(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電気的充電システムの処理ユニットによって実行されたとき請求項1から10のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するための命令を含むコンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下では、本発明による、電気システムの電池を充電するための最適化されたシステムを示す
図1が最初に参照されることになる。
【0008】
図1のS
Eで示されるこの最適化された充電システムは、1つまたは複数の電気システムV
Eの電池BATを充電するための充電システムに接続するのに適切な少なくとも1つの電気的充電デバイスT
Eを備える。
図1には、単なる説明のために、単一の電気的充電デバイスT
Eおよび単一の電気システムV
Eが表されているが、最適化された充電システムS
Eは、任意の数の電気システムを充電することができるように任意の数の電気的充電デバイスを含むことができる。
この電気的充電デバイスT
Eは、それ自体が配電網E
NETに接続されて充電に必要な電気エネルギーを取得するものであり、例えば電力変圧器からなってもよい。したがって、デバイスT
Eは、配電網E
NETによって供給される電力を用いて電気システムの電池BATを充電するために、電気システムの電池BATに接続するのに適切な1つまたは複数の接続ポートp
1、...、p
lを有する。
電気システムV
Eは、電池充電システムと関連した1つまたは複数の電池BATを含む。この電気システムV
Eは、この電池BAT用の充電システムを、自分のスケジュールに従って電気的充電デバイスT
Eに対して接続したり切り離したりするユーザUによって使用される。
本発明が電気車両という特定のタイプの電気システムに対して特に有利な用途を有するので、
図1は、単に説明のために、電気システムV
Eを電気車両として表す。この説明に役立つ実例では、電気車両V
Eは、電池BAT用の充電システムを、自分のスケジュールに従って電気的充電デバイスT
Eに対して接続したり切り離したりするユーザUによって運転される。そのような電気車両は、自動車、モペッド、または配電網から充電することができる電池を有する他の任意のシステムであり得る。
したがって、電気的充電システムV
Eの最適化では、
図1で説明された最適化された充電システムに対して、
- 電気的充電デバイスT
Eと関連した負荷曲線などの、充電配電網に関係する制約、
- 電池BATの充電プロファイル、またはユーザUが電気的充電デバイスT
Eに電池BATを接続するとき、まだ電池に蓄積されている電気エネルギーなどの、充電される電池に関係する制約、および
- 電気的充電デバイスT
Eに対してユーザが電気システムを接続したり切り離したりする時間に影響を及ぼし、したがって電池BATに関する利用可能な充電時間に影響を及ぼす、ユーザU自身に、特にそのスケジュールに関係した制約、といった種々の制約が適用される。
本発明では、電気システムV
Eの電池BATは、利用可能な充電時間帯Td内の少なくとも1つの充電時間間隔ΔT
chg(i)中に充電され、充電時間間隔ΔT
chg(i)は、この電池BAT用の充電システムを電気的充電デバイスT
Eに接続することによって開始され、これによって、ユーザのスケジュールに関係する特定の制約に基づいてこの電池の充電を最適化することが可能になる。
充電時間間隔ΔT
chg(i)は、電気的充電デバイスT
Eに関連した負荷曲線TLCの関数として求められ、このことも、電気的充電デバイスT
Eに関係する、したがって最適化された充電システムS
Eに関係する制約に基づいて電池BATの充電を最適化することを可能にする。
そのような負荷曲線TLCは、所与の瞬間に、例えば予期された負荷変化に基づいて推定することができ、または時間内のその瞬間に、電気的充電デバイスT
Eの状態に従って、進行中の負荷最適化を保証するように、充電中に更新することができる。説明のために、負荷曲線TLCは、所定の負荷曲線モデルまたは電気的充電デバイスT
Eの負荷の記録された経過から計算された負荷曲線モデルに基づいて推定されてよい。負荷曲線TLCの更新は、電気的充電デバイスT
