特許第5844405号(P5844405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5844405
(24)【登録日】2015年11月27日
(45)【発行日】2016年1月13日
(54)【発明の名称】ランプ構造
(51)【国際特許分類】
   F21K 9/00 20160101AFI20151217BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20151217BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20151217BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20151217BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20151217BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20151217BHJP
【FI】
   F21S2/00 231
   F21V17/00 154
   F21V19/00 150
   F21V19/00 170
   F21V29/70
   F21V29/503
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-75377(P2014-75377)
(22)【出願日】2014年4月1日
(65)【公開番号】特開2015-88452(P2015-88452A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2014年4月4日
(31)【優先権主張番号】102139768
(32)【優先日】2013年11月1日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】102220409
(32)【優先日】2013年11月1日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】廖春雄
(72)【発明者】
【氏名】劉信助
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼志郎
(72)【発明者】
【氏名】李兆偉
(72)【発明者】
【氏名】陳建明
【審査官】 柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−060428(JP,A)
【文献】 特開2010−214628(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3184346(JP,U)
【文献】 特開2014−096237(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0219713(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いにつながった装着部および冷却部を備え、前記装着部は、2つの外壁面と、対応する当該2つの外壁面にそれぞれ位置するとともに2つの制限面をそれぞれ有する2つのスロットと、前記冷却部の2つの端部につながった支持面とを有し、前記2つの制限面の2つの延長面が交差して180度未満の第1の夾角をなすプラスチックベースと、
前記支持面の上に配置された光源と、
互いにつながったカバー部および2つのスナップ部を備え、前記2つのスナップ部は前記カバー部の2つの相対する端部にそれぞれつながっているとともに2つの外面をそれぞれ有し、前記2つのスナップ部が前記プラスチックベースの対応する前記2つのスロットにそれぞれ配置され、前記2つの外面が前記プラスチックベースの対応する前記2つの制限面とそれぞれ対面することによって、前記カバー部が前記光源を包囲するプラスチックランプシェードと、
を備え、
前記装着部は、2つの結合構造をさらに有し、
前記2つの外壁面は、対応する前記2つの対応する結合構造を介して前記支持面にそれぞれつながり、
前記2つの結合構造の各々は、前記支持面に対し前記冷却部から離間する方向に延在するL字型部材であり、
2つのロックスロットをさらに備え、当該2つのロックスロットの各々は、前記スロットにおける前記結合構造とは反対側の端部に位置することによって、前記スロットが前記結合構造と前記ロックスロットとの間に位置することを特徴とするランプ構造。
【請求項2】
前記2つの延長面は、前記光源から離間する方向に延在する前記2つの制限面で形成され、前記第1の夾角は20度乃至140度であることを特徴とする請求項1に記載のランプ構造。
【請求項3】
前記2つの制限面の前記2つの延長面と前記支持面とは第2の夾角と第3の夾角とをそれぞれなし、前記第2の夾角および前記第3の夾角は20度乃至80度であることを特徴とする請求項1に記載のランプ構造。
【請求項4】
前記2つのスロットの各々は、該当の制限面において少なくとも1つの第1の突起微細構造をさらに有し、
