(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5845503
(24)【登録日】2015年12月4日
(45)【発行日】2016年1月20日
(54)【発明の名称】圧縮空気圧回路ユニット
(51)【国際特許分類】
F04B 39/16 20060101AFI20151224BHJP
B01D 39/16 20060101ALI20151224BHJP
B01D 46/24 20060101ALI20151224BHJP
【FI】
F04B39/16 J
B01D39/16 C
B01D39/16 Z
B01D46/24 A
F04B39/16 H
F04B39/16 D
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-11011(P2015-11011)
(22)【出願日】2015年1月23日
【審査請求日】2015年1月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000154521
【氏名又は名称】株式会社フクハラ
(74)【代理人】
【識別番号】100129056
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 信雄
(72)【発明者】
【氏名】福原 廣
(72)【発明者】
【氏名】石黒 衆亮
【審査官】
佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−097444(JP,A)
【文献】
特表2014−514144(JP,A)
【文献】
実開昭63−039412(JP,U)
【文献】
特開2014−231035(JP,A)
【文献】
実開平07−010478(JP,U)
【文献】
特開2014−214704(JP,A)
【文献】
特開2002−085928(JP,A)
【文献】
特開2012−086183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/16
B01D 39/16
B01D 46/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気圧縮機が吐出する圧縮空気による回路の消費エネルギー量削減のための圧縮空気圧回路ユニットであって、
遠心分離の原理によって水分及び油滴を分離除去する遠心分離器と、前記遠心分離器の後段に配設される1以上のメンブレン型、サーフェイス型、もしくはデプス型であるエアフィルタと、空気圧縮機より圧縮空気を導き両端に絶縁素材であるシールテープが巻かれ且つ金属素材より成る直管である配管路と、をプリクーラー及びエバポレータを有する冷凍式エアドライヤの前段に備え、
前記遠心分離器によって前記エアフィルタの圧力損失の増大要因であるドレン及び油滴を分離・除去すると共に、前記エアフィルタによって前記冷凍式エアドライヤのプリクーラー及びエバポレータ内部で圧縮空気が触れる箇所に付着し得る摩擦帯電列が正となる物質を分離・除去することを特徴とする圧縮空気圧回路ユニット。
【請求項2】
前記エアフィルタのフィルタエレメントが、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、セルロース、紙、グラスファイバー、ナイロンから選択される1種もしくは複数種より成ることを特徴とする請求項1に記載の圧縮空気圧回路ユニット。
【請求項3】
前記遠心分離器及び前記エアフィルタにドレントラップが備えられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧縮空気圧回路ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気圧回路のユニットに関する。より詳しくは、冷凍式エアドライヤの消費エネルギー量削減に寄与するユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気圧縮機により生成された圧縮空気は、末端において、エアシリンダや塗装用スプレーなどの用途に供される。
【0003】
圧縮空気は、水蒸気を含むため、凝縮水たるドレンを発生させる。前記ドレンは、回路末端から放出されてしまうと、機器の故障や、圧縮空気が吹き付けられる対象物を汚損するなどして有害なものとなり得る。
【0004】
したがって、圧縮空気よりドレンを適切に分離・除去することが、圧縮空気の利用において重要である。
【0005】
前記ドレンを効率的に分離・除去するための機器としては、冷凍式エアドライヤが挙げられる。冷凍式エアドライヤは、圧縮空気の温度を意図的に低温とすることにより、圧縮空気に含まれる水蒸気の露化を促す。換言すれば、冷凍式エアドライヤは、圧縮空気の露点を下げるための機器である。
