【実施例】
【0093】
以下、本発明を適用する荷電制御剤を製造した実施例を詳細に説明する。
【0094】
本発明の荷電制御剤に含有される芳香族オキシカルボン酸金属化合物の合成例を実施例1〜6に示す。
【0095】
(実施例1)
A−1 芳香族オキシカルボン酸の合成
2,5−ジヒドロキシ安息香酸100gと80%硫酸1441gとを50℃に加熱混合し、この分散液にtert−ブタノール144gを加えて50℃で30分間撹拌した。その後、分散液にtert−ブタノール144gを加え30分間撹拌する操作を3回行った。反応液を室温まで冷却し、氷水1kgに徐々に注ぎ、析出物を濾過、水洗し、更にヘキサン洗浄した。得られた析出物をメタノール200mLに溶解させ、水3.6Lに再沈殿させた。濾過後、80℃にて24時間乾燥させtert−ブチル化された芳香族オキシカルボン酸中間体74.9gを得た。
【0096】
3−tert−ブチル−2,5−ジヒドロキシ安息香酸50.0gをメタノール220mLに溶解させ、炭酸カリウム61.1gを加えて65℃に加熱した。この反応液にベンジルブロミド39.5gを滴下し、65℃にて8時間反応させた。得られた反応液を冷却後、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。
【0097】
得られた析出物をpH=2の水3Lに分散させ、酢酸エチルを加えて酢酸エチル相を抽出した。その後、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。得られた析出物をヘキサン洗浄後、トルエンと酢酸エチルにて再結晶し、下記化学式(A1)に示す芳香族オキシカルボン酸を31.0g得た。
【0098】
【化27】
【0099】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A1)の純度を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC 株式会社島津製作所製 検出器:SPD−M20A、カラムオーブン:CTO−20A、ポンプ:LC−20AT、デガッサー:DGU−20A
3)により、以下の測定条件で測定を行い、純度=97.6%であることを確認した。
HPLC測定条件:サンプル3mgをTHF(テトラヒドロフラン)10mLに溶解させ、30分間超音波照射処理し、ポア径が0.5μmの耐溶剤性メンブランフィルターで濾過してサンプル溶液とし、以下の条件で測定した。
カラム:L−Column ODS (4.6×250mm)、カラムオーブン温度:40℃、流速:1.0mL/分、試料注入量:3μL、検出波長:254nm、
溶離液A:THF:0.05M−CH
3COONH
4水溶液=4:6
溶離液B:THF:0.05M−CH
3COONH
4水溶液=6:4
グラジュエント条件 溶離液A:溶離液B=100:0→(20分)→0:100
【0100】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A1)について、
1H−核磁気共鳴装置(NMR 日本電子株式会社製 FT−NMR JNM−AL300)を用い、共鳴周波数:300MHz 測定核種:1H、使用溶媒:重DMSO、測定温度:室温の条件で測定した。
1H−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、前記化学式(A1)で示す構造を支持する。
1H−NMRの測定結果を
図1に示す。
δ(ppm)=1.36(9H、s、−C(CH
3)
3)、5.04(2H、s、−OCH
2−)、7.11(1H、d、Ar−H)、7.26(1H、d、Ar−H)、7.30−7.46(5H、m、Ar−H)
【0101】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A1)について、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR 日本電子株式会社製 JIR−SPX60S)を使用し、KBr法にて測定したところ、
ν(cm
−1)=3003、2954、2900、2862、2629、1643、1608、1481、1446、1431、1394、1375、1336、1304、1284、1227、1201、1115、1045、1028、1018、962、895、854、843、806、793、748、727、696、503を観測した。FT−IRの測定結果を
図2に示す。
【0102】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A1)について、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 TG/DTA6200 EXSTAR6000)を用い、昇温条件:30−550℃ 昇温速度:10℃/分で測定した。熱重量分析−示差熱分析(TG−DTA)の測定結果を
図3に示す。測定の結果、融点190℃、重量減少温度:231℃、468℃を観測した。
【0103】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A1)について、元素分析測定器(CHNS/O分析 パーキンエルマー社製 2400II全自動元素分析装置)にて、炭素(C)、水素(H)、窒素(N)の重量比率を測定した。以下に元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値 C:72.71 H:6.74 N:0.00
理論値 C:71.98 H:6.71 N:0.00
【0104】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A1)について、X線回折装置(株式会社リガク製 試料水平型強力X線回折装置 RINT−TTRIII)にて以下の条件にて測定した。測定試料サンプルの作製:試料をX線回折装置専用ガラス台にのせ、別のガラス板にて平らに試料を延ばして試料を作製した。
測定範囲:2θ=5°〜40°
結晶化度の求め方:得られた芳香族オキシカルボン酸について、前記の条件でX線回折を測定後、得られたX線回折スペクトルをスムージング処理した。更に得られたデータを、Materials Data社製の解析ソフト「JADE XRD Pattern Processing Identification & Quantification ver.7.5.2」を用い、以下の条件にて解析し結晶化度を求めた。プロファイリングフィッティング条件:PSF;pseudo−Voigt、バックグラウンド:水平、現在のプロファイル更新:有り、Kα2ピーク:有り、初期半価幅曲線指定値=0.2、ピークサーチ:有り。
得られた芳香族オキシカルボン酸(A1)について、前記の条件にてX線回折を測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=88.6%。その結果を
図4に示す。
【0105】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A1)について、液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS 株式会社日立ハイテクノロジーズ製 LC/3DQMSシステム M−8000)にて、以下の条件にて測定した。
イオン化源:ESIイオン化源(FI法により測定)
キャリア:電子工業用メタノール
試料の調製方法:試料各1mgを電子工業用メタノールにて溶解し、完全に溶解しなかった試料に関しては、THFを溶解するまで加えた。
第一細孔温度:120℃ 第二細孔温度:100℃ 脱溶媒温度:150℃ 補助ガス温度:150℃ フォーカス電圧:20V ドリフト電圧:20V
液体クロマトグラフ質量分析の測定結果より、質量分析の理論値及び実測値を以下に示す。
実測値:LC/MS m/z=299.07[M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸の理論分子量:300.14
【0106】
B−1 芳香族オキシカルボン酸の金属化合物の合成
水500mLに20%水酸化ナトリウム水溶液66.3gを加え、次いで芳香族オキシカルボン酸(A1)を50.0g加え、90℃に加熱した。この液に、水467mLと25.7%の硫酸アルミニウム水溶液81.5gを加え、90℃に加熱した溶液を25分間で加え、90℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて48時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸の金属化合物(B1)を55.5g得た。
【0107】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)について、元素分析測定器(CHNS/O分析 パーキンエルマー社製 2400II全自動元素分析装置)にて、炭素(C)、水素(H)窒素(N)の重量比率を測定した。以下に元素分析の実測値を示す。
