(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電気的充電システムの処理ユニットによって実行されたとき請求項1から11のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するための命令を含むコンピュータプログラム。
前記電気的充電デバイスに接続された遠隔コンピュータシステムであって、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するのに適切な処理ユニットを備える遠隔コンピュータシステムをさらに備える請求項14に記載の最適化された充電システム(SE)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本発明による、電気車両を充電するための最適化されたシステムを示す
図1が最初に参照されることになる。
【0011】
図1のS
Eで示されるこの最適化された充電システムは、1つまたは複数の電気システムV
Eの電池BATを充電するための充電システムに接続するのに適切な少なくとも1つの電気的充電デバイスT
Eを備える。
図1には、単なる説明のために、単一の電気的充電デバイスT
Eおよび単一の電気システムV
Eが表されているが、最適化された充電システムS
Eは、任意の数の電気システムを充電することができるように任意の数の電気的充電デバイスを含むことができる。
この電気的充電デバイスT
Eは、それ自体が配電網E
NETに接続されて充電に必要な電気エネルギーを取得するものであり、たとえば電力変圧器からなってよい。したがって、デバイスT
Eは、配電網E
NETによって供給される電力を用いて電気システムの電池BATを充電するために、電気システムの電池BATに接続するのに適切な1つまたは複数の接続ポートp
1、...、p
lを有する。
電気システムV
Eは、電池充電システムと関連した1つまたは複数の電池BATを含む。この電気システムV
Eは、この電池BAT用の充電システムを、自分のスケジュールに従って電気的充電デバイスT
Eに対して接続したり切り離したりするユーザUによって使用される。
本発明が電気車両という特定のタイプの電気システムに対して特に有利な用途を有するので、
図1は、単に説明のために、電気システムV
Eを電気車両として表す。この説明に役立つ実例では、電気車両V
Eは、電池BAT用の充電システムを、自分のスケジュールに従って電気的充電デバイスT
Eに対して接続したり切り離したりするユーザUによって運転される。そのような電気車両は、自動車、モペッド、または配電網から充電することができる電池を有する他の任意のシステムであり得る。
したがって、電気的充電システムV
Eの最適化では、
図1で説明された最適化された充電システムに対して、
- 電気的充電デバイスT
Eと関連した負荷曲線などの、充電配電網に関係する制約、
- 電池BATの充電プロファイル、またはユーザUが電気的充電デバイスT
Eに電池BATを接続するとき、まだ電池に蓄積されている電気エネルギーなどの、充電される電池に関係する制約、および
- 電気的充電デバイスT
Eに対してユーザが電気システムを接続したり切り離したりする時間に影響を及ぼし、したがって電池BATに関する利用可能な充電時間に影響を及ぼす、ユーザU自身に、特にそのスケジュールに関係した制約、といった種々の制約が適用される。
本発明では、電気システムV
Eの電池BATは、利用可能な充電時間帯Td内の少なくとも1つの充電時間間隔ΔT
chg(i)中に充電され、充電時間間隔ΔT
chg(i)は、この電池BAT用の充電システムを電気的充電デバイスT
Eに接続することによって開始され、これによって、ユーザのスケジュールに関係する特定の制約に基づいてこの電池の充電を最適化することが可能になる。
充電時間間隔ΔT
chg(i)は、電気的充電デバイスT
Eに関連した負荷曲線TLCの関数として求められ、このことも、電気的充電デバイスT
Eに関係する、したがって最適化された充電システムS
Eに関係する制約に基づいて電池BATの充電を最適化することを可能にする。
