【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明において、カテーテルガイドデバイスが提供され、このカテーテルガイドデバイスは、基端部、先端部、少なくとも先端屈曲部または湾曲セクション、及び、カテーテルを受けることが可能なルーメンを備え、ルーメンが、少なくとも1つのカテーテル入口ポートと先端部に位置する少なくとも1つのカテーテル出口ポートとを備え、上記少なくとも1つのカテーテル入口ポート及び上記少なくとも1つのカテーテル出口ポートが、少なくとも先端屈曲部または湾曲セクションによって離間されており、カテーテルデバイスが、カテーテルがカテーテル出口ポートから出るときに体腔内にカテーテルを挿入することを方向付けることが可能であり、このため、体腔における目的の所定位置に個体の体腔内へカテーテルを正確に位置決めすることを確実にする。
【0027】
好ましくは、カテーテルは、胸腔チューブを備えるまたは胸腔チューブからなる。
【0028】
好都合なことには、体腔は、動物または人体の胸腔である。
【0029】
有利には、カテーテル出口ポートは、カテーテルガイドデバイスのうち屈曲または湾曲セクションを有する少なくとも1つのセクションによってカテーテル入口ポートから離間されている。
【0030】
好ましくは、湾曲セクションは、ほぼ円弧である。
【0031】
好都合なことには、屈曲部は、先端角を形成し、先端角は、0度より大きいが180度未満である。
【0032】
有利には、デバイスは、基端部及び先端部の運動間の機能的関係を有する。
【0033】
好ましくは、機能的関係は、先端角の寸法により決定される。
【0034】
好都合なことには、機能的関係は、先端セクションの長さによって決定される。
【0035】
有利には、機能的関係は、身体内で先端部の位置を決定し、カテーテルがカテーテル出口ポートから出る方向であってこの方向が先端軸に沿う方向を規定する。
【0036】
好ましくは、先端部は、丸状端部である。
【0037】
好都合なことには、先端セクションの一部は、先端部に近接する縁部から先端部まで、先端軸方向に沿って内側にテーパ状となる。
【0038】
有利には、縁部は、丸状縁部である。
【0039】
好ましくは、テーパ状とすることは、符号18から始まって先端部5まで、先端セクションの比較的大きな距離にわたって段階的である。
【0040】
好都合なことには、ガイドデバイスは、基端部を有する基端セクションと、ルーメン及びカテーテル入口ポートを有する中間セクションと、先端部及びカテーテル出口ポートを有する先端セクションと、をさらに備える。
【0041】
有利には、基端セクションは、中間セクションと共に基端角を形成し、先端セクションは、中間セクションと共に先端角を形成し、先端角が、先端屈曲部を規定する。
【0042】
好ましくは、デバイスは、基端部及び先端部の運動間の機能的関係を有する。
【0043】
好都合なことには、機能的関係は、基端角の寸法と先端角の寸法とを含む。
【0044】
有利には、基端角の寸法は、0度より大きいが180度未満であり、先端角の寸法は、0度より大きいが180度未満である。
【0045】
好ましくは、基端角及び先端角は、鋭角、鈍角、直角及びこれらの組み合わせを備えるグループから選択される。
【0046】
好都合なことには、基端角及び先端角は、一対の補角、一対の余角及び一対の直角を備えるグループから選択される。
【0047】
有利には、機能的関係は、先端セクションの長さによって決定される。
【0048】
好ましくは、機能的関係は、身体内で先端部の位置を決定し、カテーテルがカテーテル出口ポートから出る方向であってこの方向が先端軸に沿う方向を規定する。
【0049】
好都合なことには、先端部分は、突出先端を有し、体腔内へのデバイスの挿入を容易にする。
【0050】
有利には、突出先端は、カテーテル出口ポートから先端側に延在する縁部を備える。
