特許第5844544号(P5844544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5844544ジャイロスコープアレイを使用して角速度を減らすための方法とシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5844544
(24)【登録日】2015年11月27日
(45)【発行日】2016年1月20日
(54)【発明の名称】ジャイロスコープアレイを使用して角速度を減らすための方法とシステム
(51)【国際特許分類】
   B64G 1/28 20060101AFI20151224BHJP
   G05D 1/08 20060101ALI20151224BHJP
【FI】
   B64G1/28 B
   G05D1/08 A
【請求項の数】3
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-108301(P2011-108301)
(22)【出願日】2011年5月13日
(65)【公開番号】特開2012-6579(P2012-6579A)
(43)【公開日】2012年1月12日
【審査請求日】2014年5月13日
(31)【優先権主張番号】12/787,189
(32)【優先日】2010年5月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100080137
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100147681
【弁理士】
【氏名又は名称】夫馬 直樹
(72)【発明者】
【氏名】トム・クライダー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・アンダーヒル
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ハミルトン
【審査官】 志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−261575(JP,A)
【文献】 米国特許第05944761(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64G 1/28
G05D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビークル(114)に搭載された複数のコントロール・モーメント・ジャイロスコープ(CMG)(200)を包含するコントロール・モーメント・ジャイロスコープ(CMG)アレイ(110)を用いたビークル(114)の角速度を制御する方法であって、
時間インターバルにわたって複数のCMG(200)をディザリングするステップと、
時間インターバル中、複数のCMG(200)に関するジンバルモータ電流を得るステップと、
前記ジンバルモータ電流に基づいて前記ビークル(114)の角速度を決定するステップと、
前記ビークル(114)の前記角速度に基づいてCMGアレイ(110)に関する減速トルクコマンドを決定するステップと、
前記減速トルクコマンドの少なくとも一部に基づいてビークル(114)の角速度を低減させるようにCMGアレイ(110)を作動させるステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
ビークル(114)に関するコントロールシステム(100)であって、
前記コントロールシステム(100)が、
ビークル(114)に搭載された複数のコントロールモーメントジャイロスコープ(CMG)(200)からなるコントロールモーメントジャイロスコープ(CMG)アレイ(110)と、
複数の電流センサ(222)であって、各電流センサ(222)が、複数のCMG(200)のそれぞれのCMG(200)のジンバルモータ(204)を通る電流を測定するように構成されることを特徴とする複数の電流センサ(222)と、
CMGアレイ(110)および複数の電流センサ(222)に結合されたコントロールモジュール(108)と、を有し、
トリガーイベントに応答して、コントロールモジュール(108)が、
複数のCMG(200)をディザリングし、
前記複数のCMG(200)をディザリングしながら、複数のCMG(200)に関するジンバルモータ電流を得て、
前記ジンバルモータ電流に基づいてビークル(114)の見積もられた角速度を判断し、
ビークル(114)の見積もられた角速度に基づいてビークル(114)の角度モーメントを低減させるトルクコマンドを決定し、
少なくとも部分的に前記トルクコマンドに基づいてCMGアレイ(110)を作動させる、
ことを特徴とする、コントロールシステム(100)。
【請求項3】
ビークル(114)に搭載されたジャイロスコープアレイ(110)を使用してビークル(114)の角速度を制御する方法であって、
前記ジャイロスコープアレイ(110)のジャイロスコープ(200)をディザリングするステップと、
前記ジャイロスコープ(200)をディザリングしながら、ジャイロスコープ(200)のジンバルモータ(204)を通る電流を得るステップと、
前記ジャイロスコープ(200)をディザリングしながら、得られたジンバルモータ(204)を通る電流に基づいてビークル(114)の角速度を低減させるジンバルレートコマンドを決定するステップと、
前記ジンバルレートコマンドに基づいて前記ジャイロスコープ(200)のジンバルモータ(204)を作動させるステップと
