(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のECG信号プロファイルを取得するための前記少なくとも1つの電極が、前記患者の前記体内にある前記カテーテルに収容され、前記少なくとも1つの電極が導電性経路によって前記ECG信号モニタに動作可能に接続される、請求項1に記載の再確認するためのシステム。
前記少なくとも1つの電極が前記カテーテルの内腔内に配置されるスタイレットを含み、前記導電性経路が前記少なくとも1つの電極に動作可能に接続されるテザーを含む、請求項2に記載の再確認するためのシステム。
前記記憶構成要素が前記カテーテル内に収容されるRFIDチップを含み、前記ECG信号モニタが、前記RFIDチップの前記第1のECG信号プロファイルを符号化し、かつ読み取るためのRFIDエンコーダ/リーダを含む、請求項1に記載の再確認するためのシステム。
前記第1のECG信号プロファイル及び前記第2のECG信号プロファイルのうちの少なくとも一方が、配置後に前記患者の前記体の外部に残る前記カテーテルの部分の長さ、及び更なる情報を入手することができるウェブポータルのうちの少なくとも一方に関連するデータを含む、請求項1に記載の再確認するためのシステム。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[00013]ここで図面が参照されることになり、図面では、類似の構造は類似の参照指示が与えられる。図面は、本発明の例示的な実施形態の、概略かつ模式化した表現であり、限定するものでも、必ずしも原寸に比例して描かれたものでもないことが理解される。
【0008】
[00014]明確にするために、用語「近位」は本明細書において説明されることになるデバイスを使用する臨床医に相対的に近い方向を指しており、一方、用語「遠位」は臨床医から相対的に遠い方向を指していることは理解されたい。例えば、患者の体内に配置されるカテーテルの端部はカテーテルの遠位端と見なされ、一方、人体の外部に残るカテーテル端は、カテーテルの近位端である。また、特許請求の範囲を含む、本明細書において用いられるときに、用語「〜を含む〜」、「〜を有する」及び「〜を有する〜」は用語「〜を備える〜」と同じ意味を有することになる。
【0009】
[00015]本発明の実施形態は、包括的には、患者のECG信号の支援により配置されたカテーテル又は他の留置デバイスの位置の再確認に向けられる。本明細書において説明されるように、本明細書において説明されるシステム及び方法によれば、特に、留置カテーテルの遠位先端が、そのカテーテルが最初に配置されたときと同じ場所に配置されたままであるか否かを臨床医が確認できるようになる。先端が別の位置に動いたことがわかった場合には、先端をその適切な位置に戻すために、ステップを実施することができる。
【0010】
[00016]最初に
図1及び
図2を参照すると、全体として10で指示されるカテーテル配置及び監視システムの一例が示される。システム10によれば、超音波イメージングによって患者70の皮下血管を視覚化し、その後、患者の心臓のSA結節によって生成されたECG信号を監視することによって、患者の脈管構造内にカテーテル72を挿入し、前進させて、最終的に配置できるようになる。システム10のハードウェア及び他の構成要素の簡易ブロック図が
図1に示されており、一方、
図2は、患者70との関連においてシステム及びカテーテル72を示す。図に示されるように、一実施形態では、システム10は包括的には、ディスプレイ30を収容するコンソール20と、超音波プローブ40と、患者70の胸部上に配置するためのセンサユニット50とを含む。
【0011】
[00017]より詳細には、かつ上記のように、
図2は、皮膚挿入部位73を通して患者の脈管構造内にカテーテル72を配置する手順中のシステム10の構成要素と患者70との全体的な関係を示す。
