特許第5844613号(P5844613)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5844613感光性コポリマーおよびフォトレジスト組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5844613
(24)【登録日】2015年11月27日
(45)【発行日】2016年1月20日
(54)【発明の名称】感光性コポリマーおよびフォトレジスト組成物
(51)【国際特許分類】
   C08F 212/06 20060101AFI20151224BHJP
   G03F 7/039 20060101ALI20151224BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20151224BHJP
【FI】
   C08F212/06
   G03F7/039 601
   H01L21/30 502R
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2011-244114(P2011-244114)
(22)【出願日】2011年11月8日
(65)【公開番号】特開2012-136692(P2012-136692A)
(43)【公開日】2012年7月19日
【審査請求日】2014年10月9日
(31)【優先権主張番号】61/414,528
(32)【優先日】2010年11月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591016862
【氏名又は名称】ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Rohm and Haas Electronic Materials LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ダブリュー.サッカレー
(72)【発明者】
【氏名】イマッド・アカッド
(72)【発明者】
【氏名】スー・ジン・カン
(72)【発明者】
【氏名】オーウェンディ・オンゲイ
【審査官】 繁田 えい子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−316600(JP,A)
【文献】 特開2007−161987(JP,A)
【文献】 特開2008−065114(JP,A)
【文献】 特開2006−259509(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/064135(WO,A1)
【文献】 特開2012−048075(JP,A)
【文献】 特表2012−510639(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0130444(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0032373(US,A1)
【文献】 米国特許第05962184(US,A)
【文献】 米国特許第06051659(US,A)
【文献】 米国特許第06140015(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0001770(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0049561(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0224254(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0196825(US,A1)
【文献】 米国特許第06210859(US,B1)
【文献】 米国特許第06365321(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0003260(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0063103(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0176175(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0191854(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0214981(US,A1)
【文献】 米国特許第06309795(US,B1)
【文献】 特開2010−181857(JP,A)
【文献】 特開2004−271629(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0175654(US,A1)
【文献】 特開2002−131897(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01199603(EP,A1)
【文献】 特開2006−243474(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/095540(WO,A1)
【文献】 特開2001−194793(JP,A)
【文献】 特開2005−242216(JP,A)
【文献】 特開2002−023369(JP,A)
【文献】 特開2006−091662(JP,A)
【文献】 特開2009−109594(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0111053(US,A1)
【文献】 特開2001−142214(JP,A)
【文献】 特開2010−237334(JP,A)
【文献】 特開2010−250290(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0248149(US,A1)
【文献】 特開2010−256628(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0273106(US,A1)
【文献】 特開2000−122291(JP,A)
【文献】 特開2010−256856(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0248143(US,A1)
【文献】 特開2006−301304(JP,A)
【文献】 特開2005−249807(JP,A)
【文献】 特開2004−210803(JP,A)
【文献】 特開2005−008766(JP,A)
【文献】 特開2010−286646(JP,A)
【文献】 特開2011−053624(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/074433(WO,A1)
【文献】 特開2011−150365(JP,A)
【文献】 特開2011−191740(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0200942(US,A1)
【文献】 特開2011−191741(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0200941(US,A1)
【文献】 特開2011−191742(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0200919(US,A1)
【文献】 特開2012−032762(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0003590(US,A1)
【文献】 特開2012−012577(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0294070(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC C08L 1/00 − 101/14
C08K 3/00 − 13/08
C03C 3/00
G03F 7/004 − 7/04
G03F 7/06
G03F 7/075 − 7/115
G03F 7/16 − 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式を有するコポリマー:
【化1】
式中、R〜Rはそれぞれ独立して、H、C1−6アルキルもしくはC4−6アリールであり、Rはフッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性基であり;各Arは独立して単環式、多環式もしくは縮合多環式C6−20アリール基であり;Rの各存在は−OR11(式中R11はフッ素化もしくは非フッ素化C6−25アリール基を含むフッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性アセタール基である)であり;各存在は独立して−OR11もしくは−C(CFOR11基(式中11の各存在は独立してH、フッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性基である)でありの各存在は独立してF1−10フルオロアルキルもしくはC1−10フルオロアルコキシ基であり;R10下記式のカチオン結合C10−40光酸発生剤含有基であり、
【化2】
式中、Ar”はC6−20単環式、多環式、もしくは縮合多環式アリール基であり、および
【化3】
式中、R14はHもしくはC1−4アルキルであり、およびR17は:
【化4】
であり、式中、R18はHもしくはC1−10有機基であり、XはSもしくはIであり、XがSである場合にはhは2であり、XがIである場合にはhは1であり、kは1〜4でありおよびZはアニオンであり;または、
10は:
【化5】
