(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記非ハロゲン系エポキシ樹脂(C)が、ナフタレン変性エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、およびクレゾールノボラック型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されない。
【0011】
樹脂組成物
本発明による樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル(A)と、特定のリン含有シアン酸エステル化合物(B)と、非ハロゲン系エポキシ樹脂(C)と、シアン酸エステル化合物(D)と、充填材(E)とを含んでなる。樹脂組成物は、シランカップリング剤および硬化促進剤等の他の成分をさらに含んでもよい。本発明による樹脂組成物は、プリント配線板用プリプレグの作製に好適に用いられる。以下、樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
【0012】
ポリフェニレンエーテル(A)
本発明において使用されるポリフェニレンエーテル(A)は、一般式(4):
【化12】
(式中、R
21、R
22、R
23、およびR
24は、同一または異なってもよく、炭素数6以下のアルキル基、アリール基、ハロゲン、または水素を表す。)
で表される繰り返し単位を少なくとも含んでなる重合体であることが好ましい。該重合体は、一般式(5):
【化13】
(R
1,R
2,R
3,R
7,R
8は、同一または異なってもよく、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R
4,R
5,R
6は、同一または異なってもよく、水素原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。)
で表される繰り返し単位、および/または、一般式(6):
【化14】
(R
9,R
10,R
11,R
12,R
13,R
14,R
15,R
16は、同一または異なってもよく、水素原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。−A−は、炭素数20以下の直鎖状、分岐状または環状の2価の炭化水素基である。)
で表される繰り返し単位をさらに含んでもよい。
【0013】
本発明において、ポリフェニレンエーテル(A)は、一部又は全部を、ビニルベンジル基等のエチレン性不飽和基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、およびシリル基等で官能化された変性ポリフェニレンエーテルを用いることもできる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0014】
変性ポリフェニレンエーテルの製造方法は本発明の効果が得られるものであれば特に限定されない。例えば、ビニルベンジル基で官能基化されたものは、2官能フェニレンエーテルオリゴマーとビニルベンジルクロライドを溶剤に溶解させ、加熱攪拌下で塩基を添加して反応させた後、樹脂を固形化することで製造できる。カルボキシル基で官能基化されたものは、例えばラジカル開始剤の存在下または非存在下において、ポリフェニレンエーテルに不飽和カルボン酸やその官能的誘導体を溶融混練し、反応させることによって製造される。あるいは、ポリフェニレンエーテルと不飽和カルボン酸やその官能的誘導体とをラジカル開始剤存在下または非存在下で有機溶剤に溶かし、溶液下で反応させることによって製造される。
【0015】
本発明におけるポリフェニレンエーテル(A)は、両末端にエチレン性不飽和基を有する変性ポリフェニレンエーテルを含むものであることが好ましい。エチレン性不飽和基としては、エテニル基、アリル基、メタリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、およびオクテニル基等のアルケニル基、シクロペンテニル基およびシクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基、ビニルベンジル基およびビニルナフチル基等のアルケニルアリール基が挙げられ、ビニルベンジル基が好ましい。両末端の2つのエチレン性不飽和基は、同一の官能基であってもよいし、異なる官能基であってもよい。
【0016】
本発明におけるポリフェニレンエーテル(A)は、一般式(7):
【化15】
(式中、−(O−X−O)−は、一般式(8):
【化16】
(R
1,R
2,R
3,R
7,R
8は、同一または異なってもよく、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R
4,R
5,R
6は、同一または異なってもよく、水素原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。)
または一般式(9):
【化17】
(R
9,R
10,R
11,R
12,R
13,R
14,R
15,R
16は、同一または異なってもよく、水素原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。−A−は、炭素数20以下の直鎖状、分岐状または環状の2価の炭化水素基である。)
で表される構造からなる。−(Y−O)−は、一般式(10):
【化18】
(R
