特許第5844897号(P5844897)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5844897
(24)【登録日】2015年11月27日
(45)【発行日】2016年1月20日
(54)【発明の名称】電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/228 20060101AFI20151224BHJP
   H01G 4/232 20060101ALI20151224BHJP
   H01G 2/10 20060101ALI20151224BHJP
   H01C 1/14 20060101ALI20151224BHJP
【FI】
   H01G1/14 A
   H01G4/12 352
   H01G1/02 M
   H01C1/14 Z
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-519500(P2014-519500)
(86)(22)【出願日】2012年7月4日
(65)【公表番号】特表2014-521215(P2014-521215A)
(43)【公表日】2014年8月25日
(86)【国際出願番号】EP2012063037
(87)【国際公開番号】WO2013007575
(87)【国際公開日】20130117
【審査請求日】2014年3月6日
(31)【優先権主張番号】102011107193.1
(32)【優先日】2011年7月13日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】300002160
【氏名又は名称】エプコス アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】EPCOS AG
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】オルトナー マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ショスマン ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】コイニ マルクス
(72)【発明者】
【氏名】エンゲル, ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン クリスツィアン
【審査官】 中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−013232(JP,A)
【文献】 実開昭57−064137(JP,U)
【文献】 特開平07−320849(JP,A)
【文献】 特開2011−040684(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第02324648(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/228
H01C 1/14
H01G 2/10
H01G 4/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
子デバイス(100)であって、
その2つの対向する側面(21,22)に第1および第2の電気的接触層(31,32)が取付けられている少なくとも1つのセラミック基体(11)を備えた機能素子(101)であって、第1および第2の柵状接触電極(41,42)の間に配設されている機能素子(101)と
前記機能素子(101)および前記柵状接触電極(41,42)を覆って配設されるキャップ(50)と、を備え、
前記第1および第2の柵状接触電極(41,42)はそれぞれ複数の接触ピン(411,421)を備え、
前記第1の接触層(31)は、前記第1の柵状接触電極(41)の少なくとも1つの接触ピン(411)と電気的な接触状態にあり、前記第2の接触層(32)は、前記第2の柵状接触電極(42)の少なくとも1つの接触ピン(421)と電気的な接触状態にあり、
前記キャップ(50)は、前記第1の柵状接触電極(41)の前記少なくとも1つの接触ピン(411)を前記第1の接触層(31)にクランプし、前記第2の柵状接触電極(42)の少なくとも1つの接触ピン(421)を前記第2の接触層(32)にクランプす
とを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスにおいて、
前記接触ピンは機械的にプリストレスが与えられており、バネのように機能することを特徴とするデバイス。
【請求項3】
請求項2に記載のデバイスにおいて、前記機能素子(101)は、キャップ(50)によって、第1および第2の柵状接触電極(41,42)の間にクランプされていることを特徴とするデバイス。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記柵状接触電極(41,42)の各々は、接触ピン(411,421)が固着された支持バー(451,452)をさらに備えることを特徴とするデバイス。