図2は、カテーテル72が全体的に、配置が完了した後に、患者の外部に残る近位部分74と、患者の脈管構造内に存在する遠位部分76とを含むことを示す。システム10を用いて、患者の脈管構造内の所望の位置にカテーテル72の遠位先端76Aを最終的に位置決めする。一実施形態では、カテーテル遠位先端76Aのための所望の位置は患者の心臓に非常に近く、例えば、上大静脈(「SVC」)下3分の1(1/3)の部分内である。当然、システム10を用いて、カテーテル遠位先端を他の場所に配置することもできる。カテーテル近位部分74は分岐74Aを更に含み、分岐はカテーテル72の1つ又は複数の内腔と、ハブから近位に延在する1つ又は複数の延長脚部74Bとの間の流体連通を与える。各延長脚部74Bは、適切な医療デバイスに取り付けるためのルアーコネクタ74Cを含む。
【0012】
[00018]コンソール20は、システム10の動作のために必要な種々の構成要素を収容する。例えば、EEPROMのような不揮発性メモリを含むプロセッサ22が、システム10の動作中のシステム機能を制御し、それにより、制御プロセッサとしての役割を果たすためにコンソール20に含まれる。デジタルコントローラ/アナログインターフェース24もコンソール20に含まれており、プロセッサ22及び他のシステム構成要素と通信して、超音波プローブ40、センサ50及び他のシステム構成要素間のインターフェースを管理する。
【0013】
[00019]コンソール20は更に、センサ50、及びプリンタ、記憶媒体、キーボード等を含むオプションの構成要素54と接続するためにポート52を含む。一実施形態では、ポート52はUSBポートであるが、本明細書において記述されるこのインターフェース接続及び他のインターフェース接続のために他のポートタイプ又はポートタイプの組み合わせを用いることもできる。コンソール20には、外部電源58と動作可能に接続できるようにする電力接続56が含まれる。外部電源とともに、又は外部電源を用いることなく、内部電池60も利用することができる。コンソールのデジタルコントローラ/アナログインターフェース24に電力管理回路59が含まれており、電力の使用及び分配を調整する。
【0014】
[00020]本実施形態におけるシステム10のディスプレイ30はコンソール20に組み込まれており、カテーテル配置手順中に、そして後に示されるように、以下に記述されることになる実施形態によるカテーテル遠位先端位置の再確認中に、臨床医に情報を表示するために用いられる。オプションでは、ディスプレイは、コンソールとは別にすることができる。一実施形態では、コンソールボタンインターフェース32及びプローブ40上に含まれるボタンを用いて、カテーテル配置手順中にシステム10の機能を制御することができる。したがって、システムコンソール20の単一のディスプレイ30を、後に示されるように、患者の脈管構造に近づく際の超音波誘導のために、患者の心臓の結節に対するカテーテル遠位先端配置のECGに基づく確認のために、そして、カテーテル遠位先端位置の事後確認のために利用することができる。一実施形態では、ディスプレイ30はLCDデバイスである。
【0015】
[00021]上記のように、カテーテル72を脈管構造内に挿入するのに備えて、静脈のような皮下血管を超音波(「US」)に基づいて視覚化することに関連して、超音波プローブ40が用いられる。そのような視覚化は、患者の脈管構造内に(挿入部位73を介して)カテーテルを導入するためのリアルタイム超音波誘導を与え、不注意による動脈穿刺、血腫、気胸を含む、そのような導入に通常関連する合併症を少なくするのを助ける。
【0016】
[00022]手持ちプローブ40はヘッドを含み、ヘッドは、候補となる挿入部位73に非常に近い患者の皮膚に押し当てて配置されるときに、超音波パルスを生成し、かつ患者の体によって反射された後のそのエコーを受信するための圧電アレイを収容する。プローブ40は更に、システム10を制御するための複数の制御ボタンを含むことができ、それにより、システム機能を制御するために、臨床医がカテーテル配置前に患者の挿入部位の周囲に確立された滅菌野から外に手を伸ばすのを不要にする。
【0017】
[00023]したがって、一実施形態では、臨床医はシステム10の超音波モダリティを利用して、適切な挿入部位を決定し、針又は導入器、その後、カテーテルによる血管へのアクセスを確立する。その後、臨床医は、プローブ40上に含まれるボタン上のボタンを押すことによって、ECGに基づくカテーテル先端誘導モダリティ(後述)に途切れることなく切り替えることができ、滅菌野から外に手を伸ばす必要はない。このようにして、システム10は、脈管構造を通してカテーテル72の遠位先端を意図した行先に向かって誘導する際に臨床医を支援する。