であり、式中、R18はHもしくはC1−10有機基であり、XはSもしくはIであり、XがSである場合にはhは2であり、XがIである場合にはhは1であり、kは1〜4でありおよびZはアニオンであり;モル分率a0〜0.80であり、モル分率bは0より大きく0.80以下であり、モル分率cは0.01〜0.80であり、モル分率dは0より大きく0.80以下であり、モル分率eは0より大きく0.50以下であり、モル分率の合計a+b+c+d+eが1であり、lおよびmは独立して1〜4の整数であり、かつnは〜5の整数である。
【請求項2】
モル分率aが0より大きく、かつのフッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性基がターシャリーアルキルエステル基である請求項1に記載のコポリマー。
【請求項3】
コポリマーが下記式を有する請求項1に記載のコポリマー:
【化6】
式中、R12はフッ素化もしくは非フッ素化C6−25アリール基含む酸分解性アセタール基であり、Rの各存在独立して−OHもしくは−C(CFOHであり、の各存在は独立してF、C1−10フルオロアルキル、もしくはC1−10フルオロアルコキシ基であり、mは1〜4の整数であり、かつnは1〜5の整数であり、モル分率bは0.10〜0.50であり、モル分率cは0.50〜0.80であり、モル分率dは0.05〜0.30であり、モル分率eは0.01〜0.40であり、並びにモル分率b+c+d+eの合計は1である。
【請求項4】
コポリマーが下記式のものである請求項1に記載のコポリマー:
式中、RHもしくはC1−4アルキルであり、R12はフッ素化もしくは非フッ素化C6−25アリール基含む酸分解性アセタール基あり、R19はフッ素化もしくは非フッ素化C4−20ターシャリーアルキル、フッ素化もしくは非フッ素化C4−20ターシャリーシクロアルキル、フッ素化もしくは非フッ素化ターシャリーもしくはベンジルC6−20アリールアルキルでありの各存在は独立してF1−10フルオロアルキルもしくはC1−10フルオロアルコキシ基であり;R10下記式のカチオン結合C10−40光酸発生剤含有基であり、
【化8】
式中、Ar”はC6−20単環式、多環式、もしくは縮合多環式アリール基であり、および
【化9】
式中、R14はHもしくはC1−4アルキルであり、およびR17は:
【化10】
であり、式中、R18はHもしくはC1−10有機基であり、XはSもしくはIであり、XがSである場合にはhは2であり、XがIである場合にはhは1であり、kは1〜4であり;並びには:
【化11】
であり、
または、R10は:
【化12】
であり、式中、R18はHもしくはC1−10有機基であり、XはSもしくはIであり、XがSである場合にはhは2であり、XがIである場合にはhは1であり、kは1〜4でありおよびZは:
【化13】
であり;
モル分率aは0〜0.80であり、モル分率bは0より大きく0.80以下であり、モル分率cは0.01〜0.80であり、モル分率dは0より大きく0.80以下であり、モル分率eは0より大きく0.50以下であり、モル分率の合計a+b+c+d+eが1であり、lおよびmは独立して1〜4の整数であり、かつnは1〜5の整数である。
【請求項5】
下記式を有するコポリマー
【化14】
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して、H、C1−6アルキルもしくはC4−6アリールであり、Rはフッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性基であり;各Arは独立して単環式、多環式もしくは縮合多環式C6−20アリール基であり;Rは−OR11(式中R11はフッ素化もしくは非フッ素化C6−25アリール基を含むフッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性アセタール基である)であり;各存在は独立して−OR11もしくは−C(CFOR11基(式中11の各存在は独立してH、フッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性基である)であり各存在は独立してF1−10フルオロアルキルもしくはC1−10フルオロアルコキシ基であり;R10下記式のカチオン結合C10−40光酸発生剤含有基であり、
【化15】
式中、Ar”はC6−20単環式、多環式、もしくは縮合多環式アリール基であり、および
【化16】
式中、R14はHもしくはC1−4アルキルであり、およびR17は:
【化17】
であり、式中、R18はHもしくはC1−10有機基であり、XはSもしくはIであり、XがSである場合にはhは2であり、XがIである場合にはhは1であり、kは1〜4でありおよびZはアニオンであり;または、
10は:
【化18】
であり、式中、R18はHもしくはC1−10有機基であり、XはSもしくはIであり、XがSである場合にはhは2であり、XがIである場合にはhは1であり、kは1〜4でありおよびZはアニオンであり;
モル分率a0〜0.80であり、モル分率bは0より大きく0.80以下であり、モル分率cは0.01〜0.80であり、モル分率dは0より大きく0.80以下であり、モル分率eは0より大きく0.50以下であり、モル分率の合計a+b+c+d+eが1であり、lおよびmは独立して1〜4の整数であり、かつnは〜5の整数である);
光分解性塩基;並びに
溶媒
を含む、フォトレジスト組成物。
【請求項6】
光分解性塩基が
【化19】
を含むカチオン、並びに
【化20】
を含むアニオン
(上記カチオンおよびアニオンにおいて、各Rは独立して、H、C1−20アルキル、C1−20アルコキシ、C6−20アリールもしくはC6−20アルキルアリールである)
を含む、請求項に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項7】
下記式を有するコポリマー
【化21】
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して、H、C1−6アルキルもしくはC4−6アリールであり、Rはフッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性基であり;各Arは独立して単環式、多環式もしくは縮合多環式C6−20アリール基であり;Rの各存在は−OR11(式中R11はフッ素化もしくは非フッ素化C6−25アリール基を含むフッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性アセタール基である)であり;各存在は独立して−OR11もしくは−C(CFOR11基(式中11の各存在は独立してH、フッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性基である)であり各存在は独立してF1−10フルオロアルキルもしくはC1−10フルオロアルコキシ基であり;R10下記式のカチオン結合C10−40光酸発生剤含有基であり、
【化22】
式中、Ar”はC6−20単環式、多環式、もしくは縮合多環式アリール基であり、および
【化23】
式中、R14はHもしくはC1−4アルキルであり、およびR17は:
【化24】
であり、式中、R18はHもしくはC1−10有機基であり、XはSもしくはIであり、XがSである場合にはhは2であり、XがIである場合にはhは1であり、kは1〜4でありおよびZはアニオンであり;または、
10は:
【化25】
であり、式中、R18はHもしくはC1−10有機基であり、XはSもしくはIであり、XがSである場合にはhは2であり、XがIである場合にはhは1であり、kは1〜4でありおよびZはアニオンであり;モル分率a0〜0.80であり、モル分率bは0より大きく0.80以下であり、モル分率cは0.01〜0.80であり、モル分率dは0より大きく0.80以下であり、モル分率eは0より大きく0.50以下であり、モル分率の合計a+b+c+d+eが1であり、lおよびmは独立して1〜4の整数であり、かつnは〜5の整数である);並びに
光分解性塩基
を含むフォトレジスト組成物を含むフォトレジスト層を含み、該フォトレジスト層が基体の表面と接触している、コーティングされた基体。
【請求項8】
(a)基体上に請求項のフォトレジスト組成物の層を適用し;
(b)フォトレジスト組成物層を活性化放射線でパターン様に露光し;並びに
(c)露光されたフォトレジスト組成物層を現像してレジストレリーフ像を提供する;
ことを含む、電子デバイスを形成する方法。
【請求項9】
ポリマー非結合型光酸発生剤をさらに含む請求項5のフォトレジスト組成物。
【請求項10】
ポリマー非結合型光酸発生剤をさらに含む請求項7のコーティングされた基体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2010年11月17日に出願された米国仮出願第61/414,528号のノンプロビジョナルであり、その出願の内容はその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
本明細書には、感光性コポリマーおよびこのコポリマーを含むフォトレジスト組成物が開示される。
【背景技術】
【0002】
次世代マイクロリソグラフィ(すなわち、193nm液浸リソグラフィを超えて、かつeビーム、X線および13.5nmの非常に短い波長で操作する極端紫外線(EUV)リソグラフィのような次世代光学素子へ向かう)についての設計規則はますます小さな寸法、例えば、30nm以下に向かっていることである。一般に、焦点深度(DOF)は、より大きな開口数(NA)のせいで解像度が高くなるにつれて必然的に浅くなり、そしてそれにより、レジスト厚さも、ますます小さくなるフィーチャサイズに対応して薄くなる。線幅がより狭くなり、かつレジスト膜がより薄くなるにつれて、解像度およびライン幅ラフネス(LWR)のような整合性の問題が、フォトレジストの性能および有用性の制限の有意性を増大させるようになる。これらの現象は半導体デバイスの製造において興味深く;例えば、過剰なLWRは、例えば、トランジスタおよびゲートアーキテクチャ、における劣ったエッチングおよびライン幅制御の欠如をもたらす場合があり、潜在的に短絡および信号遅延を生じさせる場合がある。
【0003】
