特許第5845279号(P5845279)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許58452796−デオキシ―6−チオエーテル―アミノ酸シクロデキストリン誘導物およびその調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5845279
(24)【登録日】2015年11月27日
(45)【発行日】2016年1月20日
(54)【発明の名称】6−デオキシ―6−チオエーテル―アミノ酸シクロデキストリン誘導物およびその調製方法
(51)【国際特許分類】
   C08B 37/16 20060101AFI20151224BHJP
   A61K 31/724 20060101ALI20151224BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20151224BHJP
【FI】
   C08B37/16
   A61K31/724
   A61P21/02
【請求項の数】5
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2013-540226(P2013-540226)
(86)(22)【出願日】2011年11月21日
(65)【公表番号】特表2013-543915(P2013-543915A)
(43)【公表日】2013年12月9日
(86)【国際出願番号】CN2011082577
(87)【国際公開番号】WO2012068981
(87)【国際公開日】20120531
【審査請求日】2014年6月9日
(31)【優先権主張番号】201010566606.3
(32)【優先日】2010年11月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513131512
【氏名又は名称】漆又毛
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】漆又毛
【審査官】 井上 典之
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第102060941(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第101591402(CN,A)
【文献】 特表2007−538112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08B
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通式(I)の構造を有し、
【化1】
その中、aは0,1,2,3,4,5,6,7又は8中のいずれかで、
bは1,2,3,4,5,6,7,8又は9中のいずれかで、
a+bは6,7,8又は9中のいずれかで、
fは0、1又は2中のいずれかで、
R1は(C1-C6)アルキリデンが、任意1〜2個のCH3グループ又は1〜2個のOHグループによって置換されたもので
R2、R3は‐H、ホルミル基、アセチル基、メチル基、エチル基、ベンジルオキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、フルオレニルメトキシカルボニル基、-CH2COOM、ヒドロキシフェニル基中のいずれかで、置換基は同様又は異なるもので、
Mは-H、NH4又はアルカリ金属イオンである、
ことを特徴とする6−デオキシ−6−チオエーテル−アミノ酸シクロデキストリン誘導物。
【請求項2】
前記6−デオキシ−6−チオエーテル−アミノ酸シクロデキストリン誘導物(I)において、fが0である場合には、式(II)の構造となり、
【化2】
前記6−デオキシ−6−チオエーテル−アミノ酸シクロデキストリン誘導物(I)において、fが1である場合には、6−デオキシ−6−チオエーテル−アミノ酸シクロデキストリン誘導物は、式(III)の構造となり、
【化3】
前記6−デオキシ−6−チオエーテル−アミノ酸シクロデキストリン誘導物(I)において、fが2である場合には、6−デオキシ−6−チオエーテル−アミノ酸シクロデキストリン誘導物は、式(IV)の構造となり、
【化4】
前記化合物(II)、(III)と(IV)中、a、b、R1、R2、R3、Mは、請求項1に記載のとおりである、
ことを特徴とする請求項1に記載の6−デオキシ−6−チオエーテル−アミノ酸シクロデキストリン誘導物。
【請求項3】
アミノ酸誘導物(2)をアルカリの存在する条件の下で、ハロゲン化シクロデキストリン(1)と縮合させることによって、6−デオキシ−6−チオエーテル−アミノ酸シクロデキストリン誘導物(I)が得られるステップによって実現され、
反応式:
【化5】
その中、a、b、f、R1、R2、R3、Mは請求項1に記載のとおりである、
ことを特徴とする請求項1に記載の6−デオキシ−6−チオエーテル−アミノ酸シクロデキストリン誘導物の調製方法。
【請求項4】
(II)の酸化反応によって、6−デオキシスルホキシド−6−チオエーテル−アミノ酸シクロデキストリン誘導物(III)が得られ、(III)のさらなる酸化によって、6−デオキシスルホン−6−チオエーテル−アミノ酸シクロデキストリン誘導物(IV)が得られるステップによって実現され、
反応式:
【化6】
その中、a、b、f、R1、R2、R3、Mは請求項1に記載のとおりで、
前記酸化反応に使われる酸化剤は過酸化塩又は有機過酸化物で、過酸化硫酸や、H2O2、KClO4、H2SO4、KMnO4、Na2O2又はK2O2中のいずれかを採用する、
ことを特徴とする請求項2に記載の6−デオキシ−6−チオエーテル−アミノ酸シクロデキストリン誘導物の調製方法。
【請求項5】
請求項1又は2のいずれかに記載の6−デオキシ−6−チオエーテル−アミノ酸シクロデキストリン誘導物の、筋弛緩拮抗作用薬物調製における使用
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は化工製薬分野に帰属され、6−デオキシ―6−チオエーテル―アミノ酸シクロデキストリン誘導物およびその調製方法に関するもので、主に6−デオキシスルホキシド−6−チオエーテル−アミノ酸シクロデキストリン誘導物、6−デオキシスルホン−6−チオエーテル―アミノ酸シクロデキストリン誘導物およびその調製方法、および筋弛緩拮抗作用薬物調製中の用途に関するもので、前記化合物は筋弛緩薬物による筋弛緩現象を速やかに逆転させることができ、安全性が高く、反応原料が入手し易く、生産原価が低いなどの特徴がある。
【0002】
〔技術背景〕
1986年Tubashi.I.は、J.A.C.S.上で2−カルボキシチオシクロデキストリンの合成を報道しており、1995年Guillo.F.はカルボキシメチルチオシクロデキストリンの合成を報道しており、1996年Baer.H.H.とSantoyo-Gonzalez.F.は2,3−ヒドロキシプロピルチオシクロデキストリンを調製した。その構造式は次のとおりである。
【0003】
【化1】
特許CN1402737には類似した化合物の調製が報道されているが、その化学構造は式(A)のとおりである。
【0004】
【化2】
その中、mは0〜7、nは1〜8で、m+n=7又は8である。