Eの負荷をリアルタイムサンプリングすることによって達成されてよい。そのような更新は、接続された多数の電池が同時に充電されていて、負荷曲線TLCの大きな変化をもたらす可能性がある場合には、特に好ましいものである。
【0009】
次に
図2を参照すると、本発明による、電気システムの電池を充電するための最適化された充電方法のステップが示されている。
【0010】
この方法は、電気的充電デバイスT
Eによる1つまたは複数の電気システムV
Eの電池の最適化された充電に関するものであり、電気システムV
Eは、この充電を遂行するためにこの電気的充電デバイスT
Eに接続され得る充電システムに関連した電池BATを備える。以下では、説明のために単一の電気システムV
Eの最適化された充電が説明されるが、この方法は任意の数の電気システムの充電に適用することができる。
この方法は、最初に、利用可能な充電時間帯Tdを求めるステップ(ステップ100)を含んでよく、ステップ100は、電池BATの充電に利用可能な時間に影響を及ぼすユーザの制約、特にユーザのスケジュールを考慮に入れるために遂行されるものである。
したがって、電池BAT充電システムが電気的充電デバイスT
Eに接続された瞬間t
Aによって、利用可能な充電時間帯Tdの開始を決定することができる。言い換えれば、電池が接続されたときの瞬間t
Aに、利用可能な充電時間帯Tdが始まる。
利用可能な充電時間帯Tdの終了に対応する瞬間t
Dを求めるために、電気システムV
Eを切り離すと予想される時間(例えばユーザが電気車両を取り戻す予定の時間)、例えばユーザが仕事のために朝出かけると予期される時間を示すようにユーザに依頼することが有利である。ユーザUは、例えばスマートフォンまたは使用している電気車両のダッシュボードの専用のウェブインターフェースを介して、この充電終了時間t
Dに関する指標を与えることができる。
一旦、この利用可能な充電時間帯Tdが決定されると、利用可能な充電時間帯Tdが十分にある場合に限って最適化された充電プロセスが始められるように、十分にあることをあらかじめ検証する(ステップ200)ことが有利である。利用可能な充電時間帯Tdが十分になければ、利用可能な充電時間帯Tdの全体を通じて従来の充電プロセスを実施する(ステップ250)ことができ、このことは以下で説明される。
【0011】
図3は、そのような事前検証ステップ200の一実施形態を示すものである。
【0012】
この実施形態では、充電デバイスT
Eに接続されたとき電池BATに残っている残留電気エネルギーE
inのレベルに対応して、部分的充電期間Txが最初に計算される(ステップ210)。言い換えれば、この部分的充電期間Txは、電池BATを、エネルギーが空の状態(ゼロの充電状態SoC)から残留電気エネルギーE
inのレベルまで充電するのに必要な時間に相当する。
接続した時間に入手可能な情報が、電池BATの充電状態SoC
0から成る特別な場合には、残留電気エネルギーE
inのこのレベルは、次の式(1)を用いてあらかじめ計算され、
(1) E
in=E
expl・SoC
0
ここで、
- E
explは、この電池BATの使用可能容量であり、
- SoC
0は、充電デバイスT
Eに接続されたとき(
図4に示された時間t
Aを意味する)の電池BATの充電状態である。
【0013】
次いで、次式(2)を用いて部分的充電期間Txが求められ、
【0015】
ここで、
- η
BATは、電池BATの0〜100%の間の効率パラメータであり、
- η
chrgrは、この電池BAT用の充電器の、やはり0〜100%の間の効率パラメータであり、
- PFL(t)は、電池BATの、配電網から充電する充電プロファイルである。
【0016】
次いで、電池BATの充電プロファイルPFL(t)に基づいて、電池BATを空き状態(ゼロの充電状態SoC)から満充電するのに必要な時間に相当する十分な充電期間Tcompが求められる(ステップ220)。
具体的には、この充電期間Tcompは次の式(3)を用いて計算され、
【0018】
ここで、E
maxは、この満充電の最後に到達する電気エネルギーのレベルであり、一般に電池BATの最大充電レベルに相当する。しかし、本発明は、この場合に限定されることなく、E