米国特許出願公開第2009/0202946号は、表面接着特性を提供する官能基(例えば、脂肪族ヒドロキシ基もしくはラクトン部分)をさらに含む、かさ高なシクロアルキル酸感受性基を有する(メタ)アクリラートベースのコポリマー、または、低い活性化エネルギーの(すなわち、アセタールおよび/またはケタール)酸感受性基を有するヒドロキシスチレン含有コポリマーをベースにした、フォトレジストにおける使用のためのポリマーを開示する。あるアセタール基については、この946出願に開示された典型的なコポリマーを含むフォトレジストは微細なパターン像形成、望ましい感受性および露光許容度(exposure latitude)並びに老化安定性を示すが;LWR性能もしくはLWRにおける改良は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0202946号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリマーに結合したPAGを伴うポリマーは望ましい像形成特性を提供する。しかし、ポリマー結合PAGの存在は、非常に高い極性およびフォトレジスト膨潤を導入することができ、これはひいては、30nm以下の狭いライン幅における臨界寸法(CD)についてのパターン崩壊によって、低い機械的強度およびフォトレジスト欠陥をもたらす場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
先行技術の上記および他の欠点の1以上は、ある実施形態においては、下記式を有するコポリマーによって克服されうる:
【化1】
式中、R〜Rはそれぞれ独立して、H、C1−6アルキルもしくはC4−6アリールであり、Rはフッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性基であり;各Arは独立して単環式、多環式もしくは縮合多環式C6−20アリール基であり;RおよびRのそれぞれは独立して−OR11もしくは−C(CFOR11基であり、R11の各存在は独立してH、フッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性基、またはこれらの組み合わせであり;各Rは独立してF、C1−10アルキル、C1−10フルオロアルキル、C1−10アルコキシ、もしくはC1−10フルオロアルコキシ基であり;R10はカチオン結合C10−40光酸発生剤含有基であり、モル分率a、bおよびdは独立して0〜0.8であり、モル分率cは0.01〜0.80であり、eは0〜0.50であるが、ただしa、bおよびdが0の場合にはeは0より大きい、モル分率の合計a+b+c+d+eが1であり、lおよびmは独立して1〜4の整数であり、かつnは0〜5の整数である。
別の実施形態においては、フォトレジスト組成物は前述のコポリマー;光分解性塩基;溶媒;および場合によってはポリマー非結合型(non−polymer bound)光酸発生剤を含む。
別の実施形態においては、コーティングされた基体は前述のコポリマー;光分解性塩基;および場合によってはポリマー非結合型光酸発生剤を含み、フォトレジスト層が基体の表面と接触している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書において開示されるのは、13.5nmの放射波長を有する極端紫外線(EUV)リソグラフィのような高エネルギーリソグラフィにおける使用のためのコポリマーである。このコポリマーは、好ましくはカチオンを介して、塩基反応性官能基、例えば、カルボン酸基、フェノール性基もしくはヘキサフルオロイソプロパノール基などをマスクする結合基およびエステル、アセタール−もしくはケタールベースの酸感受性保護基(場合によっては本明細書において「脱離基」と称される)を介してポリマーに結合したイオン性光酸発生剤(PAG)を含む。このコポリマーはアリール基(例えば、スチレン)、大きな(例えば、10個以上の炭素原子の)アセタール基を酸感受性脱離基として含み、狭い多分散度(すなわち、Mw/Mn≦1.5)の多分散性ポリマー、並びにこのコポリマーに結合した酸開裂性もしくは非開裂性カチオン結合PAGを含むことができる。
【0008】
本明細書において使用される場合、「コポリマー」は2種以上の異なるモノマー単位を有するポリマーを含み、そして2種のモノマー単位を有するコポリマー、3種のモノマー単位を有するターポリマー、4種のモノマー単位を有するテトラポリマー、5種のモノマー単位を有するペンタポリマーなどが挙げられる。本明細書に開示されたコポリマーはランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互コポリマーもしくはこれらモチーフの2以上を含む組み合わせであってよいことも認識される。好ましくは、コポリマーはランダムコポリマーであり、式によってモノマーの具体的な順序は意味されない。本明細書において使用される場合、「アリール」は芳香族基であって、単環式、例えば、フェニル基;多環式、例えば、ビフェニル基;もしくは縮合多環式、例えば、ナフチル基であることができ、「アリール」には、全ての芳香族構造、例えば、6つの炭素原子より少ない構造、例えば、ヘテロ芳香族化合物、例えば、ピラゾール、チオフェン、オキサゾール、ピリジンなどを含むことが理解される。また、本明細書において使用される場合には、「アルキル」基はsp混成炭素含有基であり、線状もしくは分岐であることができ、他に特定されない場合には、シクロアルキルを含んでいてもよい。さらに、「カチオン結合」とは、有機結合基、例えば、アルキル、アリール、アルコキシ、ポリアルコキシ、アセタールもしくはケタール含有基または他の好適な基が、PAGのカチオンとポリマーとの間で共有結合構造を形成することを意味し、この場合、PAGのカチオンが、正に帯電したヘテロ原子、例えば、スルホニウム(硫黄)もしくはヨードニウム(ヨウ素)を含む有機分子であると認識される。また、本明細書において使用される場合、「置換」とは、ハロゲン(すなわち、F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ、アミノ、チオール、カルボキシ、カルボキシラート、アミド、ニトリル、チオール、スルフィド、ジスルフィド、ニトロ、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、C7−10アルキルアリール、C7−10アルキルアリールオキシ、もしくは前述の少なくとも1種を含む組み合わせのような置換基を含むことを意味する。本明細書において式に関して開示されたあらゆる基もしくは構造は他に示されない限りは置換されうるか、またはこの置換は結果的に得られる構造の望まれる特性に有意に悪影響を及ぼさないであろうことが理解される。
【0009】
ある実施形態においては、酸感受性脱離基として使用されるアセタール基のみ;別の実施形態においてはアセタール基と高活性化エネルギー脱離基(例えば、ターシャリーアルキルエステル)との組み合わせがコポリマーに含まれる。好ましくは、コポリマーはアセタール脱離基上および/またはコポリマーの骨格を含むモノマー上にフッ素化置換基を含む。カチオン結合PAGと低活性化エネルギーアセタールポリマーとの双方を組み込んでいるコポリマーは向上した解像度、LWR、および崩壊マージン、並びに望ましいエッチング耐性、良好なポリマーおよびそれによるフォトレジストロット間一貫性、速いフォトスピード(例えば、10ミリジュール/平方センチメートル(mJ/cm)未満)(特に短波長/高エネルギーリソグラフィ、例えば、eビーム、極端紫外線(EUV)およびX線での)、並びに向上した解像度の1以上を提供できる。
【0010】
このコポリマーを使用して製造されたフォトレジストは溶媒および添加剤、例えば、光塩基および界面活性剤を含む。場合によっては、このコポリマーに結合していない追加の光酸発生剤が含まれうる。
【0011】
フォトレジストはコポリマーのモノマー部分に位置し、官能基を保護する酸感受性脱離基を有するコポリマーを含み、前記官能基は酸感受性脱離基の除去によって、例えば、フェノール性ヒドロキシ基、カルボン酸基もしくはヒドロキシヘキサフルオロイソプロピリデン基などの塩基反応性官能基となる。
【0012】
ある実施形態においては、コポリマーは式(1)を有する:
【化2】
式(1)においては、骨格置換基R〜Rはそれぞれ独立してH、C1−6アルキル、もしくはC4−6アリールである。好ましくは、R〜Rのそれぞれは独立してHもしくはCHである。
【0013】
また、式(1)においては、Rはフッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性基であり、この酸分解性基は高活性化エネルギー脱離基をベースにするものであってよく、すなわち、この脱離基の分解が強酸(pKa>1)に対する曝露と周囲温度より高い温度、例えば、70℃以上でのこのポリマーの加熱との組み合わせの際にもたらされるものであり、またはこの酸分解性基は低活性化エネルギー脱離基をベースにするものであってよく、すなわち、この脱離基の分解が周囲温度で強酸への曝露の際にもたらされるものである。ある実施形態においては、Rのフッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性基が高活性化エネルギー基である場合に、ターシャリーアルキルエステル基が使用されうる。
【0014】
各Arは独立して単環式、多環式もしくは縮合多環式C6−20アリール基である。典型的なAr基にはフェニル、ビフェニル、トリフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、およびアルキル−アリール基、例えば、アルキルフェニル基およびシクロヘキシルフェニル基が挙げられる。好ましくは、Arはフェニルもしくはナフチルである。各Ar基は非置換であってよく、または置換基RおよびRで置換されていてよく、RおよびRのそれぞれは独立して−OR11もしくは−C(CFOR11基であり、R11の各存在は独立してH、フッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性基、またはこれらの組み合わせであると理解される。好ましくは、R11はHであるか、またはフッ素化もしくは非フッ素化C6−25アリール基、またはフッ素化もしくは非フッ素化C6−25シクロアルキル基を含む酸分解性アセタール基である。本明細書において使用される場合、「シクロアルキル」とは、単環式、多環式(ここで、「多」とは2以上を意味する)、または縮合多環式アルキル基、例えば、ビシクロ、トリシクロなどの基を意味する。より好ましくは、基Rおよび/またはRが−C(CFOR11基である場合には、R11はより好ましくはHであるか、またはフッ素化もしくは非フッ素化−CH−(C6−25アリール)基、またはフッ素化もしくは非フッ素化−CH−(C6−25シクロアルキル)基を含む酸分解性メチレンアセタール基である。
