(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
[0002]宇宙船、衛星、または軌道上の他の車両は、姿勢の望ましくない変化を生じさせ得る空気動力学なひきずりのような多数の要因にさらされる。姿勢制御システム(Attitude Control Systems, ACSs)は、宇宙船、衛星または他の車両の姿勢を制御/調整するためにしばしば用いられる。そのようなACSは、リアクションホイールアセンブリ(reaction wheel assemblies, RWAs)、コントロールモーメントジャイロスコープ(control momentum gyroscopes, CMGs)および類似のアクチュエータのような様々な回転慣性部材を含むことができる。
【0003】
[0003]RWAは、宇宙船と角運動量を交換するために姿勢制御システム内で用いることができる姿勢制御装置の1タイプである。リアクションホイールアセンブリは、典型的には、本体フレームまたはハウジングに固定される非常に大きく重いフライホイールを含む。フライホイールの回転軸に沿うトルクを生成するために電気モーターが用いられ、一平面において運動に対向する力を生成するようにフライホイールが回転する。電気モーターおよびホイールは、車軸のように機能するローター上に支持される。ローターは、ローターがベアリング内で回転することができるように、ローターの両端部に配置されるベアリングの間に位置決めされる。
【0004】
[0004]CMGは、姿勢制御システム内で用いることができる他のタイプの姿勢制御装置である。CMGは、通常、回転ローター(たとえばフライホイール)および1つまたはそれ以上の、ローターの角運動量を傾ける、監視されるジンバルを含む。ローターが傾くと、角運動量の変化は、宇宙船を回転させるジャイロスコープ力学のトルクを生じさせる。CMGの回転軸は、ジンバルアセンブリを使用してローターを移動させることにより変化させることができる。生成されるトルクは、回転軸およびジンバル軸に垂直である。CMGは、RWAと異なり、RWAは単にローターの回転スピードを変化させることによりトルクを付与し、CMGは、必ずしも回転スピードの変化を必要とせずにローターの回転軸を傾け、CMGはよりパワー効率がよい。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0011]以下において、添付図面を参照しながら本発明を説明する。図面において同様の符号は同様の要素を示している。
[0021]以下の詳細な説明は、本来的に単に説明であり、本発明または本発明の用途や使用を限定することを意図するものではない。本明細書で用いられる「例示的」との語は、「例示、実例または図示例としての役割である」ということを意味している。本明細書で説明される「例示的」なあらゆる実施形態は、他の実施形態よりも必ずしも好ましいまたは有利であるということでなない。さらに、前述の背景または以下の詳細な説明に示されるいかなる理論により限定されるものでもない。本明細書で説明される調整可能なマスダンパ(TMD)は、リアクションホイールアセンブリ(RWA)内に実装されるように説明されるが、これは単なる例示であり、また、TMDは多数および異なる装置、システムにおいて用いることができ、たとえば、コントロールモーメントジャイロ(CMGs)、エネルギー貯蔵フライホイールシステム等のような他の回転する慣性部材に実装することもできることを理解されたい。
【0013】
[0022]
図1は、開示されるいくつかの実施形態による、リアクションホイールアセンブリ(RWA)110および外部の調整可能なマスダンパ(TMD)150を有するアセンブリ100の正面図である。
図2は、
図1のRWA110およびTMD150の外部側面の補助的な図である。
【0014】
[0023]
図3は、
図1の線分3−3に沿って切り出された、
図1のRWA110およびTMD150の断面図である。RWA110の外部ハウジングは、ケース120(または下ハウジング)およびカバー140(または上ハウジング)を含み、これらは、ネジ130のような複数の留め具を用いて互いに連結される。一実施形態において、ケース120およびカバー140は、アルミニウムのような金属から製造することができる。RWA110のより詳細な内部構造は、以下において
図6を参照しながら説明される。
【0015】
[0024]
図4は、RWA110に取り付ける前のTMD150を示す、外部側面の補助的な図である。図示のように、RWA110のカバー140は、排気ポート145を含むことができ、これは、RWAが必要に応じて排気されるための入り口を提供する。円形の破線410で示されている領域が
図5により詳細に示されている。
【0016】
[0025]
図5は、RWA110に取り付ける直前の、TMD150の、拡大した外部側面の補助的な図である。図示のように、TMD150は複数のフランジ162を含む。RWA110のカバー140は、複数のネジ付き穴164を含む。
