特許第5844922号(P5844922)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5844922マッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5844922
(24)【登録日】2015年11月27日
(45)【発行日】2016年1月20日
(54)【発明の名称】マッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20151224BHJP
【FI】
   A61H7/00 323L
   A61H7/00 323C
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-559085(P2014-559085)
(86)(22)【出願日】2013年7月30日
(65)【公表番号】特表2015-508688(P2015-508688A)
(43)【公表日】2015年3月23日
(86)【国際出願番号】CN2013080378
(87)【国際公開番号】WO2014026539
(87)【国際公開日】20140220
【審査請求日】2014年8月27日
(31)【優先権主張番号】201220401750.6
(32)【優先日】2012年8月13日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515249754
【氏名又は名称】廈門凱浦瑞電子科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】林新▲強▼
【審査官】 今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−159546(JP,A)
【文献】 特開平06−190012(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能なフレーム(30)、マッサージ機構(40)、および、マッサージ力感応駆動機構(50)を備え、
前記マッサージ機構(40)、および、前記マッサージ力感応駆動機構(50)は、移動可能な前記フレーム(30)に設けられており、
前記マッサージ機構(40)は左右二つの挟板(1)を有し、
左右二つの前記挟板(1)は回転可能に移動可能な前記フレーム(30)に設けられており、
左右二つの前記挟板(1)の一端には弧形歯部(3)がそれぞれ設置されており、
移動可能な前記フレーム(30)には軸受支持フレーム(22)が二つ設けられており、二つの前記軸受支持フレーム(22)には軸受座(23)がそれぞれ設けられており、二つの前記軸受座(23)には軸受(24)がそれぞれ設けられており、二つの前記軸受(24)には回転軸(25)が設置されており、
前記回転軸(25)には二つの歯車(26)が設置されており、
二つの前記歯車(26)は、それぞれ、左右二つの前記挟板(1)の前記弧形歯部(3)と噛み合うことを特徴とするマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置。
【請求項2】
前記マッサージ力感応駆動機構(50)は、大径プーリー(27)、プーリー(29)、モーター(31)、および、マッサージ力感応駆動器(28)を有し、
前記モーター(31)はベルトを経由して前記プーリー(29)に接続されており、
前記プーリー(29)は、前記マッサージ力感応駆動器(28)に接続されており、
前記マッサージ力感応駆動器(28)は、ベルトにより、前記大径プーリー(27)に接続されており、
前記大径プーリー(27)は、前記回転軸(25)に接続されている請求項に記載のマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置。
【請求項3】
前記マッサージ力感応駆動器(28)は、軸受座(281)、軸受(283)、軸(284)、駆動羽根車(285)、従動羽根車(286)、従動羽根車蓋(287)、およびプーリー(289)を有し、
前記軸受座(281)は、二つ有し、移動可能な前記フレーム(30)に設けられており、それぞれに前記軸受(283)が設けられており、
前記軸(284)は、二つの前記軸受(283)に設置されており、一端が前記プーリー(29)に接続されており、
前記駆動羽根車(285)、前記従動羽根車(286)、および前記従動羽根車蓋(287)は、前記軸(284)に設けられており、前記従動羽根車(286)と前記従動羽根車蓋(287)とが互いに結合することで密閉空間を形成し、前記密閉空間に液体が設置されており、
前記駆動羽根車(285)は前記密閉空間内の前記軸(284)に設けられており、
