(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記着座センサは、前記クッションパッドの幅方向の中心を基準として左側に配置される感圧スイッチ群と、前記中心を基準として右側に配置される感圧スイッチ群とを有し、
前記感圧スイッチ群同士は電気的に直列接続され、前記感圧スイッチ群を構成する前記感圧スイッチ同士は電気的に並列接続される
ことを特徴とする請求項2に記載の座席装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記特許文献1における検出部を構成する上部フィルムはクッションパッドの下面に接触しているため、例えばクッションパッドに物が置かれた場合にも接点同士が接触し易く誤検出する傾向が高いという課題があった。
【0007】
そこで、本発明は、適切に着座を検出し得る着座センサユニット及びその着座センサユニットが用いられる座席装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明は、感圧スイッチを有しクッションパッドの下方に配置される着座センサと、前記クッションパッドが載置されるばねの一部に固定され、前記感圧スイッチの下方となる前記着座センサの下面部位が固定されるプレートとを備える着座センサユニットであって、前記プレートと連結され、少なくとも前記感圧スイッチを挟んで互いに対向する部位に設けられる枠部材を備え、前記枠部材の上端は、前記着座センサの上面よりも上側に位置することを特徴とする。
【0009】
この着座センサユニットでは、着座センサをクッションパッドの下方に配置し、当該着座センサの下方部位が固定されるプレートをばねの一部に固定した場合、このプレートと連結する枠部材が、プレートを支持台として、クッションパッドと感圧スイッチとの間に隙間を隔てた状態で、当該クッションパッドを支持することができる。したがって、圧力を受けていない状態あるいは人より軽い荷物が置かれた場合等において感圧スイッチがオンになり誤検出することが抑制される。
また、クッションパッドに圧力が加えられていない場合におけるクッションパッドの下面と感圧スイッチとの間の隙間を枠部材の高さによって調整して、感圧スイッチに対するクッションパッド下面の接触圧を制御することもできる。
こうして、適切に着座を検出し得る着座センサユニットが提供される。
【0010】
また、前記枠部材は、前記感圧スイッチを挟んで互いに対向する一対の枠部材からなることが好ましい。
【0011】
感圧スイッチの全周を囲むように枠部材を設けた場合、枠部材とプレートとで感圧スイッチが囲まれることになる。このため、感圧スイッチに接続される配線を枠部材の外部へ導出する場合、枠部材の上端とクッションパッドの下面との間を経由するか枠部材を貫通させる必要がある。しかしながら、枠部材の上端とクッションパッドの下面との間を経由して配線を導出する場合には、当該配線の耐久性が低減する等の可能性がある。一方、枠部材を貫通させて配線を導出する場合には、枠部材自体の強度が弱まる或いは配線が煩雑化する等の可能性がある。
この点、感圧スイッチを挟んで互いに対向する一対の枠部材が採用された場合、感圧スイッチの側方において互いに対向する一対の枠部材以外の領域は空間となるため、当該空間を介して、上記可能性を生じさせることなく枠部材の外部に配線を導出することができる。
【0012】
また、本発明は、座席装置であって、クッションパッドと、前記クッションパッドが載置される複数のばねと、上記いずれかの着座センサユニットとを備えることを特徴とする。
【0013】
このような座席装置によれば、枠部材が、プレートを支持台として、クッションパッドと感圧スイッチとの間に隙間を隔てた状態で、当該クッションパッドを支持することができる。したがって、圧力を受けていない状態あるいは人より軽い荷物が置かれた場合等において感圧スイッチがオンになり誤検出することを抑制することができる。
また、クッションパッドに圧力が加えられていない場合におけるクッションパッドの下面と感圧スイッチとの間の隙間を枠部材の高さによって調整して、感圧スイッチに対するクッションパッド下面の接触圧を制御することもできる。
こうして、適切に着座を検出し得る座席装置が提供される。
【0014】
また、前記枠部材は、前記感圧スイッチを挟んで互いに対向する一対の枠部材からなり、前記一対の枠部材は、前記クッションパッドの前後方向に沿って配置されることが好ましい。
【0015】
クッションパッドに人が着座した場合、臀部から前側に伸びる足からの力が働くことや、座席装置に背もたれがある場合には背もたれが背中を押す力が働くため、クッションパッド下面には、当該人の臀部の鉛直方向以外に前方向にも圧力が加わる。
このような圧力が加わった際のクッションパッド下面では、枠部材の内側に入り込むようにクッションパッドが撓んで感圧スイッチに作用する。この感圧スイッチに作用するクッションパッドの撓み量は、一対の枠部材をクッションパッドの左右方向に沿って配置する場合に比べて、当該クッションパッドの前後方向に沿って配置する場合のほうが大きくなることが本発明者により見出されている。この理由は、クッションパッドの前後方向に沿って配置した一対の枠部材間はオープンとなるため、一対の枠部材をクッションパッドの左右方向に沿って配置する場合に比べて、クッションパッド下面の前後方向に加わる圧力を直接的に伝えることができるからである。
したがって、感圧スイッチに対するクッションパッド下面の接触圧をより大きくすることができ、より一段と適切に着座を検出することができる。
【0016】
また、前記枠部材は、前記感圧スイッチを挟んで互いに対向する一対の枠部材からなり、前記一対の枠部材は、前記クッションパッドの左右方向に沿って配置されることが好ましい。
【0017】
クッションパッドに人が着座した場合、クッションパッド下面では、人の臀部の鉛直方向以外に前方向にも圧力が加わるため、後側に加わる圧力が前側に加わる圧力よりも大きくなるといった圧力分布差が生じる。
このような圧力が加わった際に感圧スイッチがクッションパッド下面から受ける圧力は、一対の枠部材をクッションパッドの前後方向に沿って配置する場合に比べて鉛直となる方向から均等に加わり易いことが本発明者により見出されている。この理由は、クッションパッドの左右方向に沿って一対の枠部材を配置した場合には、座席装置の後側に位置される枠部材によって、後側に加わる圧力が前側に加わる圧力よりも大きくなるといった圧力分布差が緩和されるからである。
したがって、枠部材をクッションパッドの前後方向に沿って配置する場合に比べて、感圧スイッチに対するクッションパッド下面の接触圧を制御することができる。