実測値 C:63.77 H:6.09 N:0.00
【0108】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)について、原子吸光分析装置(Valian社製 SpectrAA−220FS)にて、含有する金属の重量%を測定した。以下に原子吸光の実測値を示す。Al=5.31%、Na=0.04%
【0109】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)について、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR 日本電子株式会社製 JIR−SPX60S)を使用し、KBr法にて測定したところ、
ν(cm
−1)=3431、3265、3091、3066、3034、3003、2958、2912、2872、1579、1475、1454、1435、1394、1375、1308、1228、1201、1122、1080、1045、1030、1020、974、931、897、866、845、810、783、744、696、600、426、409を観測した。FT−IRの測定結果を
図5に示す。
【0110】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)について、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 TG/DTA6200 EXSTAR6000)を用い、昇温条件:30−550℃ 昇温速度:10℃/分で測定した。熱重量分析−示差熱分析(TG−DTA)の測定結果を
図6に示す。その測定の結果、発熱温度:506℃、重量減少温度:188℃、491℃を観測した。
【0111】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)について、X線回折装置(株式会社リガク製 試料水平型強力X線回折装置 RINT−TTRIII)にて以下の条件にて測定した。測定試料サンプルの作製:試料をX線回折装置専用ガラス台にのせ、別のガラス板にて平らに試料を延ばして試料を作製した。
測定範囲:2θ=5°〜40°
結晶化度の求め方:得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物について、前記の条件でX線回折を測定後、得られたX線回折スペクトルをスムージング処理した。更に得られたデータを、Materials Data社製の解析ソフト「JADE XRD Pattern Processing Identification & Quantification ver.7.5.2」を用い、以下の条件にて解析し結晶化度を求めた。プロファイリングフィッティング条件:PSF;pseudo−Voigt、バックグラウンド:水平、現在のプロファイル更新:有り、Kα2ピーク:有り、初期半価幅曲線指定値=0.2、ピークサーチ:有り。
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)について、前記の条件にてX線回折を測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=10.3%。
その結果を
図7に示す。
【0112】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)について、液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS 株式会社日立ハイテクノロジーズ製 LC/3DQMSシステム M−8000)にて、以下の条件にて測定した。
イオン化源:ESIイオン化源(FI法により測定)
キャリア:電子工業用メタノール
試料の調製方法:試料各1mgを電子工業用メタノールにて溶解し。完全に溶解しなかった試料に関してはTHFを溶解するまで加えた。
第一細孔温度:120℃ 第二細孔温度:100℃ 脱溶媒温度:150℃ 補助ガス温度:150℃ フォーカス電圧:20V ドリフト電圧:20V
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)について、前記の条件でLC/MS分析測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が623.4と、948.1とであり、芳香族オキシカルボン酸(A1)とAlとが、それぞれ2:1、3:2である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(M−1)及び(M−2)を示す。
【0113】
【化28】
【0114】
【化29】
【0115】
(実施例2)
A−2 芳香族オキシカルボン酸の合成
5−メチル−2,3−ジヒドロキシ安息香酸(東京化成工業株式会社製、製品コードD2770)25.0gをメタノール500mLに溶解させ、炭酸カリウム20.2gを加えて65℃に加熱した。この反応液に1−クロロメチルベンゼン19.4gとメタノール100mLの混合溶解液を滴下し、65℃にて5時間反応させた。得られた反応液を冷却後、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。
【0116】
得られた析出物をpH=2の水3Lに分散させ、酢酸エチルを加えて、水洗し、酢酸エチル相を抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。得られた析出物をヘキサン洗浄後、トルエンと酢酸エチルにて再結晶し、下記化学式(A2)に示す芳香族オキシカルボン酸を24.1g得た。
【0117】
【化30】
【0118】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A2)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、95.3%だった。
【0119】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A2)について、測定溶媒をCDCl
3に変えた以外は、実施例1のA−1と同様の条件で
1H−NMRを測定した。
1H−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、前記化学式(A2)で示す構造を支持する。
δ(ppm)=2.20(3H、s、−CH
3)、4.41(2H、s、−OCH
2−)、7.24−7.51(7H、m、Ar−H)
【0120】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A2)について、FT−IRを実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3416、3100、3010、29659、2856、2622、1670、1609、1511、1428、1369、1336、1301、1281、1232、1200、1121、1063、969、901、853、835、810、803、726、687、468を観測した。
【0121】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A2)について、TG−DTAを実施例1のA−1に記載の条件で測定した結果、融点161℃、発熱温度:513℃、562℃、重量減少温度:171℃、401℃、481℃、543℃を観測した。
【0122】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A2)について、元素分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値C:69.30 H:5.37 N:0.00
理論値C:69.76 H:5.46 N:0.00
【0123】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A2)について、LC/MS分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。質量分析の理論値及び実測値を示す。
実測値:LC/MS m/z=257.7[M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸の理論分子量:258.27
【0124】
B−2 芳香族オキシカルボン酸の金属化合物の合成