Rは(C1-C6)アルキリデン中、任意1〜3個のOHグループ又は(CH2)r-フェニレン―(CH2)t -によって置換されたもので、rとtはそれぞれ独立に0〜4である。
【0005】
X1はCOOH、CONHR6、NHCOR7、SO2OH、PO(OH)2、O(CH2-CH2-O)u-H、OH又はテトラゾール−5−イルであり、R6は水素、(C1-3)アルキル基、R7はカルボキシルフェニル基、uは1〜3である。
【0006】
前記化合物構造中にはアミノ酸類構造の置換物は存在しない。
【0007】
SugammadexはCN1402737中の6−チオエーテルシクロデキストリン誘導物で、2007年7月にシェリング・プラウ社のsugammadex(Bridion)が市場に出され、通常神経筋遮断薬ロクロニウム臭化物又はベクロニウム臭化物の逆転作用に使われており、直ちに成人が使ったロクロニウム臭化物の作用を逆転することができ、通常子供と青少年(2〜17歳)が使ったロクロニウム臭化物の作用を逆転することができる。
【0008】
Sugammadexの主な問題は、ただロクロニウム臭化物とベクロニウム臭化物だけに拮抗作用があって、その他の数多くの筋弛緩薬物、例えば、パンクロニウム臭化物や、ピペクロニウム臭化物、ダクロニウム臭化物、キンドニウム臭化物などに対する拮抗効果は良くない欠点があるとのことである。
【0009】
特許CN101591402には、6−デオキシチオエーテルアミノ酸シクロデキストリン誘導物の構造(B)およびその調製方法が報道されているが、当該方法は先ずハロゲン化シクロデキストリンを合成してから、スルフヒドリル化合物をアルカリの存在する条件でハロゲン化シクロデキストリンと縮合することによって、6−デオキシチオエーテルアミノ酸シクロデキストリン誘導物が得られる。
【0010】
【化3】
その中、dは0,1,2,3,4,5,6,7,8中のいずれかで、eは1,2,3,4,5,6,7,8,9中のいずれかで、d+eは6,7,8又は9中のいずれかである。
【0011】
qは1又は2中のいずれかである。
【0012】
R 0は(C1-C6)アルキリデンが、任意1〜3個のOHグループ又は(CH2- フェニレン―(CH2) -によって置換されたもので、その中、xは0、1、2、3或4中のいずれかで、gは0、1、2、3或4中のいずれかである。
【0013】
XはCOOH、CONHR8、NHCOR9、SO2OH、PO(OH)2、O(CH2-CH2-O)h -H、OH 又はテトラゾル―5−イル中のいずれかで、その中、R8は水素、(C1-3)アルキル基又はCOOH含有の(C1-3)アルキル基中のいずれかで、R9はカルボキシルフェニル基で、hは1、2又は3中のいずれかである。
【0014】
本発明化合物は筋弛緩拮抗作用薬物への応用において、患者又は動物の筋弛緩薬物によって生じる神経筋肉弛緩現象を逆転し、筋弛緩薬物による筋肉弛緩などに逆転・拮抗作用がある。
【0015】
そのメリットはより優れた選択性があるとのことで、しかし、前記化合物構造中にはα-位のアミノ酸およびその誘導物の置換物は含まれていない。
【0016】
〔発明の内容〕
本発明は、通式(I)の構造を有する、6−デオキシ―6−チオエーテル―アミノ酸シクロデキストリン誘導物を提供することに目的がある。
【0017】
【化4】
その中、aは0,1,2,3,4,5,6,7又は8中のいずれかである。
【0018】
bは1,2,3,4,5,6,7,8又は9中のいずれかである。
【0019】
a+bは6,7,8又は9中のいずれかである。
【0020】
fは0、1又は2中のいずれかである。
【0021】
R1は(C1-C6)アルキリデンが、任意1〜2個のCH3グループや、1〜2個のOHグループ又は(CH2- フェニレン-(CH2 -によって置換されたもので、その中、vは0、1、2、3或4中のいずれかで、kは0、1、2、3或4中のいずれかである。
【0022】
R2、R3はDタイプ、Lタイプ又はラゼミの‐H、ホルミル基、アセチル基、メチル基、エチル基、ベンジルオキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、フルオレニルメトキシカルボニル基、-CH2COOM、ヒドロキシフェニル基中のいずれかで、置換基は同様又は異なるものである。
【0023】
Mは-H、NH4又はアルカリ金属イオンである。
【0024】
前記6−デオキシ―6−チオエーテル―アミノ酸シクロデキストリン誘導物において、fが0である場合には、式(II)の構造となる。
【0025】
fが1である場合には、6−デオキシ―6−チオエーテル―アミノ酸シクロデキストリン誘導物は、式(III)の構造となる。
【0026】
fが2である場合には、6−デオキシ―6−チオエーテル―アミノ酸シクロデキストリン誘導物は、式(IV)の構造となる。
【0027】
【化5】
式(II)、(III)と(IV)中、a、b、R1、R2、R3、Mは、化合物(I)に記載のとおりである。
【0028】
本発明は、6−デオキシ―6−チオエーテル―アミノ酸シクロデキストリン誘導物の調製方法を提供することにもう一つの目的があるが、次のステップによって実現される。
【0029】
アミノ酸誘導物(2)をアルカリの存在する条件の下で、ハロゲン化シクロデキストリン(1)と縮合させることによって、6−デオキシ―6−チオエーテル―アミノ酸シクロデキストリン誘導物(I)が得られる。反応式は次の通りである。
【0030】
【化6】
(II)の酸化反応によって、6−デオキシスルホキシド−6−チオエーテルーアミノ酸シクロデキストリン誘導物(III)が得られ、(III)のさらなる酸化によって、6−デオキシスルホン−6−チオエーテル―アミノ酸シクロデキストリン誘導物(IV)が得られるが、反応式は次のとおりである。
【0031】
【化7】
その中、a、b、f、R1 、R2、 R3、Mは化合物(I)に記載のとおりである。
【0032】
前記シクロデキストリン(1)には、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、δ-シクロデキストリンなどが含まれる。
【0033】
前記酸化反応に使われる酸化剤は過酸化塩又は有機過酸化物で、過酸化硫酸や、H2O2、KClO4、H2SO4、KMnO4、Na2O2又はK2O2中のいずれかを採用する。
【0034】
本発明は、6−デオキシ―6−チオエーテル―アミノ酸シクロデキストリン誘導物が筋弛緩拮抗作用薬物の調製における応用方法を提供することにもう一つの目的がある。
【0035】
本発明によって提供される化合物の生産に使われる原料は入手し易く、調製プロセスが安定で、収率が高く、コストが低く、環境に優しい。筋弛緩薬物に対して、より強い結合力と選択性を有し、筋弛緩薬物に対して、極めて強い逆転・拮抗作用を有し、薬物の効能を向上し、さらに重要なのは本発明化合物の安全性は既知の同類化合物に比べて1倍高くなる。
【0036】
〔実施例〕
次では実施例に合わせて本発明をさらに説明するが、本発明に対して何らかの方式で制限をするのではない。
【0037】
<実施例1>
【0038】
【化8】
