特許第5845497号(P5845497)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5845497衝撃吸収・エネルギー蓄積クランクシャフト
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  • 特許5845497-衝撃吸収・エネルギー蓄積クランクシャフト 図000002
  • 特許5845497-衝撃吸収・エネルギー蓄積クランクシャフト 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5845497
(24)【登録日】2015年12月4日
(45)【発行日】2016年1月20日
(54)【発明の名称】衝撃吸収・エネルギー蓄積クランクシャフト
(51)【国際特許分類】
   F16C 3/10 20060101AFI20151224BHJP
   F02B 77/00 20060101ALI20151224BHJP
【FI】
   F16C3/10
   F02B77/00 J
【請求項の数】1
【全頁数】3
(21)【出願番号】特願2013-46291(P2013-46291)
(22)【出願日】2013年3月8日
(65)【公開番号】特開2014-173654(P2014-173654A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年1月5日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】712007751
【氏名又は名称】遠藤 桂一
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 桂一
【審査官】 久島 弘太郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−044540(JP,U)
【文献】 特表2006−500533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 3/10
F02B 77/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のクランクシャフトにおいて、シリンダー毎に構成されるクランクアームとクランクジャーナル一体構造とせず夫々別体にして、同軸上で摺動回転する構造にし、新たに設けるスプリングにより相互を結合することを特徴とするクランクシャフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のクランクシャフトにおいて、衝撃吸収及びエネルギー蓄積を行うことにより燃焼効率を高める構造に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関は、密閉されたシリンダー内において燃料を燃焼爆発させ、発生する膨張エネルギーを、同じくシリンダー内に配置されたピストンの押し下げ力に変え、コネクティングロッドを介してクランクシャフトに伝達し、垂直エネルギーを回転エネルギーに変換して動力を取り出している。
【0003】
爆発膨張エネルギーによりピストンは押し下げられるが、押し下げられるにつれて急速にそのエネルギーは減衰してゼロになり、4サイクルエンジンの場合、爆発膨張行程に引き続いて排気行程、吸入行程、圧縮行程を経て再び爆発膨張行程になるまでエネルギーは取り出せない。
【0004】
ピストンの上下動によるエネルギーは、クランクシャフトにより回転エネルギーに変換されるが、その回転エネルギーは[0003]で述べるように一定でないため脈動する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
内燃機関の、シリンダー内で燃料が燃焼爆発するエネルギーは、極めて短時間に発生し、強大であるため、ピストン、コネクティングロッド及びクランクシャフト機構には大きなストレスが掛かり、このストレスにより振動が発生するが、この振動はピストンの上下動エネルギーとは別に、音と熱のエネルギーに変るためロスとになり、結果として燃焼効率を下げる。
【0006】
クランクシャフトの機構は、短時間に発生する爆発膨張する強大なエネルギーとストレスに耐え、破損から守るために材質や剛性を高める工夫が必用であり、材料費及び加工費増加によるコスト増加、及び質量増加による運動エネルギーロスが発生する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来のクランクアームとクランクジャーナルは、一体構造として作られるが、本発明ではこのアームとジャーナルを別体にして、夫々が同軸上で摺動回転する構造とする。
【0008】
別体としたクランクアームとクランクジャーナルにおいて、新たに設けるスプリングをクランクジャーナルに巻き付け、このスプリングの一端はクランクジャーナルに固定し、反対側の一端はクランクアームに接することにより結合する。
【発明の効果】
【0009】
クランクアームとクランクジャーナルとの間に置かれたスプリングは、爆発膨張行程の開始時の急激で強大なエネルギーを一時的にスプリングの巻き上げ力として蓄えるため、振動や騒音の低下が図られ、エネルギーロスの少ないクランクシャフトを提供できる。
【0010】
スプリングに蓄えられたエネルギーは、図2に示すようにピストンが下死点に向かうに連れ、スプリングに蓄えられたエネルギーが放出されることにより、クランクシャフトの回転力は平滑化され脈動が軽減される。
【0011】
クランクシャフトの回転力が平滑化されることにより、バランスウエイトやカウンターウエイトなどの振動対策が不要となり、構造の単純化と軽量化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】は発明の構造図である。
図2】は爆発膨張するピストンの上下動エネルギーの推移を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
クランクアームとクランクジャーナルは一体とせず、夫々が同軸上で摺動回転構造とする。
【0014】
クランクアームは、クランクジャーナルに対して正回転方向に一定の角度まで回り、逆回転方向には回らないようにストッパーを設けた構造とする。
【0015】
クランクアームとクランクジャーナルは図1に示すスプリングを介して接続する。
【0016】
スプリングの片側端はクランクジャーナル部に固定し、反対端はクランクアームに可動構造で取り付ける。
図1
図2