特許第5845299号(P5845299)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5845299マルチビュービデオ復号方法及びその装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5845299
(24)【登録日】2015年11月27日
(45)【発行日】2016年1月20日
(54)【発明の名称】マルチビュービデオ復号方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/70 20140101AFI20151224BHJP
   H04N 19/597 20140101ALI20151224BHJP
【FI】
   H04N19/70
   H04N19/597
【請求項の数】2
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-44689(P2014-44689)
(22)【出願日】2014年3月7日
(62)【分割の表示】特願2012-136737(P2012-136737)の分割
【原出願日】2007年2月27日
(65)【公開番号】特開2014-131348(P2014-131348A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2014年3月11日
(31)【優先権主張番号】60/787,092
(32)【優先日】2006年3月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】100134094
【弁理士】
【氏名又は名称】倉持 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121175
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 たかし
(74)【代理人】
【識別番号】100123629
【弁理士】
【氏名又は名称】吹田 礼子
(74)【代理人】
【識別番号】100191824
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 明子
(72)【発明者】
【氏名】パービン ビバス パンディット
(72)【発明者】
【氏名】ス イーピン
(72)【発明者】
【氏名】イン ペン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ ゴミラ
(72)【発明者】
【氏名】ジル マクドナルド ボイス
【審査官】 堀井 啓明
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/001653(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0013490(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N19/00−19/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを復号する復号器であって、前記復号が、下位互換性について国際標準化機構/国際電気標準会議Moving Picture Experts Group-4 Part 10 Advanced Video Coding標準/国際電気通信連合電気通信標準化部門H.264勧告にシンタックス準拠するビットストリームから、前記少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューを復号することによって実現され、
avc_compatible_view_idシンタックス要素が、下位互換性について、ベースビューのうち、どのベースビューが国際標準化機構/国際電気標準会議Moving Picture Experts Group-4 Part 10 Advanced Video Coding標準/国際電気通信連合電気通信標準化部門H.264勧告にシンタックス準拠しているかを識別する、前記復号器を備える装置。
【請求項2】
マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを復号することを含む方法であって、前記復号が、下位互換性について国際標準化機構/国際電気標準会議Moving Picture Experts Group-4 Part 10 Advanced Video Coding標準/国際電気通信連合電気通信標準化部門H.264勧告にシンタックス準拠するビットストリームから、前記少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューを復号することによって実現され、
avc_compatible_view_idシンタックス要素が、下位互換性について、ベースビューのうち、どのベースビューが国際標準化機構/国際電気標準会議Moving Picture Experts Group-4 Part 10 Advanced Video Coding標準/国際電気通信連合電気通信標準化部門H.264勧告にシンタックス準拠しているかを識別する、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチビュービデオ符号化方法及びその装置に関し、より詳細には、マルチビュービデオ符号化システムで使用するビデオ符号化及び復号化技術に関する。
【0002】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2006年3月29日に出願した米国仮出願第60/787,092号明細書の利益を主張するものである。本出願は、さらに、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、本出願と同時に出願され、共通の発明者及び共通の譲受人を有する2つの他の出願(整理番号PU060064及びPU070032)に密接に関連している。
【背景技術】
【0003】
国際標準化機構/国際電気標準会議(ISO/IEC)Moving Picture Experts Group-4(MPEG−4)Part 10 Advanced Video Coding(AVC)標準/国際電気通信連合電気通信標準化部門(ITU−T)H.264勧告(これ以降、「MPEG−4 AVC標準」と呼ぶ)に準拠するマルチビュービデオ符号化(MVC;Multi−view Video Coding)の現在の実装では、特定のビューを識別し、カメラパラメータのシグナリングを行うための規定はない。このビュー情報は、いくつかの理由から必要である。ビュースケーラビリティ、ビューランダムアクセス、並列処理、ビュー生成、及びビュー合成は、すべてビュー情報を利用するマルチビュー符号化の必要条件である。さらに、これらの要求条件のうちいくつかは、現在のところ標準化された方法で渡されないカメラパラメータも利用する。
【0004】
マルチビュー圧縮ビットストリーム(multi−view compressed bit stream)で効率よくランダムアクセスできる方法が提案されている。提案されている方法では、Vピクチャタイプ及びビュー依存性(View Dependency)付加拡張情報(SEI;Supplemental Enhancement Information)メッセージが定義される。提案されているVピクチャタイプで必要な特徴は、Vピクチャは同じカメラ内の他のピクチャに時間的に依存していてはならず、同時に他のカメラ内のピクチャからのみ予測できるという点である。提案されているビュー依存性付加拡張情報メッセージは、Vピクチャさらには先行及び後続のピクチャ群がどのビューに依存しうるかを正確に記述するものである。以下では、提案されている変更の詳細を説明する。
【0005】
Vピクチャのシンタックス(syntax)及びセマンティックス(semantics)に関して、MPEG−4 AVC標準に関係する特定のシンタックステーブルは、Vピクチャに対応する14のネットワーク抽象化レイヤ(NAL)ユニットタイプを含むように拡張される。さらに、Vピクチャタイプは、以下のセマンティックスを持つように定義される。
【0006】
Vピクチャ:すべてのスライス(slice)が同じ時間インデックスを持つスライスのみを参照する符号化されたピクチャ(つまり、他のビュー内のスライスのみ、現在のビュー内のスライスではなく)。Vピクチャが出力又は表示される場合、これにより、さらに、復号化プロセスはIDRピクチャ又はVピクチャでない、「参照のため未使用」のマークが付けられるべき出力順でVピクチャよりも前にある、同じビューからのすべてのピクチャにマークを付ける。それぞれのVピクチャは、同じNAL内に出現するビュー依存性SEIメッセージに関連付けられるものとする。
【0007】
ビュー依存性付加拡張情報メッセージのシンタックス及びセマンティックスに関して、ビュー依存性付加拡張情報メッセージは以下のシンタックスで定義される。
