(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5844927
(24)【登録日】2015年11月27日
(45)【発行日】2016年1月20日
(54)【発明の名称】ペット用トイレ
(51)【国際特許分類】
A01K 23/00 20060101AFI20151224BHJP
A01K 1/01 20060101ALI20151224BHJP
【FI】
A01K23/00 C
A01K1/01 Z
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-60117(P2015-60117)
(22)【出願日】2015年3月6日
【審査請求日】2015年3月6日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515078899
【氏名又は名称】大澤 さくら
(72)【発明者】
【氏名】大澤 さくら
【審査官】
門 良成
(56)【参考文献】
【文献】
実開平06−084843(JP,U)
【文献】
実開昭60−185466(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3023950(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0300367(US,A1)
【文献】
特開2014−143928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 23/00
A01K 1/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口を有する本体容器と横断面L字型の周壁2枚を備え、前記本体容器の前記前方入口部分を除く内側に前記L字型の周壁2枚を設置し、前記各周壁の底面で前記本体容器の底面に納められるペットシートを押さえ、前記各周壁は前記本体容器の前方入口に対向する位置において相互に、上端に及ぶ重なり部分を有し、前記重なり部分を設けることで前記各周壁は前記本体容器内で左右方向に移動可能に設置されたペット用トイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はペット用トイレに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来ペット用トイレは、本体部分と三方囲まれた周壁からなり、その周壁は犬が足を上げて放尿する際の飛び散り防止になり床面の汚れを防ぐことができ便利である。
【0003】
特許文献1に記載のペット用トイレは、本体容器の側面に尿受け壁部を備えており、更に後方尿受け壁部が側面より高く設定されている。後方壁部にペットシート取付け部材を備え、底面にはペットシートを取り付ける升目状の底板を備えたペット用トイレである。
【0004】
特許文献1に記載のペット用トイレは、ペットシートを押さえる上記升目状の底板が設置されており、ペットシートのずれを防止する効果があるが、上記升目状の底板の升目の中に放尿時の汚れが付着した際、掃除することが面倒であった。
【0005】
特許文献1に記載のペット用トイレは、上記尿受け壁部の三方の面が繋がっておりペットシートの交換の際に前方入口のロック解除部品を持ち上げ上記尿受け壁部を後方に傾けてペットシートを交換する必要があり、トイレ本体後方にスペースを必要とし家の壁に密着して設置する事ができなかった。
【0006】
特許文献1に記載のペット用トイレは、上記ペットシート取付け部材と上記升目状底板に余分な、コストがかかっている。
【0007】
本発明は上記課題を解消し得るペット用トイレを提供することに関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】 特開2014−143928
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のペット用トイレは、次のような欠点があった。
(イ) 従来のペット用トイレは、三方を囲う周壁1枚で構成されているか、本体と一体になっており、ペットシートを交換する際、前方入口のロック解除部品を上に持ち上げ上記尿受け壁部を後ろに傾ける必要があり、本体後方にスペースを作る必要があった。
(ロ) 従来のペット用トイレは、ペットシートのズレを防止するためペットシートを押さえる升目状の部品または、ペットシート周囲を押さえる部品を備える必要があった。