【0051】
好ましくは、ガイドデバイスは、デバイスの先端部においてルーメンにある取り外し可能な栓体を備える。
【0052】
好都合なことには、ルーメンは、1以上の突出部を備え、デバイス内でカテーテルが動くことを容易にする。
【0053】
有利には、デバイスには、印部が設けられており、この印部は、着色されかつ/または形付けられており、先端部と基端部とを区別する。
【0054】
好ましくは、外壁セクションには、少なくとも1つの突出部が設けられており、体腔内へのデバイスの正確な位置決めを容易にする。
【0055】
本発明の別の態様において、2部品ガイドデバイスが提供され、このガイドデバイスは、基端部、先端部、及びカテーテルを受けることが可能なルーメンを備え、ルーメンが、少なくとも1つのカテーテル入口ポートと、先端部に位置する少なくとも1つのカテーテル出口ポートと、を備え、基端部、ルーメン及び先端部は、ガイドデバイスの軸方向長さに沿って2部品に分離可能である。
【0056】
好ましくは、2部品ガイドデバイスは、この[発明の概要]において上述した発明の特徴のうちのいずれからをさらに備える。
【0057】
好都合なことには、ガイドデバイスは、ガイドデバイスの2部品を共に保持するためのスナップロックのようなロック手段をさらに備える。
【0058】
有利には、軸方向長さは、基端軸の長さ、中間軸の長さ、先端軸の長さ及びこれらの組合せからなるグループから選択される。
【0059】
本発明のさらなる態様において、カテーテルが提供され、このカテーテルは、カテーテルをカテーテルガイドデバイスに挿通したときに、不要な横へのまたは側方への動きを防止するまたは低減するための補強側壁部を備える。
【0060】
本発明の別の態様において、部品一式を提供し、この部品一式は、胸膜カテーテルまたは胸腔チューブのようなカテーテルと、本発明のカテーテルガイドデバイスと、を備える。
【0061】
好ましくは、部品一式は、管爪部をさらに備える。
【0062】
好都合なことには、部品一式は、殺菌してあらかじめパッケージされた単一使用のための部品一式の形態をなしている。
【0063】
有利には、部品一式の内容物は、殺菌バリアシールによって外部環境から分離されており、この殺菌バリアシールは、外科手術で部品一式の内容物を使用する直前に破断される。
【0064】
本発明の別の態様において、外科手技中において、例えば胸腔チューブなどの胸膜カテーテルのようなカテーテルを動物または人間のような個体の胸腔のような体腔内に挿入するための方法を提供し、上記外科手技は、本発明のカテーテルガイドデバイスを準備するステップと、本発明におけるカテーテルガイドデバイスを用いて例えば胸膜カテーテルなどを胸腔内に挿入することによって、個体の胸腔に胸膜カテーテルを正確に位置決めするステップと、を備える。
【0065】
本発明のさらなる態様において、動物または人間の胸腔のような体腔内で胸膜カテーテルのようなカテーテルを正確に位置決めすることを改善するまたは確実にするための外科手技を提供し、上記外科手技は、本発明におけるカテーテルガイドデバイスを準備するステップと、本発明におけるカテーテルガイドデバイスを用いて口腔のような体腔内へカテーテルを挿入することによって、カテーテルをガイドするステップと、胸腔のような体腔内の目的位置にカテーテルを正確に方向付けるステップと、を備える。
【0066】
本発明の別の態様において、胸腔に関連する臨床症状を患う動物または人間のような個体の症状を治療するまたは緩和するための方法を提供し、上記治療方法は、治療される個体の胸腔内へ例えば胸膜カテーテルまたは胸腔チューブなどを挿入するステップと、胸腔のような体腔の目的位置へカテーテルを正確に方向付けるための本発明の方法を用いることによって、胸膜カテーテルの挿入をガイドする工程と、を備える。
【0067】