17,R
18は、同一または異なってもよく、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R
19,R
20は、同一または異なってもよく、水素原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。)
で表され、1種類の構造または2種類以上の構造がランダムに配列している。a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜100の整数を示す。)
で表される変性ポリフェニレンエーテルを含むことが特に好ましい。
【0017】
一般式(7)における−A−としては、例えば、メチレン、エチリデン、1−メチルエチリデン、1,1−プロピリデン、1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)、1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)、シクロヘキシリデン、フェニルメチレン、ナフチルメチレン、1−フェニルエチリデン、等の2価の有機基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
本発明におけるポリフェニレンエーテル(A)のなかでは、R
1,R
2,R
3,R
7,R
8,R
17,R
18が炭素数3以下のアルキル基であり、R
4,R
5,R
6,R
9,R
10,R
11,R
12,R
13,R
14,R
15,R
16,R
19,R
20が水素原子または炭素数3以下のアルキル基であるポリフェニレンエーテルが好ましく、特に一般式(8)または一般式(9)で表される−(O−X−O)−が、式(12)、一般式(13)、または一般式(14)であり、一般式(10)で表される−(Y−O)−が、式(15)または式(16)であるか、あるいは式(15)と式(16)がランダムに配列した構造であるポリフェニレンエーテルがより好ましい。
【0020】
【化20】
(式中、R
11,R
12,R
13,R
14は、同一でも異なってもよく、水素原子またはメチル基である。−A−は、炭素数20以下の直鎖状、分岐状または環状の2価の炭化水素基である。)
【0021】
【化21】
(−A−は、炭素数20以下の直鎖状、分岐状または環状の2価の炭化水素基である。)
【0024】
式(7)で表される構造を有する変性ポリフェニレンエーテルの製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、2官能フェノール化合物と1官能フェノール化合物を酸化カップリングさせて得られる2官能フェニレンエーテルオリゴマーの末端フェノール性水酸基をビニルベンジルエーテル化することで製造することができる。
【0025】
ポリフェニレンエーテル(A)の数平均分子量は、GPC法によるポリスチレン換算で500〜3,000の範囲が好ましく、1000〜2500の範囲がより好ましい。数平均分子量が500以上であれば、塗膜状にした際にべたつき難く、また、3000以下であれば、溶剤への溶解性の低下を防止できる。
【0026】
ポリフェニレンエーテル(A)の含有量は、(A)〜(D)成分の合計100質量部に対し、電気特性や難燃性、ピール強度の観点から、50〜90質量部の範囲が好ましく、60〜80質量部の範囲がより好ましく、65〜75質量部の範囲が特に好ましい。
【0027】
リン含有シアン酸エステル化合物(B)
本発明において使用されるリン含有シアン酸エステル化合物(B)は、一般式(1):
【化24】
(式中、X
1〜X
8は、同一または異なってよい、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはアラルキル基を示し、Zは、式(2):
【化25】
(式中、X
9は、同一または異なってよい、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはアラルキル基を示し、aは1〜4の整数を示し、bは0〜4の整数を示し、かつmは1〜4の整数を示す)
で表される基、または式(3):
【化26】
(式中、cは0〜4の整数を示し、かつnは1〜3の整数を示す)
で表される基を示す)
で表される。リン含有シアン酸エステル化合物(B)は、リン原子及びシアナト基を有することから、得られたプリント配線板用材料の難燃性及び耐熱性を向上させることができる。
【0028】
式(1)において、X
1〜X
8は、同一または異なってよい水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示しており、X
1〜X
8は同一または異なってよい水素原子またはメチル基であることが好ましい。具体的には、X
1 〜X
8としては、例えば、X
1〜X
8のすべてが水素原子である場合、X
1、X
3、X
4、X
5およびX
7が水素原子であり、X
2、X
6およびX
8がメチル基である場合、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
7およびX
8が水素原子であり、X
6がtert−ブチル基である場合、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
7およびX
8が水素原子であり、X
6がα,α−ジメチルベンジル基である場合、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6およびX