そのような負荷曲線TLCは、所与の瞬間に、たとえば予期された負荷変化に基づいて推定することができ、または時間内のその瞬間に、電気的充電デバイスT
Eの状態に従って、進行中の負荷最適化を保証するように、充電中に更新することができる。説明のために、負荷曲線TLCは、所定の負荷曲線モデルまたは電気的充電デバイスT
Eの負荷の記録された経過から計算された負荷曲線モデルに基づいて推定されてよい。充電中の更新は、接続された多数の電池が同時に充電されていて、負荷曲線TLCの大きな変化をもたらす可能性がある場合には、特に好ましいものである。
【0012】
次に
図2を参照すると、本発明による、電気システムの電池を充電するための最適化された方法のステップが示されている。
【0013】
この方法は、電気的充電デバイスT
Eによる1つまたは複数の電気システムV
Eの電池の最適化された充電に関するものであり、電気システムV
Eは、この充電を遂行するためにこの電気的充電デバイスT
Eに接続され得る充電システムに関連した電池BATを備える。以下では、説明のために単一の電気システムV
Eの最適化された充電が説明されるが、この方法は任意の数の電気システムの充電に適用することができる。
この方法は、最初に、利用可能な充電時間帯Tdを求めるステップ(ステップ100)を含んでよく、ステップ100は、電池BATの充電に利用可能な時間に影響を及ぼすユーザの制約、特にユーザのスケジュールを考慮に入れるために遂行されるものである。
したがって、電池BAT充電システムが電気的充電デバイスT
Eに接続された瞬間t
Aによって、利用可能な充電時間帯Tdの開始を決定することができる。言い換えれば、電池が接続されたときの瞬間t
Aに、利用可能な充電時間帯Tdが始まる。
利用可能な充電時間帯Tdの終了に対応する瞬間t
Dを求めるために、電気システムV
Eを切り離すと予想される時間(たとえばユーザが電気車両を取り戻す予定の時間)、たとえばユーザが仕事のために朝出かけると予期される時間を示すようにユーザに依頼することが有利である。ユーザUは、たとえばスマートフォンまたは使用している電気車両のダッシュボードの専用のウェブインターフェースを介して、この充電終了時間t
Dに関する指標を与えることができる。
【0014】
一旦、この利用可能な充電時間帯Tdが求められると、この方法は、電池BATに適用すべき充電の期間T
100を、充電デバイスT
Eに接続されたとき電池BATに含まれている残留電気エネルギーE
inの関数として求めるステップ(ステップ200)によって継続される。
具体的には、この充電期間T
100は、電池を、所定の値である電気エネルギーの所望レベルEまで充電することができるように求められ、所定の値とは、一般に、この電池BATに蓄積することができる最大エネルギーE
maxであり、満充電の電池に対応するものである。
図3には、電池に適用される充電時間帯の期間T
100を求めるそのようなステップ200の一実施形態が示されている。
この実施形態では、充電デバイスT
Eに接続されたとき電池BATに残っている残留電気エネルギーE
inのレベルに対応して、第1の部分的充電期間Txが最初に計算される(ステップ210)。
言い換えれば、この部分的充電期間Txは、電池BATを、エネルギーが空の状態(ゼロの充電状態SoC)から残留電気エネルギーE
inのレベルまで充電するのに必要な時間に相当する。
接続した時間に入手可能な情報が、電池BATの充電状態SoC
0から成る特別な場合には、残留電気エネルギーE
inのこのレベルは、次の式(1)を用いてあらかじめ計算され、
(1) E
in=E
expl・SoC
0
ここで、
- E
explは、この電池BATの使用可能容量であり、
- SoC
0は、充電デバイスT
Eに接続されたとき(
図4に示された時間t
Aを意味する)の電池BATの充電状態である。
【0015】
次いで、次式(2)を用いて部分的充電期間Txが求められ、
【0017】
ここで、
- η
BATは、電池BATの0〜100%の間の効率パラメータであり、
- η
chrgrは、この電池BAT用の充電器の、やはり0〜100%の間の効率パラメータであり、
- PFL(t)は、電池BATの、配電網から充電する充電プロファイルである。