水100mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液18.6gを加え90℃に加熱した。この液に、水100mLに20%水酸化ナトリウム水溶液14.9g及び芳香族オキシカルボン酸(A2)を10.0g加え、90℃に加熱した溶液を20分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて48時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸の金属化合物(B2)を9.7g得た。
【0125】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B2)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:67.1 H:4.69 N:0.00
【0126】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B2)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に原子吸光の実測値を示す。Al=4.15%、Na=0.01%
【0127】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B2)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3430、1621、1523、1462、1385、1266、1201、1159、1110、1012、999、905、832、769、679、485を観測した。
【0128】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B2)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、吸熱温度:196℃、発熱温度:362℃、460℃、重量減少温度:175℃、324℃、443℃を観測した。
【0129】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B2)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=23.7%。
【0130】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B2)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が539.8であり、芳香族オキシカルボン酸(A2)とAlとが、2:1である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(M−3)を示す。
【0131】
【化31】
【0132】
(実施例3)
A−3 芳香族オキシカルボン酸の合成
5−tert−ブチル−2,3−ジヒドロキシ安息香酸25.0gをメタノール365mLに溶解させ、炭酸カリウム16.2gを加えて65℃に加熱した。この反応液に1−クロロメチルベンゼン15.5gを20分間で滴下し、65℃にて3時間反応させた。得られた反応液を冷却後、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。得られた析出物をpH=2の水に分散させ、酢酸エチルを加え、水洗し、酢酸エチル相を抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去後、析出物をトルエン洗浄し、トルエンにて再結晶し、下記化学式(A3)に示す芳香族オキシカルボン酸を22.7g得た。
【0133】
【化32】
【0134】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A3)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、99.1%だった。
【0135】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A3)について、
1H−NMRを実施例1のA−1に記載の条件で測定した。
1H−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、前記化学式(A3)で示す構造を支持する。
δ(ppm)=1.23(1H、s、−C(CH
3)
3)5.22(2H、s、−CH2−)、7.29−7.55(7H、m、Ar−H)
【0136】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A3)について、FT−IRを実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3090、3055、2966、2870、2629、1655、1619、1512、1481、1448、1409、1299、1275、1237、1200、1117、1083、1015、985、960、917、894、856、830、820、721、642を観測した。
【0137】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A3)について、TG−DTAを実施例1のA−1に記載の条件で測定した。測定の結果、融点137℃、発熱温度:567℃、分解点:199℃を観測した。
【0138】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A3)について、元素分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値 C:70.97 H:6.49 N:0.00
理論値 C:71.98 H:6.71 N:0.00
【0139】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A3)について、X線回折を実施例1のA−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=64.2%。
【0140】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A3)について、LC/MS分析を実施例1のA−1の条件にて測定した。以下に質量分析の理論値及び実測値を示す。
実測値:LC/MS m/z=298.9[M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸の理論分子量:300.35
【0141】
B−3 芳香族オキシカルボン酸の金属化合物の合成
水94mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液16.4gを加え90℃に加熱した。この液に、水100mLに20%水酸化ナトリウム水溶液13.2gを加え、次いで芳香族オキシカルボン酸(A3)を10.0g加え、90℃に加熱した溶液を30分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて24時間乾燥し、芳香族オキシカルボン酸の金属化合物(B3)を12.3g得た。
【0142】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B3)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:69.84 H:5.80 N:0.00
【0143】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B3)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に原子吸光の実測値を示す。Al=3.51%、Na=0.03%
【0144】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B3)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3425、2959、1632、1574、1486、1440、1404、1369、1273、1250、1120、1056、998、912、849、822、815、645、441を観測した。
【0145】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B3)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定し、その測定の結果、発熱温度:371℃、462℃、重量減少温度:261℃、439℃を観測した。
【0146】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B3)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=27.4%。
