(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の技術は連続住宅に関するものであり、一方の建物と他方の建物が別戸建てである。従って、一方の建物から他方の建物へ屋根の下を通って移動することが考慮されていない。つまり、建物と建物の間に界壁があるから、一方の建物から屋根の下を通って他方の建物へ移動することができない。
また、屋根の下を通って両建物間を移動することができるように、界壁を省略すると、屋根が片持ち梁状に支持されてしまうため、屋根が適切に支えることができない。
そこで、本発明の目的は、第一棟と第二棟の間を屋根の下を通って行き来することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、複数階建ての第一棟10及び第二棟20が互いに離れて並列した状態で建築され、屋根パネル30が、前記第一棟10及び前記第二棟20の二階の床の設置高さにおいて、前記第一棟10の外壁10aとそれに対向する前記第二棟20の外壁20aとの間に架設されている
建物であって、
前記第一棟10及び前記第二棟20が複数の矩形状パネルを組み付けるパネル工法によって建築されたものであり、前記屋根パネル30の一端面が前記第一棟10の二階の床パネル13の端面に突き合わせられて、前記屋根パネル30の一端部及び前記第一棟10の前記床パネル13の端部が前記第一棟10の前記外壁10aを構成する一階の壁パネル11と二階の壁パネル15との間に挟持され、前記屋根パネル30の他端面が前記第二棟20の二階の床パネル23の端面に突き合わせられて、前記屋根パネル30の他端部及び前記第二棟20の前記床パネル23の端部が前記第二棟20の前記外壁20aを構成する一階の壁パネル21と二階の壁パネル25との間に挟持されていることを特徴とする建物である。
【0006】
請求項1に係る発明によれば、屋根パネル30が第一棟10と第二棟20の互いに対向する外壁10a,20a間に架設されているから、屋根パネル30が両持ち梁状に支持される。これにより、屋根パネル30を強固に支持することができる。そのため、これら外壁10a,20a間に立設された壁によって屋根パネル30を支持する必要が無く、その壁を省略することができる。よって、屋根パネル30の下のスペースを広くとることができ、屋根パネル30の下を通って第一棟10と第二棟20の間を移動することができる。
【0008】
また、請求項
1に係る発明によれば、第一棟10の二階の床パネル13の端面が屋根パネル30の一端面に突き合わせられ、その突き合わせられた部分が第一棟10の一階の壁パネル11と二階の壁パネル15の間に挟持されるから、屋根パネル30が第一棟10の外壁10aに強固に連結される。同様に、屋根パネル30が第二棟20の外壁20aに強固に連結される。
【0009】
請求項
2に係る発明は、前記屋根パネル30の一端面と前記第一棟10の前記床パネル13の端面が第一ボルト16及び第一ナット17によって互いに締結され、前記屋根パネル30の他端面と前記第二棟20の前記床パネル23の端面が第二ボルト26及び第二ナット27によって互いに締結されていることを特徴とする請求項
1に記載の建物である。
【0010】
請求項
2に係る発明によれば、屋根パネル30の一端面と第一棟10の床パネル13の端面が第一ボルト16及び第一ナット17によって互いに締結されているから、屋根パネル30が第一棟10に強固に連結される。同様に、屋根パネル30が第二棟20に強固に連結される。
【0011】
請求項
3に係る発明は、前記屋根パネル30が、矩形枠状に組まれた框材31と、前記框材31の枠体の一方の面に貼設された面材32と、を有した片面パネルであり、前記第一棟10の前記床パネル13が、矩形枠状に組まれた框材13aと、前記框材13aの枠体の一方の面に貼設された面材13bと、を有した片面パネルであり、前記第二棟20の前記床パネル23が、矩形枠状に組まれた框材23aと、前記框材23aの枠体の一方の面に貼設された面材23bと、を有した片面パネルであり、前記第一ボルト16が互いに突き合わせられた前記屋根パネル30の前記框材31及び前記第一棟10の前記床パネル13の前記框材13aを貫通し、前記第一ボルト16が前記第一ナット17に螺合し、前記第二ボルト26が互いに突き合わせられた前記屋根パネル30の前記框材31及び前記第二棟20の前記床パネル23の前記框材23aを貫通し、前記第二ボルト26が前記第二ナット27に螺合することを特徴とする請求項
