。
【課題】新鮮さや面白みのある遊技を遊技者に実施させることができ、さらに遊技を進行させる速度が相違する初心者等と熟練者との間の公平性を担保することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】特殊状態管理手段190は、特殊状態を、内部的には所定の遊技回数(規定遊技回数)で管理するものの、演出的には所定の遊技時間(規定遊技時間)で管理して報知手段70を介して表示させ、規定遊技回数以内であり且つ規定遊技時間内である時に移行抽選に当選した時には、移行抽選の結果が報知され、その後、特別遊技への移行が実施され、規定遊技回数以内であり且つ規定遊技時間を越えた時に移行抽選に当選した時には、特殊状態以外の遊技状態を介して移行抽選の結果が報知され、その後、特別遊技への移行が実施されるようにしたことを特徴とする。