【請求項5】
請求項4に記載のデバイスにおいて、
前記支持バー(451,452)は、金属および/またはプラスチックを含むことを特徴とするデバイス。
【請求項6】
請求項4または5に記載のデバイスにおいて、
前記柵状接触電極(41,42)の前記接触ピン(411,421)は、互いに等間隔で、それぞれの前記支持バー(451,452)に貫入していることを特徴とするデバイス。
【請求項7】
請求項2または3を参照する請求項4乃至6のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記キャップ(50)は、前記機能素子(101)および前記柵状接触電極(41,42)の前記支持バー(451,452)を覆うことを特徴とするデバイス。
【請求項8】
請求項4乃至7のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記キャップ(50)は、2つの対向する内面(501,502)にテーパー状の部分(511,512)を備え、当該テーパー状の部分に前記支持バー(451,452)が配設されることを特徴とするデバイス。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記第1の柵状接触電極(41)および前記第2の柵状接触電極(42)の間に配設された複数の機能素子(101)を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項10】
請求項9に記載のデバイスにおいて、
前記複数の機能素子(101)の少なくとも2つは、前記柵状接触電極(41,42)に沿って互いに隣接して配設されていることを特徴とするデバイス。
【請求項11】
請求項9または10に記載のデバイスにおいて、
前記複数の機能素子(101,102)の少なくとも2つは、前記接触ピン(411,421)に沿って、互いに重なって配設されていることを特徴とするデバイス。
【請求項12】
請求項9乃至11のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記複数の機能素子(101)の少なくとも1つは、正確に前記第1の柵状接触電極(41)の接触ピン(411)および前記第2の柵状接触電極(42)の接触ピン(421)に接触していることを特徴とするデバイス。
【請求項13】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
少なくとも他のもう1つの機能素子(103)および第3の柵状接触電極の(43)が設けられ、前記少なくとも他のもう1つの機能素子(103)は、前記第2の柵状接触電極(42)と前記第3の柵状接触電極(43)との間に配設されていることを特徴とするデバイス。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
少なくとも1つの前記機能素子(101)は、コンデンサ素子として実装され、
当該コンデンサ素子において、前記セラミック基体(11)は、重なって配設されたセラミック層の積層体と、これらのセラミック層の間に配設された第1および第2の電極層とを備え、
前記電極層は、前記セラミック基体(11)の前記2つの対向する側面(21,22)から前記積層体の中に延伸していることを特徴とするデバイス。
【請求項15】
請求項1乃至13のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記機能素子(101)は、バリスタ素子、PTCサーミスタ素子(Kaltleiterelement)またはNTCサーミスタ素子(Heisleiterelement)であることを特徴とするデバイス。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記接触ピンは、長尺のピン形状体または棒形状体であることを特徴とするデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスとして知られているものには、たとえばコンデンサがあり、これには、たとえば電解コンデンサ、フィルムコンデンサまたはセラミックコンデンサがある。またたとえばサーミスタがあり、これにはPTCサーミスタ(Kaltleiter)、あるいはNTCサーミスタ(Heisleiter)、あるいはバリスタがある。このような電子デバイスの電子回路基板(PCB、Printed Circuit Board)への電気的および機械的接続は、いわゆる表面実装デバイス(SMD、Surface Mounted Device)においては通常、はんだ付けを用いて行われている。しかしながら電子デバイスが大きくなると、はんだ工程による問題が生ずる。