7が水素原子であり、X
8がシクロヘキシル基である場合、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6およびX
7が水素原子であり、X
8がフェニル基である場合等を挙げることができる。このうち、X
1〜X
8のすべてが水素原子である場合、およびX
1、X
3、X
4、X
5およびX
7が水素原子であり、X
2、X
6およびX
8がメチル基である場合が好ましく、X
1〜X
8のすべてが水素原子である場合が特に好ましい。
【0029】
式(1)において、Zは式(2)で表される基を示す場合、X
9は水素原子、アルキル基、またはアリール基であり、aが1〜4であり、bが0〜2であり、かつmが1〜2であることが好ましく、aが3であり、bが0であり、かつmが2であることがより好ましい。式(2)で表される基としては、例えば、1−シアナトフェニル−3−イル基、1−シアナトフェニル−4−イル基、1,4−ジシアナトフェニル−2−イル基、1,4−ジシアナト−5−tert−ブチルフェニル−2−イル基、1,4−ジシアナト−5−シクロヘキシルフェニル−2−イル基、1,4−ジシアナト−5−フェニルフェニル−2−イル基、1,4,5−トリシアナトフェニル−2−イル基、1,4,5,6−テトラシアナトフェニル−2−イル基、3−シアナトベンジル基、4−シアナトベンジル基、4−シアナト−3,5−ジメチルベンジル基および4−シアナト−3,5−ジ―tert−ブチルベンジル基等を挙げることができる。このうち、1−シアナトフェニル−4−イル基、1,4−ジシアナトフェニル−2−イル基、4−シアナトベンジル基および4−シアナト−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル基が好ましく、1,4−ジシアナトフェニル−2−イル基が特に好ましい。
【0030】
式(1)において、Zは式(3)で表される基を示す場合、cが0であり、かつnが2であることが好ましい。式(3)で表される基としては、例えば、1−シアナトナフチル−2−イル基、4−シアナトナフチル−2−イル基、1,4−ジシアナトナフチル−2−イル基および1,3,4−トリシアナトナフチル−2−イル基等を挙げることができる。このうち、4−シアナトナフチル−2−イル基および1,4−ジシアナトナフチル−2−イル基が好ましく、1,4−ジシアナトナフチル−2−イル基が特に好ましい。
【0031】
本発明において使用されるリン含有シアン酸エステル化合物(B)は、式(11):
【化27】
で表される化合物であることが特に好ましい。この化合物の市販品としては、例えばLonza社製の商品名FR−300が挙げられる。
【0032】
本発明において使用されるリン含有シアン酸エステル化合物(B)は、従来公知の方法により製造することができる。例えば、式(1)で表されるヒドロキシル基を有する環状ホスフィネート化合物とハロゲン化シアンとを反応させ、−OH基部分を−OCN基に変換することで、目的とするシアナト基含有環状ホスフィネート化合物が得られる。−OH基部分を−OCN基に変換するための方法、すなわち、シアン酸エステルの製造方法は、ハロゲン化シアンとフェノール類とを3級アミン存在下で反応させる方法や、アルコール系またはフェノール系化合物のアルカリ金属塩とハロゲン化シアンとを反応させる方法、等の従来公知の方法により行うことができる。
【0033】
リン含有シアン酸エステル化合物(B)の含有量は、(A)〜(D)成分の合計100質量部に対し、耐熱性、難燃性及び電気特性の観点から、10〜25質量部の範囲が好ましく、10〜20質量部の範囲がより好ましく、13〜20質量部の範囲が特に好ましい。
【0034】
非ハロゲン系エポキシ樹脂(C)
本発明において使用される非ハロゲン系エポキシ樹脂(C)としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する非ハロゲン系化合物であれば、特に限定されるものではない。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性したノボラック型のエポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエステル、ブタジエンなどの二重結合をエポキシ化した化合物、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物などが挙げられる。これらの非ハロゲン系エポキシ樹脂のなかでは、ナフタレン骨格変性したノボラック型のエポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂またはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が耐熱性の面で好ましい。これらの非ハロゲン系エポキシ樹脂は1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
【0035】
非ハロゲン系エポキシ樹脂(C)の含有量は、(A)〜(D)成分の合計100質量部に対し、電気特性や難燃性、ピール強度の観点から、1〜15質量部の範囲が好ましく、質量部の範囲が好ましく、3〜12質量部の範囲がより好ましく、5〜10質量部の範囲が特に好ましい。
【0036】
シアン酸エステル化合物(D)