【0015】
各Rは独立してF、C1−10アルキル、C1−10フルオロアルキル、C1−10アルコキシ、もしくはC1−10フルオロアルコキシ基、または前述の少なくとも1種を含む組み合わせである。典型的には、このR基には、−F、−CH、−CF、−OCH、−OCF、−CHCF、−OCHCFまたは前述の少なくとも1種を含む組み合わせが挙げられる。
【0016】
10はカチオン結合C10−40光酸発生剤含有基である。ある実施形態においては、R10はこのカチオンで誘導体化された光酸発生剤の(メタ)アクリラートエステルから得られる。本明細書において使用される場合、「(メタ)アクリラート」とは、アクリラートもしくはメタクリラートを意味し、他に示されない限りは、これは対応する付加重合性基(すなわち、ラジカル開始、アニオン性重合、カチオン性重合、遷移金属媒介付加重合もしくは制御されたフリーラジカル重合技術によって重合可能)の交換可能な同族体であると見なされうる。別の実施形態においては、R10はカチオンで誘導体化された光酸発生剤のビニルエーテルと、ポリマー鎖への結合点としてのヒドロキシフェニル基とのポリマー結合反応生成物から得られる。この(メタ)アクリラートエステルもしくはビニルエーテルから得られる光酸発生剤は酸開裂性であってよく、すなわち、ポリマー鎖からの酸によって切断されることができ、よって酸感受性脱離基にもなりうる。これら光酸発生剤含有基は以下でより詳細に論じられる。
【0017】
また、式(1)においては、モル分率a、bおよびdは独立して0〜0.80であり、モル分率cは0.01〜0.80であり、eは0〜0.50であり、モル分率の合計a+b+c+d+eが1であり、lおよびmは独立して1〜4の整数であり、かつnは0〜5の整数である。ある実施形態においては、eは0であり、かつこのコポリマーはカチオン結合光酸発生剤を含まない。別の実施形態においては、eは0より大きく、コポリマーはカチオン結合光酸発生剤を含む。特定の実施形態においては、eは0.01〜0.50である。好ましくは、aが0の場合には、各RおよびRには異なる基−OR11もしくは−C(CFOR11基が挙げられ、ここでR11の各存在は独立して、H、フッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性基である。また、モル分率a、bおよびdが0である場合には、eは0より大きい。この例において、R10は酸開裂性カチオン結合光酸発生剤、好ましくはビニルエーテルから得られるものを含む。
【0018】
さらに、モル分率b、cおよびdが1種より多いモノマー単位を含むことができるように、1種より多くのR、Rおよび/またはR基が含まれうると理解される。これを示すために、例えば、Rは−OHと、酸分解性アセタール脱離基で保護された−OH基(例えば、一般構造−O−CH(R)−O−Rを有し、ここで、Rがメチル、エチルもしくは他のアルキル基であることができ、およびRがフッ素化もしくは非フッ素化シクロアルキル基、またはフッ素化もしくは非フッ素化アリール基である)との双方を表しうる。この例においては、整数lは1であろうし、よってモル分率bは置換基Rで異なる2種の異なるモノマーを表すことができ、これらモノマーの合計はモル分率bに等しい。モル分率b、cおよびdに関して、および整数l、mおよびnに関して、同じ置換スキームがR、RおよびRに適用されることができる。
【0019】
好ましくは、RおよびRがそれぞれ2種の基を表す場合には、RおよびRはそれぞれ−OHおよび/またはアセタール脱離基で保護された−OH基(例えば、一般構造−O−CH(R)−O−Rを有し、Rはメチル、エチル、またはRをRに連結する5もしくは6員のヘテロ環式環のような環式基の部分、または他のアルキル基であってよく、並びにRはフッ素化もしくは非フッ素化シクロアルキル基、またはフッ素化もしくは非フッ素化アリール基である)の組み合わせであり得るか、またはR基はRおよびRについて同じではない。より好ましくは、RにおけるRはフッ素化もしくは非フッ素化C5−25シクロアルキル含有基と、フッ素化もしくは非フッ素化C6−25アリール含有基との組み合わせであってよく、並びにRにおけるRは−OH基もしくは−C(CFOH基であってよい。
【0020】
ある実施形態においては、式(1)においては、aが0でない場合には、Rのフッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性基はターシャリーアルキルもしくはシクロアルキルエステル基、アリール置換ターシャリーアルキルエステル基またはベンジルアリール含有基である。Rは好ましくは、フッ素化もしくは非フッ素化C4−20アルキル基のカルボキシルエステル、フッ素化もしくは非フッ素化C4−20シクロアルキル含有基のカルボキシルエステル、またはフッ素化もしくは非フッ素化C6−20アリール−アルキル含有基のカルボキシルエステルであり得る。本明細書において使用される場合、「アリールアルキル」とは、アリール部分とアルキル部分との双方を含み、このアリールもしくはアルキル基のいずれかがエステル基への結合点である基を意味する。アルキルもしくはシクロアルキル基が使用される場合には、橋頭炭素中心ではなく、ターシャリーアルキル中心にエステル酸素が結合する(例えば、1−アダマンチル基)。好ましくは、アリールアルキル基が使用される場合には、そのアルキル部分はエステル酸素への結合点であって、かつそのアリール部分とカルボキシラートエステルとの間に介在する。より好ましくは、フッ素化もしくは非フッ素化C6−20アリールアルキル含有基が使用される場合には、そのエステル基の酸素はターシャリーアルキル炭素またはベンジル炭素(すなわち、アリール基に対してアルファの炭素原子)に結合する。典型的には、アルキル含有基には、t−ブチル、2−メチル−2−ブチル、2−メチル−2−ペンチルおよび3−メチル−3−ペンチルが挙げられる。典型的には、シクロアルキル含有基には、1−メチルシクロペンチル、1−エチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−エチルシクロヘキシル、1−(1−アダマンチル)エチルおよび2−メチルアダマンチル基が挙げられる。
【0021】
別の実施形態においては、aは0より大きいかもしくは0に等しく、(官能基RおよびRに基づく)式(1)におけるR11はビニルエーテル基から得られるフッ素化もしくは非フッ素化C5−30酸分解性基でありうる。
【0022】
ある実施形態においては、aが0である場合に、コポリマーは式(2)のものであり得る:
【化3】
式中、R12はフッ素化もしくは非フッ素化C6−25アリール基、フッ素化もしくは非フッ素化C6−25シクロアルキル基、または前述の少なくとも1種を含む組み合わせを含む酸分解性アセタール基であり、Rは−OHもしくは−C(CFOHであり、R13はカチオン結合C10−35アセタール−もしくはケタール−連結光酸発生剤含有基であり(このアセタールもしくはケタール連結はポリマー骨格とカチオンとの間に介在すると理解される)、モル分率bは0〜0.50であり、モル分率cは0.50〜0.80であり、モル分率dは0〜0.50であり、モル分率eは0〜0.50であり、並びにモル分率b+c+d+eの合計は1である。式(2)の好ましいコポリマーにおいては、モル分率bは0.10〜0.50であり、モル分率cは0.50〜0.80であり、モル分率dは0.05〜0.30であり、モル分率eは0〜0.40であり、並びにモル分率b+c+d+eの合計は1である。別の好ましい式(2)のコポリマーにおいては、モル分率bは0.10〜0.50であり、モル分率cは0.50〜0.80であり、モル分率dは0.05〜0.30であり、モル分率eは0.01〜0.40であり、並びにモル分率b+c+d+eの合計は1である。さらに別の好ましい式(2)のコポリマーにおいては、モル分率bは0〜0.50であり、モル分率cは0.50〜0.80であり、モル分率dは0〜0.30であり、モル分率eは0.20〜0.50であり、並びにモル分率b+c+d+eの合計は1である。
【0023】
別の特定の実施形態においては、aは0より大きく、コポリマーは式(3)のものであり得る:
【化4】
式中、RおよびR14は独立してHもしくはC1−4アルキルであり、R12はフッ素化もしくは非フッ素化C6−25アリール基、フッ素化もしくは非フッ素化C6−25シクロアルキル基を含む酸分解性アセタール基、または前述の少なくとも1種を含む組み合わせであり、R19はフッ素化もしくは非フッ素化C4−20ターシャリーアルキル、フッ素化もしくは非フッ素化C4−20ターシャリーシクロアルキル、フッ素化もしくは非フッ素化ターシャリーもしくはベンジルC6−20アリールアルキルであり、各Rは独立してF、C1−10アルキル、C1−10フルオロアルキル、C1−10アルコキシ、もしくはC1−10フルオロアルコキシ基であり;R10はカチオン結合C10−40光酸発生剤含有基であり、モル分率aおよびcは独立して0.01〜0.80であり、bおよびdは独立して0〜0.80であり、eは0.01〜0.50であり、モル分率の合計a+b+c+d+eは1であり、並びにnは0〜5の整数である。
【0024】
式(2)および(3)において、R12は下記式を有するアセタール基である:
【化5】
式中、R14はHもしくはC1−4アルキルであり、R15およびR16は独立してC2−20アルキル、C2−20フルオロアルキル、C5−20シクロアルキル、C5−20フルオロシクロアルキル、C6−20アリールもしくはC6−20フルオロアリール基であり、Ar’はC6−20アリール基であり、Ar’基はペンダント基であるか、またはアセタール含有環に縮合され、並びにYは−O−、−CH−、または−C(=O)−である。式(2)においては(式(1)でeが0の場合)、モル分率bのモノマー単位は2種以上の異なる基R12を有するモノマーの組み合わせを含む。