前記従動羽根車(286)は外側の端部に前記プーリー(289)が設けられており、
前記プーリー(289)はベルトを経由して前記大径プーリー(27)に接続されていることを特徴とする請求項に記載のマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置。
【請求項4】
前記マッサージ力感応駆動器(28)はシーリング材(288)をさらに有することを特徴とする請求項に記載のマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置。
【請求項5】
左右二つの前記挟板(1)は下端に孔が形成されており、
移動可能な前記フレーム(30)には二つの固定座板(20)が設けられており、
前記固定座板(20)には、左右二つの前記挟板(1)の下端に形成されている孔と対応する孔が形成されており、
左右二つの前記挟板(1)および前記固定座板(20)に形成されている孔に位置決め軸(21)が貫設されていることで、左右二つの前記挟板(1)が移動可能な前記フレーム(30)に固定されていることを特徴とする請求項に記載のマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置。
【請求項6】
前記マッサージ機構(40)は、連結棒(2)、揉捏部、およびたたき部をさらに有し、
前記連結棒(2)は左右二つの前記挟板(1)の間に設けられていることを特徴とする請求項に記載のマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置。
【請求項7】
揉捏部は、左右二つの前記挟板(1)の間に設けられており、揉捏軸(4)、偏心輪(5)、左右二つのマッサージアーム(6)、マッサージ部(7)、プーリー(17)、およびモーター(18)を有し、
前記揉捏軸(4)は左右二つの前記挟板(1)の間に固設されており、
前記偏心輪(5)は、二つであり、前記揉捏軸(4)に設けられており、
二つの前記マッサージアーム(6)は、それぞれが二つの前記偏心輪(5)に設けられており、
前記マッサージ部(7)は前記マッサージアーム(6)に回転可能に設けられており、
前記揉捏軸(4)は、一端にウォームホイール(15)が設けられており、前記ウォームホイール(15)にウォーム軸(16)が設けられており、
前記プーリー(17)は、前記ウォーム軸(16)に設けられており、ベルトを経由して前記モーター(18)に接続されていることを特徴とする請求項に記載のマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置。
【請求項8】
前記たたき部は、左右二つの前記挟板(1)の間に設けられており、たたき軸(8)、偏心ブッシュ(9)、たたき軸受座(10)、球頭棒(11)、プーリー(12)、およびモーター(13)を有し、
前記たたき軸(8)は左右二つの前記挟板(1)の間に回転可能に設けられており、
前記偏心ブッシュ(9)は、二つであり、前記たたき軸(8)に設けられており、
前記たたき軸受座(10)は、二つであり、二つの前記偏心ブッシュ(9)にそれぞれ設けられており、
前記球頭棒(11)は、二つであり、二つの前記たたき軸受座(10)にそれぞれ接続されており、
前記プーリー(12)は、前記たたき軸(8)の一端に設けられており、ベルトを経由して前記モーター(13)に接続されていることを特徴とする請求項7に記載のマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置。
【請求項9】
前記従動羽根車(286)と前記従動羽根車蓋(287)とが互いに結合することで形成されている前記密閉空間内の液体は油であることを特徴とする請求項8に記載のマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ装置に関し、特にマッサージの力の強さを感知且つマッサージの力の強さに順応可能な駆動機構(本発明ではこの機構を「マッサージ力感応駆動機構」という)を有するマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市販のマッサージチェアまたはマッサージ機能付ベットのようなマッサージ装置は、力強さおよび周波数を調節することができる。しかしながら、使用者は、マッサージ装置に設けられている調節ノブを、手動で調節する必要がある。また、調節手段の力加減は2〜3種類しかない。また、従来のマッサージ装置は、人体が装置に合わせてマッサージを行うので、使用時に使用者が堅いと感ずる。また、マッサージ部が伸縮可能なマッサージチェアの場合、手動または電動により前後の位置を変更するだけである。また、使用者の体形はそれぞれ異なる。