前記2つのスナップ部の各々は、前記少なくとも1つの第1の突起微細構造と互いに係合する少なくとも1つの第2の突起微細構造をさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載のランプ構造。
【請求項5】
前記光源は、前記2つの結合構造と結合して前記支持面上に配置された回路基板と、当該回路基板の上に配置された少なくとも1つの発光ダイオードとを有することを特徴とする請求項に記載のランプ構造。
【請求項6】
前記装着部は、対応する前記2つの結合構造および外壁面にそれぞれつながることによって、前記冷却部に向かって前記支持面とともに凹部を形成する2つの斜面をさらに有することを特徴とする請求項に記載のランプ構造。
【請求項7】
前記2つの斜面および前記支持面は第4の夾角および第5の夾角をそれぞれなし、前記第4の夾角および前記第5の夾角は135度乃至150度であることを特徴とする請求項に記載のランプ構造。
【請求項8】
前記凹部は、前記支持面と反対側の底面をさらに有し、前記冷却部は、前記底面と対向する内壁を有し、前記底面と前記内壁面の最下点との間の垂直な距離は、1mm乃至3mmであることを特徴とする請求項に記載のランプ構造。
【請求項9】
前記冷却部は、多重凹凸微細構造をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のランプ構造。
【請求項10】
少なくとも1つのエンドキャップおよび2つの固定具をさらに備え、前記少なくとも1つのエンドキャップは2つの孔を有し、前記2つの固定具は前記少なくとも1つのエンドキャップの前記2つの孔を貫通して前記プラスチックベースの前記2つのロックスロットでロックされることを特徴とする請求項に記載のランプ構造。
【請求項11】
前記プラスチックベースは、熱伝導性プラスチックから構成されて、ポリプロピレンおよびポリカーボネートからなる群から選択された樹脂と、ガラス繊維、マイカ、クレー、炭酸カルシウム、グラファイト、酸化マグネシウム、二酸化チタン、およびホウ素ニトリドからなる群から選択された複数の熱伝導性材料と、を含み、前記複数の熱伝導性材料は前記樹脂の内部にドープされたことを特徴とする請求項1に記載のランプ構造。
【請求項12】
前記樹脂の含有量は40%乃至80%であり、前記熱伝導性材料の含有量は60%乃至20%であることを特徴とする請求項11に記載のランプ構造。
【請求項13】
前記プラスチックベースの熱伝導性は0.3W/M・Kより高いことを特徴とする請求項に記載のランプ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ランプ構造に関し、特に、プラスチックライトチューブを有するランプ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
白色発光ダイオード(LED)は、高効率、省エネルギー、高速反応、長寿命かつ無害の光源であり、省エネルギーおよび環境保護の要求に完全に見合っている。そのため、白色LEDは、次世代の光源になりつつある。
【0003】
産業経済ナレッジセンター(Industrial Economics and Knowledge Center、IEK)は、LED照明の規模が2015年にはおよそ350億ドルに達すると推定している。照明業界における普及率は約30%であり、年間80%の成長率で急速に成長している。
【0004】
ほとんどの既存のLEDライトチューブには、放射材料としてアルミニウムまたはアルミニウム合金が使用されている。アルミニウムまたはアルミニウム合金製のLEDライトチューブは、高コストで重量が重い。したがって、同業界は、全プラスチック製LEDライトチューブの開発を開始してライトチューブの重量およびコストを削減しようとしている。しかしながら、現在のプラスチック製LEDライトチューブはいずれも、組立信頼性が低く冷却効率が低いという問題を抱えている。
例えば、ライトチューブの上カバーおよび下カバーは、外力で押下されると破損するおそれがある。そのため、全プラスチック製ライトチューブの組立信頼性および冷却効率をどのように向上させるかが、現在製造者が解決すべき問題の1つであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、全プラスチック製ライトチューブの組立信頼性を向上させるためのランプ構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によるランプ構造は、プラスチックベース、光源、およびプラスチックランプシェードを備える。プラスチックベースは、互いにつながっている装着部および冷却部を備える。装着部は、2つの外壁面と、2つのスロットと、冷却部の2つの端部につながっている支持面とを有する。2つのスロットは、対応する外壁面にそれぞれ位置し、各スロットは、制限面を有する。2つの制限面の2つの延長面は、交わって第1の夾角を形成する。第1の夾角は、180度未満である。光源は、支持面上に配置される。プラスチックランプシェードは、互いにつながっているカバー部および2つのスナップ部を備える。2つのスナップ部は、カバー部の2つの相対する端部にそれぞれつながり、各々のスナップ部は外面を有する。2つのスナップ部は、2つの対応するスロットに配置される。2つの外面は、それぞれ2つの対応する制限面と対面している。カバー部は、光源の周囲を包囲している。
