(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記グラフィカル環境の他の部分に表示された情報要素のうちの複数を集めて集約表示を形成するためのユーザ入力を受け取ることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記グラフィカル環境の他の部分において第1の情報源と1つ以上の選択された情報要素との間の関係を維持することを更に含み、関係を維持することは、前記第1の情報源と関連する色と一致する色を用いて1つ以上の選択された情報要素の対応する表示を前記グラフィカル環境の他の部分において形成することを含む、請求項15に記載の方法。
少なくともいくつかの情報要素のうちの個々の情報要素に適用される1つ以上の地位をグラフィカル形式で提示するグラフィカルな地位表示を前記グラフィカル環境において形成することを含む、請求項1に記載の方法。
前記情報要素に適用された地位に従ってユーザのために情報要素にアクセスすることは、前記地位の階層的配列に従って該情報要素にアクセスすることを含む、請求項22に記載の方法。
コンピュータ読み取り可能な媒体に格納されているソフトウェアであって、データ処理システムに請求項1〜23のうちのいずれか1項に記載の方法を実行させるための命令を含む、ソフトウェア。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様において、一般に、情報を管理するためのアプローチは、マルチプログラム・グラフィカルユーザ環境(例えば、仮想デスクトップ)を使用する。このグラフィカル環境は、情報要素をユーザに提示する第1の部分を含んでいる。1つまたは複数の情報要素のユーザ選択が受け取られ、それらの要素の対応する表示が、グラフィカル環境の他の部分に形成される。グラフィカル環境の上記他の部分に形成される表示は、追加の情報要素が上記環境の第1の部分にユーザに向けて提示される場合でも、持続的である。
【0004】
様々な態様において、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。
ユーザに提示するための情報要素についての指定(specification)が受け取られる。
【0005】
受け取った指定に従って、いくつかの情報源から情報要素が集められる。
選択された情報要素の対応する表示を形成することは、該情報要素に対応するグラフィカル要素を形成することを含んでいる。
【0006】
形成されたグラフィカル要素を操作するためのユーザ入力が受け取られる。
この方法は、さらに、グラフィカル環境の上記他の部分に表示された情報要素のうちの複数を集めて集約表示を形成するためのユーザ入力を受け取ることを含んでいる。
【0007】
集約表示は、後に取り出すために格納される。集約表示は、他のユーザに送信することができる。
マルチプログラム・グラフィカルユーザ環境は、仮想デスクトップ環境を含んでいる。
【0008】
情報要素と、対応する分類との関連付けが保持される。
1つまたは複数の情報要素の選択を受け取ることは、該情報要素に関連付けられた分類に従って指定を受け取ることを含んでいる。
【0009】
地位(place)と情報要素との関連付けは、ユーザからの入力に従って設定される。
地位に関連付けられた権限情報が保持されており、地位と情報要素との関連付けを設定することは、ユーザが該地位の関連付けを設定する権限を有しているかどうか判断することを含んでいる。
【0010】
別の態様において、一般に、情報管理の方法は、いくつかの情報要素と、いくつかの情報地位と、いくつかのユーザ・グループとを保持することを含んでいる。情報地位に関連付けられた権限が保持されており、地位の少なくとも一部の各々に関連付けられた権限は、ユーザ・グループが情報要素に該地位を適用する権限と、ユーザ・グループが情報要素に該地位が適用されているかどうか判断する権限とを含んでいる。情報要素に地位が適用される。地位を適用することは、ユーザ・グループのユーザによる地位の適用を、上記保持されている権限に従って制限することを含んでいる。情報要素に適用された地位に従って、ユーザのための情報要素へのアクセスが行われる。このアクセスは、上記保持されている権限に従って、情報要素に適用されている地位の使用を制限することを含んでいる。
【0011】
情報地位は、階層的配列で保持されている。
情報要素に適用された地位に従ってユーザのための情報要素へのアクセスを行うことは、地位の階層的配列に基づいて該情報要素にアクセスすることを含んでいる。
【0012】
別の態様において、一般に、ソフトウェアが、コンピュータ読み取り可能な媒体上で具現化され、それは、上記で規定した方法のうちいずれかの、すべてのステップをデータ処理システムに実行させるための命令を含んでいる。
【0013】
別の態様において、一般に、情報管理システムが、グラフィカル・ユーザインタフェースを含んでいる。情報管理コンポーネントが、上記で規定した方法のうちいずれかの、すべてのステップを実現する。
