【実施例1】
【0013】
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1における画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【0014】
本実施例1の画像形成装置1は、例えば、シート状の印刷媒体としての印刷用紙を収納する印刷用紙収納部を複数備えたマルチ・ファンクション・プリンタ(以下「MFP」という。)である。
【0015】
この画像形成装置1は、内部機器を収納する筐体2の上部に、画像データ入出力手段としての画像データ入出力部の1つであるスキャナユニット21が設けられている。スキャナユニット21の近傍には、ユーザが操作するための操作部10が配設されている。操作部10には、一連の情報を表示するための液晶(LCD)パネル等の表示手段としての情報表示部11と、複数のスイッチ等を有し、情報入力や情報の設定を行う入力・設定手段としての入力・設定部12と、が設けられている。筐体2内の上部には、画像データ等を処理する画像処理部30と、印刷媒体としての印刷用紙53に画像を形成(即ち、印刷)する画像形成部70とが設けられている。筐体2内の下部には、複数段(例えば、3段)の収納部としての印刷用紙収納部50(=50−1〜50−3)が挿脱自在に挿着されている。各印刷用紙収納部50内には、サイズの異なる、例えば、A4,A3,A5等の印刷用紙53が積載される。各印刷用紙収納部50と画像形成部70との間には、印刷用紙収納部50内の印刷用紙53を画像形成部70へ搬送するための複数段(例えば、3段)の搬送部としての印刷用紙搬送部60(=60−1〜60−3)が設けられている。
【0016】
図1は、
図2の画像形成装置1を備えた本発明の実施例1の画像形成システムを示す構成図である。
【0017】
この画像形成システムは、
図2の画像形成装置1と、この画像形成装置1に対してネットワーク回線やUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等の双方向通信のインタフェース(以下「I/F」という。)71を介して接続されたパーソナルコンピュータ(パソコン)等の上位装置80と、を備えている。
【0018】
上位装置80には、種々のAP81で作成された電子データが保存され、更に、印刷駆動プログラムであるプリンタドライバ82等がインストールされている。AP81は、ページ設定部81aを有している。プリンタドライバ82には、印刷情報生成/出力部82aや、ステータスモニタ82bと言ったツールもインストールされている。ステータスモニタ82bは、ユーザが外部にある画像形成装置1の状態の監視・指示を行うために、プリンタドライバ82に付属しているツールである。上位装置80に保存された電子データは、外部のI/F71を通して画像形成装置1内の画像処理部30へ出力するために、プリンタドライバ82にて画像データが生成されて、画像形成装置1へ送られる。
【0019】
画像形成装置1は、主として、操作部10と、画像データの入出力を行う画像データ入出力手段としての画像データ入出力部20と、その操作部10、画像データ入出力部20及び外部のI/F71に接続された画像処理部30と、この画像処理部30に接続され、サイズの異なる印刷用紙53を切り替え制御するためのサイズ切り替え
手段としての
代替サイズ用紙切り替え制御部40と、その画像処理部30に接続された3段の印刷用紙収納部50(=50−1〜50−3)と、その画像処理部30及び印刷用紙収納部50(=50−1〜50−3)に接続された3段の印刷用紙搬送部60(=60−1〜60−3)と、その画像処理部30に接続された画像形成部70と、の7つの部分に分けられる。
【0020】
画像データ入出力部20は、画像データの入出力、印刷指示の出力、
レイアウト処理手段により処理される印刷内容のレイアウト処理、及びレイアウト処理のレイアウト処理データの出力を行うものであり、例えば、原稿画像等に対して読み取りヘッドによるイメージ画像を読み取るためのスキャナユニット21と、電話回線を使ってイメージ画像を送受信するためのファクシミリ装置(以下「FAX」という。)
22と、メモリカード等から画像データを直接読み出すためのメモリスロットI/F23と、が設けられている。この画像データ入出力部20及び操作部10は、画像処理部30に接続されている。
【0021】