maxが電池BATの最大充電レベルとは異なる特定の充電レベルに相当する電気エネルギーのレベルである場合にも適用することができる。
部分的充電期間Txを求めるステップ210と十分な充電期間Tcompを求めるステップ220とは、必ずしも上記で示された順番で遂行されるわけではなく、十分な充電期間Tcompの割出しが部分的充電期間Txの割出しに先行することを意味する逆順でも、非常によく遂行され得る。
【0019】
一旦、期間TxおよびTcompが求められると、残留エネルギーE
inを含んでいる電池BATの満充電を達成するのに必要な充電期間T
100は、次式を用いて求めることができる(ステップ230)。
(4) T
100=Tcomp-Tx
【0020】
次いで、満充電を完了するのに十分な時間があるかどうか判断するために、この期間T
100が、利用可能な充電時間帯Tdの期間と比較され得る(ステップ240)。
この期間T
100が利用可能な充電時間帯Tdの期間未満であれば、本発明による最適化された充電方法を適用することが有利に可能である。反対に、この期間T
100が利用可能な充電時間帯Tdの期間より長ければ、電池BATの完全で最適な充電は不可能である。
後者の場合、利用可能な充電時間帯Tdの全体を通じて、期間Txだけ短縮された充電プロファイルPFL(t)が適用される従来の充電を遂行することができ、この期間Td中の充電スケジュールがP(t)=PFL(Tx+t)に相当する充電電力に基づくことを意味する。
【0021】
図2に示される最適化された充電方法に戻るために、任意選択で、期間T
100が利用可能な充電時間帯Tdより短いことを検証した後、次いで、電気的充電デバイスに電池充電システムを接続することによって開始される利用可能な充電時間帯Td内の1つまたは複数の充電時間間隔ΔT
chg(1)〜ΔT
chg(K)(Kは1以上の整数である)が、電気的充電デバイスT
Eに関連した負荷曲線TLCに基づいて求められる(ステップ300)。
次いで、電池BATの最適化された充電を達成するために、電池BATは充電時間間隔ΔT
chg(1)〜ΔT
chg(K)の間に充電される(ステップ400)。この充電は、充電時間間隔ΔT
chg(1)〜ΔT
chg(K)の間に、電池用の充電プロファイルに従って行なわれる。したがって、この充電プロファイルは、上記の制約に照らして、期間Td内の最も適切な瞬間に配置された種々の期間へと分割される。
【0022】
次に、本発明による割出しステップ300および電池BATの充電ステップ400の両方の実装形態を示す
図4を参照する。
【0023】
具体的には、この事前の割出しステップは、好ましくは、利用可能な充電時間帯Td内の連続した時間間隔ΔT(1)〜ΔT(n)の1つにそれぞれが関連している負荷曲線の電力値TLC(1)〜TLC(n)のセット{TLC(i)}
1≦i≦nを得るために、電気的充電デバイスT
Eと関連した負荷曲線TLCを、利用可能な充電時間帯Tdにわたってサンプリングするステップ(ステップ310)を最初に含んでよい。
このサンプリングは、好ましくは、周期的なものであり、充電時間間隔ΔTの期間に対応する長さの時間の後、繰り返される。次いで、負荷曲線の電力値TLC(i)が、利用可能な充電時間帯Td内に含まれているi番目の時間間隔ΔT(i)を示す時間インデックスiに関連付けられる。
このサンプリング段階の最後では、負荷曲線の電力値TLC(1)、...、TLC(i)、...、TLC(n)が、それぞれ一連の連続した時間間隔ΔT(1)、...、ΔT(i)、...、ΔT(n)に関連付けられ、これらの時間帯自体が、一連の時間インデックス1、...、i、....、nで示され、ΔT(i)=i*ΔTという関係を満たす。
この負荷曲線TLCのサンプリングにより、特に負荷曲線の電力値に関連したインデックスをソートするとき離散時間での動作が可能になり、コンピュータ化された手段を用いて、より容易に実現される。
一旦、負荷曲線TLCがサンプリングされると、前記時間間隔ΔT(1)〜ΔT(n)のうちの1つとそれぞれ関連付けられる、ソートされた負荷曲線の電力値のセット{TTC(i)}