次いで、電池BATの充電プロファイルPFL(t)に基づいて、電池BATを、エネルギーが空の状態(ゼロの充電状態SoC)から始めて、電気エネルギーの所望レベルEまで充電するのに必要な時間に相当する第2の充電期間Tcompが求められる(ステップ220)。
この第2の充電期間Tcompは、次の式(3)を用いて計算することができる。
【0019】
具体的には、電気エネルギーの所望レベルEが電池BATの最大充電レベルE
maxに相当するとき、この第2の充電期間Tcompは、電池BATを、エネルギーが空の状態から始めて満充電するのに必要な時間を意味する十分な充電期間に相当する。
この特定のケースでは、この十分な充電期間Tcompは次の式(4)を用いて取得される。
【0021】
ここで、E
maxは電池BATの最大充電レベルである。
【0022】
第1の部分的充電期間Txを求めるステップ210と第2の充電期間Tcompを求めるステップ220とは、必ずしも上記で示された順番で遂行されるわけではなく、第2の充電期間Tcompの割出しが第1の部分的充電期間Txの割出しに先行することを意味する逆順でも、非常によく遂行され得る。
一旦、期間TxおよびTcompが求められると、次いで、電池BATを、残留電気エネルギーE
inを含んでいる状態から所望の電気エネルギーE(一般にレベルE
maxの満充電状態)を含む状態まで充電するのに必要な時間に相当する充電期間T
100が、次の式(5)を用いて求められ得る(ステップ230)。
(5) T
100=Tcomp-Tx
【0023】
利用可能な充電時間帯Tdおよび電池BATに適用される充電期間T
100を求めた後、
図2に示される最適化された充電方法に戻るために、利用可能な充電時間帯Tdが十分にある場合に限って最適化された充電プロセスが始められるように、利用可能な充電時間帯Tdが十分にあることを検証するのが有利である。利用可能な充電時間帯Tdが十分になければ、利用可能な充電時間帯Tdの全体を通じて従来の充電プロセスを適用することができる。
これを行なうには、満充電を完了するのに十分な時間があるかどうか判断するために、利用可能な充電時間帯Tdの期間と充電期間T
100とが比較される(ステップ300)。
この期間T
100が利用可能な充電時間帯Tdの期間未満であれば、本発明による最適化された充電方法を適用することが有利に可能である。
反対に、この期間T
100が利用可能な充電時間帯Tdより長ければ、電池BATの完全で最適な充電は不可能である。後者の場合、利用可能な充電時間帯Tdの全体を通じて、期間Txだけ短縮された充電プロファイルPFL(t)が適用される従来の充電(ステップ350)を遂行することができ、この期間Td中の充電スケジュールがP(t)=PFL(Tx+t)に相当するプロファイルを有する充電電力に基づくことを意味する。
【0024】
利用可能な充電時間帯Tdおよび充電期間T
100を求めた後に、また、場合により、期間T
100がこの利用可能な充電時間帯Tdの期間以内であることを検証した後に、t
dcで示される充電時点の開始が、利用可能な充電時間帯Tdの範囲内で、電気的充電デバイスに関連した負荷曲線TLCと、(電気的充電デバイスT
Eのこの負荷曲線TLCに反映されている)配電網の制約を考慮に入れるための、たとえば電気的充電デバイスT
Eの定格負荷容量の50〜60%に有利に固定されている、P
limで示される負荷制限容量レベルとの関数として求められる(ステップ400)。
【0025】
次いで、電池BATは、利用可能な充電時間帯Tdの範囲内に含まれる、充電時点の開始t
dcから始まって充電期間T
100に相当する期間を有する充電時間帯Tcの間中充電される(ステップ500)。言い換えれば、充電時間帯Tcは、次の式(6)によって定義することができる。
(6) Tc=[t
dc; t
dc+ T
100]
【0026】
したがって、電池BATの充電は、ユーザの(利用可能な充電時間帯Tdを反映した)制約と、配電網の(電気的充電デバイスT
Eおよび制限容量値P
limの負荷曲線TLCを反映した)制約と、電気車両の(電気的充電デバイスT
Eに接続されたとき電池BATにまだ含まれている残留電気エネルギーE