本発明において使用されるシアン酸エステル化合物(D)の例としては、分子内に2個以上のシアナト基を有する化合物であり、かつ式(10)で表される化合物以外のものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、ビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂及びそのプレポリマー、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂、1,3−または1,4−ジシアナトベンゼン、1,3,5−トリシアナトベンゼン、1,3−、1,4−、1,6−、1,8−、2,6−または2,7−ジシアナトナフタレン、1,3,6−トリシアナトナフタレン、4,4−ジシアナトビフェニル、ビス(4−ジシアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモー4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、ビス(4−シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、トリス(4−シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4−シアナトフェニル)ホスフェート並びにノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得られるシアン酸エステル化合物などが挙げられる。これらのなかでビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂及びそのプレポリマーやナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂が耐熱性の面で特に好ましい。これらのシアン酸エステル化合物は1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
【0037】
シアン酸エステル化合物(D)の含有量は、(A)〜(D)成分の合計100質量部に対し、電気特性や難燃性の観点から、1〜15質量部の範囲が好ましく、質量部の範囲が好ましく、3〜12質量部の範囲がより好ましく、5〜10質量部の範囲が特に好ましい。
【0038】
充填材(E)
本発明において使用される充填材(E)は積層板用途において一般に使用されるものであれば適用可能である。具体的には、天然シリカ、溶融シリカ、合成シリカ、アモルファスシリカ、中空シリカ等のシリカ類、酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛等のモリブデン化合物、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、アルミナ、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、焼成タルク、マイカ、ガラス短繊維(EガラスやDガラスなどのガラス微粉末類)、中空ガラスなど無機系の充填材や、スチレン型、ブタジエン型、アクリル型などのゴムパウダー、コアシェル型のゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーン複合パウダーなど有機系の充填材などが挙げられる。これらのなかでも、本発明においては、シリカ類、タルクが好ましく、電気特性の観点から、シリカ類が特に好ましい。これらの充填材は1種もしくは2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。
【0039】
本発明の充填材(E)としてシリカ類を使用する場合、その平均粒子径(D50)は特に限定されないが、分散性を考慮すると平均粒子径(D50)が0.1〜3μmのメソポーラスシリカ、球状溶融シリカ、球状合成シリカ、中空球状シリカ等が好ましい例として挙げられる。平均粒子径(D50)が、0.1〜3μmの範囲内であれば、成形時の流れ特性や小径ドリルビットの使用時の折損などの課題を改善することができる。平均粒子径(D50)は次のようにして測定した。レーザー回折式粒度分布計により、水分散媒中に所定量投入された粉体の粒度分布を測定、小さい粒子から体積積算し、全体積の50%に達した時の粒子の径を平均粒子径(D50)とした。
【0040】
充填材(E)の含有量は、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、難燃性やピール強度、成形性、耐熱性、電気特性の観点から、10〜200質量部の範囲が好ましく、20〜150質量部の範囲が特に好ましく、40〜100質量部の範囲が特に好ましい。
【0041】
他の成分
本発明による樹脂組成物は、シランカップリング剤をさらに含んでもよい。充填材(E)に関して、シランカップリング剤や湿潤分散剤の併用が好適である。これらのシランカップリング剤は、一般に無機物の表面処理に使用されているシランカップリング剤であれば、特に限定されるものではない。具体的には、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシランなどのアミノシラン系、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシシラン系、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルートリ(β−メトキシエトキシ)シランなどのビニルシラン系、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩などのカチオニックシラン系、フェニルシラン系などが例示され、1種もしくは2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。また湿潤分散剤は、塗料用に使用されている分散安定剤であれば、特に限定されるものではない。好ましくは、酸基を有する共重合体ベースの湿潤分散剤が使用され、その具体例としては、ビックケミー・ジャパン製のDisperbyk−110、111、161、996、W903などが挙げられる。