1≦i≦nを得るように、負荷曲線の電力値TLC(1)〜TLC(n)が昇順にソートされる(ステップ320)。
単なる実例として、午前1時と午前7時の間で1時間ごとに負荷曲線をサンプリングすることによって得られた値が、
TLC(1)=75kW
TLC(2)=80kW
TLC(3)=70kW
TLC(4)=65kW
TLC(5)=65kW
TLC(6)=60kW
TLC(7)=70kW
であれば、
TTC(1)=TLC(6)=60kW
TTC(2)=TLC(4)=65kW
TTC(3)=TLC(5)=65kW
TTC(4)=TLC(3)=70kW
TTC(5)=TLC(7)=70kW
TTC(6)=TLC(1)=75kWおよび
TTC(7)=TLC(2)=80kW、
といったソートされた負荷曲線の電力値がしたがって得られる。
【0024】
このソートでは、いくつかの負荷曲線の電力値TLC(i)同一であると、例えば発生順でそれらをソートすることができ、このことは、ソートされた負荷曲線の電力値にTTC(2)およびTTC(3)をそれぞれ与える値TLC(4)およびTLC(5)で上記に示されている。
【0025】
次いで、電池BATは、第1のソートされた負荷曲線の電力値TTC(1)に関連した時間間隔ΔT(i)に対応する少なくとも1つの充電時間間隔ΔT
chg(i)にわたって充電される(ステップ400)。
したがって、この充電時間間隔ΔT
chg(i)中の電気車両V
Eの充電が、期間Tdの間のその最小値のうちの1つにおいて負荷曲線TLCに影響を及ぼし、したがって、電気的充電デバイスT
Eに対する悪影響が多すぎる、より大きい負荷値のさらなる上昇が回避される。
電気的充電デバイスT
Eの負荷曲線TLCの低い期間中の電池BATの充電を優先させるために、電池BATは、必要に応じて、第1のソートされた負荷曲線の電力値TTC(1)、TTC(2)などに関連した時間間隔ΔT(i)に対応するいくつかの充電時間間隔ΔT
chg(i)にわたって充電することができる。これは、特に、単一の充電間隔ΔT
chg(i)にわたる充電が電池BATを満充電するのに十分でないときのことである。
したがって、一実施形態では、電池BATの充電は、電気的充電デバイスT
Eの負荷曲線TLCの最低の期間に対応するように選択されたK個の充電時間間隔ΔT
chg(1)〜ΔT
chg(K)の間に遂行される。
数Kは整数であり、有利には、この電池を満充電することができるように、電池BATを電気的充電デバイスに接続したときの電池の残留電気エネルギーE
inのレベルに依拠するものである。
具体的には、数Kは、残留電気エネルギーE
inのこのレベルおよび電池の充電プロファイルPFL(t)から以下のように求めることができる。
- 電池を満充電するのに必要な期間T
100は、利用可能な充電時間帯の事前の検証に関する上記のことと同様に、残留電気エネルギーE
inのレベルおよび電池の充電プロファイルPFL(t)から求められる。
- 数Kは、この期間T
100をサンプリング間隔の期間ΔT(例えば15分)で割った商より厳密に大きい整数として選択され得て、好ましくは、充電時間を、電池を満充電するのに必要なものだけにするために、この商より大きい最初の整数に相当する。
一旦この数Kが求められると、充電時間間隔ΔT
chg(1)〜ΔT
chg(K)が、昇順にソートされた負荷曲線の電力値TTC(1)〜TTC(K)の中の第1の値に関連した時間間隔に対応するように、すべての時間間隔ΔT(1)〜ΔT(n)の中から選択される(ステップ330)。このようにして、ΔT
chg(i)は、発生順になるように選択される。
上記の例では、K=3の場合、負荷曲線の電力値TLC(4)、TLC(5)およびTLC(6)にそれぞれ関連した第4の時間間隔ΔT(4)、第5の時間間隔ΔT(5)および第6の時間間隔ΔT(6)は、電池の充電が有効になる充電時間間隔ΔT
chg(1)〜ΔT
chg(3)として選択されることになる。
K=4の場合、前記時間間隔ΔT(4)、ΔT(5)およびΔT(6)に加えて、第4の充電時間間隔ΔT
chg(4)が、TLC(3)およびTLC(7)に関連した第3の時間間隔と第7の時間間隔の中から選択され、すなわち、ソートされた負荷曲線の電力値の第4の値TTC(4)に対応するΔT(3)になる。