【0008】
【0009】
ただし、num_seq_reference_views/num_pic_reference_viewsは、現在のシーケンス/ピクチャに対する参照として使用されうる潜在的ビューの数を表し、seq_reference_view_i/pic_reference_view_iは、i番目の参照ビューに対するビュー番号を表す。
【0010】
ビュー依存性付加拡張情報メッセージに関連付けられているピクチャは、pic_reference_view_iにより記述されている指定ビューのみを参照するものとする。同様に、そのビュー内の次のビュー依存性付加拡張情報メッセージまでのそのビューの出力順で後続となるすべてのピクチャは、seq_reference_view_iにより記述された指定ビューのみを参照するものとする。
【0011】
ビュー依存性付加拡張情報メッセージは、それぞれの瞬時復号化更新(Instantaneous Decoding Refresh;IDR)ピクチャ及びVピクチャに関連付けられるものとする。
【0012】
この方法の少なくとも1つの欠点は、依存性が再帰的に得られるため復号器(decoder)が複雑化することである。それに加えて、この方法では、すべてのVピクチャがSEIメッセージ(MPEG−4 AVC標準の非規範的部分である)を搬送する必要があり、その結果、依存性は、参照ピクチャ選択などの規範的動作に使用することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、マルチビュービデオ符号化システムにおけるビデオ符号器及びビデオ復号器並びのその方法を提供することにある。
【0014】
従来技術のこれら及び他の欠点及び問題点は、マルチビュービデオ符号化システムで使用する方法及び装置を対象とする本発明により解消される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の実施態様により装置が実現される。この装置は、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを符号化して結果として得られるビットストリームに入れる符号器(encoder)を備え、その際に結果として得られるビットストリームは、ビュー特有の情報を含むように符号化される。ビュー特有の情報は、少なくとも2つのビューのうちの少なくともいくつかのビューの間の復号化相互依存性を示す。
【0016】
本発明の他の実施態様により方法が実現される。この方法は、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを符号化して結果として得られるビットストリームに入れることを含み、その際に結果として得られるビットストリームは、ビュー特有の情報を含むように符号化される。ビュー特有の情報は、少なくとも2つのビューのうちの少なくともいくつかのビューの間の復号化相互依存性を示す。
【0017】
本発明のさらに他の実施態様により装置が実現される。この装置は、ビットストリームから、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを復号化する復号器(decoder)を備え、ビットストリームは、中に含まれるビュー特有の情報を決定するように復号化され、ビュー特有の情報は少なくとも2つのビューのうちの少なくともいくつかのビューの間の復号化相互依存性を示す。
【0018】
本発明のさらに他の実施態様により方法が実現される。この方法は、ビットストリームから、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを復号化することを含み、ビットストリームは、中に含まれるビュー特有の情報を決定するように復号化される。ビュー特有の情報は、少なくとも2つのビューのうちの少なくともいくつかのビューの間の復号化相互依存性を示す。
【0019】
本発明のさらなる実施態様により装置が実現される。この装置は、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを、復号化のためその少なくとも2つのビューのうちの他のビューから独立している、その少なくとも2つのビューのうちのいずれかのビューをベースビューとして定義することにより、符号化する符号器を備えている。
【0020】
本発明のさらなる他の実施態様により方法が実現される。この方法は、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを、復号化のためその少なくとも2つのビューのうちの他のビューから独立している、その少なくとも2つのビューのうちのいずれかのビューをベースビューとして定義することにより、符号化することを含んでいる。
【0021】
本発明のさらなる実施態様により装置が実現される。この装置は、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを復号化する復号器を備え、この復号器は、その少なくとも2つのビューのうち、もしあれば、どのビューが、復号化のためその少なくとも2つのビューのうちの他のビューから独立しているベースビューであるかを決定する。
【0022】
本発明の追加の実施態様により方法が実現される。この方法は、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを復号化するステップを含み、この復号化するステップは、その少なくとも2つのビューのうち、もしあれば、どのビューが、復号化のためその少なくとも2つのビューのうちの他のビューから独立しているベースビューであるかを決定する。
【0023】
本発明の実施態様により装置が実現される。この装置は、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを、その少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューを下位互換性のため国際標準化機構/国際電気標準会議Moving Picture Experts Group-4 Part 10 Advanced Video Coding標準/国際電気通信連合電気通信標準化部門H.264勧告にシンタックス準拠する結果として得られるビットストリームに符号化することにより符号化する符号器を備えている。
【0024】
本発明の他の実施態様により方法が実現される。この方法は、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを、その少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューを下位互換性のため国際標準化機構/国際電気標準会議Moving Picture Experts Group-4 Part 10 Advanced Video Coding標準/国際電気通信連合電気通信標準化部門H.264勧告にシンタックス準拠する結果として得られるビットストリームに符号化することにより符号化することを含んでいる。
【0025】
本発明のさらに他の実施態様により装置が実現される。この装置は、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを復号化する復号器を備え、その少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューは、下位互換性のため国際標準化機構/国際電気標準会議Moving Picture Experts Group-4 Part 10 Advanced Video Coding標準/国際電気通信連合電気通信標準化部門H.264勧告にシンタックス準拠するビットストリームに含まれている。
【0026】
本発明のさらに他の実施態様により方法が実現される。この方法は、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを復号化することを含み、その少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューは、下位互換性のため国際標準化機構/国際電気標準会議Moving Picture Experts Group-4 Part 10 Advanced Video Coding標準/国際電気通信連合電気通信標準化部門H.264勧告にシンタックス準拠するビットストリームに含まれている。
【0027】
本発明のさらなる実施態様により装置が実現される。この装置は、2つの定義済みスライスタイプのうちの1つのスライスタイプを選択することによりマルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューを符号化する符号器を備えている。
【0028】
本発明のさらなる他の実施態様により方法が実現される。この方法は、2つの定義済みスライスタイプのうちの1つのスライスタイプを選択することによりマルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューを符号化することを含んでいる。