【0147】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B3)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が622.7と、947.7とであり、芳香族オキシカルボン酸(A3)とAlとが、それぞれ2:1、3:2である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(M−4)及び(M−5)を示す。
【0148】
【化33】
【0149】
【化34】
【0150】
(実施例4)
A−4 芳香族オキシカルボン酸の合成
3−tert−ブチル−2,5−ジヒドロキシ安息香酸10.0gをメタノール200mLに溶解させ、炭酸カリウム6.6gを加えて65℃に加熱した。この反応液に、テトラヘドロン(Tetrahedron),2009年,第65巻,第22号,4429−4439頁に記載の方法で合成した1−tert−ブチル−4−ブロモエチルベンゼン12gとメタノール100mLとの混合溶液を20分間で滴下し、65℃にて8時間反応させた。得られた反応液を冷却後、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。得られた析出物をpH=2の水1.5Lに分散させ、酢酸エチルを加えて水洗し、酢酸エチル相を抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。得られた析出物をヘキサン洗浄濾過後、析出物をトルエンと酢酸エチルの混合溶液を用い、再結晶し、80℃で40時間乾燥後、下記化学式(A4)に示す芳香族オキシカルボン酸誘導体を12.7g得た。
【0151】
【化35】
【0152】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A4)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、98.6%だった。
【0153】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A4)について、
1H−NMRを実施例1のA−1に記載の条件で測定した。
1H−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、前記化学式(A4)で示す構造を支持する。
δ(ppm)=1.37(9H、s、−C(CH
3)
3)1.44(9H、s、−C(CH
3)
3)、5.10(2H、s、−OCH
2−)、7.20−7.45(6H、m、Ar−H)
【0154】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A4)について、FT−IRを実施例のA−1と同様の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3422、3096、3004、2966、2869、2619、1661、1609、1516、1430、1411、1376、1362、1330、1292、1278、1225、1199、1181、1116、1066、1016、985、970、908、851、832、819、806、795、722、681、658、606、493、465を観測した。
【0155】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A4)について、TG−DTAを実施例のA−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、融点:192℃、発熱温度:526℃、571℃、重量減少温度:165℃、231℃、387℃、490℃、553℃を観測した。
【0156】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A4)について、元素分析を実施例のA−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値C:73.97 H:7.88 N:0.00
理論値C:74.13 H:7.92 N:0.00
【0157】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A4)について、X線回折を実施例1のA−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=72.7%。
【0158】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A4)について、液体クロマトグラフ質量分析を実施例のA−1に記載の条件で測定した。質量分析の理論値及び実測値を示す。
実測値:LC/MS m/z=355.3[M−H]
−
理論値:m/z=356.46
【0159】
B−4 芳香族オキシカルボン酸の金属化合物の合成
水130mLに20%水酸化ナトリウム水溶液57.0gを加え、次いで芳香族オキシカルボン酸(A4)を10.0g加え、90℃に加熱した。この液に、水100mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液14.0gを加え、90℃に加熱した溶液を30分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて48時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸の金属化合物(B4)を10.1g得た。
【0160】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B4)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:63.77 H:6.09 N:0.00
【0161】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B4)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に原子吸光の実測値を示す。Al=4.40%、Na=0.02%
【0162】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B4)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3433、2957、1585、1473、1435、1406、1375、1307、1228、1201、1122、1043、1015、989、908、811、744を観測した。
【0163】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B4)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した結果、発熱温度:363℃、465℃、重量減少温度:235℃、420℃を観測した。
【0164】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B4)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=35.1%。
【0165】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B4)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が735.5であり、芳香族オキシカルボン酸(A4)とAlとが、2:1である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(M−6)を示す。
【0166】
【化36】
【0167】
(実施例5)
A−5 芳香族オキシカルボン酸の合成
80%硫酸1201gに2,4−ジヒドロキシ安息香酸とイソプロパノール210gとを加え、75℃にて8時間撹拌した。放冷し、氷水2Lとヘキサン140mLとを加え氷浴下、撹拌した。析出している結晶を濾過し、残渣をヘキサンで洗浄した。更にメタノール:水=6:4の混合液に分散し、濾過した。60℃にて48時間乾燥し、イソプロピル化された芳香族オキシカルボン酸中間体65.4gを得た。イソプロピル化された芳香族オキシカルボン酸中間体20.0gをメタノール310mLに溶解させ、炭酸カリウム14.0gを加えて65℃に加熱した。この反応液に1−クロロメチルベンゼン13.3gとメタノール100mLに混合溶解させた溶解液を滴下し、8時間反応させた。得られた反応液を冷却後、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。得られた析出物をpH=2の水1.5Lに分散させ、酢酸エチルを加えた後に水洗した。酢酸エチル層を抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。得られた析出物をヘキサン洗浄濾過後、析出物をトルエンと酢酸エチルの混合溶液を用い、再結晶し、80℃で40時間乾燥後、下記化学式(A5)に示す芳香族オキシカルボン酸誘導体を17.7g得た。