画像処理部30は、操作部10、画像データ入出力部20、代替サイズ用紙切り替え制御部40、印刷用紙収納部50(=50−1〜50−3)、印刷用紙搬送部60(=60−1〜60−3)、画像形成部70、及び外部のI/F71に接続され、代替サイズ用紙への切り替え情報を受信して情報表示部11へ送信し、印刷用紙53又は代替サイズ用紙における未印刷のページ数をカウントして未印刷ページ数を求め、媒体検出信号、サイズ検出信号、画像データ、及びレイアウト処理データを含む制御情報を入力して3段の印刷用紙搬送部60(=60−1〜60−3)及び画像形成部70を制御し、且つ、前記制御情報、代替サイズ用紙への切り替え情報及び未印刷ページ数に基づき、印刷データを生成して画像形成部70へ出力するものである。
【0022】
この画像処理部30は、例えば、操作部10、画像データ入出力部20、代替サイズ用紙切り替え制御部40及び外部のI/F71に接続された送受信制御部31と、印刷用紙搬送部60(=60−1〜60−3)及び画像形成部70に接続された印刷制御部32と、画像形成部70に接続されたカウント
手段としての未印刷ページ数カウント部33と、画像形成部70に接続された
印刷データ生成/出力手段としての印刷データ生成/出力部34と、により構成されている。
【0023】
送受信制御部31は、外部のI/F71及び画像データ入出力部20からの画像データ等とその制御信号の送受信を制御し、必要に応じて操作部10との情報転送を行い、又、代替サイズ用紙切り替え制御部40との通信で、その情報を操作部10の情報表示部11に表示させたり、外部I/F71経由で上位装置80内のプリンタドライバ82のステータスモニタ82bに表示させる機能を有している。
【0024】
印刷制御部32は、媒体検出センサとしての印刷用紙有無検出センサ51から出力される媒体検出信号と、サイズ検出センサとしての印刷用紙サイズ検出センサ52から出力されるサイズ検出信号と、画像データ入出力部20又は上位装置80から与えられる画像データと、画像データ入出力部20又は上位装置80から与えられるレイアウト処理データと、を含む制御情報を入力して、印刷用紙搬送部60(=60−1〜60−3)及び画像形成部70を制御するものであり、印刷データ生成/出力部34のデータ出力のタイミングに合わせて印刷プロセスの動作を制御する機能を有している。
【0025】
未印刷ページ数カウント部33は、未だ印刷を実施していない未印刷のページ数をカウントして未印刷ページ数を求めるものであり、カウント結果の未印刷ページ数が、後述する印刷ページのレイアウトの参照パラメータとして使われる。更に、印刷データ生成/出力部34は、印刷制御部32により制御され、代替サイズ用紙切り替え制御部40から与えられる代替サイズ用紙への切り替え情報と、未印刷ページ数カウント部33から与えられる未印刷ページ数と、に基づき、印刷データを生成して画像形成部70へ出力するものである。
【0026】
代替サイズ用紙切り替え制御部40は、切り替え情報通知部41と、切り替え情報出力部42とを有し、代替サイズ用紙の情報を、画像処理部30内の送受信制御部31を経由して、操作部10内の情報表示部11や、上位装置80内のプリンタドライバ82のステータスモニタ82bに表示させ、ユーザの入力・設定を促す機能がある。
【0027】
各印刷用紙収納部50(=50−1〜50−3)には、印刷用紙53の有無を検出して媒体検出信号を出力する印刷用紙有無検出センサ51と、装填されている印刷用紙53のサイズを検出してサイズ検出信号を出力する印刷用紙サイズ検出センサ52と、が設けられている。
図1の例として、印刷用紙収納部50−1にはA4サイズの印刷用紙53が収納され、印刷用紙収納部50−2にはA3サイズの印刷用紙53が収納され、印刷用紙収納部50−3にはA5サイズの印刷用紙53が収納されている。
【0028】
印刷用紙53を搬送するための各印刷用紙搬送部60(=60−1〜60−3)には、印刷用紙53を1枚ずつ確実に搬送させるための搬送モータ61と、搬送ローラ62とが設けられている。各印刷用紙搬送部60(=60−1〜60−3)は、印刷制御部32からの指示に従って動作し、対象となっている印刷用紙53を画像形成部70へ搬送する。なお、
図1及び
図2では、一例として、3段の印刷用紙収納部50−1〜50−3と3段の印刷用紙搬送部60−1〜60−3とが示されているが、ユーザの要望にてそれらの段数を増減することは可能である。
【0029】
画像形成部70は、印刷データ生成/出力部34から出力される印刷データを入力し、該当の印刷用紙53に画像を印刷するプロセスを実行する機能を有している。
【0030】
(実施例1の動作)
図3は、
図1の画像形成システムにおける制御動作を示すフローチャートである。
【0031】