【0006】
冷凍式エアドライヤは、空気圧縮機の後段に接続される。そして、冷凍式エアドライヤの更に後段には、圧縮空気の貯留や脈圧を防止するためにエアタンクが備えられる構成が一般的である。
【0007】
前述のような圧縮空気圧回路の構成として、特許文献1にかかる技術提案が公知である。
【0008】
しかしながら、特許文献1にかかる技術提案においても、後述の課題が存していた。
【0009】
すなわち、前述の課題として、特許文献1にかかる技術提案においては、冷凍式エアドライヤのエバポレータ内部の圧縮空気が触れる箇所に、塵埃が付着・堆積しやすかった。付着・堆積した塵埃は、冷凍式エアドライヤの効率を低下させる。したがって、消費エネルギー量の削減(省エネ)という観点においては、問題が存するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−297363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑み、圧縮空気圧回路の消費エネルギー量の削減を実現可能な圧縮空気圧回路ユニットの提供を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は、第一の構成として、空気圧縮機が吐出する圧縮空気による回路の消費エネルギー量削減のための圧縮空気圧回路ユニットであって、遠心分離の原理によって水分及び油滴を分離除去する遠心分離器と、前記遠心分離器の後段に配設される1以上のメンブレン型、サーフェイス型、もしくはデプス型であるエアフィルタと、
空気圧縮機より圧縮空気を導き両端に絶縁素材であるシールテープが巻かれ且つ金属素材より成る直管である配管路と、をプリクーラー及びエバポレータを有する冷凍式エアドライヤの前段に備え、前記遠心分離器によって前記エアフィルタの圧力損失の増大要因であるドレン及び油滴を分離・除去すると共に、前記エアフィルタによって前記冷凍式エアドライヤのプリクーラー及びエバポレータ内部で圧縮空気が触れる箇所に付着し得る摩擦帯電列が正となる物質を分離・除去する構成を採用する。
【0013】
本発明は、第二の構成として、前記エアフィルタのフィルタエレメントがポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、セルロース、紙、グラスファイバー、ナイロンから選択される1種もしくは複数種より成る構成を採用する。
【0014】
本発明は、第三の構成として、前記遠心分離器及び前記エアフィルタにドレントラップが備えられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニットによれば、冷凍式エアドライヤの前段に遠心分離器とエアフィルタとがユニットとして配設されることによって、下記第一乃至第三の効果を奏する。
【0016】
本発明は、前記第一の効果として、圧縮空気が冷凍式エアドライヤに入気される前に、摩擦帯電列が正となる物質を前記エアフィルタによって分離・除去可能である。つまり、冷凍式エアドライヤのプリクーラー及びエバポレータ内部で圧縮空気が触れる箇所に摩擦帯電列が正となる物質が付着する可能性は極低く、熱伝導率の低下を防止する。
したがって、本発明は、前記冷凍式エアドライヤのプリクーラー及びエバポレータ内部で圧縮空気が触れる箇所に異物が付着することによる冷凍式エアドライヤの効率低下の防止に資する、という優れた効果を奏するものである。
【0017】
本発明は、前記第二の効果として、圧縮空気がエアフィルタ及び冷凍式エアドライヤに入気される前に、ドレン及び油滴を分離・除去することが可能である。
したがって、本発明は、ユニットとしての圧力損失増大曲線を緩やかにすることが可能であり、メンテナンス性の向上とコスト削減とを実現可能である、という優れた効果を奏するものである。
【0018】
本発明は、前記第三の効果として、圧縮空気がエアフィルタ及び冷凍式エアドライヤに入気される前に、ドレン及び油滴並びに摩擦帯電列が正となる物質などの異物を分離・除去可能である。つまり、冷凍式エアドライヤが前記異物を冷却しようとするエネルギーを使用しない。換言すると、前記冷凍式エアドライヤは、前記異物を冷却するために余分な冷媒圧縮機の運転を行わない。
したがって、本発明は、前記冷凍式エアドライヤの運転効率の向上により圧縮空気圧回路の消費エネルギー量の削減に資する、という優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニットの実施形態を示す説明図である。
【