【0007】
本開示に開示したランプ構造によれば、この実施形態における2つの制限面の延長面の間の夾角が180度未満で、かつプラスチックランプシェードが外力で押下されると、2つの制限面は、2つのスナップ部の外面に当接して、2つのスナップ部が反対方向に広がってスロットから脱離しないようにすることができ、これによってランプ構造の組立信頼性が向上する。
【0008】
本開示の内容に関する上記の説明および実施形態に関する以下の説明は、本開示の原理を例示して説明するとともに、本開示の特許請求の範囲についてのさらに深い解釈を示すために用いるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態によるランプ構造の概略断面図である。
図2図1の概略分解図である。
図3図1のランプ構造の3次元分解図である。
図4】水平面に対して垂直な外力で押下したときの図1のランプ構造の概略断面図である。
図5】本発明の第2の実施形態によるランプ構造の概略断面図である。
図6】本発明の第3の実施形態によるランプ構造の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1および図2を参照すると、図1は、本発明の第1の実施形態によるランプ構造の概略断面図であり、図2は、図1の概略分解図である。
【0011】
この実施形態におけるランプ構造10は、プラスチックベース100、光源200、およびプラスチックランプシェード300を備えている。光源200は、プラスチックベース100上に配置されている。プラスチックランプシェード300は、プラスチックベース100上に配置され、光源200を覆っている。
【0012】
プラスチックベース100は、互いにつながっている装着部110および冷却部120を備える。装着部110は、1つの支持面111、2つの外壁面112、2つのスロット113、2つのロックスロット114、および2つの結合構造115を有する。2つの外壁面112は、冷却部120の2つの端部につながり、2つの外壁面112は、それぞれ対応する結合構造115を介して支持面111につながっている。
2つのスロット113は、それぞれ対応する外壁面112上に位置しているとともに、支持面111の2つの対応する側に位置している。スロット113を設けることで、プラスチックランプシェード300およびプラスチックベース100をしっかりと係合させることができる。特に、各スロット113は、内側にくぼんだ外壁面112で形成された構造である。各スロット113は、制限面113aを有し、この制限面はその構造内にある斜面であり、外壁面112とつながっている。この実施形態では、制限面113aは、外壁面112に直接つながっているが、これに限定されない。他の実施形態では、2つの制限面113aが誘導斜面を介して外壁面112につながっていてもよい。
【0013】
この実施形態では、2つの制限面113aを光源200から離れていく方向に向かって延長して形成する2つの延長面113cによって、180度未満の第1の夾角θ1が生じる。この実施形態では、第1の夾角θ1は、2つのスロット113のスナップ効果および制限効果を増大させるために、20度から140度の間である。
【0014】
また、2つの制限面113aの延長面113cおよび支持面111は、それぞれ第2の夾角θ2および第3の夾角θ3を有する。第2の夾角θ2および第3の夾角θ3は、20度から80度の間である。この実施形態における第2の夾角θ2は、第3の夾角θ3と等しいが、これに限定されない。他の実施形態では、第2の夾角θ2が第3の夾角θ3と異なっていてよい。
【0015】
支持面111は水平面に平行なので、2つの制限面113aの延長面113cと水平面との間の角度は、それぞれ20度から80度である。また、説明しやすいように、最初に一例として、水平面に平行な支持面111を以下に挙げる。
【0016】
この実施形態における各スロット113は、さらに、少なくとも1つの第1の突起微細構造113aを備えている。第1の突起微細構造113aは、スロット113の固定効果および制限効果を増大するように制限面113aに位置し、これによってプラスチックランプシェード300が落下するのを回避する。この実施形態の第1の突起微細構造113aは、鋸歯状の突起構造だが、これに限定されない。例えば、他の実施形態では、第1の突起微細構造113aは、制限面113aの摩擦耐性を増大できるリブ、スレッド、または突片などの構造であってよい。
【0017】
2つのロックスロット114は、それぞれ対応する外壁面112に位置しているとともに、支持面111の2つの対応する側に位置している。特に、ロックスロット114は、内側にくぼんだ外壁面112で形成された構造である。各ロックスロット114は、結合構造115とは反対側にあるスロット113のもう一方の端部に位置して、スロット113が結合構造115とロックスロット114との間に位置する。
【0018】