図1−3に示されるように、TMD150のハウジングベース152は、ネジ160により、RWA110のカバー140上の静止位置に連結または固定される。TMD150を設置し、RWA110のカバー140に取り付けるために、ネジ160はフランジ162を通して挿入されてネジ付き穴164へ挿入され、TMD150をRWAに固定する。
【0017】
[0026]
図6は、
図1の線分3−3に沿って切り出された、
図1のRWA110のTMD150に取り付ける前の断面図である(TMD150が無い状態で示す)。
[0027]
図6のRWAは、ハウジングアセンブリ120、140内に配置されるモーター(たとえば、永久磁石のブラシレスDCモーター)およびフライホイール170を含む。
【0018】
[0028]フライホイール170は、ローターシャフト190、ローターサスペンションウェブ172、およびローターウェブリング179を含む。フライホイール170は、ハウジング内に回転可能に取り付けられる。ローターシャフト190は、近位端部、遠位端部、および近他端部と遠位端部との間の本体部を備える。ローターシャフト190の本体部は、回転軸を画定する。
【0019】
[0029]モーターは、ハウジングアセンブリ120、140内に取り付けられ、また、ローター178およびステータ176を含む。ローター178はフライホイール170に連結され、また、ステータ176において生成される電磁的励起に応答してフライホイール170を回転させるように構成される。ステータ176は、ローター178の少なくとも一部、好ましくは全部を囲む。ステータ176は、モーター制御ユニット(図示せず)の制御下において配分バス(図示せず)から適切にエネルギー付与されるように連結され、モーター制御ユニットは、部分的または全体はハウジングアセンブリ120,140内またはその外部に配置することができる。モーターのローター178は、ローターシャフト190の周りに取り付けられる。モーターは、回転軸を中心にフライホイール170を回転させるのに必要な機械的トルクを提供するために用いられる。モーターのローター178はフライホイール170に連結されるので、同一の回転スピードでモーターにより回転される。
【0020】
[0030]また、RWAは、固定された上部ベアリングアセンブリ182および浮動の下部ベアリングアセンブリ184内にいくつかのベアリング146を含み、上部および下部のベアリングアセンブリは、それぞれローターシャフト190の上端部192、下端部194付近に配置される。フライホイール170は、固定された上部ベアリングアセンブリ182および浮動の下部ベアリングアセンブリ184を介してハウジングアセンブリ120、140内に回転可能に取り付けられる。ベアリング146は、全体として、ローターシャフト190の遠位端部および近位端部において位置決めされ、また、ローターシャフト190を安定化させるのを助ける。一実施形態において、ベアリングアセンブリ182、184は、ステンレス鋼カートリッジ内に保持され、また、約1.1024インチ(約2.8センチメートル)から約2.0472インチ(約5.2センチメートル)の間の直径を備える。ベアリング146は、ローター178が回転することを可能にし、一方で、ハウジング内に束縛し、軸方向の移動または浮動を最小化する。
【0021】
[0031]メインハウジング(すなわち、ケース120およびカバー140)に加えて、RWA110は、ハウジングキャップを備えるカバー140に接続される排気ポート145(たとえばバルブ)を含む。
【0022】
[0032]リアクションホイールアセンブリの他の詳細については、本願の出願人に付与された「Reaction wheel and method of safing wheel」との表題の米国特許第5474263号明細書に開示されており、この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0023】
[0033]
図7は、
図1の線分3−3に沿って切り出された
図1のTMD150の断面図であり、RWA110が無い状態(たとえばTMD150のRWA110への取り付けの前の状態)で示されている。
図8は、TMD150の様々な要素152−158の組立図である。
図7、8に示されるように、TMD150は、ハウジングベース152およびハウジングキャップ158を含むハウジングと、屈曲部154、およびマス部156を有する。TMD150の様々な要素を詳細に説明する前に、TMDは受動的な減衰装置であり、アセンブリ100の残りの部分に対して回転するいかなる部分も含まないことに注意されたい。
【0024】
[0034]ハウジングベース152は、ネジ155のような固定具を用いてハウジングキャップ158のクリアランス穴に連結され、屈曲部154、マス部156、およびシリコンまたは他の減衰流体(図示せず)のための密封シールされた容積または容器を形成する。
【0025】