【0018】
[00024]
図1は、プローブ40がボタン及びプローブ動作を管理するための、ボタン及びメモリコントローラ42を更に含むことを示す。ボタン及びメモリコントローラ42は、一実施形態において、EEPROMのような不揮発性メモリを含むことができる。ボタン及びメモリコントローラ42は、コンソール20のプローブインターフェース44と動作可能に通信し、プローブインターフェースは、プローブ圧電アレイとのインターフェースを形成するための圧電入力/出力構成要素44Aと、ボタン及びメモリコントローラ42とのインターフェースを形成するためのメモリ入力/出力構成要素44Bとを含む。
【0019】
[00025]上記のように、システム10は、患者70の心臓の洞房(「SA」)又は他の電気インパルス生成結節に対してカテーテル遠位先端76Aが近いことを判断し、それにより、その結節に非常に近い所望の場所にカテーテル遠位先端を正確に配置する能力を高めることができる機能を含む。本明細書において「ECG」又は「ECGに基づく先端確認」と呼ばれる、システム10のこのモダリティによって、患者の脈管構造内の所望の場所にカテーテル遠位先端を配置するために、SA結節からのECG信号を検出できるようになる。US及びECGモダリティは本システム10において途切れることなく組み合わせられ、カテーテル配置を支援するために同時に、又は別々に利用できることに留意されたい。さらに、磁気素子に基づくカテーテル先端位置決定のような他のモダリティもシステム10に含むことができる。一実施形態では、本明細書において記述されるようなECGモダリティは、US又は他のモダリティを含むことなく、独立型システムに含まれることができる。したがって、本明細書における実施形態が記述される環境は、単なる環境例として理解され、本開示の制限するものとは見なされない。また、後に更に説明される遠位先端再確認実施形態との関連で、ECGに基づく他の誘導/監視システムを利用できることにも留意されたい。
【0020】
[00026]
図1及び
図2は、挿入部位73を介して患者70の中に挿入されるカテーテル72の内腔内に取外し可能に予め配置されるスタイレット130を示す。スタイレット130は、SA結節によって生成されるECG信号を検知するために、スタイレット130の遠位端の非常に近くに、検知構成要素、すなわち電極を含む。スタイレット130は、その近位端から延在し、センサ50に動作可能に接続するテザー134を含む。手短に言うと、スタイレットテザー134は、カテーテル前進中にスタイレット130の遠位部分上に含まれるECG電極によって検出されるECG信号をセンサ50に伝達できるようにする導電性経路を提供する。
【0021】
[00027]基準及び接地用ECG皮膚電極138が患者70の皮膚表面に付着し、センサ50に動作可能に取り付けられ、システムが、心臓のSA結節の電気的活動に関連しない高レベルの電気的活動を除去できるようにし、それにより、ECGに基づく先端確認機能を可能にする。患者の皮膚上に配置されるECG皮膚電極138から受信される基準及び接地信号とともに、スタイレット電極によって検知されたECG信号は、患者の胸部上に配置されるセンサ50によって、又はシステム10の他の指定された構成要素によって受信される。センサ50及び/又はコンソールプロセッサ22は、ECG信号データを処理して、ディスプレイ30上に心電図波形を生成することができる。センサ50がECG信号データを処理する場合、意図した機能を実行するためにセンサ50の中にプロセッサが含まれる。コンソール20がECG信号データを処理する場合には、コンソール内のプロセッサ22、コントローラ24又は他のプロセッサを利用して、データを処理することができる。
【0022】
[00028]このようにして、カテーテル72が患者の脈管構造内を前進するのに応じて、ディスプレイ30は、スタイレット130の電極によって検出されるような患者の心臓の電気的活動の結果として生成されるECG心電図波形を表示する。より詳細には、その波形のP波部分を含む、SA結節のECG電気的活動が、スタイレット130の電極によって検出され、センサ50及びコンソール20に転送される。その後、ECG電気的活動は、ディスプレイ30上に表示するために処理される。その際、カテーテルを配置する臨床医は、P波の表示を含むECGデータを観察し、カテーテル72の遠位先端76Aが最適に配置されていること、例えば、一実施形態ではSA結節に近いことを判断することができる。
