特許第5843969号(P5843969)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5843969電池の最適充電のための方法およびデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5843969
(24)【登録日】2015年11月27日
(45)【発行日】2016年1月13日
(54)【発明の名称】電池の最適充電のための方法およびデバイス
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20151217BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20151217BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20151217BHJP
【FI】
   H02J7/02 B
   H02J7/00 P
   B60L11/18 C
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-529050(P2014-529050)
(86)(22)【出願日】2012年9月6日
(65)【公表番号】特表2014-528231(P2014-528231A)
(43)【公表日】2014年10月23日
(86)【国際出願番号】FR2012051989
(87)【国際公開番号】WO2013034853
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2014年4月21日
(31)【優先権主張番号】1157959
(32)【優先日】2011年9月7日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】504462489
【氏名又は名称】エレクトリシテ・ドゥ・フランス
(73)【特許権者】
【識別番号】514057455
【氏名又は名称】エレクトリシテ・ルソー・ディストリビュシオン・フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】メレーヌ・ルゼル
(72)【発明者】
【氏名】ゲズカ・アルベルディ
【審査官】 田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0156651(US,A1)
【文献】 国際公開第2009/012018(WO,A2)
【文献】 欧州特許出願公開第02219278(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L1/00−3/12
7/00−13/00
15/00−15/42
H02J7/00−7/12
7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的充電デバイス(TE)による、少なくとも1つの電気システム(VE)の電池(BAT)の最適化された充電のための方法であって、前記電池(BAT)が、前記電池を前記電気的充電デバイスに接続することによって開始される利用可能な充電期間(Td)の一部分である少なくとも1つの充電インターバル(ΔTchg(i))中に充電され(400)、前記少なくとも1つの充電インターバルが前記電気的充電デバイスの負荷プロファイル(TLC)の関数として求められ(300)、前記負荷プロファイルが前記電気的充電デバイスの電気的電力負荷を時間の関数として示し
前記少なくとも1つの充電インターバル(ΔTchg(i))を求めるステップ(300)が実行され前記求めるステップが、
前記利用可能な充電期間の連続したタイムインターバル(ΔT(i))にそれぞれ関連した電力値の第1のセット({TLC(i)}1≦i≦n)を得るために、前記利用可能な充電期間(Td)にわたって前記負荷プロファイル(TLC)をサンプリングするステップ(310)と、
前記第1のセットの電力値({TLC(i)}1≦i≦n)を昇順にソート(320)し、電力値の第2のセット({TTC(i)}1≦i≦n)を得るステップとを含み、
前記電池が充電される間の前記少なくとも1つの充電インターバル(ΔTchg(i))が、前記電力値の第2のセットの第1の電力値(TTC(1))に対応するタイムインターバルを含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの充電インターバル(ΔTchg(i))が、前記電力値の第2セット({TTC(i)}1≦i≦n)の前記第1の電力値に関連した前記タイムインターバル(ΔT(i))の中から選択される(330)K個の充電インターバル({ΔTchg(i)}1≦i≦k)中を含み、Kは、1以上の整数であり、かつ、前記電池が前記電気的充電デバイスに接続されたとき前記電池に含まれている電気エネルギー(Ein)のレベルに依拠する請求項1に記載の最適化された充電方法。
【請求項3】
前記数Kが、前記電池が前記電気的充電デバイスに接続されたとき前記電池に含まれている前記電気エネルギー(Ein)のレベルと、前記電池の充電プロファイル(PFL(t))とに基づいて求められる請求項2に記載の最適化された充電方法。
【請求項4】
