(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0027】
積層セラミックキャパシタ
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0028】
図1は本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの一部を切開して概略的に示した斜視図であり、
図2は
図1の積層セラミックキャパシタを幅方向に切断して示した断面図である。
【0029】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品は、誘電体層11を含み、長さをL、幅をW及び厚さをTとしたときにT/W>1.0を満たす六面体形状のセラミック本体10と、上記セラミック本体10内で上記誘電体層11を介して対向するように積層される第1及び第2の内部電極21、22と、を含むことができる。
【0030】
以下では、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品を説明するにあたり、特に、積層セラミックキャパシタを例に挙げて説明するが、これに制限されるものではない。
【0031】
上記セラミック本体10は、特に制限されず、例えば、六面体形状を有することができる。
【0032】
なお、本実施形態の積層セラミックキャパシタにおいて、「長さ方向」は
図1の「L方向」、「幅方向」は「W方向」、「厚さ方向」は「T方向」と定義する。ここで、「厚さ方向」は、誘電体層を積み上げる方向、即ち、「積層方向」と同じ概念として用いられる。
【0033】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ1は、誘電体層11を含み、長さをL、幅をW及び厚さをTとしたときにT/W>1.0を満たす六面体形状のセラミック本体10と、上記セラミック本体10内で上記誘電体層11を介して対向するように積層される第1及び第2の内部電極21、22と、を含むことができる。
【0034】
上記第1及び第2の内部電極21、22は、特に制限されず、例えば、パラジウム(Pd)、パラジウム‐銀(Pd‐Ag)合金等の貴金属材料及びニッケル(Ni)、銅(Cu)のうち一つ以上の物質からなる導電性ペーストを用いて形成されることができる。
【0035】
上記誘電体層11は、高誘電率を有するセラミック粉末、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO
3)系又はチタン酸ストロンチウム(SrTiO
3)系粉末を含むことができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】
一方、上記第1及び第2の内部電極21、22は、互いに異なる極性を有する一対の電極であり、誘電体層11上に所定の厚さで導電性金属を含む導電性ペーストを印刷して形成されることができる。
【0037】
上記第1及び第2の内部電極21、22の焼成後の平均厚さは、静電容量を形成できれば特に制限されず、例えば、0.6μm以下であることができる。
【0038】
上記第1及び第2の内部電極21、22の平均厚さは、
図2のようにセラミック本体10の幅方向の断面を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージスキャンして測定することができる。
【0039】
例えば、
図2のようにセラミック本体10の長さ方向(L方向)の中央部に沿う幅及び厚さ方向(W‐T方向)の断面を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でスキャンしたイメージから抽出された任意の内部電極に対し、幅方向に等間隔の30個の地点における厚さを測定して平均値を測定することができる。
【0040】
上記等間隔の30個の地点は、第1及び第2の内部電極21、22が重なる領域を意味する容量形成部で測定されることができる。
【0041】
また、このような平均値の測定を10個以上の内部電極に拡張して行うと、内部電極の平均厚さをより一般化することができる。
【0042】
また、上記第1及び第2の内部電極21、22は、誘電体層11の積層方向に沿って両端面から交互に露出するように形成され、中間に配置された誘電体層11によって互いに電気的に絶縁されることができる。
【0043】
即ち、第1及び第2の内部電極21、22は、セラミック本体10の両端面から交互に露出する部分が第1及び第2の外部電極31、32とそれぞれ電気的に連結されることができる。
【0044】
したがって、第1及び第2の外部電極31、32に電圧を印加すると、対向する第1及び第2の内部電極21、22の間に電荷が蓄積され、この際、積層セラミックキャパシタ1の静電容量は第1及び第2の内部電極21、22の 重なり領域の面積に比例する。
