(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
充電して繰り返し利用することのできる二次電池の多くは、バッテリパックに加工されてユーザに提供される。特に重量エネルギ密度の高いリチウムイオン二次電池においては、ユーザ及び電子機器の安全を確保するために、一般的に、過充電保護、過放電保護等のいくつもの保護回路をバッテリパックに内蔵し、所定の場合にバッテリパックの出力を遮断する機能を有している。
【0003】
バッテリパックに内蔵されたFETスイッチを用いて出力のON/OFFを行うことにより、バッテリパックの過充電保護又は過放電保護動作を行う。しかしながら、何らかの原因でFETスイッチが短絡破壊した場合、雷サージ等が印加され、瞬間的な大電流が流れた場合、あるいはバッテリセルの寿命によって出力電圧が異常に低下したり、逆に過大異常電圧を出力した場合であってもバッテリパックや電子機器は、発火等の事故から保護されなければならない。そこで、このような想定し得るいかなる異常状態において、バッテリセルの出力を安全に遮断するために、外部からの信号によって電流経路を遮断する機能を有するヒューズ素子からなる保護素子が用いられる。
【0004】
このようなリチウムイオン二次電池等向けの保護回路の保護素子として、特許文献1に記載されているように、保護素子内部に発熱体を有し、この発熱体によって電流経路上の可溶導体を溶断する構造が一般的に用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されている保護素子においては、低融点金属からなる可溶導体(ヒューズ)の表面に酸化防止、溶融促進及び溶断特性向上の目的でフラックスが塗布されている。また、保護素子の品質確保のために保護素子を構成する基板上を覆うようにカバー部材が設けられている。フラックスが可溶導体上に均一に塗布されていることによって、可溶導体の発熱分布が均一になり、可溶導体の溶断特性のバラつきが小さくなる。そこで、カバー部材は、塗布されたフラックスを保持して可溶導体上のフラックス量を均一にするために、カバー部材の内面に、可溶導体上の中央部を囲むように円筒状の突状部を有している。
【0007】
しかしながら、円筒状の突状部を、可溶導体上に配置した場合であっても、フラックス中にボイド(気泡)が存在するとボイドの発生した位置によって、フラックス量が変化してしまい、溶断特性にばらつきが生じるとの問題があった。特許文献1には、これに対応するために、円筒状の突状部に切欠を設けてボイドを排出させるようにした保護素子について記載されている。しかしながら、円筒状の突状部に設けた切欠から、ボイドだけでなく、フラックスも流出してしまい、結果として可溶導体上のフラックス塗布量にばらつきが生じてしまうとの問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、可溶導体上に塗布したフラックスにボイドが発生してもフラックス量を均一にして、溶断特性のばらつきを改良した保護素子を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するための手段として、本発明に係る保護素子は、絶縁基板と、絶縁基板に積層された発熱体と、少なくとも発熱体を覆うように、絶縁基板に積層された絶縁部材と、絶縁部材が積層された絶縁基板に積層された第1及び第2の電極と、発熱体と重畳するように絶縁部材の上に積層され、第1及び第2の電極の間の電流経路上と発熱体とに電気的に接続された発熱体内部電極と、発熱体内部電極から第1及び第2の電極にわたって積層され、加熱により、第1の電極と第2の電極との間の電流経路を溶断する可溶導体と、発熱体と重畳するように、可溶導体上に塗布されたフラックスと、少なくとも可溶導体を覆って絶縁基板に取り付けられるカバー部材とを備える。そして、カバー部材は、発熱体に対向してカバー部材の内面に、フラックスに接するように形成された環状の突状部を有し、環状の突状部の壁面には、突状部内からカバー部材の内面側に連通する連通孔が開口されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、カバー部材が、発熱体に対向してフラックスに接するように形成された環状の突状部を有し、環状の突状部の壁面には、突状部内からカバー部材の内面側に連通する連通孔が開口されているので、フラックス内に発生したボイドを連通孔から排出することができる。ボイドが排出されることによって、可溶導体上に塗布されたフラックスが均一になって、可溶導体の発熱分布が均一になり、溶断特性のばらつきが低減する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】(A)は、本発明が適用された保護素子を構成するカバー部材のA−A’部断面図である。(B)は、カバー部材の底面図である。
【
図2】(A)は、本発明が適用された保護素子の構成を示すために、カバー部材を取りはずした状態における平面図である。(B)は、(A)図の保護素子にカバー部材を装着した状態における保護素子の構造を示すB−B’部断面図である。