前記電池(BAT)を充電する前記ステップ(400)が、前記連続したタイムインターバル(ΔT(j))のそれぞれについて、
前記タイムインターバル(ΔT(j))が前記少なくとも1つの充電インターバル(ΔTchg(i))に含まれる場合、前記タイムインターバル(ΔT(j))中の前記電池の充電を有効にするステップ(420)と、
前記タイムインターバル(ΔT(i))が前記少なくとも1つの充電インターバル(ΔTchg(j))のうちの1つに含まれない場合、前記タイムインターバル(ΔT(j))中の前記電池の充電を無効にするステップ(430)とを含む請求項1から3のいずれか一項に記載の最適化された充電方法。
【請求項5】
前記電池を充電するステップ(400)が、前記連続したタイムインターバル(ΔT(j))のそれぞれについて、
前記タイムインターバル(ΔT(j))に関連した前記電力値の第1のセットの前記電力値(TLC(j))を、前記タイムインターバルに対して、選択された制限容量値(Plim(j))と比較するステップと、
前記タイムインターバル(ΔT(j))に関連した前記電力値(TLC(j))が前記制限容量値(Plim(j))以上の場合、前記タイムインターバル(ΔT(j))中の前記電池の充電を無効にするステップ(430)と、
前記タイムインターバル(ΔT(j))に関連した前記電力値の第1のセットの前記電力値と、
前記タイムインターバルの間に前記電池を充電するための前記電気的充電デバイスによる電力負荷値に対応する充電電力値(VE(j))と、
の合計(TLC(j)+VE(j))が前記制限容量値(Plim(j))未満である場合に限って、前記タイムインターバル(ΔT(j))中の前記電池の充電を有効にするステップ(420)と、
をさらに含む請求項4に記載の最適化された充電方法。
【請求項6】
前記利用可能な充電期間(Td)が、電気車両のユーザによって与えられた終了時間(tD)に終了する請求項1から5のいずれか一項に記載の最適化された充電方法。
【請求項7】
前記電池(BAT)を満充電するのに必要な時間(T100)の総計の関数としての前記利用可能な充電期間(Td)を、事前に検証するステップ(200)と、前記利用可能な充電期間(Td)が、前記電池を満充電するのに必要な前記時間(T100)の総計より長い場合にだけ、前記少なくとも1つの充電インターバル(ΔTchg(i))中に前記電池を充電するステップ(400)とを含む請求項1から6のいずれか一項に記載の最適化された充電方法。
【請求項8】
前記電池が、メモリ効果を有しない請求項1から7のいずれか一項に記載の最適化された充電方法。
【請求項9】
前記電池がリチウムイオン電池である請求項8に記載の最適化された充電方法。
【請求項10】
前記電気システム(VE)が電気車両である請求項1から9のいずれか一項に記載の最適化された充電方法。
【請求項11】
電気的充電システムの処理ユニットによって実行されたとき請求項1から10のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するための命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項12】
配電網(ENET)に接続され、電池(BAT)に接続するのに適切な少なくとも1つの接続ポート(p1)を備える、少なくとも1つの電気システム(VE)の前記電池(BAT)を充電するように最適化された充電デバイス(TE)であって、前記電池(BAT)が前記最適化された充電デバイスの前記接続ポートに接続された後、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するように構成されている充電デバイス(TE)。
【請求項13】
電池(BAT)を備える少なくとも1つの電気システム(VE)で構成された組立体を充電するように最適化された充電システム(SE)であって、配電網(ENET)と、前記配電網に接続された、請求項12に記載の少なくとも1つの最適化された充電デバイス(TE)とを備える最適化された充電システム(SE)。
【請求項14】
前記最適化された充電デバイスに接続された遠隔コンピュータシステムであって、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するのに適切な処理ユニットを備える遠隔コンピュータシステムをさらに備える請求項13に記載の最適化された充電システム(SE)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気車両の電池の充電を含む、電池の充電管理の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、多くの電気システムが、電気エネルギーを蓄積するためのシステムを備えており、具体的には、1つまたは複数の電池と、充電のために配電網に接続可能な関連した充電システムとから成るシステムを備えている。
これらの電気システムには、充電プラグによって電源端子に接続可能な電気エネルギー蓄積システムを有する電気車両が含まれる。電源端子は、それぞれが配電網に接続されている。
通常、そのような電気システムの電池の充電は、この電池が配電網に接続された瞬間に始まり、この電池が配電網から切り離されたとき終了する。