しかしながら、従来のマッサージ装置の各種のマッサージ部は、行程が決められており、調節ノブを調整しないと、行程が変化しない。また、従来のマッサージ装置の力強さを調整する力加減の種類が比較的に少ない。そして、使用者の異なる体形に基づいて自動調整を行うことができない。よって、従来のマッサージ装置はすべての使用者に適応することができない。また、一人の使用者が使用する場合であっても、使用上の不便が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、マッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によるマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置は、移動可能なフレーム、マッサージ機構、および、マッサージ力感応駆動機構を備える。
マッサージ機構、および、マッサージ力感応駆動機構は、移動可能なフレームに設けられている。
マッサージ機構は、左右二つの挟板、連結棒、揉捏部、およびたたき部を有する。
【0005】
左右二つの挟板は回転可能に移動可能なフレームに設けられている。左右二つの挟板の間に連結棒が設けられている。左右二つの挟板の一端には弧形歯部がそれぞれ設置されている。
【0006】
揉捏部は、左右二つの挟板の間に設けられており、揉捏軸、偏心輪、左右二つのマッサージアーム、マッサージ部、プーリー、およびモーターを有する。揉捏軸は左右二つの挟板の間に固設されている。偏心輪は、二つであり、揉捏軸に設けられている。マッサージアームは、二つであり、二つの偏心輪にそれぞれ設けられている。マッサージ部はマッサージアームに回転可能に設けられている。揉捏軸は、一端にウォームホイールが設けられており、ウォームホイールにウォーム軸が設けられている。プーリーは、ウォーム軸に設けられており、ベルトを経由してモーターに接続されている
【0007】
たたき部は、左右二つの挟板の間に設けられており、たたき軸、偏心ブッシュ、たたき軸受座、球頭棒、プーリー、およびモーターを有する。たたき軸は左右二つの挟板の間に回転可能に設けられている。偏心ブッシュは、二つであり、たたき軸に設けられている。たたき軸受座は、二つであり、二つの偏心ブッシュにそれぞれ設けられている。球頭棒は、二つであり、二つのたたき軸受座にそれぞれ接続されている。プーリーは、たたき軸の一端に設けられており、ベルトを経由してモーターに接続されている。
【0008】
移動可能なフレームには軸受支持フレームが二つ設けられている。二つの軸受支持フレームには軸受座がそれぞれ設けられている。二つの軸受座には軸受がそれぞれ設けられている。二つの軸受には回転軸が設置されている。回転軸には二つの歯車が設置されている。二つの歯車は、それぞれ、左右二つの挟板の弧形歯部と互いに噛み合う。
【0009】
マッサージ力感応駆動機構は、大径プーリー、プーリー、モーター、および、マッサージ力感応駆動器を有する。モーターは、ベルトによりプーリーに接続されている。プーリーは、マッサージ力感応駆動器に接続されている。マッサージ力感応駆動器は、ベルトにより、大径プーリーに接続されている。大径プーリーは、回転軸に接続されている。
【0010】
マッサージ力感応駆動器は、軸受座、軸受、回転軸、駆動羽根車、従動羽根車、従動羽根車蓋、およびプーリーを有する。軸受座は、二つ有し、移動可能なフレームに設けられており、それぞれ軸受が設けられている。回転軸は、二つの軸受に設置されており、一端がプーリーに接続されている。駆動羽根車、従動羽根車、および従動羽根車蓋は、回転軸に設けられており、従動羽根車と従動羽根車蓋とが互いに結合することで密閉空間を形成し、密閉空間に液体が設置されている。駆動羽根車は密閉空間内の回転軸に設けられている。従動羽根車は外側の端部にプーリーが設けられている。プーリーはベルトを経由して大径プーリーに接続されている。
【0011】
本発明のマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置は以下の方式で作動する。モーターが作動しプーリーを回転させ、プーリーが軸を回転させることで駆動羽根車を回転させる。駆動羽根車が回転することで生じる遠心力は密閉空間内の液体を流動させる。液体の流動方向は駆動羽根車の回転方向と相同する。液体が流動することで、従動羽根車を回転させ、プーリーを回転させる。プーリーはベルトを経由して大径プーリーを回転させる。大径プーリーが回転軸に接続されているため、大径プーリーが回転することで回転軸を回転させる。よって、回転軸に設けられている歯車により左右二つの挟板を動かし、左右方向に揉捏、たたく、または前後方向に推拿を行うマッサージシステムを形成する。
【0012】