【0045】
静電容量の形成のために、第1及び第2の外部電極31、32は、上記セラミック本体10の外側に形成され、上記第1及び第2の内部電極21、22と電気的に連結されることができる。
【0046】
上記第1及び第2の外部電極31、32は、内部電極と同じ材質の導電性物質で形成されることができるが、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)などで形成されることができる。
【0047】
上記第1及び第2の外部電極31、32は、上記金属粉末にガラスフリットを添加して製造された導電性ペーストを塗布した後に焼成することにより形成されることができる。
【0048】
上記セラミック本体10は複数の誘電体層11を積層した後に焼成して形成され、このようなセラミック本体10の形状、寸法及び誘電体層11の積層数は本実施形態に限定されるものではない。
【0049】
また、上記セラミック本体10を形成する複数の誘電体層11は焼結された状態で、隣接する誘電体層11の間の境界は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いなくては確認できない程度に一体化されることができる。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、上記誘電体層11の平均厚さtdは、積層セラミックキャパシタ1の容量設計に合わせて任意に変えても良く、焼成後に0.1から0.8μmであることができる。
【0051】
上記誘電体層11の平均厚さtdは、
図2のようにセラミック本体10の幅方向の断面を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージスキャンして測定することができる。
【0052】
例えば、
図2のようにセラミック本体10の長さ方向(L方向)の中央部に沿う幅及び厚さ方向(W‐T方向)の断面を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でスキャンしたイメージから抽出された任意の誘電体層に対し、幅方向に等間隔の30個の地点における厚さを測定して平均値を測定することができる。
【0053】
上記等間隔の30個の地点は、第1及び第2の内部電極21、22が重なる領域を意味する容量形成部で測定されることができる。
【0054】
また、このような平均値の測定を10個以上の誘電体層に拡張して行うと、誘電体層の平均厚さをより一般化することができる。
【0055】
一方、上記セラミック本体10の長さをL、幅をW及び厚さをTとしたとき、T/W>1.0を満たすことができる。
【0056】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ1は、高容量の具現のために積層数を増加させた形態であり、上記セラミック本体10の厚さTが幅Wより大きい形態であることを特徴とする。
【0057】
一般の積層セラミックキャパシタの場合、幅と厚さがほぼ同じように製作されてきた。
【0058】
しかしながら、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、小型化を具現することができ、基板に実装するときに十分な空間確保が可能であるため高容量の積層セラミックキャパシタを具現するように積層数を増加させることができる。
【0059】
上記のように、積層数が増加し、上記セラミック本体の積層方向が厚さ方向であるため、上記セラミック本体の厚さTと幅Wとの関係がT/W>1.0を満たすことができる。
【0060】
本発明の一実施形態によれば、上記セラミック本体の厚さTと幅Wとの関係がT/W>1.0を満たすように積層セラミックキャパシタを製作することにより、静電容量の大容量化を具現することができる。
【0061】
一方、上記セラミック本体の厚さTと幅Wとの関係がT/W>1.0を満たすように製作する場合、上記積層セラミックキャパシタを基板に実装するときに倒れによって短絡が発生する等の信頼性不良の問題が発生する可能性がある。
【0062】
また、積層セラミック電子部品を厚さが幅より大きい形で製作する場合、基板に実装するときにハンダの表面張力によって電子部品が傾斜して立ち上がる現象であるツームストン(Tombstone)不良、即ち、マンハッタン現象(Manhattan Phenomenon)が発生する可能性がある。
【0063】
しかしながら、本発明の一実施形態によれば、上記セラミック本体10の両側面に形成され上記セラミック本体10の厚さ以下の厚さを有する絶縁層12を含み、上記セラミック本体10の幅と上記絶縁層12の幅との和をWbとしたときに0.90≦W/Wb≦0.97を満たすことにより、上記基板実装時の倒れによる短絡不良を防止することができる。
【0064】