本発明のさらなる態様において、胸腔内の例えば感染症及び/または悪性度を診断するための方法を提供し、上記方法は、胸腔内の目的位置へカテーテルを正確に方向付けるための本発明の方法を用いることによって、動物または人間のような個体の胸腔内へ胸膜カテーテルまたは胸腔チューブを挿入するステップと、上記カテーテルを用いて上記胸腔の少なくとも一部を抜き取ることによって、個体の胸腔から流体サンプルを収集するステップと、生体外分析の結果に基づいて上記感染症及び/または上記悪性度を診断するステップと、を備える。
【0068】
本発明の別の態様において、胸腔に関連する適応症(clinical indication)を患う動物または人間のような個体の症状を治療するまたは緩和するための方法で使用するための本発明のカテーテルガイドデバイスを提供し、上記方法は、個体の胸腔内へ胸膜カテーテルを挿入するステップと、胸腔内の目的位置へ胸膜カテーテルを正確に方向付けるための本発明の方法を用いることによって、カテーテルの挿入をガイドするステップと、を備える。
【0069】
好ましくは、方法は、空気、血液、膿、流体及び/または乳糜(chylos)を胸腔から取り除くステップをさらに備える。
【0070】
本発明のさらなる態様において、胸腔内の感染症及び/または悪性度を診断するための方法で使用するためのカテーテルガイドデバイスを提供し、上記方法は、胸腔内の目的位置へカテーテルを正確に方向付けるための本発明の方法を用いることによって、動物または人間のような個体の胸腔内へカテーテルまたは胸腔チューブを挿入するステップと、上記カテーテルを用いて上記胸腔の少なくとも一部を抜き取ることによって、個体の胸腔から流体サンプルを収集するステップと、上記流体サンプルを生体外分析するステップと、上記生体外分析の結果に基づいて上記感染症及び/または悪性度を診断するステップと、を備える。
【0071】
本発明の別の態様において、カテーテルをさらに備える部品一式を製造における本発明のカテーテルガイドデバイスの使用を提供し、上記部品一式は、胸腔に関連する適応症を患う動物または人間のような個体の症状を治療するまたは緩和するための方法で使用するためのものであり、上記方法は、個体の胸腔内へ胸膜カテーテルを挿入するステップと、胸腔内の目的位置へ胸膜カテーテルを正確に方向付けるための本発明の方法を用いることによって、カテーテルの挿入をガイドするステップと、を備える。
【0072】
本発明のさらなる態様において、カテーテルをさらに備える部品一式を製造における本発明のカテーテルガイドデバイスの使用を提供し、上記部品一式は、胸腔内の感染症及び/または悪性度を診断するための方法で使用されるものであり、上記方法は、胸腔内の目的位置へカテーテルを正確に方向付けるための本発明の方法を用いることによって、動物または人間のような個体の胸腔内へカテーテルを挿入するステップと、上記カテーテルを用いて上記胸腔の少なくとも一部を抜き出すことによって個体の胸腔から流体サンプルを収集するステップと、上記流体サンプルを生体外分析するステップと、上記生体外分析の結果に基づいて上記感染症及び/または悪性度を診断するステップと、を備える。
【0073】
本発明は、動物または人間の供給内の目的位置へ胸腔チューブを正確にガイドするための方法及びデバイスを対象とする。また、カテーテル及び本発明におけるカテーテルガイドデバイスを備える部品一式を提供する。
【0074】
胸腔チューブは、基本的に、
1)超音波ガイド技術
2)トロッカーガイド技術
3)鈍的切開技術
の3つの異なる技術のうちの1つを用いることによって挿入される。
【0075】
鈍的切開技術を用いて胸腔チューブを挿入することは、現在では、以下で詳述するように、「ブラインド」処置である。本発明は、従来の鈍的切開技術の「ブラインド性」を改善する。
【0076】
好都合なことには、鈍的切開技術を用いて最先端の胸腔チューブを挿入することは、以下のステップ、