(ハ) 従来のペット用トイレは、シートを押さえるための部品(例えば升目状の部品)に汚れが付着した際の升目の中やその周辺部分の掃除が面倒であった。
(ニ) 従来のペット用トイレは、ペットシートを押さえる部品のコストがかかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上方に開口を有する
本体容器と横断面L字型の周壁2枚を備え、前記本体容器の前記前方入口部分を除く内側に前記L字型の周壁2枚を設置し、前記各周壁の底面で前記本体容器の底面に納められるペットシートを押さえ、前記各周壁は前記本体容器の前方入口に対向する位置において相互に、上端に及ぶ重なり部分を有し、前記重なり部分を設けることで前記各周壁は前記本体容器内で左右方向に移動可能に設置されたペット用トイレを提供するものである。
【0011】
本発明はL字型の周壁2枚の底面でシートを直接押さえる事ができ、ペットシートを押さえるための部品(例えば升目状の底板)が不要であるため部品の汚れがなく掃除の手間を抑える事ができる。三方の面がL字型の周壁2枚により囲まれているため放尿の際の飛び散りを防止する事ができる。L字型の周壁2枚と床部分がフラットな面で構成されているため掃除の手間を抑えることができる。
【0012】
また、L字型の周壁が2枚になっている事により、例えば本体容器内にペットシートを2枚敷いている場合、ペットシート交換の際にL字型周壁1枚を持ち上げた状態でペットシート1枚を交換するか、本体容器内の空いているスペースにL字型の周壁を移動することにより、簡単にペットシートを交換でき本体容器後方や本体容器外の左右のスペースを必要としない。
【0013】
例えばペットシートを1枚本体容器内に敷いている場合ペットシート交換の際、本体容器の空いているスペースにL字型の周壁を移動してペットシートを交換する事により、簡単に交換でき本体容器後方や本体容器外の左右のスペースを必要としない。
また、ペットシートを押さえる部品を作る必要が無いためコスト面が抑えられる。
【0014】
本発明は、前記L字型の周壁上部角が面取りされておりL字型の周壁2枚を設置した際に前方入口の辺と対向する周壁部分に重なりができるペット用トイレを提供するものである。
【0015】
本発明は、周壁上部角が面取りされている事により、ペットシート交換の際の使用者の周壁上部の角による怪我を防止できる。L字型の周壁2枚を設置した際に前方入口の辺と対向する周壁部分に重なりができ、その重なりによりL字型の周壁の転倒防止効果がある。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、L字型の周壁2枚を備える事によりペットシートを固定する部品が不要でありコスト面を抑えられ、L字型の周壁2枚により三方囲まれた面と底面が平面で構成されているため、掃除の手間を軽減できる。
また、L字型の周壁上部角が面取りされている事によりペットシート交換の際の周壁角による使用者の怪我を防止でき、前方入口の辺と対向する周壁部分の重なりにより、L字型の周壁2枚の転倒防止効果があるペット用トイレを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は本発明の第1実施形態のペット用トイレを示す斜視図である。
【
図3】
図3は本発明の横断面L字型の周壁部分がシートを押さえる状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明のペット用トイレについて、
図1〜3を参照しながら説明する。
本体容器1とは
図2に示すように上蓋の無い箱形の形状の容器をいう。本体側面縦1aとは
図2に示すように本体底面1dの側面を囲う壁の本体入口部分1cに接した辺の面である。本体側面横1bとは
図2に示すように本体底面1dの側面を囲う壁の入口に対向する辺の面である。本体側面縦1aと本体側面横1bと本体底面1dは本体容器1の一部分を成す(構成する)。本体入口部分1cは、ペットの出入口であって好ましくは本体側面縦1a又は本体側面横1bのペットの出入口部分にあたる全部の面が周囲側壁より低く設定されているか、本体側面縦1a又は本体側面横1bのペットの出入口部分になる一部が周囲側壁より低く設定されているのがよい。
【0019】
L字型の周壁2とは、高さ10〜80cm好ましくは20〜30cmの横断面L字型(上あるいは下から見てL字型)の側壁である。周壁縦2aとは、