【
図3】本発明が適用された保護素子の応用例を示すブロック図である。
【
図4】本発明が適用された保護素子の回路構成例を示す図である。
【
図5】(A)は、従来の保護素子を構成するカバー部材のA−A’部断面図である。(B)は、従来の保護素子を構成するカバー部材の底面図であり、フラックスとフラックス内に発生したボイドが排出される状態を合わせて示した概念図である。(C)は、保護素子の断面図である。
【
図6】(A)は、本発明が適用された保護素子を構成するカバー部材のA−A’部断面図である。(B)は、保護素子の底面図であり、フラックス内に発生したボイドと、そのボイドが連通孔から排出される様子を概念的に示した図である。
【
図7】(A)は、カバー部材の突状部の壁面に開口された連通孔の例を示す断面図である。(B)は、カバー部材の突状部の壁面に開口された連通孔の他の例を示す断面図である。
【
図8】(A)は、本発明の保護素子の実施形態のうちの変形例の1つを示すカバー部材の断面図である。(B)は底面図である。
【
図9】(A)は、本発明の保護素子の実施形態のうちの変形例の1つを示すカバー部材の断面図である。(B)は底面図である。
【
図10】
図9の変形例に係る柱状支持部材により支持される突状部を示す図である。(A)は、突状部の斜視図である。(B)は平面図である。(C)は、正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0013】
[保護素子の構成]
図1及び
図2に示すように、カバー部材1は、カバー部材1の内面1aに、発熱体14の位置に対向する位置にその先端が配置された突状部2を有する。突状部2は、カバー部材1の内面1aを底面とし、先端が開口した円筒形状を呈する。円筒状の突状部2は、カバー部材1を保護素子10の本体に被せて取り付けたときに、可溶導体13を介して方形状の発熱体14に対向する位置に配置される。円筒状の突状部2の先端は、可溶導体13の表面に塗布されたフラックス17の表面に接する位置となるように、円筒状の突状部2の高さが決定される。円筒状の突状部2の内面2aは、先端に接したフラックス17の表面張力によって、フラックス17が引き寄せられてフラックス17で満たされるような空間となっている。内面2aの壁面は、滑らかであってもよく、梨地状でざらざらしていてもよい。突状部2の壁面には、突状部2の内面2aとカバー部材1の内面1a側とを連通する連通孔3が開口されている。カバー部材1は、保護素子10の内部の保護用に用いられ、絶縁性の材料により形成される。たとえば、ガラスエポキシ、セラミックス等、所定の耐熱性を有する絶縁材料を用いることができる。カバー部材1は、射出成型技術を用いて、突状部2を含めて一体成型により形成するのが一般的だが、突状部2を別の構成部品として、カバー部材1の内面1aに適切な位置に接着あるいははめ込む等によって構成してもよい。
【0014】
図2(A)に示すように、保護素子10の本体は、絶縁基板11と、絶縁基板11に積層され、絶縁部材15に覆われた発熱体14と、絶縁基板11の両端に形成された電極12,12と、絶縁部材15上に発熱体14と重畳するように積層された発熱体内部電極16と、両端が電極12,12に接続され、中央部が発熱体内部電極16に接続された可溶導体13とを備える。可溶導体13上には、フラックス17が塗布されている。そして、
図2(B)に示すように、本発明に係る保護素子10は、
図1のカバー部材1が、保護素子10の本体の絶縁基板11上に被せられて全体が構成される。カバー部材1を絶縁基板11上に被せると、円筒状の突状部2がフラックス17の表面に接し、フラックス17の表面張力によって、円筒状の突状部2の内部がフラックス17で満たされる。
【0015】
方形状の絶縁基板11は、たとえば、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材によって形成される。その他、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよいが、ヒューズ溶断時の温度に留意する必要がある。
【0016】
発熱体14は、比較的抵抗値が高く通電すると発熱する導電性を有する部材であって、たとえばW、Mo、Ru等からなる。これらの合金あるいは組成物、化合物の粉状体を樹脂バインダ等と混合して、ペースト状にしたものを絶縁基板11上にスクリーン印刷技術を用いてパターン形成して、焼成する等によって形成する。
【0017】
発熱体14を覆うように絶縁部材15が配置され、この絶縁部材15を介して発熱体14に対向するように発熱体内部電極16が配置される。
【0018】
発熱体内部電極16の一端は、発熱体電極18に接続される。また、発熱体14の一端は、他方の発熱体電極18に接続される。
【0019】
可溶導体13は、所定の電力、熱で溶融し、溶断する導電性の材料であればよく、たとえば、BiSn合金、BiPb合金、BiSn合金、SnPb合金、PbIn合金、ZnAl合金、InSn合金、PnAgSn合金等を用いることができる。
【0020】