電気車両の特定のケースでは、充電は、電気車両の充電プラグが電源端子に差し込まれた瞬間に始まって電気車両のプラグが抜かれるまで継続し、これは、車両のユーザが車両を求めるまで、または電池が満充電になるまで継続することを意味する。
しかし、このタイプの充電は、配電網に関係した制約、充電される電池、または充電される電気システムのユーザを考慮に入れないので最適ではない。
電源端子が接続される配電網の制約は、変圧器または配電ポイントの負荷曲線として表すことができ、これは時間に対して一様ではない。例えば、変圧器は、負荷がその定格容量を超過するとストレスがかかる。
変圧器に対する負荷が大きければ大きいほど、変圧器が、より加熱して経時変化が加速する。それに加えて、負荷が大きく変動すると、突然膨脹したり、機械的応力が生じたりすることがある。最終的に、この変圧器は、間隙が広がることによって、より大きくなる可能性がある。
充電される電池に関しては、電源端子に差し込まれたとき広範な充電レベルを有する可能性があり、これによって、電源端子から得られる必要な量の電気エネルギーが決まり、したがって満充電に達するのに必要な充電時間が決定される。
最後に、電気的充電システムのユーザの制約については、ユーザは、そのスケジュール次第で大幅に変化する時々に、システムを接続したり切り離したりする。電気システムが電気車両であるとき、車両の運転者が、そのスケジュール次第で自分の車両を駐車したり取り戻したりすることが、電源端子の利用可能な充電時間に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、配電網に関連した制約と、充電される電気システムのユーザに関連した制約との両方、ならびに充電される電池に関係した制約を考慮に入れて最適化された充電方法であって、配電網の充電デバイスのより優れた保護をもたらす充電方法を提案することにより、上記の不都合を克服しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このために、本発明は、電気的充電デバイスによる、少なくとも1つの電気システムの電池の最適化された充電のための方法を提案するものであり、電池は、この電気的充電デバイスに関連した負荷曲線の関数として求められる、電池充電システムを電気的充電デバイスに接続することによって開始される利用可能な充電時間帯の一部分である少なくとも1つの充電時間間隔中に充電される。
有利な一実施形態によれば、充電時間間隔の割出しは、連続した時間間隔に関連した1組の負荷曲線の電力値を得るために、利用可能な充電時間帯にわたって負荷曲線をサンプリングするステップと、時間間隔のうちの1つにそれぞれ関連した1組のソートされた負荷曲線の電力値を得るために、負荷曲線の電力値を昇順にソートするステップとを含み、電池は、ソートされた負荷曲線の電力値の第1の値に関連した時間間隔に対応する少なくとも1つの充電時間間隔中に充電される。
特定の一実施形態によれば、電池は、ソートされた負荷曲線の電力値の第1の値に関連した時間間隔の中から選択されるK個の充電時間間隔中に充電され、Kは、電池充電システムが電気的充電デバイスに接続されたとき電池に含まれている電気エネルギーのレベルに依拠する1以上の整数である。
数Kは、有利には、電池が電気的充電デバイスに接続されたとき電池に含まれている電気エネルギーのレベルと、前記電池の充電プロファイルとに基づいて求めることができる。
一実施形態では、電池の充電は、連続した時間間隔のそれぞれについて、この時間間隔が充電時間間隔のうちの1つである場合、この時間間隔中の電池の充電を有効にするステップと、この時間間隔が充電時間間隔のうちの1つではない場合、この時間間隔中の電池の充電を無効にするステップとを含む。
この実施形態では、電池の充電は、有利には、連続した時間間隔のそれぞれについて、この時間間隔に関連した負荷値を制限容量値と比較するステップと、この時間間隔に関連した負荷値が制限容量値未満である場合に限って、この時間間隔中の電池の充電を有効にするステップと、この時間間隔に関連した負荷値が制限容量値以上である場合、この時間間隔中の電池の充電を無効にするステップとをさらに含む。
別の実施形態では、利用可能な充電時間帯は、電池充電システムが電気的充電デバイスに接続された時間と、電気車両のユーザによって与えられた充電終了時間に関する指標とから推定される。
別の実施形態では、この方法は、利用可能な充電時間帯の期間を、電池を満充電するのに必要な時間長の関数として事前に検証するステップを含み、少なくとも1つの充電時間間隔中に電池が充電されるのは、利用可能な充電時間帯の期間が、電池を満充電するのに必要な時間長より長い場合に限られる。
特に有利な実施形態では、電池には実質的にメモリ効果がない。具体的には、電池は好ましくはリチウムイオン電池である。それに加えて、特定の一実施形態では、電気システムは電気車両である。
本発明は、電気的充電システムの処理ユニットによって実行されたとき上記の方法のステップを実施するための命令を含むコンピュータプログラムをさらに提供するものである。そのようなプログラムは、本特許出願によって要求される保護下の製品と見なされることになっている。