【0023】
[00029]スタイレット130の電極が患者の心臓のSA結節に対して動かされるのに応じて、ECG波形及びそのP波が変化することに留意されたい。例えば、電極がSA結節に接近するのに応じて、ECG波形のP波の振幅は一般的に増加することになり、電極がSA結節から後退するのに応じて、一般的に減少することになる。上記のように、一実施形態では、コンソール20は、スタイレット電極によって検出されたECG信号を受信し、処理するために必要な、プロセッサ22のような電子構成要素を含む。別の実施形態では、センサ50は、ECG信号を処理するために必要な電子構成要素を含むことができる。本明細書において記述されるカテーテル配置システムに関する更なる詳細及びその使用法は、2009年9月10日に出願され、「Apparatus and Display Methods Relating to Intravascular Placement of a Catheter」と題する米国特許出願公開第2010/0036227号において入手することができ、参照によりその全体が本明細書に援用される。当然、上記のECGに基づくカテーテル配置システムは、本明細書において開示される実施形態を実践するために用いることができるECGモニタの一例にすぎない。実際には、他のECGに基づく監視及び配置システムを利用することもできる。
【0024】
[00030]本実施形態におけるスタイレット130の電極は、導電性スタイレットワイヤの遠位部分を含み、そのスタイレットワイヤを介してECG信号が検出され、テザー134及びセンサ50に送信されるようになることに留意されたい。しかしながら、血管内ECG信号を検出するために用いられる電極は数多くの異なる方法で構成できることに留意されたい。したがって、本明細書において用いられるときの「電極」は、患者の心臓からのECG信号を検出するために用いることができる任意の構造を指すことができる。後に示されるように、他の実施形態における電極は、数ある実現可能な電極構成の中でも、カテーテルの内腔に配置される導電性溶液の液柱の一部を含むことができる。
【0025】
[00031]更に上記のように、1つ又は複数のスタイレット電極が脈管構造内を前進するのに応じて、SA結節によって生成され、検出されたECG信号の変化を観察することによって、カテーテルを配置している臨床医が、カテーテル72の遠位先端が脈管構造内に所望のように位置決めされた時点を判断できるようになる。繰り返しになるが、望ましいカテーテル遠位先端位置の一例は、上大静脈(「SVC」)下1/3内に配置することを含む。カテーテル72の配置が完了した後に、スタイレット130はカテーテル72の内腔から取り出され、そのカテーテルは初期の使用に備える。カテーテル72の遠位先端76Aが患者の脈管構造内の所望の位置に最初に配置されるときに検出されるECG波形は、本明細書において第1のECG信号プロファイルとも呼ばれる。
【0026】
[00032]不注意による遠位先端の位置異常又は変位を、確実に起こさないために、カテーテルを最初に配置した後の或る時点においてカテーテル遠位先端76Aの位置を再確認することが望ましい場合が多い。さらに、このことによって、カテーテルを介して患者に提供された薬剤又は他の溶液が脈管構造の所望の領域に確実に送達される。適切なカテーテル遠位先端位置の事後配置を再確認する際に、システム10又は他の適切なECG監視システムを用いることができる。
【0027】
[00033]一実施形態では、カテーテル遠位先端配置のそのような再確認は、配置済みのカテーテルの遠位先端において、又はその近くにおいて、適切に配置された電極を介して検出されたECG波形、本明細書において第2のECG信号プロファイルとも呼ばれるECG波形を測定し、その後、第2のECGプロファイルを、システム10を用いてカテーテル72が最初に配置されたときに取り込まれた第1のECGプロファイルと比較することによって達成することができる。