2に記載の建物である。
【0012】
請求項
3に係る発明によれば、第一棟10や第二棟20の二階の床パネル13,23及び屋根パネル30が片面パネルであるから、第一棟10や第二棟20の二階の床パネル13,23の框材と屋根パネル30の框材をボルト及びナットによって簡単に締結することができる。また、屋根パネル30が第一棟10及び第二棟20に強固に連結される。
【0013】
請求項
4に係る発明は、前記第一棟10及び前記第二棟20の前記矩形状パネルは長さ及び幅が基準寸法の整数倍であり、前記第一棟10と前記第二棟20の間隔が前記基準寸法の整数倍であり、前記屋根パネル30は幅が前記基準寸法の整数倍であることを特徴とする請求項
1から
3の何れか一項に記載の建物である。
【0014】
請求項
4に係る発明によれば、建物の奥行きや幅を基準寸法の整数倍に設計することができ、建物の設計を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、屋根パネルを強固に支持することができ、第一棟の外壁と第二棟の外壁の間に壁を設けなくても済み、屋根パネルの下を通って第一棟と第二棟の間を移動することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているので、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0018】
図1は建物1の一階の平面図であり、
図2は建物1の二階の平面図であり、
図3は建物1の二階ロフトの平面図である。
【0019】
図1〜
図3に示すように、建物1は、一戸建ての建物である。建物1は、二階建ての第一棟10及び第二棟20等からなる。第一棟10及び第二棟20は、パネル工法によって建築された躯体である。パネル工法は、壁、床及び屋根等といった建物の構成要素を予め工場にて矩形状のパネルにしておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てて、第一棟10及び第二棟20を構築する工法である。パネルとは、図示はしないが、縦横の框材が矩形枠状に組み立てられるとともに、矩形枠の内部に補助桟材が縦横に組み付けられて枠体が構成され、この枠体の両面もしくは片面に、面材が貼設されたものであり、内部中空な構造となっている。パネルの内部中空部分には、グラスウールやロックウール等の断熱材が装填されている。第一棟10及び第二棟20に用いられるパネルの長さは基準寸法の整数倍であり、それらパネルの幅は基準寸法の整数倍である。ここで、基準寸法とは例えば455mmであり、910mmを1Mとすると、0.5Mが基準寸法である(Mは「モジュール」と読む)。
【0020】
第一棟10及び第二棟20に用いられるパネルの長さや幅が基準寸法の整数倍であるから、第一棟10及び第二棟20の設計を容易にすることができる。第一棟10は平面視において長方形に形作られ、第一棟10の奥行き方向の長さが第一棟10の幅方向の長さよりも長い。第二棟20も同様である。なお、第一棟10及び第二棟20が平面視において正方形に形作られてもよい。
【0021】
第一棟10及び第二棟20がこれらの間に間隔をおいて幅方向に並列され、第一棟10の第二棟20側の外壁10aと第二棟20の第一棟10側の外壁20aとが互いに対向するとともに、互いに平行である。平面視において、第一棟10の幅方向と第二棟20の幅方向が互いに平行であり、第一棟10及び第二棟20の幅方向が第一棟10と第二棟20の並列方向に平行であり、第一棟10及び第二棟20の奥行き方向が第一棟10及び第二棟20の幅方向に直交する。第一棟10と第二棟20の間隔は基準寸法の整数倍である。具体的な数値の一例を挙げると、第一棟10と第二棟20の間隔は2Mである。
【0022】
第一棟10及び第二棟20が複数のパネルを組み合わせて建築されたものであるから、第一棟10及び第二棟20の幅及び奥行きが基準寸法の整数倍である。例えば、
図2に示すように、第一棟10の幅が基準寸法の8倍であって4Mであり、第一棟10の奥行きが基準寸法の27倍であって13.5Mであり、第二棟20の幅が基準寸法の8倍であって4Mであり、第二棟20の奥行きが基準寸法の34倍であって17Mである。ここで挙げた数値は一例であり、第一棟10及び第二棟20の幅及び奥行きを適宜変更してもよい(例えば、第一棟10の幅と第二棟20の幅が等しくてもよいし、異なっていてもよい。また、第一棟10の奥行きと第二棟20の奥行きが等しくてもよいし、異なっていてもよい。)。