【0168】
【化37】
【0169】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A5)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、97.9%だった。
【0170】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A5)について、
1H−NMRを実施例1のA−1に記載の条件で測定した。
1H−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、前記化学式(A5)で示す構造を支持する。
δ(ppm)=1.25(6H、d、−C(CH
3)
2)、2.90(1H、m、−C
H−C(CH
3)
2)、5.20(2H、s、−OCH
2−)、6.39(1H、s、Ar−H)、7.08−7.35(5H、m、Ar−H)、7.62(1H、s、Ar−H)
【0171】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A5)について、FT−IRを実施例のA−1と同様の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3432、3018、2879、1677、1616、1455、1345、1236、1134、1238、1132、1076、930、813、742、706、506を観測した。
【0172】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A5)について、TG−DTAを実施例のA−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、融点:167℃、発熱温度:574℃、重量減少温度:209℃、388℃を観測した。
【0173】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A5)について、元素分析を実施例のA−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値C:72.00 H:6.29 N:0.00
理論値C:71.31 H:6.34 N:0.00
【0174】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A5)について、X線回折を実施例1のA−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=86.4%。
【0175】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A5)について、液体クロマトグラフ質量分析を実施例のA−1に記載の条件で測定した。質量分析の理論値及び実測値を示す。
実測値:LC/MS m/z=285.4[M−H]
−
理論値:m/z=286.32
【0176】
B−5 芳香族オキシカルボン酸の金属化合物の合成
水100mLに20%水酸化ナトリウム水溶液13.8gを加え、次いで芳香族オキシカルボン酸(A5)を10.0g加え、90℃に加熱した。この液に、水100mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液14.0gを加え、90℃に加熱した溶液を30分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて48時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸の金属化合物(B5)を9.9g得た。
【0177】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B5)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:68.42 H:5.50 N:0.00
【0178】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B5)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に原子吸光の実測値を示す。Al=4.99%、Na=0.01%
【0179】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B5)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3420、3110、2965、2929、2868、2659、1827、1770、1666、1607、1522、1457、1409、1379、1327、1278、1211、1154、1041、967、900、844、823、795、688、606、527、465を観測した。
【0180】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B5)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した結果、発熱温度:374℃、471℃、重量減少温度:222℃、431℃を観測した。
【0181】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B5)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=28.1%。
【0182】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B5)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が595.4と881.9であり、芳香族オキシカルボン酸(A5)とAlとが、それぞれ2:1、3:1である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(M−7)及び(M−8)を示す。
【0183】
【化38】
【0184】
【化39】
【0185】
(実施例6)
A−6 芳香族オキシカルボン酸の合成
2,4−ジヒドロキシ安息香酸46.23gと80%硫酸460gとを70℃に加熱混合し、この分散液に2−オクタノール78.15gを10分間で加えて70℃で30分間撹拌した。その後、分散液に2−オクタノール78.15gを加え30分間撹拌する操作を2回行った。30分間撹拌後、反応液を室温まで冷却し、氷水3kgに徐々に注ぎ、析出物を濾過、水洗し、更にヘキサン洗浄した。得られた析出物をメタノール500mLに溶解させ、水4.5Lに再沈殿させた。濾過後、80℃にて24時間乾燥させ、反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:トルエン留分にて、オクチル化されたサリチル酸中間体24.5gを得た。
【0186】
得られたサリチル酸中間体20.0gをメタノール400mLに溶解させ、炭酸カリウム22.9gを加えて65℃に加熱した。この反応液に1−クロロメチルベンゼン22.9gとメタノール100mLに混合溶解させた溶解液を滴下し、65℃にて3時間反応させた。得られた反応液を冷却後、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。
【0187】
得られた析出物をpH=2の水2.0Lに分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗し、酢酸エチル層を分離し硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。得られた析出物をヘキサン洗浄後、濾過し、残渣をトルエンと酢酸エチルの混合溶液にて再結晶した。析出物を濾過後、80℃にて48時間乾燥させ、下記化学式(A6)に示す芳香族オキシカルボン酸誘導体を15.8g得た。
【0188】
【化40】
【0189】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A6)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、95.7%だった。
【0190】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A6)について、
1H−NMRを実施例1のA−1に記載の条件で測定した。
1H−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、前記化学式(A6)で示す構造を支持する。
δ(ppm)=0.97(3H、t、−CH