図4(a)、(b)は、従来の比較例の印刷処理例を示す概念図である。この
図4(a)、(b)では、指定用紙サイズがA4で、10ページの印刷内容における片面印刷の例が示され、同図(a)は、印刷途中に指定サイズのA4用紙が紙切れで無くなった場合の例であり、同図(b)は、最初から指定サイズのA4用紙が無かった場合の例である。
【0032】
図5−1(a)、(b)及び
図5−2(a)、(b)は、本発明の実施例1の印刷処理例を示す概念図である。
図5−1(a)、(b)では、指定用紙サイズがA4で、10ページの印刷内容における片面印刷の例が示され、同図(a)は、印刷途中に指定サイズのA4用紙が紙切れで無くなった場合の例であり、同図(b)は、最初から指定サイズのA4用紙が無かった場合の例である。
図5−2(a)、(b)では、指定用紙サイズがA4で、10ページの印刷内容における両面(長辺綴じ)印刷の例が示され、同図(a)は、印刷途中に指定サイズのA4用紙が紙切れで無くなった場合の例であり、同図(b)は、最初から指定サイズのA4用紙が無かった場合の例である。
【0033】
以下、
図4、
図5−1及び
図5−2を参照しつつ、
図3のフローチャートの制御動作を説明する。
【0034】
図3のフローチャートにおいて、画像形成装置1の電源をオン(投入)した直後、その画像形成装置1を立ち上げるための一連のチェック工程に入り、例えば、
媒体検出ステップS1において、各印刷用紙収納部50に印刷用紙53が有るかどうかの検知が行われる。このステップS1の検知工程は、各印刷用紙収納部50に実装されている印刷用紙有無センサ51にて実行される。ある印刷用紙収納部50に印刷用紙53が入っていない場合(無しの場合)、その検知結果を反映させるために、ステップS2において、印刷制御部32は、操作部10内の情報表示部11に、該当収納部用紙無しの情報を表示させ、ユーザに印刷用紙補填の指示を出す。そして、
サイズ検出ステップS3において、印刷制御部32は、印刷用紙53が有ると検出された印刷用紙収納部50に対し、印刷用紙サイズ検出センサ52にて、その印刷用紙53のサイズを検出させ、ステップS4へ進む。検出されたサイズ情報は、送受信制御部31を経由して、操作部10内の情報表示部11に表示することができる。
【0035】
ステップS4において、画像処理部30は、印刷指示を受信する。印刷指示を受け取るルートとしては、画像データ入出力部20内のスキャナユニット21、FAX22、又はメモリスロットI/F23のいずれか1つか、或いは、外部のI/F71経由で上位装置80内のプリンタドライバ82からのいずれかである。ここで、スキャナユニット21にて読み取った原稿のサイズ、FAX22にて受信した原稿サイズ、又はメモリスロットI/F23からの画像データのサイズとも、印刷指定サイズとして制御される。又、上位装置80内のAP81のページ設定部81aにてユーザが設定したサイズの情報も、プリンタドライバ82の処理によって印刷指定サイズとして制御される。印刷指示を受信すると、
判断ステップS5へ進む。
【0036】
ステップS5において、印刷制御部32は、送受信制御部31を通して、印刷用紙収納部51内の印刷用紙サイズ検出センサ52の媒体検出信号を受信し、指定された用紙サイズが各印刷用紙収納部50内にあるかどうかのチェックを行う。即ち、印刷制御部32は、ステップS3にて検出された各印刷用紙収納部50に装填されている印刷用紙53のサイズ情報と比較して、一致すれば、指定サイズ用紙があると判断し(Yes)、ステップS6の印刷データ処理へ進むが、一方、どちらの印刷用紙収納部50にある印刷用紙53のサイズにも一致しなかった場合(No)、指定サイズ用紙がないと判断し、
判断ステップS21へ進む。
【0037】
指定サイズ用紙があると判断された場合、ステップS6において、印刷制御部32及び印刷データ生成/出力部34は、送受信制御部31を通して、画像データに対する変換・圧縮・展開等の一連の印刷データ処理を行い、
カウントステップS7へ進む。ステップS7において、未印刷ページ数カウント部33は、1つの印刷ジョブに必要なページ数をカウン卜し、画像処理部30に記憶しておき、ステップS8へ進む。ステップS8において、印刷制御部32は、印刷指示で受けた片面印刷モード又は両面印刷モードを確認した上、指定サイズの印刷用紙53に一致した印刷用紙搬送部60内の搬送モータ61を回転させ、これにより駆動される搬送ローラ62が回転し始めることで、該当印刷用紙53が画像形成部70へ搬送され、ステップS9へ進む。ステップS9において、画像形成部70は、印刷データ生成/出力部34から与えられる印刷データに基づき、一連の画像形成プロセスによって、指定サイズ用紙に印刷画像を生成し、次のステップS10の指定サイズ用紙の連続印刷工程へ進む。ステップS10において、画像形成部70は、前記一連の画像形成プロセスの繰り返しで、ページ毎に指定サイズ用紙に画像を連続的に印刷していく。