【0023】
また、第一棟10が第二棟20に対して手前側にずれるようにして、第一棟10及び第二棟20が雁行配置されている。そのため、第一棟10の正面側の外壁は第二棟20の正面側の外壁よりも手前側に配置され、第二棟20の背面側の外壁は第一棟10の背面側の外壁よりも奥側に配置されている。具体的には、第一棟10の正面側の外壁が第二棟20の正面側の外壁から基準寸法の整数倍(例えば、
図2では10倍)だけ手前に配置されている。
【0024】
図4は、
図1及び
図2に図示のIV−IVに沿った面を矢印方向へ向かって見て示した断面図である。
図4に示すように、第一棟10と第二棟20の間には屋根パネル30が設けられている。屋根パネル30の幅方向の一端部が第一棟10の第二棟20側の外壁10aに接合され、屋根パネル30の幅方向の他端部が第二棟20の第一棟10側の外壁20aに接合され、屋根パネル30が外壁10aと外壁20aの間に架け渡されている。屋根パネル30が設置される高さは、第一棟10及び第二棟20の二階の床が設置される高さである。
【0025】
図5及び
図6は、屋根パネル30と第一棟10の接合構造及び屋根パネル30と第二棟20の接合構造を示した断面図である。
図5は
図2に図示のV−Vに沿った面を矢印方向へ向かって見て示した断面図であり、
図6は
図2に図示のVI−VIに沿った面を矢印方向へ向かって見て示した断面図である。
【0026】
図5及び
図6に示すように、屋根パネル30は矩形状の片面パネルである。つまり、屋根パネル30は框材31、面材32及び桟材(図示略)を有し、框材31が矩形枠状に組まれ、その枠体の片面に面材32が貼設され、その枠体のもう一方の面に面材が貼設されず、その枠体の内側に桟材が取り付けられている。面材32が貼設された面が上に向けられている。屋根パネル30の幅は基準寸法の整数倍である。具体的な数値の一例を挙げると、屋根パネル30の幅は2Mである。
【0027】
第一棟10の一階の壁パネル11(第二棟20側の壁パネル11)の上端には、梁12が設けられている。二階の床パネル13が梁12の上や一階の他の壁パネルの上に敷き詰められ、床パネル13の端部が梁12の上に配置され、床パネル13の端部の上に二階の壁パネル15が立設されている。壁パネル11、梁12、床パネル13及び壁パネル15は接着剤等によって接合されている。床パネル13が片面パネルであり、床パネル13の框材13aが矩形枠状に組まれ、床パネル13の面材13bがその枠体の一方の面に貼設されている。
図5及び
図6に図示の壁パネル11及び壁パネル15は第一棟10の外壁10aを構成し、
図5及び
図6に図示の床パネル13が後述の部屋107やバルコニー109の床を構成する。
【0028】
屋根パネル30の一端面が床パネル13の端面に当接し、接着剤及び釘打ちによって屋根パネル30の一端面が床パネル13の端面に接合されている。更に、第一ボルト16及び第一ナット17によって屋根パネル30の一端面が床パネル13の端面に締結されている。具体的には、屋根パネル30の一端面の框材31と床パネル13の端面の框材13aが互いに突き合わせられ、第一ボルト16がそれら框材31,13aを貫通し、第一ナット17が第一ボルト16に螺合し、框材31,13aが第一ナット17及び第一ボルト16によって締結されている。第一ボルト16及び第一ナット17によって屋根パネル30の框材31が床パネル13の框材13aに締結されているから、屋根パネル30が第一棟10に強固に連結される。また、屋根パネル30及び床パネル13が片面パネルであるから、第一ボルト16と第一ナット17の締結を容易に行うことができる。
なお、第一ナット17及び第一ボルト16の数は複数である。
【0029】
互いに締結された屋根パネル30の一端部と床パネル13の端部は梁12とともに一階の壁パネル11と二階の壁パネル15との間に挟持されている。そのため、屋根パネル30が第一棟10に強固に連結されている。
【0030】
第二棟20の一階の壁パネル21(第一棟10側の壁パネル21)の上端には、梁22が設けられている。二階の床パネル23が梁22の上や一階の他の壁パネルの上に敷き詰められ、床パネル23の端部及び胴差24が梁22の上に配置され、床パネル23の端部及び胴差24の上に二階の壁パネル15が立設されている。壁パネル21、梁22、床パネル23、胴差24及び壁パネル25は接着剤等によって接合されている。