3)、1.17−1.60(15H、broad、−(CH
2)
6−、−CH
3)、5.00(2H、s、−OCH
2−)、7.30−7.46(7H、m、Ar−H)
【0191】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A6)について、FT−IRを実施例のA−1と同様の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3422、3108、3010、3000、2935、2877、2871、2735、2655、1920、1826、1800、1768、1711、1700、1624、1607、1525、1502、1466,1415、1410、1366、1318、1292、1275、1224、1181、1158、1043、991、965、942、899、894、845、827、810、799、725、686、614、528、500、421を観測した。
【0192】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A6)について、TG−DTAを実施例のA−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、融点:146℃、発熱温度:509℃、重量減少温度:175℃、356℃を観測した。
【0193】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A6)について、元素分析を実施例のA−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値C:73.79 H:7.97 N:0.00
理論値C:74.13 H:7.92 N:0.00
【0194】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A6)について、X線回折を実施例1のA−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=63.6%。
【0195】
得られた芳香族オキシカルボン酸(A6)について、液体クロマトグラフ質量分析を実施例のA−1に記載の条件で測定した。質量分析の理論値及び実測値を示す。
実測値:LC/MS m/z=355.8[M−H]
−
理論値:m/z=356.46
【0196】
B−6 芳香族オキシカルボン酸の金属化合物の合成
水100mLに20%水酸化ナトリウム水溶液11.1gを加え、次いで芳香族オキシカルボン酸(A6)を10.0g加え、90℃に加熱した。この液を、水80mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液14.0gを加え、90℃に加熱した溶液に27分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて48時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸の金属化合物(B6)を9.6g得た。
【0197】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B6)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:72.11 H:7.41 N:0.00
【0198】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B6)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に原子吸光の実測値を示す。Al=3.74%、Na=0.02%
【0199】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B6)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3422、3109、2969、2930、2867、2660、1829、1771、1667、1609、1524、1458、1410、1377、1323、1279、1212、1158、1049、964、910、847、826、799、689、610、525、464を観測した。
【0200】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B6)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した結果、発熱温度:436℃、重量減少温度:199℃、410℃を観測した。
【0201】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B6)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=30.1%。
【0202】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B6)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が735.7であり、芳香族オキシカルボン酸(A6)とAlとが、2:1である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(M−9)を示す。
【0203】
【化41】
【0204】
(比較例1)
3−tert−ブチル−2,5−ジヒドロキシ安息香酸を2,5−ジヒドロキシ安息香酸に代えたこと以外は実施例1のA−1と同様の方法により、5−ベンジロキシ−2−ヒドロキシ安息香酸(Y1)を合成した。
【0205】
2,5−ジヒドロキシ安息香酸100.0gをメタノール440mLに溶解させ、炭酸カリウム122.2gを加えて65℃に加熱した。この反応液にベンジルブロミド79.1gを滴下し、65℃にて8時間反応させた。得られた反応液を冷却後、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。
【0206】
得られた析出物をpH=2の水3Lに分散させ、酢酸エチルを加えて酢酸エチル相を抽出した。その後、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。得られた析出物をヘキサン洗浄後、トルエンと酢酸エチルにて再結晶し、下記化学式(Y1)に示す芳香族オキシカルボン酸を62.3g得た。
【0207】
【化42】
【0208】
得られた芳香族オキシカルボン酸(Y1)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、98.7%だった。
【0209】
得られた芳香族オキシカルボン酸(Y1)について、元素分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値 C:68.79 H:4.87 N:0.00
理論値 C:68.85 H:4.95 N:0.00
【0210】
得られた芳香族オキシカルボン酸(Y1)について、LC/MS分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。また、質量分析の理論値及び実測値を以下に示す。
実測値:LC/MS m/z=243.67[M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸の理論分子量:244.24
【0211】
水467mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液101.5gを加え、90℃に加熱した。この溶液に、水500mLに20%水酸化ナトリウム水溶液81.5gと芳香族オキシカルボン酸(Y1)を50.0g加え、90℃に加熱した溶液を25分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて48時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸の金属化合物(X1)を55.5g得た。
【0212】
得られた金属化合物(X1)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:62.51 H:5.87 N:0.00
【0213】
得られた金属化合物(X1)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に原子吸光の実測値を示す。Al=5.31%、Na=0.04%
【0214】
得られた金属化合物(X1)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、発熱温度:506℃、重量減少温度:188℃、491℃を観測した。
【0215】
(比較例2)