【0029】
本発明のさらなる実施態様により装置が実現される。この装置は、2つの定義済みスライスタイプのうちの1つのスライスタイプを決定することによりマルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューを復号化する復号器を備えている。
【0030】
本発明の追加の実施態様により方法が実現される。この方法は、2つの定義済みスライスタイプのうちの1つのスライスタイプを決定することによりマルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューを復号化することを含んでいる。
【0031】
本発明の実施態様により装置が実現される。この装置は、マルチビューコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを符号化して結果として得られるビットストリームに入れる符号器を備え、その際に結果として得られるビットストリームは、その少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューに対応する少なくとも1つのカメラパラメータを含むように符号化される。
【0032】
本発明の他の実施態様により方法が実現される。この方法は、マルチビューコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを符号化して結果として得られるビットストリームに入れることを含み、その際に結果として得られるビットストリームは、その少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューに対応する少なくとも1つのカメラパラメータを含むように符号化される。
【0033】
本発明のさらに他の実施態様により装置が実現される。この装置は、ビットストリームから、マルチビューコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを復号化する復号器を備え、ビットストリームは、中に含まれる少なくとも1つのカメラパラメータを決定するように復号化される。少なくとも1つのカメラパラメータは、少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューに対応する。
【0034】
本発明のさらに他の実施態様により方法が実現される。この方法は、ビットストリームから、マルチビューコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを復号化することを含み、ビットストリームは、中に含まれる少なくとも1つのカメラパラメータを決定するように復号化される。少なくとも1つのカメラパラメータは、少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューに対応する。
【0035】
本発明のさらなる実施態様により装置が実現される。この装置は、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを符号化して結果として得られるビットストリームに入れる符号器を備え、その際に結果として得られるビットストリームは、その少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューに対する少なくとも1つのカメラパラメータに関係する少なくとも1つのシンタックス要素を含むように符号化される。
【0036】
本発明のさらなる他の実施態様により方法が実現される。この方法は、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを符号化して結果として得られるビットストリームに入れることを含み、その際に結果として得られるビットストリームは、その少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューに対する少なくとも1つのカメラパラメータに関係する少なくとも1つのシンタックス要素を含むように符号化される。
【0037】
本発明のさらなる実施態様により装置が実現される。この装置は、ビットストリームから、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを復号化する復号器を備え、ビットストリームは、そのビットストリームに含まれる少なくとも1つのシンタックス要素に基づきその少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューに対する少なくとも1つのカメラパラメータを決定するように復号化される。
【0038】
本発明の追加の実施態様により方法が実現される。この方法は、ビットストリームから、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを復号化することを含み、ビットストリームは、そのビットストリームに含まれる少なくとも1つのシンタックス要素に基づきその少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューに対する少なくとも1つのカメラパラメータを決定するように復号化される。
【0039】
本発明のこれら及び他の実施態様、特徴、及び利点は、例示的な実施形態の以下の詳細な説明及び添付図面を参照することにより理解される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の一実施形態による例示的なビデオ符号器のブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による例示的なビデオ復号器のブロック図である。
図3】本発明の一実施形態による、階層型Bピクチャを使用するMPEG−4 AVC標準に基づくビュー間時間予測構造図である。
図4】本発明の一実施形態による、マルチビュービデオコンテンツの複数のビューを符号化する例示的な方法のフローチャートを示す図である。
図5】本発明の一実施形態による、マルチビュービデオコンテンツの複数のビューを復号化する例示的な方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明は、マルチビュービデオ符号化システムにおけるビデオ符号器及びビデオ復号器並びのその方法を対象とする。
【0042】
本明細書において本発明を明らかにする。したがって、当業者であれば、本明細書では明示的に説明されるか、又は示されていないけれども、本発明を具現化し、本発明の精神及び範囲の含まれる様々な配置が考えられる。
【0043】
本明細書に記載されているすべての実施例及び条件付の用語は、本発明及び(複数の)発明者が寄与している概念を理解して技術を発展させるのを助けるという教育上の目的を意図しており、またそのような特に記載されている実施例及び条件に制限を付けないと解釈されるべきである。
【0044】
さらに、本明細書で本発明の実施態様及び実施形態を述べるすべての陳述は、その特定の実施例とともに、その構造的等価物と機能的等価物を両方とも包含することが意図されている。それに加えて、そのような等価物は、現在知られている等価物だけでなく、将来開発される等価物、つまり、同じ機能を実行する開発された任意の要素をも、構造に関係なく、含むことが意図されている。
【0045】
したがって、例えば、本明細書で提示されているブロック図が本発明を具現化する例示的な回路の概念図を表すことは、当業者には理解されるであろう。同様に、フローチャート、流れ図、状態遷移図、疑似コードなどは、コンピュータ可読媒体において実質的に表され、したがって、コンピュータ又はプロセッサにより、そのようなコンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているかいないかに関係なく実行されうる様々なプロセスを表すことは理解されるであろう。
【0046】
図に示されている様々な要素の機能は、専用ハードウェアとともに、適切なソフトウェアと関連してソフトウェアを実行することができるハードウェアを使用することにより実現されうる。プロセッサにより実現される場合、機能は、単一の専用プロセッサ、単一の共有プロセッサ、又は一部が共有されていてもよい複数の個別プロセッサにより実現されうる。さらに、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアを排他的に指し示すものと解釈すべきでなく、限定はしないが、デジタルシグナルプロセッサ(「DSP」)ハードウェア、ソフトウェアを格納するための読み取り専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、及び不揮発性記憶装置を暗黙のうちに含むことができる。
【0047】