各結合構造115は、支持面111および外壁面112につながっている。特に、結合構造115は、支持面111が冷却部120から離れていく方向に向かって延びているL字型部材である。結合構造115は、光源200を取り付けて光源200を支持面111上に配置するために使用される。
【0019】
冷却部120は、さらに、冷却部120の面積を増大させるための多重凹凸微細構造121を有し、これによって冷却部120の冷却効果が増大する。
【0020】
この実施形態では、プラスチックベース100の装着部110および冷却部120は、一体構造を形成するために熱伝導性プラスチックを押出成形したものである。熱伝導性プラスチックは、樹脂および複数の熱伝導性材料を含んでいる。
熱伝導性材料は、熱伝導性プラスチックの熱伝導性を増大させるために樹脂内でドープされる。樹脂含有量は40%から80%であり、熱伝導性材料含有量は60%から20%である。この実施形態では、樹脂は、ポリプロピレンおよびポリカーボネートからなる群から選択され、熱伝導性材料は、ガラス繊維、マイカ、クレー、炭酸カルシウム、グラファイト、酸化マグネシウム、二酸化チタン、および窒化ホウ素からなる群から選択される。
【0021】
例えば、表1および表2を参照すると、表1および表2は、熱伝導性プラスチックの配合割合の関係を示している。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
熱伝導性プラスチックの上記の配合を用いて作製したプラスチックベース100の熱伝導性値は0.3W/MKを上回り、ランプ構造10の冷却効率を高める可能性がある。
【0025】
この実施形態では、プラスチックベース100は一体構造だが、これに限定されない。他の実施形態では、プラスチックベース100は一体構造でなくてもよい。
【0026】
光源200は、回路基板210および少なくとも1つの発光ダイオード220を備えている。少なくとも1つの発光ダイオード220は、回路基板210上に配置されている。光源200は、装着部110に配置されている。特に、支持面111の面積は、実質的に回路基板210の面積と等しい。回路基板210は、装着部110の結合構造115に合致し、回路基板210を結合構造115に取り付けて支持面111上に固定するように配置できる。光源200はプラスチックベース100に固定され、支持面111と熱的に接触しているため、光源200の動作中に発生する熱は、装着部110の支持面111を介して冷却部120に伝達することができる。
【0027】
プラスチックランプシェード300は、互いにつながっているカバー部310および2つのスナップ部320を備えている。2つのスナップ部320は、それぞれカバー部310の2つの相対する端部につながっている。各スナップ部320は、外面321および第2の突起微細構造322を有する。第2の突起微細構造322は、外面321に位置し、スロット113内で第1の突起微細構造113bと合致する。スナップ部320の外面321およびスロット113の制限面113aは、実質的に互いに平行である。したがって、2つのスナップ部320を対応する2つのスロット113に装着すると、第1の突起微細構造113bおよび第2の突起微細構造322は、プラスチックランプシェード300をプラスチックベース100の上に固定できるように互いに嵌合することができる。
2つの外面321は、それぞれ対応する2つの制限面113aと対面している。カバー部310は、光源200を包囲している。この実施形態では、スナップ部320のスナップは、スロット113のくぼみ形状と合致するが、これに限定されない。他の実施形態では、スナップ部320の形状もスロット113のくぼみ形状と部分的に合致していてよい。また、プラスチックランプシェード300の材料には、光拡散性を有する樹脂、例えばアクリル樹脂(PMMA)にシリカ粒子もしくはポリスチレン球などの光拡散粒子を加えたもの、またはポリカーボネート(PC)にシリカゲル粒子もしくはPMMA球粒子などの光拡散粒子を加えたものを使用する。
【0028】
また、この実施形態における光源200は、熱伝導性プラスチックでできたプラスチックランプシェード300およびプラスチックベース100内に配置される。プラスチックは、プラスチックランプシェード300内かつプラスチックベース100内に位置する光源200および他の電子回路を外部から電気的に絶縁できるため、本ランプ構造10は、工場を出る前の高電圧試験に容易に合格できる。
【0029】
図3を参照すると、図3は、図1のランプ構造の3次元分解図である。
【0030】
この実施形態におけるランプ構造は、2つのエンドキャップ400および複数の固定具500を備えている。2つのエンドキャップ400は、それぞれ組み立てた後に、プラスチックベース100およびプラスチックランプシェード300の2つの相対する端部に装着され、各エンドキャップ400には2つの孔410が設けられている。
組み立てる際は、孔410はそれぞれロックスロット114の位置に対応する。各固定具500は、それぞれエンドキャップ400上にある2つの孔410を貫通し、プラスチックベース100の2つの相対する端部にある各ロックスロット114にロックされて、2つのエンドキャップ400はそれぞれプラスチックベース100の2つの相対する端部でロックされる。