本発明により、配電網に接続され、電池充電システムに接続するのに適切な少なくとも1つの接続ポートを備える、少なくとも1つの電気システムの電池を充電するように最適化された充電デバイスも提供され、このデバイスは、最適化された充電デバイスの接続ポートに電池充電システムが接続された後、上記の方法のステップを実施するように構成されている。
最後に、本発明は、電池を備える少なくとも1つの電気システムで構成された組立体を充電するように最適化された充電システムを提案するものであり、この最適化された充電システムは、配電網と、前述のように前記配電網に接続された少なくとも1つの電気的充電デバイスとを備える。一実施形態では、このシステムは、電気的充電デバイスに接続され、上記の方法のステップを実行するのに適切な処理ユニットを備える遠隔コンピュータシステムをさらに備える。
【0005】
本発明の他の特徴および利点が、次の詳細な説明および添付図面から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明による、電気車両を充電するための最適化されたシステムを示す図である。
図2】本発明による、電気車両を充電するための最適化された方法のステップを示す図である。
図3】本発明による最適化された充電方法の事前検証ステップの一実装形態を示す図である。
図4】本発明による充電方法の、充電時間間隔を求めるステップの一実装形態を示す図である。
図5】本発明の充電方法を用いることによって得られた良い影響を示すグラフを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下では、本発明による、電気システムの電池を充電するための最適化されたシステムを示す図1が最初に参照されることになる。
【0008】
図1のSEで示されるこの最適化された充電システムは、1つまたは複数の電気システムVEの電池BATを充電するための充電システムに接続するのに適切な少なくとも1つの電気的充電デバイスTEを備える。
図1には、単なる説明のために、単一の電気的充電デバイスTEおよび単一の電気システムVEが表されているが、最適化された充電システムSEは、任意の数の電気システムを充電することができるように任意の数の電気的充電デバイスを含むことができる。
この電気的充電デバイスTEは、それ自体が配電網ENETに接続されて充電に必要な電気エネルギーを取得するものであり、例えば電力変圧器からなってもよい。したがって、デバイスTEは、配電網ENETによって供給される電力を用いて電気システムの電池BATを充電するために、電気システムの電池BATに接続するのに適切な1つまたは複数の接続ポートp1、...、plを有する。
電気システムVEは、電池充電システムと関連した1つまたは複数の電池BATを含む。この電気システムVEは、この電池BAT用の充電システムを、自分のスケジュールに従って電気的充電デバイスTEに対して接続したり切り離したりするユーザUによって使用される。
本発明が電気車両という特定のタイプの電気システムに対して特に有利な用途を有するので、図1は、単に説明のために、電気システムVEを電気車両として表す。この説明に役立つ実例では、電気車両VEは、電池BAT用の充電システムを、自分のスケジュールに従って電気的充電デバイスTEに対して接続したり切り離したりするユーザUによって運転される。そのような電気車両は、自動車、モペッド、または配電網から充電することができる電池を有する他の任意のシステムであり得る。
したがって、電気的充電システムVEの最適化では、図1で説明された最適化された充電システムに対して、
- 電気的充電デバイスTEと関連した負荷曲線などの、充電配電網に関係する制約、
- 電池BATの充電プロファイル、またはユーザUが電気的充電デバイスTEに電池BATを接続するとき、まだ電池に蓄積されている電気エネルギーなどの、充電される電池に関係する制約、および
- 電気的充電デバイスTEに対してユーザが電気システムを接続したり切り離したりする時間に影響を及ぼし、したがって電池BATに関する利用可能な充電時間に影響を及ぼす、ユーザU自身に、特にそのスケジュールに関係した制約、といった種々の制約が適用される。
本発明では、電気システムVEの電池BATは、利用可能な充電時間帯Td内の少なくとも1つの充電時間間隔ΔTchg(i)中に充電され、充電時間間隔ΔTchg(i)は、この電池BAT用の充電システムを電気的充電デバイスTEに接続することによって開始され、これによって、ユーザのスケジュールに関係する特定の制約に基づいてこの電池の充電を最適化することが可能になる。
充電時間間隔ΔTchg(i)は、電気的充電デバイスTEに関連した負荷曲線TLCの関数として求められ、このことも、電気的充電デバイスTEに関係する、したがって最適化された充電システムSEに関係する制約に基づいて電池BATの充電を最適化することを可能にする。
そのような負荷曲線TLCは、所与の瞬間に、例えば予期された負荷変化に基づいて推定することができ、または時間内のその瞬間に、電気的充電デバイスTEの状態に従って、進行中の負荷最適化を保証するように、充電中に更新することができる。説明のために、負荷曲線TLCは、所定の負荷曲線モデルまたは電気的充電デバイスTEの負荷の記録された経過から計算された負荷曲線モデルに基づいて推定されてよい。負荷曲線TLCの更新は、電気的充電デバイスTEの負荷をリアルタイムサンプリングすることによって達成されてよい。そのような更新は、接続された多数の電池が同時に充電されていて、負荷曲線TLCの大きな変化をもたらす可能性がある場合には、特に好ましいものである。
