特許第5846215号(P5846215)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5846215
(24)【登録日】2015年12月4日
(45)【発行日】2016年1月20日
(54)【発明の名称】カートリッジ形EGR弁組立体
(51)【国際特許分類】
   F02M 26/65 20160101AFI20151224BHJP
   F16K 11/065 20060101ALI20151224BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20151224BHJP
【FI】
   F02M25/07 580F
   F16K11/065 Z
   F16K27/00 D
【請求項の数】6
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-546084(P2013-546084)
(86)(22)【出願日】2010年12月20日
(65)【公表番号】特表2014-501879(P2014-501879A)
(43)【公表日】2014年1月23日
(86)【国際出願番号】US2010061232
(87)【国際公開番号】WO2012087271
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2013年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】508205718
【氏名又は名称】マック トラックス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100116757
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 英雄
(74)【代理人】
【識別番号】100123216
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 祐一
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【弁理士】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(72)【発明者】
【氏名】スポンスキー,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ロウ,ジョン
【審査官】 川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許発明第19951591(DE,C1)
【文献】 特開2009−243267(JP,A)
【文献】 特開2005−098376(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0170391(US,A1)
【文献】 特開2000−040433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 25/07
F16K 11/065
F16K 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁アクチュエータと、
前記弁アクチュエータから長手方向に延在すると共に、互いに離間する2つの弁がさを自身上に有する弁棒と、
前記弁アクチュエータに取り付けられると共に、前記弁アクチュエータから長手方向に延在するフレームであって、各々が1つの前記弁がさ用の弁座を自身上に形成された第1及び第2の周方向部材を含み、該第1及び第2の半周方向部材により接続される複数の長手部材を有し前記弁棒と弁がさを部分的に外囲する第1のフレーム部分と、各々が1つの前記弁がさ用の弁座を自身上に形成された第1及び第2の半周方向部材を含み、該第1及び第2の半周方向部材により接続される複数の長手部材を有し前記弁棒と弁がさを部分的に外囲する第2のフレーム部分を備え、前記第1のフレーム部分と前記第2のフレーム部分は結合されて前記弁棒及び弁がさを外囲し、前記半周方向部材は結合されて弁座を形成するフレームとを含む4室組込型カートリッジ式弁組立体。
【請求項2】
前記長手部材を接続すると共に前記第1及び第2の周方向部材間に配置される第3の周方向部材を含み、更に前記第3の周方向部材に取り付けられる円板型シールを含む請求項に記載の弁組立体。
【請求項3】
前記円板型シールは、前記フレームの各嵌め合い部分に1つずつ取り付けられる2つの部分で形成され、前記嵌め合い部分を嵌め合わせると、前記シール板の前記2つの部分が結合される請求項に記載の弁組立体。
【請求項4】
前記長手部材は、前記弁棒に対して平行である請求項に記載の弁組立体。
【請求項5】
前記第1及び第2の周方向部材の各々は、自身の半径方向外側表面上に形成されるOリングを受け入れる弁座を含み、更に各々の前記弁座に取り付けられるOリングを含む請求項1に記載の弁組立体。
【請求項6】
排気ガス再循環弁用弁カートリッジ組立体の組立方法において、
弁アクチュエータを用意する段階と、
自身上において互いに離間する2つの弁がさを有する弁棒に前記弁アクチュエータを取り付けて前記弁棒から長手方向に延在させる段階と、
少なくとも第1及び第2の半周方向部材により接続される複数の長手部材を有する第1のフレーム部分を前記弁アクチュエータに取り付ける段階であって、前記第1及び第2の半周方向部材の各々は、1つの前記弁がさ用の弁座の一部分を自身上に形成され、前記フレームは前記弁棒と弁がさとを部分的に外囲する段階と、
少なくとも第1及び第2の半周方向部材により接続される複数の長手部材を有する第2のフレーム部分を前記弁アクチュエータに取り付ける段階であって、前記第1及び第2の半周方向部材の各々は、1つの前記弁がさ用の弁座の一部分を自身上に形成され、前記第1及び第2のフレーム部分は結合されて前記弁棒及び弁がさを外囲し、前記半周方向部材は結合されて弁座を形成する段階とを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガス再循環用弁組立体、特に容易に組み立てることができ且つ排気ガス再循環システムに配設することができる弁組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気ガス再循環EGRシステムはEGR弁により制御又は調節される。EGR弁は、エンジンに導入されるEGRの量を調節する。入口流量及び出口流量はEGR弁により制御される。
【0003】
図1に示すように、カートリッジ式EGR弁10は、一般に、アクチュエータ12と、2つの弁がさ16、18を有する弁棒14とを含む。図1に示すように、弁装置10は、機械加工又は挿入された弁座22を有さなければならない、エンジンの排気マニホルド又はEGRバルブボディの弁ハウジング20内に配置される。図では、弁がさ16、18は開位置において示されている。この構成により3室EGR調節が可能になり、弁は単一の出口通路28を形成するように合流する2つの入口通路24、26を制御することができる。これは、ターボ過給システム又はEGRシステムによる排気流の圧力パルスの完全利用を可能にするわけではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、組込型カートリッジ式4室EGR弁における問題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、カートリッジ形弁は、弁アクチュエータと、弁アクチュエータから延在すると共に弁棒上において互いに離間する2つの弁がさを有する弁棒と、周方向部材である第1及び第2のリング組立体により接続される複数の軸方向延在棒を有する弁かご又はフレームとを含む。