フラックス17は、保護素子10の製造時においては、粘性が低く、可溶導体13上に塗布するとほぼ均一に拡がって分布する。時間の経過とともに溶剤が揮発し、粘性が上昇する。
【0021】
[保護素子の使用方法]
図3に示すように、上述した保護素子10は、リチウムイオン二次電池のバッテリパック内の回路に用いられる。
【0022】
たとえば、保護素子10は、合計4個のリチウムイオン二次電池のバッテリセル21〜24からなるバッテリスタック25を有するバッテリパック20に組み込まれて使用される。
【0023】
バッテリパック20は、バッテリスタック25と、バッテリスタック25の充放電を制御する充放電制御回路30と、バッテリスタック25と充放電制御回路30とを保護する本発明が適用された保護素子10と、各バッテリセル21〜24の電圧を検出する検出回路26と、検出回路26の検出結果に応じて保護素子10の動作を制御する電流制御素子27とを備える。
【0024】
バッテリスタック25は、過充電及び過放電状態を保護するための制御を要するバッテリセル21〜24が直列接続されたものであり、バッテリパック20の正極端子20a、負極端子20bを介して、着脱可能に充電装置35に接続され、充電装置35からの充電電圧が印加される。充電装置35により充電されたバッテリパック20を正極端子20a、負極端子20bをバッテリで動作する電子機器に接続することによって、この電子機器を動作させることができる。
【0025】
充放電制御回路30は、バッテリスタック25から充電装置35に流れる電流経路に直列接続された2つの電流制御素子31、32と、これらの電流制御素子31、32の動作を制御する制御部33とを備える。電流制御素子31、32は、たとえば電界効果トランジスタ(以下、FETと呼ぶ。)により構成され、制御部33によりゲート電圧を制御することによって、バッテリスタック25の電流経路の導通と遮断とを制御する。制御部33は、充電装置35から電力供給を受けて動作し、検出回路26による検出結果に応じて、バッテリスタック25が過放電又は過充電であるとき、電流経路を遮断するように、電流制御素子31、32の動作を制御する。
【0026】
保護素子10は、たとえば、バッテリスタック25と充放電制御回路30との間の充放電電流経路上に接続され、その動作が電流制御素子27によって制御される。
【0027】
検出回路26は、各バッテリセル21〜24と接続され、各バッテリセル21〜24の電圧値を検出して、各電圧値を充放電制御回路30の制御部33に供給する。また、検出回路26は、いずれか1つのバッテリセル21〜24が過充電電圧又は過放電電圧になったときに電流制御素子27を制御する制御信号を出力する。
【0028】
電流制御素子27は、検出回路26から出力される検出信号によって、バッテリセル21〜24の電圧値が所定の過放電又は過充電状態を超える電圧になったとき、保護素子10を動作させて、バッテリスタック25の充放電電流経路を電流制御素子31、32のスイッチ動作によらず遮断するように制御する。
【0029】
以上のような構成からなるバッテリパック20において、保護素子10の構成について具体的に説明する。
【0030】
まず、本発明が適用された保護素子10は、たとえば
図4に示すような回路構成を有する。すなわち、保護素子10は、発熱体内部電極16を介して直列接続された可溶導体13と、可溶導体13の接続点を介して通電して発熱させることによって可溶導体13を溶融する発熱体14とからなる回路構成である。また、保護素子10では、たとえば、可溶導体13が充放電電流経路上に直列接続され、発熱体14が電流制御素子27と接続される。保護素子10の2個の電極12,12のうち、一方は、A1に接続され、他方は、A2に接続される。また、発熱体内部電極16とこれに接続された発熱体電極18は、P1に接続され、他方の発熱体電極18は、P2に接続される。
【0031】
このような回路構成からなる保護素子10は、低背化を実現しつつ、発熱体14の発熱により、電流経路上の可溶導体13を確実に溶断することができる。
【0032】
[カバー部材の機能]
以下、本発明に係る保護素子10に用いるカバー部材1の機能について説明するに当たり、従来の保護素子のカバー部材の機能について説明する。
【0033】
図5(A)及び(B)に示すように、従来の保護素子のカバー部材1は、発熱体14が配置されている位置に対向する位置に、カバー部材1の内面1aに配置される突状部42を有する。突状部42は、円筒状であり、底面がカバー部材1の内面1aにより構成され、内面42aを有し、先端が開口している。突状部42の先端における面積は、突状部42に対向する方形状の発熱体14の面積のほぼ80%を覆うように設定される。ここで、突状部42の内面42aで構成される空間を満たすようにフラックス17が表面張力により引き寄せられたときや、フラックス17を可溶導体13上に塗布したときにフラックス17内にボイド(気泡)44が発生することがある。ボイド44が突状部42内にとどまっていると、突状部42内でフラックス17が偏在し、可溶導体13上におけるフラックス17の均一性が損なわれる。その結果、発熱体14による可溶導体13の発熱分布に不均一性を生じ、可溶導体13の溶断特性のばらつきの原因となる。