1)中間腋窩線の前方の第5肋間腔(安全領域)にある皮膚を消毒し、局所麻酔するステップ、
2)皮膚を切開するステップ、
3)鉗子を用いて胸壁を通して胸腔まで鈍的切開をするステップと、
4)指を経路に挿通させて胸腔に入ることを検証するステップと、
5)湾曲型鉗子を用いて胸腔チューブの先端をクランプして胸腔内へ挿入するステップと、
6)胸腔チューブの先端を保持する湾曲型鉗子を目的方向に向けるステップと、
7)クランプを解放し、胸腔チューブを最適深さまで前進させるステップと、
8)胸腔チューブを皮膚に縫合して外に落ちることを防止するステップと、
9)いったん胸腔チューブを所定位置とし、胸部X線を行ってドレイン場所を確認するステップと、
を実行することによって行われる。
【0077】
最先端の鈍的切開技術を用いて胸腔内に胸腔チューブを正確に方向付けて正確に位置決めする能力を医師が有さないので、処置は「ブラインド」処置となる。胸腔チューブを胸腔内へ前進させると、胸腔チューブの先端は、もはや視認可能ではなく、したがって、位置異常することがある。したがって、最先端の鈍的切開技術を用いても、上述のように、胸腔チューブを位置異常させる深刻な危険性がある。
【0078】
クランプを解放した(上記ステップ7)参照)後に、胸腔チューブを前進させる方向は、概ね、ガイドされず、胸腔チューブの前進は、胸腔チューブのうち患者の外側に位置する部分を保持する医師によってのみ支援される。
【0079】
最先端の鈍的切開技術を用いて胸腔チューブを前進させている間、胸腔の内側における胸腔チューブの挿入方向が肺の方向に向けられる場合には、胸腔チューブは、壁側胸膜の外側、裂溝内(interfissural)または実質内(intraparenchymal)(肺を穿通する)に不意に位置決めされることがある。
【0080】
さらに、胸腔チューブの挿入は、しばしば、若く経験の少ない胸部外科医及び外傷外科医によって実行される最初の処置の1つであり、この処置は、しばしば、ストレスがかかり厳格な時間制限のある状態で実行される緊急性の処置である。
【0081】
同様に、胸腔チューブを正確に位置決めすることは、例えば多量の皮下気腫、大きな乳房などを有する肥満性の患者において、または患者が興奮し、脅えまたは狼狽している場合には、実現することがより困難である。胸腔チューブを挿入することに関連する処置は、容易に実行するには程遠い。
【0082】
本発明のカテーテルガイドデバイスは、医師がしばしば困難である状況の下でも胸腔チューブを正確に位置決めすることを補助する。
【0083】
したがって、本発明の一態様は、個体の体腔内へ体腔の目的の所定位置においてカテーテルを正確に挿入するのに適したカテーテルガイドデバイスを提供する。カテーテルは、適切な直径の胸腔チューブであってもよく、体腔は、動物または人間の胸腔であってもよい。
【0084】
カテーテルガイドデバイスは、ルーメンを備え、このルーメンには、カテーテルがカテーテルガイドデバイスの第1開口部またはカテーテル入口ポートを通して挿入される。第2開口部またはカテーテル出口ポートは、好ましくは、カテーテルガイドデバイスの先端部に位置する。カテーテル出口ポートは、カテーテルガイドデバイスのうち例えばほぼ円弧の形態のような屈曲したまたは湾曲した形状または形態を有する少なくとも1つのセクションによってカテーテルガイドデバイスから離間されている。ガイドデバイスの屈曲したまたは湾曲したセクションにおける厳密な形態は、捩れをカテーテルで生じさせない特有の状況の下でルーメンを通してカテーテルを前進させる限り、必須はない。
【0085】