【発明の効果】
【0014】
これらの態様は、以下の利点のうち1つ以上を備える。
例えば個々の検索結果または個々のニュース項目である個々の情報項目をユーザが保存するための手段を提供することで、ユーザは、保存された項目を失うことなく、一連の検索または他の情報取得操作を実施することができる。
【0015】
いくらか電子“付箋”紙のようにして、項目を保存する場所としてデスクトップを使用することで、それらの項目に関連付けられた完全な情報へのアクセスを可能にしたまま、コンパクトな形での、取得した情報の構造化されていない保存を可能にしている。
【0016】
保存された項目をユーザが集約するための手段を提供することで、ユーザが、保存された結果に組織的側面を与えることを可能にしており、例えば、集約された結果を後に取り出すために保存すること、他のユーザに送信すること、またはユーザのコミュニティに公開することが可能である。
【0017】
複数の情報源にアクセスする情報インタフェースを提供することで、ユーザが様々な情報源について別々に検索を行う必要性を軽減している。情報項目の情報源をグラフィカルに表示することで、ユーザが、取り出された様々な項目をそれらの情報源に応じて扱うことを可能にしている。色などのグラフィカルなインジケータによって、ユーザが、各項目の詳細情報を読み込んだり取り出したりする必要なく情報を編成することを可能にする、効果的なインジケータを提供している。
【0018】
情報要素への地位(place)の適用、および適用された地位へのアクセスについての権限システムを提供することで、要素の分類を所望の制御レベルで柔軟に利用することを可能にしている。
【0019】
地位の階層的配列を用いることで、継承アプローチにより、地位に関する権限の管理が簡単化される。さらに、階層的配列によって、ユーザが、求める情報要素を所望の具体度で指定する手段を提供することができる。
【0020】
本発明の他の特徴および効果は、以下の説明および請求項から明らかとなる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を参照して、マイクロソフト・ウィンドウズ(Microsoft Windows(登録商標))オペレーティングシステムまたはマックOS(Mac OS(登録商標))オペレーティングシステムの一部として提供されるウィンドウ型グラフィカル・インタフェース(“デスクトップ”)のようなグラフィカル・ユーザ環境100は、ユーザが種々のソフトウェア・アプリケーション(例えば、プログラム)へのインタフェースにアクセスすることができるグラフィカル環境を、一般的には、種々の異なるアプリケーションにより制御される個別のウィンドウで提供する。
図1では、そのようなアプリケーション・ウィンドウは図示することなく、背景102のみ示しているが、後述のユーザインタフェースの特徴に関連がないかもしれない他のウィンドウが、以下で説明するウィンドウおよびアイコンと共存できることを、読者は理解すべきである。
【0023】
一部の実施形態において、グラフィカル・インタフェースは、ある情報源から、あるいは、より一般的に様々な情報源から得られる情報にアクセスし、それを管理するためのインタフェースをユーザに提供する情報バー110を特徴としている。ユーザが情報にアクセスする方法の例は、検索結果としてのもの、および情報の様々な地位の購読としてのものである。情報管理の1つの特徴は、ユーザが、表示されている項目を情報バーから“はがす(tear off)”と共に、例えば、それらをグラフィカル・ユーザ環境100で独立に配置することができる別々のグラフィカル要素として操作することができることである。
【0024】
一部の実施形態において、情報バー110は、使用しないときに折り畳まれたバーとして表示される縮小形104を有している。つまり、ユーザは、縮小形104を選択することができ、それを、必要なときに例えばマウスとディスプレイ上のコントロールボタンを用いて完全な情報バー110に展開することができる。留意すべきことは、一部の実施形態では、縮小形104のグラフィック・タイプは、必ずしもグラフィック・ディスプレイの側端または上端または下端のバーではなく、ディスプレイ上に表示されるアイコン、文字、または記号といった他の形式の縮小形、あるいは完全に隠れた(つまり、目に見えない)縮小形を用いることもできるということである。さらに留意すべきことは、他の実施形態では、情報バー110は、必ずしも
図1に示すような垂直バーではないということである。例えば、情報バーは、水平バー、非矩形のアンカーされた形状、フローティング・ウィンドウ、背景要素などとすることができる。一部の実施形態では、情報バーは固定の位置にあり、一部の実施形態では、ユーザが画面上でバーをスライドさせることができ、さらに/または、その位置またはサイズを、好きなように、あるいは背景に表示されている他のウィンドウまたは情報を隠すことなく使えるように、変更することができる。
