特許第5846154号(P5846154)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5846154
(24)【登録日】2015年12月4日
(45)【発行日】2016年1月20日
(54)【発明の名称】カメラモジュール検査用ソケット
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20151224BHJP
   G03B 17/56 20060101ALI20151224BHJP
【FI】
   H04N5/225 D
   G03B17/56 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-99892(P2013-99892)
(22)【出願日】2013年5月10日
(65)【公開番号】特開2014-143662(P2014-143662A)
(43)【公開日】2014年8月7日
【審査請求日】2013年9月11日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0006973
(32)【優先日】2013年1月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513116782
【氏名又は名称】プライムテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100152261
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 隆弘
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】キム ヘンス
【審査官】 山口 祐一郎
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録特許第10−0759081(KR,B1)
【文献】 特開平8−64645(JP,A)
【文献】 特開2008−224682(JP,A)
【文献】 特開2011−171011(JP,A)
【文献】 特開平9−298257(JP,A)
【文献】 特開2006−220505(JP,A)
【文献】 特開2001−116794(JP,A)
【文献】 特開2007−163453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/26
G03B 17/56−17/58
H04N 5/222−5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物であるレンズ付きカメラモジュールが収容されて載置されるローディング部を備えるベースプレート;
前記ベースプレート上に設けられた前進位置と後進位置との間を水平移動可能に形成されるスライダー;
前記スライダーに昇・下降可能に形成され、前記カメラモジュールの上部に対応し、かつ前記レンズに対応した位置に、当該レンズを露出させるための貫通ホールを有する蓋部を備える上板;
前記上板を前記スライダーに対して垂直に往復運動させる垂直シリンダー;及び
前記ローディング部又は蓋部に形成され、前記カメラモジュールの接点と接続する接続部;を含み、
前記ローディング部と前記蓋部は、それぞれ前記ベースプレート又は前記上板に対して着脱交換可能な構成としたカメラモジュール検査用ソケット。
【請求項2】
前記垂直シリンダーは空圧又は油圧によって往復運動することを特徴とする、請求項1に記載のカメラモジュール検査用ソケット。
【請求項3】
前記ローディング部は真空手段と連結される吸着溝を備えることを特徴とする、請求項1に記載のカメラモジュール検査用ソケット。
【請求項4】
前記スライダーは、前記カメラモジュールに近接する前進位置と、前記カメラモジュールから離隔した後進位置との間を往復運動し、
前記蓋部は、前記前進位置では前記カメラモジュールの垂直上部に位置し、前記後進位置では前記カメラモジュールから逸脱することを特徴とする、請求項1に記載のカメラモジュール検査用ソケット。
【請求項5】
前記スライダーが前進位置にあるときに前記蓋部が下降し、前記カメラモジュールが載置部と前記蓋部との間に固定されることを特徴とする、請求項4に記載のカメラモジュール検査用ソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラモジュール検査用ソケットに関し、より詳細には、カメラモジュールの検査を自動化できるカメラモジュール検査用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ほとんどの移動通信端末機にカメラが備わっており、このようなカメラとしては、CMOSやCCDイメージセンサーが適用された小型カメラが使用される。
【0003】
小型カメラにおいては、印刷回路基板にCMOSやCCDイメージセンサーが装着され、レンズとハウジングに組み立てられた後、外部と電気的に通信するためのフレキシブル印刷回路基板と電気的に連結されることによってカメラモジュールを製作し、この後、製作が完了したカメラモジュールが正常に作動するかどうかを検査する。
【0004】
カメラモジュールの正常作動の可否を検査するために、従来は、作業者がモニターの画面と所定距離だけ離隔した位置にカメラモジュールを装着した後、モニターの画面に検査イメージを表示して、これをカメラモジュールで撮影し、撮影された結果を作業者が確認することで、カメラモジュールの正常作動の可否を手動で判断していた。
【0005】
本発明と関連した先行技術としては、特許文献1‘カメラモジュール検査用ソケット'(公告日:2011年3月7日)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国登録特許登録番号10―1019417号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、カメラモジュールの検査を自動化できるカメラモジュール検査用ソケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被検査物であるレンズ付きカメラモジュールが収容されて載置されるローディング部を備えるベースプレート;前記ベースプレート上に設けられた前進位置と後進位置との間を水平移動可能に形成されるスライダー;前記スライダーに昇・下降可能に形成され、前記カメラモジュールの上部に対応し、かつ前記レンズに対応した位置に、当該レンズを露出させるための貫通ホールを有する蓋部を備える上板;前記上板を前記スライダーに対して垂直に往復運動させる垂直シリンダー;及び前記ローディング部又は蓋部に形成され、前記カメラモジュールの接点と接続する接続部;を含み、前記ローディング部と前記蓋部は、それぞれ前記ベースプレート又は前記上板に対して着脱交換可能な構成としたカメラモジュール検査用ソケットを提供する。