本発明の一形態におけるカテーテルガイドデバイスの機能性に関して重要なことは、少なくとも1つの湾曲セクションがデバイスの先端部であってカテーテルガイドデバイスを使用している間に体腔内に位置する先端部に位置し、そのため、カテーテルガイドデバイスの基端部であって治療する患者の外側に位置する基端部における外科手技中において医師による回転を含む運動が結果として所定位置にカテーテルガイドデバイスの出口ポートを位置決めし、この位置は、いったんカテーテルがカテーテルガイドデバイスの出口ポートから出ると、カテーテルの目的の軸方向出口方向を規定する。いったんカテーテルがカテーテルガイドデバイスの出口ポートから出たときに目的の軸方向出口方向を規定することができることは、カテーテルを体腔内で目的場所に正確に位置させるために、医師がカテーテルを胸腔のような体腔内へ正確に方向付けることができる要件である。
【0086】
デバイスは、デバイスの先端部に位置するほぼ湾曲したセクションを有していない、すなわち、デバイスのうちカテーテルガイドデバイスを使用している間に体腔内に位置する端部は、特有の状況の下で、医師がカテーテルの目的の軸方向出口方向を規定することを全ての場合においては可能とせず、この目的の軸方向出口方向は、医師が外科手技中において患者の体腔内にカテーテルを正確に位置決めすることを可能とさせる。この理由は、カテーテルガイドデバイスのほぼ直線状の出口ポートセクションが角度であって外科手技中にいったんカテーテルガイドデバイスを体腔内に入れたときに出口ポートを体腔内で位置決めする角度を限定し制限するためである。ほぼ直線状の出口ポートセクションを有するカテーテルガイドデバイスを回転させることは、いったん外科手術中にカテーテルガイドデバイスを体腔内に入れると、医師が全ての所望の方向にデバイスの出口ポートを向けることを可能としない。
【0087】
したがって、カテーテルガイドデバイスの先端部における湾曲セクションは、カテーテルガイドデバイスを使用している間に医師がカテーテルガイドデバイスを操作する、すなわち動かしてかつ/または回転させてデバイスの先端開口部を目的位置であってカテーテルの目的の軸方向出口を規定する目的位置に位置決めするときに、胸腔チューブのようなカテーテルを胸腔のような体腔の目的位置で正確に位置決めすることを可能とすることを対象としかつ必要とする方向で、カテーテルが体腔内に位置するカテーテルガイドデバイスの先端部から出ることを確実にする。
【0088】
カテーテルガイドデバイスのうちカテーテルガイドデバイスの先端部に位置する少なくとも1つの湾曲セクションは、カテーテルガイドデバイスの他の部分に動作可能に接続される。一形態において、カテーテルガイド部材のうちデバイスの先端部に位置する少なくとも1つの湾曲セクションは、状況に応じて、カテーテルガイドデバイスの設計に関して必要であるように、円弧形状のような湾曲セクションを有するガイドセクション及び少なくともほぼ直線状の、すなわち角付でない形状のガイドセクションを含む、他の形状及び形態を有する他のガイドセクションと組み合わせて、デバイスの第1及び第2開口部を接続する。
【0089】
ガイドデバイスの最も先端側の端部に位置するカテーテル出口ポートは、テーパ状端部を有し、このため、皮膚の切開部内へカテーテルを入れることを容易にする一方で、好ましくは、ガイドデバイスのルーメンの内径を一定のままとする。
【0090】
ガイドデバイスは、ガイドデバイスのチューブの直径よりも十分に大きい直径を有する襟部を備える。襟部の機能は、ガイドデバイスが特有の状況の下で個体の体腔内へ深く入りすぎることを防止することである。ガイドデバイス上の襟部の位置は、主として、ガイドデバイスにおける先端側の屈曲したまたは湾曲したセクションと中間または基端セクションとの間である。襟部は、ガイドデバイスの最も先端側の端部の運動を制限しないが、いったん個体の体腔内に適切に挿入するとガイドデバイスが体腔内へ深く挿入されすぎる危険性なく一定位置で所定位置のままとすることを確実にする。
【0091】