【0025】
情報バー110は、ユーザが1つ以上の情報源からの情報にアクセスする際のインタフェースを提供する。例えば、情報バーは、以下のもののうち1つ以上へのアクセスを提供するように構成されている。
・グーグルなど一般の検索エンジンを使用するインターネット検索;
・インターネット百科事典(例えば、ウィキペディア)など特定のインターネット・サイト;
・マイクロソフト・シェアポイントなどローカル検索エンジンを使用して生成された、イントラネット上のローカル情報(例えば、ファイル、ディレクトリ、データベース);
・例えば、ローカルなウィキサーバに保管されている情報、またはロータスノーツ(LotusNotes)などのアプリケーションを使用して保持されている情報など、特定のローカル情報;
・グーグル・デスクトップ(Google Desktop)などのローカル検索アプリケーションを使用する、ローカルファイルに基づく検索結果;
・例えば、RSS(Really Simple Syndication)フォーマットまたはアトム配信(AtomSyndication)フォーマットで提供される、情報フィードの購読。
【0026】
一部の実施形態では、情報源の選択は、事前設定されたオプションのセットからユーザにより選択可能である。一部の実施形態では、例えば“プラグイン”モジュールをロードすることにより、情報源のセットへのカスタマイズ追加を設定することが可能である。
【0027】
いくつかの例において、情報バー110は、情報バーに提示されることになる特定の情報をユーザが指定するための手段を提供する。例えば、情報バー110は、クエリー領域120を含んでいる場合がある。一般に、クエリー領域120は、ユーザが求めている情報を、識別する、または特徴付ける入力を、ユーザから受け取るために用いられる。一部の実施形態において、ユーザは、例えばユーザが求める情報要素の中で検索されることになるキーワードのセットをスペースで区切って打ち込むことにより、クエリー122をテキスト形式で入力する。一部の実施形態では、他の形式のクエリーを使用することができる。そのような形式には、個々のフィールドの希望値が対応するボックスに入力されるフォームを用いたクエリー、ブール型言語を用いたクエリー、および自然言語クエリーが含まれる。クエリー領域は、SEARCH124と表示されたボタンなど、検索を開始させるためのコントロールを含むことができる。情報フィードの購読を可能にする例では、情報バーは、フィードのアドレス(例えば、URL、ユニフォーム・リソース・ロケータ)を入力するための要素(図示せず)を含むことができる。
【0028】
情報バー110には、情報項目がユーザに向けて提示される。例えば、ユーザのクエリーに基づいて検索が行われた後に、結果のセットがユーザに表示される。一部の実施形態では、いくつかの結果部130が、情報バー110の中に形成される。例えば、各結果は、個別の結果部130を有し、各結果部は、見つけられた情報要素のタイトルとすることができるヘッドライン132と、その情報要素についての更なる詳細を提供する要約134とを有している。
【0029】
いくつかの例において、情報バー110の特徴は、ユーザが結果部130の表示150をグラフィカル・ユーザ環境100上の別の場所に置くことができるということである。いくつかの例において、ユーザは、結果部130を、例えばマウスなどのポインティング・デバイスを用いてそれを選択してディスプレイ上でドラッグする(つまり、結果を“はがす(tearing off)”)ことにより、それを情報バーから切り離してインタフェース上の別の場所に置くこと、あるいはそれをコピーすることができる。いくつかの例において、結果表示150は、情報バー110にあった元の結果部130と同じ外観のウィンドウであり、例えば、結果部130のヘッドライン132および要約134と同じヘッドライン152および要約154を有している。いくつかの例において、ユーザは、さらに、結果表示150をディスプレイ上で移動させることにより表示を操作することができ、あるいは表示のサイズ変更または枠線色の変更といった表示の変更を行うことができる。
【0030】
いくつかの例において、ユーザは、結果表示150の形式を変更するオプションを有する。例えば、ユーザは、結果表示の詳細およびサイズを縮小することができ、例えば、結果を、ヘッドラインのみを含む、あるいはアイコンまたは結果に応じた画像の形態を取るグラフィカル表示140に変換する。アイコンまたは結果に応じた画像の例として、結果が特定の個人の検索において取得された情報を表す場合に、人の画像とすることができる。いくつかの例では、結果は、詳細およびサイズが縮小されて、ディスプレイのドックまたは最小化ウィンドウ用バーといったセクションに配置される場合があり、また、いくつかの例では、縮小された結果は、グラフィック・ディスプレイ上の可動要素として配置される場合がある。
【0031】