【0025】
式(2)および(3)における基R12は、フェノール性−OH基とビニルエーテルとの交差反応によって対応するビニルエーテルから得られうる。フッ素化もしくは非フッ素化C6−25シクロアルキル基のビニルエーテルの具体例には次の構造が挙げられる:
【化6】
【0026】
好ましくは、有用なシクロアルキルには、アダマンタンにから得られる多環式アルキルが挙げられる。典型的なシクロアルキルビニルエーテルは1−アダマンタンカルボン酸の2−ビニルオキシエチルエステルである。架橋(例えば、ビス−もしくはトリス−ビニルエーテル含有)多環式脂肪族基も含まれうる。
【0027】
本発明において有用な電子リッチな芳香族単位の例示的な非限定的な例には以下のものが挙げられる:
【化7】
【0028】
ある実施形態においては、コポリマーはポリマー骨格に共有結合したカチオン結合光酸発生剤基を含む。カチオン結合光酸発生剤はPAGカチオンに結合したビニルエーテル官能基を介してフェノール性−OH基に結合されうるか、もしくはこの骨格に共重合された(メタ)アクリラートモノマーにエステル含有連結を介して結合されうる。好ましくは、ビニルエーテルが使用される場合には、すなわち、式(1)〜(3)におけるeが0でない場合には、R10基は下記一般式のものであり得る:
【化8】
式中、Ar”はC6−20単環式、多環式、もしくは縮合多環式アリール基であり;R13は:
【化9】
であり、式中、R14はHもしくはC1−4アルキルであり;R17は:
【化10】
であり、式中、R18はHもしくはC1−10有機基であり、XはSもしくはIであり、XがSである場合にはhは2であり、XがIである場合にはhは1であり、kは1〜4であり、並びにZはアニオンである。
【0029】
あるいは、式(1)もしくは(3)におけるeが0でない場合には、ビニルエーテル結合基は使用されず、R10基は下記式のエステル(対応する(メタ)アクリラートの重合生成物として)であってよく:
【化11】
式中、R18はHもしくはC1−10有機基であり、XはSもしくはIであり、XがSである場合にはhは2であり、XがIである場合にはhは1であり、kは1〜4であり、並びにZはアニオンである。
【0030】
上記構造において、好ましいポリマー結合カチオンには、スルホニウムカチオン、例えば、ジフェニル(4−(ビニルオキシ−エトキシ)フェニル)スルホニウムカチオンをはじめとするビニルエーテルから得られるものが挙げられる。
【0031】
上記構造において、アニオンZは光酸発生剤の光分解後に、対応する酸を提供でき、pKa<2を有し、かつ高もしくは低活性化エネルギー保護基の分解を触媒するのに充分な酸性度のあらゆる好適なアニオンであることができる。好ましくは、Zはスルホナート、スルホンアミドもしくはスルホンイミド基を含むアニオンである。このアニオンはスルホナート、スルホンアミドもしくはスルホンイミド基を含むC1−30有機基であることができ、より好ましくはフッ素化されて、対応するPAGの分解で生じた酸のpKaをさらに低減させることができる。
【0032】
好ましくは、ZはC1−30アルカンスルホン酸、C3−30シクロアルカンスルホン酸、C1−30フッ素化アルカンスルホン酸、C3−30フッ素化シクロアルカンスルホン酸、C6−30アリールスルホン酸、C6−30フッ素化アリールスルホン酸、C7−30アルキルアリールスルホン酸、C7−30フッ素化アルキルアリールスルホン酸、C1−30フッ素化アルカンスルホンイミド、C2−30フッ素化シクロアルカンスルホンイミド、C6−30フッ素化アリールスルホンイミド、C7−30アルキルアリールスルホンイミド、C7−30フッ素化アルキルアリールスルホンイミド、もしくは前述の少なくとも1種を含む組み合わせである。
【0033】
フォトレジストに使用するのに好適な好ましい典型的なアニオンZには以下のものが挙げられる:
【化12】
【0034】
よって、ポリマー結合PAGのための典型的なビニルエーテルには、カチオン結合塩、例えば、ジフェニル(4−(ビニルオキシ−エトキシ)フェノキシ)スルホニウムおよびジフェニル(4−((メタ)アクリルオキシ−エトキシ)フェニル)スルホニウムカチオンの塩が挙げられる。酸開裂性である有用なカチオン結合PAGには、ジフェニル(4−(ビニルオキシ−エトキシ)フェニル)スルホニウム1,3−ヘキサフルオロトリメチレンビス(スルホンイミド)塩およびジフェニル(4−(ビニルオキシ−エトキシ)フェニル)スルホニウムペルフルオロブタンスルホナートが挙げられる。
【0035】
aが0ではない別の具体的な実施形態においては、コポリマーは式(4)の構造(すなわち、R10がフェノール性部分を含む式(1))を有しうる:
【化13】
式中、R、R、R12、R19、モル分率a〜e、およびnは式(3)について定義される通りであり、式中R14およびR17は式(2)について定義される通りである。
【0036】
aは0ではなくかつbは0である別の具体的な実施形態においては、コポリマーは下記式(5)のものであり得る:
【化14】
式中、R、R10、R19、a、c、d、eおよびnは式(3)について定義された通りであり、bは0であり、並びにR11は式(1)について定義された通りである。
【0037】
aが0ではなくかつbが0である別の具体的な実施形態においては、コポリマーは下記式(6)のものであり得る:
【化15】
式中、R、R、R10、R12、R19、a、c、d、eおよびnは式(3)について定義された通りであり、式(1)で定義されるArはナフチル(C10縮合アリール)であり、並びにbは0である。
【0038】
本明細書において開示されたコポリマーは1,000〜100,000、より具体的には1,500〜50,000、さらにより具体的には2,000〜20,000、さらにより具体的には2,500〜10,000の重量平均分子量(Mw)を有することができる。本明細書に開示されたコポリマーは1,000〜100,000、より具体的には1,500〜50,000、さらにより具体的には2,000〜20,000、さらにより具体的には2,500〜10,000の数平均分子量(Mn)を有することもできる。コポリマーは4以下、具体的には3以下、さらにより具体的には2以下の多分散度をさらに有することができる。好ましくは、コポリマーは2未満、具体的には1.5以下、より具体的には1.4以下、さらにより具体的には1.3以下の狭い多分散度を有する。分子量は架橋されたスチレン−ジビニルベンゼンカラムを使用し、および溶離液としてテトラヒドロフラン、塩化メチレンもしくはトルエンを使用し、約1ml/分の流速でおよび約1mg/mlのサンプル濃度でのゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)を用いて決定されうる。GPCはポリスチレン標準に対するユニバーサルキャリブレーションによって較正される。
【0039】
コポリマーおよび誘導体化されていない出発ポリマー(この出発ポリマーからいくつかの実施形態のコポリマーがビニルエーテル基での誘導体化により製造されうる)は、制御されたフィードを使用するかもしくは使用せずにペルオキシもしくはジアゾ開始剤を使用するラジカル重合、制御されたフリーラジカル重合(CFRP)、アニオン性重合もしくは他の好適な方法をはじめとする、当該技術分野において既知の好適な溶液重合方法によってそれら自体製造されうる。狭い多分散度のポリマーを提供する方法、例えば、CFRPもしくはアニオン性重合を使用する重合、またはラジカル重合と、その後の狭い多分散度のポリマー画分を提供するための重合後分画が好ましいことが認識される。ラジカル重合を使用して製造されるコポリマーは対応するビニル芳香族もしくは(メタ)アクリラートモノマーから製造されうる。コポリマーを製造するのに有用な典型的なモノマーには、例えば、式(1)におけるモル分率aについてのモノマーとして(メタ)アクリラート、例えば、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸1−メチルシクロペンチル、(メタ)アクリル酸1エチルシクロペンチル、および(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチルが挙げられ;モル分率b、cおよびeについてのモノマー(eが0でなくかつR10がビニルエーテル部分を組み込んでいる)としてo、mもしくはp−ヒドロキシスチレン(直接反応させられるか、または対応するt−ブチルエーテルもしくはアセチルエステルから得られる);o、mもしくはp−(ヒドロキシビスヘキサフルオロイソプロピル)ビニルベンゼン;2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ビス(ヒドロキシビスヘキサフルオロイソプロピル)ビニルベンゼン;ヒドロキシビニルナフタレンの1,4−、1,5−、1,6−、1,7−、1,8−、2,4−、2,5−、2,6−もしくは2,7−もしくは2,8−異性体(直接反応させられるか、または対応するt−ブチルエーテルもしくはアセチルエステルから得られる)が挙げられ;並びにモル分率eについて(eが0ではなく、かつ式(1)のR10がエステル基を含む)は、官能化可能な(メタ)アクリラート、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、および(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシベンジルが挙げられる。前述のいずれか1種以上を含む組み合わせが使用されうる。好ましいモノマーには、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸1−エチルシクロペンチル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル、4−ヒドロキシスチレン、3,5−ビス(ヒドロキシビスヘキサフルオロイソプロピル)ビニルベンゼン、および6−ヒドロキシ−2−ビニルナフタレンが挙げられる。これらの組み合わせが使用されうる。
【0040】