を有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本願明細書において記載する内容は、全体的には宇宙船姿勢制御システムに関し、より詳しくは、内容の実施形態はジャイロスコープアレイを使用して機敏なビークルの角速度を減らすための方法とシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] ジャイロスコープが、多くの軍および一般の用途で、現在使われている。ジャイロスコープを使用することには、宇宙船、衛星または他の機敏なビークルの姿勢(または方位)を制御するための、コントロール・モーメント・ジャイロスコープ(CMG)として知られる共通のアプリケーションを含む。CMGは、ローターの角運動量ベクトルの方向を順番に変えるローターの回転軸線を回転させる(例えば、ジンバルすること)のに用いられるスピニング・ロータおよび一つ以上の動力付ジンバルを包含する。角運動量のこの変化は、宇宙船に所望の姿勢または方位に回転させる反応トルクを発生させる。姿勢制御システム(ACS)および他の宇宙船オリエンティングアプリケーションはしばしば、少なくとも3つのCMG(別名CMGアレイ)を含むモーメンタム制御システム(MCS)を利用する。
【0003】
[0003] 機敏なビークルの作動中、回転をやめるかまたはさもなければ機敏なビークルの角速度を減らすことは、望ましい。例えば、ACSとMCSと間の通信の中断または損失に応答して、機敏なビークルの回転をやめることは、機敏なビークルが望ましくない姿勢で方位付けされるのを防止することができる。角速度を減らし、機敏なビークルの回転をやめるためのある方法は、機敏なビークルを止めるために機敏なビークルに搭載された他のアクチュエータを利用すること、および、CMGのジンバルをロックすることを含む。しかし、このアプローチは、機敏なビークルに搭載された資源(例えば燃料または電力)を減少させ、また、比較的長い応答時間を被る。他の方法は、CMGのジンバルをアンロックし、それらが自由に回転することができることを含む。機敏なビークルからの角運動量は、機敏なビークルの角速度がゼロに達し、または、CMGアレイが飽和するまで、CMGアレイによって吸収される。しかし、この方法は、バックドリブン(backdriven)であるジンバル・モーターを必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] ビークルに搭載されるジャイロスコープアレイを使用してビークルの角速度を制御するための方法を提供する。方法は、ジャイロスコープアレイのジャイロスコープをディザリングするステップと、ジャイロスコープをディザリングすると共にジャイロスコープのジンバルモータを通る電流を得るステップと、ジャイロスコープをディザリングすると共に得られたジンバルモータを通る電流に基づいてビークルの角速度を減少させるジンバルレートコマンドを判断するステップと、ジンバルレートコマンドに基づいてジャイロスコープのジンバルモータを作動させるステップとを有することを特徴とする。
【0005】
[0005] 別の実施形態では、機敏なビークルのための制御システムが、提供される。制御システムは、機敏なビークルに搭載された複数のCMGから成るコントロール・モーメント・ジャイロスコープ(CMG)アレイと、複数の電流センサと、CMGアレイおよび複数の電流センサに連結された制御モジュールとを有する。各々の電流センサは、複数のCMGのそれぞれのCMGのジンバル・モーターを通る電流を測定するように構成される。トリガーイベントに応答して、複数のCMGをディザリングし、複数のCMGをディザリングしながら、複数のCMGに関するジンバルモータ電流を得て、ジンバルモータ電流に基づいて機敏なビークルの見積もられた角速度を判断し、機敏なビークルの見積もられた角速度に基づいて機敏なビークルの角度モーメントを低減させるトルクコマンドを決定し、少なくとも部分的にトルクコマンドに基づいてCMGアレイを作動させるように、制御モジュールは構成される。
【0006】
[0006] 内容の実施形態は、以下の図面とともに、以下に記載し、そこにおいて、同じ参照番号は同じエレメントを示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】[0007] 図1は、ある実施形態による機敏なビークルの用途に適している制御システムのブロック図である。
図2】[0008] 図2は、ある実施形態による図1の制御システムに関する適切なコントロール・モーメント・ジャイロスコープのブロック図である。
図3】[0009] 図3は、ある実施形態による図1の制御システムの用途に適している制御プロセスの工程系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0010] 以下の詳細な説明は、単に自然に典型的であり、内容またはアプリケーションの実施形態およびこの種の実施形態を使う能力を制限することを目的とするものではない。本願明細書において例示的に記載されているいかなる実装も、他の実施態様に勝る利点または好ましいように構成される必要はない。さらに、前述の背景または以下の詳細な説明に示されるいかなる理論にも結合される意図はない。
【0009】
[0011] 本願明細書において議論される技術および概念は、一般にコントロール・モーメント・ジャイロスコープ(CMG)(あるいは、本願明細書においてCMGアレイと称されて)のアレイを使用している機敏なビークルの角速度を減らすための方法とシステムに関する。CMGベースの姿勢制御のさまざまな実施態様は周知であり、簡潔さのために、多くの従来の技術は一時的に本願明細書において言及されるだけであるかまたは完全に周知の詳細を提供せずに省略されるだけである。主題は本願明細書において機敏なビークル(例えば衛星)のコンテキストに記載されるけれども、主題のさまざまな態様は、他の宇宙船においてまたはCMGを利用するほかの応用において実行されることができ、主題はいかなる特定のビークルでの利用に限定されることを意図しない。
【0010】