一般に、ユーザは、結果表示150と対話することにより、あるいは同じく情報の縮小表示140と対話することにより、結果表示150に関連付けられた情報にアクセスするオプションを有する。いくつかの例において、そのようなアクセスは、マウスなどのポインティング・デバイスを用いて表示を選択することにより開始される。例えば、表示される情報がインターネットによるウェブページである場合、ユーザは、表示を選択することで、インターネットで取得したマークアップ・データ形式による情報を、例えばハイパーテキスト・マークアップ言語(HTML)を用いてコンテンツ・ウィンドウ160に表示させることができる。いくつかの例において、コンテンツ・ウィンドウ160は、ウェブブラウザ・アプリケーションといった関連付けされたアプリケーションのウィンドウである。いくつかの例では、結果表示150がコンテンツ・ウィンドウ160で置き換えられ、他の例では、結果表示150は、コンテンツ・ウィンドウ160と共にディスプレイ上に表示されたままとなる。いくつかの例では、ユーザがフルサイズのコンテンツ・ウィンドウ160を縮小化することで、結果表示ウィンドウに戻すことができる。
【0032】
図2を参照して、一部の実施形態では、情報バーおよびその関連機能は、例えばMicrosoftWindows XP(登録商標)オペレーティングシステムの制御下にあるオペレーティング環境200でホストされている情報マネージャ・プロセス220により提供される。このオペレーティング環境は、さらに、グラフィカル・ユーザインタフェース(GUI)マネージャ210を含んでおり、これは、例えばウィンドウを配置してユーザからの入力を受け取ることにより、ユーザとグラフィカル・インタフェースを介して対話するためのサービスを実現する。例えば、GUIマネージャは、基礎となるオペレーティングシステムに組み込まれていてもよく、あるいはオペレーティングシステムによりホストされる別のソフトウェア・アプリケーションとして提供されるものであってもよい。一般に、情報マネージャ220は、GUIマネージャ210により提供されるサービスを利用する。このオペレーティング環境でホストされている他のソフトウェア・アプリケーションも、GUIマネージャを利用する。いくつかの例では、情報バーおよびその関連機能は、アドビ・フラッシュ(AdobeFlash(登録商標))環境を用いて実現されるグラフィカル・サービスを利用する。
【0033】
情報マネージャ220は、1つ以上のローカルな情報源230および/または外部の情報源235を利用する。上記で紹介したように、そのような情報源の例にはローカルな検索可能データまたはサーバが含まれ、一方、外部の情報源にはインターネット・ベースの検索エンジンが含まれる。
【0034】
一般に、GUIマネージャ210は状態212を保持しており、それはユーザとの対話に基づくものである。そのような状態は、ウィンドウなどグラフィカル要素のサイズおよび位置と、それらのグラフィカル要素とそれらの要素に関与するソフトウェア・プロセスとの関連付けを含む場合がある。特に、状態212は、情報バー110に関連付けられたグラフィカル要素および関連の情報要素と、情報マネージャ220との関連付けを含んでいる。一般に、情報マネージャ220は状態222を含んでおり、これは、ユーザによる最近のクエリーの結果、表示140および150のようなグラフィック要素についての要素と元となる情報項目との関連付けなどの情報を含むものである。いくつかの例では、状態222は、このオペレーティング環境でホストされているファイルシステム内のファイルとして格納されている。いくつかの例では、情報マネージャの状態222は持続的であり、例えば、情報マネージャ・プロセスの終わりから再起動まで持続される。
【0035】
図5のフローチャートを参照して、一般的に、ユーザから求める情報の指定(specification)を受け取ったこと(ブロック510)に応えて、情報マネージャ220は、内部および外部の情報源230、235から受け取る個々の情報要素を特定し(ブロック520)、これにより、各情報項目が個別の結果部130として表示されることが可能である(
図1を参照)。情報源によっては、明確に特定される個別の情報要素として情報が提供されない場合があり、例えば、HTMLなどのマークアップ言語で提供される。そのような場合のいくつかでは、受け取られた情報は情報マネージャ220により処理されて、例えば情報の構造を反映している特定のマークアップ要素(例えば、<div>)またはマークアップ要素のパターンを識別することにより、個別のセグメントまたは要素を特定する(ブロック530)。いくつかの例では、別々の情報項目を表す形式で個別の情報項目が情報源により提供され、例えば、各要素が区切られたRSSフィード(例えば、<item>...</item>)またはAtom形式で提供される。そして、情報マネージャは、項目の格納表現(storage representation)を形成し(ブロック540)、これを用いて個々の要素の持続的グラフィカル表示を形成する(ブロック550)。