従来の及び/又は特注の他のハードウェアも含めることができる。同様に、図に示されているスイッチは、概念的なものにすぎない。それらの機能は、プログラムロジックのオペレーションを通じて、専用ロジックを通じて、プログラム制御及び専用ロジックの相互のやり取りを通じて、さらには手動で実行することができ、特定の技術は文脈から詳しく理解されるように実装者によって選択可能である。
【0048】
請求項では、指定された機能を実行する手段として表される要素は、例えば、(a)その機能を実行する回路素子の組合せ、又は(b)機能を実行するためにそのソフトウェアを実行する適切な回路と組み合わせた任意の形態のソフトウェア、したがって、ファームウェア、マイクロコードなどを含み、ソフトウェアを含み、その機能を実行する任意の手段を包含することが意図されている。請求項に記載されている本発明は、様々な記載されている手段により実現される機能が請求項において主張されている方法で組み合わされ、まとめられているという事実にある。したがって、これらの機能を実現することができる手段は、本明細書に示されている手段と同等であると考えられる。
【0049】
明細書において本発明の原理の「一実施形態」又は「実施形態」と記述されている場合、これは、その実施形態に関して説明されている特定の特徴、構造、特性などが本発明の原理の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。そのため、「一実施形態では」又は「実施形態では」という語句が明細書の様々な箇所に記載されていても、必ずしもすべて同じ実施形態を指しているとは限らない。
【0050】
図1は、本発明の一実施形態による例示的なビデオ符号器のブロック図である。このビデオ符号器(video encoder)は、参照番号100で示されている。
【0051】
ビデオ符号器100の入力は、コンバイナ(combiner)110の非反転入力とシグナル通信するように接続されている。コンバイナ110の出力は、変換器/量子化器120とシグナル通信するように接続されている。変換器/量子化器120の出力は、エントロピーコーダ140とシグナル通信するように接続される。エントロピーコーダ140の出力は、符号器100の出力として利用可能である。
【0052】
変換器/量子化器120の出力は、さらに、逆変換器/量子化器150とシグナル通信するように接続される。逆変換器/量子化器150の出力は、デブロックフィルタ(deblock filter)160の入力とシグナル通信するように接続される。デブロックフィルタ160の出力は、参照ピクチャストア170とシグナル通信するように接続される。参照ピクチャストア170の第1の出力は、動き推定器(motion estimator)180の第1の入力とシグナル通信するように接続される。
【0053】
符号器100の入力は、さらに、動き推定器180の第2の入力とシグナル通信するように接続されている。動き推定器180の出力は、動き補償器(motion compensator)190の第1の入力とシグナル通信するように接続される。参照ピクチャストア170の第2の出力は、動き補償器190の第2の入力とシグナル通信するように接続される。動き補償器190の出力は、コンバイナ110の反転入力とシグナル通信するように接続される。
【0054】
図2は、本発明の一実施形態による例示的なビデオ復号器のブロック図である。このビデオ復号器(video decoder)は、参照番号200で示されている。
【0055】
ビデオ復号器200は、ビデオシーケンスを受け取るエントロピー復号器210を含む。エントロピー復号器210の第1の出力は、逆量子化器/変換器220の入力とシグナル通信するように接続される。逆量子化器/変換器220の出力は、コンバイナ240の第1の非反転入力とシグナル通信するように接続される。
【0056】
コンバイナ240の出力は、デブロックフィルタ290の入力とシグナル通信するように接続される。デブロックフィルタ290の出力は、参照ピクチャストア250の入力とシグナル通信するように接続される。参照ピクチャストア250の出力は、動き補償器260の第1の入力とシグナル通信するように接続される。動き補償器260の出力は、コンバイナ240の第2の非反転入力とシグナル通信するように接続される。エントロピー復号器210の第2の出力は、動き補償器260の第2の入力とシグナル通信するように接続される。デブロックフィルタ290の出力は、ビデオ復号器200の出力として利用できる。
【0057】
本発明の一実施形態では、マルチビューシーケンスを効率よく処理する高水準シンタックスが提案されている。特に、マルチビュースライスをサポートするために専用のNALユニットタイプ及びさらに2つの新しいNALユニットタイプを含むビューパラメータセット(VPS)と呼ばれる新しいパラメータセットを作成することを提案するが、ただし、NALユニットタイプはスライスがどのビューに属すかを識別するNALヘッダのビュー識別子(id)を含んでいる。ビュースケーラビリティ及びMPEG−4 AVC標準に準拠する復号器との下位互換性のため、ここで「MPEG−4 AVC準拠ベースビュー」と呼ぶ1つのMPEG−4 AVC準拠ビューを維持することを提案する。
【0058】
本明細書で使用されているように、「高水準シンタックス」は、マクロブロックレイヤよりも階層的に上にあるビットストリーム内に存在するシンタックスを指す。例えば、本明細書で使用されているような、高水準シンタックスは、限定はしないが、スライスヘッダレベル、付加拡張情報(SEI)レベル、ピクチャパラメータセットレベル、及びシーケンスパラメータセットレベルを指すことができる。
【0059】
特定のビューを識別し、カメラパラメータをシグナリングする装備を持たないと上で説明されているマルチビュービデオ符号化システムの現在の実装では、異なるビューがインタリーブされ、異なるビューを別々のビューとして処理する代わりに単一のシーケンスを形成する。シンタックスは、上述のように、MPEG−4 AVC標準と互換性があるため、現在は、所定のスライスがどのビューに属すかを識別することができない。このビュー情報は、いくつかの理由から必要である。ビュースケーラビリティ、ビューランダムアクセス、並列処理、ビュー生成、及びビュー合成は、すべてビューを識別する必要のあるマルチビュービデオ符号化の必要条件である。ビューランダムアクセス及びビュースケーラビリティを効率よくサポートするために、異なるピクチャが互いにどのように依存するかを復号器側で知ることが重要であり、したがって、必要なピクチャのみが復号化される。ビュー合成には、カメラパラメータが必要である。ビュー合成が、最終的に、復号化ループ内で使用される場合、カメラパラメータをシグナリングする標準化された方法が指定される必要がある。一実施形態によれば、ビューパラメータセットが使用される。
【0060】
一実施形態では、非MVC互換であるが、MPEG−4 AVC互換である復号器をサポートするためにMPEG−4 AVC標準と完全下位互換性(fully backward compatible)を有する1つのビューが必要であると想定されている。一実施形態では、高速ビューランダムアクセスを行いやすくするために独立復号化可能なビューがあると想定される。これらのビューを「ベースビュー(base view)」と呼ぶ。ベースビューは、MPEG−4 AVC標準と互換性があってもなくてもよいが、MPEG−4 AVC互換ビューは常にベースビューである。
【0061】
図3は、本発明の一実施形態による、階層型Bピクチャを使用するMPEG−4 AVC標準に基づくビュー間時間予測構造図である。階層型Bピクチャを使用する、MPEG−4 AVC標準に基づくビュー間時間予測構造は、全体として参照番号300で示されている。図3において、変数Iは、イントラ符号化ピクチャを表し、変数Pは、予測符号化ピクチャを表し、変数Bは、双予測符号化ピクチャを表し、変数Tは、特定のピクチャの配置を表し、変数Sは、特定のピクチャが対応する特定のビューを表す。
【0062】
一実施形態により、以下の用語が定義される。
【0063】
アンカーピクチャは、復号化が異なる時点にサンプリングされたピクチャを伴わないピクチャとして定義される。アンカーピクチャは、nal_ref_idcを3に設定することにより通知される。図3において、配置T0、T8、...、T96及びT100にあるすべてのピクチャは、アンカーピクチャの実施例である。
【0064】
非アンカーピクチャは、アンカーピクチャに対し指定された上記制約条件を有しないピクチャとして定義される。図3において、ピクチャB2、B3、及びB4は、非アンカーピクチャである。
【0065】
ベースビューは、他のビューに依存せず、独立に復号化できるビューである。図3のビューS0は、ベースビューの一例である。
【0066】
さらに、一実施形態では、マルチビュービデオ符号化スライスをサポートするため、専用のNALユニットタイプ及び2つの新しいNALユニットタイプを含むビューパラメータセットと呼ばれる新しいパラメータセットが提案される。さらに、view_id及び使用されるビューパラメータセットを示すようにスライスヘッダシンタックスを修正する。