[0012] 後で詳しく述べるように、ある具体例では、各々のCMGは機械の効果を提供するためにそのジンバルおよびその対応するジンバル・モーターの間に配置されるトランスミッション・アセンブリを含み、CMGアレイのCMGは直ちにバックドリブン(backdriven)であるはずではない。CMGが直ちにバックドリブン(backdriven)であるはずではないので、CMGのジンバルをアンロックして、自由に回転するためにそれらが機敏なビークルの角速度を減らすことができることは効果がない。減速イベントのようなトリガーイベントに応答して、CMGアレイの一つ以上CMGが混乱し、機敏なビークルの角運動量は、CMGディザリングしながら得られたジンバル・モータ電流に基づいて決定される。後で詳しく述べるように、減速イベントは、機敏なビークルの回転をやめさせ、またさもなければ、機敏なビークルの角速度を減らす状態を称すると理解されるべきである。ビークル運動量の大きさおよび方向がジンバル・モータ電流から決定されたあと、減速コマンド(例えばトルクコマンドおよび/またはジンバルレートコマンド)は、機敏なビークルの角速度を減らす方法においてCMGアレイのCMGを作動するのに利用される。ディザリングコマンドは、減速コマンドと組み合わせられ(または、重畳され)、ビークル角速度および対応する減速コマンドは、ビークルの角速度が減少するように動的に決定される。
【0011】
[0013] 図1は、機敏なビークル114(例えば、衛星または他の宇宙船)の用途に適している制御システム100の典型的な実施形態を表す。ある具体例では、制御システム100は、姿勢制御システム(ACS)102、運動量制御システム(MCS)104、そして、ビークルセンサシステム106を含むが、これに限定されるものではない。制御システム100の動作中、ACS 102は、MCS 104の制御モジュール108に、姿勢を調整するかまたはさもなければ機敏なビークル114を再方位付けするためのトルクコマンドを提供し、次いで、機敏なビークル114を再方位付けさせるためにACS 102によって提供されるトルクコマンドによって影響される方法においてコントロール・モーメント・ジャイロスコープ(CMG)アレイ110を作動させる。
【0012】
[0014] 図1は説明のために機敏なビークル114の簡略に表現していると理解されなければならず、図1はいかなる形であれアプリケーションまたは内容の範囲を制限することを目的としない。この点に関して、図1は機敏なビークル114に搭載されたACS 102を表すけれども、ある実施形態では、ACS 102のいくつかのコンポーネントは、機敏なビークル114と別に遠隔に(例えば、地球上の地上の場所に)位置し、機敏なビークル114に搭載されたビークルセンサシステム106およびMCS 104と、例えば、無線データリンクまたは他の適切なワイヤレスデータ通信媒体を介して、通信で気得都合される。実際問題として、機敏なビークル114はまた、従来技術において認められるように、追加的な機能および特徴を提供するための多数の他のコンポーネントを含むことができる。
【0013】
[0015] 例示の実施形態では、ビークルセンサシステム106は、現在の姿勢(またはオリエンテーション)に関する情報および機敏なビークル114の回転速度(または角速度または回転レート)を検出し、測定し、またはさもなければ得るように構成される一つ以上のセンシング素子(またはセンサ)を有する。特定の配備では、ビークルセンサシステム106は、センサ、または、レート・ジャイロスコープ、リング・レーザー・ジャイロ、光ファイバ・ジャイロ、スタートラッカー、および、太陽センサのようなセンシングエレメントを使用するが、これらに限定されない。ある具体例では、ACS 102は、ビークルセンサシステム106に通信で連結し、ACS 102は、ビークルセンサシステム106から受けた姿勢および回転速度情報の少なくとも一部に基づいて機敏なビークル114の姿勢をスルーイングし、再方位付けし、またはさもなければ、調整するためのトルク・コマンドを決定する。実施形態に従い、ACS 102は、機敏なビークル114の現在の姿勢および/または回転速度に基づいてまたはユーザからの入力に応答して自動的にトルク・コマンドを決定することができる。
【0014】
[0016] 制御システム100の動作中、MCS 104はACS 102と通信し、ACS 102からのトルク・コマンドの受信に応答して、MCS 104は、CMGアレイ110を作動するように利用されるトルクコマンドおよび一つ以上のステアリング制御法に基づいて、機敏なビークル114の姿勢が調整するためにCMGアレイ110のCMGを作動させる。制御モジュール108は、全体的にハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、処理ロジック、および/または、トルクコマンドに応答してCMGアレイ110の動作を支えるように構成されたMCS 104の他のコンポーネントを表す。制御モジュール108は、汎用プロセッサ、コンテンツアドレス指定可能メモリ、特定用途向けIC、フィールド・プログラム可能ゲート・アレイ、いかなる適切なプログラム可能ロジックデバイス、離散的ゲートまたはトランジスタ論理、離散的なハードウェアコンポーネント、または、それらのいかなる組合せによって実装されるまたは実現され、本願明細書において記載されている機能を実行するように設計される。この点に関して、制御モジュール108は、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、ステートマシン(state machine)等として実現され得る。制御モジュール108はまた、例えば複数のプロセッシングコアまたはかかる他のいかなる構成のようなコンピュータの組合せとして実装されることができる。実際問題として、制御モジュール108は、後で詳しく述べるように、機能、技術および、機敏なビークル114の動作と関連するタスクを遂行するように構成されることができる処理ロジックを含む。さらに、本願明細書に開示される実施形態と関連して記載されているアルゴリズムまたは方法のステップは、制御モジュール108によって実行されるソフトウェア・モジュール、ファームウェア、ハードウェア、それのいかなる実際的な組合せで、直接実装されることができる。ある具体例では、制御モジュール108はまた、本願明細書において記載されている制御モジュール108の動作を支えるために適切な量のメモリを含むことができる。