比較例1で合成した芳香族オキシカルボン酸(Y1)を用いて、特開2001−249500記載の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(X2)を合成した。
【0216】
水100mLに20%水酸化ナトリウム水溶液13.3gを加え、次いで比較例1で得られた芳香族オキシカルボン酸(Y1)を10.0g加え、90℃に加熱した。この液に、水30mLにオキシ塩化ジルコニウム8水和物6.3gを加え、90℃に加熱した溶液を5分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて48時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸の金属化合物(X2)を11.1g得た。
【0217】
得られた金属化合物(X2)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:63.6 H:5.42 N:0.00
【0218】
得られた金属化合物(X2)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に原子吸光の実測値を示す。Zr=12.3%、Na=0.04%
【0219】
得られた金属化合物(X2)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3260、3053、3030、3029、3000、2978、2913、2869、1625、1571、1543、1510、1468、1433、1399、1389、1370、1315、1269、1230、1199、1118、1042、1015、990、904、839、820、805、759、732、625、610、537、469、410を観測した。
【0220】
得られた金属化合物(X2)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、発熱温度:343℃、480℃、重量減少温度:461℃を観測した。
【0221】
得られた金属化合物(X2)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が738.2であり、芳香族オキシカルボン酸(Y1)とZrとが、2:1である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(X2)を示す。
【0222】
【化43】
【0223】
(比較例3)
2,3−ジヒドロキシ安息香酸25.0gをメタノール300mLに溶解させ、これに炭酸カリウム22.1gを加え、65℃で、30分間撹拌した。これにベンジルクロライド21.1gを30分間で滴下した。還流下、5時間反応後、室温まで放冷し、析出物をろ過後、メタノールで洗浄した。ろ液中のメタノールを減圧下除去し、茶色の半固体を得た。この茶色半固体をpH=1の水2Lに分散させ、酢酸エチルを加え、酢酸エチル相を飽和食塩水で洗浄後、酢酸エチル相を抽出し硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下酢酸エチルを除去し、淡黄色固体を得た。この淡黄色固体をトルエンで再結晶し、析出物を濾過後、80℃にて40時間乾燥させ、下記化学式(X3)に示す芳香族オキシカルボン酸を26.0g得た。
【0224】
【化44】
【0225】
得られた芳香族オキシカルボン酸(X3)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ98.1%だった。
【0226】
得られた芳香族オキシカルボン酸(X3)について、
1H−NMRを実施例1のA−1に記載の条件で測定した。
1H−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、前記化学式(X3)で示す構造を支持する。
δ(ppm)=5.20(2H、s、−OCH
2−)、6.83−7.49(7H、m、Ar−H)
【0227】
得られた芳香族オキシカルボン酸(X3)について、FT−IRを実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3237、3036、2880、2721、2597、2528、1670、1612、1581、1465、1443、1385、1306、1247、1234、1178、1163、1088、1026、1018、1001、8908、862、837、827、781、748、696、653、608、480を観測した。
【0228】
得られた芳香族オキシカルボン酸(X3)について、TG−DTAを実施例1のA−1に記載の条件で測定して、その測定の結果、融点:177℃、重量減少温度:185℃、を観測した。
【0229】
得られた芳香族オキシカルボン酸(X3)について、元素分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値C:67.35 H:4.55 N:0.00
理論値C:68.85 H:4.95 N:0.00
【0230】
得られた芳香族オキシカルボン酸(X3)について、液体クロマトグラフ質量分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に質量分析の理論値及び実測値を示す。
実測値:LC/MS m/z=243.8[M−H]
−
理論値:m/z=244.24
【0231】
(比較例4)
2,3−ジヒドロキシ安息香酸25.0gをメタノール160mLに溶解させ、炭酸カリウム40.00gを加えて65℃に加熱した。この反応液に1−ブロモプロパン(東京化成工業株式会社製、製品コード:B0638)39.9gを滴下し、65℃にて12時間反応させた。得られた反応液を冷却後、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。
【0232】
得られた析出物をpH=2の水2.0Lに分散させ、酢酸エチルを加えて酢酸エチル相を抽出した。その後、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。得られた析出物をヘキサン洗浄後、トルエンと酢酸エチルにて再結晶し、下記化学式(Y4)に示す芳香族オキシカルボン酸を22.1g得た。
【0233】
【化45】
【0234】
得られた芳香族オキシカルボン酸(Y4)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、95.7%だった。
【0235】
得られた芳香族オキシカルボン酸(Y4)について、元素分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値 C:62.00 H:5.99 N:0.00
理論値 C:61.22 H:6.16 N:0.00
【0236】
得られた芳香族オキシカルボン酸(Y4)について、LC/MS分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。また、質量分析の理論値及び実測値を以下に示す。
実測値:LC/MS m/z=195.6[M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸の理論分子量:196.2
【0237】
水145mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液25.7加え、90℃に加熱した。この溶液に、水100mLに20%水酸化ナトリウム水溶液24.1gと芳香オキシカルボン酸(Y4)を10.0g加え、90℃に加熱した溶液を13分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて48時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸の金属化合物(X4)を10.0g得た。
【0238】
得られた金属化合物(X4)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:56.92 H:5.02 N:0.00
【0239】
得られた金属化合物(X4)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Al=4.81%、Na=0.02%
【0240】
得られた金属化合物(X4)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、発熱温度:550℃、重量減少温度:194℃、543℃を観測した。
【0241】
得られた金属化合物(X4)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が570.48であり、芳香族オキシカルボン酸(Y4)とAlとが、3:2である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(X4)を示す。