【0009】
次に図2を参照すると、本発明による、電気システムの電池を充電するための最適化された充電方法のステップが示されている。
【0010】
この方法は、電気的充電デバイスTEによる1つまたは複数の電気システムVEの電池の最適化された充電に関するものであり、電気システムVEは、この充電を遂行するためにこの電気的充電デバイスTEに接続され得る充電システムに関連した電池BATを備える。以下では、説明のために単一の電気システムVEの最適化された充電が説明されるが、この方法は任意の数の電気システムの充電に適用することができる。
この方法は、最初に、利用可能な充電時間帯Tdを求めるステップ(ステップ100)を含んでよく、ステップ100は、電池BATの充電に利用可能な時間に影響を及ぼすユーザの制約、特にユーザのスケジュールを考慮に入れるために遂行されるものである。
したがって、電池BAT充電システムが電気的充電デバイスTEに接続された瞬間tAによって、利用可能な充電時間帯Tdの開始を決定することができる。言い換えれば、電池が接続されたときの瞬間tAに、利用可能な充電時間帯Tdが始まる。
利用可能な充電時間帯Tdの終了に対応する瞬間tDを求めるために、電気システムVEを切り離すと予想される時間(例えばユーザが電気車両を取り戻す予定の時間)、例えばユーザが仕事のために朝出かけると予期される時間を示すようにユーザに依頼することが有利である。ユーザUは、例えばスマートフォンまたは使用している電気車両のダッシュボードの専用のウェブインターフェースを介して、この充電終了時間tDに関する指標を与えることができる。
一旦、この利用可能な充電時間帯Tdが決定されると、利用可能な充電時間帯Tdが十分にある場合に限って最適化された充電プロセスが始められるように、十分にあることをあらかじめ検証する(ステップ200)ことが有利である。利用可能な充電時間帯Tdが十分になければ、利用可能な充電時間帯Tdの全体を通じて従来の充電プロセスを実施する(ステップ250)ことができ、このことは以下で説明される。
【0011】
図3は、そのような事前検証ステップ200の一実施形態を示すものである。
【0012】
この実施形態では、充電デバイスTEに接続されたとき電池BATに残っている残留電気エネルギーEinのレベルに対応して、部分的充電期間Txが最初に計算される(ステップ210)。言い換えれば、この部分的充電期間Txは、電池BATを、エネルギーが空の状態(ゼロの充電状態SoC)から残留電気エネルギーEinのレベルまで充電するのに必要な時間に相当する。
接続した時間に入手可能な情報が、電池BATの充電状態SoC0から成る特別な場合には、残留電気エネルギーEinのこのレベルは、次の式(1)を用いてあらかじめ計算され、
(1) Ein=Eexpl・SoC0
ここで、
- Eexplは、この電池BATの使用可能容量であり、
- SoC0は、充電デバイスTEに接続されたとき(図4に示された時間tAを意味する)の電池BATの充電状態である。
【0013】
次いで、次式(2)を用いて部分的充電期間Txが求められ、
【0014】
【数1】
【0015】
ここで、
- ηBATは、電池BATの0〜100%の間の効率パラメータであり、
- ηchrgrは、この電池BAT用の充電器の、やはり0〜100%の間の効率パラメータであり、
- PFL(t)は、電池BATの、配電網から充電する充電プロファイルである。
【0016】
次いで、電池BATの充電プロファイルPFL(t)に基づいて、電池BATを空き状態(ゼロの充電状態SoC)から満充電するのに必要な時間に相当する十分な充電期間Tcompが求められる(ステップ220)。
具体的には、この充電期間Tcompは次の式(3)を用いて計算され、
【0017】
【数2】
【0018】
ここで、Emaxは、この満充電の最後に到達する電気エネルギーのレベルであり、一般に電池BATの最大充電レベルに相当する。しかし、本発明は、この場合に限定されることなく、Emaxが電池BATの最大充電レベルとは異なる特定の充電レベルに相当する電気エネルギーのレベルである場合にも適用することができる。
部分的充電期間Txを求めるステップ210と十分な充電期間Tcompを求めるステップ220とは、必ずしも上記で示された順番で遂行されるわけではなく、十分な充電期間Tcompの割出しが部分的充電期間Txの割出しに先行することを意味する逆順でも、非常によく遂行され得る。
【0019】
一旦、期間TxおよびTcompが求められると、残留エネルギーEinを含んでいる電池BATの満充電を達成するのに必要な充電期間T100は、次式を用いて求めることができる(ステップ230)。
(4) T100=Tcomp-Tx
【0020】
次いで、満充電を完了するのに十分な時間があるかどうか判断するために、この期間T100が、利用可能な充電時間帯Tdの期間と比較され得る(ステップ240)。
この期間T100が利用可能な充電時間帯Tdの期間未満であれば、本発明による最適化された充電方法を適用することが有利に可能である。反対に、この期間T100が利用可能な充電時間帯Tdの期間より長ければ、電池BATの完全で最適な充電は不可能である。