【0015】
[0017] ACS 102からのトルク・コマンドに基づいて、制御モジュール108が、命令されたトルクを提供するためにCMGアレイ110のそれぞれのCMGの各々に関する適当なジンバルレート(例えば、ジンバル軸を中心としたジンバルの回転のレート)を算出するか、またはさもなければ決定する。制御モジュール108は、CMGアレイ110の飽和および/または特異性(singularity)に至る状況を予防することを目的とする一つ以上のステアリング制御法を使用してCMG(例えば、CMGのジンバルの回転の命令されたレート)のためのジンバルレートコマンドを決定するのが好ましい。ここで使用しているように、ステアリング制御法は、特異性および/または飽和に至ることができるCMGアレイ110の範囲内で、状況を予防すると共に、命令されたトルクを発生するためにCMGアレイ110のCMGに関するジンバルレートコマンドを決定するための制御スキームおよび/またはアルゴリズムにことについて問い合わせることとして理解されるべきである。さまざまなステアリング制御法は周知であり、特定の実施形態に依存して異なり、それゆえ、CMGアレイ110の個々のCMGのためのジンバルレートコマンドを決定する特定の方法は、本願明細書において詳述しない。制御モジュール108によって実装されるステアリング制御法は、CMGアレイ110の特異性および/または飽和を予防する総角運動量(あるいは、本願明細書において運動量方向と称する)の方向に基づいて、CMGアレイ110の総角運動量を制限する複合的で非線形三次元運動量境界線を提供することができる。
【0016】
[0018] ある具体例では、MCS 104は、CMGアレイ110および制御モジュール108に連結するCMGセンサシステム112を含む。CMGセンサシステム112は、制御モジュール108にCMGアレイ110の範囲内で個々のCMGの動作に関する情報を提供するように構成される。例えば、CMGセンサシステム112は、例えばジンバル(またはジンバル角度)の角位置、ジンバルの回転率(またはジンバルレート)および、MCS 104及び/又は制御モジュール108によって利用されているステアリング制御法の動作を支えるためにローターの回転速度のようなCMGアレイ110のそれぞれのCMGの状態に関する情報を提供するように構成される一つ以上のセンサを含む。ある具体例では、CMGセンサシステム112は、後で詳しく述べるようにCMGアレイ110の各々のCMGのジンバル・モーターに出入りする流れている電流を測定し、検出し、またはさもなければ得るように構成される複数の電流センサを含む。
【0017】
[0019] 典型的な実施形態において、CMGアレイ110は、複数のCMGを含み、CMGアレイ110の各々のCMGは、機敏なビークル114に順番に取り付けられるジンバル・アセンブリに取り付けられる回転エレメントまたはローターを含む。後で更に詳細に図2のコンテキストに記載するように、ローター(例えば、車輪またはディスク)は、回転軸を中心に回転するように構成され、それは順番に傾けられ、または、ジンバル軸を中心にジンバルを回転させることによって回転した。ジンバルの運動または回転は、回転軸およびジンバル軸に対して直角であるジャイロスコープのトルクを発生する。ジャイロスコープのトルクは、機敏なビークル114へ伝えられ、または、移され、従来技術において明らかなように、角運動量保存の法則に基づいて、機敏なビークル114の角速度に変化を引き起こす。この点に関して、CMGアレイ110の運動角運動量および機敏なビークル114の角運動量は、実質的に等しが、方向が反対である。実施形態に従い、CMGアレイ110は、ピラミッドアレイ、屋根アレイ(例えば、CMGの複数の共線セット)、ボックスアレイまたは適切な他のCMGアレイ幾何学のような、公知技術のいかなる適切なCMGアレイ幾何学的構造からも成ることができる。ある具体例では、CMGアレイ110の一つ以上CMGは、直ちにバックドリブン(backdriven)であることができない。例えば、後で更に詳細に記載されているように、CMGアレイ110の一つ以上のCMGは、ジンバル・モーターからCMGジンバルまで機械の効果を提供するために、そのジンバル・モーターとその対応するジンバルとの間に配置されるトランスミッション・アセンブリを含み、その結果、CMGアレイのそれぞれのCMGは、直ちにバックドリブン(backdriven)であるはずではない。
【0018】
[0020] 図2は、制御システム100のCMG列110の使用のために、適切なCMG 200の典型的な実施形態を表す。CMG 200の例示の実施形態は、そのジンバル・モーター204の出力に連結して、ジンバル・モーター204からジンバル206まで機械の効果を提供するために、ジンバル・モーター204とそのジンバル206との間に配置されるトランスミッション・アセンブリ202を含み、その結果、ジンバル・モーター204が、ジンバル206によるバックドリブン(backdriven)であるはずではない。伝達アセンブリ202は、一つ以上のギア、調和ドライブ、トラクションドライブまたは、ジンバル・モーター204からジンバル206までのエネルギーの効果的な転送を容易にするための他の手段として認識され得る。上記の通りに、CMG 200は、回転軸212を中心に(矢印210によって示した)方向で回転する(またはスピンする)ように構成されるローター208を含み、ローター208の角運動量ベクトルを変え、ジャイロスコープトルクを発生するために、ジンバル軸216を中心に(矢印214によって示した)方向でジンバル206を回転させることによって順番に傾き、または、回転することができる。