【0018】
また、前記クッションパッドの下面において前記枠部材及び前記感圧スイッチの上部に凹部が形成され、少なくとも前記枠部材が前記凹部に収容されることが好ましい。
【0019】
このようにした場合、クッションパッドに圧力が加えられていない場合において、感圧スイッチ上部のクッション部位が一対の枠部材の内側に入り込むように撓んだ状態となることを抑止することができる。したがって、感圧スイッチの上部に形成される凹部に一対の枠部材が収容されていない場合に比べて、より一段と誤検出を抑制することができる。
また、感圧スイッチの上部に形成される凹部に一対の枠部材が収容されていない場合に比べて、クッションパッドを支持する一対の枠部材に加わるクッションパッドの自重を軽減することができる。したがって、着座センサユニットの耐久性を向上することもできる。
【0020】
また、前記着座センサは、前記クッションパッドの幅方向の中心を基準として左側に配置される感圧スイッチ群と、前記中心を基準として右側に配置される感圧スイッチ群とを有し、前記感圧スイッチ群同士は電気的に直列接続され、前記感圧スイッチ群を構成する前記感圧スイッチ同士は電気的に並列接続されることが好ましい。
【0021】
クッションパッド下面に受ける圧力は、クッションパッドに人が着座する場合には臀部形状に由来して左右方向に帯状に広がる傾向があるのに対し、クッションパッドに小物等が置かれた場合には左右方向に広がらない傾向がある。したがって、クッションパッドの左右に配置される感圧スイッチ群同士を直列接続した場合には、左右双方の感圧スイッチ群がオンしない限り着座が検出されることはないため、当該直列接続しない場合比べてより一段と適切に着座を検出することができる。
一方、感圧スイッチ群を構成する感圧スイッチは並列接続されているため、当該感圧スイッチのいずれかがオンになれば着座が検出可能であり、当該着座の検出感度を向上することができる。また、感圧スイッチ群を構成する感圧スイッチのいずれかが破損しても、残りの感圧スイッチで着座が検出可能であるため、着座センサ2としてより長い延命を図ることができる。
【0022】
また、1つの前記凹部につき前記感圧スイッチ群が配置されることが好ましい。
【0023】
このようにした場合、1つの感圧スイッチにつき1つの凹部を配置する場合に比べて、クッションパッド下面に形成すべき凹部の数を減らすことができる。このため、凹部を形成することに起因するクッションパッドの耐久性の低下を抑制するとともに、各凹部に伝達される圧力の分散を抑制することができる。したがって、1つの感圧スイッチにつき1つの凹部を配置する場合に比べて、クッションパッドの耐久性を向上しつつも、適切に着座を検知することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように本発明によれば、適切に着座を検出し得る着座センサユニット及びその着座センサユニットを用いた座席装置を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(1)第1実施形態
本発明に好適となる第1実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。
【0027】
図1は、第1実施形態における着座センサユニット1を概略的に示す斜視図である。
図1に示すように、着座センサユニット1は、複数の感圧スイッチSW1〜SW4を含む着座センサ2と、各感圧スイッチの下方となる着座センサの下面部位に固定される複数のプレート3〜6と、各プレートに連結される一対の枠部材7A及び7Bとを主な構成要素として備える。
【0028】
図2は、着座センサ2の構成を示す分解図である。
図2に示すように、着座センサ2は、第1電極シート10、第2電極シート20、スペーサ30及びクッション部材40を含む構成とされる。
【0029】
第1電極シート10は、第1絶縁シート11と、複数の第1電極12A〜12Dと、一対の端子13A及び13Bとを有する。
【0030】
第1絶縁シート11は、可撓性を有するフィルム状の絶縁シートとされ、例えばH型形状とされる。本実施形態の場合、第1絶縁シート11は、第1電極12A及び12Bを配置すべきメインブロックB1と、第1電極12C及び12Dを配置すべきメインブロックB2と、当該メインブロックB1及びB2同士を連結する第1サブブロックB3と、端子13A及び13Bを配置すべき第2サブブロックB4とからなる。メインブロックB1及びB2は、帯状のブロックとされる。一方、第1サブブロックB3は、メインブロックB1及びB2における長手方向の中間部位同士を連結する帯状のブロックとされる。他方、第2サブブロックB4は、第1サブブロックB3よりも小さく、当該第1サブブロックB3における長手方向の中間部位の端部から突出する略矩形状のブロックとされる。第1絶縁シート11の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又はポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂を挙げることができる。
【0031】
第1電極12A〜12Dは、導体の層からなり、例えば略円形の金属印刷層とされる。第1電極12A及び12BはメインブロックB1の一方の表面上に配置され、本実施形態では、同一直線状に並ぶ状態とされる。一方、第1電極12C及び12Dは、メインブロックB2のうち第1電極12A及び12Bが配置されている面と同じ表面上に配置され、本実施形態では、同一直線状に並ぶ状態とされる。
【0032】
一対の端子13A及び13Bは、導体の層からなり、例えば略四角形の金属シートとされる。これら端子13A及び13Bは、第2サブブロックB4のうち第1電極12A〜12Dが配置されている面と同じ表面上に配置される。
【0033】
第1電極12Aと第1電極12Bとは第1配線14Aにより電気的に接続され、第1電極12Cと第1電極12Dとは第1配線14Bにより電気的に接続される。また、第1配線14Aと端子13Aとは第1配線14Cにより電気的に接続され、第1配線14Bと端子13Bとは第1配線14Dにより電気的に接続される。
【0034】
第2電極シート20は、第2絶縁シート21と、複数の第2電極22A〜22Dとを有する。
【0035】