【0038】
未印刷ページ数カウント部33は、ステップS10の連続印刷工程が行われている間も、残りの未印刷ページ数を引き算でカウン卜をし続ける。カウント値がゼロになった時点で未印刷ページが無くなり(即ち、この印刷工程が指定したサイズの印刷用紙53への印刷が完了したことが分かり)、最終ページが排出される時点で印刷工程が終了する。
【0039】
しかし、ステップS10の連続印刷工程の途中で、指定サイズ用紙が無くなるケースも少なくない(ステップS11)。この場合は、前記ステップS5において指定サイズ用紙が無い(No)と判断したときに一致する。通常なら、画像形成装置1は、ここで印刷を一旦中断して、情報表示部11及び上位装置80内のステータスモニタ82bに、指定サイズの印刷用紙53を補填するようユーザに知らせることになるが、その指定サイズの印刷用紙53がすぐには入手できないケースもあり、ユーザが印刷途中でその印刷をキャンセルすることになり、仕事等に支障が出る恐れもある。
【0040】
これを避けるために、本実施例1では、次の
判断ステップS21へ進む。ステップS21において、印刷制御部32は、送受信制御部31を通して、印刷用紙サイズ検出センサ52のサイズ検出信号を受信し、先ず指定サイズ用紙の整偶数倍サイズの代替用紙があるかどうかを調べる。例えば、指定サイズA5の印刷用紙53が無くなった場合、それの2倍サイズであるA4用紙が印刷用紙収納部50−1〜50−3に有るかどうかを確認する。A4用紙が無い場合は、更にその指定サイズA5の4倍であるA3用紙が印刷用紙収納部50−1〜50−3に有るかどうかを確認する。それでも各印刷用紙収納部50に存在しないと判断した場合は(No)、ステップS22へ進む。ステップS22において、印刷制御部32は、送受信制御部31を通して、指定サイズ用紙を印刷用紙収納部50に補填する指示を情報表示部11及び上位装置80内のステータスモニタ82bにて、ユーザに知らせ、ステップS5へ戻る。
【0041】
一方、ステップS21において、印刷制御部32は、指定サイズ用紙の整偶数倍サイズの代替用紙があると判断した場合(Yes)、ステップS23へ進む。ステップS23において、先ずは、代替サイズ用紙切り替え制御部40内の切り替え情報通知部41は、その代替サイズ用紙の情報(即ち、指定サイズ用紙の整偶数倍の用紙サイズ情報)を、送受信制御部31を通して情報表示部11及び上位装置80内のステータスモニタ82bにてユーザに通知し、次の
サイズ切り替えステップS24において、その代替サイズ用紙を続けて使用するかどうかをユーザに判断させる。ユーザは、取り急ぎではない場合、又は指定サイズ用紙が未だあると分かった場合、代替サイズ用紙を使用しないと判断すると(No)、情報表示部11及び入力・設定部12と、上位装置80内のステータスモニタ82bとにより、送受信制御部31を通して「使用しない」との指示を出す。この指示が出されると、ステップS22へ進む。ステップS22において、印刷制御部32は、代替サイズ用紙を採用しないことで、元々の指定サイズ用紙を印刷用紙収納部50に補填するよう、情報表示部11及び上位装置80内のステータスモニタ82bにてユーザに知らせる。
【0042】
又、ステップS24において、ユーザは、指定サイズ用紙がすぐに入手できないと分かったとき、或いは、取り急ぎその印刷物が欲しいときに、代替サイズ用紙を採用すると判断すると(Yes)、情報表示部11及び入力・設定部12と、上位装置80内のステータスモニタ82bとにより、送受信制御部31を通して「使用する」との指示を出す。この指示が出されると、ステップS25へ進む。ステップS25において、代替サイズ用紙の情報が確定されるので、印刷制御部32は、その代替サイズ用紙の情報を送受信制御部31を通して、画像データ入出力部20及び上位装置80内のプリンタドライバ82へ知らせる。
【0043】
以降のステップS26〜S31の印刷処理として、先ず、
図4(a)、(b)に示すように、比較例における印刷処理について簡単に説明する。
【0044】