モル分率bおよびcに対応するビニルモノマーの代わりに、他の(メタ)アクリラートモノマーが使用されることができ、増大した塩基可溶性、エッチング耐性、膨潤耐性および接着性のような追加の特性を付与することができる。このようなモノマーには、例えば、1−(ガンマブチロラクトン)(メタ)アクリラート、2−(ガンマブチロラクトン)(メタ)アクリラート、3,5−ビス(ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)シクロヘキシル(メタ)アクリラート、3−(ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)−4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリラート、6−ヒドロキシ−2−ナフチルメチル(メタ)アクリラートおよび1,4−ビス(シクロヘキシル)ブチル−1,4−ジ(メタ)アクリラートが挙げられうる。
【0041】
ビニルエーテル由来の基R11(RおよびRから)、R12およびポリマー結合光酸発生剤基R13は、ポリマー上のヒドロキシ基がビニルエーテルで好適に官能化される脂肪族もしくは芳香族部分の反応により製造されうる。例えば、4−ヒドロキシスチレンおよびスチレンのコポリマー、もしくはアクリル酸t−ブチル、4−ヒドロキシスチレンおよびスチレンのコポリマー、もしくはメタクリル酸2−メチルアダマンチル、4−ヒドロキシスチレンおよびスチレンのコポリマーがビニルエーテル、例えば、2−(2−ビニルオキシ)エチル アダマンタンカルボキシラート、2−(2−ビニルオキシ)エチル ナフタレン−2−カルボキシラート、2−(2−ビニルオキシ)エチル ナフタレン−2−カルボキシラート、4,5−ジヒドロピラニル−5−メチル ナフタレン−2−カルボキシラートおよび/またはビニルエーテル官能化光酸発生剤、例えば、2−(2−ビニルオキシ)エチル−4−ベンゼンスルホンイミダトメタントリフェニルスルホニウム塩、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせなどで、テトラヒドロフラン、ジオキサンもしくは酢酸1−メトキシ−2−プロピルのようなエーテルをはじめとする溶媒中、低水分量(<0.1w/w)および触媒量の酸(例えば、トリフルオロ酢酸)の存在下で処理されうる。ビニルエーテル誘導体化ポリマーは、フォトレジスト組成物を製造するのに有用な好適な溶媒中の溶液として使用されることができ、または沈殿もしくは噴霧乾燥によって固体として単離されうる。
【0042】
フォトレジストはコポリマーから製造される。フォトレジストはコポリマーに加えて溶媒、光分解性塩基、界面活性剤および添加剤、例えば、追加の光酸発生剤、溶解速度抑制剤および増感剤を含むことができる。
【0043】
溶媒には、フォトレジストに使用するのに好適なものが挙げられる。典型的な溶媒には、アニソール、アルコール、例えば、乳酸エチル、1−メトキシ−2−プロパノールおよび1−エトキシ−2プロパノール、エステル、例えば、酢酸n−ブチル、酢酸1−メトキシ−2−プロピル、メトキシエトキシプロピオナート、エトキシエトキシプロピオナート、ケトン、例えば、シクロヘキサノンおよび2−ヘプタノン、並びに上記溶媒の少なくとも1種を含む組み合わせが挙げられる。
【0044】
界面活性剤には、フッ素化および非フッ素化界面活性剤が挙げられ、好ましくは非イオン性である。典型的なフッ素化非イオン性界面活性剤には、ペルフルオロC界面活性剤、例えば、FC−4430およびFC−4432界面活性剤(3Mコーポレーションから入手可能);並びに、フルオロジオール、例えば、POLYFOX PF−636、PF−6320、PF−656およびPF−6520フルオロ界面活性剤(Omnovaから)が挙げられる。
【0045】
フォトレジストはさらに光分解性塩基を含むことができる。塩基材料、好ましくは光分解可能カチオンのカルボキシラート塩の包含は酸分解性基からの酸の中和のためのメカニズムを提供し、そして光発生酸の拡散を制限し、それによりフォトレジストにおける向上したコントラストを提供する。
【0046】
典型的な光分解性塩基には、弱酸(pKa>2)、例えば、C1−20カルボン酸などのアニオンと対になった、光分解性カチオンおよび好ましくはPAGを製造するのに有用なものが挙げられる。典型的なこのカルボン酸には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、コハク酸、シクロヘキシルカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、および他のこのようなカルボン酸が挙げられる。典型的な光分解性塩基には、カチオンがトリフェニルスルホニウムもしくは下記のいずれかである、以下の構造のカチオンおよびアニオンを組み合わせたものが挙げられる:
【化16】
式中、Rは独立して、H、C1−20アルキル、C6−20アリールもしくはC6−20アルキルアリールであり、アニオンは
【化17】
であり、式中、Rは独立してH、C1−20アルキル、C1−20アルコキシ、C6−20アリールもしくはC6−20アルキルアリールである。他の光分解性塩基には、非イオン性光分解性発色団、例えば、2−ニトロベンジル基およびベンゾイン基などをベースにしたものが挙げられる。典型的なこの光塩基はオルト−ニトロベンジルカルバマートである。
【0047】
代替的にもしくは追加的に、他の添加剤には、光分解性でない塩基であるクエンチャー(quencher)、例えば、ヒドロキシド、カルボキシラート、アミン、イミンおよびアミドをベースにしたものが挙げられうる。好ましくは、このクエンチャーには、C1−30有機アミン、イミンもしくはアミドが挙げられ、または強塩基(例えば、ヒドロキシドもしくはアルコキシド)または弱塩基(例えば、カルボキシラート)のC1−30第四級アンモニウム塩であり得る。典型的なクエンチャーには、アミン、例えば、Troger’s塩基、ヒンダートアミン、例えば、ジアザビシクロウンデセン(DBU)もしくはジアザビシクロノネン(DBM)、またはイオン性クエンチャー、例えば、第四級アルキルアンモニウム塩、例えば、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)もしくは乳酸テトラブチルアンモニウムが挙げられる。
【0048】
本明細書に開示されるフォトレジスト組成物は、固形分の全重量を基準にして50〜99重量%、具体的には55〜95重量%、より具体的には60〜90重量%、およびさらにより具体的には65〜90の量でコポリマーを含む。フォトレジスト中の成分のこの文脈に使用される「コポリマー」は本明細書に開示されたコポリマーのみ、または当該コポリマーとフォトレジストにおいて有用な別のポリマーとの組み合わせを意味することができる。光分解性塩基はフォトレジスト中に固形分の全重量を基準にして0.01〜5重量%、具体的には0.1〜4重量%、およびさらにより具体的には0.2〜3重量%の量で存在することができる。界面活性剤は、固形分の全重量を基準にして0.01〜5重量%、具体的には0.1〜4重量%、およびさらに具体的には0.2〜3重量%の量で含まれることができる。クエンチャーは、固形分の全重量を基準にして例えば、0.03〜5重量%の比較的少量で含まれることができる。他の添加剤は、固形分の全重量を基準にして30重量%以下、具体的には20%以下、もしくはより具体的には10%以下の量で含まれうる。フォトレジスト組成物の全固形分量は固形分および溶媒の合計重量を基準にして0.5〜50重量%、具体的には1〜45重量%、より具体的には2〜40重量%、およびさらにより具体的には5〜35重量%でありうる。固形分は、溶媒を除く、コポリマー、光分解性塩基、クエンチャー、界面活性剤、何らかの追加のPAG、および何らかの任意の添加剤を含むと理解される。
【0049】
フォトレジスト組成物はキャストされて基体上に層を形成することができる。ある実施形態においては、よって、フォトレジスト層は基体の表面に接触した界面活性剤、光分解性塩基およびコポリマーを含む。基体は任意の寸法および形状であることができ、好ましくはフォトリソグラフィに有用なもの、例えば、ケイ素、二酸化ケイ素、ストレインドシリコン(strained silicon)、ガリウムヒ素、コーティングされた基体、例えば、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化チタン、窒化タンタルでコーティングされた基体、超薄型ゲート(ultrathin gate)酸化物、例えば、酸化ハフニウム、金属もしくは金属コーティングされた基体、例えば、チタン、タンタル、銅、アルミニウム、タングステン、これらの合金およびこれらの組み合わせでコーティングされた基体である。好ましくは、本明細書においては、基体の表面はパターン形成される臨界寸法層、例えば、1以上のゲートレベル層もしくは半導体製造のための基体上の他の臨界寸法層を含む。このような基体には、例えば、直径が20cm、30cmもしくはより大きい寸法、またはウェハ製造に有用な他の寸法を有する円形ウェハとして形成されるケイ素、SOI、ストレインドシリコンおよび他のこのような基体材料が好ましくは挙げられうる。
【0050】
さらに、電子デバイスを形成する方法は(a)基体の表面上にPAGを含むフォトレジスト組成物の層を適用し;(b)フォトレジスト組成物層を活性化放射線にパターン様(patternwise)に露光し;並びに(c)露光されたフォトレジスト組成物層を現像してレジストレリーフ像を提供することを含む。
【0051】
適用はスピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、ドクターブレーディングなどをはじめとするあらゆる好適な方法によって達成されうる。フォトレジストの層の適用は好ましくは、回転するウェハ上にフォトレジストが分配されるコーティングトラックを使用して、溶媒中のフォトレジストをスピンコーティングすることにより達成される。分配中に、ウェハは4,000rpm以下、好ましくは約500〜3,000rpm、およびより好ましくは1,000〜2,500rpmの速度で回転させられうる。コーティングされたウェハは回転させられて溶媒を除去し、そして一般的にホットプレート上でベークされて、残留する溶媒をさらに除去し、そして膜から自由体積を除いて、膜を均一に密にする。