後者の場合、利用可能な充電時間帯Tdの全体を通じて、期間Txだけ短縮された充電プロファイルPFL(t)が適用される従来の充電を遂行することができ、この期間Td中の充電スケジュールがP(t)=PFL(Tx+t)に相当する充電電力に基づくことを意味する。
【0021】
図2に示される最適化された充電方法に戻るために、任意選択で、期間T100が利用可能な充電時間帯Tdより短いことを検証した後、次いで、電気的充電デバイスに電池充電システムを接続することによって開始される利用可能な充電時間帯Td内の1つまたは複数の充電時間間隔ΔTchg(1)〜ΔTchg(K)(Kは1以上の整数である)が、電気的充電デバイスTEに関連した負荷曲線TLCに基づいて求められる(ステップ300)。
次いで、電池BATの最適化された充電を達成するために、電池BATは充電時間間隔ΔTchg(1)〜ΔTchg(K)の間に充電される(ステップ400)。この充電は、充電時間間隔ΔTchg(1)〜ΔTchg(K)の間に、電池用の充電プロファイルに従って行なわれる。したがって、この充電プロファイルは、上記の制約に照らして、期間Td内の最も適切な瞬間に配置された種々の期間へと分割される。
【0022】
次に、本発明による割出しステップ300および電池BATの充電ステップ400の両方の実装形態を示す図4を参照する。
【0023】
具体的には、この事前の割出しステップは、好ましくは、利用可能な充電時間帯Td内の連続した時間間隔ΔT(1)〜ΔT(n)の1つにそれぞれが関連している負荷曲線の電力値TLC(1)〜TLC(n)のセット{TLC(i)}1≦i≦nを得るために、電気的充電デバイスTEと関連した負荷曲線TLCを、利用可能な充電時間帯Tdにわたってサンプリングするステップ(ステップ310)を最初に含んでよい。
このサンプリングは、好ましくは、周期的なものであり、充電時間間隔ΔTの期間に対応する長さの時間の後、繰り返される。次いで、負荷曲線の電力値TLC(i)が、利用可能な充電時間帯Td内に含まれているi番目の時間間隔ΔT(i)を示す時間インデックスiに関連付けられる。
このサンプリング段階の最後では、負荷曲線の電力値TLC(1)、...、TLC(i)、...、TLC(n)が、それぞれ一連の連続した時間間隔ΔT(1)、...、ΔT(i)、...、ΔT(n)に関連付けられ、これらの時間帯自体が、一連の時間インデックス1、...、i、....、nで示され、ΔT(i)=i*ΔTという関係を満たす。
この負荷曲線TLCのサンプリングにより、特に負荷曲線の電力値に関連したインデックスをソートするとき離散時間での動作が可能になり、コンピュータ化された手段を用いて、より容易に実現される。
一旦、負荷曲線TLCがサンプリングされると、前記時間間隔ΔT(1)〜ΔT(n)のうちの1つとそれぞれ関連付けられる、ソートされた負荷曲線の電力値のセット{TTC(i)}1≦i≦nを得るように、負荷曲線の電力値TLC(1)〜TLC(n)が昇順にソートされる(ステップ320)。
単なる実例として、午前1時と午前7時の間で1時間ごとに負荷曲線をサンプリングすることによって得られた値が、
TLC(1)=75kW
TLC(2)=80kW
TLC(3)=70kW
TLC(4)=65kW
TLC(5)=65kW
TLC(6)=60kW
TLC(7)=70kW
であれば、
TTC(1)=TLC(6)=60kW
TTC(2)=TLC(4)=65kW
TTC(3)=TLC(5)=65kW
TTC(4)=TLC(3)=70kW
TTC(5)=TLC(7)=70kW
TTC(6)=TLC(1)=75kWおよび
TTC(7)=TLC(2)=80kW、
といったソートされた負荷曲線の電力値がしたがって得られる。
【0024】
このソートでは、いくつかの負荷曲線の電力値TLC(i)同一であると、例えば発生順でそれらをソートすることができ、このことは、ソートされた負荷曲線の電力値にTTC(2)およびTTC(3)をそれぞれ与える値TLC(4)およびTLC(5)で上記に示されている。
【0025】
次いで、電池BATは、第1のソートされた負荷曲線の電力値TTC(1)に関連した時間間隔ΔT(i)に対応する少なくとも1つの充電時間間隔ΔTchg(i)にわたって充電される(ステップ400)。
したがって、この充電時間間隔ΔTchg(i)中の電気車両VEの充電が、期間Tdの間のその最小値のうちの1つにおいて負荷曲線TLCに影響を及ぼし、したがって、電気的充電デバイスTEに対する悪影響が多すぎる、より大きい負荷値のさらなる上昇が回避される。
電気的充電デバイスTEの負荷曲線TLCの低い期間中の電池BATの充電を優先させるために、電池BATは、必要に応じて、第1のソートされた負荷曲線の電力値TTC(1)、TTC(2)などに関連した時間間隔ΔT(i)に対応するいくつかの充電時間間隔ΔTchg(i)にわたって充電することができる。これは、特に、単一の充電間隔ΔTchg(i)にわたる充電が電池BATを満充電するのに十分でないときのことである。
したがって、一実施形態では、電池BATの充電は、電気的充電デバイスTEの負荷曲線TLCの最低の期間に対応するように選択されたK個の充電時間間隔ΔTchg(1)〜ΔTchg(K)の間に遂行される。