たとえば、いわゆるヒートショック(Lotschock)が発生する可能性があり、これははんだ工程により熱的に引き起こされる機械的応力を発生する。この応力は、これによりさらにこれらのデバイスの障害をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、少なくともいくつかの実施形態で、電子デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これらの課題は、以下に記載の内容のものにより解決される。本発明の有利な実施形態および改善発明は、従属項および以下の記載と図から示される。
【0005】
1つの実施形態によれば、電子デバイスは少なくとも1つの機能素子を備える。
【0006】
もう1つの別の実施形態によれば、この機能素子はセラミック基体(Keramikkorper)を備える。このセラミック基体は、誘電体の特性を備えてよい。この際、この機能素子は、たとえばコンデンサ素子として構成されてよい。さらに、このセラミック基体は、半導体の特性を有してよい。さらに、このセラミック基体は、たとえばサーミスタ素子として、たとえばPTCサーミスタ素子あるいはNTCサーミスタ素子として、またはバリスタ素子として設けられてよい。
【0007】
1つの好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの機能素子は、コンデンサ素子として作製され、この際このコンデンサ素子のセラミック基体は互いに重なって配設されたセラミック層と、これらの間に配設された第1および第2の電極層と、を有する積層体を備えてよい。セラミック層は、たとえば、鉛−ジルコン酸塩−チタン酸塩を含んでよい。電極層は、たとえば、銀、パラジウムおよび/または白金を含んでよい。電極層は、好ましくはセラミック基体の2つの対向した側面から積層体の中へ延伸している。追加として、このセラミック基体の内部にさらなる電極層が配設されてよく、この電極層はセラミック基体のどの側面にも到達していない。
【0008】
好ましくは、このセラミック基体は、2つの対向する側面を備え、これらの2つの対向する側面の1つの側面には第1の電気的接触層(elektrische Kontaktschicht)が取付けられ、他方の側面には第2の電気的接触層が取付けられている。これらの第1および第2の電気的接触層は、1つ以上の単層、たとえば1つ以上の金属層を含んでよい。これらの金属層は、たとえばクロム、銅および/または金であってよい。この少なくとも1つの機能素子が、第1および第2の電極層を有するコンデンサ素子としてセラミック基体に形成されていると、第1の電極層は第1の電気的接触層に接触し、第2の電極層は第2の電気的接触層に接触することができる。
【0009】
他のもう1つの実施形態によれば、この機能素子は、第1および第2の柵状接触電極(Kontaktleiste)の間に配設される。これらの第1および第2の柵状接触電極(Kontaktleiste)は、それぞれ少なくとも1つの接触ピン(Kontaktstift)を含む。第1および第2の柵状接触電極は、好ましくはそれぞれ複数の接触ピンを備える。柵状接触電極毎に複数の接触ピンを用いることにより、一方では、回路基板から機能素子の接触層までに生じる配線インダクタンス(Zuleitungsinduktivitat)を改善することができ、他方では、電流定格を大きくすることができ、電流をこの接触層から、少なくともいくつかの実施形態で設けられている、セラミック基体内の内部電極に均等に分散することができる。
【0010】
他のもう1つの実施形態によれば、これらの接触ピンは導電性のピンである。好ましくは、これらの接触ピンは金属を含み、あるいは金属から作製されている。これらの接触ピンのそれぞれは、たとえば長尺のピン形状体あるいは棒形状体(stabformigen Korper)となっている。このピン形状体(stiftformigen Korper)の長手方向の断面は、丸くなっていてよく、たとえば円形であっても、あるいはたとえば四角形のような多角形状であってもよい。他のもう1つの実施形態によれば、機能素子の第1の接触層は、柵状接触電極の少なくとも1つの接触ピンと電気的に接触した状態となっている。好ましくは、この機能素子の第2の接触層は、第2の柵状接触電極の少なくとも1つの接触ピンと電気的に接触した状態となっている。これらの柵状接触電極の接触ピンは、とりわけ機能素子と接触するのに適している。機能素子はこれらの柵状接触電極の間に、とりわけこの機能素子の第1の電気的接触層が第1の柵状接触電極に対向し、この機能素子の第2の電気的接触層が第2の柵状接触電極に対向するように配設されている。これらの柵状接触電極の接触ピンは、それぞれに対向したこの機能素子の電気的接触層に直接接触している。さらに、また少なくとも1つ以上の中間層が、接触ピンとそれぞれに対向する機能素子の電気的接触層との間に設けられてよい。