即ち、上記のように積層セラミックキャパシタ1を製作することにより、上記セラミック本体10の厚さTと幅Wとの関係がT/W>1.0を満たしても、基板に実装するときに倒れることがないため、信頼性に優れる。
【0065】
また、上記積層セラミックキャパシタ1を基板に実装するときにハンダの表面張力によって電子部品が傾斜して立ち上がる現象であるツームストン(Tombstone)不良、即ち、マンハッタン現象(Manhattan Phenomenon)を防止することができる。
【0066】
これにより、信頼性により優れた積層セラミックキャパシタを具現することができる。
【0067】
上記セラミック本体10の幅と上記絶縁層12の幅との和Wbに対する上記セラミック本体10の幅Wの比(W/Wb)が0.90未満の場合は、耐湿不良が発生する可能性があるため、信頼性に問題が生じる可能性がある。
【0068】
一方、上記セラミック本体10の幅と上記絶縁層12の幅との和Wbに対する上記セラミック本体10の幅Wの比(W/Wb)が0.97を超える場合は、上記積層セラミックキャパシタ1を基板に実装するときに倒れ不良又はツームストン(Tombstone)不良が発生する可能性がある。
【0069】
本発明の一実施形態によれば、上記の特徴に加えて、上記絶縁層12の厚さをTaとしたときに0.05≦Ta/T≦0.97を満たすことができる。
【0070】
即ち、上記セラミック本体10の厚さTに対する上記絶縁層12の厚さTaの比(Ta/T)が0.05≦Ta/T≦0.97を満たすように調節することにより、大容量化が具現された積層セラミックキャパシタ1を基板に実装するときに倒れ不良及びツームストン(Tombstone)不良を防止する優れた効果を有することができる。
【0071】
上記セラミック本体10の厚さTに対する上記絶縁層12の厚さTaの比(Ta/T)が0.05未満の場合は、基板に実装するときに倒れ不良、絶縁層12の反り又はクラックが発生する可能性があるため、信頼性に問題が生じる可能性がある。
【0072】
一方、セラミック本体10の厚さTに対する上記絶縁層12の厚さTaの比(Ta/T)が0.97を超える場合は、上記積層セラミックキャパシタ1を基板に実装するときに倒れ不良又はツームストン(Tombstone)不良が発生する可能性がある。
【0073】
一方、本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品は、誘電体層11を含み、長さをL、幅をW及び厚さをTとしたときにT/W>1.0を満たす六面体形状のセラミック本体10と、上記セラミック本体10内で上記誘電体層11を介して対向するように積層される第1及び第2の内部電極21、22と、上記セラミック本体10の両側面に形成され上記セラミック本体10の厚さ以下の厚さを有する絶縁層12と、を含み、上記絶縁層12の厚さをTaとしたとき、0.05≦Ta/T≦0.97を満たすことができる。
【0074】
上記本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品のその他の特徴は上述した本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの特徴と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0075】
図3は本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタの一部を切開して概略的に示した斜視図であり、
図4は
図3の積層セラミックキャパシタを幅方向に切断して示した断面図である。
【0076】
図3及び
図4を参照すると、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタ100において、「長さ方向」は
図3の「L方向」、「幅方向」は「W方向」、「厚さ方向」は「T方向」である。ここで、「幅方向」は、誘電体層を積み上げる方向、即ち、「積層方向」と同じ概念として用いられる。
【0077】
即ち、
図3及び
図4のように、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、上述した本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタとは異なり、積層方向が上記セラミック本体110の幅方向であることを特徴とする。
【0078】
上記本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、後述するように、基板に実装するときに内部電極が基板に垂直に配置される垂直実装形態を有することができる。
【0079】