乾燥したベンジルオキシカルボニル−L ―システイン6g(0.024mol) を量り取り、脱水済み60ml DMFを取って、乾燥した3口フラスコに入れて、完全溶解の無色溶液になるまで撹拌する。定温の冷却バスにて反応液の温度を−20℃に下げて、数回に分けてゆっくりと水素化ナトリウム(60%)2.35g(0.059mol)を入れて、アルゴンガスで保護しながら、ミキサーで撹拌し、温度を−5℃以下にコントロールし、添加が終わると引き続き気泡が出なくなるまで撹拌してから、約5℃のバスに入れ替えて2〜3h(気泡が出なくなるまで)反応させる。
【0039】
アイスバスの温度を10℃以下にコントロールし、6−ペルデオキシ−6−ペル沃化―γ―シクロデキストリン2.29g(1.05mmol)をDMF中に溶かしてから、上記ベンジルオキシカルボニル−L ―システインナトリウム塩溶液中に入れて、アルゴンガスで保護しながら、ミキサーで均一に撹拌する。それから、反応液の温度を段々70℃まで上げて、12h反応させてから、反応液の温度を室温まで冷やして、ろ過し、フィルターケーキをアセトンでヨードイオンがなくなるまで洗浄し、減圧・乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−ベンジルオキシカルボニル−L ―グリシンメチル)チオエーテル−γ−シクロデキストリンナトリウム塩(CD−1)が得られるが、収率は50%である。
【0040】
CD-1が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.69,2.44(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.06,2.81(CH2,m,2H)、3.73(2CH,m,2H)、4.19(CH,m,H)、4.7(CH,m,H)、5.03(CH,s,H) 、5.05(CH2,s,2H) 、7.33(2CH,s,2H) 、7.37(CH,s,H) 、7.39(2CH,s,2H)ppm。
【0041】
<実施例2>
【0042】
【化9】
CD-1 16.86g(5mmol)を20mlの酢酸中に浮遊させ、撹拌しながら0.85g(7.5mmol)30% H2O2水溶液を滴り入れて、室温にて6時間反応させてから、反応液中にアルコールを入れて固体を析出させ、メタノールで再結晶させることによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−ベンジルオキシカルボニル−L ―グリシンメチル)スルホキシド −γ−シクロデキストリン(CD−2)が得られるが、収率は90%である。ろ過液中の過量のH2O2はチオ硫酸ナトリウムを入れて除去する。
【0043】
CD-2が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.83,2.58(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.18,2.93(CH2,m,2H)、3.73(2CH,m,2H)、3.9(CH,m,H)、4.4(CH,m,H)、5.03(CH,s,H) 、5.05(CH2,s,2H) 、7.33(2CH,s,2H) 、7.37(CH,s,H) 、7.39(2CH,s,2H)ppm。
【0044】
CD-1 16.86g(5mmol)を20mlの酢酸中に浮遊させ、撹拌しながら2.83g(25mmol)30% H2O2水溶液を滴り入れて、40〜60℃にて5時間維持させてから、反応液中にアルコールを入れて固体を析出させ、メタノールで再結晶させることによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−ベンジルオキシカルボニル−L ―グリシンメチル)スルフォン −γ−シクロデキストリン(CD−3)が得られるが、収率は88%である。ろ過液中の過量のH2O2はチオ硫酸ナトリウムを入れて除去する。
【0045】
CD-3が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ3.02(CH,m,H)、3.66,3.41(CH2,m,2H)、4.03,3.78(CH2,m,2H)、3.73(2CH,m,2H)、3.9(CH,m,H)、4.4(CH,m,H)、5.03(CH,s,H) 、5.05(CH2,s,2H) 、7.33(2CH,s,2H) 、7.37(CH,s,H) 、7.39(2CH,s,2H)ppm。
【0046】
<実施例3>
【0047】
【化10】
室温の下で、CD-1(11.33g,3.36mmol)を氷酢酸(30ml)中に溶かし、撹拌しながら塩化水素ガスを通し、引き続き反応が完全に終わるまでTLCトラッキングを行い、形成された塩化ナトリウム固体をろ過・除去し、母液中にすでに塩素イオンがないことを確認してから、母液中にアセトンを入れて析出沈殿させて、ろ過・乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(α−L−グリシンメチル)チオエーテル−γーシクロデキストリン(CD−4)が得られるが、収率は92%である。
【0048】
CD-4が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.69,2.44(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.06,2.81(CH2,m,2H)、3.73(2CH,m,2H)、3.77(CH,m,H)、4.19(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0049】
<実施例4>
【0050】
【化11】
室温の下で、CD-2(11.32g,3.36mmol)を氷酢酸(30ml)中に溶かし、撹拌しながら塩化水素ガスを通し、引き続き反応が完全に終わるまでTLCトラッキングを行い、反応中にアセトンを入れて析出沈殿させて、ろ過・乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(α−L−グリシンメチル)スルホキシド −γ−シクロデキストリン(CD−5)が得られるが、収率は91%である。
【0051】
CD-5が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.83,2.58(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.18,2.93(CH2,m,2H)、3.5(CH,m,H)、3.73(2CH,m,2H)、3.9(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0052】
<実施例5>
【0053】
【化12】
室温の下で、CD-3(11.75g,3.36mmol)を氷酢酸(30ml)中に溶かし、撹拌しながら塩化水素ガスを通し、引き続き反応が完全に終わるまでTLCトラッキングを行い、反応中にアセトンを入れて析出沈殿させて、ろ過・乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(α−L−グリシンメチル)スルホン −γ−シクロデキストリン(CD−6)が得られるが、収率は87%である。
【0054】