【0036】
図1を参照して上記で説明した機能に加えて、一部の実施形態では、
図3を参照して、情報要素の管理に関する追加機能を提供する。
図3に示す例では、3つの情報要素の表示150が、グラフィカル・ユーザ環境100に示されている。例えばある期間にわたって、ユーザにより行われた1つ以上の検索の結果としてのこれらの要素は、例えば、ユーザにより、既に“はがされて”いる。情報マネージャ220は、ユーザが集約表示320の中に複数の情報要素を配列する手段を提供する。例えば、ユーザは、各表示150を集約表示320の中にドラッグすることができ、それらをユーザが望む順序で(例えば、最も重要なものから順に)配列することができる。いくつかの例では、表示150は背景から削除され、他の例では、表示のコピー350が集約表示320の中に形成される。集約表示320は、ユーザによりグラフィカル・インタフェースで操作することができ、例えば、ウィンドウを移動させること、および表示のタイプを縮小形(例えば、ヘッドライン)またはアイコン形式に変更することが可能である。ユーザは、例えば情報要素についてのより詳細な情報を表示させるために、集約表示の中の個々の情報要素350にアクセスすることができる。
【0037】
いくつかの例において、集約表示350は、いくつかの追加の方法で操作することができる。例えば、集約表示は、オペレーティング環境のファイルシステムのファイルとして保存することができる。例えば、そのフォーマットは、後に情報マネージャが集約表示を再生することができるように、情報マネージャ220に指定のものとすることができる。いくつかの例において、表示は、ウェブブラウザ・アプリケーションで表示させることができるように、HTML形式で保存される場合があり、後に、保存されたドキュメント内のリンクを用いて、情報要素により示される詳細情報にアクセスすることができる。いくつかの例において、集約表示を、例えば指示する電子メール・メッセージとして他のユーザに送信することができ、あるいは他のユーザが(例えば、RSS情報フィードとしての)パブリケーションを購読することができるように公開することができる。
【0038】
このアプローチを用いる例では、ユーザは、関心のあるトピックを調べて、長期間にわたって複数の検索を行う。ユーザが興味深そうな結果を見つけると、ユーザはそのような結果をはがして、それらをデスクトップに置く。ユーザがより興味深い結果を見つけると、ユーザは、その結果を画面上で移動させて、関心のなくなった結果を削除することができ、またその他に、ユーザによる検討の結果を編成することができる。時に、ユーザは、ユーザが自身のデスクトップに置いた結果の一部またはすべてを集めて(集約して)、後に取り出すためにドキュメントとして保存することを望むことがある。ユーザは、情報マネージャ220を用いて空の集約表示を作成し、この表示の中に関心のある項目をドラッグし、集約表示をドキュメントとして、この例ではHTMLドキュメントとして保存する。その後、ユーザは、そのドキュメントのコピーを、例えば電子メールで同僚に送ることができる。
【0039】
別の使用例では、ユーザは、例えばRSS情報フィードとして情報マネージャに提供されるいくつかの情報フィードを購読する。ユーザは関心のある項目を見つけると、その項目を集約表示に追加する。ユーザは、それらを他のユーザが自身の情報マネージャを介して受け取ることが可能となるように、集約表示を公開する。
【0040】
図4Aおよび4Bを参照して、一部の実施形態では、情報マネージャは、いくつかの異なる情報源(例えば、内部情報、外部のウェブ検索、ウィキなど)から情報を取得することができる。そのようないくつかの情報源を、
図4Aにおいて領域410として模式的に表している。異なる情報源を表す領域間のオーバーラップは、特定の情報要素420が複数の情報源に属している、あるいは複数の情報源から取得可能である可能性を表している。
図4Bを参照して、ユーザが検索を行う場合、あるいは結果部430のセットが提示される場合に、各要素および/またはセット全体は、その要素の情報源(複数の場合もある)をグラフィック形式で示す情報源インジケータ432を含んでいる。例えば、各情報源は異なる色に関連付けられており、情報要素の情報源(複数の場合もある)は、それらの情報源の色で表される。いくつかの例において、情報要素は、情報源の各々との関連度が異なり、グラフィカル表示は、その大きさ、あるいは他の何らかの属性または特性により(例えば、棒グラフ表現における長さとして)関連度を表す領域434を含んでいる。いくつかの例において、グラフィカルな情報源表示は、その情報が情報バーからはがされたときに、例えば対応する情報源インジケータを用いて、あるいは表示の枠線色といったグラフィックス特性を利用して、維持される。いくつかの例では、マウスなどのポインティング・デバイスを用いたユーザによる情報源インジケータの領域434の選択に応じて、情報マネージャは、情報バーの結果部をソートおよび/またはフィルタリングする。いくつかの例では、情報源インジケータの領域434にカーソルを重ねると、情報マネージャは、その領域434に関連付けられた情報源の簡単な説明を提示する。いくつかの例において、情報源インジケータ432は、その要素が属する地位(place)(複数の場合もある)をグラフィカル形式で提示する。