第2絶縁シート21は、可撓性を有するフィルム状の絶縁シートとされ、例えばH型形状とされる。本実施形態の場合、第2絶縁シート21は、第2電極22A及び22Bを配置すべきメインブロックB11と、第1電極12C及び12Dを配置すべきメインブロックB12と、当該メインブロックB11及びB12同士を連結する第1サブブロックB13とからなる。メインブロックB11及びB12は第1絶縁シート11におけるメインブロックB1及びB2と同形同大とされる。また、第1サブブロックB13は第1絶縁シート11における第1サブブロックB3と同形同大とされる。第2絶縁シート21の材料としては、第1絶縁シート11と同様に、PET、PBT又はPEN等の樹脂を挙げることができる。なお、第2絶縁シート21の材料は、第1絶縁シート11の材料と同じであっても異なっていても良い。
【0036】
第2電極22A〜22Dは、導体の層からなり、例えば略円形の金属印刷層とされる。第2電極22A及び22BはメインブロックB11の一方の表面上に配置され、第2電極22C及び22DはメインブロックB12のうち第2電極22A及び22Bが配置されている面と同じ表面上に配置される。本実施形態の場合、第2電極22A〜22Dの大きさは第1電極12A〜12Dと同じ大きさとされる。また、第2電極22A及び22Bの配置位置はメインブロックB1に対する第1電極12A及び12Bの配置位置と相対的に同じ位置とされ、第2電極22C及び22Dの配置位置はメインブロックB1に対する第1電極12C及び12Dの配置位置と相対的に同じ位置とされる。
【0037】
第2電極22Aと第2電極22Bとは第2配線24Aにより電気的に接続され、第2電極22Cと第2電極22Dとは第2配線24Bにより電気的に接続され、当該第2配線24Aと第2配線24Bとは第2配線24Cにより電気的に接続される。
【0038】
スペーサ30は、フィルム状の絶縁シートとされ、複数の開口31A〜31Dを有する。本実施形態の場合、スペーサ30は、例えばH型形状とされ、開口31A及び31Bを形成すべきメインブロックB21と、開口31C及び31Dを形成すべきメインブロックB22と、当該メインブロックB21及びB22同士を連結する第1サブブロックB23とからなる。メインブロックB21及びB22は第1絶縁シート11におけるメインブロックB1及びB2と同形同大とされ、第1サブブロックB23は第1絶縁シート11における第1サブブロックB3と同形同大とされる。このスペーサ30の材料としては、第1絶縁シート11及び第2絶縁シート21と同様に、PET、PBT又はPEN等の樹脂を挙げることができる。なお、スペーサ30の材料は、第1絶縁シート11又は第2絶縁シート21の材料と同じであっても異なっていても良い。
【0039】
開口31A〜31Dの周縁形状は、例えば略円形であり、開口31A〜31Dの直径は、第1電極12A〜12Dの直径よりも僅かに小さい状態とされる。また、開口31A及び31Bの配置位置は、メインブロックB1に対する第1電極12A及び12Bの配置位置と相対的に同じ位置とされ、開口31C及び31Dの配置位置は、メインブロックB2に対する第1電極12C及び12Dの配置位置と相対的に同じ位置とされる。
【0040】
各開口31A〜31Dには、スペーサ30の外部と空間的に接続するスリット32A〜32Dが形成される。すなわち、各スリット32A〜32Dの一端は、対応する開口31A〜31Dに連結され、他端はスペーサ30の側方に開放される。
【0041】
クッション部材40は、圧力が加えられると潰れるように変形する弾性部材であり、例えば、多数の空孔が設けられたスポンジ状の樹脂、樹脂製の繊維が絡み合った不織布又はゴム等から形成される。本実施形態の場合、クッション部材40は略直方体状とされ、その広面は例えば第1絶縁シート11におけるメインブロックB1の広面と同じとされる。
【0042】
図3は、着座センサ2を上側から見た様子及び着座センサ2の断面の様子を示す図である。具体的に
図3の(A)は、着座センサ2を上側から見た様子を示す図であり、
図3の(B)は、
図3の(A)におけるW−W線に沿った断面の様子を示す図である。
【0043】
図3の(B)に示すように、スペーサ30の一方の面に第1電極シート10が貼り付けられ、当該スペーサ30の他方の面に第2電極シート20が貼り付けられる。そして、第1絶縁シート11においてスペーサ30に対向される面の逆側面にクッション部材40が貼り付けられて着座センサ2が構成される。
【0044】
この着座センサ2では、一対の絶縁シート11,21の一部分と、これらシート部分の間に介在するスペーサ部位と、そのスペーサ部位に設けられる開口31Aを介して対向する一対の電極12A,22Aとによって感圧スイッチSW1が構成される。なお、絶縁シート11,21の一部分とは、少なくとも電極が配置される部分である。
【0045】
また着座センサ2では、感圧スイッチSW1と同様にして、
図3の(A)に示す感圧スイッチSW2〜SW4が構成される。これら感圧スイッチSW1〜SW4の構成要素である絶縁シート及びスペーサは、本実施形態では、1枚の絶縁シート11、21及びスペーサ30の一部分とされるが、当該部分ごとに別体となる絶縁シート及びスペーサが所定の連結具により連結されていても良い。
【0046】
なお、本実施形態の場合における着座センサ2では、感圧スイッチSW1及びSW3が配置される側が前側とされ、当該感圧スイッチSW1及びSW3に対向する感圧スイッチSW2及びSW4が配置される側が後側とされる。また、第2絶縁シート21においてスペーサ30に対向される面の逆側面が上面とされ、クッション部材40において第1絶縁シート11に対向される面の逆側面が下側とされる。
【0047】
図4は、着座センサ2の等価回路を示す図である。
図4に示すように、感圧スイッチSW1と感圧スイッチSW2とは電気的に並列接続され、感圧スイッチSW3と感圧スイッチSW4とは電気的に並列接続される。
【0048】
また、感圧スイッチSW1及びSW2からなる感圧スイッチ群STAと、感圧スイッチSW3及びSW4からなる感圧スイッチ群STBとは電気的に直列接続され、一対の端子13A及び13Bの間に配置される。
【0049】
次に、着座センサユニット1におけるプレート3〜6について説明する。ただし、プレート3〜6はそれぞれ同一の構成であるため、当該プレート3についてのみ説明する。
【0050】
プレート3は、
図1に示したように、着座センサの下側表面(クッション部材40において第1絶縁シート11に対向される面の逆側面)のうち感圧スイッチSW1の下方にあたる部位に、例えば接着剤で固定される。
【0051】
このプレート3の下面には、座席装置のクッションパッドを支持するばね(以下、支持ばねという。)の一部に着脱自在のばね溝が形成される。
図5は、プレート3の下面に形成されるばね溝例及びプレート3の断面の様子を示す図である。具体的に
図5の(A)はプレート3の下面に形成されるばね溝例を示す図であり、
図5の(B)は
図5の(A)のX−X線を通る断面の様子を示す図である。