【0242】
【化46】
【0243】
(実施例C1)荷電制御剤の帯電性試験Aにおける荷電制御特性の評価
前記実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)1重量部、スチレン−アクリル共重合樹脂(三井化学株式会社製、商品名:CPR−100)100重量部を予備混合したのち、加熱ロール(株式会社栗本鐵工所製、商品名:S−1、KRCニーダ)で溶融混練した。冷却後、超遠心粉砕機(Retsch社製、商品名:ULTRA CENTRIFUGAL MILL、スクリーン目開き1.5mm)で粗粉砕し、分級機付きエアージェットミル(株式会社セイシン企業製、商品名:CO−JET)により、平均粒径をレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所製、商品名:Partica LA−950)にて測定し、9.5〜10.5μmになるよう微粉砕を行った。この樹脂粒子2.5重量部と、鉄粉キャリア(パウダーテック株式会社製、商品名:TEFV200/300)50.0重量部とを100mLの軟膏瓶にいれ、ボールミル回転架台(株式会社アサヒ理化製作所製、商品名:小型ボールミル回転架台 AV−1)で100rpmにて回転させながら、設定した時間毎に得られる混合物を採取し、ブローオフ帯電量測定機(東芝ケミカル株式会社製、商品名:TB−200)を使用して、以下の条件にて帯電量を測定した。得られた負帯電性確認データを表5と
図8とに示した。
【0244】
測定条件:金属メッシュ目開き34μm 圧力10.0kPa 吸引力10.0kPa 吸引時間10.0秒
【0245】
更に、実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物B2、B3、B4と比較例化合物例X1、X2、X3、X4とを芳香族オキシカルボン酸金属化合物B1と同様に、帯電性試験Aを行った。得られた負帯電性確認データを表5と
図8とに示した。
【0246】
【表5】
【0247】
(実施例C2)実施例C1で得られた樹脂粒子である荷電制御剤の環境安定性評価
実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物B1、B2、B3、B4、と比較化合物例X1、X2、X3、X4で得られた樹脂粒子を用い、下記の環境安定性評価を行った。表6に結果を示した。
【0248】
鉄粉キャリア(パウダーテック株式会社製、商品名:TEFV200/300)50.0重量部と前記帯電性試験Aの条件にて作製した各樹脂粒子を100mL軟膏瓶にいれ、中央に1cmの穴の空いた蓋をした。これを恒温恒湿器(東京理化機械株式会社製、商品名:エンビロスKCL−2000W)中のボールミル機(株式会社アサヒ理化製作所製、商品名:小型ボールミル回転架台 AV−1)にセットし、各設定された温度と湿度の環境下で24時間放置した。24時間後、100mL軟膏瓶を100rpmにて回転させながら、15分間撹拌後、混合物を採取し、ブローオフ帯電量測定機(東芝ケミカル株式会社製、商品名:TB−200)を使用して、以下の条件にて帯電量を測定した。
測定条件:金属メッシュ目開き34μm 圧力10.0kPa 吸引力10.0kPa 吸引時間10.0秒
【0249】
【表6】
【0250】
(実施例C3)荷電制御剤の帯電性試験Bにおける荷電制御特性の評価
前記実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)1重量部、ポリエステル樹脂(三菱レーヨン株式会社製、商品名:ER−508)100重量部を予備混合したのち、加熱ロール(株式会社栗本鐵工所製、商品名:S−1、KRCニーダ)で溶融混練した。冷却後、超遠心粉砕機(Retsch社製、商品名:ULTRA CENTRIFUGAL MILL、スクリーン目開き1.5mm)で粗粉砕し、分級機付きエアージェットミル(株式会社セイシン企業製、商品名:CO−JET)により、平均粒径をレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所製、商品名:Partica LA−950)にて測定し、9.5〜10.5μmになるよう微粉砕を行った。この樹脂粒子2.5重量部と、鉄粉キャリア(パウダーテック株式会社製、商品名:TEFV200/300)50.0重量部とを100mLの軟膏瓶にいれ、ボールミル回転架台(株式会社アサヒ理化製作所製、商品名:小型ボールミル回転架台 AV−1)で100rpmにて回転させながら、設定した時間毎に得られる混合物を採取し、ブローオフ帯電量測定機(東芝ケミカル株式会社製、商品名:TB−200)を使用して、以下の条件にて帯電量を測定した。得られた負帯電性確認データの結果を表7と
図9に示した。
測定条件:金属メッシュ目開き34μm 圧力10.0kPa 吸引力10.0kPa 吸引時間10.0秒
【0251】
更に、実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物B2、B3、B4と比較化合物例X1、X2、X3、X4を芳香族オキシカルボン酸金属化合物B1と同様に、帯電性試験Bを行った。得られた負帯電性確認データの結果を表7と
図9とに示した。
【0252】
【表7】
【0253】
(実施例C4)実施例C3で得られた樹脂粒子である荷電制御剤の環境安定性評価
実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物B1、B2、B3、B4と比較化合物例X1、X2、X3、X4とで得られた樹脂粒子を用い、下記の環境安定性評価を行った。表8に結果を示した。
【0254】
鉄粉キャリア(パウダーテック株式会社製、商品名:TEFV200/300)50.0重量部と前記帯電性試験Bの条件にて作製した各樹脂粒子を100mL軟膏瓶にいれ、中央に1cmの穴の空いた蓋をした。これを恒温恒湿器(東京理化機械株式会社製、商品名:エンビロスKCL−2000W)中のボールミル機(株式会社アサヒ理化製作所製、商品名:小型ボールミル回転架台 AV−1)にセットし、各設定された温度と湿度の環境下で24時間放置した。24時間後、100mL軟膏瓶を100rpmにて回転させながら、15分間撹拌後、混合物を採取し、ブローオフ帯電量測定機(東芝ケミカル株式会社製、商品名:TB−200)を使用して、以下の条件にて帯電量を測定した。
測定条件:金属メッシュ目開き34μm 圧力10.0kPa 吸引力10.0kPa 吸引時間10.0秒
【0255】
【表8】
【0256】
図及び表から明らかなとおり、本発明の芳香族オキシカルボン酸金属化合物である荷電制御剤は、帯電の立ち上がりが速く、更に、環境の変化に対して帯電値が安定しており良好である。
【0257】
(実施例C5)荷電制御剤の帯電性試験Aにおける荷電制御特性の評価
実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物B5、B6と比較化合物例X1、X2、X3、X4を実施例C1に記載の芳香族オキシカルボン酸金属化合物B1と同様に、帯電性試験Aを行った。得られた負帯電性確認データの結果を表9と
図10とに示した。
【0258】
【表9】
【0259】
(実施例C6)実施例C5で得られた樹脂粒子である荷電制御剤の環境安定性評価
実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物B5、B6と比較化合物例X1、X2、X3、X4とで得られた樹脂粒子を用い、下記の環境安定性評価を行った。表10に結果を示した。
【0260】
【表10】
【0261】
図及び表から明らかなとおり、本発明の芳香族オキシカルボン酸金属化合物である荷電制御剤は、帯電の立ち上がりが速く、更に、環境の変化に対して帯電値が安定しており良好である。
【0262】
(実施例C7)荷電制御剤の帯電性試験Bにおける荷電制御特性の評価
実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物B5、B6と比較化合物例X1、X2、X3、X4を実施例C3に記載の芳香族オキシカルボン酸金属化合物B1と同様に、帯電性試験Bを行った。得られた負帯電性確認データの結果を表11と
図11とに示した。
【0263】
【表11】
【0264】
(実施例C8)実施例C7で得られた樹脂粒子である荷電制御剤の環境安定性評価
実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物B5、B6と比較化合物例X1、X2、X3、X4とで得られた樹脂粒子を用い、下記の環境安定性評価を行った。表12に結果を示した。
【0265】
【表12】
【0266】
図及び表から明らかなとおり、本発明の芳香族オキシカルボン酸金属化合物である荷電制御剤は、帯電の立ち上がりが速く、更に、環境の変化に対して帯電値が安定しており良好である。