【0067】
MPEG−4 AVC標準は、2つのパラメータセット、(1)シーケンス全体にわたって変化することが予想されない情報を含み、シーケンスパラメータセット(SPS)及び(2)それぞれのピクチャについて変化することが予想されない情報を含み、ピクチャパラメータセット(PPS)を含んでいる。
【0068】
マルチビュービデオ符号化は、それぞれのビューに特有の追加の情報を有するので、ここでは、この情報を伝送するために別のビューパラメータセット(VPS)を作成した。異なるビューの間の依存性を決定するのに必要なすべての情報が、ビューパラメータセット内に示されている。提案されているビューパラメータセットに対するシンタックステーブルは、表1(ビューパラメータセットRBSPシンタックス)に示されている。このビューパラメータセットは、新しいNALユニットタイプ、例えば、表2(NALユニットタイプコード)に示されているようなタイプ14に含まれる。
【0069】
本発明の説明により、以下の用語が定義される。
【0070】
view_parameter_set_idは、スライスヘッダにおいて参照されるビューパラメータセットを識別する。view_parameter_set_idの値は、0から255までの範囲内とする。
【0071】
number_of_views_minus_1に1を加えた値は、ビットストリーム中のビューの総数を識別する。number_of_view_minus_1の値は、0から255までの範囲内とする。
【0072】
avc_compatible_view_idは、AVC互換ビューのview_idを示す。avc_compatible_view_idの値は、0から255までの範囲内とする。
【0073】
1に等しいis_base_view_flag[i]は、ビューiがベースビューであり、独立に復号化可能であるということを示す。0に等しいis_base_view_flag[i]は、ビューiがベースビューでないことを示す。is_base_view_flag[i]の値は、AVC互換ビューiについては1に等しいものとする。
【0074】
1に等しいdependency_update_flagは、このビューに対する依存性情報がVPSにおいて更新されることを示す。0に等しいdependency_update_flagは、このビューに対する依存性情報が更新されず、また変更されるべきでないことを示す。
【0075】
1に等しいanchor_picture_dependency_maps[i][j]は、jに等しいview_idを有するアンカーピクチャが、iに等しいview_idを有するアンカーピクチャに依存することを示す。
【0076】
1に等しいnon_anchor
picture_dependency_maps[i][j]は、jに等しいview_idを有する非アンカーピクチャが、iに等しいview_idを有する非アンカーピクチャに依存することを示す。non_anchor_picture_dependency_maps[i][j]は、anchor_picture_dependency_maps[i][i]が1に等しい場合のみ存在する。anchor_picture_dependency_maps[i][j]が存在し、0に等しい場合、non_anchor_picture_dependency_maps[i][j]は、0に等しいと推論されるものとする。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
ビューパラメータセット内のオプションパラメータには、以下のものがある。
【0080】
1に等しいcamera_parameters_present_flagは、射影行列が以下のようにシグナリングされることを示す。
【0081】
camera_parameters、カメラパラメータが3×4射影行列Pの形で伝送されると想定しており、これは、3D世界内の点を2D画像座標にマップするために使用できる。
I=P*[Xw:Yw:Zw:1]
ただし、Iは、同次座標I=[λ・Ix:λ・Iy:λ]で表される。
【0082】
それぞれの要素camera_parameters_*_*は、IEEE単精度浮動小数点(32ビット)標準により表すことができる。
【0083】
この情報を別のパラメータセットに入れる利点は、MPEG−4 AVC標準と互換性のあるシーケンスパラメータセット(SPS)及びピクチャパラメータセット(PPS)をそのまま維持するという点である。ビュー毎に、この情報をシーケンスパラメータセット又はピクチャパラメータセットに入れる場合、シーケンスパラメータセットとピクチャパラメータセットを別々に送信する必要がある。これでは、制限が強すぎる。また、この情報は、シーケンスパラメータセット又はピクチャパラメータセットのいずれにもうまく収まらない。他の理由は、MPEG−4 AVC標準互換ベースビューを用意することを提案しているため、そのようなビューに対しては別々の(MPEG−4 AVC互換)シーケンスパラメータセット及びピクチャパラメータセットを、また他のすべてのビューに対しては別々のシーケンスパラメータセット/ピクチャパラメータセット(ビュー特有の情報を含む)を使用しなければならないであろう。
【0084】
シーケンスのごく最初のところで単一のビューパラメータセット内にすべての依存性情報を入れるのは、非常に有益である。復号器は、ビューパラメータセットを受け取った後、すべての依存性情報を使用してマップを作成することができる。これにより、スライスを受け取る前に、特定のビューを復号化するのにどのビューが必要かを知ることができる。この結果、スライスヘッダを解析してview_idを取得し、ユーザによって示されるようにターゲットビューを復号化するのにこのビューが必要かどうかを判定するだけでよい。そのため、フレームをバッファリングすることも、また特定のビューを復号化するのにどのフレームが必要かを判定するある時点まで待つことも必要ない。
【0085】
依存性情報、及びビューがベースビューであるかどうかは、ビューパラメータセット内に示される。MPEG−4 AVC互換ベースビューであっても、そのビューに特有の情報に関連付けられている(例えば、カメラパラメータ)。この情報は、ビュー補間/合成を含むいくつかの目的のために他のビューにより使用されうる。ここで、1つのMPEG−4 AVC互換ビューのみをサポートすることを提案するが、それは、複数のMPEG−4 AVC互換ビューがあり、これにより、どのビューに属しているかをそのようなスライド毎に識別するのが困難になり、非マルチビュービデオ符号化復号器は、簡単に混乱してしまうことがあるからである。
【0086】
それをそのようなビューの1つだけに制限することにより、非マルチビュービデオ符号化復号器が、そのビューを正しく復号化することができることが保証され、マルチビュービデオ符号化復号器は、またシンタックスavc_compatible_view_idを使用してビューパラメータセットからそのようなビューを容易に識別できる。他のすべてのベースビュー(非MPEG−4 AVC準拠)は、is_base_view_flagを使用して識別されうる。
【0087】
マルチビュービデオ符号化スライスに対する新しいスライスヘッダが提案される。ビュースケーラビリティ、ビューランダムアクセスなどをサポートするために、現在のスライスがどのビューに属しているかを知る必要がある。ビュー合成及びビュー補間については、さらにカメラパラメータを必要とする可能性もある。この情報は、上の表1に示されているようにビューパラメータセット内に存在しうる。ビューパラメータセットは、view_parameter_set_idを使用して識別される。ここでは、表3(スライスヘッダシンタックス)に示されているように、すべての非MPEG−4 AVC互換スライスのスライスヘッダ内にview_parameter_set_idを追加することを提案する。view_id情報は、ビュー補間/合成、ビューランダムアクセス、並列処理などを含むいくつかのマルチビュービデオ符号化要求条件に対し必要なものである。この情報は、クロスビュー予測にのみ関係する特殊な符号化モードにも使用されうる。このビューに対するビューパラメータセットから対応するパラメータを見つけるために、スライスヘッダにview_idを入れて送る必要がある。
【0088】
【表3】
【0089】
新しいマルチビュービデオ符号化スライスについて、ここでは、それぞれのスライスタイプに対し新しいNALユニットタイプを作成することを提案する(瞬時復号化更新(IDR)及び非IDR)。ここでは、表2に示されているように、IDRスライスに対してはタイプ22を、非IDRに対してはタイプ23を使用することを提案する。
【0090】
view_parameter_set_idは、使用中のビューパラメータセットを指定する。view_parameter_set_idの値は、0から255までの範囲内とする。
【0091】