【0019】
[0021] ある具体例では、CMG 200は、ジンバル・モーター204とエネルギー源220(例えば、電池、燃料電池または機敏なビークル114に搭載される同様なもの)との間に配置されるドライブ・エレクトロニクス218を含む。ドライブエレクトロニクス218は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、処理ロジック、および/または、(例えば、制御モジュール108からの)ジンバルレートコマンドを受信するように構成された他のコンポーネントを表し、ジンバルレートコマンドに応答して、ジンバル206がジンバルレートコマンドに対応するレートでジンバル軸216を中心に回転させる所望のトルクを生成させるようにジンバル・モーター204を作動させ、それによって、機敏なビークル(例えば、機敏なビークル114)から/機敏なビークル(例えば、機敏なビークル114)へCMG 200から/CMG 200へ角運動量の所望の転送を達成する。この点に関して、ドライブエレクトロニクス218は、所望のトルクを発生するためにエネルギー源220からジンバル・モーター204まで流れる電流を調整するかまたはさもなければ制御する。ある実施形態では、ドライブエレクトロニクス218は、後で詳しく述べるように、機能、技術、および、機敏なビークル114の動作と関連する処理タスクを遂行するように構成される処理ロジックを含むことができる。さらに、本願明細書において開示される実施形態と関連して記載されているアルゴリズムまたは方法のステップは、ドライブエレクトロニクス218によって実行されるソフトウェア・モジュール、ファームウェア、ハードウェアに直接実装され得る。ある具体例では、電流センサ222は、エネルギー源220とCMG 200および/またはジンバル・モーター204との間で構成され、またはアレンジされる。後で詳しく述べるように、電流センサ222は、CMG 200の動作中、ジンバル・モーター204(あるいは、ジンバル・モータ電流)の中を流れている電流を検出し、測定し、またはさもなければ得るように構成される。
【0020】
[0022] 図3を参照すると、ある具体例では、制御システムは、制御プロセス300および追加的なタスク、機能および、下記に記載するオペレーションを実行するように構成される。さまざまなタスクは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたはそれらの組合せにもよって遂行され得る。説明の便宜上、以下の記載は、図1-2と関連して前述のエレメントに関連させることができる。実際問題として、タスク、機能およびオペレーションは、ACS 102、MCS 104、制御モジュール108、CMGアレイ110、センサシステム112、ドライブエレクトロニクス218および/または電流センサ222のような、記載されているシステムの異なるエレメントによって実行されることができる。いかなる数の追加的であるか又は別のタスクが含まれることができ、より広範囲の処置に組み込まれることができるかまたは本願明細書において詳述しない更なる相関性を有することを処理すると認められなければならない。
【0021】
[0023] 図3を参照し、かつ、図1および図2を継続的に参照すると、制御プロセス300は、減速するように実行され、またはさもなければトリガーイベントに応答してCMGアレイを使用している機敏なビークルの角速度を減らすことができる。ある具体例では、制御プロセス300は、ACS(タスク302)から受けたトルクコマンドに基づいて、機敏なビークルに搭載されたCMGアレイを作動することによって始まる。上記の通りに、ACS 102は、機敏なビークル114の所望の姿勢および/または回転速度を成し遂げるために命令された方向に機敏なビークル114の姿勢を再方位付けさせるかまたはさもなければ調整するために、MCS 104および/またはCMGアレイ110によって提供される反応トルクの所望の量と一致するトルク・コマンドを決定する。ACS 102からのトルクコマンドの受信に応答して、MCS 104および/または制御モジュール108は、CMGアレイのための一つ以上のステアリング制御法およびトルク・コマンドに基づくCMGアレイのCMGのためのジンバルレートコマンドを決定する。上記の通りに、ステアリング制御法は、CMGアレイ110の特異性または飽和を引き起こすことなく命令されたトルクを発生するように、個々のCMGが、どのように回転しなければならないかについて決定するためにモジュール108、および/または、MCS 104によって利用される。ある具体例では、制御モジュール108は、命令されたトルク(または、飽和および/または特異性を引き起こさずに相当に実際的であるのと同程度の命令されたトルクに近い)を所望の方向に発生する方法で回転しているCMGアレイ110のCMGに結果としてなるCMGアレイ110の個々のCMGのためのジンバルレートコマンドを決定するために、一つ以上のステアリング制御法をACS 102からのトルク・コマンドに適用する。制御モジュール108は、CMGアレイ110のそれぞれのCMG 200のドライブエレクトロニクス218に、ジンバルレートコマンドを提供し、ドライブエレクトロニクス218は、ジンバル軸216を中心にジンバル206の回転のコマンドレートを生成するためにそれぞれのCMG 200のジンバル・モーター204を作動させる。
【0022】