図2】本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニットが接続される空気圧縮機の形態を示す説明図である。
【
図3】本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニットが接続される冷凍式エアドライヤの形態を示す説明図である。
【
図4】本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニットが接続される冷凍式エアドライヤの簡略的内部形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1は、空気圧縮機4が吐出する圧縮空気による回路の消費エネルギー量削減のための圧縮空気圧回路ユニットであって、遠心分離の原理によって水分及び油滴を分離除去する遠心分離器2と、前記遠心分離器2の後段に配設される1以上のメンブレン型、サーフェイス型、もしくはデプス型であるエアフィルタ3と、
空気圧縮機4より圧縮空気を導き両端に絶縁素材であるシールテープが巻かれ且つ金属素材より成る直管である配管路7と、をプリクーラー及びエバポレータを有する冷凍式エアドライヤ5の前段に備え、前記遠心分離器2によって前記エアフィルタ3の圧力損失の増大要因であるドレン及び油滴を分離・除去すると共に、前記エアフィルタ3によって前記冷凍式エアドライヤ5のプリクーラー及びエバポレータ5c内部で圧縮空気が触れる箇所に付着し得る摩擦帯電列が正となる物質を分離・除去する構成を最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニットの実施形態、すなわち、構成と動作とを、図面に基づいて説明する。
【0021】
なお、本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1は、以下に述べる実施形態に特に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる機器や該機器の素材もしくは形状などに関して適宜変更することができる。
【0022】
第一に、本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1の構成について説明する。
【0023】
図1は、本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1の実施形態を示す説明図である。
本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1は、圧縮空気が空気圧縮機4により生成されてから、冷凍式エアドライヤ5までの所定中間箇所、すなわち、冷凍式エアドライヤ5の前段に設置される。
【0024】
本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1は、遠心分離器2と、該遠心分離器の後段に備えられるエアフィルタ3と、から構成される。
【0025】
遠心分離器2は、流入口2b及び流出口2cを介して空気圧縮機4が吐出した圧縮空気を入気及び排気する。入気された圧縮空気は、羽根状もしくは螺旋状の形態を有するデフレクタ2dによって流路を旋回される。前記旋回は、圧縮空気に含まれているドレン及び油滴を遠心分離の原理で分離・除去する。なお、遠心分離器2の圧力損失は通常0.25乃至1kPa程度である。
【0026】
エアフィルタ3は、流入口3b及び流出口3cを介して圧縮空気を入排気する。エアフィルタ3は、メンブレン型、サーフェイス型、もしくはデプス型が好適である。
入気された圧縮空気は、エアフィルタエレメント3dによって異物、とりわけ摩擦帯電列が正となる物質が分離・除去される。エアフィルタエレメント3dの素材としては、フィルタエレメントがポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、セルロース、紙、グラスファイバー、ナイロンなどが挙げられる。前記分離・除去は、必ずしも電離的作用に基づいて行われるわけではないが、結果的に電離的作用により異物が静止可能であれば保持力が増大することを付言する。
なお、一般的なエアフィルタ3は、使用開始時でおよそ3kPa乃至15kPa程度圧力損失を発生させる。前記圧力損失は、使用時間数の増加と共に前記フィルタエレメントに付着する異物によりその数倍から数十倍の圧力損失を発生させる。前記異物のうち、ドレン及び油滴は、圧縮空気に含有される量が特に多く、それらによる圧力損失は大きい。ただし、ドレンに関しては水分であるので、蒸発可能であるが、機器の使用中に付着したドレンが全て蒸発することはあり得ない。それ以外の異物については、使用時間と前記異物の付着による圧力損失増大との関係が正比例する。