【0011】
他のもう1つの実施形態によれば、電子デバイスの製造方法において、セラミック基体を有する機能素子は、2つの対向する側面に第1および第2の電気的接触層が取付けられている、セラミック基体を有する機能素子が準備され、続く処理工程において、第1および第2の柵状接触電極の間に、それぞれの柵状接触電極がそれぞれ機能素子の接触層と電気的接触状態となるように配設される。
【0012】
以下で記載される特徴および実施形態は、電子デバイスおよびこの製造方法について同様に適用される。
【0013】
他のもう1つの実施形態によれば、この電子デバイスは機能素子および柵状接触電極を覆って配設されるキャップ(Kappe)を備える。このキャップは、たとえば直方体形状の外形を備えてよく、この直方体の1つの側面は開放されている。この開放された側面は、以下ではキャップの開口部とも称する。好ましくは、このキャップは電気的に絶縁性の材質であり、たとえばプラスチック材質である。
【0014】
他のもう1つの実施形態によれば、機能素子および柵状接触電極を覆って配設されるキャップは、2つの柵状接触電極に直接接触している。他のもう1つの実施形態によれば、このキャップはこれら2つの柵状接触電極と機械的に直接接触している。このようにして、機能素子の柵状接触電極への電気的接触は、キャップと組み合わせて行われる。
【0015】
ここに記載する構造により、電子デバイスが、たとえばヒートショックの結果、熱的に生じる機械的応力によって損傷されないという利点が得られる。
【0016】
他のもう1つの実施形態によれば、この機能素子は、第1および第2の柵状接触電極の間にキャップによってクランプされる。このキャップを用いたクランプによって、柵状接触電極および機能素子の機械的接触が達成されてよい。したがって、このキャップは以下ではクランプキャップ(Klemmkappe)とも称する。
【0017】
他のもう1つの実施形態によれば、それぞれの柵状接触電極は、接触ピンが固定される支持バー(Tragerleiste)を備える。支持バーは、たとえば長尺の直方体であってよい。さらに、これらの支持バーは金属および/またはプラスチックを含んでよい。接触ピンは、好ましくはそれぞれの支持バーを貫通し、これらの接触ピンが支持バーの2つの対向する面に突立し、これら2つの面でこの支持バーから突出するように取付けられている。さらに、これらの接触ピンは、好ましくはそれぞれの支持バーに等間隔に配設されている。これにより、これらの支持バーおよび接触ピンを備える柵状接触電極は、柵状の外形を備える。
【0018】
他のもう1つの実施形態によれば、キャップは、機能素子および柵状接触電極の支持バーを覆っている。この際、これらの接触ピンは、少なくとも部分的にキャップに覆われた空間、とりわけキャップの開口部から突出している。
【0019】
他のもう1つの実施形態によれば、このキャップは、2つの対向する内面にテーパー状の部分を備える。これらのテーパー状の部分は、好ましくは2つの対向する内面に沿って延在し、たとえばキャップがこれらの内面に開口部に接する部分でこの開口部から離れた部分より薄い壁部を有するような形態となるようにされてよい。好ましくは、支持バーはこのテーパー状の部分に配設される。このキャップのテーパー状の部分を用いて、機能素子および接触ピンを極めて効率よくクランプすることができる。キャップを用いて、とりわけ接触ピンの接触層へのクランプを行うことができる。接触ピンは機械的にプリストレス(vorgespannt)が与えられバネのように機能してよい。これにより、たとえば発生する軸方向の長さ変化を吸収することができる。この軸方向の長さ変化は、たとえばデバイスにおける温度の変化によって生じる。さらに、柵状接触電極への垂直方向の荷重が、デバイスへの剪断応力あるいは曲げ荷重となることがないという利点がある。
【0020】
他のもう1つの実施形態によれば、このデバイスは、第1および第2の柵状接触電極の間に配設された複数の機能素子を備える。この際、異なる機能素子が同時に実装されてよい。また、個々の機能素子がその構造および/または機能に関して互いに異なるようにすることもできる。
【0021】
他のもう1つの実施形態によれば、少なくとも2つの機能素子が隣接して、第1および第2の柵状接触電極に沿って配設される。このような構造においては、これらの隣接して柵状接触電極に沿って配設された機能素子は、両方とも第1および第2の柵状接触電極を用いて接触されている。
【0022】
他のもう1つの実施形態によれば、少なくとも2つの機能素子が互いに重なって接触ピンに沿って配設される。この際、好ましくは、これらの接触ピンは、互いに重なって配設された機能素子すべてに接触できるようにされている。たとえば、これらの接触ピンは、2つの互いに重なって設置された機能素子に接触できるような長さを備えてよい。