別の態様において、本発明は、部品一式を提供し、この部品一式は、胸膜カテーテルまたは胸腔チューブのようなカテーテルと、本発明におけるカテーテルガイドデバイスと、任意で管爪部と、を備える。部品一式は、好ましくは、1回使用のみのための殺菌されあらかじめパッケージされた部品一式である。部品一式の内容物は、殺菌バリアシールによって外部環境から分離されており、この殺菌バリアシールは、外科手術において部品一式の内容物を使用する直前に破断される。
【0092】
部品一式は、緊急使用のためのものであり、円刃刀、針及び縫合糸、一対の外科用鋏、クランプ、消毒剤、麻酔、カバー、ガーゼ、包帯、並びに、使用中にカテーテルに動作可能に接続されることが可能な一方向弁を有する吸引デバイス及び/または収集バッグのうちの1以上をさらに備える。部品一式は、サイズの異なる複数のカテーテル及び/またはサイズの異なる上記カテーテルを組み合わせて動作可能に使用されることが可能な1以上のカテーテルガイドデバイスを備えてもよい。
【0093】
まだ別の態様において、本発明は、外科手技中に動物または人間のような個体の胸腔のような体腔内へ胸膜カテーテルのようなカテーテルを挿入するための方法であって、上記外科手技は、本発明におけるカテーテルガイドデバイスを準備するステップと、本発明におけるカテーテルガイドデバイスを使用することによって、胸腔内へ例えば胸膜カテーテルを挿入することにより個体の胸腔内で胸膜カテーテルを正確に位置決めするステップと、を備える。
【0094】
さらなる態様において、本発明は、動物または人間の胸腔のような体腔内で胸膜カテーテルのようなカテーテルを正確に位置決めすることを改善するまたは確実にするための外科手技を提供し、上記外科手技は、本発明におけるカテーテルガイドデバイスを準備するステップと、本発明におけるカテーテルガイドデバイスを用いることによって、胸腔のような体腔内へカテーテルを挿入することにより例えば胸腔チューブのようなカテーテルを胸腔のような体腔内へガイドするステップと、胸腔のような体腔内の目的位置へカテーテルを正確に方向付けるステップと、を備える。
【0095】
またさらなる態様において、本発明は、胸腔に関連する臨床症状を患う動物または人間のような個体の症状を治療するまたは緩和するための方法を提供し、上記治療方法は、治療する個体の胸腔内へ例えば胸膜カテーテルまたは胸腔チューブを挿入するステップと、胸腔のような体腔の目的位置へカテーテルを正確に方向付けるための本発明の方法を用いることによって、胸膜カテーテルの挿入をガイドするステップと、を備える。
【0096】
いっそうのさらなる態様において、本発明は、胸腔内の例えば感染症及び/または悪性度を診断するための方法を提供し、上記方法は、胸腔内の目的位置へカテーテルを正確に方向付けるための本発明の方法を用いることによって、動物または人間のような個体の胸腔内へ胸膜カテーテルまたは胸腔チューブを挿入するステップと、上記カテーテルを用いて上記胸腔の少なくとも一部を抜き取ることによって、個体の胸腔から流体サンプルを収集するステップと、上記流体サンプルを生体外分析するステップと、上記生体外分析の結果に基づいて上記感染症及び/または上記悪性度を診断するステップと、を備える。
【0097】
まださらなる態様において、本発明は、胸腔に関連する適応症を患う動物または人間のような個体の症状を治療するまたは緩和するための方法で使用されるカテーテルガイドデバイスを提供し、上記方法は、個体の胸腔内へ胸膜カテーテルを挿入するステップと、胸腔内の目的位置へ胸膜カテーテルを正確に方向付けるための本発明の方法を用いることによって、カテーテルの挿入をガイドするステップと、を備える。
【0098】
いっそうのさらなる態様において、本発明は、胸腔内の感染症及び/または悪性度を診断するための方法で使用するためのカテーテルガイドデバイスを提供し、上記方法は、胸腔内の目的位置へカテーテルを正確に方向付けるための本発明の方法を用いることによって、動物または人間のような個体の胸腔内へカテーテルまたは胸腔チューブを挿入するステップと、上記カテーテルを用いて上記胸腔の少なくとも一部を抜き取ることによって個体の胸腔から流体サンプルを収集するステップと、上記流体サンプルを生体外分析するステップと、上記生体外分析の結果に基づいて上記感染症及び/または悪性度を診断するステップと、を備える。