【0052】
図5の(A)に示すように、本実施形態のばね溝50は、1本の支持ばねにおける中間部位の屈曲パターンに対応する非直線形状とされる。このばね溝50の両端はプレート3の互いに対向する側方で開放される。
【0053】
図5の(B)に示すように、ばね溝50の底部50Aの形状は、支持ばねの鉛直断面の半円弧形状と同形状とされる。一方、ばね溝50の側部50Bは互いに平行とされ、その間の距離(ばね溝の幅)BWは、支持ばねの直径と同程度とされる。
【0054】
また、ばね溝50における長手方向の縁には、反対の溝の縁側に突出する一対の凸部51x及び51yが連結される。これら凸部51x及び51yは、例えば弾性を有する樹脂製の板でなり、ばね溝50の長手方向の中心から互いに同じ間隔を隔てて向き合う状態とされる。
【0055】
このようなプレート3の材料は、着座センサユニット1を用いる座席装置のクッションパッドよりも剛性の大きいものである限り特に限定されることはないが、例えばPET、PBT又はPEN等の樹脂や、セラミック、あるいは、金属を挙げることができる。
【0056】
次に、着座センサユニット1における一対の枠部材7A及び7Bについて説明する。一対の枠部材7A及び7Bは、
図1に示したように、感圧スイッチSW1を挟んで対向する板状部材とされ、着座センサ2の前後方向に沿って配置される。
【0057】
これら枠部材7A及び7Bは、プレート3において互いに対向する端部に一体として連結される。また、これら枠部材7A及び7B上端は、プレート3に固定される着座センサ2の上面よりも上側に位置し、当該枠部材7Aと枠部材7Bとの高さHは同じとされる。
【0058】
なお、枠部材7A及び7Bは、プレート3とは別の部材として所定の連結具で連結されていても良い。枠部材7A及び7Bをプレート3と別の部材とする場合、当該枠部材7A及び7Bは、着座センサユニット1を用いる座席装置のクッションパッドよりも剛性の大きいものとされる。なお、枠部材7A及び7Bの材料は、プレート3と同じであっても異なっていても良い。
【0059】
次に、上述の着座センサユニット1を備えた座席装置について説明する。
図6は、第1実施形態における座席装置8を真上及び真横から見た様子を示す図である。具体的に
図6の(A)は座席装置8を真上から見た様子を示し、
図6の(B)は座席装置8を真横から見た様子を示している。
【0060】
図6の(A)及び(B)に示すように、座席装置8は、上述の着座センサユニット1と、クッションパッド60と、当該クッションパッド60を載置する載置部材70と、当該クッションパッド60に連結される背もたれ部材80とを主な構成要素として備える。
【0061】
クッションパッド60は、座席装置8の座部であり、圧力が加わると潰れるように変形する弾性部材とされる。このような弾性部材の材料としては、発泡ウレタン等を挙げることができる。
【0062】
載置部材70は、座部フレーム71と複数の支持ばね72とを有する。座部フレーム71は、例えば金属でなる前フレーム71a、後フレーム71b、左フレーム71c及び右フレーム71dを一体に連結したフレーム構造を有する。
【0063】
支持ばね72は、同一面上でS字状に繰り返し屈曲する線材でなる。これら支持ばね72の前端は前フレーム71aに取り付けられ、後端は後フレーム71bに取り付けられる。こうして、複数の支持ばね72は、フレーム71a〜71dにより囲まれる開口の同一面上に所定の間隔を隔てて張り渡され、クッションパッド60を支持するマットとして構成される。
【0064】
このような複数の支持ばね72上にクッションパッド60が載置され、当該支持ばね72とクッションパッド60との間に、着座センサユニット1における着座センサ2が配置される。
【0065】
また、着座センサユニット1におけるプレート3〜6は、
図6では図示されていないが、1本の支持ばね72の中間部位に装着されて固定される。具体的には、ばね溝50(
図5)の長方向の縁に連結される凸部51x及び51y(
図5)に支持ばね72の中間部位を押し当て、当該支持ばね72の中間部位をばね溝50に嵌め込むことでプレート3〜6が固定される。
【0066】
さらに、これらプレート3〜6それぞれに連結される一対の枠部材7A及び7Bは、クッションパッド60の前後方向に沿って配置される。
【0067】
ところで、本実施形態におけるクッションパッド60の下面には、
図6の(A)に示したように、当該クッションパッド60の前後方向に伸びる縦型の溝(以下、凹部という)61が形成される。
【0068】
この凹部61の形成位置は、支持ばね72の上方にあたる領域を含み、クッションパッド60の幅方向の中心を通る鉛直平面VFを基準として左右対称とされる。また、凹部61の前後方向の中心は、正規着座する人のヒップポイントHPよりも前方に位置される。
【0069】
なお、「正規着座」とは、背中が背もたれ部材80に接触し臀部がクッションパッド60の奥深くに位置する状態で着座することを意味し、「ヒップポイント」とは、着座状態にある人の臀部のうち最も下側に出ている部位を意味する。
【0070】
また、凹部61の幅(クッションパッド60の左右方向に平行となる方向の長さ)と、凹部61の長さ(クッションパッド60の前後方向に平行となる方向の長さ)との関係は、当該幅を1とした場合に長さが2以上となる関係とされる。例えば、凹部61の幅は、感圧スイッチを構成する電極を凹部61の幅方向に2つ並べられない程度の幅とされ、凹部61の長さは、感圧スイッチを構成する電極を凹部61の長手方向に2つ以上並べられる程度の長さとされる。
【0071】
このような凹部61内の左側には感圧スイッチSW1及びSW2が配置され、右側には感圧スイッチSW3及びSW4が配置される。また、これら感圧スイッチSW1〜SW4は支持ばね72の鉛直上に配置される。
【0072】
図7は、
図6の(A)のY−Y線を通る断面の様子を示す図である。
図7に示すように、凹部61の空間には、一対の枠部材7A及び7Bと、これら枠部材7A及び7Bと連結されるプレート3の一部とが収容される。
【0073】
上述したように、一対の枠部材7A及び7Bの上端はプレート3に固定される着座センサ2の上面よりも上側に位置している。このため、プレート3が支持ばね72の中間部位に装着された場合、当該プレート3と連結される枠部材7A及び7Bによって、着座センサ上面とクッションパッド下面との間には隙間GPが形成される。
【0074】
なお、
図7に示される凹部61の側面と、枠部材7A及び7Bの側面とは接触状態となっているが、隙間を有した状態となっていても良い。なお、感圧スイッチSW1の位置ずれを防止する観点、あるいは、支持ばね72とプレート3との装着状態を強化する観点では、凹部61の側面と着座センサ部分の側面とが接触状態にあるほうが好ましい。