【0031】
図4を参照すると、図4は、水平面に対して垂直な外力で押下したときの図1のランプ構造の概略断面図である。
【0032】
プラスチックランプシェード300のカバー部310を、支持面111に対して垂直な外力F1で押下すると、プラスチックランプシェード300の2つのスナップ部320は、スロット113から離れていく方向に向かって水平方向に沿って広がるはずであり(それぞれ矢印a、bの方向)、その結果、プラスチックランプシェード300はプラスチックベース100から脱離する。しかし、2つの制限面113aの延長面113cの間にできる第1の夾角θ1は180度未満であるため、つまり、2つの制限面113aの延長面113cと水平面(または支持面111)との間にできる第2の夾角θ2および第3の夾角θ3は、それぞれ1つの実施形態では0度を上回るため、第2の夾角θ2および第3の夾角θ3はそれぞれ20度から80度である。
2つのスナップ部320が広がろうとすると、2つの制限面113aは、2つのスナップ部320に当接するように内向きの外力F2およびF3を供給して、2つのスナップ部320が反対方向に広がってスロット113から脱離しないようにすることができ、これによってランプ構造10の組立信頼性が向上する。
【0033】
また、2つのスナップ部320が2つのスロット113にスナップ嵌めされると、スロット113の第1の突起微細構造113bはスナップ部320の第2の突起微細構造321と係合できるため、ランプ構造10の組立信頼性をさらに向上させることができる。
【0034】
図5を参照すると、図5は、本発明の第2の実施形態によるランプ構造の概略断面図である。この実施形態は、図1の実施形態と同様であるため、2つの実施形態の相違点のみを説明する。
【0035】
この実施形態の装着部110は、さらに、2つの斜面116を有する。各斜面116は、対応する結合構造115および外壁面112につながって、支持面111および2つの斜面116は、冷却部120に向かってくぼんでいる凹部117を形成する。
2つの斜面116および支持面111は、それぞれ第4の夾角θ4および第5の夾角θ5を有し、第4の夾角θ4および第5の夾角θ5は、それぞれ135度から150度である。この実施形態では、第4の夾角θ4は第5の夾角θ5に等しいが、これに限定されない。他の実施形態では、第4の夾角θ4が第5の夾角θ5と異なっていてもよい。
【0036】
また、凹部117は、さらに、支持面111とは反対側にある底面117aを有する。冷却部120は、凹凸微細構造121とは反対側にある内壁面122を有する。内壁面122は、底面117aと対向している。凹部117の底面117aと冷却部120の内壁面122の最下点との間の垂直な距離Hは、1mmから3mmである。
【0037】
光源200は、結合構造115を介して支持面111の上に固定されている。LED220がビームを放射すると、斜面116はビームのエッジで光を遮断することができる。ビームのエッジは光点が発生する現象を起こす可能性があるため、ビームのエッジで光を遮断している斜面116は、光点が発生する現象を低減して照明の質を向上させるのを補助できる。また、支持面111および2つの斜面116は、冷却部120に向かってくぼんでいる凹部117を形成するため、光源200とプラスチックランプシェード300との間の距離は比較的長く、これによって全体的な拡散効果を向上させて美しい光タイプを発生させることができる。
【0038】
図6を参照すると、図6は、本発明の第3の実施形態によるランプ構造の概略断面図である。この実施形態は、図5の実施形態と同様であるため、2つの実施形態の相違点のみを説明する。
【0039】
この実施形態と図5の実施形態との相違点は、図5の実施形態のランプ構造10が円形であるのに対し、この実施形態におけるランプ構造10は楕円形であるという点である。また、この実施形態の装着部110にはロックスロット114がない。
【0040】
本開示に開示したランプ構造によれば、この実施形態における2つの制限面の延長面の間の夾角は180度未満であるため、プラスチックランプシェードを外力で押下すると、2つの制限面は、2つのスナップ部に当接して、2つのスナップ部が反対方向に広がってスロットから脱離しないようにすることができ、これによってランプ構造の組立信頼性が向上する。
【0041】
また、2つのスナップ部が2つのスロットにスナップ嵌めされると、スロットの第1の突起微細構造は、スナップ部の第2の突起微細構造と係合してランプ構造の組立信頼性をさらに向上させることができる。
【0042】
このほか、プラスチックベースおよびプラスチックランプシェードは、熱伝導性プラスチックで作製されるため、プラスチックの熱伝導性を増大させてランプ構造の冷却効率を高めることができる。
【0043】
さらに、光源はランプシェード内に配置され、ベースが熱伝導性プラスチックで作製されている場合、プラスチックは光源を外部から電気的に絶縁でき、その結果、本ランプ構造は、工場を出る前の高電圧試験に容易に合格できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6