【0042】
本発明による樹脂組成物は、必要に応じ硬化速度を適宜調節するために硬化促進剤をさらに含んでもよい。これらはシアン酸エステル樹脂やエポキシ樹脂の硬化促進剤として公知であり一般に使用されるものであれば、特に限定されるものではない。これらの具体例としては、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル等の有機金属塩類、イミダゾール類及びその誘導体、第3級アミン類等が挙げられる。
【0043】
本発明による樹脂組成物は、所期の特性が損なわれない範囲において、他の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及びそのオリゴマー、エラストマー類などの種々の高分子化合物、他の難燃性化合物、添加剤などをさらに含んでもよい。これらは一般に使用されているものであれば、特に限定されるものではない。例えば、難燃性の化合物では、リン酸エステル、リン酸メラミン、リン含有エポキシ樹脂、メラミンやベンゾグアナミンなどの窒素化合物、オキサジン環含有化合物、シリコン系化合物等が挙げられる。添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、光増感剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光沢剤等、所望に応じて適宜組み合わせて使用することも可能である。
【0044】
本発明による樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶剤に溶解した樹脂組成物の溶液として用いることが可能である。有機溶剤としては本発明における各種成分の混合物を溶解するものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等の極性溶剤類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤類等が例示され、単独或いは2種以上混合して用いられる。
【0045】
プリプレグ
本発明によるプリプレグは、上記の樹脂組成物を基材に含浸または塗布してなるものである。本発明によるプリプレグの製造方法は、上記の樹脂組成物と基材とを組み合わせてプリプレグを製造する方法であれば、特に限定されない。具体的には、本発明の樹脂組成物を基材に含浸または塗布させ、120〜220℃、2〜15分程度乾燥させる方法などによって半硬化させ、プリプレグを製造する方法が挙げられる。基材に対する樹脂組成物の含有量は、プリプレグの総量に対する樹脂組成物の割合で30〜90質量%の範囲が好ましい。
【0046】
本発明においてプリプレグを製造する際に使用する基材としては、各種プリント配線板用材料に用いられている公知のものを使用することができる。例えば、Eガラス、Dガラス、Sガラス、Tガラス、NEガラス、クォーツ、液晶ポリエステル等の織布が挙げられる。織布の厚みは特に限定されないが、0.01〜0.2mmの範囲の積層板用途に使用されるもので、特に超開繊処理や目詰め処理を施した織布が、寸法安定性の面から好適である。またエポキシシラン処理、アミノシラン処理などのシランカップリング剤などで表面処理したガラス織布は吸湿耐熱性の面から好ましい。また液晶ポリエステル織布は、電気特性の面から好ましい。
【0047】
金属箔張り積層板
本発明による金属箔張り積層板は上述のプリプレグを用いて積層成形したものである。具体的には、前述のプリプレグを一枚あるいは複数枚重ね、その片面もしくは両面に金属箔を配置して、例えば温度180〜220℃、加熱時間100〜300分、面圧20〜40kg/cm
2で積層成形することにより製造する。使用する金属箔の厚みは、プリント配線板用材料に使用されるものであれば特に限定はないが、好適には3〜35μmである。高周波領域での導体損失を考慮し、マット面の粗さが小さい電解銅箔が好適である。また多層板の製造方法としては、例えば、本発明のプリプレグ1枚の両面に、35μmの銅箔を配置して、上記条件にて積層形成した後、内層回路を形成し、この回路に黒化処理を実施して、内層回路板とする。この内層回路板と本発明のプリプレグを組み合わせ積層成形することにより多層板とすることも可能である。
【0048】
樹脂シート
本発明による樹脂シートは、上記の樹脂組成物の溶液をシート用基材に塗布し乾燥した後、基材を剥離またはエッチングすることでで得られる。シート用基材としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体フィルム、並びにこれらのフィルムの表面に離型剤を塗布した離型フィルム、ポリイミドフィルム、等の有機系のフィルム基材、銅箔、アルミ箔等の導体箔、ガラス板、SUS板、FRP等の板状のものが挙げられる。塗布する方法としては、例えば、樹脂組成物の溶液をバーコーター、ダイコーター、ドクターブレード、ベーカーアプリケーター等でシート用基材上に塗布し、溶剤を乾燥する方法が挙げられる。