【0075】
図8は、感圧スイッチSW1がオンする様子を
図7と同じ視点で示す図である。
図8に示すように、本実施形態における座席装置8のクッションパッド60に人が着座すると、着座センサ2にはクッションパッド側とばね側の双方から圧力が加わる(矢印参照)。
【0076】
クッションパッド側では、凹部61の底部位が枠部材7A及び7Bの内側に入り込むように撓んで、感圧スイッチSW1の第2絶縁シート21が下方に押圧される。
【0077】
一方、ばね側では、着座センサ2の下側に配置されるプレート3が殆ど撓むことはないが、当該着座センサ2における第1絶縁シート11の下面にクッション部材40が貼り付けられている。このため、着座センサ2のクッション部材40が、プレート3における剛性の程度にかかわらず凹部61の底部位と同じように撓んで、感圧スイッチSW1の第1絶縁シート11が上方に押圧される。
【0078】
このようにして押圧される第1絶縁シート11と第2絶縁シート21とは可撓性を有しているため、スペーサ30の開口31Aに入り込むように撓む。このように撓むことで、開口31Aを介して互いに対向する第1電極12Aと第2電極22Aとが所定圧で接触する。こうして感圧スイッチSW1がオンとなる。
【0079】
なお、第1絶縁シート11の押圧量は、クッション部材40の厚みや材料によって調整可能である。このため、クッション部材40によって、感圧スイッチSW1における第1電極12Aと第2電極22Aとの接触圧を調整でき、この結果、感圧スイッチSW1の感度を調整することができる。
【0080】
また、第1電極12Aと第2電極22Aとに挟まれるスペーサ30の開口31Aには、開口を外部と連通するスリット32A(
図2)が形成されている。
【0081】
このため、第2絶縁シート21が撓むとき、開口31Aの空気は開口内に留まることなくスリット32Aを介して排出される。つまり、第1絶縁シート11及び第2絶縁シート21の撓みが開口31内の空気によって抑制されるといったことが回避される。したがって、スリット32Aが形成されていない場合に比べて、第1電極12Aと第2電極22Aが接触し易くなり、感圧スイッチSW1の感度を向上することができる。
【0082】
このように感圧スイッチSW1のオン動作に関して説明した事項は、他の感圧スイッチSW2〜SW4についても同様である。
【0083】
本実施形態の場合、感圧スイッチSW1及びSW2と、感圧スイッチSW3及びSW4とはそれぞれ並列接続され、当該感圧スイッチSW1及びSW2の感圧スイッチ群STA(
図4)と、感圧スイッチSW3及びSW4の感圧スイッチ群STB(
図4)とは直列接続されている。このため、感圧スイッチ群STAの少なくとも1つがオンになるとともに、感圧スイッチ群STBの少なくとも1つがオンになる場合に、一対の端子13A及び13B(
図4)間が導通し、これにより着座が検出される。
【0084】
図9は、一対の枠部材7A及び7Bをクッションパッド60の前後方向に沿って配置した場合におけるクッションパッド下面の撓み状態についてシミュレーションした結果を示す図である。また、
図10は、一対の枠部材7A及び7Bをクッションパッド60の左右方向に沿って配置した場合におけるクッションパッド下面の撓み状態ついてシミュレーションした結果を示す図である。
【0085】
具体的に
図9の(A)は一対の枠部材7A及び7Bをクッションパッド60の前後方向に沿って配置した状態を示す図であり、
図9の(B)は
図9の(A)のZA−ZA線の断面におけるクッションパッド下面の撓み状態のシミュレーション結果を示す図である。また、
図10の(A)は一対の枠部材7A及び7Bをクッションパッド60の左右方向に沿って配置した状態を示す図であり、
図10の(B)は
図10の(A)のZB−ZB線の断面におけるクッションパッド下面の撓み状態のシミュレーション結果を示す図である。
【0086】
なお、
図9及び
図10における紙面左側がクッションパッド60の後側に相当し、紙面右側がクッションパッド60の前側に相当している。また、
図9の(B)及び
図10の(B)における中央から上方にわたって存在する略四角形状の部分がクッションパッド60であり、当該クッションパッド60の下面に形成される凹部61については本シミュレーションでは省略している。
【0087】
図9の(B)及び
図10の(B)との比較から分かるように、一対の枠部材7A及び7Bをクッションパッド60の前後方向に沿って配置した場合、当該クッションパッド60の左右方向に沿って配置する場合に比べて、人が着座した際に感圧スイッチSW1に作用するクッションパッド60の撓み量が大きくなることが見出された。
【0088】
この理由は、クッションパッド60の前後方向に沿って一対の枠部材7A及び7Bを配置した場合には、当該枠部材7A及び7Bの間における前後方向はオープンとなる。このため、一対の枠部材7A及び7Bをクッションパッド60の左右方向に沿って配置する場合に比べて、クッションパッド下面の前後方向に加わる圧力を直接的に伝えることができるからである。
【0089】
以上説明したように、本実施形態における座席装置8には、着座センサ2とプレート3と一対の枠部材7A及び7Bとを有する着座センサユニット1が備えられる。
【0090】
このプレート3は、
図7に示したように、クッションパッド60が載置される支持ばね72の一部に固定され、当該プレート3には、クッションパッド60の下方に配置される着座センサ2の下面部位が固定される。
【0091】
そして、このプレート3と連結される一対の枠部材7A及び7Bは、着座センサ2の感圧スイッチSW1を挟んで互いに対向されており、当該一対の枠部材7A及び7Bの上端は、着座センサ2の上面よりも上側に位置している。
【0092】
このため、一対の枠部材7A及び7Bは、支持ばね72を支持基体として、クッションパッド60と感圧スイッチSW1との間に隙間GPを隔てた状態で、当該クッションパッド60を支持することができる。
【0093】
したがって、圧力を受けていない状態あるいは人より軽い荷物が置かれた場合等において感圧スイッチSW1がオンになり誤検出することを抑制することができる。また、クッションパッド60に圧力が加えられていない場合におけるクッションパッド60と感圧スイッチSW1との間の隙間GPを枠部材7A及び7Bの高さHによって調整して、感圧スイッチSW1に対するクッションパッド下面の接触圧を制御することもできる。
【0094】
こうして、適切に着座を検出し得る着座センサユニット1、及び、それが用いられる座席装置8を提供することができる。