view_idは、現在のビューのビューidを示す。view_parameter_set_idの値は、0から255までの範囲内とする。
【0092】
次に、ビューランダムアクセスの一例を、本発明の一実施形態に従って説明する。
【0093】
ビューランダムアクセスは、マルチビュービデオ符号化の要求条件である。目標は、最低限の復号化作業で任意のビューにアクセスすることである。そこで、図3に示されている予測構造に対するビューランダムアクセスの単純な例を考える。
【0094】
ユーザがビューS3を復号化することを要求するとする。図3から、このビューはビューS0、ビューS2、及びビューS4に依存することがわかる。例示的なビューパラメータセットを以下に示す。
【0095】
そこで、それらのビューに対するview_idがスライスヘッダシンタックスにおいて0から7まで連続的に番号を振られており、view_parameter_setが0に等しいビューパラメータセットが1つだけあると仮定しよう。number_of_views_minus_1は、7に設定される。avc_compatible_view_idは、0に設定することが可能であろう。
【0096】
ビューS0については、is_base_view_flagは、1に設定され、他のビューについては、0に設定される。S0、S1、S2、S3、及びS4に対する依存性マップは、表4A(S0のanchor_picture_dependency_mapに対する依存性テーブル)及び表4B(S0のnon_anchor_picture_dependency_mapに対する依存性テーブル)に示されているように見える。他のビューに対する依存性マップも、同様に書くことができる。
【0097】
このテーブルは、復号器において利用できるようになった後、復号器は、それが受け取るスライスが特定のビューを復号化するのに必要かどうかを容易に判定できる。復号器は、現在のスライスのview_idを判定するのにスライスヘッダを解析するだけでよく、ターゲットビューS3については、2つのテーブル(表4Aと表4B)内のS3列を調べて、現在のスライスを保持すべきかどうかを決定することができる。復号器は、アンカーピクチャと非アンカーピクチャとを区別する必要があるが、それは、表4Aと表4Bからわかるように、異なる依存性を有している可能性があるからである。ターゲットビューS3については、ビューS0、S2、及びS4のアンカーピクチャを復号化する必要があるが、ビューS2及びS4の非アンカーピクチャを復号化するだけでよい。
【0098】
【表4】
【0099】
図4は、本発明の一実施形態による、マルチビュービデオコンテンツの複数のビューを符号化する例示的な方法のフローチャートを示す図である。マルチビュービデオコンテンツの複数のビューを符号化する例示的な方法は、全体として参照番号400により示されている。
【0100】
方法400は、機能ブロック410に制御を渡す開始ブロック405を含んでいる。機能ブロック410は、複数のビューを符号化するために使用される符号化パラメータのコンフィギュレーションファイルを読み込み、制御を機能ブロック415に渡す。機能ブロックは、Nを、符号化されるビュー数に等しくなるように設定し、制御を機能ブロック420に渡す。機能ブロック420は、number_of_views_minus_1をN−1に設定し、avc_compatible_view_idをMPEG−4 AVC互換ビューのview_idに設定し、制御を機能ブロック425に渡す。機能ブロック425は、view_parameter_set_idを有効な整数に設定し、変数iを0に初期化し、制御を決定ブロック430に渡す。決定ブロック430は、iがNよりも大きいかどうかを判定する。もし大きければ、制御は、決定ブロック435に渡される。そうでなければ、制御は、機能ブロック470に渡される。
【0101】
決定ブロック435は、現在のビューがベースビューかどうかを判定する。そうであれば、制御は、機能ブロック440に渡される。そうでなければ、制御は、機能ブロック480に渡される。
【0102】
機能ブロック440は、is_base_view_flag[i]を1に設定し、制御を決定ブロック445に渡す。決定ブロック445は、依存性が更新されているかどうかを判定する。そうであれば、制御は、機能ブロック450に渡される。そうでなければ、制御は、機能ブロック485に渡される。
【0103】
機能ブロック450は、dependency_update_flagを1に設定し、制御を決定ブロック455に渡す。機能ブロック455は、変数jを0に設定し、制御を決定ブロック460に渡す。決定ブロック460は、jがNよりも小さいかどうかを判定する。そうであれば、制御は、機能ブロック465に渡される。そうでなければ、制御は、機能ブロック487に渡される。
【0104】
機能ブロック465は、anchor_picture_dependency_maps[i][j]及びnon_anchor_picture_dependency_maps[i][j]を、コンフィギュレーションファイルにより示される値に設定し、制御を機能ブロック467に渡す。機能ブロック467は、変数jを1だけ増分し、制御を決定ブロック460に返す。
【0105】
機能ブロック470は、カメラパラメータが存在している場合にcamera_parameters_present_flagを1に設定し、存在していなければcamera_parameters_present_flagを0に設定して、制御を決定ブロック472に渡す。決定ブロック472は、camera_parameters_present_flagが1に等しいかどうかを判定する。そうであれば、制御は、機能ブロック432に渡される。そうでなければ、制御は、機能ブロック434に渡される。
【0106】
機能ブロック432は、カメラパラメータを書き込み、制御を機能ブロック434に渡す。
【0107】
機能ブロック434は、ビューパラメータセット(VPS)又はシーケンスパラメータセット(SPS)を書き込み、制御を最終ブロック499に渡す。
【0108】
機能ブロック480は、is_base_view_flag[i]を0に設定し、制御を決定ブロック445に渡す。
【0109】
機能ブロック485は、dependency_update_flagを0に設定し、制御を決定ブロック487に渡す。機能ブロック487は、変数iを1だけ増分し、制御を決定ブロック430に返す。
【0110】
図5は、本発明の一実施形態による、マルチビュービデオコンテンツの複数のビューを復号化する例示的な方法のフローチャートを示す図である。マルチビュービデオコンテンツの複数のビューを復号化する例示的な方法は、全体として参照番号500により示されている。
【0111】
方法500は、機能ブロック510に制御を渡す開始ブロック505を含んでいる。機能ブロック510は、シーケンスパラメータセット(SPS)又はビューパラメータセット(VPS)、view_parameter_set_id、number_of_views_minus_1、avc_compatible_view_idを解析し、変数i及びjを0に設定し、Nをnumber_of_views_minus_1に設定し、制御を決定ブロック515に渡す。決定ブロック515は、iがN以下かどうかを判定する。そうであれば、制御は、機能ブロック570に渡される。そうでなければ、制御は、機能ブロック525に渡される。
【0112】
機能ブロック570は、camera_parameters_present_flagを解析し、制御を決定ブロック572に渡す。決定ブロック572は、camera_parameters_present_flagが1に等しいかどうかを判定する。そうであれば、制御は、機能ブロック574に渡される。そうでなければ、制御は、機能ブロック576に渡される。
【0113】
機能ブロック574は、カメラパラメータを解析し、制御を機能ブロック576に渡す。
【0114】
機能ブロック576は、復号化を続け、制御を最終ブロック599に渡す。
【0115】
機能ブロック525は、is_base_view_flag[i]及びdependency_update_flagを解析し、制御を決定ブロック530に渡す。決定ブロック530は、dependency_update_flagが0に等しいかどうかを判定する。そうであれば、制御は、機能ブロック532に渡される。そうでなければ、制御は、決定ブロック535に渡される。
【0116】
機能ブロック532は、iを1だけ増分し、制御を決定ブロック515に返す。
【0117】
決定ブロック535は、jがN以下かどうかを判定する。そうであれば、制御は、機能ブロック540に渡される。そうでなければ、制御は、機能ブロック537に渡される。
【0118】
機能ブロック540は、anchor_picture_dependency_maps[i][j]を解析し、制御を決定ブロック545に渡す。決定ブロック545は、non_anchor_picture_dependency_maps[i][j]が1に等しいかどうかを判定する。そうであれば、制御は、機能ブロック550に渡される。そうでなければ、制御は、機能ブロック547に渡される。