【0041】
情報要素(“ユニット”)は、それらの内容を特徴づけるように、分類(例えば、“注釈を付ける”、“タグを付ける”、“マークを付ける”など)することができる。例えば、上記で紹介したように、情報要素は様々な情報源を持つことがあり、システムは、各情報源からの要素に、その情報源に関連付けられたタグで、自動的に注釈を付けることができる。これにより、ユーザは、情報源に関連付けられたタグに少なくとも部分的に基づいて情報を指定するクエリーおよび/または購読を利用して、情報にアクセスすることができる。同様に、情報要素が提示される際に、それらの情報要素に関連付けられたタグが、例えば明示的に、あるいはそれらのタグに関連付けられた色などの視覚表示により表示されてもよい。いくつかの例において、例えば情報要素がアクセスされ、システムに取り込まれる際に、タグがシステムによって付けられる。いくつかの例において、タグは、システムのユーザ(例えば、エンドユーザおよび管理ユーザ)によって操作される。
【0042】
システムによるタグのユーザ操作の一形態は“協調”プロセスを伴い、これによって、ユーザにより情報要素に付されるタグの一部またはすべてに、他のユーザによるアクセスが可能である。例として、第1のユーザは、トピック“金融”に関するものとして、情報要素に注釈を付けることができ、これにより、他のユーザは、“金融”タグに基づいて、その情報要素にアクセス(例えば、検索または購読)可能となり得る。いくつかの例において、タグは、ユーザの特権グループにより管理することができる規定のタグ・リストからのものでなければならず、他の例では、タグは比較的制限のない形式を持つものとすることができる。
【0043】
一部の実施形態において、情報要素は順序論理空間(または、他の形式のオントロジー)に編成され、これにより、各情報要素は、順序論理空間において相対的な位置または“地位(place)”を持つ。順序論理空間における地位の操作(すなわち、移動、適用、およびアクセス)は、権限システムにより制御される。いくつかの例において、権限システムは、ユーザ・グループの階層構造(あるいは、他の構造化された配列または規定)のユーザ編成を利用する。
【0044】
地位についての権限はユーザ・グループに基づいており、各ユーザは、当然のこととして、少なくとも、そのユーザだけを含むメンバーが一人のグループのメンバーである。情報要素には、その要素の読み込み、書き込み/編集、および削除の権限が関連付けられている。例えば、ユーザが、ある情報要素の読み込み権限を持つ特定のユーザ・グループのメンバーではない場合、そのユーザはその要素にアクセスできず、検索または購読の結果として、その要素がそのユーザに提供されることはない。同様に、ユーザがある情報要素を書き込み/編集または削除することは、そのユーザがそのようなことを行う権限を持つグループのメンバーではない場合、不可能である。
【0045】
地位にも権限が関連付けられている。第1の権限は、情報要素をその地位に関連付けることに関するものであり、これは、情報要素に地位を“適用すること(applying)”、または情報要素をその地位に“置くこと(placing)”と見なされる。第2の権限は、情報要素に特定の地位が適用されているかどうか判断することに関するものであり、これは、その地位を“見ること(seeing)”と見なされる。例えば、特定の地位が適用されているかどうかに基づいて情報要素にアクセスするためには、そのユーザはその地位を見る権限を有していなければならない。
【0046】
簡単な例として、管理ユーザ・グループは、“ニュース”という地位を情報要素に適用する権限を持っている場合があり、すべてのユーザからなるグループは、その“ニュース”という地位を見る権限を持っている場合がある。この場合、いずれのユーザも、“ニュース”情報要素を購読することを選択すれば、購読が可能である。
【0047】
地位は、メンバーとなる地位を含む場合がある。例えば、“ニュース”という地位は、“金融ニュース”という地位と、“スポーツニュース”という地位とを含み得る。メンバーとなる地位を追加および削除可能であることは、地位の“追加”および“削除”の権限と関連している。いくつかの例では、各々の地位は所有者ユーザ・グループを有し、追加および削除の権限は、その所有者グループのユーザに限定されている。例えば、ユーザが、新しい地位“技術ニュース”を“ニュース”という地位のメンバーとして追加したい場合、そのユーザは、“ニュース”の地位についての追加権限を有していなければならない。
【0048】