【0095】
また、本実施形態における一対の枠部材7A及び7Bは、クッションパッド60の前後方向に沿っている。
【0096】
このため、
図9及び
図10に示したように、クッションパッド60の左右方向に沿った一対の枠部材を採用する場合に比べて、人が着座した際に感圧スイッチSW1に作用するクッションパッド60の撓み量を大きくすることができる。したがって、感圧スイッチSW1に対するクッションパッド下面の接触圧を大きくすることができ、より一段と適切に着座を検出することができる。
【0097】
なお、感圧スイッチSW1に作用するクッションパッド60の撓み量が大きいので、枠部材7A及び7Bの高さHを高くしても、確実にオンさせることができる。その結果、クッションパッド60に圧力が加えられていない場合におけるクッションパッド60と感圧スイッチSW1との間の隙間GPをより大きく確保することが可能となる。つまり、一対の枠部材7A及び7Bをクッションパッド60の前後方向に沿って配置した場合、当該枠部材7A及び7Bの高さの調整幅が広がり、当該高さによって感圧スイッチSW1に対するクッションパッド下面の接触圧の制御量をより大きくできる点で有用となる。
【0098】
また、本実施形態の場合、
図7に示したように、クッションパッド60の下面において枠部材7A及び7Bと感圧スイッチSW1の上部に凹部61が形成され、当該枠部材7A及び7Bが凹部61に収容されている。
【0099】
このため、クッションパッド60に圧力が加えられていない場合において、感圧スイッチSW1上部のクッション部位が一対の枠部材7A及び7Bの内側に入り込むように撓んだ状態となることを抑止することができる。したがって、感圧スイッチSW1の上部に形成される凹部61に一対の枠部材7A及び7Bが収容されていない場合に比べて、より一段と誤検出を抑制することができる。また、感圧スイッチSW1の上部に形成される凹部61に一対の枠部材7A及び7Bが収容されていない場合に比べて、クッションパッド60を支持する一対の枠部材7A及び7Bに加わるクッションパッド60の自重を軽減することができる。したがって、着座センサユニット1の耐久性を向上することもできる。
【0100】
また、本実施形態における座席装置8は、
図4に示したように、クッションパッド60の幅方向の中心を基準として左側に配置される感圧スイッチ群STAと、当該中心を基準として右側に配置される感圧スイッチ群STBとを有している。そして、これら感圧スイッチ群STA及びSTB同士は電気的に直列接続され、当該感圧スイッチ群STA(STB)を構成する感圧スイッチSW1と感圧スイッチSW2(SW3とSW4)同士は電気的に並列接続される。
【0101】
クッションパッド下面に受ける圧力は、クッションパッドに人が着座する場合には臀部形状に由来して左右方向に帯状に広がる傾向があるのに対し、クッションパッドに小物等が置かれた場合には左右方向に広がらない傾向がある。したがって、クッションパッドの左右に配置される感圧スイッチ群STA及びSTB同士を直列接続した場合には、左右双方の感圧スイッチ群STA及びSTBがオンしないと着座が検出されないため、当該直列接続しない場合比べてより一段と適切に着座を検出することができる。
【0102】
一方、感圧スイッチ群STAを構成する感圧スイッチSW1及びSW2と、感圧スイッチ群STBを構成する感圧スイッチSW3及びSW4とは並列接続されている。このため、感圧スイッチSW1及びSW2のいずれかと、感圧スイッチSW3及びSW4のいずれかがオンになれば着座が検出可能であり、当該着座の検出感度を向上することができる。また、感圧スイッチSW1及びSW2のいずれかと、感圧スイッチSW3及びSW4のいずれかが破損しても、残りの感圧スイッチで着座が検出可能であるため、着座センサ2としてより長い延命を図ることができる。
【0103】
また、本実施形態の場合、
図6の(A)に示したように、1つの凹部61につき感圧スイッチ群STA又はSTBが配置される。
【0104】
このため、1つの感圧スイッチにつき1つの凹部を配置する場合に比べて、クッションパッド下面に形成すべき凹部61の数を減らすことができる。このため、凹部61を形成することに起因するクッションパッド60の耐久性の低下を抑制するとともに、各凹部61に伝達される圧力の分散を抑制することができる。したがって、1つの感圧スイッチにつき1つの凹部を配置する場合に比べて、クッションパッド60の耐久性を向上しつつも、適切に着座を検知することができる。
【0105】
また、本実施形態の場合、感圧スイッチSW1〜SW4は、支持ばね72の鉛直上に配置されているため、支持ばね72の鉛直上を避けた位置に配置されている場合に比べて大きな押圧力をクッションパッド60に与えることができる。したがって、本実施形態では、感圧スイッチSW1〜SW4の感度をより一段と向上させることができる。
【0106】
(2)第2実施形態
次に、本発明に好適となる第2実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。ただし、第2実施形態における着座センサユニット及び座席装置の構成要素のうち第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0107】
図11は、第2実施形態における着座センサユニット1を示す図である。
図11に示すように、本実施形態における着座センサユニット1は、第1実施形態の着座センサ2に代えて着座センサ102を備えている点で、第1実施形態と相違する。
【0108】
図12は、第2実施形態における着座センサ102を上側から見た様子である。
図12に示すように、着座センサ102は、第1実施形態の着座センサ2とは異なった形状を有している点のみ、第1実施形態と相違する。
【0109】
具体的に第1実施形態の着座センサ2では、
図3に示したように、感圧スイッチSW1及びSW2を前後端に有する帯状部位と、感圧スイッチSW3及びSW4を前後端に有する帯状部位とが左右に配置されていた。そして、これら帯状部位の間に、当該帯状部位を連結する連結部位の中間から前方に突出する矩形状部位に一対の端子13A及び13Bが配置されていた。
【0110】
これに対し本実施形態における着座センサ102では、
図12に示すように、感圧スイッチSW1及びSW3を左右端に有する帯状部位と、感圧スイッチSW2及びSW4を左右端に有する帯状部位とが前後に配置されている。そして、前側となる帯状部位の中間から前方に突出する矩形状部位に一対の端子13A及び13Bが配置されている。
【0111】
また、本実施形態における着座センサユニット1は、第1実施形態の枠部材7A及び7Bの配置位置とは異なる配置位置となっている点で、第1実施形態とは相違する。