一旦、充電時間間隔ΔT
chg(1)〜ΔT
chg(K)が求められると、次いで、この方法は、これらの充電時間間隔中に電池BATを充電する(ステップ400)。
図3に示された実施形態では、この充電段階400は、それぞれの連続した時間間隔ΔT(1)〜ΔT(n)について、対象の時間間隔ΔT(j)と、充電時間間隔ΔT
chg(1)〜ΔT
chg(K)のうちの1つの間の対応を検証するステップ(サブステップ410)を含む。
時間間隔ΔT(j)が、実際に充電時間間隔ΔT
chg(1)〜ΔT
chg(K)のうちの1つであると、次いで、時間間隔ΔT(j)の間に電池の充電が活性化される(サブステップ420)。
一方、時間間隔ΔT(j)が充電時間間隔ΔT
chg(1)〜ΔT
chg(K)のうちの1つに相当していなければ、次いで、時間間隔ΔT(j)の間、電池の充電が無効になる(サブステップ430)。言い換えれば、k個の時間間隔ΔT
chg(1)〜ΔT
chg(K)以外では充電が行なわれない。
この操作は、インデックスjをインクリメントするループで表されるように、利用可能な充電時間帯Tdの各時間間隔ΔT(j)中に連続的に繰り返される(サブステップ441および443)。
したがって、この第1の実施形態では、電池BATは、電気的充電デバイスT
Eの負荷曲線の中の最小値に対応する一定数の時間間隔中にのみ充電される。
この実施形態は、電源端子から充電の「全か無か」の制御を用いて充電の時間最適化のみ行なわれる場合に特に適切であり、この場合、電気システムV
Eが、その電池管理システム(BMS)を用いて充電を管理し、したがって、散在する休止を伴うその充電プロファイルを適用する。
好ましい実施形態では、充電が制限容量値P
lim(例えば80kW)を越えて有効になることはなく、負荷レベルがこの値を超過するのは不利であると見なされている。
この制限容量値P
limは、利用可能な充電期間の全体にわたって一定でも変化してもよく、変化する場合、制限容量値P
lim(i)は各時間間隔ΔT(i)に関連付けられ、P
lim(i)の値は、場合により、互いに異なるものである。
この実施形態では、前もって求められた充電時間間隔ΔT
chg(1)〜ΔT
chg(K)のうちの1つに対応する時間間隔ΔT(j)を選択した後、それぞれの連続した時間間隔ΔT(j)について、時間間隔ΔT(j)に関連した制限容量値P
lim(i)が、時間間隔ΔT(j)に関連した負荷値TLC(j)と電池BATの充電システムによる負荷の和に相当する、TLC+VE(j)で示される予測された増加後の負荷値と比較される。
したがって電池の充電を有効にするステップ(サブステップ420)は、この時間間隔ΔT(j)に関連する予測された増加後の負荷値TLC(j)+VE(j)が制限容量値P
lim(i)未満である場合、および、この時間間隔ΔT(j)が充電時間間隔ΔT
chg(1)〜ΔT
chg(K)のうちの1つにさらに対応する場合に限って、時間間隔ΔT(j)中に行なわれる。
一方、この時間間隔ΔT(j)に関連する予測された増加後の負荷値TLC+VE(j)が、制限容量値P
lim(i)以上あると、その時間間隔ΔT(j)が充電時間間隔ΔT
chg(1)〜ΔT
chg(K)のうちの1つに対応するか否かにかかわらず、時間間隔ΔT(j)中の電池の充電は無効になる(サブステップ430)。
このようにして、電池BATの充電が、制限容量値P
lim以上の負荷曲線TLCの領域に入るのを防止することにより、この実施形態は、場合によっては電池BATの充電が不完全になっても、電気的充電デバイスT
Eを保護する。
【0026】
図5は、本発明の最適化された充電方法を用いたとき得られるプラスの効果を示すグラフである。
【0027】
このグラフは、変圧器に対する全日にわたる負荷曲線TLCならびに制限容量P
limのある期間にわたる変化を表す曲線を示すものであり、負荷曲線TLCが制限容量P
limを上回ると悪影響が生じる。
午後6時のユーザの到着時間t
A(すなわち電気車両V
Eが変圧器に接続された瞬間)および午前7時ごろのユーザの出発時間t
D(すなわち電気車両V
Eが電源端子から切り離された瞬間)が示されており、間隔[t
A,t
D]に等しい利用可能な充電期間Tdを定義している。