数Kは整数であり、有利には、この電池を満充電することができるように、電池BATを電気的充電デバイスに接続したときの電池の残留電気エネルギーEinのレベルに依拠するものである。
具体的には、数Kは、残留電気エネルギーEinのこのレベルおよび電池の充電プロファイルPFL(t)から以下のように求めることができる。
- 電池を満充電するのに必要な期間T100は、利用可能な充電時間帯の事前の検証に関する上記のことと同様に、残留電気エネルギーEinのレベルおよび電池の充電プロファイルPFL(t)から求められる。
- 数Kは、この期間T100をサンプリング間隔の期間ΔT(例えば15分)で割った商より厳密に大きい整数として選択され得て、好ましくは、充電時間を、電池を満充電するのに必要なものだけにするために、この商より大きい最初の整数に相当する。
一旦この数Kが求められると、充電時間間隔ΔTchg(1)〜ΔTchg(K)が、昇順にソートされた負荷曲線の電力値TTC(1)〜TTC(K)の中の第1の値に関連した時間間隔に対応するように、すべての時間間隔ΔT(1)〜ΔT(n)の中から選択される(ステップ330)。このようにして、ΔTchg(i)は、発生順になるように選択される。
上記の例では、K=3の場合、負荷曲線の電力値TLC(4)、TLC(5)およびTLC(6)にそれぞれ関連した第4の時間間隔ΔT(4)、第5の時間間隔ΔT(5)および第6の時間間隔ΔT(6)は、電池の充電が有効になる充電時間間隔ΔTchg(1)〜ΔTchg(3)として選択されることになる。
K=4の場合、前記時間間隔ΔT(4)、ΔT(5)およびΔT(6)に加えて、第4の充電時間間隔ΔTchg(4)が、TLC(3)およびTLC(7)に関連した第3の時間間隔と第7の時間間隔の中から選択され、すなわち、ソートされた負荷曲線の電力値の第4の値TTC(4)に対応するΔT(3)になる。
一旦、充電時間間隔ΔTchg(1)〜ΔTchg(K)が求められると、次いで、この方法は、これらの充電時間間隔中に電池BATを充電する(ステップ400)。
図3に示された実施形態では、この充電段階400は、それぞれの連続した時間間隔ΔT(1)〜ΔT(n)について、対象の時間間隔ΔT(j)と、充電時間間隔ΔTchg(1)〜ΔTchg(K)のうちの1つの間の対応を検証するステップ(サブステップ410)を含む。
時間間隔ΔT(j)が、実際に充電時間間隔ΔTchg(1)〜ΔTchg(K)のうちの1つであると、次いで、時間間隔ΔT(j)の間に電池の充電が活性化される(サブステップ420)。
一方、時間間隔ΔT(j)が充電時間間隔ΔTchg(1)〜ΔTchg(K)のうちの1つに相当していなければ、次いで、時間間隔ΔT(j)の間、電池の充電が無効になる(サブステップ430)。言い換えれば、k個の時間間隔ΔTchg(1)〜ΔTchg(K)以外では充電が行なわれない。
この操作は、インデックスjをインクリメントするループで表されるように、利用可能な充電時間帯Tdの各時間間隔ΔT(j)中に連続的に繰り返される(サブステップ441および443)。
したがって、この第1の実施形態では、電池BATは、電気的充電デバイスTEの負荷曲線の中の最小値に対応する一定数の時間間隔中にのみ充電される。
この実施形態は、電源端子から充電の「全か無か」の制御を用いて充電の時間最適化のみ行なわれる場合に特に適切であり、この場合、電気システムVEが、その電池管理システム(BMS)を用いて充電を管理し、したがって、散在する休止を伴うその充電プロファイルを適用する。
好ましい実施形態では、充電が制限容量値Plim(例えば80kW)を越えて有効になることはなく、負荷レベルがこの値を超過するのは不利であると見なされている。
この制限容量値Plimは、利用可能な充電期間の全体にわたって一定でも変化してもよく、変化する場合、制限容量値Plim(i)は各時間間隔ΔT(i)に関連付けられ、Plim(i)の値は、場合により、互いに異なるものである。
この実施形態では、前もって求められた充電時間間隔ΔTchg(1)〜ΔTchg(K)のうちの1つに対応する時間間隔ΔT(j)を選択した後、それぞれの連続した時間間隔ΔT(j)について、時間間隔ΔT(j)に関連した制限容量値Plim(i)が、時間間隔ΔT(j)に関連した負荷値TLC(j)と電池BATの充電システムによる負荷の和に相当する、TLC+VE(j)で示される予測された増加後の負荷値と比較される。
したがって電池の充電を有効にするステップ(サブステップ420)は、この時間間隔ΔT(j)に関連する予測された増加後の負荷値TLC(j)+VE(j)が制限容量値Plim(i)未満である場合、および、この時間間隔ΔT(j)が充電時間間隔ΔTchg(1)〜ΔTchg(K)のうちの1つにさらに対応する場合に限って、時間間隔ΔT(j)中に行なわれる。
一方、この時間間隔ΔT(j)に関連する予測された増加後の負荷値TLC+VE(j)が、制限容量値Plim(i)以上あると、その時間間隔ΔT(j)が充電時間間隔ΔTchg(1)〜ΔTchg(K)のうちの1つに対応するか否かにかかわらず、時間間隔ΔT(j)中の電池の充電は無効になる(サブステップ430)。