[0024] ある具体例では、制御プロセス300は、トリガーイベントが起こったか(タスク304)どうか判断することによってまたはさもなければ識別することに続く。上記の通り、一つ以上の実施形態によれば、トリガーイベントは、減速イベントから成る。この点に関しては、制御プロセス300は、状態の存在を識別し、機敏なビークル114の回転をやめるかまたはさもなければ機敏なビークル114の角速度を減らすことは望ましい。例えば、MCS 104および/または制御モジュール108は、制御システム100の範囲内での通信が中断されるかまたはもはや適切に機能していないことを判断し、または識別することに応答して減速イベントを識別することができる。ある実施形態では、MCS 104および/またはモジュール108が、ACS 102とMCS 104との間の通信が中断されるかまたはもはや適切に機能していないことを判断し、または、識別することに応じて減速イベントを識別する。この点に関して、ACS 102は、特定のレート(または周波数)でMCS 104に新規なトルク・コマンドを提供することができ、トルク・コマンドが所定の時間以内でACS 102から受け取られないとき、CS 104および/または制御モジュール108は、減速イベントを識別することができる。他の実施形態では、MCS 104および/または制御モジュール108は、制御モジュール108とCMGアレイ110の一つ以上CMGとの間の通信が、中断されるかまたはもはや適切に機能していないことを判断するかまたはさもなければ識別することに応答して減速イベントを識別する。減速イベントがない場合、制御プロセス300は、ACS 102から受け取られる有効なトルクコマンドに従って、機敏なビークル114の姿勢を制御するためにタスク302および304によって定義されるループを繰り返す。
【0023】
[0025] 減速イベントを識別することに応答して、制御プロセス300は、CMGアレイの一つ以上CMGをディザリングし、CMGアレイ(タスク306、308)のディザリングされたCMGのためのジンバルモータ電流を得ることに続く。この点に関して、ある具体例では、CMGアレイ110の各々のそれぞれのCMGに関して、制御プロセス300は、スティクションを克服し、時間インターバル(本願明細書ではディザリングサイクルと称する)にわたって反対方向に同等の量だけジンバルを回転させるためにそのジンバル・モーターを作動させる。ディザリングサイクルにわたってジンバル206の実質的に0の正味の角変位に結果としてなる方法で、ドライブエレクトロニクス218によりジンバル・モータ204を作動させるドライブエレクトロニクス218に適切なディザリングコマンドを適用することにより、CMGアレイ110の各々のCMGはディザリングされる。このように、CMGアレイ110のCMGのディザリングは、CMGアレイ110の角運動量を変えず、かくして、機敏なビークル114の角運動量ゼロのネット変化を起こす。
【0024】
[0026] ある具体例では、CMGアレイ110の各々のディザリングされたCMGに関し、制御プロセス300は、ディザリングサイクル中、ジンバル・モータ電流を得る、すなわち、ディザリングサイクル中、それぞれのCMGのジンバル・モーター204の中を電流が流れる。例えば、CMGアレイ110の各々のCMGに関して、制御モジュール108は、機敏なビークル114に搭載されたエネルギー源(例えばエネルギー源220)から、CMGセンサシステム112および/または電流センサ222からのジンバル・モーターに流れる電流を得ることができる。CMGセンサシステム112および/または電流センサ222は、ジンバル・モーター204を介して流れる電流を測定し、またはさもなければ検知し、その値を制御モジュール108に提供する。機敏なビークル114の角運動量の方向とCMGアレイ110のそれぞれのCMGの角運動量の方向との関係に基づいて、ディザリングしている角変位を生じるジンバル・モーター204を通る電流は、ジンバル206が回転している方向に依存して変化する。例えば、ジンバル軸216を中心に第一の方向(例えば、矢印214によって示された方向)にジンバル206のディザリング角変位を生成するジンバル・モータ電流は、反対方向(例えば、矢印214の反対方向)にジンバル206のディザリング角変位を生成するジンバル・モータ電流より大きくてもよく、および/または、小さくてもよい。ある具体例では、CMGアレイ110の各々のCMGに関して、制御モジュール108は、ディザリングサイクル(例えば、ジンバルが第一の方向に回転している時間インターバル)の第1の部分の間に得られたジンバル・モータ電流の平均によるディザリングサイクルの間のジンバル・モータ電流と、ディザリングサイクル(例えば、ジンバルが反対方向に回転している時間インターバル)の残りの部分の間のジンバル・モータ電流とを得る。ディザリングサイクルにわたるジンバル・モータ電流の平均は、ジンバル・トランスミッション・アセンブリ202の摩擦の結果として呈され得るジンバル・ドラッグ非線形性を緩和する。
【0025】
[0027] ある具体例では、制御プロセス300は、ディザリングサイクル(タスク310)の間に得られるジンバル・モータ電流に基づいて機敏なビークルの角速度を算出し、決定し、またはさもなければ見積もることに続く。この点に関して、制御プロセス300は、ディザリングサイクルの間に得られたCMGアレイ110のCMGのためのジンバル・モータ電流に基づいて、機敏なビークル114のための推定された角速度ベクトルを決定する。ある具体例では、制御プロセス300は、CMGアレイ110の各々のそれぞれのCMGに関して、その関連するトランスミッション・アセンブリ202によって提供される機械的利点(例えば、ギア比)の一定の表示によってそのジンバル・モーター204に関する得られたジンバル・モータ電流を乗算することにより、および、そのジンバル・モーター204のトルク定数による結果を除算することにより、機敏なビークル114の角速度に起因するそのジンバル軸216でのジャイロスコープ前進トルクコンポーネントを算出し、決定し、または、得る。ジャイロスコープ前進トルクは、トランスミッション・アセンブリ202の出力で提供されるトルクに対抗する。