【0112】
具体的に第1実施形態の枠部材7A及び7Bは、
図1に示したように、着座センサ2の感圧スイッチSW1及びSW2(感圧スイッチSW3及びSW4)を通る方向と同じ方向に沿って配置されていた。
【0113】
これに対し本実施形態の枠部材7A及び7Bは、
図11に示すように、着座センサ102の感圧スイッチSW1及びSW3(感圧スイッチSW2及びSW4)を通る方向と同じ方向に沿って配置されている。
【0114】
図13は、第2実施形態における座席装置8を真上から見た様子を示す図である。
図13に示すように、本実施形態における座席装置8は、第1実施形態の着座センサユニット1に代えて
図11に示した第2実施形態の着座センサユニット1を備えている点で、第1実施形態と相違する。
【0115】
具体的に第1実施形態における着座センサユニット1では、
図6の(A)に示したように、枠部材7A及び7Bがクッションパッド60の前後方向に沿って配置されていた。
【0116】
これに対し本実施形態における着座センサユニット1では、
図13に示すように、枠部材7A及び7Bがクッションパッド60の左右方向に沿って配置されている。
【0117】
ところで、
図9の(B)に示したように、一対の枠部材7A及び7Bをクッションパッド60の前後方向に沿って配置した場合には、人が着座した際のクッションパッド下面が、後側の枠部材7Bから前側の枠部材7Aにかけて斜めに撓んでいることが分かる。
【0118】
これは、クッションパッド下面では、後側に加わる圧力が前側に加わる圧力よりも大きくなるといった圧力分布差が生じるからである。このような圧力分布差が生じる理由は、着座する人の臀部の重力が鉛直方向以外に前方向にも働くからである。なお、臀部の重力が前方向に働く理由は、臀部から前側に伸びる足からの力が働くことや、座席装置に背もたれがある場合には背もたれが背中を押す力が働くからである。
【0119】
これに対し、
図10の(B)に示したように、一対の枠部材7A及び7Bをクッションパッド60の左右方向に沿って配置した場合には、人が着座した際のクッションパッド下面が、後側の枠部材7Bと前側の枠部材7Aとの間ではおおむね均等に撓んでいることが分かる。
【0120】
この理由は、クッションパッド60の左右方向に沿って一対の枠部材7A及び7Bを配置した場合には、座席装置の後側に位置される枠部材7Bによって、クッションパッド下面の前後方向に加わる圧力分布差が緩和されるからである。
【0121】
このように、一対の枠部材7A及び7Bをクッションパッド60の左右方向に沿って配置した場合には、感圧スイッチSW1がクッションパッド下面から受ける圧力を、鉛直となる方向から均等に加わり易くすることができることが見出された。
【0122】
したがって、枠部材をクッションパッドの前後方向に沿って配置する場合に比べて、感圧スイッチに対するクッションパッド下面の接触圧を制御することができる。また、感圧スイッチSW1の耐久性を向上することもできる。
【0123】
(3)他の実施形態
以上、第1実施形態及び第2実施形態が一例として説明された。しかしながら本発明は上記第1実施形態及び第2実施形態に限定されるものではない。
【0124】
例えば、上記実施形態の着座センサユニット1に代えて、
図14又は
図15に示す着座センサユニット1が適用されても良い。
【0125】
図14に示す着座センサユニット1は、第2実施形態の着座センサ102に代えて着座センサ202を備えている点で、第2実施形態と相違する。この着座センサ202は、着座センサ102における前側の帯状部位とその帯状部位の中間から前方に突出する矩形状部位とから構成される。このような着座センサユニット1を適用した場合であっても、上述の第2実施形態と同様の効果を奏する。
【0126】
一方、
図15に示す着座センサユニット1は、
図14に示す着座センサ202に代えて着座センサ302を備えている点、及び、
図14に示す枠部材7A及び7Bの配置位置を変更した点で、
図14に示す着座センサユニット1と相違する。この着座センサ302においては、感圧スイッチSW1及びSW3を有する帯状部位の両端が90°後方に屈曲している。そして、一方の屈曲部分と帯状部位の先端との間に感圧スイッチSW1が配置され、その感圧スイッチSW1を挟んで前後方向に枠部材7A及び7Bが配置される。また、他方の屈曲部分と帯状部位の先端との間に感圧スイッチSW3が配置され、その感圧スイッチSW3を挟んで前後方向に枠部材7A及び7Bが配置される。このような着座センサユニット1を適用した場合であっても、上述の第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0127】
また上記実施形態では、着座センサユニット1における枠部材として、感圧スイッチSW1を挟んで対向する一対の枠部材7A及び7Bが適用された。しかしながら、感圧スイッチSW1の3つの側面を囲う枠部材が適用されても良く、感圧スイッチSW1の側方全周を囲う枠部材が適用されても良い。
【0128】
ただし、感圧スイッチSW1の全周を囲む枠部材を適用した場合、その枠部材とプレート3とで感圧スイッチSW1が囲まれることになる。このため、感圧スイッチSW1を構成する電極12A及び22Aに接続される配線14A及び24Aを枠部材の外部へ導出する場合、枠部材の上端とクッションパッド60の下面との間を経由するか枠部材を貫通させる必要がある。しかしながら、枠部材の上端とクッションパッドの下面との間を経由して配線14A及び24Aを導出する場合には、当該配線14A及び24Aの耐久性が低減する等の可能性がある。一方、枠部材を貫通させて配線14A及び24Aを導出する場合には、枠部材自体の強度が弱まる或いは配線が煩雑化する等の可能性がある。したがって、上記可能性を生じさせることなく枠部材の外部に配線を導出させる観点では、上記実施形態や、感圧スイッチSW1の3つの側面を囲う枠部材のように、感圧スイッチSW1の側方の少なくとも一部に空間を有する枠部材が適用されたほうが好ましい。なお、他の感圧スイッチSW2〜SW4に対する枠部材7A及び7Bについても同様である。
【0129】
また上記実施形態では、感圧スイッチSW1を挟んで対向する一対の枠部材7A及び7Bと、当該感圧スイッチSW1に並列接続される感圧スイッチSW2を挟んで対向する一対の枠部材7A及び7Bとが同じ方向に沿っていたが、異なる方向に沿っていても良い。
【0130】