【0052】
次いで、ステッパのような露光ツールを用いてパターン様露光が行われ、露光ツールにおいてはパターンマスクを通して膜が照射され、それによりパターン様に露光される。この方法は好ましくは、極端紫外線(EUV)もしくはeビーム放射線をはじめとする高解像が可能な波長で活性化放射線を発生させる改良型の露光ツールを使用する。活性化放射線を使用する露光は露光領域でPAGを分解して、酸および分解副生成物を発生させ、次いでその酸はポリマーの化学変化をもたらす(酸感受性基をデブロッキング(deblocking)して塩基可溶性基を生じさせるか、あるいは露光領域において架橋反応を触媒する)。この露光ツールの解像度は30nm未満であり得る。
【0053】
次いで、露光された層を、その膜の露光部分を選択的に除去できる(この場合、フォトレジストはポジティブトーンである)、またはその膜の未露光部分を選択的に除去できる(この場合、フォトレジストはネガティブトーンである)好適な現像剤で処理することにより、露光されたフォトレジスト層の現像が達成される。好ましくは、フォトレジストは、酸感受性(現像可能)基を有するポリマーをベースにしたポジティブトーンであり、そして現像剤は好ましくは金属イオンを含まない、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド溶液、例えば、水性の0.26Nのテトラメチルアンモニウムヒドロキシドである。パターンは現像後に形成される。
【0054】
フォトレジストは電子および光電子デバイス、例えば、メモリデバイス、プロセッサチップ(CPU)、グラフィックチップおよび他のこのようなデバイスを製造するために使用されることができる。
【0055】
本発明は以下の実施例によってさらに例示される。
【実施例】
【0056】
核磁気共鳴スペクトル分析(NMR)による全ての特徴付けはVarian Anova 500MHz NMRスペクトロメータを用いて、Omni−Probeを用いて行われた。ポリマー組成はNOE抑制技術を使用する125MHzでの定量的13C NMR(5秒より長いパルスディレイ)によって決定された。分子量(Mw)および多分散度(PD)は、1mg/mlのサンプル濃度および架橋スチレン−ジビニルベンゼンカラムを使用し、1ml/分の流速でテトラヒドロフランを用いて溶出され、ポリスチレン標準品で較正されたユニバーサルキャリブレーション曲線を用いたゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって決定された。
【0057】
2−ナフトイルエチルビニルエーテル(VE2)の合成
磁気攪拌装置を備えたオーブン乾燥された300mLの三ツ口丸底フラスコ内で、25g(0.145mol)の2−ナフトエ酸および24.07g(0.17mol)の炭酸カリウム(KCO)が100mlのジオキサンに懸濁され、この混合物が室温で1時間攪拌されて濃厚なスラリーを形成した。10mlのジオキサンに溶解された18.53g(0.17mol)の2−クロロエチルビニルエーテルが、滴下漏斗を用いて1時間にわたってこの反応混合物にゆっくりと添加され、完全な反応が薄層クロマトグラフィ(TLC)分析(シリカプレート;溶離液はクロロホルム中1%(v/v)メタノール)によって確認されるまで、この反応系はさらに12時間オーバーナイトで還流された。この混合物をゆっくりと400mlの0.01%(v/v)塩酸(HCl)溶液に注ぎ込むことによってこの反応は停止させられ、粗生成物は300mlの酢酸エチルで抽出され、酢酸エチル抽出物は水およびブラインで逐次的に洗浄されて中性のpHになった。次いで、酢酸エチル抽出物は硫酸ナトリウムで乾燥させられ、濾過され、ロータリーエバポレーションで濃縮され、32g(92%収率)の琥珀色オイル(これは静置によって固化する)を得た。生成物はさらに精製することなく使用された。H NMR(500MHz、アセトンd):δ8.64(s,1H)、8.08(d,2H,8Hz)、7.89(d,2H,8.5Hz)、7.64−7.59(q,2H)、6.56−6.52(d/d,1H,7Hz)、5.58(s,1H)、4.60(m,2H)、4.49(m,2H)、2.30(s,3H)、1.90(s,3H)。13C NMR(125MHz、CDCl):δ166.6、151.5、135.6、132.4、131.3、129.4、128.3、128.1、127.7、127.0、126.6、125.2、87.1、65.9、63.3。
【0058】
ポリマー1(ポリ(ヒドロキシスチレン/スチレン/アダマンチルカルボキシラートビニルエーテル)の合成
15gのポリヒドロキシスチレン/スチレンP(HS/Sty)90/10(mol/mol)樹脂(Mw5,444;1.28の多分散度(PD);Nisso Co.から入手可能)が100gの1,3−ジオキソランに溶解された。この溶液から残留水を共沸混合物として除去するために、約20gのこのジオキソラン溶媒が減圧下で蒸留除去された。この溶液は冷却され、9.38g(0.0375mol)のトランス−2−(ビニルオキシ)エチル−1−アダマンチルカルボキシラート(ACVE;以下の構造VE1;ENF Technology Co.から入手可能)および0.14g(1.25mmol)のトリフルオロ酢酸(TFA)が添加された。得られた混合物は8時間、室温で攪拌された。完了の際に(ガスクロマトグラフィによって決定された)、残留酸は1.25mmolの4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)を添加することにより中和された。生じたポリマーは反応混合物をテトラヒドロフラン(THF)で15%固形分まで希釈し、このジオキソラン/THF溶液を非溶媒(ヘプタン)で希釈することによりポリマーを沈殿させることにより得られ、13C NMR(アセトン−d)によってP(HS/Sty/ACVE)の(62/11/27)の組成比を有するコポリマーを定量的収率(>99%)で得た。このP(HS/Sty/ACVE)は5,774のMw、1.22のPDを有していた。
【0059】
ポリマー2(ポリ(ヒドロキシスチレン/スチレン/アダマンチルカルボキシラートビニルエーテル/ナフチルビニルエーテル)の合成
30gのポリヒドロキシスチレン/スチレンP(HS/Sty)90/10(mol/mol)樹脂(Mw5,444;1.28の多分散度(PD);Nisso Co.から入手可能)が100gの1,3−ジオキソランに溶解された。この溶液から残留水を共沸混合物として除去するために、約20gのこのジオキソラン溶媒が減圧下で蒸留除去された。この溶液は冷却され、3.8g(0.016mol)の2ナフトイルエチルビニルエーテル(NCVE;以下の構造VE2)、12.51g(0.05mol)のトランス−2−(ビニルオキシ)エチル−1−アダマンチルカルボキシラート(ACVE;以下の構造VE1;ENF Technology Co.から入手可能)および0.28gのトリフルオロ酢酸(TFA)が添加された。この混合物は8時間、室温で攪拌された。反応の完了の際に(ガスクロマトグラフィによって決定された)、残留酸は0.24g(2.5mmol)のトリエチルアミンを添加することによって中和された。生じたポリマーは反応混合物をジオキサンで15%固形分まで希釈し、このジオキソラン/ジオキサン溶液を非溶媒(ヘプタン)で希釈することによりポリマーを沈殿させることにより得られ、13C NMR(アセトン−d)によってP(HS/Sty/ACVE/NCVE)の65/11/19/5のモル組成比を有するコポリマーを定量的収率で得た。このP(HS/Sty/ACVE/NCVE)は5,700のMw、1.3のPDを有していた。
【0060】
ポリマー3(ポリ(ヒドロキシスチレン/スチレン/ナフチルビニルエーテル/4−ビニルオキシエトキシフェニルジフェニルスルホニウムシクロ(1,3−ペルフルオロプロパンジスルホニウム)イミド塩)の合成
10gのポリヒドロキシスチレン/スチレンP(HS/Sty)90/10(mol/mol)樹脂(Mw5,444;1.28の多分散度(PD);Nisso Co.から入手可能)が100gのテトラヒドロフラン(THF)に溶解された。この溶液から残留水を共沸混合物として除去するために、約20gのこのTHF溶媒が減圧下で蒸留除去された。この溶液は氷浴中で冷却され、4.0g(0.016mol)の2−ナフトイルエチルビニルエーテル(NCVE;構造VE2)、5.34g(0.0083mol)の4−ビニルオキシエトキシフェニルジフェニルスルホニウムシクロ(1,3−ペルフルオロプロパンジスルホニウム)イミド塩(Cy6VE;構造VE3、東洋合成工業株式会社から市販、もしくは米国特許第7,396,960B2に詳述された手順に従って製造)、および0.093gのトリフルオロ酢酸(TFA)が添加された。この混合物は40℃で、12時間攪拌された。反応の完了の際に(ガスクロマトグラフィによって決定された)、残留酸は0.08g(0.79mmol)のトリエチルアミンを添加することによって中和された。生じたポリマーは反応混合物をTHFで15%固形分まで希釈し、このTHF溶液を非溶媒(ヘプタン)で希釈することによりポリマーを沈殿させることにより得られ、13C NMRによってP(HS/Sty/NCVE/Cy6VE)の(60/11/20/9)のモル組成比を有するコポリマーを定量的収率で得た。このP(HS/Sty/NCVE/Cy6VE)は5,800のMw、1.3のPDを有していた。
【0061】
ポリマー4(ポリ(ヒドロキシスチレン/スチレン/ナフチルビニルエーテル/4−ビニルオキシエトキシフェニルジフェニルスルホニウムシクロ(1,3−ペルフルオロプロパンジスルホニウム)イミド塩)の合成