本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、誘電体層111を含み、長さをL、幅をW及び厚さをTとしたときにT/W>1.0を満たす六面体形状のセラミック本体110と、上記セラミック本体110内で上記誘電体層111を介して対向するように積層される第1及び第2の内部電極121、122と、上記セラミック本体110の両側面に形成され上記セラミック本体110の厚さ以下の厚さを有する絶縁層112と、を含み、上記セラミック本体110の幅と上記絶縁層112の幅との和をWbとしたとき、0.90≦W/Wb≦0.97を満たすことができる。
【0080】
本発明の他の実施形態によれば、上記の特徴に加えて、上記絶縁層112の厚さをTaとしたときに0.05≦Ta/T≦0.97を満たすことができる。
【0081】
一方、本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、誘電体層111を含み、長さをL、幅をW及び厚さをTとしたときにT/W>1.0を満たす六面体形状のセラミック本体110と、上記セラミック本体110内で上記誘電体層111を介して対向するように積層される第1及び第2の内部電極121、122と、上記セラミック本体110の両側面に形成され上記セラミック本体110の厚さ以下の厚さを有する絶縁層112と、を含み、上記絶縁層112の厚さをTaとしたとき、0.05≦Ta/T≦0.97を満たすことができる。
【0082】
なお、上記本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタのその他の特徴は上述した本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの特徴と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0083】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0084】
本実施例は、0.6μm以下の平均厚さを有する誘電体層11を適用した積層セラミックキャパシタに対し、セラミック本体の幅と絶縁層の幅との和Wbに対する上記セラミック本体の幅Wの比(W/Wb)及びセラミック本体の厚さTに対する絶縁層の厚さTaの比(Ta/T)による耐湿不良の有無及び基板への実装時の倒れ頻度数を試験するために行われたものである。
【0085】
本実施例による積層セラミックキャパシタは、下記のような段階で製作された。
【0086】
まず、平均粒径が0.1μmのチタン酸バリウム(BaTiO
3)等の粉末を含んで形成されたスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布し乾燥して1.05μm及び0.95μmの厚さで製造された複数のセラミックグリーンシートを製造し、これにより、誘電体層11を形成した。
【0087】
次に、ニッケル粒子の平均サイズが0.1〜0.2μmのニッケル粉末を40〜50重量部含む内部電極用導電性ペーストを製造した。
【0088】
上記グリーンシート上に上記内部電極用導電性ペーストをスクリーン印刷工法で塗布して内部電極を形成した後、500層以上積層して積層体を製造した。
【0089】
次に、圧着し切断して、0603(長さ×幅)規格であって厚さ/幅が1.0を超えるチップを製造し、上記チップをH
2 0.1%以下の還元雰囲気で1050〜1200℃の温度で焼成した。
【0090】
次に、外部電極形成及びメッキ層形成等の工程を経て積層セラミックキャパシタを製作した。
【0091】
比較例は、セラミック本体の幅と絶縁層の幅との和Wbに対する上記セラミック本体の幅Wの比(W/Wb)及びセラミック本体の厚さTに対する絶縁層の厚さTaの比(Ta/T)が本発明の数値範囲と異なることを除いて、上記実施例による方法と同一に製作したものである。
【0092】
下記の表1は、セラミック本体の幅と絶縁層の幅との和Wbに対する上記セラミック本体の幅Wの比(W/Wb)による耐湿不良の有無及びチップの基板への実装時の倒れ頻度数を比較したものである。
【0093】
本テストではセラミック本体の厚さTに対する絶縁層の厚さTaの比(Ta/T)を0.3(30%)にして実験を行った。
【0094】
上記耐湿不良の有無については、200個のチップを基板に実装した後に湿度条件8585(85℃、湿度85%)で行って評価し、良好な場合を○、不良な場合を×で表示した。
【0095】
上記チップの基板への実装時の倒れ頻度数については、百万個のサンプルのうち倒れが発生した部品の数を測定してppm単位で表示し、20ppm以下の場合を良好、20ppmを超える場合を不良と判断した。
【0097】
上記表1を参照すると、比較例であるサンプル1及び2は、セラミック本体の幅と絶縁層の幅との和Wbに対する上記セラミック本体の幅Wの比(W/Wb)が0.90未満であり、耐湿不良が発生するため信頼性に問題があることが分かる。
【0098】
また、比較例であるサンプル9及び10は、セラミック本体の幅と絶縁層の幅との和Wbに対する上記セラミック本体の幅Wの比(W/Wb)が0.97を超え、チップを基板に実装するときに倒れ不良が発生するため信頼性に問題があることが分かる。