いくつかの例において、権限は、デフォルトではグループのメンバーによって継承され、それらのメンバーの所有者により設定することができる。例えば、“技術ニュース”の地位が“ニュース”の地位に追加されると、“見る”権限および“適用”権限は、“ニュース”グループと同じグループに関連付けられるように継承される。
【0049】
従って、情報要素(ユニット)と地位の関連付けからなるセットは、スキーマ(shcema)に従って表現することができる。つまり、システムにより管理される情報要素について、ユニット/地位ペアからなる関連付け“place_set”セットが存在し、ここで、ペアに含まれる各地位は、地位の階層構造における中間点とすることができる。
【0050】
上記で紹介したように、情報源の場合、それらのグラフィカルな表現に影響を与える属性を、地位と関連付けることができる。例えば、特定の地位、または地位の階層構造の部分(例えば、ブランチ)に異なる色を関連付けることができ、情報要素を表現する場合には、その情報要素に適用された地位の色(複数の場合もある)で表現される。いくつかの例では、その表現は、さらに地位の数を各属性で示すものであってもよく、ある属性を持つ地位が主に情報要素に適用されており、別の属性を持つ地位が比較的少なく適用されている場合には、第1の属性が“より大きく”、あるいはより重要に(例えば、より明るく、より優勢な/より高い位置で、など)表現される。
【0051】
一部の実施形態において、情報要素への地位の適用は、数値重みのような関連度と結び付けられている。例えば、ある情報要素に地位を適用するユーザが、その関連付けに、その地位の他の適用よりも比較的弱いものとしてマークを付けたい場合がある。いくつかの例において、このような関連度は、その情報要素のグラフィカルな表現を形成する際に用いられ、また、例えば地位に基づく検索クエリーまたは購読の結果としての要素の選択または優先順位付けに用いることができる。
【0052】
地位と情報要素の関連付けを操作し、それにアクセスするための上記の機能は、様々な形態の情報管理に用いることができる。1つの例は、ワークフロー・プロセスに関するものである。この例では、“会社ニュース”の地位が定義されており、この地位が情報要素に適用されると、すべてのユーザからなるグループが見ることが可能であり、従って、ユーザは“会社ニュース”の地位を購読すること、および/またはそのような要素のアーカイブを検索することが可能である。ユーザは、さらに、地位機構を用いて公開用の情報を投稿することもできるが、新しい情報要素に編集レビューなしで“会社ニュース”の地位が適用されることがあり得ないように、編集ワークフローが利用される。
【0053】
新しい記事への“会社ニュース”の地位の適用を制限するため、その地位の“適用”権限は、“編集者”ユーザ・グループに限定される。一方、“見る”権限は、そのグループにすべてのユーザが加入できるように、すべてのユーザからなるグループに関連付けられている。
【0054】
さらに、この例では、第2の地位である“会社ニュース投稿”が定義されている。この地位は、すべてのユーザに関連付けられた“適用”権限を有するが、“見る”権限は、“編集者”グループにのみ関連付けられている。ユーザが、編集者による検討に向けて情報要素を投稿したい場合、そのユーザは、“会社ニュース投稿”の地位を適用して、その情報要素を修正する権限を持つ編集者グループに提供する。他のユーザは、一般的には、“会社ニュース投稿”の地位が適用されたものを見ることはできない。
【0055】
“編集者”グループのユーザは、“会社ニュース投稿”グループに加入することができ、そして、個々の投稿を、場合によっては若干の軽微な編集を行って、“会社ニュース”の地位まで通過させるべきであることを決定することができる。編集の後、編集者ユーザは、“会社ニュース投稿”の地位を取り除いて、その情報要素に“会社ニュース”の地位を適用する。この時点で、“会社ニュース”の地位を購読している他のユーザに、その情報要素が提供されることになる。
【0056】
一部の実施形態において、個々のアクティビティまたはワークフローは、基本となる地位と情報要素との関連付けを操作する固有のソフトウェア・アプリケーションまたはインタフェースを有している。これにより、ユーザ(例えば、記事を投稿する一般ユーザ、またはそれらをレビューする編集者ユーザ)は、上記のプリミティブを用いてアクセスが如何にして制御されるのかを意識する必要がない。
【0057】
また、上記の枠組み内で、より管理の少ない協調の形態を用いることもできる。例えば、“一般人”の地位を定義することができ、これは、この“一般人”の地位のメンバーとなる新しい地位を任意のユーザが定義できる可能性があるように設定された権限を有する。同様に、“すべてのユーザ”というユーザ・グループを、任意のユーザが新しいサブグループを定義することができるように、定義することができる。これにより、ユーザは、例えば“マルチプレイヤー・ゲーム”という新しい地位を定義することができ、これは、要素へのその適用をすべてのユーザにより見ることができるものである。しかし、ユーザは、その地位の適用を、特定のソフトウェア開発グループのメンバーのみがそれを適用することができるように制限したい場合がある。この場合、ユーザは、“すべてのユーザ”グループのサブセットとして、“ゲーム開発者”というユーザ・グループを形成し、この“ゲーム開発者”グループに、“マルチプレイヤー・ゲーム”の“適用”権限を関連付ける。