【0049】
溶剤を乾燥する際の乾燥条件は特に制限はないが、20℃〜170℃の温度で1〜90分間乾燥するのが好ましい。乾燥温度が20℃以上であれば、樹脂組成物中に溶剤が残り難く、170℃以下であれば、樹脂組成物の硬化が進行しないためである。樹脂層の厚みは樹脂組成物溶液の濃度と塗布厚みにより調整することができるが、乾燥時の溶剤の蒸発のし易さの観点から、0.1〜500μmが好ましい。
【0050】
本発明による樹脂組成物は、プリント配線板の絶縁層、半導体パッケージ用材料として用いることができる。例えば、基材として銅箔を用いて本発明の硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解させた溶液を塗布し乾燥することで樹脂付き銅箔としたり、基材として剥離可能なプラスチックフィルムを用いて本発明の硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解させた溶液を塗布し乾燥することでビルドアップ用フィルム、ドライフィルムソルダーレジスト、ダイアタッチフィルムとすることができる。溶剤は20℃〜150℃の温度で1〜90分間加熱することで乾燥できる。また、硬化性樹脂組成物は溶剤を乾燥しただけの未硬化の状態で使用することもできるし、必要に応じて半硬化(Bステージ化)の状態にして使用することもできる。
【実施例】
【0051】
以下に、合成例、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0052】
(合成例1)
α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂の合成
温度計、攪拌器、滴下漏斗及び還流冷却器を取りつけた反応器を予めブラインにより0〜5℃に冷却しておき、そこへ塩化シアン7.47g(0.122mol)、35%塩酸9.75g(0.0935mol)、水76ml、及び塩化メチレン44mlを仕込んだ。この反応器内の温度を−5〜+5℃、pHを1以下に保ちながら、撹拌下、α−ナフトールアラルキル(SN485、OH基当量:214g/eq.軟化点:86℃、新日鐵化学(株)製)20g(0.0935mol)、及びトリエチルアミン14.16g(0.14mol)を塩化メチレン92mlに溶解した溶液を滴下漏斗により1時間かけて滴下し、滴下終了後、更にトリエチルアミン4.72g(0.047mol)を15分間かけて滴下した。
【0053】
滴下終了後、同温度で15分間撹拌後、反応液を分液し、有機層を分取した。得られた有機層を水100mlで2回洗浄した後、エバポレーターにより減圧下で塩化メチレンを留去し、最終的に80℃で1時間濃縮乾固させて、式(17):
【化28】
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは1から50までの整数を示す。)
で表される、目的とするシアン酸エステル樹脂23.5gを得た。
【0054】
得られたシアン酸エステルを、液体クロマトグラフィー及びIRスペクトルにより分析したところ、原料ピークは検出されなかった。また、13C−NMR及び1H−NMRにより、構造を同定した。OH基からシアナト基への転化率は、99%以上であった。
【0055】
(実施例1)
一般式(7)で表され、−(O−X−O)−が式(12)、−(Y−O)−が式(15)で表され、a及びbが0〜100であるポリフェニレンエーテル(A)(OPE−2St 1200、三菱ガス化学(株)製、数平均分子量1187、ビニル基当量:590g/eq.)70質量部と、リン含有シアン酸エステル樹脂(FR−300、Lonza社製、シアネート当量:187g/eq.)15質量部と、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂(EXA−9900、DIC(株)製、エポキシ当量:250g/eq.)7質量部と、合成例1により得られたα−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂8質量部と、球状シリカ(SC2050、(株)アドマテックス製、平均粒子径0.5μm)70質量部とを混合し、メチルエチルケトンで固形分を65質量%に希釈しワニスを得た。この得られたワニスを厚さ0.08mm(IPC No.#3313)のEガラスクロスに含浸塗工し、乾燥機(耐圧防爆型スチーム乾燥機、(株)高杉製作所製))を用いて170℃、8分加熱乾燥し、樹脂組成物55質量%のプリプレグを得た。この55質量%のプリプレグ8枚を重ねた両面に18μm銅箔(3EC―III、三井金属鉱業(株)製)を配置し、圧力30kg/cm
2、温度210℃で150分間真空プレスを行い、厚さ0.8mmの18μm銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板を用いて、難燃性、耐熱性、熱膨張率、電気特性、ピール強度の評価を行った。結果を表1に示す。
【0056】
(測定方法)
1)耐燃性:UL94垂直試験法に準じて測定した(n=5)。
2)ガラス転移温度(Tg):DMA法により測定し、2回の平均値が、200℃以上を(○)、200℃未満を(×)とした。