CD-6が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ3.02(CH,t,H)、3.5(CH,m,H)、3.66,3.41(CH2,m,2H)、3.73(2CH,m,2H)、3.9(CH,m,H)、4.03,3.78(CH2,m,2H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0055】
<実施例6>
【0056】
【化13】
CD-4 3.42g(1.61mmol)を2mlの水中に溶かし、アイスバスにて撹拌しながら水酸化ナトリウム0.064g(1.61mmol)の水溶液を入れて、十分撹拌し、反応が完全に終わるまでTLCトラッキングを行う。反応液をアセトン中に注入して固体を完全に析出させてから、ろ過し、フィルターケーキをアセトンで洗浄し、乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(α−L−グリシンメチル)チオエーテル −γーシクロデキストリンナトリウム塩(CD−7)が得られるが、収率は98%である。
【0057】
CD-7が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.69,2.44(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.06,2.81(CH2,m,2H)、3.73(3CH,m,3H)、4.19(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0058】
<実施例7>
【0059】
【化14】
N−アセチルシステイン23.7g(0.088mol) を量り取り、乾燥した160mlDMFを取って、乾燥した3口フラスコに入れて、完全溶解されるまで撹拌する。定温の冷却バスにて反応液の温度を約−10℃に下げて、数回に分けてゆっくりと水素化ナトリウム(60%)8.81gを入れて、アルゴンガスで保護しながら、ミキサーで撹拌し、温度を−5℃以下にコントロールし、添加が終わると引き続き気泡が出なくなるまで撹拌してから、約5℃のバスに入れ替えて、気泡が出なくなるまで(約2〜3h)反応させる。
【0060】
アイスバスの温度を約5℃にコントロールし、6−ペルデオキシ−6−ペル沃化―γ―シクロデキストリン8.38g(3.85mmol)をDMF中に溶かしてから、上記完全に反応されたN−アセチルシステインナトリウム塩の反応液中に入れて、アルゴンガスで保護しながら、ミキサーで均一に混合させてから、引き続き30min撹拌する。それから、反応液の温度を段々70℃まで上げて、12h反応させてから、反応液の温度を室温まで冷やして、ろ過し、フィルターケーキを先ずDMFで2回洗浄し、再びアセトンでトリフェニルホスフィン とトリフェニルホスフィンオキシドがなくなるまで洗浄し、減圧・乾燥することによって、ナトリウム塩の粗製品が得られる。ナトリウム塩の粗製品を氷酢酸に溶かしてから、アイスバスにて溶液中に乾燥した塩化水素ガスを通し、20min後に白色の固体が析出されるが、白色の固体が析出しなくなるまで待ってから(約1h)ろ過をする。ろ過液中に段々乾燥したアセトンを入れると固体が析出されるが、ろ過し、フィルターケーキをアセトンで酸の味がなくなるまで洗浄し、減圧・乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−アセチルグリシンメチル)チオエーテル−γ−シクロデキストリン(CD−8)が得られるが、収率は48%である。
【0061】
CD-8が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.02(CH3,m,3H)、2.69,2.44(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.06,2.81(CH2,m,2H)、3.73(2CH,m,2H)、4.19(CH,m,H)、4.74(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0062】
<実施例8>
【0063】
【化15】
CD-8 3.96g(1.61mmol)を10ml水中に溶かし、アイスバスにて撹拌しながら水酸化ナトリウム0.064g(1.61mmol)を入れて、十分撹拌し、反応が完全に終わるまでTLCトラッキングを行う。反応液をアセトン中に注入して固体を完全に析出させてから、ろ過し、フィルターケーキをアセトンで洗浄し、乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−アセチルグリシンメチル)チオエーテル −γ−シクロデキストリンナトリウム塩(CD−9)が得られるが、収率は96%である。
【0064】
CD-9が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.02(CH3,m,3H)、2.69,2.44(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.06,2.81(CH2,m,2H)、3.73(2CH,m,2H)、4.19(CH,m,H)、4.70(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0065】
<実施例9>
【0066】
【化16】
乾燥済みN−tert−ブトキシカルボキシル−L−システイン5.31g(0.024mol)を量り取り、乾燥済み40ml DMFを取って、乾燥した3口フラスコに入れて、完全溶解されるまで撹拌する。定温の冷却バスにて反応液の温度を約−15℃に下げて、数回に分けてゆっくりと水素化ナトリウム(60%)2.35g(0.059mol)を入れて、アルゴンガスで保護しながら、ミキサーで撹拌し、温度を−5℃以下にコントロールし、添加が終わると引き続き気泡が出なくなるまで撹拌してから、約5℃のバスに入れ替えて、2〜3h(気泡が出なくなるまで)反応させる。
【0067】
アイスバスの温度を約10℃にコントロールし、6−ペルデオキシ−6−ペル沃化―γ―シクロデキストリン2.29g(1.05mmol)のDMF溶液を、上記N−tert−ブトキシカルボキシル−L−システインナトリウム塩の溶液中に注入して、アルゴンガスで保護しながら、ミキサーで均一に混合させてから、引き続き30min撹拌する。それから、反応液の温度を段々70℃まで上げて、12h反応させてから、反応液の温度を室温まで冷やして、ろ過し、フィルターケーキを先ずDMFで2回洗浄し、再びアセトンでトリヨードイオンがなくなるまで洗浄し、減圧・乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−tert−ブトキシカルボキシル−L−グリシンメチル)チオエーテル−γ−シクロデキストリンナトリウム塩(CD−10)が得られるが、収率は46%である。
【0068】
CD-10が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ1.42(3CH3,m,9H)、2.69,2.44(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.06,2.81(CH2,m,2H)、3.5(CH,m,H)、3.73(2CH,m,2H)、4.19(CH,m,H)、4.7(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0069】