図5及び
図6に図示の壁パネル21及び壁パネル25は第二棟20の外壁20aを構成し、
図5に図示の床パネル23が後述のホール208の床を構成し、
図6に図示の胴差24が第二棟20の一階と二階の吹抜部(具体的には、後述の階段室202)に面する。床パネル23も片面パネルであり、床パネル23の框材23aが矩形枠状に組まれ、床パネル23の面材23bがその枠体の一方の面に貼設されている。
【0031】
図5に示すように第二棟20の二階のホール208に面する部分において、屋根パネル30の他端面の框材31が床パネル23の端面の框材23aに突き合わせられ、接着剤及び釘打ちによって屋根パネル30の框材31が床パネル23の框材23aに接合されている。更に、第二ボルト26が屋根パネル30の框材31及び床パネル23の框材23aを貫通し、第二ナット27が第二ボルト26に螺合し、框材31,23aが第二ナット27及び第二ボルト26によって締結されている。第二ボルト26及び第二ナット27によって屋根パネル30を第二棟20に強固に連結することができ、屋根パネル30及び床パネル23が片面パネルであるゆえ第一ボルト16と第一ナット17の締結を容易に行うことができる。
なお、第二ナット27及び第二ボルト26の数は複数である。
【0032】
図6に示すように第二棟20の一階・二階の吹抜部(階段室202)に面する部分において、屋根パネル30の他端面が胴差24に当接し、接着剤及び釘打ちによって屋根パネル30の他端面が胴差24に接合されている。更に、第三ボルト28及び第三ナット29によって屋根パネル30の他端面が胴差24に締結されている。具体的には、凹部24aが胴差24にザグリ加工され、第三ボルト28が凹部24aから胴差24、屋根パネル30の框材31及び挿入材24bを貫通し、第三ナット29が第三ボルト28に螺合し、屋根パネル30の框材31、胴差24及び挿入材24bが第三ナット29及び第三ボルト28によって締結されている。なお、第三ナット29及び第三ボルト28の数は複数である。
【0033】
図5に示すように、互いに締結された屋根パネル30の他端部と床パネル23の端部は梁22とともに一階の壁パネル21と二階の壁パネル25との間に挟持されている。更に、互いに締結された屋根パネル30の他端部と胴差24は梁22とともに一階の壁パネル21と二階の壁パネル25との間に挟持されている。そのため、屋根パネル30が第二棟20に強固に連結されている。
【0034】
図7は、
図4に示すVII−VIIに沿った面を矢印方向へ向かって見て示した断面図である。
図7に示すように、第一棟10と第二棟20の間には複数本の梁35が設けられている。これら梁35が設置される高さは、第一棟10及び第二棟20の梁12,22が設置される高さである。梁35の一端が梁12に接合され、梁35の他端が梁22に接合され、これら梁35,12,22が枠組みされている。屋根パネル30がこれら梁35,12,22の上に設置され、枠35,12,22によって屋根パネル30が支持される。複数の梁35のうち手前側の梁35は屋根パネル30の正面側の端に沿って設けられ、奥側の梁35は屋根パネル30の背面側の端に沿って設けられている。
【0035】
屋根パネル30が第一棟10と第二棟20の間に架設されているから、屋根パネル30の下のスペースを様々な用途に使用することができる。屋根パネル30の下のスペースの用途例について説明する。
図8は建物1の正面図であり、
図9は建物1の背面図である。
図1、
図7、
図8及び
図9に示すように、屋根パネル30の下側に玄関構造40が設けられている。玄関構造40は玄関扉41、玄関土間42、玄関ホール43及びサッシ窓44から構成される。開閉可能な玄関扉41が屋根パネル30の下の手前側に設けられ、玄関扉41が閉じた状態で正面に向いている。窓ガラス及びサッシ枠等からなるサッシ窓44が屋根パネル30の下の奥側に設けられ、閉じた玄関扉41とサッシ窓44が相対向する。そのため、玄関扉41を開けて中に入ると、サッシ窓44の奥の景色が広がって見え、玄関回りのデザイン性が向上する。また、サッシ窓44によって玄関の採光性や通気性が高くなっている。なお、サッシ窓44の代わりに壁が設けられ、閉じた玄関扉41と壁が相対向してもよい。
【0036】
屋根パネル30の正面側の端及び玄関扉41は第二棟20の正面よりも少し手前側に配置され、玄関扉41が第二棟20の正面から少し奥まった位置にある。