3)熱膨張係数(α1、α2):JlS C 6481に規定されるTMA法により測定し、2回の平均値が、α1が50ppm/℃以下、かつ、α2が250ppm/℃以下の場合を(○)、どちらか一方がそれらの値を上回った場合を(△)、いずれの値も上回った場合を(×)とした。
4)誘電正接:厚さ0.8mmの銅張り積層板の銅箔を除去した試験片を使用し、空洞共振器摂動法(Agilent 8722ES、アジレントテクノロジー製)にて10GHzの誘電正接の測定を5回実施し、少なくとも4回以上0.005以下であった場合を(○)、2〜3回、0.005以下であった場合を(△)、少なくとも4回以上0.005よりも大きい値であった場合を(×)とした。
5)ピール強度:JIS C6481に準じて、18μm銅箔付きの試験片(30mm×150mm×0.8mm)を用い、銅箔の引き剥がし強度を2回測定し、2回とも0.7kg/cm以上の場合を(○)、1回だけ0.7kg/cm以上の場合を(△)、2回とも0.7kg/cm未満の場合を(×)とした。
【0057】
(実施例2)
実施例1で使用したポリフェニレンエーテル(A)(OPE−2St 1200)を60質量部、リン含有シアン酸エステル樹脂(FR−300)を20質量部、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂(EXA−9900)を10質量部、α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂8質量部に代えてビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂(CA210)を10質量部とした以外は実施例1と同様に行った。得られた銅張り積層板の物性値を表1に示す。
【0058】
(実施例3)
実施例1で使用したポリフェニレンエーテル(A)(OPE−2St 1200)を80質量部、リン含有シアン酸エステル樹脂(FR−300)を10質量部、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂(EXA−9900)を5質量部、α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂を5質量部とした以外は実施例1と同様に行った。得られた銅張り積層板の物性値を表1に示す。
【0059】
(実施例4)
球状シリカ(SC2050)を40質量部とする以外は実施例1と同様に行った。得られた銅張り積層板の物性値を表1に示す。
【0060】
(実施例5)
α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂8質量部に代えてビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂(CA210、三菱ガス化学(株)製、シアネート当量:139g/eq.)8質量部、球状シリカ(SC2050)を100質量部用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた銅張り積層板の物性値を表1に示す。
【0061】
(実施例6)
ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂(EXA−9900)を10質量部、α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂を5質量部用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた銅張り積層板の物性値を表1に示す。
【0062】
(実施例7)
ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂(EXA−9900)を5質量部、α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂8質量部に代えてビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂(CA210)を10質量部とした以外は実施例1と同様に行った。得られた銅張り積層板の物性値を表1に示す。
【0063】
(実施例8)
実施例1で使用したポリフェニレンエーテル(A)(OPE−2St 1200)を55質量部、リン含有シアン酸エステル樹脂(FR−300)を22質量部、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂(EXA−9900)を11質量部、α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂を12質量部とした以外は実施例1と同様に行った。得られた銅張り積層板の物性値を表1に示す。
【0064】
(実施例9)
実施例1で使用したポリフェニレンエーテル(A)(OPE−2St 1200)を80質量部、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂(EXA−9900)を2質量部、α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂8質量部に代えてビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂(CA210)を3質量部とした以外は実施例1と同様に行った。得られた銅張り積層板の物性値を表1に示す。
【0065】
(実施例10)
ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂(EXA−9900)を8質量部、α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂8質量部に代えてビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂(CA210)を7質量部、球状シリカ(SC2050)を20質量部とした以外は実施例1と同様に行った。得られた銅張り積層板の物性値を表1に示す。
【0066】
(実施例11)
ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂(EXA−9900)を8質量部、α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂を7質量部、球状シリカ(SC2050)を150質量部とした以外は実施例1と同様に行った。得られた銅張り積層板の物性値を表1に示す。
【0067】
(実施例12)
一般式(7)で表され、−(O−X−O)−が式(12)、−(Y−O)−が式(15)で表され、a及びbが0〜100であるポリフェニレンエーテル(A)(OPE−2St 2200、三菱ガス化学(株)製、数平均分子量2250、ビニル基当量:1189g/eq.)70質量部を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた銅張り積層板の物性値を表1に示す。
【0068】
(比較例1)
リン含有シアン酸エステル樹脂(FR−300)15質量部と、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂(EXA−9900)40質量部と、α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂45質量部と、球状シリカ(SC2050)70質量部とを混合し、メチルエチルケトンで固形分65%に希釈しワニスを得た。このワニスを使用する以外は実施例1と同様に行い、銅張積層板を得た。得られた銅張り積層板の物性値を表2に示す。
【0069】
(比較例2)
実施例1で使用したポリフェニレンエーテル(A)(OPE−2St 1200)70質量部と、リン含有シアン酸エステル樹脂(FR−300)15質量部と、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂(EXA−9900)15質量部と、球状シリカ(SC2050)70質量部とを混合し、メチルエチルケトンで固形分65%に希釈しワニスを得た。このワニスを使用する以外は、実施例1と同様に行い、得られた銅張り積層板の物性値を表2に示す。
【0070】
(比較例3)
実施例1で使用したポリフェニレンエーテル(A)(OPE−2St 1200)70質量部と、リン含有シアン酸エステル樹脂(FR−300)15質量部と、α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂15質量部と、球状シリカ(SC2050)70質量部とを混合し、メチルエチルケトンで固形分65%に希釈しワニスを得た。このワニスを使用する以外は、実施例1と同様に行い、得られた銅張り積層板の物性値を表2に示す。
【0071】
(比較例4)
実施例1で使用したポリフェニレンエーテル(A)(OPE−2St 1200)70質量部と、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂(EXA−9900)14質量部と、ビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂(CA210)16質量部と、球状シリカ(SC2050)70質量部とを混合し、メチルエチルケトンで固形分65%に希釈しワニスを得た。このワニスを使用する以外は、実施例1と同様に行い、得られた銅張り積層板の物性値を表2に示す。
【0072】
(比較例5)
実施例1で使用したポリフェニレンエーテル(A)(OPE−2St 1200)70質量部と、リン含有シアン酸エステル樹脂(FR−300)15質量部と、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂(EXA−9900)7質量部と、ビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂(CA210)8質量部とを混合し、メチルエチルケトンで固形分65%に希釈しワニスを得た。このワニスを使用する以外は、実施例1と同様に行い、得られた銅張り積層板の物性値を表2に示す。
【0073】
(比較例6)
リン含有シアン酸エステル樹脂(FR−300)の代わりに、シアノフェニルフォスファゼン化合物(FP−300、伏見製薬所(株)製)を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた銅張り積層板の物性値を表2に示す。
【0074】
(比較例7)
リン含有シアン酸エステル樹脂(FR−300)の代わりに、ホスホリルフェナントレン化合物(HCA、三光(株)製)を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた銅張り積層板の物性値を表2に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】