一例として、指定用紙サイズA4で、10ページの印刷内容における片面印刷で、印刷途中に指定サイズのA4用紙が無くなった場合でも、最初から指定サイズのA4用紙が無かった場合でも、A4サイズの整偶数倍の用紙(ここではその2倍のA3用紙の例とする)に切り替えて残りのページを印刷するが、A3用紙に対するレイアウトは残りの印刷内容のページ順のままで配置されている。これは、印刷完了した後に、ユーザがそのA3サイズ用紙を中折りして左綴じにすれば、印刷内容のページ(P1〜P10)順に取り揃えることができるが、ユーザが自分の所望サイズ(ここではA4サイズ)まで一括裁断作業を行うときに、一括裁断後のページ順番(P1〜P10)は、印刷途中に指定サイズのA4用紙が無くなった場合は、
図4(a)に示すように、P1−P2−P3−P5−P7−P9−P4−P6−P8−P10になる。最初から指定サイズのA4用紙が無かった場合は、
図4(b)に示すように、P1−P3−P5−P7−P9−P2−P4−P6−P8−P10になる。そのため、ユーザはそのページ順番(P1〜P10)をいちいち整理しないと簡単には取り揃えることができない。
【0045】
このような不便さを解消するために、本実施例1の印刷処理では、
図5−1(a)、(b)及び
図5−2(a)、(b)に示すように、以下のように処理される。
【0046】
図5−1(a)、(b)及び
図5−2(a)、(b)に示されるように、印刷途中に指定サイズのA4用紙が無くなった場合でも、最初から指定サイズのA4用紙が無かった場合でも、
図3のステップS25において、代替サイズ用紙情報が確定された時点で、未印刷ページ数カウント部33は、未だ印刷していない未印刷ページ数の情報を、送受信制御部31を通して、画像データ入出力部20及び上位装置80内のプリンタドライバ82へ知らせ、
レイアウトステップS26へ進む。ステップS26において、画像データ入出力部20又は上位装置80内のプリンタドライバ82は、その代替サイズ用紙に対して、未だ未印刷のページにおいて、印刷後にユーザが一括裁断を行うことを前提とした印刷レイアウト処理を
行う。この印刷レイアウト処理では、印刷された代替サイズ印刷用紙を一括裁断して複数の束に分離したとき、それぞれの束におけるページが連続するように未印刷ページのレイアウトを調整し、ステップS27へ進む。
【0047】
即ち、
図5−1及び
図5−2に示した例のように、代替サイズのA3用紙1枚に、連続したページの順番(P1〜P10)での印刷ではなく、一括裁断後に簡単に取り揃えることができるように、未印刷ページ数カウント部33にて未印刷のページ数をカウン卜した上で、自動的にそのページの順番(P1〜P10)を調整する。そして、その代替サイズ用紙を裁断するために、ステップS27において、画像データ入出力部20又は上位装置80内のプリンタドライバ82は、裁断の位置及び方向を示す裁断線(図の例では破線で示す。)も追加する。なお、裁断線(破線)の追加は、片面の場合において印刷面に入れて、両面印刷の場合でも表面のみ入れれば良い。つまり、両面印刷において、この裁断線(破線)の有り無しで印刷後の表と裏が一目でわかり易くなり、後述する一括裁断作業に利用される。
【0048】
次に、画像データ入出力部20又は上位装置のプリンタドライバ82は、代替サイズ情報、代替サイズ用紙に対するページレイアウト情報、ページ順情報、追加した裁断線の情報、及び片面印刷モード情報か両面印刷モード情報のデータを、再び送受信制御部31を通して印刷制御部32へ送る。すると、印刷制御部32及び印刷データ生成/出力部34は、画像データに対する変換・圧縮・展開等の一連の処理を行い、この処理結果の印刷データを印刷データ生成/出力部34から出力させて画像形成部70へ与える。この時、未印刷ページ数カウント部33は、その代替サイズ用紙における未印刷ページ数のカウントをし続ける。更に、印刷制御部32は、代替サイズの印刷用紙53に一致した印刷用紙搬送部60内の搬送モータ61を回転させ、この駆動によって搬送ローラ62が回転し始めることで、該当印刷用紙53が画像形成部70へ搬送される。
【0049】
画像形成ステップS28において、画像形成部70は、印刷データ生成/出力部34から与えられる印刷データに基づき、一連の画像形成プロセスによって、代替サイズ用紙に印刷画像を印刷し、ステップS29の代替サイズ用紙の連続印刷工程へ進む。ステップS29において、画像形成部70は、前記一連の画像形成プロセスの繰り返しで、代替サイズ用紙に複数ページの画像をそのままでの大きさで連続的に印刷する。
【0050】
例えば、
図5−1(a)、(b)の片面印刷の場合、
図5−1(a)に示すように、印刷途中に指定サイズのA4用紙が無くなったときでも、