【0027】
空気圧縮機4は、空気を圧縮して所定気圧以上の圧縮空気を生成する装置である。
図2に記載のアース4bは、空気圧縮機4の筐体の基準電位を得る目的やノイズ保護の目的で、直接もしくは電源線などと共に束ねられ最終的に大地に接続される。空気圧縮機4は、圧縮空気を生成するための構造によって、往復式や回転式、遠心式、軸流式など種々の方式が存在する。また、前記種々の方式においては、潤滑油を使用する給油タイプと、潤滑油を使用しないオイルフリータイプとがそれぞれ存在している。本発明で使用する空気圧縮機4の方式については、特に限定はなく、いずれの方式・構造のものでも使用することが可能である。
【0028】
冷凍式エアドライヤ5は、冷媒の蒸発潜熱を利用して、圧縮空気を冷却し、前記圧縮空気に水蒸気の状態で含有される水分を凝縮して除去するための装置である。したがって、冷凍式エアドライヤ5は、圧縮空気の露点を下げるための機器と言える。
冷凍式エアドライヤ5は、
図4に示すように、圧縮空気を冷却するための熱交換器としてエバポレータ5c、冷媒を圧縮する冷媒圧縮機5d、冷媒を膨張させる膨張弁5eを備え、さらに前記エバポレータ5c内には、内部を冷媒が通過可能な銅などの金属より成る熱交換器本体5fが備えられる。
冷凍式エアドライヤ5は、冷却方法により一般に空冷式と水冷式とが存在する。本発明で使用する冷凍式エアドライヤ5は、空冷式と水冷式とを問うものではなく、特に限定されない。
図3に記載のアース5bは、冷凍式エアドライヤ5の筐体や内部機器の基準電位を得る目的やノイズ保護の目的で、直接もしくは電源線などと共に束ねられ最終的に大地に接続される。ところが、エバポレータ5cもしくは熱交換器本体5fなどは、人が直接触れる箇所でもなく、電気的にアース電位を得る必要もない箇所であるため、必ずしもアース電位となっているとは限らない。
【0029】
ドレントラップ6は、回路に接続される機器や配管の内部で発生するドレンを排出するために、遠心分離器2やエアフィルタ3、冷凍式エアドライヤ5に備えられる。ドレントラップ6を機器の下部に備えることで、回路システムのメンテナンス性は向上する。ドレントラップ6は、電磁式、フロート式、ディスク式などが考えられる。本発明で使用するドレントラップ6の種別については、特に限定されるものではない。
【0030】
配管路7は、圧縮空気を送気するための中空管であって、銅、鉄などの主に金属素材より成る配管である。配管路7のうち直管の両端には、通常、雄螺子部7bを有する。また、配管を所定方向へ曲げるためのエルボ又は各種機器は、接続箇所として雌螺子部を有する。雄螺子部7bには、通常、螺子部をシールするためのシールテープが雄螺子部7bの外周面に沿うように巻かれ備えられる。前記シールテープは、樹脂製やゴム製などの電気的絶縁素材より成る。
【0031】
第二に、本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1の動作について説明する。
【0032】
空気圧縮機4は、空気である大気を吸気し、所定圧へと圧縮させる。前記大気には、塵埃が多く含まれている。通常大気中に存する塵埃は、約60%が綿、絹、並びに羊毛などの天然繊維物、次いで、輝石・長石・雲母・石英・などより成る砂を主体とする土砂が約30%、その他が約10%程度の割合で構成される。前記天然繊維物と前記土砂との合計では約90%の割合を占め、これらは摩擦帯電列が正である。
【0033】
空気である大気は、摩擦帯電列において正の帯電が大である。当然ながら空気圧縮機4で圧縮される工程で単位容積当たりの帯電傾向は圧縮される程度に比例して大きくなる。空気圧縮機4にはアース4bが備えられるので、空気圧縮機4の内外の金属部分は原則としてアース電位である。また、空気圧縮機4で製造された圧縮空気は、この段階では圧縮熱を帯びているため、ただちにはドレンは発生しない。
【0034】
次いで、圧縮空気は、配管路7を通過する。この際、圧縮空気は、配管路7外部の周囲温度に向かう方向で冷却される。前記冷却は、圧縮空気より、凝縮水であるドレンを発生させる。
【0035】
さらに、配管路7には、両端に雄螺子部7bを有する直管が存する。雄螺子部7bには電気的に絶縁素材より成るシールテープが外周面に沿うように巻かれ備えられる。したがって、配管路7はアース電位とはかけ離れた電位である可能性が高いと言える。
配管路7の素材は、鉄・銅などの摩擦帯電列が負である素材より成るので、圧縮空気に含まれる塵埃の極少数は、配管路7の管壁に付着する。しかし、配管路7は、前記塵埃を電離的作用以外に保持するための機構や機序を有さないので、脈圧などのタイミングで後段に流れやすい。