本発明のマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置は以下の作動原理を有する。揉捏部およびたたき部はいずれも左右二つの挟板に設置されているため、揉捏部およびたたき部の作動行程は左右二つの挟板の作動行程によって制御される。左右二つの挟板1の作動行程はマッサージ力感応駆動器により制御される。マッサージ力感応駆動器が作動する時、マッサージ部は制限位置まで前方向に移動する。モーターの回転速度を変えることで、マッサージ部が前方向に移動する時に発生する力の強さ(以下「前伸力」という)を変えることができる。前伸力は、マッサージ部が人体を接触し人体に与える力の強さに相当する。前伸力が設定されると(使用者が調節ノブを操作することで、前伸力が設定される)、使用中において、負荷が前伸力より小さいとき、モーターは、正方向に回転し、駆動羽根車を駆動し、駆動羽根車を正方向に回転させ、従動羽根車を正方向に回転させることで、左右二つの挟板を動かす。左右二つの挟板はマッサージ部が前方向に移動するようマッサージ部を動かす。負荷が前伸力と同じであるとき、従動羽根車の回転が停止し、マッサージ部の前方向への移動が停止する。使用者の体形が変化したとき、例えば人体の背部曲線が変化した時、負荷は前伸力より大きくなる可能性がある。負荷が前伸力より大きいとき、負荷は従動羽根車を逆方向に回転させる。よって、マッサージ部は、負荷と前伸力とが同じとなるまで、後方向に移動する。
【0013】
本発明のマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置は、マッサージチェアまたはマッサージ機能付ベットに適用され、マッサージの力の強さを感知することができ、設定された力の強さの範囲内において、使用者の異なる体形に基づいて、自動かつ随時にマッサージの力の強さを調整することができる。マッサージ中において、人体の背部の高低不平および曲線変化に適応することができる。様々な体形の異なる人に対して、推拿、揉捏、たたき、指圧のマッサージを行い、マッサージの力の強さを任意に設定することができる。本装置は、使用者が背部をマッサージチェアの背もたれに付ける、または、使用者の背部がマッサージチェアの背もたれにもたれることで、人体が背もたれに支持されると、使用者が設定されたマッサージプログラムおよびマッサージの力の強さに応じて使用者の背部に対してマッサージを行う。そして、マッサージの力の強さが調節可能である。これにより、機械が人体の体形に応じてマッサージを行う心地よい効果が得られる。よって、従来のマッサージ部が人体を支持することでマッサージを行う硬く且つ痛いイメージを変えた。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例によるマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置の構造を示す模式図である。
図2】本発明の実施例によるマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置を別の角度で示す模式図である。
図3】本発明の実施例によるマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置のマッサージ力感応駆動器を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。しかしながら、本発明を限定しない。
【0016】
図1、2、3に示すように、本発明のマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置は、移動可能なフレーム30、マッサージ機構40、および、マッサージ力感応駆動機構50を備える。
【0017】
図1、2に示すように、移動可能なフレーム30は四つの辺を有する枠状であり、マッサージ機構40およびマッサージ力感応駆動機構50は移動可能なフレーム30に設けられている。
マッサージ機構40は、左右二つの挟板1、連結棒2、揉捏部、およびたたき部を有する。
【0018】
左右二つの挟板1の下端は回転可能に移動可能なフレーム30の一つの枠辺に設けられている。左右二つの挟板1の下端には孔が形成されている。移動可能なフレーム30には二つの固定座板20が設けられている。固定座板20には、左右二つの挟板1の下端に形成されている孔と対応する孔が形成されている。左右二つの挟板1および固定座板20に形成されている孔に位置決め軸21が貫設されていることで、左右二つの挟板1が移動可能なフレーム30に固定されている。
左右二つの挟板1の間には連結棒2が設けられている。連結棒2は左右二つの挟板1を固定するのに用いられる。