inを反映した)制約とを考慮に入れながら行なわれる。
【0027】
図4は、本発明によって、充電時点の開始t
dcの時点を求めるステップ300の一実装形態を示す図である。
【0028】
具体的には、この割出しは、負荷曲線TLCと負荷の制限容量レベルP
limの間の差に依拠して、可能な負荷パラメータA
kの利用可能な充電時間帯Td内に含まれる充電時点の複数の連続した可能な開始t
pdc(1)、...、t
pdc(n)(nは1以上の整数である)の中の各時点t
pdc(k)(kは整数である)の計算 (ステップ420)を含む。したがって、負荷曲線TLCと負荷の制限容量レベルP
limの間の差に依拠して、充電時点のそれぞれの可能な開始t
pdc(k)に対応する可能な負荷パラメータA
kが存在する。
次いで、充電時点の開始t
dcは、すべての計算された可能な負荷パラメータA
1、...、A
nの中で最大値を有する最大の可能な負荷パラメータA
kmaxと関連した充電時点の可能な開始として選択される(ステップ430)。この最大の可能な負荷パラメータA
kmaxがインデックスk
maxの充電時点の可能な開始に関連付けられているので、言い換えればt
pdc(k
max)に関連付けられているので、したがって、充電時点の開始t
dcは、充電時点の可能な開始t
pdc(k
max)として求められる。
したがって、充電時点の複数の可能な開始t
pdc(k)に関して、計算された負荷パラメータA
kの中で最大の負荷パラメータに対応する充電時点の可能な開始t
pdc(k
max)を選択する前に、負荷パラメータA
kが最初に計算される。
これらの負荷パラメータA
kを得るために、計算ステップ420は、電池充電システムが電気的充電デバイスT
Eに接続された瞬間t
Aに相当し得る充電時点の第1の可能な開始t
pdc(1)で始まる充電時点のk番目の可能な開始t
pdc(k)に関して、
・k番目の可能な時点t
pdc(k)に関連した可能な負荷パラメータA
kを、負荷曲線TLCと負荷の制限容量レベルP
limの間の差の関数として計算するステップ(ステップ421)と、
・次いで、充電時点のk番目の可能な開始t
pdc(k)と利用可能な充電時間帯Tdの終了時間t
Dの間の時間間隔の期間[t
pdc(k); t
D]を充電時間帯Tcの期間T
100と比較するステップ(ステップ423)とを含む反復計算として有利に実施される。
これらのステップは、充電時点の複数の連続した可能な開始の中の各時点t
pdc(k)に関して、発生順(インデックスkをインクリメントすることによるt
pdc(1)、t
pdc(2)、などの順序を意味する)に、比較ステップによって時間間隔の期間[t
pdc(k);t
D]が充電時間帯Tcの期間T
100未満であることが明らかになるまで、繰り返される。
ステップ421および423の繰返しは、1の初期値から始まるインデックスkをインクリメントする反復ループ(ステップ425)で
図4に記号化されている。
この操作は、図表で、制限容量値P
limと充電期間T
100に相当する幅の時間のスライディングウィンドウ内の電気的充電デバイスT
Eの負荷曲線TLCとの間の領域の評価に等しく、前記ウィンドウは、電池BATが接続された瞬間t
Aから始まって、スライディングウィンドウが、利用可能な充電時間帯Tdの終端に到達するまで、利用可能な充電時間帯Tdにわたってスライドされる。
電池BATの充電を開始するように選択される瞬間は、次いで、時間のウィンドウが利用可能な充電時間帯Tdにわたってスライドされるとき、この領域を最大化するものになる。これによって、充電開始時間は、充電が主として電気的充電デバイスT
Eの負荷曲線が最小になる瞬間に時間決めされるように、また、利用可能な充電期間Tdの終了までに電池がエネルギーの所望レベルへと充電されるように、十分早期であるように最適化される。
【0029】
有利な実施形態では、割出しステップ400は、計算ステップ420に先立つサンプリングステップ410を含み、これによって、特に離散時間において負荷曲線TLCおよび/または負荷の制限容量レベルP