図1に示すようにL字型の周壁2を設置した際に上記本体側面縦1aに隣接したL字型の周壁2の面を示すものである。周壁横2bとは、
図1に示すようにL字型の周壁2を設置した際に上記本体側面横1bに隣接したL字型の周壁2の面を示すものである。周壁角2cとは、L字型の周壁2の上部の角の部分を示すものであり、その形状は面取り(角が丸く削られている)されている。
周壁底面2Aとは、L字型の周壁2の周壁角2cのある辺に対向する辺(本体底面1d側)の部分を示すものである。重なり部分8とは
図1に示すようにL字型の周壁2の周壁横2bの2枚の重なった面を示すものである。
【0020】
図1は、本体入口部分1cのある辺にペットシートPの短い辺が来るように、本体容器1の本体底面1dにペットシートPを横に並べて2枚敷いた図である。L字型の周壁2の周壁角2cを上に向け、周壁底面2AでペットシートPを押さえ、本体側面縦1aの内側の面と周壁縦2aの外側(本体側面縦1a側)の下部の面、本体側面横1bの内側の面と周壁横2bの外側(本体側面横1b側)の下部の面が隣接するように設置する。2枚のL字型の周壁2の周壁横2bの端の面に重なり部分8ができるように設置し、その重なり部分8の横幅は1cm〜30cm程度ある。周壁横2bを2枚,足した長さは本体側面横1bの辺より長く設定されている。
なお、隣接とは本体容器1内に接するように、あるいは近傍にという意味である。
【0021】
図3の断面図に示すように周壁底面2AによりペットシートPを押さえて使用する。
【0022】
図2に示すように、周壁上部角2cは面取りになっている。周壁上部角2cが面取りになっている事により、ペットシートP交換の際の周壁上部角2cによる使用者の怪我を防止する事ができる。
【0023】
図1に示すように周壁横2bに重なり部分8がある事によりL字型の周壁2の転倒を防止する効果があり、犬の放尿の際の飛散防止になる。
【0024】
本体容器1とL字型の周壁2は、汚物の染み込みを防ぐ為プラスチック素材またはアクリル素材でできている。
【0025】
図1に示すように、2枚のL字型の周壁2により三方を面に囲まれているため放尿の際の尿の飛散を防止でき、
図3に示すように周壁底面2Aでシートを押さえる事によりペットシートPのズレを防ぐ事ができる。
【0026】
本体容器1とL字型の周壁2は、犬の大きさや家屋の状況により広さを変える事ができる。
<1> 本体容器1の大きさがペットシートP1枚分の大きさの時は、L字型の周壁 2の大きさも、ペットシートP1枚分の大きさに合わせるものとする。ペッ トシートPは長方形の短い辺を本体側面縦1aに密着させるように置く。
<2> 本体容器1の大きさがペットシートP2枚の時は、ペットシートPの長方形 の長い辺を本体側面縦1aに密着するように2枚並べる。
図1,2はペット シートPを2枚使用した時のものである。
【0027】
本体容器1内にペットシートPを2枚敷いている場合、ペットシートP交換の際にL字型の周壁2を1枚持ち上げた状態でペットシートP1枚を交換するか、本体容器1内のL字型の周壁2の側のスペース(例えば右を交換する際は左)にL字型の周壁2の1枚を移動することにより、簡単にペットシートPを交換でき本体側面横1b後方や本体側面縦1aの左右にスペースを必要としない。
本体容器1内にペットシートPを1枚敷いている場合、ペットシートP交換の際に、本体容器1内のL字型の周壁2の側のスペース(例えば右を交換する際は左)にL字型の周壁2の1枚を移動してペットシートPを片側ずつ交換する事により、簡単にペットシートPを交換でき本体側面横1b後方や本体側面縦1aの左右にスペースを必要としない。
【0028】
本発明のペット用トイレは、上述の実施形態のペット用トイレに何ら制限されるものでなく、適宜変更可能である。また、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜組み合わせて実施できる。
【符号の説明】
【0029】
10 ペット用トイレ
1 本体容器
1a 本体側面縦
1b 本体側面横
1c 本体入口部分
1d 本体底面
2 L字型の周壁
2a 周壁縦
2b 周壁横
2c 周壁角
2A 周壁底面
P ペットシート
8 重なり部分
【要約】
【課題】衛生的でペット用シートの交換が簡単かつコストを抑えられるペット用トイレを提供すること。
【解決手段】本体容器1にL字型の周壁2を2枚設置することにより、L字型の周壁2を1枚ずつ可動することが可能な為シートの交換が容易である。全面が平面であるため、清掃が簡単である。
【選択図】
図2