【0099】
まださらなる態様において、本発明は、カテーテルをさらに備える部品一式を製造するときにおけるカテーテルガイドデバイスの使用を提供し、上記部品一式は、胸腔に関連する適応症を患う動物または人間のような個体の症状を治療するまたは緩和するための方法で使用されるものであり、上記方法は、個体の胸腔内へ胸膜カテーテルを挿入するステップと、胸膜カテーテルを胸腔内の目的位置へ正確に方向付けるための本発明の方法を用いることによって、カテーテルの挿入をガイドするステップと、を備える。
【0100】
またさらなる態様において、本発明は、カテーテルをさらに備える部品一式を製造するときにおけるカテーテルガイドデバイスの使用を提供し、上記部品一式は、胸腔内の感染症及び/または悪性度を診断するための方法で使用されるものであり、上記方法は、カテーテルを胸腔内の目的位置に正確に方向付けるための本発明の方法を用いることによって、動物または人間のような個体の胸腔内へカテーテルを挿入するステップと、上記カテーテルを用いて上記胸腔の少なくとも一部を抜き取ることによって、個体の胸腔から流体サンプルを収集するステップと、生体外分析の結果に基づいて上記感染症及び/または悪性度を診断するステップと、を備える。
【0101】
定義
大気圧:地表の任意の地点において空気からかけられた力。海水位での平均大気圧は、1000ミリバール(100キロパスカル)である。
【0102】
カテーテル:人間のような個体の体腔内に配置することが可能な胸腔チューブのようなチューブ。胸腔のような胸腔内に配置すると、胸腔チューブは、この体腔から閉じ込められた空気及び/または流体を除去するために使用され、このため、胸腔内に空気及び/または流体が蓄積する結果として生じる気胸及び/または胸水のような適応症を軽減する。胸水の排水は、虚脱した肺を再び膨張させることを可能とし、このため、肺が通常に機能することを確実にする。用語「カテーテル」は、本明細書において胸腔チューブと同義的に使用される。
【0103】
胸腔チューブ:上記カテーテルを参照。
【0104】
膿胸:胸膜腔内に膿が蓄積すること。
【0105】
血胸:胸部損傷によって通常引き起こされ、胸腔内に血液が蓄積すること。
【0106】
胸膜内:胸腔内で壁側胸膜と臓側胸膜との間に位置する。
【0107】
胸膜:胸腔の半分を覆い、片側にある肺を被覆し、保護する薄い薄膜。
【0108】
胸腔:各胸膜内の空間であって肺を収容する空間。
【0109】
胸水:とりわけ鬱血性心不全、癌、結核及び肺感染症によって引き起こされ、胸腔内の流体。
【0110】
気胸:胸腔内に空気が蓄積することであり、肺を虚脱させること。原因は、とりわけ肺病、貫通性外傷及び特定の医療処置を含み、この医療処置には、換気(ventilation)及び心配機能蘇生、ペースメーカ移植、肺内の腫瘍のCTガイド型針吸引、中心静脈カテーテルの挿入を含む。
【0111】
基端部(4):ガイドデバイス100を使用しているときに医師に近接してアクセス可能なガイドデバイス100の端部を規定する。すなわち、デバイス100を使用するときに体腔の所望位置から離間した端部である。
【0112】
先端部(5):ガイドデバイス100を使用しているときに医師から離間するガイドデバイス100の端部を規定する。すなわち、デバイス100を使用するときに体腔の所望位置に近接し、カテーテルの出口ポートを有する端部である。
【0113】