【0028】
[00034]留置カテーテル遠位先端においてECG信号を測定し、それにより第2のECGプロファイルを取得するために、カテーテル遠位先端に対するECG信号を検出し、システム10又は他の適切なECGモニタに送信できるようにする適切な導電性経路がカテーテル72内に存在しなければならない。一実施形態では、カテーテル内に一時的に配置される導電性ワイヤが導電性媒体として用いられ、その遠位端がECG信号を検出するための電極としての役割を果たす。導電性ワイヤは、ルアーコネクタ74C及びそれぞれの延長脚部74Bのうちの1つを通して挿入し、その後、カテーテル72の内腔を通して遠位まで挿入することができる。配置済みのカテーテル72の長さがわかると、そのワイヤは、その遠位端がカテーテルの遠位先端76Aに非常に近づくまで、又はカテーテルと同一の末端まで進められる。
【0029】
[00035]カテーテル72の近位端を越えて、ワイヤがその中を通って延在する延長脚部74Bの外部に延在する導電性ワイヤの近位端は、
図2のスタイレット130及びテザー134の近位端と同じようにして、システム10に動作可能に接続される。この構成によれば、SA結節によって生成されたECG信号、すなわち、第2のECGプロファイルを、導電性ワイヤの遠位端において、又はその近くにおいて検出し、導電性ワイヤを介してシステム10に送信できるようになり、それにより、その現在の位置におけるカテーテル72の遠位先端76AのECGプロファイルに関して臨床医に知らせることができる。
【0030】
[00036]上記のように、直前に論じられたように構成される導電性ワイヤは、
図2に示されるスタイレット130に類似である。実際には、一実施形態において、現在の場所におけるカテーテル遠位先端の第2のECGプロファイルを取得することができるように、初期カテーテル配置のために用いられたスタイレット130を初期配置後に再び使用して、
図2に示されるように、カテーテル72の内腔に挿入し、テザー134を介してシステム10に動作可能に接続することによって、カテーテル遠位先端場所を再確認することができる。さらに、別の適切なスタイレット又はガイドワイヤを用いて、カテーテル遠位先端からシステムまでの上記の導電性経路を設けることもできる。
【0031】
[00037]
図3は、先端位置再確認のために、留置カテーテル遠位端76Aにあるか、又はその近くにある電極と、システム10との間に導電性経路を設けるための別の構成の詳細を示す。詳細には、その導電性経路は、カテーテルの遠位先端76Aまで延在するように、それぞれの延長脚部74B、及びカテーテル72の内腔内に配置される導電性溶液200を含む。導電性溶液200は、生理食塩水、又は他の生体適合性かつ導電性の溶液を含む。そのように構成されるとき、導電性溶液200は、カテーテル72の遠位先端76AにおいてECG信号を検出するための電極及び導電性経路の一部としての役割を果たす。それぞれの流体充填済みの延長脚部74Bのルアーコネクタ74Cにキャップ202が接続される。
【0032】
[00038]導電性溶液200に加えて、
図3の実施形態の導電性経路は更に導電性ワイヤ208を含み、導電性ワイヤはキャップ202を通り抜け、その遠位端208Bが導電性溶液内に浸漬されるように、それぞれの延長脚部74Bを通って遠位まで延在する。近位端208Aにおいて終端する導電性ワイヤ208の近位部分はキャップ202から延在する。ワニ口クリップ210又は他の適切な電気コネクタが、導電性ワイヤ208の近位部分に取り付けられる。クリップ210はテザー234に動作可能に接続され、テザーは、
図2のテザー134の接続と同じようにしてシステム10のセンサ50に接続し、それにより、カテーテル72内に配置される導電性溶液200の液柱をシステムに動作可能に接続し、導電性溶液によって検出されたECG信号をシステムに送信できるようにする。このようにして、脈管構造内のカテーテル72の遠位先端76Aの位置を表す第2のECG信号プロファイルを取得することができる。
図2及び
図3との関連で説明された構成に加えて、他の実施形態では、他の導電性経路構成を利用できることに留意されたい。したがって、これらの導電性経路解決策は限定されないと見なされるべきである。
【0033】