14gのポリヒドロキシスチレンP(HS)樹脂(Mw5,444;1.28の多分散度(PD);Nisso Co.から入手可能)が100gの1,3−ジオキソランに溶解された。この溶液から残留水を共沸混合物として除去するために、約50gのこのジオキソラン溶媒が減圧下で蒸留除去された。この溶液は氷浴中で冷却され、22.32(0.0348mol)の4−ビニルオキシエトキシフェニルジフェニルスルホニウムシクロ(1,3−ペルフルオロプロパンジスルホニウム)イミド塩(Cy6VE;構造VE3、東洋合成工業株式会社から市販、もしくは米国特許第7,396,960B2に詳述された手順に従って製造)、および0.06gのトリフルオロ酢酸(TFA)が添加された。この混合物は50℃で、12時間攪拌された。反応の完了の際に(ガスクロマトグラフィによって決定された)、残留酸は0.06g(0.59mmol)のトリエチルアミンを添加することによって中和された。生じたポリマーは反応混合物をTHFで15%固形分まで希釈し、このTHF溶液を非溶媒(ヘプタン)で希釈することによりポリマーを沈殿させることにより得られ、13C NMRによってP(HS/Cy6VE)の(80/20)のモル組成比を有するコポリマーを定量的収率で得た。このP(HS/Cy6VE)は5,500のMw、1.3のPDを有していた。
【0062】
ポリマー5(ポリ(ヒドロキシスチレン/スチレン/ナフチルビニルエーテル/4−ビニルオキシエトキシフェニルジフェニルスルホニウムシクロ(1,3−ペルフルオロプロパンジスルホニウム)イミド塩)の合成
10gのポリヒドロキシスチレン/スチレンP(HS/Sty)90/10(mol/mol)樹脂(Mw5,444;1.28の多分散度(PD);Nisso Co.から入手可能)が100gの1,3−ジオキソランに溶解された。この溶液から残留水を共沸混合物として除去するために、約50gのこのジオキソランが減圧下で除去された。この溶液は氷浴中で冷却され、2g(0.083mol)の2−ナフトイルエチルビニルエーテル(NCVE;構造VE2)、5.34g(0.0083mol)の4−ビニルオキシエトキシフェニルジフェニルスルホニウムシクロ(1,3−ペルフルオロプロパンジスルホニウム)イミド塩(Cy6VE;構造VE3、東洋合成工業株式会社から市販、もしくは米国特許第7,396,960B2に詳述された手順に従って製造)、および0.093gのトリフルオロ酢酸(TFA)が添加された。この混合物は50℃で、12時間攪拌された。この混合物は50℃で、12時間攪拌された。反応の完了の際に(ガスクロマトグラフィによって決定された)、残留酸は0.06g(0.6mmol)のトリエチルアミンを添加することによって中和された。生じたポリマーは反応混合物をTHFで15%固形分まで希釈し、このTHF溶液を非溶媒(ヘプタン)で希釈することによりポリマーを沈殿させることにより得られ、13C NMRによってP(HS/Sty/NCVE/Cy6VE)の(70/11/10/9)のモル組成比を有するコポリマーを定量的収率で得た。このP(HS/Sty/NCVE/Cy6VE)は5,800のMw、1.2のPDを有していた。
【0063】
上記ポリマー1〜3を使用して、各ポリマーのリソグラフィ性能を評価するためにポジティブトーンフォトレジスト組成物が製造された。フォトレジストについての配合物は以下に記載される。各フォトレジストは以下のようにリソグラフィ的に処理され、評価された。フォトレジストはTEL ACT−8(東京エレクトロン株式会社)コーティングトラックを使用して、有機反射防止コーティング(AR商標9、ロームアンドハースエレクトニックマテリアルズLLC)を有する200mmシリコンウェハ上にスピンコートされ、100℃で60〜90秒間ベークされて、約60nm厚さのレジスト膜を形成した。得られたフォトレジスト層はKrFエキシマレーザー放射線(248nm)もしくはEUV放射線(eMET、13.5nm)にパターン様に露光され、90℃で60秒間露光後ベークされ、0.26Nのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド現像剤水溶液で現像されて、ポジティブトーンフォトレジストパターンを形成した。90nmラインアンドスペースパターンの頂部および底部で1:1解像度を提供するのに必要とされる露光線量(90nmL:SでのEsize)は表3に示される。ライン幅およびライン幅ラフネス(LWR)は、日立9380CD−SEMを用いて、800ボルト(V)の加速電圧、8.0ピコアンペア(pA)のプローブ電流でで操作し、200Kx倍率を用いて、1.0デジタルズームで64にセットされたフレーム数で、トップダウン走査型電子顕微鏡観察(SEM)によって決定された。LERは40nmのステップで2μmのライン幅にわたって測定され、測定された領域についての平均LWRとして報告された。
【0064】
以下の表1はアセタール保護基を製造するのに使用された様々なビニルエーテルを示す。
【表1】
【0065】
表2はポリマー1〜3を形成するために使用された、ポリ(ヒドロキシスチレン−スチレン)コポリマーにおける様々なビニルエーテルブロッキング基のモルパーセントのまとめを示す。
【表2】
【0066】
比較例および実施例1のポジティブトーンフォトレジスト組成物は、ポリマー1もしくは2(それぞれ)2.22g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート中のOMNOVA PF656界面活性剤の1重量%溶液0.33g、塩基添加剤(Troger’s塩基)の1重量%溶液3.9g、4−ヒドロキシフェニルジフェニルスルホニウムシクロ(1,3−ペルフルオロプロパンジスルホニウム)イミド塩0.98g、シクロヘキサノン19.35gおよび溶媒としての乳酸エチル73.5gの混合物を混合することにより製造された。
【0067】
ポリマー2.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート中のOMNOVA PF656界面活性剤の0.5重量%溶液0.6g、塩基添加剤(Troger’s塩基)の1重量%溶液2.4g、シクロヘキサノン29.1gおよび溶媒としての乳酸エチル64.93gを使用して、実施例2〜4(それぞれ、ポリマー3〜5に対応)のポジティブトーンフォトレジスト組成物がそれぞれ製造された。
【0068】
比較例のフォトレジストは以下のようにリソグラフィ的に処理された。配合されたレジストは(ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で下塗りされた、もしくは下部反射防止コーティングでコーティングされた)シリコンウェハ上にスピンコートされ、100℃で60秒間ソフトベークされた。フォトレジスト層はフォトマスクを通してDUVもしくはEUV放射線で露光され、露光された層は約90℃で60秒間露光後ベーク(PEB)された。次いで、露光されたウェハは金属イオンを含まない塩基現像剤(0.26Nのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で現像されて、ポジティブトーンレジスト層のレリーフパターンを形成した。
【0069】
表3は、上記ポリマー1〜5のそれぞれについてのそれぞれ対応する配合物中でのリソグラフィ結果(露光量対サイズ;dose−to−size)を示す。90nmのフィーチャはDUV放射線を用いて像形成されたこと、および27nmフィーチャはEUV放射線を用いて像形成されたことに留意されたい。27nmL:Sフィーチャについてはライン幅ラフネス(LWR)の結果も示される。
【0070】
【表3】
248nm(DUV)露光
13.5nm(EUV)露光
【0071】
上記表3に示されるように、90nmL:Sフィーチャをサイジングする248nmでの露光において、露光量対サイズでの比較例のフォトスピード(6.2mJ/cm)は、ACVEおよびNCVE(アルキルおよび芳香族)ブロッキング基の組み合わせを有する実施例1の(5.2mJ/cm)よりも遅いが、NCVEおよびポリマー結合PAG(Cy6VE)の組み合わせを有する実施例2(6.4mJ/cm)よりもわずかに速い。このパターンは27nmL:SフィーチャでのEUV露光を使用する比較例(6.2mJ/cm)並びに実施例1および2(それぞれ、5.6および6.3mJ/cm)についても認められるが、実施例3(それぞれDUVおよびEUV露光について4.8および3.8mJ/cm)および実施例4(それぞれDUVおよびEUV露光について4.0および3.4mJ/cm)のDUVおよびEUV露光については露光量対サイズが低下する。実施例3および実施例4は両方とも、実施例2に対して、また、ポリマーPAGを含まない比較例および実施例1と比べた場合でも、より高い含量(>9mol%)のポリマー結合PAGであるVE3を有する。よって、VE2よりも高い添加量のVE3は、DUVおよびEUVの双方の試験条件下で、向上したフォトスピードを提供する。
【0072】
EUV露光についてライン幅ラフネスも決定された。アダマンタンベースのビニルエーテルブロッキング基VE1のみを有するポリマーについて、最も高いLWR(7.2nm)が得られるが、芳香族ブロッキング基を含むVE2は観察されたLWRをさらに低減させる(6.2nm)ことが認められる。さらに、実施例2(ポリマー3、9mol%のVE3および4.8nmのLWR)、実施例4(ポリマー5、10mol%のVE3および4.2nmのLWR)、および実施例3(ポリマー4、31mol%のVE3および3.8nmのLWR)のシークエンスにおいてLWRの低減のトレンドが認められうる。これらの実施例において、LWRの低減は、ポリマー結合PAGであるVE3の増大した添加と、芳香族ビニルエーテル脱離基(VE2)の使用の少なさとの双方に独立して相関し、ポリマー中で最も高いV3の添加は最も低いLWRを示す。
【0073】
本明細書に開示された全ての範囲は終点を含み、その終点は互いに独立して組み合わせ可能である。「場合によって」および「任意の」とはその後に記載された事象もしくは状況が起こってよく、または起こらなくてよく、そしてその記載はその事象が起こる例およびその事象が起こらない例を含む。本明細書において使用される場合、「組み合わせ」は、ブレンド、混合物、合金もしくは反応生成物を包含する。全ての参考文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
さらに、用語「第1」、「第2」などは、本明細書においては、順序、品質もしくは重要性を示すものではなく、1つの要素を他のものから区別するために使用されることもさらに留意されたい。