<実施例10>
【0070】
【化17】
CD-10 15.5g(5mmol)を20mlの酢酸中に浮遊させ、撹拌しながら0.85g(7.5mmol)30% H2O2水溶液を滴り入れて、室温にて6時間反応させてから、反応液中にアルコールを入れて固体を析出させ、メタノールで再結晶させることによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−tert−ブトキシカルボキシル−L ―グリシンメチル)スルホキシド −γ−シクロデキストリン(CD−11)が得られるが、収率は90.2%である。ろ過液中の過量のH2O2はチオ硫酸ナトリウムを入れて除去する。
【0071】
CD-11が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ1.42(3CH3,m,9H)、2.83,2.58(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.18,2.93(CH2,m,2H)、3.73(2CH,m,2H)、3.9(CH,m,H)、4.4(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0072】
CD-10 15.5g(5mmol)を20mlの酢酸中に浮遊させ、撹拌しながら2.83g(25mmol)30% H2O2水溶液を滴り入れて、40〜60℃にて5時間反応させてから、反応液中にアルコールを入れて固体を析出させ、メタノールで再結晶させることによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−tert−ブトキシカルボキシル−L ―グリシンメチル)スルホン −γ−シクロデキストリン(CD−12)が得られるが、収率は91.3%である。ろ過液中の過量のH2O2はチオ硫酸ナトリウムを入れて除去する。
【0073】
CD-12が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ1.42(3CH3,m,9H)、3.02(CH,m,H)、3.66,3.41(CH2,m,2H)、4.03,3.78(CH2,m,2H)、3.73(2CH,m,2H)、3.9(CH,m,H)、4.4(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0074】
<実施例11>
【0075】
【化18】
ベンジルオキシカルボニル−L ―ホモシステイン24.93g(0.088mol)を量り取り、乾燥済み160mlDMFを取って、乾燥した3口フラスコに入れて、固体が完全溶解されるまで撹拌する。定温の冷却バスにて反応液の温度を約−10℃に下げて、数回に分けてゆっくりと水素化ナトリウム(60%)8.81gを入れて、アルゴンガスで保護しながら、ミキサーで撹拌し、温度を−5℃以下にコントロールし、添加が終わると引き続き気泡が出なくなるまで撹拌してから、約5℃のバスに入れ替えて、気泡が出なくなるまで(約2〜3h)反応させる。撹拌中は反応液が粘っこくなるが、DMFを追加することができる。
【0076】
アイスバスの温度を約5℃にコントロールし、6−ペルデオキシ−6−ペル沃化―γ―シクロデキストリン8.38g(3.85mmol)のDMF溶液を、上記完全に反応されたベンジルオキシカルボニル−L ―ホモシステインナトリウム塩の反応液中に入れて、30mlDMFで反応フラスコ洗い、産物が全て反応液に入るようにする。アルゴンガスで保護しながら、ミキサーで均一に混合させてから、引き続き30min撹拌する。それから、反応液の温度を段々70℃まで上げて、12h反応させてから、反応液の温度を室温まで冷やして、ろ過し、フィルターケーキを先ずDMFで2回洗浄し、再びアセトンでトリフェニルホスフィンとトリフェニルホスフィンオキシドがなくなるまで洗浄し、減圧・乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−ベンジルオキシカルボニル −L−グリシンエチル)チオエーテル−γ−シクロデキストリンナトリウム塩(CD−13)が得られるが、収率は43%である。
【0077】
CD-13が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.15(CH2,m,2H)、2.44(CH2,m,2H)、2.69,2.44(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、4.19(CH,m,H)、3.73(2CH,m,2H)、4.42(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)、5.05(CH,s,H)、7.33(2CH,m,2H)、7.37(CH,m,H)、7.39(2CH,m,2H)ppm。
【0078】
<実施例12>
【0079】
【化19】
CD-13 15.24g(5mmol)を20mlの酢酸中に浮遊させ、撹拌しながら0.85g(7.5mmol)30% H2O2水溶液を滴り入れて、室温にて6時間反応させてから、反応液中にアルコールを入れて固体を析出させ、メタノールで再結晶させることによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−ベンジルオキシカルボニル−L ―グリシンエチル)スルホキシド −γ−シクロデキストリン(CD−14)が得られるが、収率は87.6%である。ろ過液中の過量のH2O2はチオ硫酸ナトリウムを入れて除去する。
【0080】
CD-14が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.12(CH2,m,2H)、2.57 (CH2,m,2H)、2.83,2.58(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.9(CH,m,H)、3.73(2CH,m,2H)、4.42(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)、5.05(CH,s,H)、7.33(2CH,m,2H)、7.37(CH,m,H)、7.39(2CH,m,2H)ppm。
【0081】
CD-13 15.24g(5mmol)を20mlの酢酸中に浮遊させ、撹拌しながら2.83g(25mmol)30% H2O2水溶液を滴り入れて、40〜60℃にて5時間反応させてから、反応液中にアルコールを入れて固体を析出させ、メタノールで再結晶させることによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−ベンジルオキシカルボニル−L ―グリシンエチル)スルホン −γ−シクロデキストリン(CD−15)が得られるが、収率は84.3%である。ろ過液中の過量のH2O2はチオ硫酸ナトリウムを入れて除去する。
【0082】