図5−1(b)に示すように、最初から指定サイズのA4用紙が無かったときでも、ユーザがその代替サイズのA3用紙を一括裁断実施した後、A4サイズ用紙としてそのまま片面に印刷した内容のページ順にページP1からページP10まで簡単に取り揃えることができる。又、
図5−2(a)、(b)の両面(長辺綴じ)印刷の場合、
図5−2(a)に示すように、印刷途中に指定サイズのA4用紙が無くなったときでも、
図5−2(b)に示すように、最初から指定サイズのA4用紙が無かったときでも、ユーザがその代替サイズのA3用紙を一括裁断実施した後、A4サイズ用紙としてそのまま両面に印刷した内容のページ順にページP1からページP10まで簡単に取り揃えることができる。
【0051】
ここで、未印刷ページ数カウント部33は、ステップS29の連続印刷工程が行われている間も、残りの未印刷ページ数を引き算でカウントをし続ける。カウント値がゼロになった時点で、未印刷ページが無くなり、即ち、この印刷工程が代替したサイズの印刷用紙53への印刷が完了したことが分かり、最終ページが排出される時点で印刷工程が終了する。しかし、ステップS30において、連続印刷工程の途中で、代替サイズ用紙も又無くなった場合、画像形成装置1は、ここで印刷を一旦中断して、ステップS31へ進む。ステップS31において、印刷制御部32は、送受信制御部31を通して、情報表示部11及び上位装置80内のステータスモニタ82bへ、代替サイズの用紙を補填するようユーザに知らせる。ユーザがその代替サイズ用紙を補填した後、該当印刷用紙収納部50の印刷用紙サイズ検出センサ52にてその補填が検知されたら、ステップS25へ戻り、その代替サイズ用紙への印刷工程が再開される。
【0052】
(実施例1の効果)
本実施例1の画像形成装置1
、画像形成システム
及び画像形成方法によれば、印刷途中に指定サイズ用紙が無くなったときでも、或いは、最初から指定サイズ用紙が無かったときでも、自動的にその指定サイズ用紙の整偶数倍の代替サイズ用紙を検知して代替サイズ用紙への印刷をユーザに勧め、その上、印刷後にユーザがその代替サイズ用紙を一括裁断することを前提とした未印刷ページにおけるレイアウト及びページ順番の自動調整が行なわれる。これにより、ユーザがその代替サイズ用紙の一括裁断を実施した後、元の指定サイズ用紙としてそのまま片面又は両面に印刷した内容のページ順に、最初ページから最終ページまで簡単に取り揃えることができ、コストアップなしでユーザの利便性が向上する。
【実施例2】
【0053】
実施例1では、ユーザから、画像が印刷された代替サイズ用紙の一括裁断が行われた後、印刷内容の同じ方向に向かつて取り揃えたときに、裁断した面がばらばらで1つの方面に取り揃えることができず、ユーザの立場からの使い勝手や取り揃えの見た目の綺麗さに欠ける。このような不都合な点を、本発明の実施例2で改善している。
【0054】
(実施例2の構成)
本実施例2の画像形成装置1及び画像形成システムは、実施例1の
図1及び
図2と略同様の構成である。実施例1との違いは、
図1中の画像データ入出力部20及び上位装置80内のプリンタドライバ82における代替サイズ用紙に対する印刷内容のレイアウト処理の機能が異なる。そのレイアウト処理の機能の異なる点を、以下の動作で説明する。
【0055】
(実施例2の動作)
図6−1及び
図6−2は、本発明の実施例2の印刷処理例を示す概念図である。
図6−1では、指定用紙サイズA4で、10ページの印刷内容における片面印刷の例が示されている。
図6−2では、同じく指定用紙サイズA4で、10ページの印刷内容における両面(長辺綴じ)印刷の例が示されている。なお、
図6−1及び
図6−2とも、印刷途中に指定サイズ用紙がなくなる場合を省略し、最初から指定サイズ用紙無しの場合の例を説明する。
【0056】
本実施例2の画像形成システムにおける制御動作では、実施例1の制御動作を示す
図3のフローチャートにおいて、ステップS26における印刷レイアウト処理の方法が異なるので、その異なる点について説明する。
【0057】
図3のフローチャートのステップS25において、代替サイズ用紙情報が確定した後、ステップS26へ進む。ステップS26において、実施例1で説明したように、
図1中の未印刷ページ数カウント部33は、未だ印刷していない未印刷ページ数の情報を、送受信制御部31を通して画像データ入出力部20及び上位装置80内のプリンタドライバ82へ知らせる。画像データ入出力部20又は上位装置80内のプリンタドライバ82は、その代替サイズ用紙に対して、未だ未印刷のページにおいて、印刷後にユーザが一括裁断を行うことを前提とした印刷レイアウト処理