このグラフの下部に、本発明によって最適化された充電方法を適用することによって得られる、ある期間にわたって交互に生じる充電の活性化と非活性化の段階を表す曲線CRMが見られる。
この曲線CRMでは、21:00、22:00、および23:00にある充電時間間隔において、最適化された充電が活性化されていることが明らかである。それに加えて、最適化された充電は、1:30〜2:00のあたりの期間を除けば0:00と7:00の間である程度連続的に有効になっている。これらの充電時間間隔以外では充電が無効になっている。
もたらされた負荷曲線もTLC+VEで示されている。このもたらされた負荷曲線から、車両V
Eの最適化された充電によって上昇されるのは、主に制限容量レベルP
limの下にある負荷曲線TLCの低点であることが明らかである。したがって、本発明の方法によって負荷曲線TLCが平滑化される。
結果として、車両V
Eを充電することによって誘起される負荷曲線の増加は、負荷曲線TLCにおける最小限の負荷値に制限され、このことにより、期間[t
A;t
D]の全体にわたって充電が連続的に許容される場合と異なって、変圧器に対するマイナスの効果が制限される。本発明を用いると、充電による電力消費が生じるのは、好ましい瞬間中(TLCの値が小さいとき)のみである。
【0028】
上記で説明された最適化された充電方法の種々のステップは、最適化された充電システムの処理ユニットによって実行するのに適切なプログラムによって実施され得て、例えばコンピュータまたはデータプロセッサとして実施され、前記プログラムは、前述のように、方法のステップの実行を制御するための命令を含む。
具体的には、対象の処理ユニットは、電気車両の充電を局所的に管理するために、最適化された充電デバイスT
Eまたは電気システムV
E内に配置されてよい。
または、対象の処理ユニットは、大きなフリート(fleet)の場合に適切な、充電の中心的管理のために、最適化された充電デバイスT
Eから遠く、最適化された充電システムS
Eの一部分である遠隔コンピュータシステムの中に配置されてもよい。そのような場合、最適化された充電を管理するために、命令は、種々の通信網を介して、最適化された充電デバイスT
Eまたは電気システムV
Eに伝達される。
プログラムに関しては、任意のプログラミング言語を用いることができ、また、ソースコード、オブジェクトコード、もしくは部分的にコンパイルされた形態などのソースコードとオブジェクトコードの中間のコード、またはその他の望ましい形態であり得る。
本発明は、コンピュータまたはデータプロセッサによる読取りが可能な、前述のようなプログラムの命令を含んでいる媒体にも関する。この媒体は、プログラムを格納することができる任意の実体または装置でよい。例えば、媒体は、例えばCD-ROMもしくは超小形電子回路ROMといったROM、またはディスケットもしくはハードディスクなどの磁気記憶装置などの記憶媒体から成ってよい。
一方、媒体は、電気信号、光信号、電磁信号などの伝達可能な媒体でもよく、電気ケーブルまたは光ケーブルを介して、無線で、または他の手段によって伝達され得る。本発明によるプログラムは、具体的にはインターネットなどのネットワークを通じてダウンロードされてよい。あるいは、媒体は、プログラムを内蔵する集積回路でもよく、この回路は、対象となっている方法を実行するか、または実行するのに用いられるように適合されている。
本発明の最適化された充電方法は、メモリ効果、部分的充電の不都合または製造業者からの禁忌がない電池の充電を伴う用途に特に有利であり、このタイプの電池は、充電可能状態から充電不能状態への移行期間が短く、必ずしも100%に充電するわけではない。したがって、電池BATは、有利にはリチウムイオン電池であり得る。
もちろん、本発明は、上記に説明され図示された実施形態に制限されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態および他の実装形態を思いつくことができる。
電気システムは、上記では電気車両の形で示されている。しかし、電気システムV
Eは、再充電可能電池を有する携帯電話など、電気エネルギーを蓄積するための容量を有する何らかの電気システムの形態を非常によくとることができる。