[00039]初期カテーテル遠位先端配置の時点において取得された第1のECG信号プロファイルを遠位先端再確認の時点において測定された後続の第2のECGプロファイルと比較するために、初期配置の時点における第1のECG信号プロファイルを記憶するための記憶構成要素が必要である。一実施形態では、これは、システム10又は他の適切なECGモニタにカードリーダ/エンコーダ250を取り付けることによって成し遂げられ、コンソール20に取り付けられた場合の一例が
図4に示される。したがって、カテーテル72がシステム10を用いて最初に配置されるとき、カードをリーダ/エンコーダ250に通すことによって、システム10によって患者データカード254を符号化することができ、リーダ/エンコーダは、データカードの磁気ストライプ256上に、初期配置の時点における第1のECG信号プロファイルを含む、初期カテーテル配置に関する種々のデータを符号化し、記憶する。その後、カード254は患者に与えられるか、又は別の方法で保護される。
【0034】
[00040]その後、以前に配置されたカテーテル72(
図1)の遠位先端76Aの位置を再確認することが望ましいとき、カテーテルは、
図2、
図3との関連で先に説明された構成のうちの1つにおいて、又はカテーテルの遠位先端76Aからシステムまでの導電性経路を設ける別の適切な方法によって、システム10に動作可能に接続される。初期カテーテル配置の時点において符号化されたカード254は、その後、システム10のリーダ/エンコーダ250に通され、それにより読み取られる。これにより、システム10に、初期配置の時点におけるカテーテル遠位先端位置の第1のECG信号プロファイルが与えられる。例えば、初期配置の時点においてカテーテル72の遠位先端76Aにあるか、又はその近くにある電極によって検出されるようなECG波形を含む、第1のECG信号プロファイルは、システムコンソール20(
図1)のディスプレイ30上に表示することができるか、又は別の方法で臨床医に伝達することができる。
【0035】
[00041]その後、カテーテル72の遠位先端76Aに、又はその近くに配置される電極と、電極をシステム10とを相互接続する適切な導電性経路とを用いて、新たなECG信号測定を行い、脈管構造内の現在のカテーテル遠位先端位置に関連する第2のECG信号プロファイルを生成する。第2のECG信号プロファイルも、第1のECG信号プロファイルと同様に、システムコンソール20のディスプレイ30上に表示することができる。カテーテル72の遠位先端76Aが望ましくない変位を受けたか否かを判断できるように、2つのECG信号プロファイルをECG波形として互いに重ね合わせて、或る適切な方法(例えば、P波絶対電圧値の測定値)において比較することができる。変位を受けていた場合には、カテーテル遠位先端76Aを適切に位置決めし直すために、臨床医によって適切な手順を始めることができる。変位を受けていなかった場合には、カテーテル72を意図したように使用することができる。上記のプロセスの具体的な順序は、他の実施形態では異なる順序にできることに留意されたい。例えば、一実施形態では、第2のECG信号プロファイルの取得は、第1のECG信号プロファイルをシステムに入力する前に行うことができる。
【0036】
[00042]
図5は、初期配置の第1のECG信号プロファイル及び他のデータを記憶し、アクセスできるようにするための別の実現可能な記憶構成要素を示しており、RFIDチップ270が、分岐74Aのような、カテーテル72自体の一部に埋め込まれる(
図2も参照)。
図6に示されるように、アンテナ280及び関連する回路282を含むRFIDエンコーダ/リーダ274をシステム10又は他の適切なECGモニタに収容し、初期配置の時点におけるカテーテル遠位先端76Aの位置に関連する第1のECG信号プロファイルを符号化し、カテーテルRFIDチップ270上に記憶できるようにする。一実施形態では、RFIDチップ270は、チップ自体の固有識別情報用のリードオンリーメモリ、及び初期配置の時点における第1のECG信号プロファイルを記憶するためにRFIDエンコーダ/リーダ274によってプログラム可能である不揮発性メモリの両方を含む、フィールドプログラマブルチップである。
【0037】