(即ち、印刷された代替サイズ印刷用紙を一括裁断して複数の束に分離したとき、それぞれの束におけるページが連続するように未印刷ページのレイアウトの調整)を行う。この印刷レイアウト処理では、代替サイズのA3用紙1枚に、連続したページの順番での印刷ではなく、一括裁断後に簡単に取り揃えることができるように、未印刷ページ数カウント部33により、未印刷のページ数をカウン卜した上で、自動的にそのページの順番が調整される。
【0058】
ここでのレイアウト処理では、
図6−1に示す片面印刷の場合、1枚目のA3用紙にページP1とページP6の内容が印刷されるが、ページP1の印刷内容の向きを上下反転させ、ページP6の内容と逆方向でレイアウトさせることにする。以降のページも同様に、ページP2,P3,P4,P5の印刷内容の向きも上下反転させ、ページP7,P8,P9,P10の内容と逆方向でレイアウトさせることにする。なお、
図3のステップS27以降の工程は実施例1と同様のため、ここでの説明を省略する。
【0059】
図6−2に示す両面印刷の場合も同様に、1枚目の表面に印刷されるページP1と同じ位置の反対側の裏面に印刷される(ページP2)の内容の向きは上下反転され、ページP7と(ページP8)の内容の向きと逆方向でレイアウトさせる。同様に、ページP3(ページP4)、ペーPジ5(ページP6)の印刷内容の向きも上下反転させ、ページP7(ページP8)、ページP9(ページP10)の内容と逆方向でレイアウトさせることにする。
【0060】
この印刷向きの上下反転レイアウト処理が行われることによって、ユーザからは用紙表面だけに付けられた裁断線(破線)に揃って一括裁断を行った後、
図6−1の片面印刷の場合は、印刷完了後のユーザ作業90として、ページP1,P2,P3,P4,P5、
図6−2の両面印刷の場合は、印刷完了後のユーザ作業91として、ページP1(ページP2)、ページP3(ページP4)、ページP5(ページP6)を纏めて180°回転すれば、裁断した面(破線側)が印刷向きに左側(綴じる側)に揃えて上から印刷ページ順で簡単かつ綺麗に取り揃えられる。
【0061】
ここで、もう1つの例として、指定サイズ用紙の整偶数倍の大きさの代替用紙として、4倍大きいサイズの用紙に印刷する場合について説明する。
【0062】
図6−3A及び
図6−3Bは、本発明の実施例2の印刷処理例を示す概念図である。
図6−3A及び
図6−3Bでは、指定用紙サイズA5で、20ページの印刷内容における両面(短辺綴じ)印刷で、最初から指定サイズ用紙が無いとする例が示されている。
【0063】
図3のステップS21において、印刷制御部32は、送受信制御部31を通して、各印刷用紙収納部50内の印刷用紙サイズ検出センサ52のサイズ検出信号に基づき、整偶数倍サイズの代替用紙が有るかどうかを、各印刷用紙収納部50に補填されている用紙サイズの情報を調べ、先ず、その指定サイズ用紙A5の2倍サイズであるA4用紙が有るかどうか判断する。しかしA4用紙でも各印刷用紙収納部50に無かったと分かった時点で、その次に、4倍サイズであるA3用紙が有るかどうかを判断する。A3用紙があると判断された時点で(Yes)、ステップS23へ進む。ステップS23において、印刷制御部32は、代替サイズA3用紙情報を、送受信制御部31を通して情報表示部11及び上位装置80内のステータスモニタ82bへ送ってユーザに通知し、ステップS24へ進む。ステップS24において、印刷制御部32は、送受信制御部31を通して、ユーザがその代替サイズA3用紙を採用するかどうかを判断する。採用するなら(Yes)、ステップS25において、その代替サイズA3用紙の収納情報が確定され、ステップS26において、画像データ入出力部20又は上位装置80内のプリンタドライバ82により、印刷のレイアウト処理が実施される。
【0064】
ここでのレイアウト処理では、A5からA3に両面印刷するので、
図6−3Aに示すように、1枚のA3用紙にA5サイズの8ページ分の内容が表面と裏面に印刷される。その上、
図6−3Aの符号92で表された印刷完了後のユーザ作業_その1に示すように、印刷完了後、A3からA5への一括裁断作業は、2回裁断を行う必要がある。この場合でも、2本の裁断線(破線)は表面だけに2本が入ることになるが、裁断する方向における順番によって、最後に取り揃えるときのページ順番が変わってしまう恐れもある。そこで、2本以上の裁断線(破線)が追加される場合、印刷レイアウトの順番に合わせた用紙裁断の順番が分かるように、それぞれの裁断線(破線)に裁断する順の番号も付与させるようにする。