【0009】
前記垂直シリンダーとしては、空圧又は油圧によって往復運動するものを使用することができる。
【0010】
そして、前記ローディング部は、真空手段と連結される吸着溝を備えてカメラモジュールの固定力を提供することができる。
【0012】
このとき、前記スライダーは、前記カメラモジュールに近接する前進位置と、前記カメラモジュールから離隔した後進位置との間を往復運動し、前記蓋部は、前記前進位置では前記カメラモジュールの垂直上部に位置し、前記後進位置では前記カメラモジュールから逸脱することが望ましい。
【0013】
併せて、前記スライダーが前進位置にあるときに前記蓋部が下降し、前記カメラモジュールが載置部と前記蓋部との間に固定されることが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るカメラモジュール検査用ソケットは、カメラモジュールが供給されると、自動的に密着固定した後で検査を行うように動作することによって、カメラモジュールの検査を自動化又は半自動化できるという効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例に係るカメラモジュール検査用ソケットの斜視図である。
図2】本発明の実施例に係るカメラモジュール検査用ソケットの分離斜視図である。
図3】本発明の実施例に係るカメラモジュール検査用ソケットのスライダーが後進位置に置かれた状態を示した側断面図である。
図4】本発明の実施例に係るカメラモジュール検査用ソケットのスライダーが前進位置に移動した状態を示した側断面図である。
図5】本発明の実施例に係るカメラモジュール検査用ソケットの上板が下降した状態を示した側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の各図面を参照して本発明に係るカメラモジュール検査用ソケットの望ましい一実施例を説明する。この過程で図面に示した各線の太さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性と便宜のために誇張して図示する場合がある。
【0018】
また、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは、使用者、運用者の意図又は慣例によって変わり得る。そのため、このような用語は、本明細書全般にわたる内容に基づいて定義しなければならない。
【0019】
図1は、本発明の実施例に係るカメラモジュール検査用ソケットの斜視図で、図2は、本発明の実施例に係るカメラモジュール検査用ソケットの分離斜視図である。
【0020】
本発明の実施例に係るカメラモジュール検査用ソケット100は、カメラモジュールが供給されると、自動的にカメラモジュールを固定して検査を行うためのもので、ベースプレート120、スライダー140、垂直シリンダー150及び上板160を含む。
【0021】
ベースプレート120は、被検査物であるカメラモジュールが収容されて載置されるローディング部122を備える。
【0022】
ローディング部122は、カメラモジュールの下部形状に対応する溝の形態に形成することができ、カメラモジュールを真空吸着するための吸着溝122aを備えることができる。
【0023】
吸着溝122aは、別途の真空手段と連結され、カメラモジュールが載置されると陰圧を提供し、カメラモジュールがローディング部122に堅固に固定されるようにする。
【0024】
スライダー140は、ベースプレート120に対して水平移動可能に形成される。
【0025】
スライダー140とベースプレート120には別途の水平移動手段(図示せず)が連結され、スライダー140はベースプレート120に対して水平方向に往復運動することができる。
【0026】
スライダー140は、ローディング部122に置かれたカメラモジュールに最も近接した前進位置と、前記カメラモジュールに対して最も離隔した後進位置との間を往復移動するようになる。
【0027】
このとき、スライダー140がカメラモジュールに近接した場合のスライダー140とベースプレート120との摩擦を低減するために、ベースプレート120にはスライダー140と接する部位に緩衝部130を設置することができる。
【0028】
ここで、前記緩衝部130は、スプリング形態からなり、前記スライダー140の動きを制限するストッパーとしての機能をする。
【0029】
一方、スライダー140には上板160が昇・下降可能に連結される。より詳細には、前記上板160とスライダー140は、垂直方向に長さが可変する垂直シリンダー150を通して連結される。
【0030】
前記垂直シリンダー150は、空圧又は油圧によって往復運動する形態であることが望ましい。
【0031】
すなわち、前記垂直シリンダー150は、空圧シリンダー、油圧シリンダー、電動シリンダーなどを含むことができる。
【0032】
このとき、上板160の上部には印刷回路基板110が締結される。このとき、前記印刷回路基板110は、前記上板160との着脱を容易に行えるようにボルト締結されることが望ましい。
【0033】
また、前記上板160は、前記カメラモジュールの上部を覆う形態の蓋部162を備える。
【0034】
カメラモジュールは、下部がローディング部122によって覆われ、上部が蓋部162によって覆われる構成を有している。すなわち、カメラモジュールは、ローディング部122と蓋部162との間に密着して堅固に固定できる構造を有する。
【0035】
また、蓋部162は、カメラモジュールのレンズ部を露出させるための貫通ホール162aを備えることが望ましい。
【0036】
カメラモジュールを検査するためにはレンズ部が露出しなければならない。これは、レンズ部が露出したときにレンズ部の性能を評価できるためである。
【0037】
前記ローディング部122又は蓋部162には、前記カメラモジュールの接点と接続する接続部170が備えられる。