CD-15が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.34(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.41 (CH2,m,2H)、3.66,3.41(CH2,m,2H)、3.9(CH,m,H)、3.73(2CH,m,2H)、4.42(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)、5.05(CH,s,H)、7.33(2CH,m,2H)、7.37(CH,m,H)、7.39(2CH,m,2H)ppm。
【0083】
<実施例13>
【0084】
【化20】
室温の下で、CD-13(10.62g,3.36mmol)を氷酢酸(30ml)中に溶かし、撹拌しながら塩化水素ガスを通し、引き続き反応が完全に終わるまでTLCトラッキングを行い、形成された塩化ナトリウム固体をろ過・除去し、母液中にすでに塩素イオンがないことを確認してから、母液中にアセトンを入れて析出沈殿させて、ろ過・乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(α−L−アミノ酸エチル)チオエーテル−γ−シクロデキストリン(CD−16)が得られるが、収率は89.2%である。
【0085】
CD-16が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.15(CH2,m,2H)、2.44(CH2,m,2H) 、2.69,2.44(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.49(CH,m,H)、3.73(2CH,m,2H)、4.19(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0086】
<実施例14>
【0087】
【化21】
CD-16 3.54g(1.61mmol)を2ml水中に溶かし、アイスバスにて撹拌しながら水酸化ナトリウム0.064g(1.61mmol)を入れて、十分撹拌し、反応が完全に終わるまでTLCトラッキングを行う。反応液をアセトン中に注入して固体を完全に析出させてから、ろ過し、フィルターケーキをアセトンで洗浄し、乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(α−L−アミノ酸エチル)チオエーテル −γ−シクロデキストリンナトリウム塩(C−17)が得られるが、収率は94%である。
【0088】
CD-17が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.15(CH2,m,2H)、2.44(CH2,m,2H) 、2.69,2.44(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.45(CH,m,H)、3.73(2CH,m,2H)、4.19(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0089】
<実施例15>
【0090】
【化22】
ベンジルオキシカルボニル−D−ペニシラミン24.93g(0.088mol)を量り取り、乾燥済み160mlDMFを取って、乾燥した3口フラスコに入れて、固体が完全溶解されるまで撹拌する。定温の冷却バスにて反応液の温度を約−10℃に下げて、数回に分けてゆっくりと水素化ナトリウム(60%)8.81gを入れて、アルゴンガスで保護しながら、ミキサーで撹拌し、温度を−5℃以下にコントロールし、添加が終わると引き続き気泡が出なくなるまで撹拌してから、約5℃のバスに入れ替えて、気泡が出なくなるまで(約2〜3h)反応させる。撹拌中は反応液が粘っこくなるが、DMFを追加することができる。
【0091】
アイスバスの温度を約5℃にコントロールし、6−ペルデオキシ−6−ペル沃化―γ―シクロデキストリン8.38g(3.85mmol)のDMF溶液を、上記完全に反応されたベンジルオキシカルボニル−D ―ペニシラミンナトリウム塩の反応液中に入れて、30mlDMFで反応フラスコ洗い、産物が全て反応液に入るようにする。アルゴンガスで保護しながら、ミキサーで均一に混合させてから、引き続き30min撹拌する。それから、反応液の温度を段々70℃まで上げて、12h反応させてから、反応液の温度を室温まで冷やして、ろ過し、フィルターケーキを先ずDMFで2回洗浄し、再びアセトンでトリフェニルホスフィンとトリフェニルホスフィンオキシドがなくなるまで洗浄し、減圧・乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−ベンジルオキシカルボニル −D−グリシンジメチル)チオエーテル−γ−シクロデキストリンナトリウム塩(CD−18)が得られるが、収率は44%である。
【0092】
CD-18が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ1.35(2CH3,m,6H)、2.69,2.44(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.73(2CH,m,2H)、4.19(CH,m,H)、4.68(CH,m,H)、5.03(CH,s,H) 、5.05(CH,s,H)、7.33(2CH,m,2H)、7.37(CH,m,H)、7.39(2CH,m,2H)ppm。
【0093】
<実施例16>
【0094】
【化23】
室温の下で、CD-18(12.51g,3.36mmol)を氷酢酸(30ml)中に溶かし、撹拌しながら塩化水素ガスを通し、引き続き反応が完全に終わるまでTLCトラッキングを行い、形成された塩化ナトリウム固体をろ過・除去し、母液中にすでに塩素イオンがないことを確認してから、母液中にアセトンを入れて析出沈殿させて、ろ過・乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(α−D−アミノ酸ジメチル)スルホキシド−γ−シクロデキストリン(CD−19)が得られるが、収率は82.7%である。
【0095】
CD-19が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ1.35(2CH3,s,6H)、2.69,2.44(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.73(2CH,m,2H)、3.75(CH,m,H)、4.19(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0096】
<実施例17>
【0097】
【化24】
CD-19 3.79g(1.61mmol)を2ml水中に溶かし、アイスバスにて撹拌しながら水酸化ナトリウム0.064g(1.61mmol)を入れて、十分撹拌し、反応が完全に終わるまでTLCトラッキングを行う。反応液をアセトン中に注入して固体を完全に析出させてから、ろ過し、フィルターケーキをアセトンで洗浄し、乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(α−D−アミノ酸ジメチル)スルホキシド −γ−シクロデキストリンナトリウム塩(C−20)が得られるが、収率は93.5%である。
【0098】