limに関するデータを容易に扱うことが可能になり、コンピュータ化された手段を用いると、より容易に達成される。
具体的には、それぞれが利用可能な充電時間帯Td内のn個の充電時点の連続した可能な開始t
pdc(1)、...、t
pdc(i)、...、t
pdc(n)で始まるn個の時間間隔ΔT(1)、...、ΔT(i)、...、ΔT(n)にそれぞれ関連したn個の負荷曲線の電力値TLC(1)、...、TLC(i)、...、TLC(n)を含むセット{TLC(i)}
1≦i≦nを得るために、利用可能な充電時間帯Tdにわたって負荷曲線TLCがサンプリングされる(ステップ411)。
このサンプリングは好ましくは周期的であり、周期の長さは、所定であって充電時間間隔ΔTの期間に対応するものであり、次いで、負荷曲線の電力値TLC(i)が、利用可能な充電時間帯Td内に含まれているi番目の時間間隔ΔT(i)を示す時間インデックスiに関連付けられる。
この場合、このサンプリング段階の最後で、連続した時間間隔ΔT(1)、...、ΔT(i)、...、ΔT(n)が、充電時点のn個の連続した可能な開始t
pdc(1)、...、t
pdc(i)、...、t
pdc(n)でそれぞれ始まり、それぞれ負荷曲線の電力値TLC(1)、...TLC(i)、...、TLC(n)、に関連付けられ、やはり一連の時間インデックス1、...、i、....、nで示され、ΔT(i)=i*ΔTという関係を満たす。
この場合、充電時点のk番目の可能な開始t
pdc(k)に関連したk番目の負荷パラメータA
kは、充電時点の可能な開始t
pdc(k)から始まる複数の連続した時間間隔ΔT(k)〜ΔT(k+k
100)(インデックスk
100は、第1の間隔ΔT(k)の後の連続した時間間隔の数をカウントする整数である)の中の各時間間隔ΔT(i)の、制限容量レベルP
limと前記時間間隔ΔT(i)に関連した負荷曲線の電力値TLC(i)との間のそれぞれの差の総計に等しい。
言い換えれば、負荷パラメータA
kは次の式(7)によって得られる。
【0031】
この実施形態は、制限容量値P
limが利用可能な充電時間帯Tdにわたって一定の場合に特に適合する。
【0032】
制限容量値P
limが、利用可能な充電時間帯Tdにわたって一定ではないが、この期間Tdにわたって負荷の制限容量曲線によって表される可変関数P
lim(t)である別の実施形態では、サンプリングステップ410は、有利には、利用可能な充電時間帯Td内のn個の連続した充電時点の可能な開始t
pdc(1)、... t
pdc(i)、...、t
pdc(n)でそれぞれ始まるn個の時間間隔ΔT(1)、...、ΔT(i)、...、ΔT(n)にそれぞれ関連した1組のn個の制限容量レベル値P
lim(1)、...、P
lim(i)、...、P
lim(n)を得るために、利用可能な充電時間帯Tdにわたって負荷の制限容量曲線P
lim (t)をサンプリングするステップ(ステップ413)をさらに含む。
したがって、この実施形態では、充電時点のそれぞれの可能な開始t
pdc(i)は、その時点で始まる関連した時間間隔ΔT(i)に加えて、それ自体が関連付けられている制限容量レベル値P
lim(i)および負荷曲線の電力値TLC(i)を有する。
この場合、充電時点のk番目の可能な開始t
pdc(k)に関連した負荷パラメータA
kは、複数の連続した時間間隔ΔT(k)〜ΔT(k+k
100)の中の、充電時点の可能な開始t
pdc(k)に始まるそれぞれの時間間隔ΔT(i)について、制限容量レベル値P
lim(i)と前記時間間隔ΔT(i)に関連した負荷曲線の電力値TLC(i)の間のそれぞれの差の総計に等しい。
言い換えれば、負荷パラメータA
kは、ここでは次の式(8)を用いて取得される。
【0034】
図5は、本発明の最適化された充電方法を用いたとき得られるプラスの効果を示すグラフである。
【0035】
このグラフは、変圧器に対する全日にわたる負荷曲線TLCならびに制限容量P
limのある期間にわたる変化を表す曲線を示すものであり、負荷曲線TLCが制限容量P
limを上回ると悪影響が生じ、制限容量レベルP
limは、ここでは80kWと定義されている。
午後6時のユーザの到着時間t
A(すなわち電気車両V