【0034】
図5(B)に示すように、カバー部材1は、突状部42の先端から突状部42の底面であるカバー部材1の内面1aに向かって形成された切欠43を有する。
【0035】
図5(C)に示すように、突状部42内のフラックス中で発生した破線の位置のボイド44は、浮力によって、切欠43を通って、カバー部材1の内面1aの側へと排出される。しかしながら、切欠43のある箇所では、突状部2の先端とフラックス17との間の表面張力がはたらかないので、フラックス17は、切欠43を通って可溶導体13上に流れ出てしまう。このため、突状部42が保持しているフラックス17の量が減少し、可溶導体13上のフラックス17の塗布量に差異が生じてしまう。その結果、可溶導体13上の発熱体14に対応する箇所の発熱分布に偏在が生じ、可溶導体13の溶断特性のばらつきの原因となってしまう。
【0036】
図6(A)に示すように、本発明に係る保護素子10においては、発熱体14に対向してカバー部材1の突状部2の先端の周上すべてにフラックス17が接するように突状部2が形成されているので、発熱体14の表面積を十分カバーできるような広い面積で十分な量のフラックス17を引き寄せることができる。また、
図6(B)に示すように、円筒状の突状部2には、突状部2の内面2aからカバー部材1の内面1a側に連通する連通孔3が開口されているので、フラックス17中に発生したボイド4は、浮力にしたがって、連通孔3を通って、突状部2内からカバー部材1の内面1aの方へ排出される。したがって、ボイド4のみが連通孔を通って排出され、フラックス17は、可溶導体13上の発熱体14に対応する位置に均一な量をもってとどまることになる。
【0037】
ここで、
図7(A)に示すように、突状部2の壁面に形成される連通孔3は、連通孔3の突状部2の先端側の面3aと、カバー部材1側の面3bと、図示されない側面とに囲まれて形成される。この場合において、カバー部材1側の面3bは、カバー部材1の内面1aと同じ平面上にあることが好ましい。
図7(B)に示すように、連通孔3のカバー部材1側の面3bが、カバー部材1の内面1aから段差を有するように形成された場合には、浮力によってカバー部材1の内面1a側に移動したボイド4に対してこの段差が障壁となるので、ボイド4が排出されにくくなることに留意が必要である。また、たとえばカバー部材1の内面1aのうちの円筒状の突状部46内の底面に対応する部分の厚さを連通孔3から傾斜をもって次第に厚くなるように設定すると、発生したボイドが連通孔3に向かってガイドされるようになり、排出しやすくなる。
【0038】
なお、上述においては、連通孔の形状は、方形状に限らず、楕円形状でも、任意の形状でよいのはもちろんである。
【0039】
[変形例1]
突状部46の壁面に開口される連通孔47は、1個に限られず、複数個あってもよく、
図8に示すように、突状部46の円周上に均等な距離だけ離間させて、4個開口してもよい。突状部46内のフラックス17中のボイドは、浮力によって突状部46の内面46a側を移動するので、連通孔47が開口される箇所を多くすることによって、突状部46内のボイドを効率よく排出することができるようになる。
【0040】
[変形例2]
連通孔の開口した面積を増やすことによって、突状部内のフラックス17中のボイドを、より効率的に排出することができる。
図9及び
図10に示すように、カバー部材1は、端部がいずれも開口され、内面2aを有する円筒状の突状部2と、突状部2のカバー部材1の内面1a側の面2cの一部に一端が接続された柱状支持部48とを有している。そして、カバー部材1は、柱状支持部48の他端がカバー部材1の内面1aに接続されている。この変形例におけるカバー部材1では、突状部2を柱状支持部48によって支持して、突状部2のフラックス17に接しない側の面2cとカバー部材1の内面1aとの間に連通孔3がスリット状に形成される。突状部2をこのように構成することによって、突状部2の内面2a側に発生したフラックス17のボイド4は、ほぼすべての方向に対して、カバー部材1の内面1aの側へ排出されることができる。
【0041】
一方で、突状部2のフラックス17に接する側の円周面は、円周面すべてがフラックス17に接することができるので、フラックス17の流出経路を形成することなく、可溶導体13上のフラックス17を均等に引き寄せることが可能となる。
【0042】
図9に示したような突状部2と突状部2に接続された柱状支持部48とは、カバー部材1と、射出成型技術を用いて、一体成型により形成することができる。
【0043】
あるいは、
図10に示すように、突状部2と突状部2に接続された柱状支持部48とから構成される突状部材を単独で一体成型し、別に一体成型された突状部を有しないカバー部材と接続することによって形成することも可能である。
【0044】
なお、上述においては、同一周長に対して最大面積となるのが円であることから、環状の突状部として、すべて円筒状の突状部とした。ただし、円筒状に限らず、楕円筒であってもよく、三角形や他の多角形の筒状であってもよいのはもちろんである。