左右二つの挟板1の一端には弧形歯部3がそれぞれ設けられている。弧形歯部3と挟板1とは一体に形成されている。
【0019】
揉捏部は、左右二つの挟板1の間に設けられており、揉捏軸4、偏心輪5、左右二つのマッサージアーム6、マッサージ部7、プーリー17、およびモーター18を有する。揉捏軸4は左右二つの挟板1の間に固設されている。揉捏軸4には二つの偏心輪5が設けられている。二つの偏心輪5にはそれぞれマッサージアーム6が設けられている。マッサージアーム6にはマッサージ部7が回転可能に設けられている。本実施例ではマッサージ部7はローラである。揉捏軸4は、一端にウォームホイール15が設けられている。ウォームホイール15にはウォーム軸16が設けられている。ウォーム軸16にはプーリー17が設けられている。プーリー17はベルトを経由してモーター18に接続されている。モーター18は、作動するとき、ウォームホイール15、ウォーム軸16を経由して揉捏軸4を回転させ、マッサージ部7を動かす。
【0020】
たたき部は、左右二つの挟板1の間に設けられており、たたき軸8、偏心ブッシュ9、たたき軸受座10、球頭棒11、プーリー12、およびモーター13を有する。たたき軸8は左右二つの挟板1の間に回転可能に設けられている。たたき軸8には二つの偏心ブッシュ9が設けられている。二つの偏心ブッシュ9はそれぞれにたたき軸受座10が設けられている。二つのたたき軸受座10はそれぞれに球頭棒11が接続されている。二つの球頭棒11の球状端部はそれぞれがマッサージアーム6に接続されている。たたき軸8は一端にプーリー12が設けられており、プーリー12はベルトを経由してモーター13に接続されている。モーター13は、作動するとき、プーリー12を経由してたたき軸8を回転させ、たたき軸8に設けられている球頭棒11を動かす。
【0021】
図1、2に示すように、マッサージ力感応駆動機構50は、移動可能なフレーム30に設けられている。移動可能なフレーム30は一方の枠辺に軸受支持フレーム22が二つ設けられている。二つの軸受支持フレーム22はそれぞれに軸受座23が設けられている。二つの軸受座23はそれぞれに軸受24がそれぞれ設けられている。回転軸25は二つの軸受24に設置されている。軸受24には二つの歯車26が設置されている。二つの歯車26は、それぞれ、左右二つの挟板1の弧形歯部3と噛み合う。
【0022】
マッサージ力感応駆動機構50は、大径プーリー27、プーリー29、モーター31、および、マッサージ力感応駆動器28を有する。モーター31は、ベルトによりプーリー29に接続されている。プーリー29は、マッサージ力感応駆動器28に接続されている。マッサージ力感応駆動器28はベルトを経由して大径プーリー27に接続されている。大径プーリー27は、回転軸25に接続されている。
【0023】
図3に示すように、マッサージ力感応駆動器28は、軸受座281、軸受283、軸284、駆動羽根車285、従動羽根車286、従動羽根車蓋287、シーリング材288、およびプーリー289を有する。二つの軸受座281は、移動可能なフレーム30に設けられており、それぞれに軸受283が設けられている。軸284は、二つの軸受283に設置されており、一端がプーリー29に接続されている。駆動羽根車285、従動羽根車286、および従動羽根車蓋287は、軸284に設けられている。従動羽根車286と従動羽根車蓋287とが互いに結合することで密閉空間を形成し、密閉空間に液体が設置されている。本実施形態では前記液体は油であるが、前記液体は他の液体であってもよい。例えば水を用いることができる。駆動羽根車285は密閉空間内の軸284に設けられている。従動羽根車286は外側の端部にプーリー289が設けられている。プーリー289はベルトを経由して大径プーリー27に接続されている。
【0024】
本発明のマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置は以下の方式で作動する。モーター31が作動しプーリー29を回転させ、プーリー29が軸284を回転させることで駆動羽根車285を回転させる。駆動羽根車285が回転することで生じる遠心力は密閉空間内の液体を流動させる。液体の流動方向は駆動羽根車285の回転方向と相同する。液体が流動することで、従動羽根車286を回転させ、プーリー289を回転させる。プーリー289はベルトを経由して大径プーリー27を回転させる。大径プーリー27が回転軸25に接続されているため、大径プーリー27が回転することで回転軸25を回転させる。よって、回転軸25に設けられている歯車26により左右二つの挟板1を動かし、左右方向に揉捏、たたく、または前後方向に推拿を行うマッサージシステムを形成する。