【0038】
接続部170は、カメラモジュールに電気的に接続され、カメラモジュールを作動させて不良の有無を評価できるようにする。
【0039】
また、前記ローディング部122と蓋部162は着脱可能に形成され、検査用ソケットが多様な形態のカメラモジュールを評価できるようにすることが望ましい。
【0040】
図3は、本発明の実施例に係るカメラモジュール検査用ソケットのスライダーが後進位置に置かれた状態を示した側断面図で、図4は、本発明の実施例に係るカメラモジュール検査用ソケットのスライダーが前進位置に移動した状態を示した側断面図である。
【0041】
図3図4に示したように、スライダー140は、前進位置と後進位置との間で往復運動をするようになる。
【0042】
このとき、スライダー140に結合された上板160も、スライダー140と共に移動するようになる。
【0043】
図3に示したように、後進位置では、カメラモジュール10が載置されるローディング部(図1の122)の上側が開放された状態であることが望ましい。これは、後進位置でカメラモジュール10がローディング部(図1の122)に容易に供給されるようにするためである。
【0044】
スライダー140の後進位置でカメラモジュール10がローディング部に載置された後、スライダー140が前進位置に移動する。このとき、上板160はスライダー140から上昇した状態を維持する。
【0045】
スライダー140が前進位置に移動すると、上板160の蓋部162がカメラモジュール10の垂直上部に位置するようになる。
【0046】
図5は、本発明の実施例に係るカメラモジュール検査用ソケットの上板が下降した状態を示した側断面図である。
【0047】
図示したように、スライダー140が前進位置に移動した後、上板160が下降するようになる。
【0048】
スライダー140が前進位置にあるとき、上板160の蓋部162がカメラモジュール10の上部に位置するようになる。このとき、上板160が下降すると、蓋部162が下降してカメラモジュール10の上部に圧着するようになる。
【0049】
結果的に、カメラモジュール10は、ローディング部(図1の122)と蓋部162との間に圧着固定され、これによって、接続部170がカメラモジュール10に電気的に接続され、カメラモジュール10の検査を行うようになる。
【0050】
蓋部162には、上述したように、貫通ホール(図4の162a)が備えられ、カメラモジュール10のレンズ部12は貫通ホール(図4の162a)を介して外部に露出する。
【0051】
図示した実施例の場合、接続部170が蓋部162に形成されているが、検査対象カメラモジュール10に応じて、接続部170がローディング部(図2の122)に形成される場合もあり、接続部170がローディング部(図2の122)と蓋部162の両方に形成される場合もある。
【0052】
前記接続部170は、印刷回路基板110などを通して検査設備と連結される。
【0053】
前記接続部170が蓋部162に形成される場合、印刷回路基板110は上板160に付着し、前記接続部170がローディング部(図2の122)に形成される場合、印刷回路基板110はベースプレート120に付着することもできる。
【0054】
また、ローディング部(図2の122)と蓋部162は着脱可能に形成されることが望ましい。
【0055】
これは、多様な形状のカメラモジュール10の検査を可能にするためである。
【0056】
併せて、ローディング部(図2の122)と蓋部162を交換することによって、検査用ソケットを多様な形態のカメラモジュール10の検査に使用できるようになる。
【0057】
以下、本発明に係るカメラモジュール検査用ソケット100の動作について説明する。
【0058】
ベースプレート120に対してスライダー140が後進位置にあり、上板160が上昇した状態で被検査対象物であるカメラモジュール10がベースプレート120のローディング部122に供給される。
【0059】
カメラモジュール10は、作業者によって供給される場合もあり、自動供給装置によって供給される場合もある。
【0060】
カメラモジュール10がローディング部122に載置されると、スライダー140が前進位置に移動した後、上板160が下降し、カメラモジュール10の上部が蓋部162によって圧着される。
【0061】
この状態で接続部170がカメラモジュール10に電気的に連結され、カメラモジュール10の性能を検査するようになる。
【0062】
検査が完了すると、上板160が上昇した後、スライダー140が後進位置に移動し、検査が完了したカメラモジュール10をローディング部122から除去した後、カメラモジュール10に対して同一の作業を繰り返して行うようになる。
【0063】
このように、本発明に係るカメラモジュール検査用ソケット100は、カメラモジュール10をローディング部122に供給すると、スライダー140と上板160が移動してカメラモジュール10に接続することによって、自動的に検査を行うようになる。
【0064】
従って、本発明に係るカメラモジュール検査用ソケット100は、カメラモジュール10が供給されると、自動的に密着固定した後で検査を行うように動作することによって、カメラモジュール10の検査を自動化又は半自動化できるという効果をもたらす。
【0065】
添付の図面を参照して本発明の各実施例を説明したが、本発明は、前記各実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に変形することができ、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須な特徴を変更せずとも他の具体的な形態で実施可能であることを理解できるだろう。従って、以上説明した各実施例は、全ての面で例示的なものであって、限定的なものでないと理解しなければならない。
【0066】
従って、本発明の真の技術的保護範囲は特許請求の範囲によって定めなければならない。
【符号の説明】
【0067】
10:カメラモジュール、12:レンズ部、100:カメラモジュール検査用ソケット、110:印刷回路基板、120:ベースプレート、122:ローディング部、122a:吸着溝、130:緩衝部、140:スライダー、150:垂直シリンダー、152:ガイド、160:上板、162:蓋部、162a:貫通ホール、170:接続部
図1
図2
図3
図4
図5