このようにして、電池BATの充電が、制限容量値Plim以上の負荷曲線TLCの領域に入るのを防止することにより、この実施形態は、場合によっては電池BATの充電が不完全になっても、電気的充電デバイスTEを保護する。
【0026】
図5は、本発明の最適化された充電方法を用いたとき得られるプラスの効果を示すグラフである。
【0027】
このグラフは、変圧器に対する全日にわたる負荷曲線TLCならびに制限容量Plimのある期間にわたる変化を表す曲線を示すものであり、負荷曲線TLCが制限容量Plimを上回ると悪影響が生じる。
午後6時のユーザの到着時間tA(すなわち電気車両VEが変圧器に接続された瞬間)および午前7時ごろのユーザの出発時間tD(すなわち電気車両VEが電源端子から切り離された瞬間)が示されており、間隔[tA,tD]に等しい利用可能な充電期間Tdを定義している。
このグラフの下部に、本発明によって最適化された充電方法を適用することによって得られる、ある期間にわたって交互に生じる充電の活性化と非活性化の段階を表す曲線CRMが見られる。
この曲線CRMでは、21:00、22:00、および23:00にある充電時間間隔において、最適化された充電が活性化されていることが明らかである。それに加えて、最適化された充電は、1:30〜2:00のあたりの期間を除けば0:00と7:00の間である程度連続的に有効になっている。これらの充電時間間隔以外では充電が無効になっている。
もたらされた負荷曲線もTLC+VEで示されている。このもたらされた負荷曲線から、車両VEの最適化された充電によって上昇されるのは、主に制限容量レベルPlimの下にある負荷曲線TLCの低点であることが明らかである。したがって、本発明の方法によって負荷曲線TLCが平滑化される。
結果として、車両VEを充電することによって誘起される負荷曲線の増加は、負荷曲線TLCにおける最小限の負荷値に制限され、このことにより、期間[tA;tD]の全体にわたって充電が連続的に許容される場合と異なって、変圧器に対するマイナスの効果が制限される。本発明を用いると、充電による電力消費が生じるのは、好ましい瞬間中(TLCの値が小さいとき)のみである。
【0028】
上記で説明された最適化された充電方法の種々のステップは、最適化された充電システムの処理ユニットによって実行するのに適切なプログラムによって実施され得て、例えばコンピュータまたはデータプロセッサとして実施され、前記プログラムは、前述のように、方法のステップの実行を制御するための命令を含む。
具体的には、対象の処理ユニットは、電気車両の充電を局所的に管理するために、最適化された充電デバイスTEまたは電気システムVE内に配置されてよい。
または、対象の処理ユニットは、大きなフリート(fleet)の場合に適切な、充電の中心的管理のために、最適化された充電デバイスTEから遠く、最適化された充電システムSEの一部分である遠隔コンピュータシステムの中に配置されてもよい。そのような場合、最適化された充電を管理するために、命令は、種々の通信網を介して、最適化された充電デバイスTEまたは電気システムVEに伝達される。
プログラムに関しては、任意のプログラミング言語を用いることができ、また、ソースコード、オブジェクトコード、もしくは部分的にコンパイルされた形態などのソースコードとオブジェクトコードの中間のコード、またはその他の望ましい形態であり得る。
本発明は、コンピュータまたはデータプロセッサによる読取りが可能な、前述のようなプログラムの命令を含んでいる媒体にも関する。この媒体は、プログラムを格納することができる任意の実体または装置でよい。例えば、媒体は、例えばCD-ROMもしくは超小形電子回路ROMといったROM、またはディスケットもしくはハードディスクなどの磁気記憶装置などの記憶媒体から成ってよい。
一方、媒体は、電気信号、光信号、電磁信号などの伝達可能な媒体でもよく、電気ケーブルまたは光ケーブルを介して、無線で、または他の手段によって伝達され得る。本発明によるプログラムは、具体的にはインターネットなどのネットワークを通じてダウンロードされてよい。あるいは、媒体は、プログラムを内蔵する集積回路でもよく、この回路は、対象となっている方法を実行するか、または実行するのに用いられるように適合されている。
本発明の最適化された充電方法は、メモリ効果、部分的充電の不都合または製造業者からの禁忌がない電池の充電を伴う用途に特に有利であり、このタイプの電池は、充電可能状態から充電不能状態への移行期間が短く、必ずしも100%に充電するわけではない。したがって、電池BATは、有利にはリチウムイオン電池であり得る。
もちろん、本発明は、上記に説明され図示された実施形態に制限されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態および他の実装形態を思いつくことができる。
電気システムは、上記では電気車両の形で示されている。しかし、電気システムVEは、再充電可能電池を有する携帯電話など、電気エネルギーを蓄積するための容量を有する何らかの電気システムの形態を非常によくとることができる。
【符号の説明】
【0029】
VE 電気システム
U ユーザ
BAT 電池
P1 接続ポート
Pl 接続ポート
SE 最適化された充電システム
TE 電気的充電デバイス
ENET 配電網
図1
図2
図3
図4
図5