[0035]非限定的な一実施形態において、ハウジングベース152は円筒形形状であり、また、複数の外側および内側のフランジ162を含み、これは、ハウジングベース152をRWA110に取り付けるのに使用される。フランジベース152の頂部は、Oリングを備えるフランジを有し、アセンブリが減衰流体で満たされたときにシステム内の密封シールを確保する。充填ポートは、ハウジングベース152の側部上に配置することができ、ユニットに減衰流体の適切な充填を確保する。充填ポートは、アルミニウムボールおよびセットスクリューを使用して密封的にシールされることができる。複数のネジ付き穴が、頂部フランジの内部および外部に配置され、ハウジングベース152上へのハウジングキャップ158の組立に適合する。ハウジングベース152は、マス部と相互作用するせん断プレートの1つを提供し、システム内での減衰を形成する。非限定的な一実施形態において、ハウジングベース152は、アルミニウム6061−T6のような金属から製造され、また、約4.95インチ(約12.6センチメートル)の直径、および約1.803インチ(約4.58センチメートル)の長さを備える。材料がアルミニウムのようなものである場合、部品を加工するのはあまりまたは全く困難ではない。
【0026】
[0036]非限定的な一実施形態において、ハウジングキャップ158はディスク形状であり、また、フランジの内部および外部において複数のハードウェアを用いてハウジングベース152に連結される。ハウジングキャップ158は、第2の、より大きいせん断プレートを提供し、これは部分的にシステムの減衰部を画定する。非限定的な一実施形態において、ハウジングキャップ158は、アルミニウム6061−T6のような金属から製造され、また、約4.95インチ(約12.6センチメートル)の直径、および約0.370インチ(約0.940センチメートル)の長さを備える。材料がアルミニウムのようなものである場合、部品の加工はそれほどまたは全く困難ではない。
【0027】
[0037]屈曲部154は、ネジ(図示せず)を用いてハウジング152、158に連結され、また、TMD150に剛性(stiffness)を提供するように機能する。本明細書において、「剛性(stiffness)」との語は、弾性本体の付与される力により変形に対す抵抗を指す。弾性本体の剛性kは、変形(曲げ、引っ張り、または圧縮)に対する弾性本体による抵抗の指標である。一実施形態において、屈曲部154は、対角ビー
ムを画定するカットアウト部を備える円筒形形状部を備える。対角ビー
ムは、必要なX軸およびY軸の側方の剛性を提供し、一方で、減衰生成軸よりも有意に大きいZ軸の並進剛性(translational stiffness)および捩れ剛性(たとえば、Z軸モーメント剛性)を維持する。本明細書において、「並進剛性(translational stiffness)」との語は、軸に平行な任意の剛性を指し、「回転剛性(rotational stiffness)」との語は、z、y、zを回転軸として用いて回転的に作用する任意の剛性を指し、ここで、x軸およびy軸は、側方の軸とすることができ、z軸はx軸およびy軸に直交する。非限定的な一実施形態において、屈曲部154は、アルミニウム2024−T35のような機械加工される金属から製造され、また、3.50インチ(約8.90センチメートル)直径の包絡線寸法および1.55インチ(約3.94センチメートル)の長さを備える。屈曲部154は、標準的な機械加工作業を用いて製造され、材料がアルミニウムのようなものの場合、部品の加工には困難はない。
【0028】
[0038]マス部156は、一般に、具体的な実装に依存した任意の形状、寸法、機械的特性、または他の構造的特徴を備えることができる。非限定的な一実施形態において、マス部156は、ディスク形状の物体、リング形状の物体、ドーナツ形状の物体、または、物体の軸を外部で囲む幾何学形状により生成され環状形状の他の任意の形状の物体とすることができる。マス部156は4つの穴を有し、これらは各4分円の側部に配置される。これらの穴は、ユニットの調整を可能にするために用いられ、質量を増加させるために様々な密度の材料を圧し入れることにより、または、質量を減少させるためにより多くのタングステン合金容積を除去することにより、システ内のよりよい性能を達成する。完全に組み立てられたとき、上部の平坦部は、ハウジングキャップとともに、システム内の減衰を提供するように機能し、また、下部の平坦部は、ハウジングベースとともに、システム内の減衰を提供するように機能する。非限定的な一実施形態において、マス部156は、タングステンまたはタングステン合金のような金属から製造され、また、約4.12インチ(約10.5センチメートル)直径の寸法の包絡線、1.00インチ(約2.54センチメートル)の長さを備える。非常に密度の大きい材料であるマス部は、アルミニウムで形成されるシステムの他の部分と比較して製造するのがより困難である。適切に機械加工するために、適切な加工ビットが用いられることを確保するのに機械加工者に特別な労力が必要である。
【0029】