[00043]第1のECG信号プロファイルに加えて、患者氏名、初期配置の日付及び場所、トリミング後のカテーテルの最終的な長さ、以前の高圧注入の記録、クレアチニン又は他の血球計算等を含む、他のデータをRFIDチップ270(又は
図4のカード254若しくは他の適切な記憶構成要素)上に記憶することができる。一実施形態では、配置が完了した後に挿入部位の外部に残るPICCの部分の長さが記憶される。別の実施形態では、ユーザを有用な情報又は他の支援が提供されるウェブサイトに導くために、ウェブポータル情報を記憶することができる。RFIDチップ270は能動チップ、受動チップのいずれであってもよいことに留意されたい。システム10自体の内部の記憶場所、及びECG信号モニタが、例えば、WiFi又は他の適切な無線プロトコルを介して無線でプロファイルにアクセスすることができる現地外の離れた記憶装置を含む、第1及び/又は第2のECG信号プロファイルを記憶するための他の記憶構成要素も実現可能であることに更に留意されたい。
【0038】
[00044]
図7は、一実施形態による、カテーテル遠位先端位置の再確認中にシステム10のディスプレイ30上に示される画面表示300の1つの取り得る例を示す。図に示されるように、画面表示300は、上記の、初期カテーテル配置の時点における第1のECG信号プロファイルに対応する波形310A及び遠位先端配置の再確認の時点における第2のECG信号プロファイルに対応する波形310Bを含むECG波形310を示す。2つの波形310A及び310Bは、システム10によって較正し、一実施形態では、波形を比較できるように互いに重ね合わせることができる。一実施形態では、例えば、SA結節に対するカテーテル遠位先端76Aの変位が生じたか否かを判断できるように、初期波形310AのP波312Aを現在の波形310BのP波312Bと比較することができる。
【0039】
[00045]画面表示300の右側は、患者、カテーテルタイプ、カテーテル長等に関する付加データ314も示す。当然、ECG信号及び本明細書において示される他のデータは数多くの形式及び書式のうちの1つ又は複数をとることができる。実際には、当業者によって理解されるように、データの内容は、所望により、又は必要に応じて異なることができる。例えば、一実施形態では、初期カテーテル配置中のピークP波の大きさ、及び初期配置中に最終的に遠位先端を位置決めするためにカテーテルを引き戻した後のP波の大きさが、先端再確認の時点において取り込まれる同種の大きさと後に比較するために記憶される。
【0040】
[00046]したがって、一実施形態によれば、患者の体内のカテーテル又は他の留置医療デバイスの位置を再確認するための方法が開示される。その方法は、患者のECG信号を用いて患者の体内に医療デバイスを配置することと、その後、医療デバイスの初期配置が完了した後の留置医療デバイスの初期位置に関連する第1のECG信号プロファイルを記憶することを含む。上記のように、第1のECG信号プロファイルは、患者カード上、RFIDチップ内、ECG信号データを記録又は出力するシステムメモリ内、又は別の適切な記憶構成要素上に記憶することができる。その方法は更に、医療デバイスの初期配置後の或る時点において留置医療デバイスの位置に関連する第2のECG信号プロファイルを取得することと、第1のECG信号プロファイルを第2のECG信号プロファイルと比較して、医療デバイスの初期配置後に留置医療デバイスの変位が生じたか否かを判断することとを含む。プロファイルを比較することは、臨床医がコンソールディスプレイ30上に表示される波形を観察することによって直接実行することができること、又はコンソール20のプロセッサ22によって実行可能な適切なアルゴリズムによって自動的に実行できることに留意されたい。
【0041】
[00047]本発明の実施形態は、本開示の精神から逸脱することなく他の特定の形において具現することができる。上記の実施形態は、あらゆる面において、制限するものではなく、単なる例示と見なされるべきである。それゆえ、実施形態の範囲は、これまでの説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味及び等価物の範囲内に入る全ての変更は特許請求の範囲内に含まれるものとする。