基端セクション(1):本発明の一形態において、基端セクション1は、ガイドデバイス100を使用するときに、医師に近接してアクセス可能なデバイスの部分を規定する。すなわち、デバイス100を使用するときに体腔の所望位置から離間するセクションである。したがって、主として、基端セクション1は、基端部4を有する。本発明の別の形態において、ガイドデバイスは、基端セクション1を有していなくてもよく、この場合において、中間セクションの一部は、理解を目的として基端セクションとして考えられる(
図12参照)。
【0114】
先端セクション(3):ガイドデバイス100を使用するときに医師から離間するデバイス100の部分を規定する。すなわち、デバイス100を使用するときに身体の所望位置に近接するセクションである。先端セクション3は、カテーテル出口ポートを有する先端部5を有する。
【0115】
中間セクション(2):本発明の一形態において、中間セクション2は、基端セクション1と先端セクション5とを接続するデバイスの一部を規定する。
【0116】
本発明の別の形態において、デバイスは、基端セクションを有しておらず、中間セクションは、基端部4を有する(
図12参照)。当業者が理解することは、この状況において、中間セクションのうち基端部4を含みかつ基端部4に近接する小部分が理解を目的として基端セクションとして考えられ、したがってガイドデバイス100を使用するときに基端部が医師に近接してアクセス可能であるという要件を満たすことである。しかしながら、基端軸及び中間軸は、同一であってもよい。
【0117】
中間セクション2は、カテーテルをガイドデバイス100内に導入することを可能とするための入口ポート14を有する。
【0118】
基端軸(6):基端セクション1の長さに沿う軸であり、中間軸7と基端角12を形成する。ガイドデバイス100内のカテーテルの動き(11)に沿う基端軸6の方向は、基端軸6の延長方向で示される。
【0119】
先端軸(8):先端セクション3の長さに沿う軸であり、中間軸7と先端角13を形成する。ガイドデバイス100内におけるカテーテルの動き11に従う先端軸8の方向は、先端軸8の延長方向で示される。一形態において、先端軸8の方向は、基端軸6の方向とは反対側である(
図4)。しかしながら、別の形態において、先端軸8の方向は、基端軸の方向と同方向であってもよい(
図3)。当業者が理解することは、基端軸及び先端軸が同様に互いの間で他の角度を形成してもよいので、基端軸及び先端軸の方向が上記2つの形態に限定されないことである。
【0120】
中間軸(7):中間セクション2の長さに沿う軸であり、基端軸6と基端角12を形成し、先端軸8と先端角13を形成する。ガイドデバイス100内におけるカテーテルの動き11に従う中間軸7の方向は、中間軸7の延長方向によって示される。
【0121】
基端角(12):基端屈曲部9において基端軸6と中間軸7との間に形成された角度である。基端角12は、基端軸6の方向と中間軸7の方向との間で測定されており、このため、添付の図面に示されるように、これら軸は、ガイドデバイス内におけるカテーテルの動き11に従う。
【0122】
先端角(13):先端屈曲部10において先端軸8と中間軸7との間に形成された角度である。先端角13は、先端軸8の方向と中間軸7の方向との間で測定されており、このため、添付の図面に示されるように、これら軸は、ガイドデバイス内におけるカテーテルの動き11に従う。
【0123】
基端屈曲部(9):基端角12のため、(基端軸6により規定された)基端セクション1と(中間軸7により規定された)中間セクション2との間でガイドデバイス100に形成された屈曲部である。
【0124】
先端屈曲部(10):先端角13のため、(先端軸8により規定された)先端セクション3と(中間軸7により規定された)中間セクション2との間でガイドデバイス100に形成された屈曲部である。
【0125】
本発明の実施形態は、その利点と共に、同一の機能を同一の参照符号で示した添付の図面と共に以下の詳細な説明から最も良く理解される。