[0039]屈曲部154は、TMD150のマス部156を囲み、マス部156は、ネジ(図示せず)を介して屈曲部154に取り付けることができる。一実施形態において、TMD150は、屈曲部154およびマス部156をハウジングベース152に取り付けることにより組立てられる。ハウジングキャップ158は、ハウジングベース152上でトルク付与され、TMD150のハウジングを密封的にシールする。
【0030】
[0040]ハウジングベース152は充填ポート(図示せず)を含み、これは、組み立てられた後に減衰流体がTMD150内に充填されることを可能にする。減衰流体は、マス部156とハウジング152、158との間の平坦な表面の間で粘性減衰を提供し、一実施形態においては、シリコーン流体またはシリコーンベース流体とすることができる。以下でより詳細に説明されるように、TMD150は、RWA110のある一定の構造モードを減衰させるために減衰流体を採用する。
【0031】
TMDの動作
[0041]車両(たとえば宇宙船)の発射の間、振動は、RWA110のローターの側方モードまたはロッキングモードを励起する。側方モードまたはロッキングモードは、3軸の2つを中心として回転するローターの自然な傾向を意味する(たとえば、x軸がローターの回転軸に整合する場合、ローターの側方モードまたはロッキングモードは、y軸およびz軸を中心に発生する)。側方モードまたはロッキングモードはベアリング内への主要な負荷であるので(すなわち、ベアリングの負荷に対して最も影響があり、または最も寄与する)、これらのモードを低減させることが望ましい。
【0032】
[0042]これらのモードを低減させるために、TMD150は、発射の間に励起の力の一部を相殺する力を付与し、これは、ベアリングにおけるより小さな力およびトルクの発生を意味する。より具体的には、TMD150は、反作用的な力をケースカバーを通じてスピンベアリングおよびローターシャフトに付与することにより、RWA110のローターのロッキング共振を減衰させる。TMD150の反作用的な力は、ローターのロッキング運動によりマス部156および付随する屈曲部154の剛性の励起により生成される。(TMD150は、取り付けられるRWA110よりも小さなマス部156を使用し、打ち消そうとするモードの付近の共振周波数を生成することに注意されたい。)共振するシステムの典型的な共振カーブおよびTMDの検査(inspection)は、軽減された共振周波数の周りの周波数での減少した振幅の2つの共振ピークを示す。減衰流体は、発射の間または車両が上昇する間に発生する側方モードまたはロッキングモードを減衰させるように機能し、結合された2つのモード共振システムの2つの応答ピークを減少させる。
【0033】
[0043]TMD150の効率は、(1)ローター励起周波数に対する減衰される自然周波数の近接度、(2)減衰流体のせん断において生成される減衰の量、および(3)その質量、により決定される。以下で説明されるように、減衰されるTMD150の自然周波数はローターの構造的なモード(すなわち、ロッキングモードまたは側方モード)の自然周波数の近くとなるように調整することができ、また、減衰流体は、減衰の量を変更させるように調整することができる。
【0034】
TMDの調整
[0044]TMD150をRWA110に取り付ける前に、TMD150は、目標とする減衰、剛性、および/または周波数を変更するように調整することができ、TMD150が最適にモードを減少させることを補償することを支援することができる。TMD150を調整するために、TMD150の様々な異なるパラメータを変更または調整することができ、パラメータは、たとえば、マス部156の物理的な質量、屈曲部154の剛性、および減衰流体の粘度を含む。これらのパラメータの1つまたはそれ以上は、1つ以上の他のパラメータを一定に維持したまま変更することができる。
【0035】
[0045]屈曲部154により、剛性(Ka)のパラメータを特定の用途のために変更または調整できる。たとえば、同一のハウジング内に嵌合する屈曲部154に異なる剛性を与えるように、屈曲部154を再機械加工できる。TMD150の剛性を変更するのを容易にするために、屈曲部154は、容易に機械加工できる材料(たとえばアルミニウム6061)から形成される。この方法は、存在する屈曲部154を少ない時間で変更するのに比較的に容易である。
【0036】
[0046]TMD150の減衰定数(c)のパラメータは、粘性流体の減衰定数(c)を増加または減少させることにより調整できる。換言すれば、減衰流体の粘性は、減衰効果を増加または減少させるように変更することができる。これは、たとえば、粘性流体を排出し、新しい粘性を備える流体を再混合することにより行うことができる。
【0037】
[0047]マス部156を増以または減少させることは、減衰される自然周波数、減衰定数(c)パラメータ、および屈曲部の剛性に影響を与える。このように、マス部156を増加または減少させることで、減衰される自然周波数、減衰定数(c)パラメータ、および屈曲部の剛性を特定の用途のために変更または調整できる。TMD150の回転モード(すなわち、上述したように定義されるローターの軸と同一の軸を中心とする)の減衰される自然周波数を調整するために、