【0099】
これに対し、実施例であるサンプル3から8は、本発明の数値範囲を満たし、耐湿特性が良好であり、チップを基板に実装するときに倒れ不良が発生しないため信頼性に優れた高容量の積層セラミックキャパシタを具現することができることが分かる。
【0100】
下記の表2は、セラミック本体の厚さTに対する絶縁層の厚さTaの比(Ta/T)による耐湿不良の有無、絶縁層の反り又はクラックの発生の有無及びチップの基板への実装時の倒れ頻度数を比較したものである。
【0101】
本テストではセラミック本体の幅と絶縁層の幅との和Wbに対する上記セラミック本体の幅Wの比(W/Wb)を0.97(97%)にして実験を行った。
【0102】
上記耐湿不良の有無については、200個のチップを基板に実装した後に湿度条件8585(85℃、湿度85%)で行って評価し、良好な場合を○、不良な場合を×で表示した。
【0103】
上記絶縁層の反り又はクラックの発生の有無(信頼性判定項目)については、 発生することなく良好な場合を○、発生して不良な場合を×で表示した。
【0104】
また、上記チップの基板への実装時の倒れ頻度数については、百万個のサンプルうち倒れが発生した部品の数を測定してppm単位で表示し、20ppm以下の場合を良好、20ppmを超える場合を不良と判断した。
【0106】
上記表2を参照すると、比較例であるサンプル11は、セラミック本体の厚さTに対する絶縁層の厚さTaの比(Ta/T)が0.97を超え、チップを基板に実装するときに倒れ不良が発生するため信頼性に問題があることが分かる。
【0107】
また、比較例であるサンプル18は、セラミック本体の厚さTに対する絶縁層の厚さTaの比(Ta/T)が0.05未満であり、チップを基板に実装するときに倒れ不良が発生し絶縁層の反り又はクラックが発生するため信頼性に問題があることが分かる。
【0108】
これに対し、実施例であるサンプル12から17は、本発明の数値範囲を満たし、耐湿特性が良好であり、チップを基板に実装するときに倒れ不良が発生しないため信頼性に優れた高容量の積層セラミックキャパシタを具現することができることが分かる。
【0109】
積層セラミックキャパシタの実装基板
図5は
図1の積層セラミックキャパシタが印刷回路基板に実装された態様を示した斜視図であり、
図6は
図3の積層セラミックキャパシタが印刷回路基板に実装された態様を示した斜視図である。
【0110】
図5を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ1の実装基板200は、積層セラミックキャパシタ1が水平に実装される印刷回路基板210と、印刷回路基板210の上面に互いに離隔して形成された第1及び第2の電極パッド221、222と、を含む。
【0111】
この際、積層セラミックキャパシタ1の第1及び第2の外部電極31、32は、それぞれ第1及び第2の電極パッド221、222上に接触するように位置した状態でハンダ付け230によって印刷回路基板210と電気的に連結されることができる。
【0112】
また、
図6を参照すると、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタ100の実装基板200は、積層セラミックキャパシタ100が垂直に実装される印刷回路基板210と、印刷回路基板210の上面に互いに離隔して形成された第1及び第2の電極パッド221、222と、を含む。
【0113】
上記のように、本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品の実装基板は、誘電体層を含み長さをL、幅をW及び厚さをTとしたときにT/W>1.0を満たす六面体形状のセラミック本体を含む積層セラミック電子部品が実装された形態であり、高容量の積層セラミックキャパシタを含むことができる。
【0114】
また、上記のように、本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品の実装基板は、上記積層セラミックキャパシタを基板上に水平又は垂直実装しても、上述したようにセラミック本体の幅と絶縁層の幅との和Wbに対する上記セラミック本体の幅Wの比(W/Wb)が0.90≦W/Wb≦0.97を満たすため、積層セラミック電子部品の倒れ不良が発生しない。
【0115】
また、セラミック本体の厚さTに対する絶縁層の厚さTaの比(Ta/T)が0.05≦Ta/T≦0.97を満たすため、積層セラミック電子部品を基板に実装するときに倒れ不良が発生しない。
【0116】
これにより、信頼性に優れた高容量の積層セラミックキャパシタを含む積層セラミック電子部品の実装基板を具現することができる。
【0117】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。