CD-20が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ1.35(2CH3,s,6H)、2.69,2.44(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.71(CH,m,H)、3.73(2CH,m,2H)、4.19(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0099】
<実施例18>
【0100】
【化25】
乾燥済みベンジルオキシカルボニル−L−システイン 6g(0.024mol)を量り取り、乾燥済み60ml DMFを取って、乾燥した3口フラスコに入れて、完全溶解の無色溶液になるまで撹拌する。定温の冷却バスにて反応液の温度を約−20℃に下げて、数回に分けてゆっくりと水素化ナトリウム(60%)2.35g(0.059mol)を入れて、アルゴンガスで保護しながら、ミキサーで撹拌し、温度を−5℃以下にコントロールし、添加が終わると引き続き気泡が出なくなるまで撹拌してから、約5℃のバスに入れ替えて、約2〜3h(気泡が出なくなるまで)反応させる。
【0101】
アイスバスの温度を10℃以下にコントロールし、6−ペルデオキシ−6−ペル沃化―β―シクロデキストリン2g(1.05mmol)をDMF中に溶かして、上記ベンジルオキシカルボニル−L−システインナトリウム塩の溶液中に入れて、アルゴンガスで保護しながら、ミキサーで均一に混合させる。それから、反応液の温度を段々70℃まで上げて、12h反応させてから、反応液の温度を室温まで冷やして、ろ過し、フィルターケーキをヨードイオンがなくなるまで洗浄し、減圧・乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−ベンジルオキシカルボニル −L−グリシンメチル)チオエーテル−β−シクロデキストリンナトリウム塩(CD−21)が得られるが、収率は56%である。
【0102】
CD-21が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.69,2.44(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.06,2.81(CH2,m,2H)、3.73(2CH,m,2H)、4.19(CH,m,H)、4.7(CH,m,H)、5.03(CH,s,H) 、5.05(CH2,s,2H) 、7.33(2CH,s,2H) 、7.37(CH,s,H) 、7.39(2CH,s,2H)ppm。
【0103】
<実施例19>
【0104】
【化26】
CD-21 14.75g(5mmol)を20mlの酢酸中に浮遊させ、撹拌しながら0.85g(7.5mmol)30% H2O2水溶液を滴り入れて、室温にて6時間反応させてから、反応液中にアルコールを入れて固体を析出させ、メタノールで再結晶させることによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−ベンジルオキシカルボニル−L ―グリシンメチル)スルホキシド −β−シクロデキストリン(CD−22)が得られるが、収率は83.5%である。ろ過液中の過量のH2O2はチオ硫酸ナトリウムを入れて除去する。
【0105】
CD-22が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.83,2.58(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.18,2.93(CH2,m,2H)、3.73(2CH,m,2H)、3.9(CH,m,H)、4.4(CH,m,H)、5.03(CH,s,H) 、5.05(CH2,s,2H) 、7.33(2CH,s,2H) 、7.37(CH,s,H) 、7.39(2CH,s,2H)ppm。
【0106】
CD-21 14.75g(5mmol)を20mlの酢酸中に浮遊させ、撹拌しながら2.83g(25mmol)30% H2O2水溶液を滴り入れて、40〜60℃にて5時間反応させてから、反応液中にアルコールを入れて固体を析出させ、メタノールで再結晶させることによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−ベンジルオキシカルボニル−L ―グリシンメチル)スルホン −β−シクロデキストリン(CD−23)が得られるが、収率は81.6%である。ろ過液中の過量のH2O2はチオ硫酸ナトリウムを入れて除去する。
【0107】
CD-23が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ3.02(CH,m,H)、3.66,3.41(CH2,m,2H)、4.03,3.78(CH2,m,2H)、3.73(2CH,m,2H)、3.9(CH,m,H)、4.4(CH,m,H)、5.03(CH,s,H) 、5.05(CH2,s,2H) 、7.33(2CH,s,2H) 、7.37(CH,s,H) 、7.39(2CH,s,2H)ppm。
【0108】
<実施例20>
【0109】
【化27】
6−ペルデオキシ−6−ペル(α−D−グリシンメチル)チオエーテル −β−シクロデキストリン(CD-24)2.99g(1.61mmol)を2ml水中に溶かし、アイスバスにて撹拌しながら水酸化ナトリウム0.064g(1.61mmol)を入れて、十分撹拌し、反応が完全に終わるまでTLCトラッキングを行う。反応液をアセトン中に注入して固体を完全に析出させてから、ろ過し、フィルターケーキをアセトンで洗浄し、乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(α−D−グリシンメチル)チオエーテル −β−シクロデキストリンナトリウム塩(C−25)が得られるが、収率は98%である。
【0110】
CD-25が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.69,2.44(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.06,2.81(CH2,m,2H)、3.73(3CH,m,3H)、4.19(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0111】
<実施例21>
【0112】
【化28】
6−ペルデオキシ−6−ペル(N−メチル−D−システイン)チオエーテル −β−シクロデキストリン(CD-26)3.6g(1.61mmol)を2ml水中に溶かし、アイスバスにて撹拌しながら水酸化ナトリウム0.064g(1.61mmol)を入れて、十分撹拌し、反応が完全に終わるまでTLCトラッキングを行う。反応液をアセトン中に注入して固体を完全に析出させてから、ろ過し、フィルターケーキをアセトンで洗浄し、乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−メチル−D−システイン)チオエーテル −β−シクロデキストリンナトリウム塩(C−27)が得られるが、収率は97%である。
【0113】