【0006】
本発明によれば、弁かごは長手軸に沿って2つの嵌め合い部分に分割される。弁かごを長手方向に分割することにより、弁装置の簡単な組立を可能にする「クラムシェル」構造が得られる。弁かごの嵌め合い部分は、弁棒を弁アクチュエータ内に配設すること及び弁かごを弁棒と弁がさとの周りに簡単な態様で組み付けることを可能にする。
【0007】
本発明によれば、第1及び第2のリング組立体の各々は、1つの弁がさ用の弁座を自身上に形成される。このため、弁ハウジング内に弁座を機械加工又は形成する必要がなくなる。
【0008】
本発明によれば、弁かごは、軸方向延在棒を接続すると共に第3のリング組立体に取り付けられる円板型シールが弁かごを軸方向に分割する状態で2つのリング組立体間に配置される第3のリング組立体を含んでよい。この円板型シールは、弁かごの各嵌め合い部分に1つずつ取り付けられる2つの部分で形成されてよく、嵌め合い部分を嵌め合わせると、シール板の2つの部分が結合されて一体的な円板となる。
【0009】
本発明によれば、リング組立体は、Oリングを受ける座部を含んでよく、この座部は各リング組立体の半径方向外側表面上に形成される。リング組立体は、更に、各々の座部に取り付けられるOリングを含む。Oリングは、排気マニホルド又はEGRバルブボディ内に形成される弁ハウジングの内壁に接触するように構成され、以って弁ハウジング内においてシールとなって4つのチャンバを互いに密封する。
【0010】
構造的な支持のため又は弁ハウジング内におけるフレームの着座又は密封のために追加のリング組立体又は周方向部材を設けることができる。
【0011】
本発明によれば、弁かごは4つのリング組立体を含み、端部のリング組立体が弁かごに構造的な剛性を与える。
【0012】
添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照することにより、本発明をよりよく理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】先行技術に従った弁組立体及び3室EGR弁の断面図である。
図2】本発明の弁組立体及び4室EGR弁の断面図である。
図3】本発明に従った弁組立体の側面図である。
図4】弁組立体に配設することができる円板型シールの図である。
図5図3の弁組立体の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図2に、本発明に従った4室EGR弁50に配設されたEGR弁組立体100を示す。図3には、排気マニホルド又はEGRバルブボディから取り外された弁組立体を示す。
【0015】
排気マニホルド又はEGRバルブボディ内に形成される弁ハウジング50は、再循環排気ガス及び吸気用の2つの入口通路52、54と2つの出口通路56、58とを含む。以下に説明するように、弁組立体100は、弁ハウジング50を4つのチャンバ60、61、62及び63に分割する。
【0016】
弁組立体100は、弁アクチュエータ102と、この弁アクチュエータに作動的に接続されると共に弁アクチュエータから延在する弁棒104と、弁棒上において離間する関係に取り付けられる2つの弁がさ106、108とを含む。
【0017】
本発明によれば、組立体100は、弁棒104と弁がさ106、108とを取り巻く弁かご又はフレーム120を含む。フレーム120は、何らかの従来手段によって弁アクチュエータ102に取り付けられる。フレーム120は、弁棒104に対して平行又は実質的に平行に延在する複数の長手部材122によって形成される。長手部材122は、弁棒104の半径方向外方に離間する周方向部材124により相互接続される。図2及び3に示す実施形態には、5つの周方向部材124a〜124eが示されているが、より少ない個数を用いてもよい。
【0018】
フレーム120は、それぞれ弁がさ108及び106と協働して弁ハウジング50の部分を閉鎖する弁座(124b及び124dとして示す)を備えた少なくとも2つの周方向部材を含む。次に、開位置にある弁がさ106、108を示す図2を参照すると、弁棒104が図の右側に移動すると、弁がさ108は周方向部材124b上に形成される弁座に接触してチャンバ60を閉鎖すると共に、入口流路52からの流れがチャンバ61及び出口流路56に到達するのを防ぐ。同様に、弁がさ106は、周方向部材124d上に形成される弁座に接触して、入口流路54からの流れがチャンバ62及び出口流路58に到達するのを防ぐ。
【0019】
図に示す実施形態においては、図4に示す円板型シール130が周方向部材124cに設けられて、チャンバ61をチャンバ62から分離し且つ密封する。フレーム120内の円板型シール130により、入口通路52とチャンバ60及び61と出口通路56とを含む流路と、入口通路54とチャンバ62及び63と出口通路58とを含む第2の流路との2つの流路が形成される。円板130は、中央に配置される穴132を含んで、弁棒104を受け入れると共にその自在な移動を可能にする。円板型シール130は、弁ハウジング50を介した所望の流れパターンによっては、排除されてよい。
【0020】
フレーム120は、Oリングを受け入れ且つ保持して弁ハウジング50内においてフレームを密封するために長手部材122と周方向部材124との半径方向外側表面に形成される溝128を含む。図2を参照すると、Oリング140は弁ハウジング壁に接触してフレームの周方向部材124と弁ハウジング50の壁との間のシールとなって、フレーム120が複数のチャンバ60、61、62及び63を形成しやすくなるようにする。
【0021】
図5を参照すると、弁組立体のフレーム120は、長手方向に分割された2つの部分120a、120bによって形成される。各部分120a、120bは、円形の弁がさにより、半円筒状をなすと共に、弁棒104と弁がさ106、108との周りにクラムシェル状に組み付けられる。これによって弁組立体の組立が容易になる。部分120a及び120bは嵌め合い長手部材123、125で結合される(これらの部分の反対側の、この図では隠れた長手部材も嵌め合わされる)。円板型シール130を設ける場合は、この円板も図4に線134で示すように、2つの部分に分割されて、2つのフレーム部分120a、120bの各々に円板部分が1つずつ取り付けられる。
【0022】
好適な原則、実施形態及び構成要素の観点から本発明を説明したが、当業者には、添付の特許請求の範囲に定める本発明の範囲から逸脱することなしに、等価の構成要素及び構造に置き換えることもできることが理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5