図9に示されるようにマス部156の重量は増加または減少させることができる。
【0038】
[0048]
図9は、補助的な外観の側部を示す図であり、開示されるいくつかの実施形態によるTMD150のマス部156を示している。TMDの周波数を変更/調整するために、TMD150のマス部156は、予め形成された穴157(たとえば、各4分円に配置)を備える。予め形成される穴157は、マス部156の重量を減少させるためにより大きなサイズに形成することができる。換言すれば、マス部156の重量をさらに減少させるために、予め形成される穴157のサイズを増加させることができる。マス部156の重量を増加させるために、任意の数のプラグ158を、マス部156内に予め形成された穴157内に挿入(圧し嵌める)することができる。プラグ158を形成するのに用いられる具体的な材料は、用途に応じて変更でき、また、望まれる重量の増加分に応じて変更できる。プラグ158は、最適な質量を達成するために、特定の数で質量を増加させる任意の密度の材料から形成することができる。
【0039】
[0049]TMD150の減衰定数(c)パラメータは、マス部とハウジングとの間のギャップの寸法を増加または減少させることで調整することができる。これに関して、異なる粘性の流体で公称流体を置き換えることは、マス部とハウジングとの間のギャップを変更するために機械的な部品を再設計するよりも単純な作業である。
【0040】
[0050]いくつかの他の実施形態において、または他の部品において、ハウジングの一部(たとえば、ハウジングキャップおよびハウジングベースの内部の棚部)は、調整可能なTMDを調整するために変更または調整することができる。
【0041】
[0051]上述の任意の調整技術は、TMD150の最適な調整を達成するために用いることができる。
結言
[0052]発射および/または上昇の間、ローターの構造的な共振は、RWA110内で使用されるベアリング146上に大きな負荷を与える。TMD150がRWA110内に設置されるとき、TMD150は発射の力およびトルクを減少/緩和し、また、ベアリング146に伝達されるエネルギーを減少させる。結果として、ベアリング146は長持ちし、これはRWA110の使用できる寿命または残存性を増加させる。さらに、ベアリング146上の負荷が減少するので、RWA110は、より小さな、高性能なベアリングを使用することができる。さらに、より小さなベアリング146はひきずりが小さく、これは、小さなひきずりトルクを意味し、それゆえ、ACSシステムのロバスト性が改善される。さらに、より小さなベアリン部146の使用は全体のコストを低減させる。
【0042】
[0053]RWA110とともにTMD150を実装することにより、より小さなベアリング146をRWA110内に用いることができる。結果として、RWA110は、小さなひきずりを受け、ひきずりトルクが小さくなるので、電力消費も小さくなる。また、より小さなベアリング146はコストが低く、より小さなベアリング146はより小さな容積を必要とし、重量も軽いのでRWA110の総サイズを小さくすることができる。さらに、ベアリング146上の負荷が小さいので、RWA110は長持ちし、頻繁な保守が必要でなくなる。
【0043】
[0054]本稿において、第1、第2、およびその類似語のような関係性をもつ用語は、1つの物または動作を、そのような物または動作の間の実際の関係性または順序を要求または示唆する必要なく、他の物または動作から区別するために用いられる。「第1」、「第2」、「第3」等の序数は、単に、複数のものの異なる1つを示しており、請求項で特に定義されない限り、順序または因果関係を意味するのではない。請求項の記載の順序は、請求項の文言で特に画定されない限り、プロセスステップが時間的または論理的にそのような順序で行われなければならないことを意味するのではない。プロセスステップは、順序の交換が請求項の文言に反し、また、論理的に矛盾しない限り、本発明の範囲から逸脱することなく任意の順序に交換可能である。
【0044】
[0055]さらに、文脈に依存して、異なる要素間の関係性を説明するのに用いられる「接続」、「連結」のような文言は、それらの要素間に直接的な物理的接続がなされなければならないことを意味するのではない。たとえば、2つの要素は、1つまたは追加の要素を通じて互いに物理的に接続されてもよい。
【0045】
[0056]本発明の詳細な説明に少なくとも1つの例示的な実施形態が説明されたが、多数の変形例が存在することを理解されたい。また、1つまたは複数の例示的な実施形態は単なる例であり、いかなる意味でも本発明の範囲、用途、または構成を限定することを意味するものではないことに注意されたい。上述の詳細な説明は、当業者に本発明の例示的な実施形態を実行するのに便宜的なロードマップを提供するものである。添付の特許請求範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に説明された要素の機能および構成を様々に変更することができることを理解されたい。