【0023】
他のもう1つの実施形態によれば、少なくとも1つの機能素子は、正確に第1の柵状接触電極の接触ピンと第2の柵状接触電極の接触ピンとを接触させる。電子デバイスの全ての機能素子がそれぞれ正確に、第1の柵状接触電極の接触ピンと第2の柵状接触電極の接触ピンによって接触されることも可能である。
【0024】
他のもう1つの実施形態によれば、少なくとも他のもう1つの機能素子および第3の柵状接触電極が設けられている。好ましくは、この他のもう1つの機能素子は第2および第3の柵状接触電極の間に配設されている。第2の柵状接触電極の接触ピンは、第1および第2の柵状接触電極の間に配設された機能素子にも、また第2および第3の柵状接触電極の間に配設された機能素子にも直接電気的に接触した状態とすることができる。
【0025】
他のもう1つの実施形態によれば、電子デバイスの全ての機能素子はコンデンサ素子として、上述のように実装される。電子デバイスへの要求条件に合わせて、この電子デバイスに設けられる機能素子の数は調整されてよい。このように、このデバイスは、たとえば、大容量のコンデンサが必要な場合は、複数のコンデンサ素子を備える。
【0026】
他のもう1つの実施形態によれば、少なくとも1つの機能素子は、バリスタ素子として実装される。たとえば、電子デバイスはコンデンサ素子として実装された複数の機能素子と1つの組み込まれた低インダクタンスのバリスタ素子とを備える。
【0027】
他のもう1つの実施形態によれば、少なくとも1つの機能素子および柵状接触電極の接触ピン、あるいは複数の機能素子の場合は、1平面に配設された全ての機能素子および柵状接触電極の接触ピンが一緒に1つの薄膜または薄膜テープで包み込まれている。これにより、上述の1平面に設けられた少なくとも1つ以上の機能素子および接触素子を容易に結合することができる。薄膜あるいは薄膜テープにより、上述のキャップについて説明したようなクランプ作用(Klemmwirkung)を得ることができる。
【0028】
本発明の電子デバイスの実施形態は、とりわけ低コストの構造、高信頼性の動作特性および非常に大きな電流定格(Strombelastbarkeit)を特徴としている。
さらに、本発明のデバイスは、少なくともいくつかの実施形態では、非常に小さなインダクタンスの接続とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明のデバイスのさらなる有利点および有利な実施形態を、図1a〜7bに記載した実施形態を参照して、以下に示す。
図1図1aおよび1bは、1つの実施例による電子デバイスの製造方法を示す。
図2図2a〜2cは、他のもう1つの実施例による柵状接触電極を異なる方向から見た図である。
図3図3a〜3cは、他のもう1つの実施例による電子デバイスの製造方法を示す。
図4図4a〜4cは、他のもう1つの実施例によるキャップを異なる方向から見た図である。
図5図5a〜5cは、他のもう1つの実施例による電子デバイスを示す。
図6図6a、6bは、それぞれ他のもう1つの実施例による電子デバイスを示す。
図7図7a、7bは、それぞれ他のもう1つの実施例による電子デバイスを示す。
【0030】
これらの実施例および図では、同等もしくは同等の機能の部分はそれぞれ同じ参照番号が付けられている。図示された要素およびこれらの大きさの関係はそれぞれ、正確な寸法を示すものでなく、むしろたとえば層、部品および領域などの個々の要素をより見易くするため、および/またはより理解し易くするために誇張した厚さまたは大きさの寸法で示してある。
【0031】
図1aおよび1bには、電子デバイスの製造方法の一実施例が示されている。
【0032】
第1の製造ステップでは、図1aに示すように、ここでは1つの機能素子が準備され、この機能素子は、矢印90で示す次の製造ステップで、第1および第2の柵状接触電極41,42の間に配設される。
【0033】
機能素子101は、直方体形状のセラミック基体11を備える。ここに示す実施例でのセラミック基体はコンデンサ素子として実装されており、鉛−ジルコン酸塩−チタン酸塩からなるセラミックを備えている。代替として、この機能素子101は、他のセラミック材質であってよく、あるいはたとえばバリスタ素子またはサーミスタ素子として実装されてよく、これに対応するような適合したセラミック材質からなるセラミック基体を備えてよい。
【0034】
このセラミック基体11のセラミック材質は複数のセラミック層を備え、これらのセラミック層の間に第1および第2の電極層が配設されている(不図示)。
【0035】
このセラミック基体11は、さらに、第1の電気的接触層31が取り付けられている側面21を備える。さらに、このセラミック基体11は、側面21に対向する、第2の電気的接触層32が取り付けられている側面22を備える。この第1および第2の接触層31,32は、それぞれセラミック基体11の内部にある第1および第2の電極層と結合されており、これらの電極層の接触部として機能する。