【0119】
機能ブロック550は、non_anchor_picture_dependency_maps[i][j]を解析し、制御を機能ブロック547に渡す。機能ブロック547は、jを1だけ増分し、制御を決定ブロック535に返す。機能ブロック537は、iを1だけ増分し、制御を機能ブロック515に返す。
【0120】
次に、本発明の多数の付随する利点/特徴のいくつかについて説明するが、そのうちのいくつかはすでに上で述べられている。例えば、1つの利点/特徴は、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを符号化して結果として得られるビットストリームに入れる符号器を備える装置であり、ただし、結果として得られるビットストリームは、ビュー特有の情報を含むように符号化される。ビュー特有の情報は、少なくとも2つのビューのうちの少なくともいくつかのビューの間の復号化相互依存性を示す。他の利点/特徴は、復号化相互依存性により対応する復号化に対する少なくとも2つのビューのサブセットのみを使用する少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューの対応する復号化が可能である、上述のような符号器を有する装置である。
【0121】
さらに他の利点/特徴は、ビュー特有の情報の中で示されている復号化相互依存性が、その少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューのランダムアクセスに対し、その少なくとも1つのビューに関して非相互依存であると示されているその少なくとも2つのビューのうちの他のビューに関係するスライスを削除することにより使用される、上述のような符号器を有する装置である。
【0122】
さらに他の利点/特徴は、ビュー特有の情報が高水準シンタックスに含まれる、上述のような符号器を有する装置である。さらなる利点/特徴は、ビュー特有の情報が国際標準化機構/国際電気標準会議Moving Picture Experts Group-4 Part 10 Advanced Video Coding標準/国際電気通信連合電気通信標準化部門H.264勧告に準拠するパラメータセットに含まれる、上述のような符号器を有する装置である。
【0123】
さらなる他の利点/特徴は、ビュー特有の情報がビューパラメータセットに含まれる、上述のような符号器を有する装置である。さらなる他の利点/特徴は、ビュー特有の情報が上述のようにビューパラメータセットに含まれ、ビューパラメータセットが特にビューパラメータセットだけと使用するためにNALユニットタイプを割り当てられる、符号器を有する装置である。追加の利点/特徴は、上述のように特にビューパラメータセットとだけ使用するためNALユニットタイプが割り当てられ、NALユニットタイプが14である、符号器を有する装置である。
【0124】
さらに、他の利点/特徴は、ビュー特有の情報がビューパラメータセットidを示す少なくとも1つのシンタックス要素を含む、上述のような符号器を有する装置である。さらに、他の利点/特徴は、上述のようにビュー特有の情報がビューパラメータセットidを示す少なくとも1つのシンタックス要素を含み、少なくとも1つのシンタックス要素がview_parameter_set_idシンタックス要素により表される、符号器を有する装置である。
【0125】
また、他の利点/特徴は、ビュー特有の情報がビューの個数を示す少なくとも1つのシンタックス要素を含む、上述のような符号器を有する装置である。それに加えて、他の利点/特徴は、上述のようにビュー特有の情報がビューの個数を示す少なくとも1つのシンタックス要素を含み、少なくとも1つのシンタックス要素がnumber_of_views_minus_1シンタックス要素により表される、符号器を有する装置である。
【0126】
さらに、他の利点/特徴は、少なくとも2つのビューのうちの特定の1つのビューが国際標準化機構/国際電気標準会議Moving Picture Experts Group-4 Part 10 Advanced Video Coding標準/国際電気通信連合電気通信標準化部門H.264勧告に準拠する結果として得られるビットストリームに符号化されたときに、ビュー特有の情報が少なくとも2つのビューのうちの特定の1つのビューに対するビューidを示す少なくとも1つのシンタックス要素を含む、上述のような符号器を有する装置である。
【0127】
さらに、他の利点/特徴は、上述のようにビュー特有の情報が少なくとも2つのビューのうちの特定の1つのビューに対するビューidを示す少なくとも1つのシンタックス要素を含み、少なくとも1つのシンタックス要素がavc_compatible_view_idシンタックス要素により表される、符号器を有する装置である。
【0128】
また、他の利点/特徴は、ビュー特有の情報が少なくとも1つのシンタックス要素を含むか、又は高水準シンタックスから暗黙のうちに導き出すことができ、少なくとも1つのシンタックス要素及び高水準シンタックスは少なくとも2つのビューのうちの特定の1つのビューが国際標準化機構/国際電気標準会議Moving Picture Experts Group-4 Part 10 Advanced Video Coding標準/国際電気通信連合電気通信標準化部門H.264勧告と互換性があることを示す、上述のような符号器を有する装置である。
【0129】
それに加えて、他の利点/特徴は、上述のようにビュー特有の情報が少なくとも1つのシンタックス要素を含むか、又は高水準シンタックスから暗黙のうちに導き出すことができ、少なくとも1つのシンタックス要素がis_base_view_flagシンタックス要素により表される、符号器を有する装置である。
【0130】
さらに、他の利点/特徴は、ビュー特有の情報が少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューに対する依存性情報が結果として得られるビットストリーム内に存在するかどうかを示す少なくとも1つのシンタックス要素を含む、上述のような符号器を有する装置である。
【0131】
さらに、他の利点/特徴は、ビュー特有の情報が上述のように少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューに対する依存性情報が結果として得られるビットストリーム内に存在するかどうかを示す少なくとも1つのシンタックス要素を含み、少なくとも1つのシンタックス要素がdependency_update_flagシンタックス要素により表される、符号器を有する装置である。
【0132】
また、他の利点/特徴は、ビュー特有の情報が少なくとも2つのビューのうちの現在の1つのビュー内の少なくとも1つのアンカーピクチャが少なくとも2つのビューのうちの他のどれかのビューを復号化するために使用されるかどうかを示す少なくとも1つのシンタックス要素を含む、上述のような符号器を有する装置である。
【0133】
さらに、他の利点/特徴は、ビュー特有の情報が少なくとも2つのビューのうちの現在の1つのビュー内の少なくとも1つのアンカーピクチャが上述のように少なくとも2つのビューのうちの他のどれかのビューを復号化するために使用されるかどうかを示す少なくとも1つのシンタックス要素を含み、少なくとも1つのシンタックス要素がanchor_picture_dependency_maps[i][j]シンタックス要素により表される、符号器を有する装置である。
【0134】
また、他の利点/特徴は、ビュー特有の情報が少なくとも2つのビューのうちの現在の1つのビュー内の少なくとも1つの非アンカーピクチャが少なくとも2つのビューのうちの他のどれかのビューを復号化するために使用されるかどうかを示す少なくとも1つのシンタックス要素を含む、上述のような符号器を有する装置である。
【0135】
さらに、他の利点/特徴は、ビュー特有の情報が少なくとも2つのビューのうちの現在の1つのビュー内の少なくとも1つの非アンカーピクチャが上述のように少なくとも2つのビューのうちの他のどれかのビューを復号化するために使用されるかどうかを示す少なくとも1つのシンタックス要素を含み、少なくとも1つのシンタックス要素がnon_anchor_picture_dependency_maps[i][j]シンタックス要素により表される、符号器を有する装置である。
【0136】
さらに、他の利点/特徴は、結果として得られるビットストリームが、少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューに対する少なくとも1つのカメラパラメータに関係する少なくとも1つのシンタックス要素を含むように符号化される、上述のような符号器を有する装置である。
【0137】