【0058】
より制限の少ない協調の形態では、ユーザは“鉄道模型”の地位を生成することができ、これは、この地位を誰でも情報要素に適用(または削除)することができ、さらにメンバーとなる地位(例えば、“アンティーク鉄道模型”)を形成することができるように設定された権限を有する。
【0059】
一部の実施形態では、地位(およびユーザ)は、必ずしも厳密な階層構造を成すように制限されてはいない。例えば、各々の地位が、1つまたは複数の他の地位(親)のメンバーであることを規定される場合があり、さらに、メンバーであるいくつかの地位(子供)を持つことを規定される場合がある。このような実施形態では、個々のユーザ・グループが地位の親子関係を変更(例えば、追加または削除)できるかどうかが、権限の様々な規定によって制御される。
【0060】
実装によっては、地位を情報要素に関連付けるデータを保持するのに集中データベースを使用し、このデータベースを用いて、ユーザのクエリーを処理し、購読しているユーザに情報を送る。実装によっては、地位の空間(例えば、ツリー)の異なる部分は、例えば、異なるコンピュータ、または異なる管理ドメイン内など、異なる場所に保持されたデータを有している。例えば、地位を規定するための統一的アプローチは、社内に保持される私的コンポーネントを含むことができ、さらに、公的にアクセス可能な情報プロバイダに保持される公的コンポーネントを含むことができる。例えば、情報プロバイダは、ある地位を情報要素に適用することができ、一方、社内のユーザは、新しい地位、またはさらに限定する地位を、それらの情報要素に私的に適用することができ、このような適用を社外から見ることはできない。
【0061】
一部の実施形態では、要素は、さらに、ユーザ・グループに関連付けられた権限を有する。例えば、ある要素について、読み込み、編集、および削除の権限を、その要素に地位を適用する権限とは独立に規定することができる。さらに、ユーザは、要素の集約グループを形成することができ、そのような集約グループは、構成要素である情報要素とは独立に設定された権限を持つことができる。
【0062】
特に指定のない限り、実施形態の一部としての上記アルゴリズムおよびプロシージャは、本質的に特定のコンピュータまたは他の装置に関連するものではない。具体的には、様々な汎用マシンを、本明細書に記載の教示に従って書かれたプログラムで使用することができ、あるいは、特定の機能を実行する専用装置(例えば、集積回路)を構築するほうが都合のよい場合もある。従って、少なくとも1つのプロセッサと、(揮発性および不揮発性のメモリおよび/または記憶素子を含む)少なくとも1つのデータ記憶システムと、少なくとも1つの入力装置またはポートと、少なくとも1つの出力装置またはポートと、をそれぞれ含む1つまたは複数のプログラマブル・コンピュータシステム上で実行される、1つまたは複数のコンピュータプログラムで、アプローチを実現することができる。入力データにプログラムコードを適用することで、本明細書に記載の機能を実行し、出力情報を生成する。出力情報は、周知の方法で1つまたは複数の出力装置に適用される。そのような各プログラムは、コンピュータシステムとやりとりするように、(機械語、アセンブリ言語、または高水準手続き型言語、論理言語、またはオブジェクト指向プログラミング言語を含む)いずれかの望ましいコンピュータ言語で実装することができる。いずれの場合も、言語は、コンパイル型言語またはインタプリタ型言語とすることができる。このようなコンピュータプログラムの各々は、好ましくは、汎用または専用のプログラマブル・コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体または装置(例えば、ソリッドステート・メモリまたは媒体、あるいは磁気または光媒体)に格納されているか、あるいはダウンロードされ、本明細書に記載のプロシージャを実行するため、コンピュータシステムにより記憶媒体または装置が読み取られると、コンピュータを設定および操作する。また、実施形態も、コンピュータプログラムで構成されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として実現されると考えることができ、そのように構成された記憶媒体によって、コンピュータシステムを特有かつ所定の方法で動作させることで、本明細書に記載の機能を実行する。
【0063】
当然のことながら、上記の説明は例示のためのものであって、添付の請求項の範囲により規定される本発明の範囲を限定するものではない。他の実施形態は、以下の請求項の範囲内のものである。