【0037】
屋根パネル30、玄関扉41、サッシ窓44、第一棟10の外壁10a及び第二棟20の外壁20aによって包囲された空間が玄関土間42及び玄関ホール43である。屋根パネル30の下方であって玄関扉41の奥には、玄関土間42が設けられている。屋根パネル30の下方であって玄関土間42の奥には、玄関ホール43が設けられている。玄関ホール43の床面は玄関土間42の床面よりも一段高い位置に配置される。第一棟10及び第二棟20の外壁10a,20aのうち玄関土間42及び玄関ホール43に面する部分は、建物1としては内壁であるが、第一棟10及び第二棟20としては外壁である。
【0038】
図2、
図7及び
図8に示すように、複数の梁35のうち正面側の梁35には、庇45が連結されている。庇45は正面側の梁35から手前側に延出している。屋根パネル30の上であって屋根パネル30の前後の端には、パラペット46,47がそれぞれ立設されている。屋根パネル30の上にバルコニーが設けられていてもよい。
【0039】
図1に示すように、玄関扉41の前にはポーチ52が設けられている。ポーチ52は、第一棟10の外壁10aに沿って設けられている。
【0040】
また、第一棟10の奥側であって第二棟20の横側には、デッキテラス50が設けられている。また、サッシ窓44の外側(奥側)には中庭51が設けられ、その中庭51がデッキテラス50によって囲われている。従って、玄関ホール43からサッシ窓44越しに中庭51を見ることができ、玄関回りのデザイン性が向上する。
【0041】
第一棟10の一階は、部屋(例えば、工房)101、サブキッチン102、収納室103、便所104、クローゼット105及びキッチン・ダイニング106に区画されている。部屋101が一階の手前に配置され、サブキッチン102、収納室103及びクローゼット105が部屋101の奥に隣接して配置され、収納室103がサブキッチン102の横に隣接して配置され、クローゼット105が収納室103の横に隣接して配置され、便所104がクローゼット105及び収納室103に奥に隣接して配置され、便所104がサブキッチン102の横に隣接して配置され、キッチン・ダイニング106がサブキッチン102及び便所104の奥に隣接して配置されている。
【0042】
クローゼット105は、玄関土間42の横に隣接して配置されている。クローゼット105の扉15aが第一棟10の外壁10aに設けられ、その扉15aが玄関土間42に面している。便所104は玄関土間42及び玄関ホール43の横に隣接して配置されている。便所104の扉104aは第一棟10の外壁10aに設けられ、その扉104aが玄関ホール43に面している。
【0043】
キッチン・ダイニング106は、玄関ホール43の横の奥に隣接して配置されている。キッチン・ダイニング106の出入口106aが第一棟10の外壁10aに設けられ、その出入口106aが玄関ホール43に面している。従って、出入口106aを通ってキッチン・ダイニング106と玄関ホール43の間を行き来することができる。
【0044】
図2に示すように、第一棟10の二階は、部屋(例えば、ギャラリールーム)107及び便所108に区画されている。部屋107は、部屋101、サブキッチン102、収納室103及びクローゼット105の上に配置されている。部屋101及び部屋107には、直階段型の吹抜け階段110が設けられている。吹抜け階段110は部屋101の床と部屋107の床との間に設けられている。便所108は部屋107の奥の横に隣接して配置され、この便所108が便所104の上に配置されている。また、部屋107の奥側の外であってキッチン・ダイニング106の上には、バルコニー109が設けられている。
【0045】
図1に示すように、第二棟20の一階は、和室201、階段室202、リビングルーム203、寝室204、ドレスルーム205、バスルーム206及び収納室207に区画されている。和室201及び収納室207が一階の手前に配置され、収納室207が和室201の横に隣接して配置され、階段室202が収納室207の奥であって和室201の横に隣接して配置され、リビングルーム203が和室201及び階段室202の奥に隣接して配置され、寝室204がリビングルーム203の奥に隣接して配置され、ドレスルーム205及びバスルーム206が寝室204の奥に隣接して配置され、バスルーム206がドレスルーム205の横に隣接して配置されている。