【0036】
さらに次いで、圧縮空気は、遠心分離器2へ流入口2bを介して入気される。遠心分離器2へ入気された圧縮空気は、デフレクタ2dを通過する際に旋回流となる。前記旋回流となることで、圧縮空気に含まれるドレンや空気圧縮機4の潤滑油が混入することで出る粒径の大きいミスト状の油滴は分離・除去される。圧縮空気より分離・除去されたドレンや粒径の大きいミスト状の油滴は、ドレン排出口2eより外部へと適宜排出される。
【0037】
遠心分離器2を通過した圧縮空気は、その後段に備えられるエアフィルタ3に流入口3bを介して入気される。エアフィルタ3に入気された圧縮空気は、エアフィルタエレメント3dを通過する際に塵埃やスラッジが分離・除去される。換言すると、圧縮空気に含まれる塵埃の約90%を構成する摩擦帯電列で正となる物質は、エアフィルタエレメント3dによって分離・除去されるということになる。なお、エアフィルタ3内部で少量発生するドレンは、ドレン排出口3eより適宜排出される。
【0038】
エアフィルタ3を通過した圧縮空気は、さらにその後段に備えられる冷凍式エアドライヤ5に入気される。冷凍式エアドライヤ5に入気された圧縮空気は、プリクーラーで予冷された後にエバポレータ5c内部の熱交換器本体5fを蛇行又は衝突をするなどして流路の変更を大きく受けながら通過する。この際、摩擦帯電列が正となる圧縮空気との摩擦を受ける熱交換器本体5fは、銅など摩擦帯電列が負となりやすい金属より成り、さらにアース5bを介して大地へと電荷が移動しない場合、負の方向へ帯電する。この場合、摩擦帯電列が正となる気体以外の物質、すなわち前述の通り圧縮空気に含まれる塵埃のうち約90%の物質が付着され得る。そして圧縮空気の通過する流路は非常に入り組んでいるので、塵埃などは、脈圧などがあっても保持されやすい。同じことはプリクーラーにも言うことができる。
圧縮空気圧回路ユニット1は、エアフィルタ3で前記塵埃やスラッジなどを分離・除去可能であるので、プリクーラーや熱交換器本体5fの圧縮空気が触れる箇所に異物が付着することによる冷凍式エアドライヤ5の熱交換の効率低下の防止が可能である。
換言すると、冷凍式エアドライヤ5の熱交換の効率低下を防止するということは、冷凍式エアドライヤ5における圧縮空気の出口温度で制御されることが多い冷媒圧縮機5dの余分な動作を抑制すると言える。さらに換言すれば、冷媒圧縮機5dの余分な動作を抑制することは、冷凍式エアドライヤ5の電力消費量を抑制するとも言える。
【0039】
また、圧縮空気圧回路ユニット1は、遠心分離器2を備えるため、エアフィルタ3の圧力損失増大の要因となるドレン及び油滴を前段で分離・除去可能である。したがって、遠心分離器2の圧力損失を加味しても、エアフィルタ3の圧力損失増大は極緩やかなもとなり、空気圧縮機4は、前記圧力損失分を補うための圧縮を抑制可能である。また、圧力損失増大に伴うフィルタエレメント3fの交換の手間もコストも抑制可能である。
【0040】
さらに、圧縮空気圧回路ユニット1は、遠心分離器2及びエアフィルタ3によって、ドレン及び油滴並びに塵埃もしくはスラッジを分離・除去可能である。したがって、それらを冷却させるために冷凍式エアドライヤ5が余計なエネルギー消費を行わない。
【0041】
冷凍式エアドライヤ5を通過した圧縮空気は、エアタンクなどをさらに通過し、回路末端で種々の用途に供される。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、「発明の効果」記載の通り、多くの優れた効果を奏するものである。したがって、本発明における「圧縮空気圧回路ユニット」の産業上の利用可能性は大であると思料する。
【符号の説明】
【0043】
1 圧縮空気圧回路ユニット
2 遠心分離器
2b 流入口
2c 流出口
2d デフレクタ
2e ドレン排出口
3 エアフィルタ
3b 流入口
3c 流出口
3d フィルタエレメント
3e ドレン排出口
4 空気圧縮機
4b アース
5 冷凍式エアドライヤ
5b アース
5c エバポレータ
5d 冷媒圧縮機
5e 膨張弁
5f 熱交換器本体
6 ドレントラップ
7 配管路
7b 雄螺子部
10 サイクロン方式の遠心分離器
12 ドレントラップ
【要約】
【課題】 圧縮空気圧回路の消費エネルギー量の削減し、冷凍式エアドライヤの運転効率の向上に資する圧縮空気圧回路ユニットの提供を図る。
【解決手段】 冷凍式エアドライヤ5を介して圧縮空気を生成するための圧縮空気圧回路において、遠心分離の原理によって水分及び油滴を分離除去する遠心分離器2と、該遠心分離器2の後段に配設される1以上のメンブレン型、サーフェイス型、もしくはデプス型であるエアフィルタ3と、を冷凍式エアドライヤ5の前段に備える。
【選択図】
図1