例えば、感圧スイッチSW1を挟んで対向する枠部材7A及び7Bについてはクッションパッド60の前後方向に沿って配置し、当該感圧スイッチSW2を挟んで対向する枠部材7A及び7Bについてはクッションパッド60の左右方向に沿って配置することができる。このようにすれば、一対の枠部材7A及び7Bをクッションパッド60の前後方向に沿って配置する場合について上記第1実施形態で上述した利点と、当該クッションパッド60の左右方向に沿って配置する場合について上記第2実施形態で上述した利点とを同等に得ることができる。なお、感圧スイッチSW3と感圧スイッチSW4に対する枠部材7Aと7Bについても同様である。
【0131】
また上記実施形態では、感圧スイッチSW1を挟んで対向する一対の枠部材7A及び7Bの高さHが同程度とされたが、異なっていても良い。例えば、第1実施形態の場合、クッションパッド60における幅方向の中心に対して近い側に位置する枠部材の高さと、当該中心に対して遠い側に位置する枠部材の高さとを異ならせる。また、第2実施形態の場合、クッションパッド60の後側に位置する枠部材の高さと、当該クッションパッド60の前側に位置する枠部材の高さとを異ならせる。このようにすれば、感圧スイッチSW1に対するクッションパッド下面の接触方向や接触圧の制御幅を広げることができる。なお、他の感圧スイッチSW2〜SW4に対する枠部材7Aと7Bについても同様である。
【0132】
また上記実施形態では、1本の支持ばね72の中間部位に固定されるプレート3が適用されたが、2本以上の支持ばね72にわたる中間部位に固定されるプレートが適用されても良い。なお、他のプレート4〜6についても同様である。
【0133】
また上記実施形態では、支持ばね72の形状がS字状とされたが、例えばZ字状など、様々な形状を適用することができる。なお、支持ばね72の屈曲部分の繰り返し間隔は、連続していても良く、所定間隔おきであっても良く、ランダムであっても良い。また、繰り返すべき屈曲部分の形状は、同じであっても良く、例えばS字状とZ字状とを組み合わせる、あるいは、コ字状又はU字状を反転した形状同士を組み合わせるといったように異なっていても良い。さらに、屈曲部分の繰り返し数は、なくても良いが、あったほうが好ましい。なお、複数の支持ばね72がクッションパッド60の前後方向に張り渡されたが、左右方向あるいは斜め方向にあっても良い。
【0134】
また上記実施形態では、第1絶縁シート11の下面にクッション部材40が貼り付けられたが、当該クッション部材40が省略されていても良い。このクッション部材40を省略した場合、その分だけ着座センサ2又は200を薄厚化することができる。なお、クッション部材40を省略しても、着座センサ2又は200の上側については押圧を受けるので、当該クッション部材40の省略によって感圧スイッチSW1〜SW4がオンされないということはない。ただし、上述したように、感圧スイッチSW1〜SW4の感度を調整する観点では、クッション部材40があるほうが好ましい。
【0135】
また上記実施形態では、凹部61が、クッションパッド60の前後方向に伸びる縦型の溝とされたが、例えば、当該クッションパッド60の左右方向に伸びる溝であっても良く、また着座センサ2又は200と同程度の形状の凹部であっても良い。なお、鉛直平面VFを基準として左右対称の位置に、非連結状態の独立したものとして凹部61が形成されたが、当該凹部同士61が連結していても良く、左右対称に形成されていなくても良い。
【0136】
また上記実施形態では、着座センサ2又は200における感圧スイッチの数が4つとされたが、3つ以下でも良く5つ以上でも良い。なお、感圧スイッチの数が2以上である場合、上記実施形態のように、前後方向へ直線状に並ぶ状態で配置することが必須となるものではない。
【0137】
また上記実施形態では、1つの凹部61につき2つの感圧スイッチが配置されたが、当該1つの凹部61につき1つの感圧スイッチあるいは3つ以上の感圧スイッチが配置されても良い。なお、溝ごとに異なる数の感圧スイッチが配置されていても良い。
【0138】
また上記実施形態では、第1電極12A及び12Bと第2電極22A及び22Bとの形状、大きさが一致しており、互いに完全に重なるものとされた。しかしながら、押圧力を検知できる範囲であれば、大きさや形状等が第1電極12A及び12Bと第2電極22A及び22Bとで異なっていても良く、互いに完全に重なっていなくても良い。なお、他の第1電極及び第2電極についても同様である。
【0139】
また上記実施形態では、開口31A〜31Dの大きさが同じとされたが、2種類以上の大きさを有する開口とされても良い。このようにした場合、大きい開口を有する感圧スイッチの絶縁シートは、小さい開口を有する感圧スイッチの絶縁シートよりも撓み易く、大きい開口を有する感圧スイッチの感度は、小さい開口を有する感圧スイッチに比べて向上する。したがって、例えば、溝の前後方向の中心を基準としてその溝の前側の空間と後側の空間内に配置される感圧スイッチがある場合、当該感圧スイッチにおける開口の大きさを異ならせることで、これら感圧スイッチにおける感度のばらつきを抑えることができる。なお、開口31A〜31Dの直径は、第1電極12A〜12Dの直径よりも僅かに小さい状態とされたが、当該第1電極12A〜12Dの直径以上とされていても良い。
【0140】
また上記実施形態では、第1絶縁シート11を介してスペーサ30における開口31A及び31Bをまとめて覆うクッション部材40が適用された。しかしながら、開口31A及び31Bごとにそれぞれ個別に覆うクッション部材が適用されても良い。また、開口31の一部を覆うクッション部材が適用されても良い。あるいは、開口31Aの一部を覆い、それ以外の開口31Bの全体を覆うクッション部材が適用されても良い。要するに、絶縁シートを介して開口の少なくとも一部を覆うクッション部材であれば良い。なお、上述したように、2種類以上の大きさを有する開口を適用した場合、種類が異なる開口ごとに、クッション部材が開口を覆う割合(開口に対するクッション部材の閉塞量)を相違させることで、感圧スイッチSW1とSW2の感度を調整可能である。具体的には、感圧スイッチSW1とSW2とに加わる押圧力に相違があったとしても、これら感圧スイッチSW1及びSW2がオン状態となる均一性(バランス)を向上できる。
【0141】
また上記実施形態では、着座センサユニット1及び座席装置8における各構成要素の形状は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な形状を適用することができる。
【0142】
なお、着座センサユニット1及び座席装置8における各構成要素は、第1実施形態及び第2実施形態又は他の実施形態に示された内容以外に、適宜、本願目的を逸脱しない範囲で組み合わせ、省略、変更、周知技術の付加などをすることができる。