制御プロセス300は、CMGアレイ110の各々のそれぞれのCMGに関し、それぞれのCMG(例えば、ローター208の慣性の製品、および、CMGセンサシステム112から得られるローター208の回転レートまたは回転速度)の角運動量によって、ジャイロスコープ前進トルクコンポーネントを分割することによってジャイロスコープの前進トルクコンポーネントを生産する機敏なビークル114の角速度の成分を算出し、決定しまたは得る。ある具体例では、CMGアレイの各々のそれぞれのCMGに関するジャイロスコープ前進トルクコンポーネントを生産する角速度コンポーネントを決定した後に、それぞれのCMGに対応する角速度コンポーネントは、マトリックス(またはアレイ)に配置され、nはCMGアレイ110のCMGの数である。制御プロセス300は、機敏なビークルの参照フレームから、CMGアレイ110のCMGの出力アックスの参照フレームに変換する変換マトリックスを決定し、CMGの各々のそれぞれのCMGのためのジャイロスコープ前進トルクコンポーネントを生成する角速度コンポーネントのマトリックスによる変換マトリックスのムーア-ペンローズ一般逆行列を乗算することに続き、その結果、機敏なビークル114に関して推定された角速度ベクトルに対応するマトリックスを生じる。
【0026】
[0028] また図3を参照すると、ある具体例では、機敏なビークルの推定された角速度を得た後に、制御プロセス300は、機敏なビークルの推定された角速度に基づいて、機敏なビークルの角速度を減らすような減速トルクコマンドを決定することに続く(タスク312)。典型的な実施形態では、制御プロセス300および/または制御モジュール108は、機敏なビークル114の角速度に対抗するCMGアレイ110のための減速トルク・コマンドを決定する。例えば、ある実施形態によれば、制御プロセス300は、推定された角速度ベクトルで機敏なビークル114の慣性を乗算することにより減速トルク・コマンドを決定し、次いで、その結果に負のゲインファクタを乗算する。減速トルク・コマンドを決定した後に、制御プロセス300は、減速トルク・コマンドに基づいて、CMGアレイの個々のCMGに関する減速コマンドを決定することに続く(タスク314)。この点に関して、制御プロセス300は、上記の同様の方法で,減速トルク・コマンドにCMGアレイ110のための一つ以上のステアリング制御法を適用することによって、CMGアレイ110のCMGのための減速ジンバルレートコマンドを得るか、またはさもなければ決定する。
【0027】
[0029] ある具体例では、制御プロセス300は、減速ジンバルレートコマンドを備えたCMGアレイ110の一つ以上のCMGに関するディザリングコマンドを重畳するかまたはさもなければ結合することに続き、そして、重畳されたディザリングコマンドを有する減速ジンバルレートコマンドに従ってCMGアレイのCMGを作動させる(タスク316、318)。この点に関して、CMGアレイ110の各々のそれぞれのCMGに関して、そのそれぞれのCMGのための減速ジンバルレートコマンドは、スティクションを克服するそのジンバル・モーターを作動させ、上記の通り、ディザリングサイクルにわたって反対方向に同等の量だけ、そのジンバルを回転させるように構成されるそのそれぞれのCMGのためのディザリングコマンドと結合される(例えばタスク306)。これにより、減速トルク・コマンドから得られる減速ジンバルレートコマンドの上に重畳されるディザリングコマンドと一致する各々のそれぞれのCMGのためのディザリングされた減速ジンバルレートコマンドを生じる。ディザリングコマンドコンポーネントが、機敏なビークル114の角速度において実質的にゼロネット変化に寄与すると共に、減速ジンバルレートコマンドコンポーネントは、機敏なビークル114の角速度を減らす。
【0028】
[0030] ある具体例では、制御プロセス300は、機敏なビークルの角速度の減速が続けなければならないか否かを判断し、または、識別する(タスク320)。この点に関して、制御プロセス300は、持続的な減速イベントに応答して機敏なビークル114の角速度を減らし続けることができる。別の実施形態では、制御プロセス300は、上述の状態(例えばタスク304)がもはや存在しないことを確認することにより、機敏なビークル114の通常の動作を再開することができる。例えば、制御プロセス300は、ACS 102とMCS 104との間の通信が回復し、またはさもなければ適切に機能し、ACS 102から受け取られるトルクコマンドに基づいて、CMGアレイ110の通常の動作を再開すると、識別でき、またはさもなければ、決定することができる。さもなければ、要求されるように、タスク308、310、312、314、316、318および320によって定義されるループは、繰り返すことができる。この点に関して、持続的な減速イベントに関し、制御プロセス300は、ジンバル・モータ電流を連続的にモニタし、機敏なビークル114の推定された角速度を決定し、機敏なビークル114の角速度における変化において補償しなさいという減速トルクコマンドを動的に決定することができる。ある実施形態では、機敏なビークル114の角速度が、実質的にゼロと等しい(例えば、機敏なビークル114は、実質的に一定の姿勢である)ことを認識し、またはさもなければ決定するのに応じて、制御プロセス300が出て、GMCアレイの作動を機敏なビークル114に搭載された資源を節約させるのにやめる。
【0029】