本発明のマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置は以下の作動原理を有する。
【0025】
揉捏部およびたたき部はいずれも左右二つの挟板1に設置されているため、揉捏部およびたたき部の作動行程は左右二つの挟板1の作動行程によって制御される。左右二つの挟板1の作動行程はマッサージ力感応駆動器28により制御される。マッサージ部を例とすると、マッサージ力感応駆動器28が作動する時、マッサージ部7は制限位置まで前方向に移動する。モーターの回転速度を変えることで、マッサージ部7が前方向に移動する時に発生する力の強さ(以下「前伸力」という)を変えることができる。前伸力は、マッサージ部が人体を接触し人体に与える力の強さに相当する。前伸力はモーターの回転速度に関係している。回転速度が速くなると前伸力が大きくなり、回転速度が遅くなると前伸力が小さくなる。前伸力は予め設定されている。通常二つのパラメタを設定する。一方は最も小さい前伸力に対応するモーターの最低回転速度であり、他方は最も大きい前伸力に対応するモーターの最高回転速度である。使用者は、使用中において、最低と最高(または、最小と最大)という二つのパラメタの範囲内で設定を任意に調節することができる(マッサージ装置に設けられている調節ノブを利用して制御する)。
【0026】
負荷は、マッサージ部7が人体に対してマッサージを行う時に受けた抗力である。負荷の大きさは使用者の体形によって異なる。前伸力が設定されると(使用者が調節ノブを操作することで、前伸力が設定される)、使用中において、負荷が前伸力より小さいとき、モーター31は、正方向に回転し、駆動羽根車285を駆動し、駆動羽根車285を正方向に回転させ、従動羽根車286を正方向に回転させることで、左右二つの挟板1を動かす。左右二つの挟板1はマッサージ部7が前方向に移動するようマッサージ部7を動かす。負荷が前伸力と同じであるとき、従動羽根車286の回転が停止し、マッサージ部7の前方向への移動が停止する。使用者の体形が変化したとき、例えば人体の背部曲線が変化した時、負荷は前伸力より大きくなる可能性がある。負荷が前伸力より大きいとき、負荷は従動羽根車286を逆方向に回転させる。よって、マッサージ部7は、負荷と前伸力とが同じとなるまで、後方向に移動する。
【0027】
本発明のマッサージ力感応駆動機構を有するマッサージ装置は、マッサージチェアまたはマッサージ機能付ベットに適用され、マッサージの力の強さを感知することができ、設定された力の強さの範囲内において、使用者の異なる体形に基づいて、自動かつ随時にマッサージの力の強さを調整することができる。マッサージ中において、人体の背部の高低不平および曲線変化に適応することができる。様々な体形の異なる人に対して、推拿、揉捏、たたき、指圧のマッサージを行い、マッサージの力の強さを任意に設定することができる。本装置は、使用者が背部をマッサージチェアの背もたれに付ける、または、使用者の背部がマッサージチェアの背もたれにもたれることで、人体が背もたれに支持されると、使用者が設定されたマッサージプログラムおよびマッサージの力の強さに応じて使用者の背部に対してマッサージを行う。そして、マッサージの力の強さが調節可能である。これにより、機械が人体の体形に応じてマッサージを行う心地よい効果が得られる。よって、従来のマッサージ部が人体を支持することでマッサージを行う硬く且つ痛いイメージを変えた。
【0028】
上述したのは、本発明の好ましい実施形態であり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。本発明は、上述の各種部材の構成について材料および構造上の改良、または、技術的に同じである物で置換を行うことができる。本発明の明細書および図面を利用する同じ効果を有する構造変化を、直接または間接に他の関連技術領域に応用するものはいずれも本発明が含む範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
1 挟板
2 連結棒
3 弧形歯部
4 揉捏軸
5 偏心輪
6 マッサージアーム
7 マッサージ部
8 軸
9 偏心ブッシュ
10 軸受座
11 球頭棒
12 プーリー
13 モーター
15 ウォームホイール
16 ウォーム軸
17 プーリー
18 モーター
20 固定座板
21 軸
22 軸受支持フレーム
23 軸受座
24 軸受
25 回転軸
26 歯車
27 大径プーリー
28 マッサージ力感応駆動器
29 プーリー
30 フレーム
31 モーター
40 マッサージ機構
50 マッサージ力感応駆動機構
281 軸受座
283 軸受
284 軸
285 駆動羽根車
286 従動羽根車
287 従動羽根車蓋
288 シーリング材
289 プーリー
図1
図2
図3