Eが変圧器に接続された瞬間)および午前7時ごろのユーザの出発時間t
D(すなわち電気車両V
Eが電源端子から切り離された瞬間)が示されており、間隔[t
A;t
D]に等しい利用可能な充電期間Tdを定義している。
このグラフの下部には、電池BATに印加される充電電力のある期間にわたる変化を表す曲線CRMが見られる。
負荷曲線TLCがその最小値をとる瞬間、または少なくとも制限容量レベルP
limを下回るとき、電池BATに印加される充電が主としてその最大になることが、この曲線CRMにおいて特に明らかである。また、充電期間Tcは、午前0時と6時の間の連続した期間であり、この期間で、ユーザが予期する出発時間t
Dまでに所望の充電レベルに達し得ることになっている。
もたらされた負荷曲線もTLC+VEで示されている。このもたらされた負荷曲線から、車両V
Eの最適化された充電によって上昇されるのは、主に制限容量レベルP
limの下にある負荷曲線TLCの低点であり、これは利用可能な充電期間Tdの全体に沿って分散した負荷値に対して生じることが明らかである。
結果として、車両V
Eを充電することによって誘起される負荷曲線の増加は、主として負荷曲線TLCにおける最小限の負荷値に制限され、このことにより、期間[t
A;t
D]の全体にわたって充電が連続的に許容される場合と異なって、変圧器に対するマイナスの効果が制限される。
【0036】
上記で説明された最適化された充電方法の種々のステップは、最適化された充電システムの処理ユニットによって実行するのに適切なプログラムによって実施され得て、たとえばコンピュータまたはデータプロセッサとして実施され、前記プログラムは、前述のように、方法のステップの実行を制御するための命令を含む。
具体的には、対象の処理ユニットは、電気車両の充電を局所的に管理するために、最適化された充電デバイスT
Eまたは電気システムV
E内に配置されてよい。
または、対象の処理ユニットは、大きなフリートの場合に適切な、充電の中心的管理のために、最適化された充電デバイスT
Eから遠く、最適化された充電システムS
Eの一部分である遠隔コンピュータシステムの中に配置されてもよい。そのような場合、最適化された充電を管理するために、命令は、種々の通信網を介して、最適化された充電デバイスT
Eまたは電気システムV
Eに伝達される。
プログラムに関しては、任意のプログラミング言語を用いることができ、また、ソースコード、オブジェクトコード、もしくは部分的にコンパイルされた形態などのソースコードとオブジェクトコードの中間のコード、またはその他の望ましい形態であり得る。
本発明は、コンピュータまたはデータプロセッサによる読取りが可能な、前述のようなプログラムの命令を含んでいる媒体にも関する。この媒体は、プログラムを格納することができる任意の実体または装置でよい。たとえば、媒体は、たとえばCD-ROMもしくは超小形電子回路ROMといったROM、またはディスケットもしくはハードディスクなどの磁気記憶装置などの記憶媒体から成ってよい。
一方、媒体は、電気信号、光信号、電磁信号などの伝達可能な媒体でもよく、電気ケーブルまたは光ケーブルを介して、無線で、または他の手段によって伝達され得る。本発明によるプログラムは、具体的にはインターネットなどのネットワークを通じてダウンロードされてよい。あるいは、媒体は、プログラムを内蔵する集積回路でもよく、この回路は、対象となっている方法を実行するか、または実行するのに用いられるように適合されている。
本発明の最適充電方法は、休止/中断を伴う充電は推奨されない電池の充電を伴う用途に対して、または特定のメモリ効果(たとえばNiCd電池、鉛蓄電池)を有する特定の電池技術に対して特に有利である。
もちろん、本発明は、上記に説明され図示された実施形態に制限されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態および他の実装形態を思いつくことができる。
電気システムは、上記では電気車両の形で示されている。しかし、電気システムV
Eは、再充電可能電池を有する携帯電話など、電気エネルギーを蓄積するための容量を有する何らかの電気システムの形態を非常によくとることができる。