[0031] また図1乃至3を参照すると、ある実施形態では、制御プロセス300は、CMGアレイ110(例えば、CMG 200)の個々のCMGによって実行されることができる。この点に関して、ドライブ・エレクトロニクス218は、MCS 104および/または制御モジュール108から受け取られるジンバルレートコマンドに従って、CMG 200および/またはジンバル・モーター204を作動する(タスク302)。例えば、制御モジュール108とドライブエレクトロニクス218との間の通信の損失のような、減速イベントを識別することに応答して、ドライブエレクトロニクス218は、上記のようにジンバル206をディザリングする(タスク304、306)。この実施形態では、ドライブエレクトロニクス218は、電流センサ222および/またはCMGセンサシステム112と連通して結合され、またはさもなければ電流センサ222および/またはCMGセンサシステム112と連結し、上記の通りにジンバル・モーター204を通って流れる電流を得る(タスク308)。ドライブ・エレクトロニクス218は、得られたジンバル・モータ電流に基づくCMG 200に関する減速ジンバルレートコマンドを決定することに続く。この点に関しては、ドライブエレクトロニクス218は、上記の通りに決定するかまたはさもなければ同様の方法でジンバル軸216でジャイロスコープ前進トルクコンポーネントを得る。ドライブ・エレクトロニクス218は、CMGアレイ110の各々のそれぞれのCMGに関して、バックドリブン(backdriven)であることができる場合、ジャイロスコープの前進トルクがそれぞれのCMGを回転させただろう方向のそのジンバル軸を中心に、それぞれのCMGを回転させる減速ジンバルレートコマンドを算出し、決定し、または、得る。上記の通りに、CMG 200に関するディザリングコマンドを重畳するかまたはさもなければ結合しながら、減速ジンバルレートコマンドに従って、ドライブ・エレクトロニクス218は、次いで、CMG 200および/またはジンバル・モーター204を作動させる(タスク316、318)。このように、ドライブ・エレクトロニクス218は、ジンバル・モーター204がバックドリブン(backdriven)であることができる場合、ジャイロスコープ前進トルクコンポーネントがジンバル206を回転させただろう方向のジンバル軸216を中心にCMG 200のジンバル206を回転させる。
【0030】
[0032] 簡単にに要約すると、上述した方法および装置は、測定されたジンバル・モータ電流に基づく機敏なビークルの角速度を減らすために非backdriveableなCMGの配列を考慮する。かくして、MCSとACSと間の通信の中断の場合には、MCSが、(例えば、搭載されたビークルセンサからの情報が、MCSではないACSを利用でき得る)機敏なビークルの現在の角速度に関する情報を有することができない場合であっても、MCSは、機敏なビークルの角速度を減らすことができる。主題が本願明細書において直ちにバックドリブン(backdriven)であるはずではないCMGのコンテキストに記載されていることができるにもかかわらず、主題が、バックドリブン(backdriven)であることができるCMGに関する対応する方法でインプリメントされ、主題は、CMGのいかなる特定のタイプでの使用に限定されることを意図しないと認められなければならない、
[0033] 技術は、機能的なおよび/または論理ブロックコンポーネントに関して、および、オペレーション、処理タスク、および、さまざまなコンピューティングコンポーネントまたはデバイスによって実行されることができる機能のシンボル象徴を参照して、本願明細書において記載され得る。図に示されるさまざまなブロックコンポーネントがいかなる数のハードウェア、ソフトウェアおよび/または指定された機能を実行するように構成されるファームウェアコンポーネントによって理解されることができると認められなければならない。例えば、システムまたはコンポーネントの実施形態はさまざまな集積回路コンポーネント(例えばメモリ素子、デジタル信号処理要素、論理素子、ルックアップテーブル等)を使用することができ、それは一つ以上のマイクロプロセッサまたは他の制御装置の制御中で、様々な機能を実行することができる。
【0031】
[0034] 前述の説明は、エレメントまたはノードに関連するかまたは一緒に「連結される(coupled)」ことを特徴とする。ここで使用しているように、特に説明がない限り、用語「連結される(coupled)」は、あるエレメント/ノード/特徴が、別のエレメント/ノード/特徴と直接または間接的に接続され(または、直接または間接的に通信する)、機械的に接続される必要はない。かくして、図面は、エレメントの1つの典型的なアレンジを表すけれども、追加的に介在しているエレメント、デバイス、特徴またはコンポーネントは、表された内容の実施形態に存在してもよい。加えて、特定の用語がまた、参照だけの目的で以下の説明において使われることができ、かくして、制限することを目的としない。例えば、「第1の」、「第2の」および、他の構造を参照する参照番号を表すような用語は、明らかに、コンテキストによって示されない限り、この種の数の条件はシーケンスまたは順序を意味しない。
【0032】
[0035] 簡潔さのために、従来の技術は姿勢制御システム、ジャイロスコープ対照、多数計画、衛星および/または宇宙船対照に関した、そして、システム(そして、システムの個々の操作のコンポーネント)の他の機能的な態様は本願明細書において詳述してはいない。さらに、本願明細書において含まれるさまざまな図に示される接続線は、さまざまなエレメントの間で典型的な機能的な関係および/または物理的な継手を表すことを目的とする。別の実施形態または追加の機能の関係または物理的な接続は、主題の実施形態に存在してもよい点に留意する必要がある。
【0033】
[0036] 少なくとも一つの典型的な実施形態を上述の詳細な説明に示したけれども、非常に多くのバリエーションが存在することを認められなければならない。典型的な実施形態が例示だけであって、いかなる形であれ範囲、適用性または内容の構成を制限することを目的としないこともまた、認められなければならない。むしろ、前述の詳細な説明は、当業者に主題の典型的な実施形態を実行するのに便利なロードマップを提供する。添付の特許請求の範囲に記載された主題の範囲から逸脱することなく例示の実施形態に記載されたエレメントの機能及び構成における種々の変更がなされることは理解されるべきである。
図1
図2
図3