CD-27が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.47(CH3,m,3H)、2.69,2.44(CH2,m,2H)、2.91,2.66(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.73(3CH,m,3H)、4.19(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0114】
<実施例22>
【0115】
【化29】
6−ペルデオキシ−6−ペル(N−エチル−D−システイン)チオエーテル −β−シクロデキストリン(CD-28)3.6g(1.61mmol)を2ml水中に溶かし、アイスバスにて撹拌しながら水酸化ナトリウム0.064g(1.61mmol)を入れて、十分撹拌し、反応が完全に終わるまでTLCトラッキングを行う。反応液をアセトン中に注入して固体を完全に析出させてから、ろ過し、フィルターケーキをアセトンで洗浄し、乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−エチル−D−システイン)チオエーテル −β−シクロデキストリンナトリウム塩(C−29)が得られるが、収率は94.3%である。
【0116】
CD-29が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ1.00(CH3,m,3H)、2.59 (CH2,m,2H)、2.69,2.44(CH2,m,2H)、2.91,2.66(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.73(3CH,m,3H)、4.19(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0117】
<実施例23>
【0118】
【化30】
N−アセチル−D−システイン23.7g(0.088mol)を量り取り、乾燥済み60ml DMFを取って、乾燥した3口フラスコに入れて、完全に溶けるまで撹拌する。定温の冷却バスにて反応液の温度を約−10℃に下げて、数回に分けてゆっくりと水素化ナトリウム(60%)8.81gを入れて、アルゴンガスで保護しながら、ミキサーで撹拌し、温度を−5℃以下にコントロールし、添加が終わると引き続き気泡が出なくなるまで撹拌してから、約5℃のバスに入れ替えて、気泡が出なくなるまで(約2〜3h)反応させる。
【0119】
アイスバスの温度を約5℃にコントロールし、6−ペルデオキシ−6−ペル沃化―γ―シクロデキストリン8.38g(3.85mmol)のDMF溶液を、上記完全に反応されたN−アセチルシステインナトリウム塩の反応液中に入れて、アルゴンガスで保護しながら、ミキサーで均一に混合させてから、引き続き30min撹拌する。それから、反応液の温度を段々70℃まで上げて、12h反応させてから、反応液の温度を室温まで冷やして、ろ過し、フィルターケーキを先ずDMFで2回洗浄し、再びアセトンでトリフェニルホスフィン とトリフェニルホスフィンオキシドがなくなるまで洗浄し、減圧・乾燥することによって、ナトリウム塩の粗製品が得られる。ナトリウム塩の粗製品を氷酢酸に溶かしてから、アイスバスにて溶液中に乾燥した塩化水素ガスを通し、20min後に白色の固体が析出されるが、白色の固体が析出しなくなるまで待ってから(約1h)ろ過をする。ろ過液中に段々乾燥したアセトンを入れると固体が析出されるが、ろ過し、フィルターケーキをアセトンで酸の味がなくなるまで洗浄し、減圧・乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(N−アセチル−D−グリシンメチル)チオエーテル−γ−シクロデキストリン(CD−30)が得られるが、収率は51%である。
【0120】
CD-30が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.02(CH3,m,3H)、2.69,2.44(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.06,2.81(CH2,m,2H)、3.73(2CH,m,2H)、4.19(CH,m,H)、4.74(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0121】
<実施例24>
【0122】
【化31】
CD-30 3.96g(1.61mmol)を10ml水中に溶かし、アイスバスにて撹拌しながら水酸化ナトリウム0.064g(1.61mmol)を入れて、十分撹拌し、反応が完全に終わるまでTLCトラッキングを行う。反応液をアセトン中に注入して固体を完全に析出させてから、ろ過し、フィルターケーキをアセトンで洗浄し、乾燥することによって、6−ペルデオキシ−6−ペル(α−D−グリシンメチル)チオエーテル −γ−シクロデキストリンナトリウム塩(C−31)が得られるが、収率は96.4%である。
【0123】
CD-31が重水(D2O)における’H核磁気共鳴図(NMR):δ2.02(CH3,m,3H)、2.69,2.44(CH2,m,2H)、3.02(CH,m,H)、3.06,2.81(CH2,m,2H)、3.73(2CH,m,2H)、4.19(CH,m,H)、4.70(CH,m,H)、5.03(CH,s,H)ppm。
【0124】
<実施例25>
オランダ種のモルモットを使って、手術の30min前にアトロピンを注射し、ネムブタールで腹腔麻酔をしてから、モルモットをマウスプレート上に固定し、気管にチューブを挿し込んでから、小動物呼吸装置に接続し、TOF-Watch SX筋弛緩モニターの刺激電極をそれぞれモルモットの左側大腿骨後と脛骨後の皮下に繋がせ、自社製のツールで左側脛骨をプレート上に固定するとともに、左後足が自由に動けるようにする。センサーをモルモット左後足掌に固定し、皮膚温度プローブを左前足掌に固定する。4つの連続の刺激(TOF、周波数2Hz、波の幅0.2ms、刺激の間隔)調節するが、TOF刺激電圧は5mAで、感度を調節して、T1が5min以上安定された後、静脈注射でロクロニウム臭化物(オランダオルガノン社、50mg/5ml)0.16mg/kg(2倍のED90分量)を投与する。
【0125】
T4/T1(TOFR)が消え、T1が80%以上低下された時に、本発明化合物(2mg/kg)投与の測定指標:
(1) TOFRが0から50%、75%回復される時間
(2)T1が25%、50%、75%に回復される時間
その結果は表1を参照。
【0126】
【表1】
* 全ての回復時間はTOFが消え、T1が80%以上低下する時点から計算し、単位は(min)で、本発明化合物がロクロニウム臭化物によって生じる筋弛緩現象に対して著しい拮抗作用を有することを説明し、その中、CD−7、CD−9の筋弛緩拮抗効果が最も速く、効果も最も顕著であった。
【0127】
<実施例26>
オスのマウスに、テール静脈注射で本発明薬物を投与し、毒性反応を観察する。その結果は表2を参照。
【0128】
【表2】
文献の報道によれば、CN1402737の市場進出製品bridionのマウス最大不死分量は2000mg/kgであったものの、本発明化合物CD-7、CD-9、CD-17、CD-20、CD-25、CD-27又はCD-29の投与分量が4000mg/kgの場合も、マウスは依然として正常であった。これは、化合物の安全分量が1倍も向上され、薬品使用安全性が高いということを説明する。