さらに、他の利点/特徴は、結果として得られるビットストリームが、上述のように少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューに対する少なくとも1つのカメラパラメータに関係する少なくとも1つのシンタックス要素を含むように符号化され、少なくとも1つのシンタックスは結果として得られるビットストリームに対応するパラメータセットに含まれる、符号器を有する装置である。
【0138】
さらに、他の利点/特徴は、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを、復号化のためその少なくとも2つのビューのうちの他のビューから独立している、その少なくとも2つのビューのうちのいずれかのビューをベースビューとして定義することにより、符号化する符号器を備える装置である。
【0139】
さらに、他の利点/特徴は、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを、その少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューを下位互換性のため国際標準化機構/国際電気標準会議Moving Picture Experts Group-4 Part 10 Advanced Video Coding標準/国際電気通信連合電気通信標準化部門H.264勧告にシンタックス準拠する結果として得られるビットストリームに符号化することにより符号化する符号器を備える装置である。また、他の利点/特徴は、少なくとも1つのビューが復号化するために少なくとも2つのビューのうちの他のビューから独立しているベースビューである、上述のような符号器を有する装置である。
【0140】
それに加えて、他の利点/特徴は、avc_compatible_view_idシンタックス要素が少なくとも1つのビューを下位互換性のため国際標準化機構/国際電気標準会議Moving Picture Experts Group-4 Part 10 Advanced Video Coding標準/国際電気通信連合電気通信標準化部門H.264勧告にシンタックス準拠する結果として得られるビットストリームに符号化されているものとして識別する、上述のような符号器を有する装置である。
【0141】
さらに、他の利点/特徴は、2つの定義済みスライスタイプのうちの1つのスライスタイプを選択することによりマルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューを符号化する符号器を備える装置である。
【0142】
さらに、他の利点/特徴は、2つの定義済みスライスタイプが瞬時復号化更新スライスタイプ及び非瞬時復号化更新スライスタイプである、上述のような符号器を有する装置である。また、他の利点/特徴は、NALユニットタイプ22が瞬時復号化更新スライスタイプに使用され、NALユニットタイプ23が非瞬時復号化更新スライスに使用される、上述のような瞬時復号化更新スライスタイプと非瞬時復号化更新スライスタイプのいずれかを選択する符号器を有する装置である。
【0143】
それに加えて、他の利点/特徴は、少なくとも2つのスライスのうちの少なくとも1つのスライスに対するスライスヘッダがビュー特有のシンタックスを含む、上述のような符号器を有する装置である。
【0144】
さらに、他の利点/特徴は、少なくとも2つのスライスのうちの少なくとも1つのスライスに対するスライスヘッダが上述のようにビュー特有のシンタックスを含み、ビュー特有のシンタックスがNALユニットタイプ23及びNALユニットタイプ24を必要条件としている、符号器を有する装置である。
【0145】
さらに、他の利点/特徴は、少なくとも2つのスライスのうちの少なくとも1つのスライスに対するスライスヘッダが上述のようにビュー特有のシンタックスを含み、ビュー特有のシンタックスがビューパラメータセット識別子及びビュー識別子を含む、符号器を有する装置である。
【0146】
また、他の利点/特徴は、ビュー特有のシンタックスが上述のようにビューパラメータセット識別子及びビュー識別子を含み、ビューパラメータセット識別子がview_parameter_set_idシンタックス要素により表され、ビュー識別子がview_idシンタックス要素により表される、符号器を有する装置である。
【0147】
それに加えて、他の利点/特徴は、マルチビューコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを符号化して結果として得られるビットストリームに入れる符号器を備え、その際に結果として得られるビットストリームがその少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューに対応する少なくとも1つのカメラパラメータを含むように符号化される装置である。
【0148】
さらに、他の利点/特徴は、結果として得られるビットストリームが、ビューパラメータセットを含むように符号化され、少なくとも1つのカメラパラメータがビューパラメータセットに含まれる、上述のような符号器を有する装置である。
【0149】
さらに、他の利点/特徴は、少なくとも1つのカメラパラメータの存在がシンタックス要素により示される、上述のような符号器を有する装置である。また、他の利点/特徴は、少なくとも1つのカメラパラメータの存在が上述のようにシンタックス要素により示され、シンタックス要素はcamera_parameters_present_flagシンタックス要素により表される、符号器を有する装置である。
【0150】
それに加えて、他の利点/特徴は、少なくとも1つのカメラパラメータがcamera_parametersシンタックス要素により表される、上述のような符号器を有する装置である。
【0151】
さらに、マルチビュービデオコンテンツに対応する少なくとも2つのビューを符号化して結果として得られるビットストリームに入れる符号器を備え、その際に結果として得られるビットストリームは、その少なくとも2つのビューのうちの少なくとも1つのビューに対する少なくとも1つのカメラパラメータに関係する少なくとも1つのシンタックス要素を含むように符号化される装置である。
【0152】
さらに、他の利点/特徴は、少なくとも1つのシンタックスが高水準シンタックス要素である、上述のような符号器を有する装置である。また、他の利点/特徴は、少なくとも1つのシンタックスが結果として得られるビットストリームに対応するパラメータセットに含まれる、上述のような符号器を有する装置である。
【0153】
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、当業者であれば、本明細書の教示に基づき容易に確認できる。本発明の教示は、様々な実施形態のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用プロセッサ、又はそれらの組合せで実装することができることは理解される。
【0154】
本発明の教示は、ハードウェアとソフトウェアとの組合せとして実装されるのが最も好ましい。さらに、ソフトウェアは、プログラム記憶装置上に明確に具現化されたアプリケーションプログラムとして実装されうる。アプリケーションプログラムは、好適なアーキテクチャを含むマシンにアップロードされ、そのマシンにより実行されうる。好ましくは、マシンは、1つ又はそれ以上の中央演算処理装置(「CPU」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、及び入出力(「I/O」)インターフェースなどのハードウェアを備えるコンピュータプラットフォームとして実装される。コンピュータプラットフォームは、さらに、オペレーティングシステム及びマイクロ命令コードも含むことができる。本明細書で説明される様々なプロセス及び機能は、CPUにより実行されうる、アプリケーションプログラムのマイクロ命令コードもしくはその一部、又はそれらの組合せの一部とすることができる。それに加えて、他の様々な周辺装置が、追加のデータ記憶装置及び印刷装置などのコンピュータプラットフォームに接続されうる。
【0155】
さらに、付属の図面に示されている構成要素であるシステムコンポーネント及び方法の一部は好ましくはソフトウェアで実装されるため、システムコンポーネント又はプロセス機能ブロック間の実際の接続は、本発明のプログラムされる方法により異なることがあることは理解される。本明細書の教示が与えられれば、当業者は、本発明のそれらの実装及び類似の実装又は構成を思い付くことができるであろう。
【0156】
例示的な実施形態は、本明細書では付属の図面を参照しつつ説明されているけれども、本発明は、それらの正確な実施形態に制限されるわけではなく、また当業者であれば、本発明の技術的範囲又は精神から逸脱することなく、様々な他の変更及び修正も可能であることを理解するであろう。このような変更及び修正はすべて、付属の請求項で定められているとおり、本発明の技術的範囲内に含まれることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5