【0046】
リビングルーム203は、玄関ホール43の横に隣接して配置されている。リビングルーム203の出入口203aが第二棟20の外壁20aに設けられ、その出入口203aが玄関ホール43に面している。リビングルーム203の出入口203aとキッチン・ダイニング106の出入口106aは、これらの間に玄関ホール43を挟んで相対向する。従って、出入口203aを通ってリビングルーム203と玄関ホール43の間を行き来することができる。また、リビングルーム203とキッチン・ダイニング106のどちらにいても、すぐに来客に応対することができる。
【0047】
階段室202がリビングルーム203に通じ、その階段室202に階段202aが設けられている。階段202aはリビングルーム203の床から踊り場202c(
図2参照)の床との間に設けられ、その踊り場202cの下には収納室207が設けられ、収納室207の扉が和室201に設けられている。踊り場202cの床から二階の床(具体的には、後述のホール208の床)まで設けられた階段202bは、和室201の一部の上に設けられている(
図1及び
図2参照)。
【0048】
図2に示すように、第二棟20の二階は、ホール208、書斎209、吹抜け210、寝室211、ドレスルーム212、バスルーム213、インナーバルコニー214及び階段室215に区画されている。書斎209が、階段202bの横に配置されているとともに、和室201の上に配置されている。ホール208は階段202bを登って奥に配置され、吹抜け210が書斎209の奥側であってホール208の横に隣接して配置されている。階段室215はホール208の奥側であって外壁20a寄りに配置され、階段室215とホール208が隣接している。ホール208、吹抜け210及び階段室215がリビングルーム203の上に配置され、ホール208とリビングルーム203が吹抜け210によって通じている。寝室211はホール208、吹抜け210及び階段室215の奥に隣接して配置され、寝室211と階段室215が通じ、寝室211とホール208が扉を介して通じている。バスルーム213及びドレスルーム212は寝室211の奥に隣接して配置され、インナーバルコニー214がバスルーム213及びドレスルーム212の奥に隣接して配置されている。
【0049】
図2及び
図3に示すように、第二棟20の二階には、ロフト216が設けられている。ロフト216は、書斎209、ホール208、階段202a,202b及び踊り場202cの上に設けられている。ロフト216は、平面視において第二棟20の正面及び外壁20aに沿ってL字型に形作られている。階段室215がロフト216の端部に隣接して配設され、その階段室215に階段215aが設けられている。階段215aは寝室211の床とロフト216との間に設けられている。
【0050】
ロフト216は吹抜け210の上部に隣接して配置されている。ロフト216の縁に壁217が立設され、壁217によって吹抜け210及びホール208がロフト216から仕切られている。壁217に通気口217aが設けられ、ホール208及び吹抜け210とロフト216の間で通気することができる。
【0051】
図10は、
図1〜
図3に図示のX−Xに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
図10に示すように、第二棟20の屋根は、水平面に対して傾斜した片流れ屋根である。二階の壁パネル20bやロフト216の壁217等の上端には、水平梁218が設けられ、水平梁218が第二棟20の幅方向に延びている。水平梁218の端部が、第二棟20の外壁20aを構成する壁パネル20bの上端に連結されている。外壁20aを構成する壁パネル20bの上端にパラペット219が立設され、パラペット219の下部にザグリ219aが形成され、水平梁218の端部がザグリ219aに挿入されている。このため、水平梁218からロフト216の床までの高さを確保することができる。なお、第二棟20の正面側及び背面側の外壁や、外壁20aの反対側面側の外壁の上端にもパラペット219が立設されている。
【0052】
二階の壁パネル20bや水平梁218上に断面三角形状の埋木220が設けられ、これら埋木220によって傾斜面が形成される。そして、屋根パネル221が埋木220の上に敷き詰められている。
【0053】
なお、第一棟10及び第二棟20が三階以上の複数階建てであってもよい。