【0036】
第1および第2の柵状接触電極41,42は、それぞれ1つの支持バー451,452を備える。さらに、これら第1および第2の柵状接触電極41,42は、それぞれ複数の接触ピン411,421を備え、これらの接触ピンは支持バー451,452に固定されており、これらの接触ピン411,421はそれぞれの支持バー451,452に貫入(durchragen)している。柵状接触電極41,42は、ここに示す実施例では、同じように実装されている。代替として、これらの柵状接触電極41,42は、たとえば各々の接触ピン411,412の長さおよび/または数に関して互いに異なっていてもよい。
【0037】
図2a〜2cには、例として、これらの接触ピン41の正面図、側面図および上面図が示されている。これらの接触ピン411は、導電性で棒状のピンとして実装されており、これらはそれぞれ支持バー451の2つの面から突出している。ここの示す実施例では、柵状接触電極41の互いに隣接した接触ピン411は、互いに等間隔で離間している。
代替として、これらの互いに隣接した接触ピン411,412は、互いに異なる間隔を有していてもよい。
【0038】
接触ピン41,42の間に機能素子101を設置すると、図1bに示すような電子デバイス100が作製される。第1の柵状接触電極41の第1の接触層31および第2の接触層42の第2の接触層32は対向しており、これらの2つの接触層31,32は、それぞれの柵状接触電極41,42と電気的な接触が成されている。この際、実施例に示されているように、接触層31,32およびそれぞれの接触短ピン(Kontaktstab)411,421の間で直接に圧接接触(Presskontakt)されてよい。代替として、1つ以上の導電性の中間層を機能素子101と柵状接触電極41,42の間に配置することも可能である。
さらに、機能素子101および柵状接触電極41,42の接触ピン411,421を薄膜または薄膜テープで包み(不図示)、これらの柵状接触電極41,42および機能素子を互いに固定するようにしてよい。
【0039】
図3a〜3cには、他のもう1つの電子デバイス200の製造方法である、他のもう1つの実施例が示されている。
【0040】
ここでの1つの製造工程では、図1aおよび1bで説明したように機能素子101は2つの柵状接触電極41,42の間に配設されている。
【0041】
図3aに示されているように、さらにキャップ50が準備され、このキャップは矢印91で示す次の製造ステップで、機能素子101および柵状接触電極41,42を覆って配設される。これにより、この機能素子101が、キャップ50によって、第1および第2の柵状接触電極41,42の間にクランプされるという利点が得られる。このクランプによって、柵状接触電極41,42および機能素子101の間の良好な機械的および電気的接触を同時に行うことができる。
【0042】
図3bには、このようにして作製された、キャップ50が上に取り付けられた電子デバイス200が示されている。ここで、接触ピン411,421は、キャップ50の開放された側から少なくとも部分的に突出していることが分かる。このような構成により、デバイス100および/または機能素子101に作用する、軸方向に生じる力は、セラミック基体11への圧力のみとなる。接線方向、垂直方向の力および引っ張り力は発生しないので有利である。曲げ力は、接触ピン411,421から、軸方向の力のみのように作用する。
【0043】
図4a〜4cには、キャップ50が異なる方向から見た図で示されており、これらは、下から見た図、すなわちキャップ50の開口部から見た図、図4aにA−Aで示す断面、および側面図である。キャップ50は、2つの対向する内面501,502にテーパー状の部分511,512を有し、これらはキャップの開口部に接し、キャップはこれらの部分で薄肉の壁部をテーパー状の部分に接する部分として有している。
【0044】
図3cは、図3bに示す電子デバイス200の側面図を示す。ここで柵状接触電極41,42の支持バー451,452が、キャップ50の内面501,502のテーパー状の部分511,512に配置されていることが分かる。このテーパー状の部分511,512を用いて、接触ピン411,421を接触層31,32へのクランプが行われる。これらの接触ピン411,421は、とりわけ機械的にプリストレスが与えられてよい。これにより、たとえば温度変化によって生じ得る軸方向の長さ変化を吸収することができる。柵状接触電極への垂直方向の荷重は、機能素子101および/またはデバイス200への剪断張力あるいは曲げ荷重にはならない。
【0045】
図5a,5bには、電子デバイス300の製造方法の実施例が示されている。ここでは、デバイス200は、図1aおよび1bに示す方法と比較して、複数の機能素子101を備え、これらは互いに隣接して第1および第2の柵状接触電極41,42に沿って配設されている。