図6−3Aの例で分かるように、A3用紙の横方向において左右2つに裁断する縦の破線に(1)、上下2つに裁断する横の破線に(2)の番号を付加させる。
【0065】
そしてレイアウトには、1枚目のA3用紙の表面に、左上ページP1、右上ページP18、左下空きページ、及び右下ページP7の印刷内容がレイアウ卜され、裏面に、左上(ページP2)、右上(ページP17)、左下(空きページ)、及び右下(ページP8)の印刷内容がレイアウトされる。ここで、一括裁断後に裁断面(破線側)が同じ方向に取り揃えられるように、左上ページP1(ページP2)、右上ページP18(ページP17)の印刷内容の向きが上下反転し、左下空きページ(空きページ)、右下ページP7(ページP8)の印刷内容の向きと反対方向にレイアウト処理される。しかも、同じ印刷面において、表面の対角線上にページP1とページP7は奇数ページで、ページP18と空きページは偶数ページに、同じく裏面の対角線上に(ページP2)と(ページP8)は偶数ページで、(ページP17)と(空きページ)は奇数ページにレイアウトしていることが分かる。この理由については、後述する裁断処理のほうで説明する。
【0066】
続いて、
図6−3Aに示すように、2枚目と3枚目のA3サイズ用紙も同じ方法でレイアウト処理が行われるが、A5サイズ21ページ分の印刷内容に対して、その4倍のA3サイズに両面印刷するので、A5サイズ分のエリアとして、表面と裏面で3箇所が印刷されない空きページエリアが出てくる。この空きページエリアは、決められた裁断順番及び取り揃え作業が行われた後に、一番後ろのページになるように工夫されている。
【0067】
次に、
図6−3Aの符号92で表された印刷完了後のユーザ作業_その1に示すように、前記のようなレイアウト方法で印刷された3枚のA3用紙に対し、ユーザが一括して裁断作業を行う際、先ず、(1)番の裁断線に沿って1回目の裁断を実施することで、3枚のA3サイズ用紙が6枚のA4サイズ用紙に変わる。そして、ユーザが、左側にある3枚のA4用紙を180°回転してから右側にある3枚のA4用紙の上に置けば、6枚のA4用紙とも、(1)番の裁断面(破線側)が同じ方向(左側)に取り揃えられる。
【0068】
更に、
図6−3Bの符号93で表された印刷完了後のユーザ作業_その2に示すように、(2)番の裁断線に沿って2回目の裁断を実施することで、6枚のA4サイズ用紙が12枚の元指定のA5サイズ用紙に生まれ変わる。そして、ユーザが、上側にある6枚のA5用紙を長辺方向において表裏反転させ、左側にある6枚のA5用紙の下に置けば、12枚のA5用紙とも、(1)番及び(2)番の裁断面(破線側)が同じ方向(左側(1)、上側(2))に取り揃えられる。これにより、元指定サイズA5の形で上から印刷内容のページ順に表と裏の両面に印刷ができ、その上、2つの裁断面(破線側)も同じ方向に取り揃えられる。
【0069】
(実施例2の効果)
本実施例2の画像形成装置1
、画像形成システム
及び画像形成方法によれば、指定サイズ用紙から整偶数倍の代替サイズ用紙に切り替えて印刷する際、画像データ入出力部20又は上位装置80内のプリンタドライバ82により、印刷後のユーザの一括裁断作業を考慮し、片面印刷モードか両面印刷モードかに応じて、2回以上裁断の場合は表面に追加される裁断線(破線)に更に番号(1),(2)を付加し、各代替サイズ用紙に印刷ページの順番及び印刷向きを自動調整している。そのため、印刷内容の同じ方向に向かつて取り揃えたときに、裁断した面(破線側)も同じ方向に取り揃えることができ、ユーザに手間が掛からない一番簡単な方法で、見た目も綺麗な印刷物を取り揃えることができる。従って、コストアップなしでユーザの利便性がより向上する。
【0070】
(変形例)
本発明は、上記実施例1、2に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)、(b)のようなものがある。
【0071】
(a)
図1の画像形成装置1及び上位装置80は、図示以外の回路構成に変更しても良い。例えば、
図1の画像形成装置1において、操作部10や画像データ入出力部20を削除し、これらの操作部10や画像データ入出力部20を画像形成装置1の外部に設けても良い。この場合は、外部に設けられる操作部10や画像データ入出力部20としての機能は、例えば、上位装置80により実行される。
【0072】
(b) 実施例1、2では、MFPを例として印刷媒体搬送装置構造及び動作原理を説明したが、実際の応用にはMFPに限らず、電子写真方式やインクジェッ卜方式、インパク卜方式、サーマル方式等のプリンタ、及びFAX等の画像形成装置にも適用可能である。