【0046】
ここで矢印92で示す1つの製造ステップにおいて、互いに隣接して並べられている個々の機能素子101は、準備された2つの柵状接触電極41,42の間に配設されている。ここに示す実施例では、機能素子101の各々は、それぞれ第1の柵状接触電極41の1つの接触ピン411および第2の柵状接触電極42の1つの接触ピン421によって接触されている。代替として、1つ以上の機能素子101は、第1および/または第2の柵状接触電極41,42の複数の接触ピン411,421によって接触されてもよい。
【0047】
図5cには、電子デバイス400の実施例が示されている。ここでは、図5bの電子デバイス300と異なり、バリスタ素子として実装される少なくとも1つの機能素子102が設けられている。他の全ての機能素子101は、上述の実施例でのように、コンデンサ素子として実装されている。代替として、電子デバイス400の2つ以上の機能素子をバリスタ素子として実装することもできる。
【0048】
図5bおよび5cに示す電子デバイス300および400は、図1bを参照して説明したように、さらに巻き付けられた薄膜を備えてもよく、および/または図3a〜4cを参照して示したようにキャップを備えてもよい。
【0049】
図6a〜7bには、電子デバイスのさらに他の実施例が示されており、これらはそれぞれ互いに隣接してライン状におよび/または互いに重なって配設された複数の機能素子を備える。上述の実施例による製造方法は、以下に説明する実施例の製造にも適宜拡張して用いることができる。さらに、図6a〜7bに示すこれらの電子デバイスは、図1bを参照して説明したように、巻き付けられた薄膜を備えてもよく、および/または、図3a〜4cを参照して示したように、キャップを備えてもよく、これらは複数の機能素子および柵状接触電極を互いに固定し、たとえば圧接接触(Klemmkontaktierung)を可能とする。
【0050】
図6aは、さらなる柵状接触電極を備えた電子デバイス500を示す。ここでは、柵状接触電極41,42,43の間にライン状にそれぞれ機能素子101が配設されている。
【0051】
図6bは、複数の柵状接触電極41,42,43および複数の機能素子101を備えた電子デバイス600を示す。ここでは、複数の機能素子101は、柵状接触電極41,42,43に沿うと共に、柵状接触電極41,42,43のそれぞれの2つの柵状接触電極の間にライン状に配設されている。とりわけここに示す実施例では、それぞれの機能素子101は、2つの異なる柵状接触電極41,42,43の2つの接触ピン411,421によって正確に接触されている。
【0052】
図7aには、他のもう1つの実施例である電子デバイス700が示されている。このデバイス700は、複数の機能素子101を備え、これらはそれぞれ2つの機能素子101が互いに重なって柵状接触電極41,42,43の接触ピン411,421,431に沿って配設されている。これらの接触ピン411,421,431は、上述の実施例と比較して長く実装されており、全ての互いに重なって配設された機能素子101が接触され得るようになっている。ここに示した実施例の代替として、2つ以上の機能素子101が互いに重なって配設されてもよい。
【0053】
図7bは、他のもう1つの実施例による電子デバイス800を示す。ここでは、上述の実施例と比較して、複数の機能素子101が同様に柵状接触電極41,42,43に沿って配設されている。
【0054】
以上に示した実施例は、公知の電子デバイスと比較して、とりわけ低コストの構造および高い電流定格となっている。さらに、本発明の電子デバイスは、とりわけ柵状接触電極および/または接触ピンを交互に配線することにより、極めて低インダクタンスの接続を可能とする。
【0055】
本発明は、これらの実施形態例を参照した記載によって、これらに限定されず、あらゆる新たな特徴およびこれらの特徴のあらゆる組み合わせを包含するものである。
これはとりわけ請求項における特徴のあらゆる組み合わせを含んでいる。また、特徴またはこれらの組み合わせ自体が請求項または実施例に顕わに示されていない場合も含んでいる。
【符号の説明】
【0056】
101、102 : 機能素子
11 : セラミック基体
21,22 : 側面
31 : 第1の電気的接触層
32 : 第2の電気的接触層
41 : 第1の柵状接触電極
42 : 第2の柵状接触電極
43 : 第3の柵状接触電極
411,421,431 : 接触ピン
451、452 : 支持バー
50 : キャップ
501,502 : 内面
511,512 : テーパー状の部分
90,91,92 : 矢印
100,200,300,400: 電子デバイス
500,600,700,800: 電子デバイス
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図7a
図7b